JP4686786B2 - 2枚の基板間の位置合わせ方法と、それを用いたフォトニッククリスタルの製造方法 - Google Patents

2枚の基板間の位置合わせ方法と、それを用いたフォトニッククリスタルの製造方法 Download PDF

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Description

この発明は、位相シフト領域を有する周期的なパターンもった位置合わせパターンのついた2枚の基板を光学的に位置合わせする方法と、それを繰り返し用いてフォトニッククリスタル要素を3次元的に積み重ねたフォトニッククリスタルの製造方法に関している。
近年、フォトニック結晶(Photonic Crystal :PhC)の研究が盛んになってきており、実現される構造は、従来の2次元構造から3次元構造へと拡張されてきている。フォトニック結晶は、よく知られているように、固体結晶中における電子のエネルギーバンド構造をまねて、誘電体の微細な構造物を周期的に配列することにより光に対する伝搬帯(バンド)を人工的に作成したものである。
2次元PhCは、特に現在の半導体微細加工技術を応用すると、比較的簡便に製作可能である。しかしながら、2次元構造では、その2次元面に垂直な残りの1次元方向への周期性が無く、この方向については、導波路的な構造で光閉じ込めを実現している。この結果、2次元構造では、光の伝搬に関するバンドギャップの大きさが小さくなったり、光の完全閉じ込め及び欠陥構造への閉じ込め可能な光の波長範囲が制限されたりする等の不完全さを有する。この問題を解決し完全なフォトニックバンドを形成するためには3次元構造を作る必要がある。しかし、その作製は2次元構造と比較して格段に難しい。現在までに3次元構造を作成する方法はいくつか提案されているが、それらの方法では、各々一長一短あり、実用化にいたる事は困難である。
より具体的には、以下にその方法を列挙し、その特徴と問題点を指摘する。
1.自己クロ一二ング法
これは、周期的な溝を持つ加工基板上にその形を保ちながら2種類以上の誘電体を交互に体積する方法である。この方法では、一括で大面積の作成が可能だが、完全なバンドギャップ形成が難しく、欠陥導入も難しい。
2.オパール法
これは、懸濁彼(suspension)中でシリコン微粒子などを沈殿させて作成する方法である。この方法では、完全なバンドギップ作成が難しく、欠陥導入もほぼ不可能である。
3.マイクロマニピュレーション法
これは、2次元PhCをマイクロマニピュレーション技術によって組み上げて作製する方法である。この方法では、任意の欠陥、完全3次元結晶が作成可能だが、対応波長を短くするに伴い2次元要素の厚さが薄くなり、大きいサイズの2次元PhCハンドジングが不可能となる(報告例では十数μm程度)。すなわち大きいPhCの作成が不可能である。
4.2次元PhC要素を光学的手法で位置合せを行い重ね合わせる方法(京大法)
この方法は、2次元PhCの周囲に位置合せ方法用の周期的なグレーティングを作成し、その回折像を見ながら位置合わせを行い、ウエハ融着法によって組み上げる方法である。この方法では、位置合せ精度は極めて高いが、全てのエリアに渡って等しい周期的な構造を使うため回折格子の周期分の位置ずれの検出は不可能である。
上記した方法をまとめると、自己形成的手法と2次元要素を積重ねる手法の2つに分類できる。
一般に、PhCを利用したアプリケーションとしては、PhCのバンドギャブを利用したものと、PhCの周期構造内部に何らかの欠陥を導入あるいは作成したものがある。これまでのところでは、後者では光回路への応用が見出されていて、既存の光通信システムに適用する事が容易である。このように、既存の光通信システムに適用するという観点から考えると、導入する欠陥を自由に形成するために、任意の構造を作り上げることが容易である方法が望ましく、このことから2次元要素を組み上げる方法がより適していると考えられる。つまり、上記した3次元PhC作製方法では、2次元要素を組み上げる方法である京大法が大面積のPhCを作るのに向いている、と言える。
