JP2008052127A - 導波路及びそれを有する発光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 単一モードかつ導波方向に垂直な面内において単峰性の電場強度分布を有するモードで導波可能で、かつ所望の周波数帯域で導波することができる3次元フォトニック結晶を利用した導波路を得ること。
【解決手段】 3次元フォトニック結晶の複数の線状欠陥部により形成される導波路であって、複数の線状欠陥部は、柱状構造の屈折率以上の屈折率を有する媒質により、柱状構造が延びる方向に対して垂直方向に形成された第1の線状欠陥部と、第1の線状欠陥部と同じ方向に延びる柱状構造の一部を変形した第2の線状欠陥部を有することを特徴とする。
【選択図】 図4

Description

本発明は、3次元的な屈折率周期構造を有する3次元フォトニック結晶を用いた導波路及びそれを有する発光素子に関するものである。
従来、波長以下の大きさの構造物によって電磁波の透過・反射特性などを制御することができるという概念は、Yablonovitchによって提唱されている(非特許文献1)。
この非特許文献1によると、波長以下の構造を周期的に配列することによって電磁波の透過・反射特性などを制御することができる。ここで電磁波の波長を光の波長オーダーにまで小さく(短く)すると、光の透過・反射特性を制御することができる。
このような構造物はフォトニック結晶として知られており、ある波長域において、光損失が無損失の100%の反射率を有する反射ミラーを実現できることが示唆されている。このように、ある波長域で反射率を100%にすることができる概念は、従来の半導体が持つエネルギーギャップとの比較から、フォトニックバンドギャップと言われている。
また、波長以下の大きさの構造物を3次元的な微細周期構造にすることによって、あらゆる方向から入射した光に対してフォトニックバンドギャップを実現することができる。以下、これを「完全フォトニックバンドギャップ」と呼ぶ。
完全フォトニックバンドギャップを利用することにより、新しい機能を持つ光学素子の実現が可能となる。例えばフォトニック結晶内に点または線状の周期欠陥部を設けることにより共振器や導波路として動作させることができる。
特に線状欠陥部を適切に設けることで、線状欠陥内に光を強く閉じ込めたまま、急峻な曲げ導波路や分合波導波路を実現することができることが知られている。(特許文献1)(非特許文献2)。
完全フォトニックバンドギャップの実現可能な3次元フォトニック結晶としては図31(a)〜(f)に示すようないくつかの構造が挙げられる。
図31(a)〜(f)はそれぞれ順に、ダイヤモンドオパール構造、ウッドパイル構造、らせん構造、独自な3次元周期構造、3次元周期構造の反転構造(インバース構造)、ダイヤモンドウッドパイル構造である。
Physical Review Letters, Vol. 58, pp. 2059, 1987年 特開2001−74955号公報 第65回応用物理学会学術講演会 講演予稿集,NO.3,pp936
3次元フォトニック結晶による完全フォトニックバンドギャップ(PBG)を利用して導波路を構成すると一般的に、PBG内のある周波数の光に対して、単一モードで導波する周波数帯域と、複数モードで導波する周波数帯域が存在する。ここで単一モードとは、導波路を導波するモードのうち、1つの周波数の光に対して、1つの波数ベクトルを有する状態で導波可能なモードのことを指す。導波路を、光回路や発光素子などに用いる場合、光回路や発光素子で利用する光の周波数帯域において、単一モードで導波させることが可能な導波路が必要である。特に、フォトニック結晶中に点欠陥部を設けることで形成した共振器と導波路を組み合わせて利用する場合、点欠陥共振器の動作周波数は、欠陥部を構成する媒質や構造によって決定される。一方、共振器が所望の性能を得るためには、共振器構造や媒質を適切に設計する必要がある。そのため、共振器構造や媒質を変えることによって、共振器が所望の性能を有したまま、共振器の動作周波数を自由に制御することは難しい。そこで、このような共振器と導波路を組み合わせて利用する場合には、導波路の単一モードで導波することが可能な帯域を、共振器の動作周波数に合わせることが必要である。すなわち、単一モードで導波することが可能な周波数帯域を制御する手段を有した導波路であることが必要である。
また、複数の異なる周波数の光で動作可能な光回路や発光素子に、導波路を利用するためには、複数の異なる周波数の光のすべての帯域において単一モードで導波可能であることが必要である。また、フォトニック結晶および導波路を作製する際、作製誤差によって単一モードで導波可能な周波数帯域が変化する可能性がある。そのため、単一モードで導波することが可能な周波数帯域が広い導波路の方が、許容誤差を大きくすることができる。従って、広い周波数帯域で、単一モードで動作可能な導波路であることが望ましい。
さらに、フォトニック結晶を利用した導波路の各導波モードは、導波路内において固有の周期的な電場強度分布を有している。導波路を導波してきた光を導波路端部から外部へ取り出して使用する場合、導波路端部から出射される光の電場強度分布は、導波方向に垂直な断面内において、対称性の良い単峰性の電場強度分布をしていることが好ましい。導波路端部から出射される光の電場強度分布は、各導波モードの導波路端部における、導波方向に垂直な面内における電場強度分布に応じて形成される。従って、導波モードは、所定の領域に強く集中し、導波方向に垂直な面内において単峰性の電場強度分布を有していることが望まれる。
図31(b)に示されるウッドパイル構造の内部に、線欠陥導波路が構成されている特許文献1には、柱状構造の一部分を除去し、線状欠陥部とすることによって形成した導波路構造が記載されている。また、この導波路構造は、特定の帯域において、単一モードかつ単峰性に近い強度分布を有するモードで導波可能な導波路を実現できることが記載されている。しかしながらPBGの一部の周波数帯域では、複数モードで導波する領域となっており、利用できる帯域が制限されている。また、3次元フォトニック結晶を形成する媒質を、さらに低い屈折率を有する媒質で構成した場合、PBGを有する周波数領域が狭くなるとともに、単一モードで利用できる周波数帯域は、急激に狭くなってしまう。さらに、この導波路構造は、単一モードで利用できる周波数帯域を制御する手段を有していないため、単一モードで利用できる周波数帯域は制限される。
