JPH1128768A - 微小構造体の製造方法 - Google Patents

微小構造体の製造方法

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JPH1128768A
JPH1128768A JP9182858A JP18285897A JPH1128768A JP H1128768 A JPH1128768 A JP H1128768A JP 9182858 A JP9182858 A JP 9182858A JP 18285897 A JP18285897 A JP 18285897A JP H1128768 A JPH1128768 A JP H1128768A
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高幸 山田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄膜パターンをステージに確実に接合させる
ことができ、転写率を高めることができる微小構造体の
製造方法を提供すること。 【解決手段】 基板100を薄膜パターン1Aが形成さ
れた領域以外の部分でエッチバックして凹部103Bを
形成し、基板100の突出部103A上に形成された薄
膜パターン1Aをステージ202の表面に接触させる、
或いは基板100の表面に緩衝層(離型層)106を形
成し、緩衝層(離型層)106上に形成された薄膜パタ
ーン1Aをステージ202の表面に接触させるようにし
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層造形方法によ
って微小ギアや微細光学部品、或いはこれらを成形する
金型等の微小構造体を製造する微小構造体の製造方法に
関し、特に、金属あるいは絶縁体からなる薄膜を微小構
造体の断面形状にパターニングし、これらを積層するこ
とによって微小構造体を製造する微小構造体の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】積層造形方法は、コンピュータで設計さ
れた複雑な形状の3次元物体を短納期で造形する方法と
して近年急速に普及している。積層造形方法で作製され
た3次元物体は、種々の装置の部品のモデル(プロトタ
イプ)として、部品の動作や形状の良否を調べるために
利用される。この方法が適用される部品のサイズは、数
cm以上の比較的大きな部品が多かったが、近年、精密
に加工して形成される微小部品、例えば、微小ギアや微
細光学部品にもこの方法を適用したいというニーズがあ
る。このようなニーズに対応するものとして、従来より
以下の積層造形方法が知られている。 (1) 光造形法 (2) 粉末法 (3) シート積層法 (4) 薄膜を出発材料として用いる方法
【0003】図14は光造形法を示す。この光造形法
は、紫外線等の光照射によって硬化する光硬化性樹脂3
00を満たした槽301に、上面よりレーザ光302を
3次元物体の断面形状データに応じて2次元走査を行
い、樹脂層300Aを硬化させ、ステージ303を1層
分下げ、この工程を繰り返すことにより複数の樹脂層3
00Aからなる3次元物体を造形するものである。この
光造形法として、名古屋大学の生田らによって文献「O
PTRONICS(1996)No.4、p103」に
示されるものがある。この光造形法によれば、露光条件
の最適化や樹脂特性の最適化等の工夫により平面形状精
度5μm、積層方向の解像度3μmを達成することがで
きる。また、大阪大のKawataらによって文献「P
roceedings of MEMS 97, p1
69」に示されるものがある。この光造形法によれば、
2光子吸収現象という原理を用いることによって平面形
状精度0.62μm、積層方向の解像度2.2μmを達
成することができる。
【0004】図15は粉末法を示す。この粉末法は、槽
301内に粉体304を薄く敷き詰め、この薄い層(粉
体層)304Aにレーザ光302を照射することにより
粉体層304Aを所望の形状の薄層に焼結させ、この工
程を繰り返すことにより複数の粉体層304Aからなる
焼結体の3次元物体を造形するものである。この粉末法
によれば、3次元物体として樹脂だけでなく、セラミッ
クスや金属等の造形が可能である。
【0005】図16はシート積層法に係る製造装置を示
し、特開平6−190929号公報に示されているもの
である。この製造装置において、フィルム供給部310
からプラスチックフィルム311を供給すると、そのプ
ラスチックフィルム311は、接着剤塗布部320によ
って下面に光硬化型接着剤321が一様に塗布されて接
着層が形成され、ネガパターン露光部330によって接
着層のうち微小構造体の断面形状に対応する領域以外の
領域が露光され、硬化部と未硬化部が形成され、光硬化
接合部340の押えローラ341によって下方に押さえ
られ、線光源342からの光線によって未硬化部が硬化
し、下側のプラスチックフィルム311に接合する。レ
ーザ切断部350は、炭酸ガスレーザ源351からのレ
ーザによってプラスチックフィルム311の後端を切断
すると共に、レーザによって最上層のプラスチックフィ
ルム311の不要領域の輪郭を除去する。この工程を繰
り返して微小構造体が製造される。なお、同図におい
て、360は本装置を制御するワークステーションであ
る。このシート積層法によれば、プラスチックシートか
らなる微小構造体が得られる。
【0006】図17は薄膜を出発材料として用いる製造
方法を示し、特開平8−127073号公報に示されて