しかし、これまで知られた作製方法をみると、その方法では、層を積み重ねて行く際の層間の位置合わせに困難がある。これは、周期構造を実現するためには、回折格子状のパターンを用いて位置合わせを行なうが、その周期分を超えた変位について、検出が不可能であることに起因する。例えば、京大法では任意の欠陥を一つだけ3次元PhC中に導入ずることは可能だが、複数の欠陥の位置関係を、位置合わせに用いる光の波長の整数倍の曖昧さを除外して精度よく合わせるのは困難である。
これまで知られた作製方法では、層を積み重ねて行く際の層間の位置合わせに困難がある。これは、周期構造を実現するためには、回折格子状のパターンを用いて位置合わせを行なうが、その周期分を超えた変位について、検出が不可能であることに起因する。
この発明は、層を積み重ねて行く際の層間の位置合わせにある困難を解決して、3次元PhCの実現を容易にするものである。
本発明は、回折格子状のパターンに若干の不規則性を持たせて上記の位置合わせに関する問題を解決している。この不規則性は、位相シフタによって実現するものである。また、この位置合せには、導波路構造を用いる。導波路の光透過特性や反射特性を用いて、あるいは発光体を導入した場合には、それによる発光を用いてその位置合せが可能である。
そこで本発明は、位相シフト領域を有する周期的なパターンもった位置合わせパターンのついた2枚の基板を光学的に位置合わせする方法で、
上記の2枚の基板間の少なくとも一方の基板上には、上記の位置合わせパターンを形成する平面上に、前記位置合わせパターンと並行する導波路層を設けたものであり、
上記の2枚の基板上に設けられたパターンは、2枚の基板を対峙させたときに重ね合わせることの出来るパターンであり、
上記の2枚の基板を隣接するように対峙させ、上記の導波路層に位置合わせパターンの周期の2倍の波長成分を含む光を伝搬させて、基板の端から出力される光の強度と対峙した上記の基板間の相対位置との関係を用いて、予め決められた位置となるようにするため、上記の光の強度が最大となるように、あるいは、前記光の強度の光の波長軸上でのピーク位置が最短波長となるように、上記の基板の位置関係を調整するものである。
また、位置合わせの状態を示す信号は、上記導波路層から出力される光を電気信号に変換して得るものであり、上記のように2枚の基板を隣接するように対峙させるという位置関係で、上記の光の強度が変化する領域内の予め決められた波長領域で、上記の光の強度の波長積分値を求め、前記積分値が最大になるように、上記の基板の位置関係を調整するものである。
また、上記導波路層から出力される光の出力強度が最大となるようにする位置合わせで、上記の光の強度の尖頭値を示す波長から短波長側に予め決められた範囲までの領域で、上記の光の強度の波長積分値を求め、前記積分値が最大になるように、上記の基板の位置関係を調整することで、位置合わせ信号を、より明確な信号とするものである。
また、X方向用とそれに直交するY方向用のそれぞれの位置合わせパターンを用意して、上記の導波路層には、上記のそれぞれの方向用に光を伝搬させて、それぞれの方向で上記の位置合わせを行なうことで2次元の位置合わせを行うものである。
また、対峙した2枚の基板を透過する光を、前記の基板表面に直交する様に照射して、その透過光による位置合わせパターン像を用いて位置合わせを行った後に、上記の位置合わせ方法を適用することで、粗調整の後に上記の位置合わせを行なって精密に合わせるものである。
また、本発明は、上記した2枚の基板間の位置合わせ方法を用いてフォトニッククリスタルを製造するものであり、その位置合わせに際しては、上記の2枚の基板間の少なくとも一方の基板上には、リフトオフプロセスで除去する犠牲層を設け、前記の犠牲層に上には、位置合わせパターンとフォトニッククリスタルを構成するパターンとを設けるものである。
また、上記のフォトニッククリスタルの製造方法とリフトオフプロセスとを繰り返し行なうことにより、3次元構造のフォトニッククリスタルを製造するものである。
また、上記の2枚の基板間の少なくとも一方の基板上に導波路層と犠牲層とを設けて位置合わせを行なうものである。
また、上記導波路層と犠牲層とは、同一層で兼用するものであってもよい。