非特許文献2には、図31(b)に示されるウッドパイル構造の内部に線状欠陥部と、線状欠陥部に隣接する層に柱状構造を追加することによって形成した導波路構造が記載されている。非特許文献2には、比較的広い周波数帯域で、単一モードで導波可能であることが示されている。しかしながら、この導波路構造を形成すると、導波モードの導波方向に垂直な面内における電場強度分布および導波方向と積層方向に平行な面内における電場分布は、図32(a)および図32(b)に示すような電場強度分布となる。図32(a)および 図32(b)において、中央部で白く表示されている部分ほど、電場強度が強いことを表している。図32(a)に示すように、電場強度分布は、追加した柱状構造部分に強く集中するような、双峰的な分布となってしまい、応用上好ましくない。また、図32(b)に示すように、電場分布は、導波路内で大きく変化する。従って、3次元フォトニック結晶内に、この導波路構造と他の共振器構造や導波路構造を配置し、デバイスとして利用する場合、作製誤差などによって、配置する構造の位置が微小に変化すると、各構造が有する電場分布の相対的な位置関係が大きく変化する。各構造間における電場の伝搬特性は、各構造が有する電場分布の相対的な位置関係で決定されるため、配置する構造の位置が微小に変化すると、各構造間の電場の伝搬特性が大きく変化し、デバイスの性能が著しく変化する。そのため、この導波路構造を用いたデバイスで所望の性能を得るためには、各構造を高い位置精度で配置する必要があり、高度な作製技術が必要となる。
さらに、以上で述べた2つの導波路構造は、各導波路の導波モードの周波数を変える手段を有していないため、所望の周波数帯域で、単一モードで導波可能な導波路を得ることができない。
本発明は、単一モードかつ導波方向に垂直な面内において単峰性の電場強度分布を有するモードで導波可能で、かつ所望の周波数帯域で導波することができる3次元フォトニック結晶を利用した導波路及びそれを有する発光素子の提供を目的とする。
本発明の導波路は、
3次元フォトニック結晶の複数の線状欠陥部により形成される導波路であって、該3次元フォトニック結晶は、複数の柱状構造が間隔を空けて配列された第1の層と、該第1の層の前記柱状構造が延びる方向に対して垂直方向に延びる複数の柱状構造が間隔を空けて配列された第2の層と、該第1の層の前記柱状構造と同じ方向に延びる複数の柱状構造が間隔を空けて配列された第3の層と、該第2の層の前記柱状構造と同じ方向に延びる複数の柱状構造が間隔を空けて配列された第4の層を有し、該第1の層と該第3の層に含まれる柱状構造が、相互に該柱状構造の延びる方向と垂直な方向に前記間隔の半分ずれるように積層され、該第2の層と該第4の層に含まれる柱状構造が、相互に該柱状構造の延びる方向と垂直な方向に前記間隔の半分ずれるように積層されており、
前記複数の線状欠陥部は、前記柱状構造の屈折率以上の屈折率を有する媒質により、該柱状構造が延びる方向に対して垂直方向に形成された第1の線状欠陥部と、該第1の線状欠陥部と同じ方向に延びる柱状構造の一部を変形した第2の線状欠陥部を有することを特徴とする。
本発明によれば、単一モードかつ導波方向に垂直な面内において単峰性の電場強度分布を有するモードで導波可能で、かつ所望の周波数帯域で導波することができる導波路が得られる。
以下、本発明を各実施例に基づいて詳細に説明する。
図1はウッドパイル構造Aの概略図である。ウッドパイル構造Aはxy平面を含む4つの層101〜104を基本周期として構成されている。
図2は図1の各層101〜104のxy断面の概略図である。第1の層101および第3の層103は、x軸方向に延びる複数の柱状構造101aおよび103aが等間隔Pでx軸方向と直交するy軸方向に周期的に配置されている。ここで柱状構造101aと103aはそれぞれy軸方向にP/2ずれた位置(柱状構造の間隔Pの半分ずれた位置)に配置されている。
また、第2の層102および第4の層104は、y軸方向に延びる複数の柱状構造102aおよび104aが等間隔Pでy軸方向と直交するx軸方向に配置されている。ここで柱状構造102aと柱状構造104aはそれぞれx軸方向にP/2ずれた位置に配置されている。つまり、柱状構造102aと柱状構造104aは、柱状構造101aと柱状構造103aに対して垂直方向に延びている。
柱状構造101a〜104aの材料の屈折率、柱状構造の形状や間隔、各層の厚さなどを最適化することにより、所望の周波数帯域(波長帯域)に完全フォトニックバンドギャップを得ることができる。
本実施例で用いるウッドパイル構造Aの構造パラメータを表1に示す。
以下、構造パラメータにおいて、面内格子周期とは図2に示した柱状構造101a〜104aの層内の周期方向の間隔Pをいう。また面外格子周期とは複数層からなる基本周期をいい、例えばウッドパイル構造Aにおいては層101〜104の4層分の積層方向(z軸方向)の長さをいう。
また、表1の屈折率は、ウッドパイル構造の柱状構造101a〜104aを構成する媒質(材料)の屈折率を表わしている。ウッドパイル構造の柱状構造以外の部分の媒質は空気であって屈折率は1.0である。
さらに、柱状構造幅とは、層内における柱状構造が延びる方向に垂直な方向の長さ、柱状構造高さとは、柱状構造の積層方向(z軸方向)の長さをいう。以下の各実施例においても同様である。
図3はウッドパイル構造Aのフォトニックバンドギャップを平面波展開法にて計算した結果を示すグラフである。グラフの横軸は波数ベクトルすなわちフォトニック結晶に入射する電磁波の入射方向を表している。
例えばK点はx軸(もしくはy軸)に平行な波数ベクトル、X点はxy平面内において、x軸(もしくはy軸)に対して45°の傾きを持った波数ベクトルを表している。グラフの縦軸は格子周期で規格化した周波数(規格化周波数)を示している。図3において網掛けで示された領域β周波数帯域においては、光の入射方向によらず光が存在できない完全フォトニックバンドギャップが形成されている。このような3次元フォトニック結晶の内部に周期を乱す欠陥部を設けると、完全フォトニックバンドギャップ内の周波数を有する欠陥モードを生成する。この欠陥モードは、欠陥部の形状や媒質によって、周波数(波長)、波数ベクトルが決まるモードである。このとき、線状の欠陥部を設けると、線状の欠陥部が延びる方向には、波数ベクトルの大きさが制限されないため、欠陥モードは、線状の欠陥部が延びる方向に導波するモードとなる。