いるものである。この製造方法は、同図(a) に示すよう
に、基材370に感光性樹脂膜371を形成し、同図
(b) に示すように、所望のパターンに露光して露光部3
71Aを形成する工程と、同図(c) に示すように、樹脂
膜371の混合を防止し、下層への露光を妨げる中間膜
372を形成する工程を繰り返し、同図(d) に示すよう
に、樹脂膜371と中間膜372からなる多層構造物を
形成した後、樹脂の現像液に浸漬して同図(b) ,(c) に
示す露光部371Aを選択除去して同図(d) に示すよう
に、立体形状の微小構造体を得る方法である。この製造
方法を用いれば、樹脂膜371と中間膜372はスピン
コート法等が適用できるため、積層方向の解像度をμm
オーダーにできる。
【0007】しかし、上記光造形法によれば、微小ギア
や微細光学部品の製造に必要な積層方向の解像度1μm
以下、薄膜精度0.1μm以下を達成できないという欠
点がある。すなわち、出発材料(光硬化樹脂)を硬化さ
せるために、層に垂直に入射する光を用いているため、
垂直入射した光は表面から吸収され、その強度を弱めな
がら深く進入していき、やがて硬化に必要な閾値レベル
以下になる。そこまでの層の厚みが1層の厚みである
が、これは入射光の強度のばらつき,経時変化,出発材
料の吸収係数のばらつき等により変化するため、高解像
度化は難しい。
【0008】また、光硬化樹脂を用いるため、造形後に
行われる完全硬化させるためのフルキュア工程で全体が
1〜数%収縮するという欠点があり、この工程で大幅に
精度を落とすことになる。
【0009】更に、作製できる微小構造体は比較的柔ら
かな光硬化樹脂に限られるため、金属等の固い材料で目
的とする微小構造体を製造する場合は、この樹脂を型と
して電鋳法や射出成形法等により転写するしかなく、転
写工程が必要になるという欠点がある。
【0010】また、粉末法によれば、光造形法と同様
に、層に垂直に入射する光を用いているため、積層方向
の解像度が悪く、フルキュア工程における収縮により精
度劣化を招くという欠点を有している。
【0011】また、シート積層法によれば、積層方向の
解像度はシートの厚さで決まり、その下限はシートの取
り扱いを考慮すると数十μm程度であり、やはり積層方
向の解像度1μm以下は不可能である。
【0012】また、薄膜を出発材料として用いる製造方
法によれば、露光の工程でほぼ垂直に入射する光を用い
るため、下層への露光を防ぐために中間膜(例えは、A
l)が必要となり、1層当たりの解像度の点で不利にな
る。また、中間膜を省略するため、感光波長と溶媒の異
なる2種類の感光性樹脂を交互に積層し、それぞれを露
光し、最後に現像して3次元形状を形成する方法も当該
公報に示されているが、溶媒が異なる樹脂同士の密着性
に難があり、完成した部品の強度が低いこと、および最
後の現像工程で感光性樹脂が膨潤し、寸法精度が悪くな
るという欠点がある。更に、感光性樹脂を用いているた
め、上記の光造形法と同様に金属や絶縁体等の材料には
直接適用することは不可能で、転写工程が必要になると
いう欠点がある。
【0013】そこで、本出願人はこのような問題を解決
する、微小構造体の製造方法として、特願平9−114
071号を提案している。この微小構造体の製造方法
は、微小構造体を構成する複数の断面形状をそれぞれ有
する、金属或いは絶縁体からなる複数の薄膜パターンを
Siウェハ等の基板上に形成し、この基板をステージと
対向させた後、ステージの表面に薄膜パターンを所定の
荷重で押し付けて接合させ、更に基板をステージから離
して基板から薄膜パターンを剥離させてステージ側に転
写するといった各工程を繰り返し行って、ステージ上に
複数の薄膜パターンを積層することにより微小構造体を
形成している。
【0014】上記した製造方法においては、各断面形状
の薄膜パターンを複数個アレイ状に配置したチップをS
iウェハ等の基板上に複数個配置したものを使用して、
各チップの薄膜パターンを順番に積層して1度に複数個
の微小構造体を形成すると、大量生産が可能になり、生
産性を向上させることができる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかし、提案されてい
る微小構造体の製造方法によると、図18の(a) に示す
ように、薄膜パターン1Aをステージ202側に接合す
る際、基板100とステージ202の間にパーティクル
Pが存在すると、薄膜パターン1Aとステージ202の
面接触が妨げられ、薄膜パターン1Aをステージ202
へ接合することが困難になる。パーティクルPは基板の
ガラスやSiウェハのかけら、或いは金属の剥離片や微
粉末など剛性が高くあまり撓まないものが多く、直径が
積層すべき薄膜パターン1Aの膜厚(0.1〜数μm程
度)と同程度、或いはそれ以上であると、薄膜パターン
1Aとステージ202の面接触が妨げられ、接合ができ
なくなる。たとえ直径が1μm程度でも接触できない領
域(ボイド)は数百μm以上に達し、薄膜パターン1A
のサイズが数〜数百μmであることから、その領域中に
存在する薄膜パターン1Aの接合は不可能になる。この
ため、前述したように複数の薄膜パターン1Aを同時に
接合・転写する場合には、転写歩留りを低下させてしま
う。また、生産技術上、パーティクルを皆無にすること
は非常に困難である。
【0016】また、図18の(b) に示すように、基板1
00の表面に微小なうねり等による起伏部100Aが存
在した場合、基板100や薄膜パターン1Aが剛性の高
い材料であることが多いため、薄膜パターン1Aをステ