以下に、この発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の説明においては、同じ機能あるいは類似の機能をもった装置に、特別な理由がない場合には、同じ符号を用いるものとする。
図1に、フォトニッククリスタルの製造に本発明の位置合わせ方法を適用する場合の装置構成のブロック図を示す。位置合わせパターン10とフォトニッククリスタルの構成要素パターン11のついた基板5aと5bを上下に接近して対峙させる。このように向かい合わせたときに、上下の基板に設けられた位置合わせパターンは、重なるように設けられている必要があることは明らかである。まず、光源3からの光4と撮像装置9を用いて、2枚の基板間の位置に関して粗調整を行なう。この粗調整においては、2枚の基板を透過する光を用いて位置合わせを行なうことが可能であり、一方の基板が用いようとする光を透過させないときには、2枚の基板の界面で光を反射させて、他の一方の基板を往復で透過させることも可能である。さらに精密に合わせるために、本発明を以下の様に適用する。
導波路層12には、光源1からの光2を入力して反対側から出力する。出力光を分光/検出器7で分光し電気信号に変換する。この電気信号は、判定/制御部6に入力される。判定/制御部6は、基板5bの位置を移動させる駆動部8を制御する。また、判定/制御部6は、上記の撮像装置9からの信号を入力して、駆動部8を制御する。位置合わせパターンとフォトニッククリスタルの構成要素パターン11との位置関係については、光源1からの光2を通した場合に、位置合わせパターンの直下を通過するが、フォトニッククリスタルの構成要素パターン11の直下は通過しないように離間しておく必要がある。導波路層12を通過した光は分光/検出器7で、分光され光電変換される。得られた電気信号は、2枚の基板間のずれを判定するために用いられ、その判定の結果で位置合わせを行う駆動部が制御される。
位置合わせを行う2枚の基板については、図2にさらに詳しく示す。この図に於いては、重ね合わせる1枚目の基板の位置を調整して、重ねあわせを行なう。また、この例では、位相シフタとしては、2倍幅の格子を用いている。1枚目の基板には、位置合わせパターンとフォトニッククリスタルの構成要素パターンを、半導体基板やガラス基板などに直接設けているが、位置合わせパターンやフォトニッククリスタルの構成要素パターンと、半導体基板やガラス基板との密着性を改善することのできるバッファ層を設けることも良い結果を期待できる。
重ね合わせる2枚目の基板の例については、その断面を図3に示す。この例では、半導体基板の上に、光の散逸を抑制するための下部クラッド層を設け、その上に導波路層を設けている。導波路層の上には、フォトニッククリスタルの構成要素パターンを切り離すための犠牲層を設けた上に、フォトニッククリスタル層を設けている。
本発明の位置合わせのコンセプトを使用してPhCを作成する手順は、以下のステップに沿うものである。
1.平坦な基板上にリフトオフ用の犠牲層を形成し、その上に、成膜装置を用いてPhCを形成する膜を積層する。この積層膜は、導波路付き層構造となるようにする。ただし、最初の基板には、リフトオフ用の犠牲層を形成せずにPhCを形成する膜を積層する。
2.電子線描画装置やステッパー等、半導体プロセスでよく用いられる装置やプロセスで、PhCの基本要素のパターンと本発明で用いる位置合わせパターンのエッチングマスクパターンを作成し、反応性イオンエツチング(RIE装置等、プロセス再現性のよいエッチング装置で実パターンを作成する。尚、本発明で用いる位置合わせパターンは、1次元方向の位置合せのみ可能なため、図4(a)に示す様に、x方向10(X)、y方向10(Y)のそれぞれの方向用に本発明で用いる位置合わせパターンを作成する。この断面図を図4(b)に示す。
3.上記のように、平坦な基板上に設けられたリフトオフ用の犠牲層と、その上に設けられたPhCの基本要素を持った基板を複数用意する。
4.前記のPhCの基本要素を持った基板を2枚用意して、図5(a)に示す様に、その表面を密着するように対峙させる。ここで、2枚のうち1枚は、リフトオフ用の犠牲層を持たない基板とする。リフトオフ層を上記した平坦な基板を透過する光を照射し、それらの基板の位置関係を光学顕微鏡等を用いて、まず、粗い位置合せを行う。(可視光線を用いた光学顕微鏡で観察して位置合わせを行うためには、上記した平坦な基板としては、例えば、石英ガラス基板を用いることができる。赤外光の光源と赤外線顕微鏡を用いる場合は、上記した平坦な基板としては、半導体基板を用いることが出来る。