図4は、図1のウッドパイル構造Aの内部に複数の線状欠陥部を設けた導波路構造Bの概略図である。導波路構造Bは、図1に示すウッドパイル構造Aの内部にy軸方向に延びる線状欠陥部(第1の線状欠陥部)20を含む。そして線状欠陥部20が形成される層とは異なる層に位置し、y軸方向に延びる柱状構造102aの一部を除去した第2の線状欠陥部200を含む。図4(a)は、導波路構造のxz断面である。図4(b)、(c)は導波路構造Bのxy断面である。本実施例では、y軸方向に延び、0.60Pの幅を有する第1の線状欠陥部20と、y軸方向に延びる柱状構造の一部を除去した第2の線状欠陥部200とを含む構造について示した。第1の線状欠陥部20は、第1の層101において、第1の柱状構造101aの延びるx軸方向に対して垂直なy軸方向に延びる柱状の形状を有し、層101内に含まれる柱状構造101aと同じ屈折率を有する媒質で形成されている。第2の線状欠陥部200は、第1の層101とは異なる第2の層102において柱状構造102aの一部の幅を変化させたものである。即ち柱状構造102aの形状を変化させたものである。導波路構造Bの構造パラメータを表2に示す。
座標の原点は、図4(a)のxz断面において、第1の線状欠陥部20の中心とした。また、各欠陥部の層内におけるx軸方向の長さを欠陥部幅、各欠陥部の積層方向(Z軸方向)の長さを欠陥部高さ、各欠陥部20、200を構成する媒質の屈折率を欠陥部屈折率とする。表2および図4中では欠陥部幅を20w、200wとし、欠陥部高さを20h、200h、欠陥部屈折率を20nとした。
図5(a)は、導波路構造Bについて平面波展開(PWE)法を用いて、導波モードを計算した結果を示すグラフである。図5(a)のグラフの横軸は、格子周期Pで規格化した波数ベクトルの導波方向(y軸方向)成分の大きさを表しており、グラフの縦軸は格子周期Pで規格化した周波数(規格化周波数)を示している。また、領域αで示した周波数帯域は、完全フォトニックバンドギャップ以外の周波数帯域を示しており、完全フォトニックバンドギャップ内で存在するモードは、欠陥部に起因した欠陥モードを示している。さらに、領域βで示した周波数帯域は、欠陥モードのうち、単一モードで導波可能な周波数帯域を表している。また、図5(b)、図5(c)は、導波路構造Bで、単一モードで導波可能な周波数帯域における導波モードのxz断面およびyz断面における電場強度分布について、有限差分時間領域(FDTD)法を用いて計算した結果を示している。図5(b)、図5(c)において、白く表示されている部分は、電場強度が強い部分を表している。
図5(a)に示したように、単一モードで導波可能な周波数帯域は、0.441から0.456の範囲で存在している。導波路構造Bにおいて、第2の線状欠陥部200を設けず、第1の線状欠陥部20だけを設けた場合の導波モードを、PWE法を用いて計算すると、単一モードで導波可能な周波数帯域は、0.432から0.435となる。従って、第2の線状欠陥部200を設けることによって、広い周波数帯域で単一モードで導波可能な導波路が得られることが分かる。さらに図5(b)、図5(c)に示したように、導波モードは、導波路の中心付近に電場強度が強く集中する単峰性の電場強度分布を有している。
次に、導波路構造Bにおいて、第2の線状欠陥部200の欠陥部幅200wを変化させたときの単一モードで導波可能な周波数帯域の変化を図6に示す。
図6は、横軸に第2の線状欠陥部200の欠陥部幅200w、縦軸に規格化周波数を表している。また、図中の点を結んだ実線および破線は、それぞれ単一モードで導波可能な周波数帯域の高周波数および低周波数である。図6に示すように、欠陥部幅200wを変化させることによって、単一モードで導波可能な周波数帯域が変化する様子が分かる。 従って、導波路構造Bにおいて、第2の線状欠陥部200の形状を変化させることによって、単一モードで導波可能な周波数帯域を制御することができる。
従来の導波路構造と比べて、本実施例の導波路構造Bによって、単一モードで導波可能な周波数帯域が制御でき、導波方向に垂直な面内(YZ断面)において単峰性の強度分布を有するモードを得ることができる理由を以下に説明する。
導波路の導波モードの電場分布は、高屈折率材料部分に集中しやすい性質がある。従来例で提案されている導波路構造は、高誘電体材料で形成された2つの線状欠陥部が、低誘電体材料で形成された線状欠陥部の上下に、互いに近い場所に配置している。そのため、導波モードの電場分布は、高屈折率材料で形成された2つの線状欠陥部に集中し、その間の低屈折率材料で形成された線状欠陥部には、ほとんど集中しない。従って、導波方向(x軸方向)に垂直な面内における電場分布は、双峰的な分布となってしまう。一方、本実施例にかかる導波路構造Bでは、第1の線状欠陥部20を高誘電体材料(高屈折材料)で形成している。また、第1の線状欠陥部20の上下が低屈折率材料で形成された領域となるように、第1の線状欠陥部20を配置している。そのため、導波モードの電場分布は、高屈折率媒質で形成された第1の線状欠陥部20に強く集中する。従って、導波方向に垂直な面内(YZ断面)における電場分布は、第1の線状欠陥部20に強く集中するような単峰性の分布を持つこととなる。
また、導波路構造Bの導波モードにおいて、波数ベクトルの導波方向成分の大きさが、Kに近い導波モードの電場分布とΓに近い導波モードの電場分布を比較すると、Kに近いモードの電場分布は、第1の線状欠陥部20に比較的強く集中している。一方、Γに近いモードは、第1の線状欠陥部20から離れたところまで、電場分布が広がっており、特に線状欠陥部に対して積層方向に広がりを持っている。同様に、導波路構造Bの導波モードにおいて、PBGの低周波数側に近い導波モードの電場分布とPBGの高周波数側に近い導波モードの電場分布を比較する。PBGの低周波数側に近い導波モードの電場分布は、第1の線状欠陥部20に比較的強く集中し、一方、PBGの高周波数側に近い導波モードは、第1の線状欠陥部20から離れたところまで、電場分布が広がっており、特に積層方向に広がりを持っている。
光の周波数と波数ベクトルの関係が空間の屈折率で決まるように、導波モードの周波数と波数ベクトルの関係はモード屈折率で決まり、波数ベクトルが一定であれば、モード屈折率が低くなるほどモードの周波数は高周波数となる。また、モード屈折率は、モードの電場分布が構造の高屈折率部分に集中する割合によって、決定される。従って、第1の線状欠陥部20から異なる層内に第2の線状欠陥部200を形成する。そして、第2の線状欠陥部200の形状を変化させて、局所的に屈折率を低下させる。これにより、導波モードの波数ベクトルの導波方向成分の大きさがΓに近いモード、およびPBGの高周波数側に近いモードのモード屈折率が低下し、各モードの周波数が高周波数側へ変化する。その結果、単一モードで導波可能な周波数帯域の拡大や、単一モードで導波可能な周波数の制御が可能となる。