ージ202側に接合する際、薄膜パターン1Aとステー
ジ202の面接触が妨げられ、接合が困難、或いは不可
能になってしまう。また、前述したように複数の薄膜パ
ターン1Aを同時に接合・転写する場合には、各薄膜パ
ターン1Aに均等な圧着荷重がかからなくなり、転写歩
留りを低下させてしまう。
【0017】従って、本発明の目的は薄膜パターンをス
テージに確実に接合できるようにして転写率を高めるこ
とができる微小構造体の製造方法を提供することであ
る。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は上記問題点に鑑
み、薄膜パターンをステージに確実に接合できるように
して転写率を高めるため、基板上に所定の2次元パター
ンを有する複数の薄膜を形成する第1の工程と、基板を
複数の薄膜が形成された領域以外の部分で所定の深さエ
ッチバックして異物を収容する凹部を形成する第2の工
程と、複数の薄膜を基板上から剥離し、ステージ上に複
数の薄膜を積層して接合させて微小構造体を形成する第
3の工程を含んだ微小構造体の製造方法を提供するもの
である。
【0019】また、本発明は上記の目的を達成するた
め、基板上に当該基板よりヤング率の小さな薄膜からな
る緩衝層を形成する第1の工程と、緩衝層上に所定の2
次元パターンを有する複数の薄膜を形成する第2の工程
と、複数の薄膜を緩衝層上から剥離し、ステージ上に複
数の薄膜を積層して接合させて微小構造体を形成する第
3の工程を含んだ微小構造体の製造方法を提供するもの
である。
【0020】更に、本発明は上記の目的を達成するた
め、基板上に当該基板よりヤング率の小さな薄膜からな
る緩衝層を形成する第1の工程と、緩衝層上に所定の2
次元パターンを有する複数の薄膜を形成する第2の工程
と、緩衝層を複数の薄膜が形成された領域以外の部分で
所定の深さエッチバックして異物を収容する凹部を形成
する第3の工程と、複数の薄膜を緩衝層上から剥離し、
ステージ上に複数の薄膜を積層して接合させて微小構造
体を形成する第4の工程を含んだ微小構造体の製造方法
を提供するものである。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の微小構造体の製造
方法について添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0022】本発明の第1の実施の形態の微小構造体の
製造方法は、着膜工程,パターニング工程,および積層
工程から成る。
【0023】図1の(a) 〜(d) は着膜工程およびパター
ニング工程を示す。まず、着膜工程として、図1の(a)
に示すように、基板100としてガラス基板を準備し、
その表面にスパッタリング法によってAlの薄膜101
を0.5μm着膜する。ターゲットには高純度Alを使
用し、スパッタ圧力は0.5Pa、基板100の温度は
室温とする。着膜中は水晶振動子式膜厚計で常時、膜厚
をモニターし、膜厚が0.5μmに達したところで着膜
を終了する。この方法で着膜を行うと、基板100内の
膜厚分布は、0.5±0.02μm以下が得られる。な
お、この膜厚が最終的に得られる微小構造体の積層方向
の分解能を決めるため、膜厚および膜厚分布には十分な
配慮が必要となる。
【0024】次に、パターニング工程として、図1の
(b) に示すように、通常のフォトリソグラフィー法によ
り微小構造体の各断面形状に対応した複数の薄膜パター
ン1Aを形成する。すなわち、基板100上に形成した
薄膜101の表面にポジ型のフォトレジスト102を塗
布し、図示しないフォトマスクを用いてフォトレジスト
を露光し、露光したフォトレジスト102の部分を溶剤
によって取り去り、露出した薄膜101の部分をエッチ
ングする。この後、図1の(c) に示すように、未露光の
フォトレジスト102をマスクとして基板100を約3
μmエッチバックし、薄膜パターン1Aが形成された領
域の部分に突出部103Aを、それ以外の部分に凹部1
03Bを形成する。このとき、エッチングにはドライエ
ッチング法を用い、ガスとしてCF4 とH2 を用いる。
そして、図1の(d) に示すように、未露光のフォトレジ
スト102を剥離液にて除去し、複数の薄膜パターン1
Aを露出させる。なお、このパターニング工程で基板1
00の位置決めのための複数(例えば、3つ)のアライ
メントマーク104も形成しておく。また、図1の(c)
において、直径の大きい薄膜パターン1Aから順に第1
層〜第6層の薄膜パターン1Aとして説明する。
【0025】このようにして着膜工程,およびパターニ
ング工程が終了すると、次に積層工程を行う。
【0026】ここで、積層工程を説明する前に積層工程
に用いる積層装置の構成について説明する。
【0027】図2は積層装置を示し、積層工程が行われ
る真空槽200を有し、この真空槽200の内部に基板
100が載置される基板ホルダ201と、基板100上
に形成された薄膜パターン1Aが転写されるステージ2
02と、このステージ202に取り付けられ、ステージ
202側をFAB(Fast Atom Bombar
dment)処理する第1のFAB源203A、および
基板100側をFAB処理する第2のFAB源203B
と、FAB処理後にアーム204A,204Bを約90
°回転させて第1および第2のFAB源203A,20
3Bを退避させる第1および第2の退避モータ205
A,205Bと、ステージ202に取り付けられ、基板
100上のアライメントマーク104を検出する顕微鏡
の如きマーク検出部206と、真空槽200内の真空度