5.本発明の方法によって、より厳密な位置合わせを行う。
6.図6(a)に示す様に、対峙した基板を密着させ、圧力を懸けあるいは加熱して融着させる。
7.図6(b)に示す様に、リフトオフプロセスにより犠牲層13を除去して、平坦な基板状に、融着した位置合わせパターン10と、融着したフォトニッククリスタルの構成要素パターン11を残す。
8.上記の3から7を、目的とする層構造が得られるまで繰り返し、3次元PhCを作成する。
本発明の位置合わせする方法で精密位置合せが可能であることを明示するために、図7の構成について厳密な電磁波解析法(Rigorous coupled wave analysis法)を用いて2次元空間で解析を行った。この結果を以下に示す。
本発明の断面構造については、2次元の構造をもち(位置合わせパターンの導波路層内)、残りの方向(導波路層と直交し断面の奥行きとなる方向)については、光の波長に対して十分大きな構造を作れるため、そのサイズを無限と仮定できるので、厳密には3次元で解析が必要であるが、2次元計算でも問題無いからである。解析対象とする具体的な材料は、犠牲層のエッチングや実際に組み上がるPhCの要請から、III‐V属化合物半導体を使用した。III‐V属化合物半導体は、種々の組合わせにより屈折率の変調や量子井戸、ドット等の発光体の導入が容易であり、既存の光デバイスとの整合性が高いことが特徴として上げられる。選定したIII‐V属化合物半導体材料とその屈折率を表1に示す。
Figure 0004686786
ここで、表1の順番は、層構造を反映している。表1中にあるガラスは第1層目をガラスに固定する方法を考慮したためである。また、位置合わせパターンの周期は導波路層の材料が透明である1μmに中心波長が来るように設計した。まず初めに、表1の位置合わせパターンとしては、位相シフタを中心として両側に20の回折格子を周期(GaAs長さ:Air長さ=1:1)400nmから2000nmで形成し、また、位置ずれが無いときの1μm光の透過特性の周期依存性を評価した。
その結果、周期に対して周期的な透過特性を得ることが出来た(図8)。また、その透過光ピークの波長を1000nmで規格化すると、0.5、0.7、1.0、1.25、となり、設計波長の0.5λ倍から大凡1/4λ倍の大きさの周期で1000nm透過光ピークを見ることが出来た。
続いて周期(GaAs長さ:Air長さ=1:1)を600nm、700nm、800nmと固定し、今度は上下のDFB構造を0、20、40nm(600nmの物は40、20、0、−20、−40nm)とシフトさせたときの結果を示す。(図9、10、11)その結果、透過ピークの強度、波長共に位置ずれに対して変化し、DFB造の効果を確認することができた。特に600mの物はほぼ1μmにピークをもち、半値幅も狭く優れていることが確認できた。各々の周期を透過光波長で規格化すると、0.57(周期600nm)、0.6(周期700nm)、0.82(周期800nm)となり、1/2λ程度のサイズを持った600nmのものが最も優れた特性を持つことがわかる。この事より、DFBの基本周期は設計波長の1/2λ程度が適当である。
更なるフィルタ特性の向上を期待して、周期600nmの格子数を40と比較の為に10とで解析した結果を図12、13、14に示す。これらの図からは、周期数によらずピーク位置と強度は位置ずれに対して変化が認められるが、ピーク位置での透過強度は周期数が増えるごとに減少することが認められた。そこで、位置合わせパターンの各部分における光強度を解析した結果を図15に示す。この図から分かるように、光が基板側に染み出している。この事より、位置ずれ検出に用いる位置合わせパターンには、最適な周期数があることがわかる。
実際に位置合わせに使用することを考えると、粗合わせのし易さと、先に予測した不規則性(位相シフタ)導入により絶対的な位置合せ精度があるかも重要である。粗合せのしやすさは、(1)顕微鏡等を用いて目視できるサイズで構造物があること、(2)回折格子周期分の位置ずれに対して十分な変位検出が可能なこと、が必要である。