なお、本実施例では、第1の線状欠陥部20と同じ方向に延びる柱状構造を含む層で、第1の線状欠陥部20の最も近くに位置する柱状構造に第2の線状欠陥部200を設けた。他の柱状構造に第2の線状欠陥部を設けてもよい。例えば、第1の線状欠陥部に隣り合う層内において、さらに離れた場所に位置する柱状構造に第2の線状欠陥部を設けても同様の効果が得られる。また、第1の線状欠陥部から積層方向にさらに離れた層内に位置する柱状構造に第2の線状欠陥部を設けても、同様の効果が得られる。導波方向に垂直な面内(YZ断面)において、第1の線状欠陥部20と第2の線状欠陥部200とを結ぶ長さは、面外格子周期以内であると効果的である。また、第2の線状欠陥部200を設ける柱状構造の数は、本実施例に制限されるものではなく、3つ以下でも、5つ以上でも良い。また、複数の線状欠陥部を設けた場合、各欠線状陥部は互いに異なる形状であってもよい。第2の線状欠陥部を設ける位置、数、形状を細かく制御することで、導波モードの周波数のさらに細かい制御が可能となる。
実施例2は、実施例1の導波路構造Bに対して、柱状構造を構成する媒質の屈折率を変えた導波路構造Cに関する。導波路構造Cの構造パラメータを表3に示す。
図7(a)、図7(b)には、導波路構造Cで、単一モードで導波可能な周波数帯域における導波モードのxz断面とYZ断面における電場強度分布を示した。図7(a)、図7(b)において、白く表示されている部分は、電場強度が強い部分を表している。さらに、図7(c)に、導波路構造Cにおいて、第2の線状欠陥部200の欠陥部幅200wを変化させたときの単一モードで導波可能な周波数帯域の変化の様子を示す。図7(c)は、横軸に欠陥部幅200w、縦軸に規格化周波数を表している。また図中の点を結ぶ実線および破線は、それぞれ単一モードで導波可能な周波数帯域の高周波数および低周波数である。なお、導波モードの計算はPWE法を用いて計算し、導波モードの電場分布の計算は、FDTD法を用いた。
図7(a)、図7(b)に示したように、導波モードは、導波路の中心付近に電場強度が強く集中する単峰性に近い電場分布を有していることが分かる。また、図7(c)に示したように、第2の線状欠陥部200の幅200wが、0.10Pのとき、単一モードで導波可能な周波数帯域は、0.338から0.364の範囲で存在している。導波路構造Cにおいて、第2の線状欠陥部を設けずに第1の線状欠陥部20だけを設けた場合の導波モードをPWE法を用いて計算すると、単一モードで導波可能な周波数帯域は、0.336から0.343となる。従って、第2の線状欠陥部200を設けることによって、広い周波数帯域で単一モードで導波可能な導波路が得られることが分かる。また、図7(c)に示したように、欠陥部幅200wを変化させることによって、単一モードで導波可能な領域が変化する様子が分かる。従って、3次元フォトニック結晶構造を形成する媒質の屈折率に関わらず、導波路の中心付近に電場分布が強く集中する導波モードを有する導波路が得られることが分かる。また、第2の線状欠陥部200の形状によって、単一モードで導波可能な帯域を制御できることが分かる。
実施例3は、実施例1の導波路構造Bに対して、第1の線状欠陥部20を柱状構造の媒質の屈折率以上の屈折率を有する媒質で形成した導波路構造Dに関する。導波路構造Dの構造パラメータを表4に示す。

図8(a)、図8(b)には、導波路構造Dで、単一モードで導波可能な周波数帯域における導波モードのxz断面とYZ断面における電場強度分布を示した。図8(a)、図8(b)において、白く表示されている部分は、電場強度が強い部分を表している。さらに、導波路構造Dにおいて、欠陥部幅200wを変化させたときの単一モードで導波可能な周波数帯域の変化の様子について図8(c)に示す。図8(c)は、横軸に欠陥部幅200w、縦軸に規格化周波数を表している。また図中の点を結ぶ実線および破線は、それぞれ単一モードで導波可能な周波数帯域の高周波数および低周波数である。なお、導波モードの計算はPWE法を用いて計算し、導波モードの電場分布の計算は、FDTD法を用いた。
図8(a)、図8(b)に示したように、導波モードは、導波路の中心付近に電場強度が強く集中する単峰性に近い電場分布を有していることが分かる。また、図8(c)に示したように、第2の線状欠陥部200の欠陥部幅200wを変化させることによって、単一モードで導波可能な領域が変化する様子が分かる。従って、第1の線状欠陥部20を、3次元フォトニック結晶構造を形成する媒質よりも高い屈折率を有する媒質で形成しても、導波路の中心付近に電場分布が強く集中する導波モードを有する導波路が得られることが分かる。また、第2の線状欠陥部200を設け、形状を変化させることによって、単一モードで導波可能な帯域を制御できることが分かる。
図9は実施例4の導波路構造Eの要部概略図である。
第2の線状欠陥部300は、第2の線状欠陥部300と同じ層に含まれる柱状構造を構成する媒質の屈折率とは異なる屈折率を有する媒質で形成されている。この導波路構造Eによれば、電場分布が導波路中心部に強く集中する導波モードが得られる。また、第2の線状欠陥部300の屈折率を変化させることで単一モードで導波可能な周波数帯域が制御できる。
導波路構造Eは、ウッドパイル構造Aの内部に、y軸方向に延びる第1の線状欠陥部30と、第1の線状欠陥部30とは異なる層に位置し、y軸方向に延びる柱状構造102aの一部に形成した第2の線状欠陥部300を有している。第1の線状欠陥部30は、第1の層101において、柱状の形状を有し、フォトニック結晶構造Aを構成する柱状構造101aと同じ屈折率を有する媒質で形成されている。第2の線状欠陥部300は、第2の層102において、柱状構造102aの一部を、ウッドパイル構造Aの柱状構造を構成する媒質とは異なる屈折率を有する媒質で構成することによって形成されている。図9(b)、(c)は導波路構造Eの各層のXY断面図である。本実施例では、0.60Pの幅を有する第1の線状欠陥部30と、y軸方向に延びる柱状構造の一部を、屈折率1.7を有する媒質で形成した第2の線状欠陥部300とを含む構造について示した。なお、各欠陥部の層内におけるx軸方向の長さを欠陥部幅、各欠陥部の積層方向(Z軸方向)の長さを欠陥部高さ、各欠陥部を構成する媒質の屈折率を欠陥部屈折率とする。図9および表5では欠陥部幅を30w、300wと記し、欠陥部高さを30h、300h、欠陥部屈折率を30n、300nと記した。なお、各線状欠陥部を構成する媒質の屈折率を欠陥部屈折率30n、300nとする。
図10(a)は、導波路構造EについてPWE法を用いて、導波モードを計算した結果を示すグラフである。グラフの横軸・縦軸は、図5(a)と同じである。また、図5(a)と同様に、縦線で示した領域αは、周波数帯域は、完全フォトニックバンドギャップ以外の周波数帯域を示しており、領域βは、周波数帯域は、導波モードのうち、単一モードで導波可能な周波数帯域を表している。また、図10(b)、図10(c)には、導波路構造Eで、単一モードで導波可能な周波数帯域における導波モードのxz断面、YZ断面における電場強度分布を示した。図10(b)(c)において、白く表示されている部分は、電場強度が強い部分を表している。なお、導波モードの電場分布の計算は、FDTD法を用いて計算した。