を検出する真空計207と、テスージ202を図示しな
いX軸モータによってX軸方向に移動させるとともに、
図示しないX軸位置検出部によってステージ202のX
軸上の位置を検出するX軸テーブル208と、ステージ
202を図示しないY軸モータによってY軸方向に移動
させるとともに、図示しないY軸位置検出部によってス
テージ202のY軸上の位置を検出するY軸テーブル2
09とが配設されている。なお、「FAB処理」とは、
粒子ビームとして、例えば、アルゴンガスを1kV程度
の電圧で加速して材料の表面に照射し、材料表面の酸化
膜,不純物等を除去して清浄な表面を形成する処理をい
う。
【0028】ステージ202は、例えば、ステンレス,
アルミニウム合金等の金属からなり、ステージ202上
に積層された複数の薄膜からなる微小構造体をステージ
202から容易に取り出せるようにするため、予め表面
に犠牲層202A(図5参照)が形成される。犠牲層の
材料は、微小構造体の材料に応じて適宜選択される。す
なわち、微小構造体をアルミニウム等の金属で形成する
場合、犠牲層の材料として銅あるいはニッケルを選択
し、ステージ202の表面に銅あるいせニッケルをめっ
き法により、例えば、約5μm着膜する。微小構造体を
アルミナ,炭化けい素,シリコン窒化膜等の絶縁体であ
るセラミックスで形成する場合、犠牲層の材料としてア
ルミニウムを選択し、ステージ202の表面にアルミニ
ウムを真空蒸着法等により形成する。薄膜の積層終了
後、犠牲層のみをエッチング除去することにより、微小
構造体に外力を加えることなく、微小構造体のみをステ
ージ202から容易に分離することができる。
【0029】真空層200の外部には、基板ホルダ20
1を図示しないZ軸モータによってZ軸方向に移動さ
せ、薄膜をステージ202側に荷重5kgf/cm2
上で1〜10分間圧着させるとともに、図示しないZ軸
位置検出部によって基板ホルダ201のZ軸上の位置を
検出するZ軸テーブル210と、アライメント調整の際
に図示しないθモータによって基板ホルダ201をZ軸
回りに回転させるとともに、図示しないθ位置検出部に
よって基板ホルダ201のθ方向の角度位置を検出する
θテーブル211と、真空槽200内を真空に排気する
真空ポンプ212と、アルゴンガスが充填されたアルゴ
ンガスボンベ213と、アルゴンガスボンベ213から
供給されるアルゴンガスの流量を制御して第1および第
2の電磁弁214A,214Bを介して対応する第1お
よび第2のFAB源203A,203Bにアルゴンガス
を供給する第1および第2の流量コントローラ(MF
C)215A,215Bが設けられている。
【0030】以上の構成において、以下のようにして積
層工程を行う。図3の(a) 〜(c) および図4の(a) 〜
(c) は以下に説明する積層工程を示す。
【0031】(1) 基板100の真空槽200内への導入 複数の薄膜パターン1Aが形成された基板100を積層
装置2の真空槽200内の基板ホルダ201上に載置す
る。
【0032】(2) 真空槽200内の排気 オペレータが積層装置2の図示しない起動スイッチを押
下すると、図示しない制御部は、真空計207の検出値
に基づいて真空ポンプ212を制御して真空槽200内
を10-6Pa台まで排気し、真空槽200内を高真空状
態あるいは超高真空状態にする。
【0033】(3) アライメント調整 排気が終了すると、制御部はステージ202と基板10
0(アライメントマーク104)とのアライメント調整
を行う。すなわち、制御部はX軸モータおよびY軸モー
タを制御してステージ202をX軸方向およびY軸方向
に移動させてマーク検出部206からのマーク検出信号
を取り込み、このマーク検出信号に基づいて基板100
と基板ホルダ201との相対的位置関係を測定し、この
相対的位置関係の測定結果に基づいてステージ202お
よびアライメントマーク104が原点位置に達するよう
にX軸モータ,Y軸モータ,およびθモータを制御す
る。ステージ202は、X軸テーブル208およびY軸
テーブル209によってX軸方向およびY軸方向に移動
し、基板ホルダ201はθテーブル211によって回転
し、ステージ202およびアライメントマーク104が
原点位置に達する。これにより、薄膜パターン1Aが形
成された基板100を載置する位置にずれがあっても、
ステージ202とアライメントマーク104の相対的な
位置出しが正確に行われる。
【0034】(4) 第1層の薄膜パターン1Aを接合する
面の汚染層の除去 アライメント調整が終了すると、制御部は、図3の(a)
に示すように、X軸位置検出部およびY軸位置検出部の
検出信号に基づいてX軸モータおよびY軸モータを駆動
して、ステージ202を原点位置からX軸方向およびY
軸方向に移動させて、第1層の薄膜パターン1A上に位
置させる。次に制御部は、第1層の薄膜パターン1Aを
接合する面(ステージ202の表面と第1層の薄膜パタ
ーン1Aの表面)にアルゴン原子ビーム213AでFA
B処理を施す。すなわち、ステージ202の表面、およ
び第1層の薄膜パターン1Aの表面に所定量のアルゴン
原子ビーム213Aを1分間照射するように、第1およ
び第2のFAB源203A,203の各駆動部(図示せ
ず)に対する駆動制御,第1および第2の電磁弁214
A,214Bに対する開閉制御,および第1および第2
のMFC215A,215Bに対する流量制御を行う。
第1および第2のFAB源203A,203Bの各駆動
部は、制御部の制御により1.5kVの加速電圧を第1
および第2のFAB源203A,203Bに付与する。