上記した位置合わせパターンでは、格子数20のもので合計長さは24.6μmになる。この大きさは光学顕微鏡で観察可能なサイズだが、光学顕微鏡下では1ミクロン以下のサイズを見分ける事は、困難である。したがって、位相シフタ(600nm)その物は判別不可能である。
しかし、位相シフタは複数導入しても結果的にそこでシフトされる光の位相が戻れば良いので、複数入れることも可能である。その結果位相シフタ群として観察可能になり、粗合わせも可能になると予想される。そこで、位相シフタを1つ以上入れた位置合わせパターンの周期長さを超える位置変位をもつ場合の光透過特性の検討を行った。
検討した構造は以下の通りである。位相シフタの数:1‐15、位相シフタ間の回折格子の周期数:20‐5、周期:586nm(これは透過ピーク特性を考慮した結果600nmよりも良好だった、(回折格子の総周期数:位相シフタの数十1×位相シフタ間の周期数(位相シフタを含まない)となる。
この位相シフタの模式図を図16に示す。基板端からの距離等他の条件図7と同じである。図16の構造を0nmから±2000nmまで位置を変化させたときの透過光の強度位置ずれ依存性を(波長は透過ピークの1030nm)。このように、周期長さを超える大きい位置ずれに対する透過光(波長=1030nm)依存性(但し、位相シフタの数≧1)の解析結果を図17に示す。この図に於いて、x/yは、位相シフタ数/位相シフタ間の回折格子の数、を表す。
その結果、位置変化に依存する周期的(位相シフタを1つ以上入れた位置合わせパターンの周期と同じ)透過光強度依存性を全ての位相シフタの数で確認できた。また、位置ずれが無い時に最も透過光強度を得ることができ、絶対的な位置合せ精度を持っていることがわかる。この特性は回折光を利用する京大法では不可能であったことである。さらに特筆すべき事は、回折格子周期の整数倍の位置ずれに対する透過光強度の比が位相シフタを増やすことによって改善していることである。この特徴は絶対的な位置合せをする時に必要不可欠な特性で、本発明の優位性を示した結果である。例えば10周期ごとの回折格子のサイズは6μmになるため、適当な数の位相シフタを導入すればそのサイズは数μmになる。このサイズは光学顕微鏡で十分大きく目視可能であり、位置合わせパターンの透過特性によって位置合せを行う前に数ミクロン以内の精度で位置合せが可能になると考えられる。これらの検討結果より、複数の位相シフタを有する位置合わせパターンは高精度かつ簡便に二つの構造物を重ね合わせができる事がわかった。
本発明を用いた場合、位置ずれの定量的な検出方法として、ピーク波長、透過強度を調べる2種類が考えられる。前節までの検討結果から透過強度が位置ずれに対して顕著に変化することから、強度で位置ずれを見積もるのが良い。計算結果から位置合せをする際には特定波長の透過強度で位置合せをするのが良い。位置ずれに対してピーク波長は長波長側にシフトし、強度は低下する。この事より、位置ずれがない場合のピーク波長から短波長側に数10nmの帯域での透過強度を使うのが望ましいと思われる。例えば、回折格子数40であった図10の特性を使うとすると透過光の帯域を仮に強度変化の生まれる1000nmからピーク波長の1050nm迄とする。その際の透過強度は図10の帯域範囲での積分値に比例するので、上記した波長範囲で積分すると、位置ずれなし22.8917、0nmで20.059,40nmで14.2579となり初めの20nmで透過強度が13%で減少し、40nmでは37.7%減少することがわかる。
一般的な受光素子の出力は飽和しない限りほぼ入射強度に線形である。光が弱いときにS/Nの問題が発生するが、入力光を大きくすることで解消できるので10%以内の強度変化検出は容易である。従って本発明は少なくとも20nm以内の位置合せ精度は有ると言える。また、図17の特性のように位相シフタの数を増やすことによって、透過光ピークの位置ずれ強度比が大きく取れることも分かっている。この事より更なる精度の向上が予想できる。