図10(a)に示したように、単一モードで導波可能な周波数帯域は、0.433から0.451の範囲で存在している。導波路構造Eにおいて、第2の線状欠陥部300を設けずに第1の線状欠陥部30だけを設けた場合の導波モードをPWE法を用いて計算すると、単一モードで導波可能な周波数帯域は0.432から0.435となる。従って、第2の線状欠陥部300を設けることによって、広い周波数帯域で単一モードで導波可能な導波路が得られることが分かる。さらに図10(b)、図10(c)に示したように、導波モードは、導波路の中心付近に電場強度が強く集中する単峰性に近い電場分布を有していることが分かる。
次に、導波路構造Eにおいて、第2の線状欠陥部300の欠陥部屈折率300nを変化させたときの単一モードで導波可能な周波数帯域の変化を図11に示す。図11は、横軸に欠陥部屈折率300n、縦軸に規格化周波数を表している。また図中の点を結んだ実線および破線は、それぞれ単一モードで導波可能な周波数帯域の高周波数および低周波数である。欠陥部屈折率300nを変化させることによって、単一モードで導波可能な周波数帯域が変化する様子が分かる。従って、導波路構造Eにおいて、第2の線状欠陥部300の屈折率300nを変化させることによって、単一モードで導波可能な周波数帯域を制御することができる。
本実施例の導波路構造Eによって、単一モードで導波可能な周波数帯域が制御でき、導波方向に垂直な面内(YZ断面内)において単峰性に近い強度分布を有するモードを得ることができる理由は、前記実施例1と同じ理由である。
さらに、本実施例も導波路構造Bと同様に、フォトニック結晶を構成する柱状構造の媒質の屈折率に影響されるものではない。従って、3次元フォトニック結晶構造を形成する媒質の屈折率に関わらず、第2の線状欠陥部300の欠陥部屈折率300nによって、単一モードで導波可能な帯域を制御することができる。
以上のように、各実施例では、ウッドパイル構造に、導波路構造を設けた構造について示した。又、この導波路構造によって、所望の周波数帯域において、単一モードかつ所望の強度分布を有するモードで導波可能な導波路を実現できることを示した。
なお、導波モードの電場分布は高誘電体媒質に集中しやすい性質がある。そのため、第1の線状欠陥部の近傍に第2の線状欠陥部を設けると、導波モードの電場分布は第2の線状欠陥部の影響を受ける。従って、第2の線状欠陥部を設ける位置、形状、媒質は、第1の線状欠陥部に対して、積層面内あるいは積層方向において、対称性が良くなるように決定することが好ましい。
また、本実施例で示した導波モードの電場分布は、第1の線状欠陥部に強く集中している。従って、第1の線状欠陥部30の形状を変化させることによっても、単一モードで導波可能な周波数帯域を制御することができる。第1の線状欠陥部の形状、媒質と、第2の線状欠陥部の位置、形状、媒質を適切に決定することによって、所望の周波数帯域で、単一モードで導波可能な導波路を得ることができる。
上記のような3次元フォトニック結晶を利用した導波路構造を構成する媒質としては、従来の構造と同様に、高い屈折率比を有する2種類以上の媒質を用いることが望ましい。柱状構造を構成する媒質は例えばSi、GaAs、InP、Ge、TiO、GaN、Ta、Nbなど、高屈折率材料が好ましい。さらに使用波長帯域で吸収を持たず透明な材料であることがより好ましい。柱状構造を構成する媒質以外の媒質はSiOなどの誘電体、PMMAなどの高分子有機材料、空気、水などの低屈折率媒質を用いる。フォトニックバンドギャップは結晶内の屈折率分布に起因して得られるものであるため、相互の屈折率比が大きい媒質同士を組み合わせるほど、より広いフォトニックバンドギャップを得ることができる。有効な広さを持つフォトニックバンドギャップを得るためには屈折率比が2以上であることが望ましい。また、高屈折率媒質で形成された第1の線状欠陥部を形成する媒質は、上記で上げた高屈折率媒質が望ましい。また、第2の線状欠陥部は、柱状構造の形状を同一とし、又は形状を変化させるとともに屈折率を変えても良い。さらに、導波路の作製にあたっては、従来の作製手法(電子ビームリソグラフィによる構造パターニングと積層を繰り返し行う手法やウエハ融着法、ナノインプリント法など)を用いることができる。
図12は、ウッドパイル構造Aに比べて広いフォトニックバンドギャップを有する3次元フォトニック結晶構造Fの要部概略図である。
3次元フォトニック結晶構造Fは、xy平面を含む層401〜412の12層を基本周期として構成されている。図12は各層401〜412のxy断面の一部を示している。第1の層401および第7の層407は、x軸方向に延びる複数の柱状構造401aおよび407aが等間隔Pでy軸方向に配置されており、柱状構造401aと407aはそれぞれy軸方向にP/2ずれた位置に配置されている。
また、第4の層404および第10の層410は、y軸方向に延びる複数の柱状構造404aおよび410aが等間隔Pでx軸方向に配置されており、柱状構造404aと410aはそれぞれx軸方向にP/2ずれた位置に配置されている。
第2の層402および第3の層403には、第1の層401中の柱状構造401aおよび第4の層404中の柱状構造404aの交点に相当する位置に、離散構造402aおよび403aが配置されている。離散構造402a,403aは、xy平面内において互いに接しないように離散的に配置されている。
なお、離散構造402aと403aはxy面内における90度の回転により相互に重なる対称性を有している。柱状構造を含む層の間にある第5の層405、第6の層406、第8の層408、第9の層409、第11の層411、第12の層412も同様である。即ち、隣接する層中の柱状構造の交点に相当する位置に、xy平面内において離散的に配置された離散構造405a、406a、408a、409a、411a、412aが配置されている。
各層中の柱状構造および離散構造は互いに接している。柱状構造及び離散構造の材料の屈折率、柱状構造および離散構造の形状や間隔、各層の厚さなどを最適化することにより、所望の周波数帯域(波長帯域)に広い完全フォトニックバンドギャップを得ることができる。
尚、第2、第3、第5、第6、第8、第9、第11、第12は離散構造を含む付加層である。