アルゴンガスボンベ213から圧送されるアルゴンガス
は、第1および第2のMFC215A,215Bによっ
て流量が調整され、第1および第2の電磁弁214A,
214Bを介して第1および第2のFAB源203A,
203Bに供給される。第1のFAB源203Aは、斜
め約45°上方のステージ202の表面に向けてアルゴ
ン原子ビーム213Aを1分間照射する。第2のFAB
源203Bは、斜め約45°下方の第1層の薄膜パター
ン1Aの表面に向けてアルゴン原子ビーム213Aを1
分間照射する。これにより、ステージ202および第1
層の薄膜パターン1Aの表面の約10nmの汚染層が除
去される。なお、この程度の膜減り量なら本発明が目的
とする膜厚精度0.1μmに比べ1桁小さいので無視で
きる。
【0035】(5) 第1層の薄膜パターン1Aの接合 第1の層の薄膜パターン1Aを接合する面の汚染層を除
去すると、次に制御部は、図3の(b) に示すように、第
1および第2の退避モータ205A,205Bを駆動し
てアーム204A,204Bを水平方向に回動させ、第
1および第2のFAB源203A,203Bを退避させ
る。この後、制御部はZ軸位置検出部の検出信号に基づ
いてZ軸モータを制御して基板ホルダ201を上昇さ
せ、ステージ202の表面に第1層の薄膜パターン1A
の表面を接触させ、更に5kgf/cm2 の荷重で5分
間押し付ける。これによりステージ202の表面(犠牲
層)に第1層の薄膜パターン1Aの表面が強固に接合さ
れる。このとき、基板100上の薄膜パターン1Aの周
辺に薄膜パターン1Aの膜厚より大なる直径(例えば、
1〜3μm程度)のパーティクルPが存在しても、基板
100は薄膜パターン1Aが形成された領域以外の部分
に深さ3μmの凹部103Bが形成されているため、薄
膜パターン1Aとステージ202の表面の面接触が妨げ
られることがない。なお、ここまでの製造工程をクリー
ンルーム内で行っているので、基板100上に3μm以
上のパーティクルが存在することはなく、基板100の
凹部103Bの深さは3μm程度で十分対応することが
できる。また、薄膜パターン1Aとステージ202との
接合力を引っ張り試験により評価したところ、50〜1
00MPaが得られている。なお、大きい接合力を得る
ために、薄膜パターン1Aとステージ202の表面粗さ
は各々10nm以下とした。
【0036】(6) 第1層の薄膜パターン1Aの転写 第1層の薄膜パターン1Aの接合が終了すると、次に制
御部は、図3の(c) に示すように、Z軸位置検出部の検
出信号に基づいてZ軸モータを駆動して基板ホルダ20
1を図3の(a) に示す元の位置まで下降させ、第1およ
び第2の退避モータ205A,205Bを駆動して第1
および第2のFAB源203A,203Bを元の位置に
復帰させる。基板ホルダ201を下降させると、薄膜パ
ターン1Aとステージ202の犠牲層との接合力の方が
薄膜パターン1Aと基板100との接合力よりも大きい
ため、薄膜パターン1Aは基板100側から剥離し、ス
テージ202側へ転写される。
【0037】(7) 第2層の薄膜パターン1Aを接合する
面の汚染層の除去 第1層の薄膜パターン1Aの転写が終了すると、次に制
御部は、図4の(a) に示すように、X軸位置検出部およ
びY軸位置検出部の検出信号に基づいてX軸モータおよ
びY軸モータを駆動して、ステージ202を原点位置か
らX軸方向およびY軸方向に移動させて、第2層の薄膜
パターン1A上に位置させ、図3の(a)で説明したよう
にFABを照射する。ステージ202の移動量は各薄膜
パターン1Aピッチに相当する距離である。最初のFA
B照射との違いはステージ202の表面にFABを照射
するのではなく、第1層の薄膜パターン1Aの裏面(そ
れまで基板100に接触していた面)に照射し、そこを
清浄化することである。
【0038】(8) 第2層の薄膜パターン1Aの接合 第2層の薄膜パターン1Aを接合する面の汚染層の除去
が終了すると、次に制御部は、図4の(b) に示すよう
に、第1および第2のFAB源203A,203Bを退
避させ、基板ホルダ201を上昇させ、第1層の薄膜パ
ターン1Aの裏面に第2層の薄膜パターン1Aを接合す
る。
【0039】(9) 第2層の薄膜パターン1Aの転写 第2層の薄膜パターン1Aの接合が終了すると、次に制
御部は、図4の(c) に示すように、Z軸位置検出部の検
出信号に基づいてZ軸モータを駆動して基板ホルダ20
1を下降させ、第1および第2の退避モータ205A,
205Bを駆動して第1および第2のFAB源203
A,203Bを元の位置に復帰させる。基板ホルダ20
1を下降させると、薄膜パターン1A同士の接合力の方
が第2層の薄膜パターン1Aと基板100との接合力よ
りも大きいため、第2層の薄膜パターン1Aは基板10
0側から剥離し、第1層の薄膜パターン1Aの上に転写
される。
【0040】(10)犠牲層の除去 図5は全ての薄膜パターン1Aが積層された状態を示
す。上記した薄膜パターン1Aの接合・転写を繰り返し
て第3層〜第6層の薄膜パターン1Aを同様に積層する
と、図9に示すように、全ての薄膜パターン1Aが積層
された微小構造体1が得られる。最後にステージ202
上の犠牲層202Aをエッチングによって除去して微小
構造体1をステージ202から分離する。
【0041】図6は上記のようにして製造された微小構
造体1を示し、各断面形状に対応した第1層から第6層
の薄膜パターン1Aを接合した状態で積層されている。
【0042】以上述べた第1の実施の形態によると、基
板100を薄膜パターン1Aが形成された領域以外の部