また、図18に、縦軸の位相シフタサイズと横軸の位置ずれに対する透過率の計算値を示す。この図から、位相シフタのサイズが変わっても、位置ずれを検出する能力は、低下しないことが分かる。ここで、注意すべき点は、位相シフタのサイズの変化に沿って位置ずれなしの透過強度が周期的に変化する点で、なるべく大きな透過強度となるような適当なサイズとすることが望ましい。
また、図には示していないが、複数の位相シフタを同時に用いる場合でも、図18と同様な結果が得られており、単一の種類に限定すべきものではない。
また、図19に、屈折率を反転させた場合の、つまり、位相シフタの有無を逆転させた場合の、横軸の位置ずれに対する縦軸の透過強度を示す。この図に於いても、x/yは、位相シフタ数/位相シフタ間の回折格子の数、を表す。この図から、屈折率を反転させた場合でも本発明の目的を達成することが出来ることがわかる。
本発明の位置合わせ方法を厳密な電磁波解析計算で検討した結果をまとめると以下の特徴があることが分かった。
1. 位置合わせパターンで選択された光が位置ずれに対して波長、透過強度が変化する。特に透過強度の変調が大きい。
2, 回折格子の周期数は最適な値があり、少なすぎても多すぎても位置ずれの検出、透過強度に劣化が認められた。
3. 回折格子の周期以上の位置ズレに対して、透過強度の大きさで変位の検出が可能であった。
4, 位相シフタの数を増やすと、回折格子周期の整数倍の位置ずれに対する透過強度の変調がより大きくなり性能改善ができた。さらに複数の位相シフタ郡は全体として光学顕微鏡で観察可能なサイズになるため、組合せの精度も向上することが見込まれる。
これらの事より、本発明は3次元PhCを作り上げるのに有効な手法であることが確認できた。また本発明は複数の材料間で屈折率差と選択エッチングが可能であれば、それらの材料に応用することが可能である。この際、材料の持つ固有光吸収波長よりも長い波長での設計が必要であるが、それは簡単に解決できる問題である。
これら条件を満たすように設計すれば、本発明は多岐にわたって応用可能である。例えば、光通信波長帯で重要な1.5μmで良く使われる材料系InGaAsP、InPに置いても各材料間に屈折率差と選択エッチングが可能であり可能である。また電子回路部品として良く使われるSiにおいてSOI(Si On Insulator)基板のようにSiとSiO2による屈折率差と選択エッチングが可能な材料系である。
また、上記では光の透過特性のみに注目して説明したが、上記の例の化合物半導体は、その物が発光するアクティブな媒質である。したがって、導波路構造中に発光を誘導するような量子井戸、量子ドットを導入すればその発光特性によっても評価が出来るようになる。外部からのエネルギー供給は、光励起で行なうことができる。
本発明では3次元のPhC作製に着目しているが、光デバイスにおいては、2つの基板に形成されたパターンを高精度で重ね合わせる必要がある次のようなアプリケーションがある。例えば、多波長多重通信においてアレイ導波路格子(AWG:Arrayed Waveguide Grating)のような平面内で波長多重、分離する素子があるが、平面内で行うため多重数に応じてサイズが大きくなる。本発明を適用すると、今まで平面内に集積していたものを立体的に集積できるようになるので、高密度化が図れることは明らかである。
本発明の位置合わせ方法を適用する装置構成を示すブロック図である。 位置合わせを行う2枚の基板を示す模式図である。 重ね合わせる2枚目の基板の構成例の断面を示す模式図である。 本発明で用いる位置合わせパターンの配置例を示す模式図である。 2枚の基板を用意して位置合わせを行う場合の配置を示す模式図である。 3次元フォトニッククリスタルを作製するプロセスを示す図である。 電磁波解析法を行なった構成を示す図である。 電磁波解析で得られた透過特性を示す図である。 周期が600nm、格子数が40の場合に、電磁波解析で得られた透過特性を示す図である。 周期が700nm、格子数が40の場合に、電磁波解析で得られた透過特性を示す図である。 周期が800nm、格子数が40の場合に、電磁波解析で得られた透過特性を示す図である。 周期が600nm、格子数が10の場合に、電磁波解析で得られた透過特性を示す図である。 周期が700nm、格子数が10の場合に、電磁波解析で得られた透過特性を示す図である。 周期が700nm、格子数が10の場合に、電磁波解析で得られた透過特性を示す図である。 位置合わせパターンの各部分における光強度を解析した結果を示す図である。 位相シフタを1つ以上入れた位置合わせパターンの周期長さを超える位置変位をもつ場合の光透過特性の解析対象を示す模式図である。 図16の位置合わせパターンを用いた場合についての解析結果を示す図である。 位相シフタサイズと位置ずれに対する透過率の計算値を示す図である。 屈折率を反転させた場合の、位置ずれに対する透過強度を示す図である。