3次元フォトニック結晶構造Fの構造パラメータを表6に示す。以下、面内格子周期とは図13に示した柱状構造の間隔Pをいう。また面外格子周期とは複数層からなる基本周期をいい、例えば3次元フォトニック結晶構造Fにおいては401〜412の12層分の積層方向の長さをいう。また、表6の屈折率は、3次元フォトニック結晶構造Fの柱状構造および離散構造を構成する媒質の屈折率を表わしている。3次元フォトニック結晶構造Fの柱状構造および離散構造以外の部分の媒質は空気であって屈折率は1.0である。
また、離散構造幅とは、図13に示す各離散構造の層内における長さを指し、表6および図13中に、Dw1、Dw2と記した。
さらに、離散構造高さとは、各離散構造の積層方向(z軸方向)の長さであり、表6および図13においてDhとした。
図14は3次元フォトニック結晶構造FのフォトニックバンドギャップをPWE法にて計算した結果を示すグラフである。
図14の縦軸、横軸は、実施例1の図3と同じである。網掛けで示された周波数帯域において、光の入射方向によらず光が存在できない完全フォトニックバンドギャップが形成されている。また、実施例1のウッドパイル構造と同様に、3次元フォトニック結晶構造Fの内部に線状の欠陥部を設けると、完全フォトニックバンドギャップ内の周波数を有する導波モードを生成する。
図15は、3次元フォトニック結晶構造Fの内部に線状欠陥部50、500を設けた導波路構造Gの概略図である。図15の導波路構造Gは、図12に示す3次元フォトニック結晶構造Fの内部にy軸方向に延びる第1の線状欠陥部50を含んでいる。更に第1の線状欠陥部50を含む層とは異なる層に位置し、y軸方向に延びる柱状構造の一部を変形させることによって形成した第2の線状欠陥部500を含む構造である。
第1の線状欠陥部50は、0.60Pの幅を有し、第1の線状欠陥部50と同じ層に含まれる柱状構造を形成する媒質と同じ屈折率を有する媒質で形成された領域である。これは後述する図20の第1の線状欠陥部60、図22の第1の線状欠陥部70、図25の第1の線状欠陥部80も同様である。
図15(a)は導波路構造Gのxz断面図である。図15(b)、(c)は導波路構造Gのxy断面図である。本実施例では、y軸方向に延び、0.60Pの幅を有する第1の線状欠陥部50と、y軸方向に延び、柱状構造の幅を0.00Pとした第2の線状欠陥部500を含む構造について示した。導波路構造Gの構造パラメータを表7に示す。
ここで、欠陥部幅とは、各欠陥部の層内におけるx軸方向の長さを指し、表7および図15(b)、(c)では50w、500wと記した。また、欠陥部高さとは、各欠陥部の積層方向(z軸方向)の長さを指し、表7および図15(a)に50h、500hと記した。また、欠陥部屈折率とは、各欠陥部を構成する媒質の屈折率を指し、表7に50nと記した。
なお、座標の原点は図15(a)のxz断面において、第1の線状欠陥部50の中心とする。
図16(a)は、導波路構造GについてPWE法を用いて、導波モードを計算した結果を示すグラフである。図16(a)のグラフの横軸・縦軸、は、実施例1の図5(a)と同じである。
また、実施例1と同様に、縦線で示した領域αの周波数帯域は、完全フォトニックバンドギャップ以外の周波数帯域を示している。図16(a)において領域βの周波数帯域は、導波モードのうち、単一モードで導波可能な周波数帯域を表している。さらに、図16(b)、図16(c)には、導波路構造Gで、単一モードで導波可能な周波数帯域における導波モードの電場分布について、FDTD法で計算した結果を示している。図16(b)、図16(c)は、導波路構造Gのxz断面およびyz断面における電場強度分布を示した。図16(b)、図16(c)で、白く表示されている部分ほど、電場強度が強いことを表している。図16(a)に示したように、単一モードで導波可能な周波数帯域は、0.462から0.478の範囲で存在している。導波路構造Gにおいて、第1の線状欠陥部50だけを設け、第2の線状欠陥部500を設けない場合の導波モードを、PWE法を用いて計算すると、単一モードで導波可能な周波数帯域は、0.460から0.467となる。従って、第2の線状欠陥部500を設けることによって、広い周波数帯域で単一モードで導波可能な導波路が得られることが分かる。さらに、図16(b)、図16(c)に示したように、導波モードは、導波路の中心付近に電場強度が強く集中する単峰性の電場分布を有していることが分かる。
さらに、導波路構造Gにおいて、第2の線状欠陥部500の欠陥部幅500wを変化させ、そのときの単一モードで導波可能な周波数帯域の変化を図17に示す。図17は、横軸に欠陥部幅、縦軸に規格化周波数を表している。また図中の点を結ぶ実線および破線は、それぞれ単一モードで導波可能な周波数帯域の高周波数および低周波数である。図17に示したように、欠陥部幅500wを変化させることによって、単一モードで導波可能な領域が変化する。従って、導波路構造Gにおいて、第1の線状欠陥部50が形成された層とは異なる層に位置する柱状構造の一部に形成した第2の線状欠陥部500の形状を変化することによって、単一モードで導波可能な帯域を制御することができる。
なお、本実施例の導波路構造Gによって単一モードで導波可能な周波数帯域を制御でき、導波方向に垂直な面内において単峰性に近い強度分布を得ることができる理由は、実施例1で述べた理由と同じである。
なお、本実施例では、第1の線状欠陥部50と、第1の線状欠陥部と隣り合う柱状構造に第2の線状欠陥部を設けた。この他本実施例においては他の柱状構造に第2の線状欠陥部を設けてもよい。例えば、実施例1で述べたように、第1の線状欠陥部50と隣り合う層内において、さらに離れた場所に位置する柱状構造に第2の線状欠陥部を設けても同様の効果が得られる。また、第1の線状欠陥部50から積層方向にさらに離れた層内に位置する柱状構造に第2の線状欠陥部を設けても、同様の効果が得られる。第1の線状欠陥部と第2の線状欠陥部との積層方向の距離は、面外格子周期の長さ以内であると、効果的である。また、第2の線状欠陥部の数は本実施例に制限されない。また、複数の線状欠陥部を設けた場合、各線状欠陥部は互いに異なる形状であってもよい。
実施例6は導波路構造Gの屈折率を変えた導波路構造Hに関する。導波路構造Hの構造パラメータを表8に示す。
図18(a)、図18(b)には、導波路構造Hで、単一モードで導波可能な周波数帯域における導波モードのxz断面、YZ断面における電場強度分布を示した。図18(a)、図18(b)において、白く表示されている部分は、電場強度が強い部分を表している。さらに、導波路構造Hにおいて、第2の線状欠陥部500の欠陥部幅500wを変化させたときの単一モードで導波可能な周波数帯域の変化の様子について図18(c)に示した。図18(c)は、横軸に欠陥部幅、縦軸に規格化周波数を表している。また図中の点を結ぶ実線および破線は、それぞれ単一モードで導波可能な周波数帯域の高周波数および低周波数である。なお、導波モードの計算はPWE法を用いて計算し、導波モードの電場分布の計算は、FDTD法を用いて計算した。