分で3μmエッチバックして凹部103Bを形成し、基
板100の突出部103A上の薄膜パターン1Aをステ
ージ202の表面に接触させて接合・転写するようにし
たため、薄膜パターン1Aの膜厚より大なる直径のパー
ティクルPが基板100上の薄膜パターン1Aの周囲に
存在しても、薄膜パターン1Aとステージ202の表面
の面接触が妨げられることがなくなる。このため、薄膜
パターン1Aをステージ202の表面に確実に接合する
ことができ、転写率を高めることができる。
【0043】図7は本発明の第2の実施の形態に係る微
小構造体の製造方法を示す。第1の実施の形態に係る微
小構造体の製造方法との違いは、薄膜パターン1Aを1
枚ずつ接合・転写するのではなく、同時に複数の薄膜パ
ターン1Aを接合・転写することである。
【0044】この実施の形態によると、薄膜パターン1
Aの膜厚より大なる直径のパーティクルPが基板100
上の薄膜パターン1Aの周囲に存在しても、複数の薄膜
パターン1Aとステージ202の表面の面接触が妨げら
れることがなく、複数の薄膜パターン1Aを確実に転写
させることができ、延いては転写歩留りを向上させるこ
とができる。
【0045】次に、本発明の第3の実施の形態に係る微
小構造体の製造方法を図8の(a) 〜(d) および図9の
(a) 〜(c) を参照しながら説明する。
【0046】図8の(a) 〜(d) は着膜工程およびパター
ニング工程を示す。まず、着膜工程として、図8の(a)
に示すように、基板100としてSiウェハを準備し、
その表面にカップラー剤を塗布した後、ポリイミドをス
ピンコーティングにより約5μm塗布し、最高温度35
0℃でベイクし緩衝層105を形成する。緩衝層105
の材料および膜厚は、想定するパーティクルの直径や柔
らかさ(ヤング率)を勘案して決定する。緩衝層105
のヤング率は、ガラス基板(70GPa程度)やSiウ
ェハ(190GPa)やAl(70GPa)に比べ十分
小さいほうがよいため、10GPa以下とするのがよ
い。逆にヤング率が小さすぎると変形が大きくなり位置
精度が劣化するので1GPa以上にするのが望ましい。
ポリイミドのヤング率は3GPa(3×109 Pa)程
度であり、ガラス基板やAlに比べ十分小さいため、緩
衝層として好適である。緩衝層105の膜厚は、パーテ
ィクルの直径よりも十分に大きいこと、厚すぎて位置精
度を劣化させないこと、および塗布の容易さを考慮し、
3から10μmとするのが好適である。本実施の形態で
は、1回の塗布で均一性よく形成することから5μmと
した。次に、基板100の表面をフッ素原子を含むガス
に晒し、緩衝層105をフッ素化して離型層106を形
成する。具体的には、基板100を真空装置(ドライエ
ッチング装置)に導入し、CF4 ガスを用いたプラズマ
処理をガス流量100sccm,放電パワー500W,
圧力10Pa,時間10分の条件で行って、表面をフッ
素化して疏水性にする。この後、真空蒸着法によってA
lの薄膜101を0.5μm着膜する。
【0047】次に、パターニング工程として、図8の
(d) に示すように、通常のフォトリソグラフィー法によ
り微小構造体の各断面形状に対応した複数の薄膜パター
ン1Aを形成する。
【0048】図9の(a) 〜(c) は積層工程を示す。積層
工程では、まず、第1の実施の形態と同様に薄膜パター
ン1Aが形成された基板100を真空槽(図示せず)内
に導入し、薄膜パターン1Aの表面きステージ202の
表面にアルゴン原子ビームでFAB処理を施した後、図
9の(a) に示すように、ステージ202の表面に薄膜パ
ターン1Aを接触させ、更に、所定の荷重をかけて数分
押し付ける。これによりステージ202の表面に薄膜パ
ターン1Aの表面が強固に接合される。このとき、離型
層106上の薄膜パターン1Aの周辺に薄膜パターン1
Aの膜厚より大なる直径(例えば、1〜3μm程度)の
パーティクルPが存在しても、図10の(a) に示すよう
に、基板100や薄膜パターン1Aより柔らかい離型層
106にパーティクルPが埋まり込むため、薄膜パター
ン1Aとステージ202の表面の面接触が妨げられるこ
とがない。また、図10の(b) に示すように、基板10
0にうねりや反り等による起伏部100Aが存在して
も、離型層106が起伏部100Aの変形を吸収するた
め、薄膜パターン1Aとステージ202の表面の面接触
が妨げられることがない。
【0049】薄膜パターン1Aの接合が終了すると、次
に、図9の(b) に示すように、基板100を下降させ
て、薄膜パターン1Aを基板100側から剥離し、ステ
ージ202側へ転写する。以下、第1の実施の形態と同
様に上記の工程を繰り返すことにより、図9の(c) に示
すように、薄膜パターン1Aが積層された微小構造体1
が得られる。
【0050】以上述べた第3の実施の形態によると、基
板100の表面に離型層106を形成し、離型層106
上に形成された薄膜パターン1Aをステージ202の表
面に接触させるようにしたため、薄膜パターン1Aの膜
厚より大なる直径のパーティクルPが離型層106上の
薄膜パターン1Aの周囲に存在しても、離型層106に
パーティクルPが埋まり込むため、薄膜パターン1Aと
ステージ202の表面の面接触が妨げられることがな
い。また、基板100にうねりや反り等による起伏部1
00Aが存在しても、離型層106が起伏部100Aの
変形を吸収するため、薄膜パターン1Aとステージ20
2の表面の面接触が妨げられることがない。その結果、
薄膜パターン1Aをステージ202の表面に確実に接合
させることができ、転写歩留りを向上させることができ