符号の説明
1 光源
2 光
3 光源
4 光
5a、5b 基板
6 判定/制御部
7 分光/検出部
8 駆動部
9 撮像装置
10 位置合わせパターン
10(X) x方向位置合わせパターン
10(Y) y方向位置合わせパターン
11 フォトニッククリスタルの構成要素パターン
12 導波路層
13 犠牲層

Claims (9)

  1. 位相シフト領域を有する周期的なパターンもった位置合わせパターンのついた2枚の基板を光学的に位置合わせする方法で、
    上記の2枚の基板間の少なくとも一方の基板上には、上記の位置合わせパターンを形成する平面上に、前記位置合わせパターンと並行する導波路層を設けたものであり、
    上記の2枚の基板上に設けられたパターンは、2枚の基板を対峙させたときに重ね合わせることの出来るパターンであり、
    上記の2枚の基板を隣接するように対峙させ、上記の導波路層に上記位置合わせパターンの周期の2倍の波長成分を含む光を伝搬させて、基板の端から出力される光の強度と対峙した上記の基板間の相対位置との関係を用いて、予め決められた位置となるようにするため、上記の光の強度が最大となるように、あるいは、前記光の強度の光の波長軸上でのピーク位置が最短波長となるように、上記の基板の位置関係を調整することを特徴とする2枚の基板間の位置合わせ方法。
  2. 上記の光の強度が変化する領域内の予め決められた波長領域で、上記の光の強度の波長積分値を求め、前記積分値が最大になるように、上記の基板間の相対位置を調整することを特徴とする請求項1に記載の2枚の基板間の位置合わせ方法。
  3. 出力強度が最大となる位置合わせ条件での上記の光の強度の尖頭値を示す波長から短波長側に予め決められた範囲までの領域で、上記の光の強度の波長積分値を求め、前記積分値が最大になるように、上記の基板の位置関係を調整することを特徴とする請求項2に記載の2枚の基板間の位置合わせ方法。
  4. X方向用とそれに直交するY方向用の位置合わせパターンと、上記の導波路層には、上記のそれぞれの方向用に光を伝搬させることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の2枚の基板間の位置合わせ方法。
  5. 対峙した2枚の基板を透過する光を前記の基板表面に直交する様に照射して、あるいは、1枚の基板を透過し他の基板との界面で反射するようにして、その透過光あるいは反射光による位置合わせパターン像を用いて位置合わせを行った後に、請求項1ないし4のいずれかに記載の2枚の基板間の位置合わせ方法を適用することを特徴とする2枚の基板間の位置合わせ方法。
  6. 上記の2枚の基板間の少なくとも一方の基板上には、リフトオフプロセスで除去する犠牲層が設けられ、前記の犠牲層に上には、位置合わせパターンとフォトニッククリスタルを構成するパターンとが設けられていることを特徴とする請求項1あるいは2に記載の2枚の基板間の位置合わせ方法を用いたフォトニッククリスタルの製造方法。
  7. 請求項3に記載のフォトニッククリスタルの製造方法とリフトオフプロセスとを繰り返し行なうことにより、3次元構造のフォトニッククリスタルを製造することを特徴とするフォトニッククリスタルの製造方法。
  8. 上記の2枚の基板間の少なくとも一方の基板上に上記導波路層と犠牲層とが設けられていることを特徴とする請求項6あるいは7に記載のフォトニッククリスタルの製造方法。
  9. 上記導波路層と犠牲層とは、同一層であることを特徴とする請求項8に記載のフォトニッククリスタルの製造方法。
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