図18(a)、図18(b)に示したように、導波モードは、導波路の中心付近に電場強度が強く集中する単峰性に近い電場分布を有している。また、図18(c)に示したように、欠陥部幅500wを変化させることによって、単一モードで導波可能な領域が変化する。従って、3次元フォトニック結晶構造を形成する媒質の屈折率に関わらず、導波路の中心付近に電場分布が強く集中する導波モードを有する導波路が得られることが分かる。また、第2の線状欠陥部500の形状を変化させることによって、単一モードで導波可能な帯域を制御することができる。
実施例7は導波路構造Gに対して、第1の線状欠陥部の屈折率を高くした導波路構造Iに関する。導波路構造Iの構造パラメータを表9に示す。
図19(a)、図19(b)には、導波路構造Iで、単一モードで導波可能な周波数帯域における導波モードのxz断面、yz断面における電場強度分布を示した。図19(a)、図19(b)において、白く表示されている部分は、電場強度が強い部分を表している。さらに、導波路構造Dにおいて、欠陥部幅500wを変化させたときの単一モードで導波可能な周波数帯域の変化の様子について図19(c)に示す。図19(c)は、横軸に欠陥部幅、縦軸に規格化周波数を表している。また図中の点を結ぶ実線および破線は、それぞれ単一モードで導波可能な周波数帯域の高周波数および低周波数である。なお、導波モードの計算はPWE法を用いて計算し、導波モードの電場分布の計算は、FDTD法を用いた。
図19(a)、図19(b)に示したように、導波モードは、導波路の中心付近に電場強度が強く集中する単峰性に近い電場分布を有している。また、図19(c)に示したように、欠陥部幅500wを変化させることによって、単一モードで導波可能な領域が変化する。従って、第1の線状欠陥部50を、3次元フォトニック結晶構造を形成する媒質よりも高い屈折率を有する媒質で形成しても、導波路の中心付近に電場分布が強く集中する導波モードを有する導波路が得られることが分かる。また、第2の線状欠陥部500を設け、形状を変化させることによって、単一モードで導波可能な帯域を制御することができる。
図20は本発明の実施例8の要部概略図である。
実施例8は、3次元フォトニック結晶構造Fにおいて、第1の線状欠陥部60が延びる方向と同じ方向に配列された離散構造600aに第2の線状欠陥部600を設けた導波路構造Jに関する。この導波路構造Jによって、電場分布が導波路中心部に強く集中する導波モードを有する導波路を得ている。また、離散構造600aの形状を変化させることによって、単一モードで導波可能な周波数帯域を制御することができる。
導波路構造Jは、3次元フォトニック結晶構造Fの内部にy軸方向に延びる第1の線状欠陥部60を有する。更に第1の線状欠陥部60が形成された層とは異なる層に位置する離散構造600aの一部を変形した第2の線状欠陥部600を有する。
図20(a)は導波路構造Jのxz断面図、図20(b)、図20(c)はxy断面図である。本実施例では、図20(c)で示した層内(図13の第2層402に相当)において、第1の線状欠陥部60に隣り合う離散構造600aのx軸方向の幅を変化させて第2の線状欠陥部600としている。
導波路構造Jの構造パラメータを表9に示す。ここで、欠陥部幅とは、各欠陥部の層内における図示した長さを指す。表10および図20(a)中では、x軸方向の長さを60w、600w1と記し、y軸方向の長さを600w2と記した。また、欠陥部高さとは、各欠陥部の積層方向(z軸方向)の長さを指す。表10および図20(a)中に60h、600hと記した。また、欠陥部屈折率とは、各欠陥部60、600を構成する媒質の屈折率を指し、表10中に60nと記した。

図21(a)、図21(b)には、導波路構造Jで、単一モードで導波可能な周波数帯域における導波モードのxz断面YZ断面における電場強度分布を示した。図21(a)、図21(b)において、白く表示されている部分は、電場強度が強い部分を表している。さらに、導波路構造Jにおいて、欠陥部幅600w1を変化させたときの単一モードで導波可能な周波数帯域の変化の様子について図21(c)に示した。図21(c)は、横軸に欠陥部幅600w1、縦軸に規格化周波数を表している。また図中の点を結ぶ実線および破線は、それぞれ単一モードで導波可能な周波数帯域の高周波数および低周波数である。なお、導波モードの計算はPWE法を用いて計算し、導波モードの電場分布の計算は、FDTD法を用いて計算した。
図21(a)、図21(b)に示したように、導波モードは、導波路の中心付近に電場強度が強く集中する単峰性に近い電場分布を有している。また、図21(c)に示したように、欠陥部幅600w1を変化させることによって、単一モードで導波可能な領域が変化する。従って、導波路構造Jにおいて、第1の線状欠陥部60とは異なる層に位置する離散構造600aに第2の線状欠陥部600を設け、離散構造600aのx軸方向の長さを変化させることによって形成しても良い。これによれば導波路の中心付近に電場分布が強く集中する導波モードを有する導波路が得られる。また、第2の線状欠陥部600として形成した離散構造600aの形状を変化させることによって、単一モードで導波可能な帯域を制御することができる。
なお、本実施例においては第2の線状欠陥部600として、離散構造600aのx軸方向の長さを変化させたが、y軸方向の長さを変化させた場合にも同様の効果を得ることができる。
図22は実施例9の導波路構造Lの要部概略図である。
導波路構造Lの第2の線状欠陥部700は、第1の線状欠陥部70と同じ方向に延びる柱状構造700aの一部に位置し、柱状構造700aの屈折率とは異なる屈折率を有する媒質で形成されている。この導波路構造Lによって、電場分布が導波路中心部に強く集中する導波モードを有する導波路を得ている。また、第2の線状欠陥部700の屈折率を変化させることで、単一モードで導波可能な周波数帯域を制御することができる。
図22の導波路構造Lは、3次元フォトニック結晶Fの内部にy軸方向に延びる第1の線状欠陥部70と、第1の線状欠陥部70とは異なる層に位置し、y軸方向に延びる柱状構造700aの一部に形成した第2の線状欠陥部700を含む導波路構造を示している。第1の線状欠陥部70は、第1の層101において、y軸方向に延びる線状の形状を有し、第1の層101内に含まれる柱状構造101aを構成する媒質と同じ屈折率を有する媒質で形成されている。第2の線状欠陥部700は、柱状構造700aの一部を、3次元フォトニック結晶を形成する媒質とは異なる屈折率を有する媒質で構成することによって形成されている。図22(a)は導波路構造LのXZ断面図、図22(b)、図22(c)はXY断面図である。本実施例では、y軸方向に延び、0.60Pの幅を有する第1の線状欠陥部70と、第1の線状欠陥部とは異なる層に位置する、y軸方向に延びる柱状構造700aを、屈折率1.7を有する媒質で形成した第2の線状欠陥部700とを含む構造について示した。なお、各線状欠陥部70,700を構成する媒質の屈折率を欠陥部屈折率とする。また、図22および表11中では欠陥部幅を70w、700w、欠陥部高さを70h、700hと記し、欠陥部屈折率を70n、700nと記した。