る。なお、この実施の形態では、同時に2枚の薄膜パタ
ーン1Aを接合・転写するようにしたが、第1の実施の
形態のように、薄膜パターン1Aを1枚ずつ接合・転写
する場合でも同様な効果を得ることができる。
【0051】次に、本発明の第4の実施の形態に係る微
小構造体の製造方法を図11の(a)〜(c) を参照しなが
ら説明する。
【0052】図11の(a) 〜(c) は着膜工程およびパタ
ーニング工程を示す。まず、図11の(a) に示すよう
に、基板100上の表面に離型層106の形成とAlの
薄膜101の着膜を第3の実施の形態の着膜工程と同様
な手順で施す。次に、パターニング工程として、図11
の(b) に示すように、通常のフォトリソグラフィー法に
より微小構造体の各断面形状に対応した複数の薄膜パタ
ーン1Aを形成する。更に、図11の(c) に示すよう
に、パターニング工程で使用した未露光のフォトレジス
ト(図示せず)をマスクとして離型層106を薄膜パタ
ーン1Aが形成された領域以外の部分で3μmエッチバ
ックし、離型層106の薄膜パターン1Aが形成された
領域の部分に突出部103Aを、それ以外の部分に凹部
103Bを形成する。このとき、エッチングにはドライ
エッチング法を用い、ガスとしてCF 4 とO2 を用い
る。また、図示しているように、離型層106は必ずし
も全てエッチバックする必要はない。その理由は、パー
ティクル対策としては3μm程度の深さがあれば十分で
あるからであり、また、全てエッチングすると、基板1
00と離型層106の密着力が小さい場合には、薄膜パ
ターン1Aをステージ202に転写する時に基板100
と離型層106の界面から剥がれやすくなるからであ
る。また、エッチバックの深さは、1〜3μm以上が好
都合である。これは3μm以上にすると、ポリイミドが
比較的柔らかいため、接合時に横方向に歪んで接合の位
置決め精度を低下させてしまい、1μm以下にすると、
パーティクル対策としての効果が小さくなるからであ
る。
【0053】このようにして離型層106をエッチバッ
クすると、次にフォトレジストを剥離し、第1から第3
の実施の形態と同様に積層工程を行って微小構造体を形
成する。
【0054】以上述べた第4の実施の形態によると、離
型層106を薄膜パターン1Aが形成された領域以外の
部分で3μmエッチバックして凹部103Bを形成し、
離型層106の突出部103A上の薄膜パターン1Aを
ステージ202の表面に接触させて接合・転写するよう
にしたため、薄膜パターン1Aの膜厚より大なる直径の
パーティクルPが離型層106上の薄膜パターン1Aの
周囲に存在したり、基板100にうねりや反り等による
起伏部100Aが存在しても、第3の実施の形態と同
様、薄膜パターン1Aとステージ202の表面の面接触
が妨げられることがない。その結果、薄膜パターン1A
をステージ202の表面に確実に接合させることができ
る。また、図12に示すように、複数の薄膜パターン1
Aを同時に接合・転写する時に、薄膜パターン1Aの上
にパーティクルPが乗った場合、その薄膜パターン1A
は面接触できないが、離型層106が変形してパーティ
クルPの直径分を吸収するため、他の薄膜パターン1A
の面接触を妨げることがない。このため、複数の薄膜パ
ターン1Aを同時に転写する際の転写歩留りを向上させ
ることができる。
【0055】図13の(a),(b) は本発明の第5の実施の
形態に係る微細構造体の製造方法を示す。この実施の形
態では、1枚の6インチサイズのSiウェハの基板10
0に長さLが10mmの正方形のチップ107を148
個配置し、各チップ107の薄膜パターン1Aを順番に
積層して1度に7000個の微小構造体を形成するもの
である。図中、(b) は第1層の薄膜パターン1Aが形成
されたチップ107を示し、直径Dが100μmの薄膜
パターン1Aが、120μmのピッチPでアレイ状に7
000個配列している。
【0056】以上述べた第5の実施の形態によると、1
枚のウェハから一度に7000個の微小構造体を得るこ
とができ、微小構造体の大量生産が可能になる。この実
施の形態に、第1から第4の実施の形態を組み合わせれ
ば、各チップ107を順次積層していく際にチップ10
7内の全ての各薄膜パターン1Aをステージ202に面
接触させることができ、これによって歩留り良く接合・
転写させることができる。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の微細構造
体の製造方法によると、基板を薄膜パターンが形成され
た領域以外の部分でエッチバックして凹部を形成し、基
板の突出部上に形成された薄膜パターンをステージの表
面に接触させる、或いは基板の表面に緩衝層を形成し、
緩衝層上に形成された薄膜パターンをステージの表面に
接触させるようにしたため、薄膜パターンをステージに
確実に接合させることができ、転写率を高めることがで
きる。また、複数の薄膜パターンを同時に接合する場合
には、転写歩留りを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る着膜工程およ
びパターニング工程を示す断面図。
【図2】第1の実施の形態に係る積層装置を示す断面
図。
【図3】第1の実施の形態に係る積層工程の手順を示す
断面図。
【図4】第1の実施の形態に係る積層工程の手順を示す
断面図。
【図5】第1の実施の形態に係る積層工程の終了時を示
す断面図。
【図6】第1の実施の形態に係る微細構造体を示す説明
図。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る積層工程を示
す断面図。
【図8】本発明の第3の実施の形態に係る着膜工程およ
びパターニング工程を示す断面図。
【図9】第3の実施の形態に係る積層工程を示す断面
図。
【図10】第3の実施の形態に係る積層工程を示す断面
図。
【図11】本発明の第4の実施の形態に係る着膜工程お
よびパターニング工程を示す断面図。
【図12】第4の実施の形態に係る積層工程を示す断面
図。
【図13】本発明の第5の実施の形態に係る微細構造体
の製造方法を示す説明図。
【図14】従来の光造形法を示す説明図。
【図15】従来の粉末法を示す説明図。
【図16】従来のシート積層法に係る製造装置を示す説
明図。
【図17】従来の薄膜を出発材料として用いる積層方法
を示す説明図。
【図18】提案されている微細構造体の製造方法におけ
る課題を示す説明図。
【符号の説明】
1 微小構造体 1A 薄膜パターン 2 積層装置 100 基板 101 薄膜 102 フォトレジスト 103A 突出部 103B 凹部 104 アライメントマーク 105 緩衝層 106 離型層 107 チップ 200 真空槽 201 基板ホルダ 202 ステージ 202A 犠牲層 203A 第1のFAB源 203B 第2のFAB源 204A,204B アーム 205A 第1の退避モータ 205B 第2の退避モータ 206 マーク検出部 207 真空計 208 X軸テーブル 209 Y軸テーブル 210 Z軸テーブル 211 θテーブル 212 真空ポンプ 213 アルゴンガスボンベ 214A 第1の電磁弁 214B 第2の電磁弁 215A 第1の流量コントローラ(MFC) 215B 第2の流量コントローラ(MFC) P パーティクル

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に所定の2次元パターンを有する
    複数の薄膜を形成する第1の工程と、 前記基板を前記複数の薄膜が形成された領域以外の部分
    で所定の深さエッチバックして凹部を形成する第2の工
    程と、 前記複数の薄膜を前記基板上から剥離し、ステージ上に
    前記複数の薄膜を積層して接合させて微小構造体を形成
    する第3の工程を含むことを特徴とする微小構造体の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 前記第2の工程は、前記所定の深さを1
    〜3μmに設定して行う請求項1記載の微小構造体の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 前記第3の工程は、前記基板から複数個
    の前記薄膜を同時に剥離するとともに、前記ステージ上
    の異なる位置に前記複数個の薄膜を同時に積層すること
    によって行う請求項1記載の微小構造体の製造方法。
  4. 【請求項4】 基板上に当該基板よりヤング率の小さな
    薄膜からなる緩衝層を形成する第1の工程と、 前記緩衝層上に所定の2次元パターンを有する複数の薄
    膜を形成する第2の工程と、 前記複数の薄膜を前記緩衝層上から剥離し、ステージ上
    に前記複数の薄膜を積層して接合させて微小構造体を形
    成する第3の工程を含むことを特徴とする微小構造体の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 前記第1の工程は、前記ヤング率を10
    GPa以下に設定して行う請求項4記載の微小構造体の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 前記第1の工程は、前記緩衝層の膜厚が
    3乃至10μmになるように行う請求項4記載の微小構
    造体の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記第1の工程は、フッ素原子を含むガ
    スに晒してフッ素化することにより離型層と兼用した緩
    衝層を形成する工程を含む請求項4記載の微小構造体の
    製造方法。
  8. 【請求項8】 基板上に当該基板よりヤング率の小さな
    薄膜からなる緩衝層を形成する第1の工程と、 前記緩衝層上に所定の2次元パターンを有する複数の薄
    膜を形成する第2の工程と、 前記緩衝層を前記複数の薄膜が形成された領域以外の部
    分で所定の深さエッチバックして凹部を形成する第3の
    工程と、 前記複数の薄膜を前記緩衝層上から剥離し、ステージ上
    に前記複数の薄膜を積層して接合させて微小構造体を形
    成する第4の工程を含むことを特徴とする微小構造体の
    製造方法。
  9. 【請求項9】 前記第1の工程は、前記ヤング率を10
    GPa以下に設定して行う請求項8記載の微小構造体の
    製造方法。
  10. 【請求項10】 前記第1の工程は、前記緩衝層の膜厚
    が3乃至10μmになるように行う請求項8記載の微小
    構造体の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記第3の工程は、前記所定の深さを
    1〜3μmに設定して行う請求項8記載の微小構造体の
    製造方法。
  12. 【請求項12】 前記第3の工程は、前記緩衝層を深さ
    方向に一部残して行う請求項8記載の微小構造体の製造
    方法。
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