図23(a)は、導波路構造LについてPWE法を用いて、導波モードを計算した結果を示すグラフである。グラフの横軸・縦軸は、図5(a)と同じである。また、図5(a)と同様に、縦線で示した領域αの周波数帯域は、完全フォトニックバンドギャップ以外の周波数帯域を示しており、領域βの周波数帯域は、導波モードのうち、単一モードで導波可能な周波数帯域を表している。また、図23(b)、図23(c)には、導波路構造Lで、単一モードで導波可能な周波数帯域における導波モードのxz断面およびyz断面における電場強度分布を示した。図23(b)、図23(c)において、白く表示されている部分は、電場強度が強い部分を表している。図23(a)に示したように、単一モードで導波可能な周波数帯域は、0.461から0.478の範囲で存在している。導波路構造Lにおいて、第1の線状欠陥部70だけを設け、第2の線状欠陥部700を設けない場合の導波モードを、PWE法を用いて計算すると、単一モードで導波可能な周波数帯域は、0.460から0.467となる。従って、第2の線状欠陥部700を設けることによって、広い周波数帯域で単一モードで導波可能な導波路が得られることが分かる。さらに、図23(b)、図23(c)に示したように、導波モードは、導波路の中心付近に電場強度が強く集中する単峰性に近い電場分布を有していることが分かる。
次に、導波路構造Lにおいて、第2の線状欠陥部700の欠陥部屈折率700nを変化させ、そのときの単一モードで導波可能な周波数帯域の変化を図24に示す。図24は、横軸に欠陥部屈折率700n、縦軸に規格化周波数を表している。また図中の点を結んだ実線および破線は、それぞれ単一モードで導波可能な周波数帯域の高周波数および低周波数である。図24に示すように、欠陥部屈折率700nを変化させることによって、単一モードで導波可能な周波数帯域が変化する。従って、導波路構造Lにおいて、第2の線状欠陥部の屈折率700nを変化させることによって、単一モードで導波可能な周波数帯域を制御することができる。
本実施例の導波路構造Lによって、単一モードで導波可能な周波数帯域が制御でき、導波方向に垂直な面内において単峰性に近い強度分布を有するモードを得ることができる。この理由は、前記と同じ理由である。
さらに、本実施例も導波路構造Fと同様に、フォトニック結晶を構成する柱状構造の媒質の屈折率に影響されるものではない。従って、3次元フォトニック結晶構造を形成する媒質の屈折率に関わらず、第2の線状欠陥部700の欠陥部屈折率700nによって、単一モードで導波可能な帯域を制御することができる。なお、本実施例では、第1の線状欠陥部70と同じ方向に延びる柱状構造を含む層で、第1の線状欠陥部70の最も近傍に位置する層を選択している。そして、第1の線状欠陥部の近傍に位置する柱状構造に第2の線状欠陥部700を設けたが、他の柱状構造に欠陥部を設けてもよい。例えば、第1の線状欠陥部と同じ方向に延びる柱状構造を含む層で、最も近傍に位置する層内において、さらに離れた場所に位置する柱状構造に第2の線状欠陥部を設けても同様の効果が得られる。また、第1の線状欠陥部から積層方向にさらに離れた層内に位置する柱状構造に第2の線状欠陥部を設けても、同様の効果が得られる。また、柱状構造の代わり、または、それとともに図20に示すように離散構造の一部に第2の線状欠陥部を設けても、同様の効果が得られる。第1の線状欠陥部と第2の線状欠陥部との積層方向の距離は、面外格子周期の長さ以内であると効果的である。また、第2の線状欠陥部を設ける柱状構造および離散構造の数は、本実施例に制限されるものではなく、3つ以下でも、5つ以上でも良い。また、複数の線状欠陥部を設けた場合、各線状欠陥部の欠陥屈折率は互いに異なってもよい。第2の線状欠陥部の数、設ける位置を細かく制御することで、導波モードの周波数のさらに細かい制御が可能となる。
以上のように、本実施例では、3次元フォトニック結晶構造Fを利用し、欠陥部を設けて導波路を構成した構造について示した。
各実施例の導波路構造によって、所望の周波数帯域において、単一モードかつ所望の強度分布を有するモードで導波可能な導波路を実現できる。
なお、導波モードの電場分布は高誘電体媒質に集中しやすい性質があるため、第1の線状欠陥部の近傍に第2の線状欠陥部を設けると、導波モードの電場分布は第2の線状欠陥部の影響を受ける。従って、第2の線状欠陥部を設ける位置、形状、媒質、変位する方向、変位する量は、導波方向に垂直な面内において、第1の線状欠陥部を中心として、積層方向あるいは積層面内方向において、対称性が良くなるように決定することが望ましい。
上記のような3次元フォトニック結晶を利用した導波路を構成するのに望ましい媒質としては、実施例1で述べたとおりである。また、3次元フォトニック結晶の作製プロセスについても、実施例1で述べた作製プロセスと同様のものを用いることができる。
また、各実施例では付加層中に2層の離散構造を含む層を有する3次元フォトニック結晶について述べたが、これに限定されることない。例えば1層または3層又は3層以上の離散構造を含む層を有する3次元フォトニック結晶構造や柱状構造の片側に離散構造を有する3次元フォトニック結晶構造を用いても、上記で述べた位置に線状欠陥部を設けることで、同様の効果が得られる。
又、第2の線状欠陥部として、柱状構造又は離散構造の一部を変形する形態として、形状の変化の他に、それらの位置の変化、屈折率の変化でも良い。
又、それらの形状の変化とともに位置や屈折率を変化させても良い。
本発明の実施例10の導波路を有するデバイスについて説明する。
まず、発光素子について説明する。3次元フォトニック結晶中に線状欠陥部で構成されている導波路および点欠陥部を設ける。点欠陥部は、形状、媒質を最適化することによって、PBG内の所望の周波数において、共振モードを有する共振器として機能させることができる。
発光スペクトルに共振波長が含まれる発光媒質を上記共振器内部に配置し、この発光媒質に対して外部から電磁波や電流などでエネルギーを供給することによって、非常に効率の高いレーザやLEDなどの発光デバイスを実現することができる。このような、点欠陥共振器の近傍に導波路が配置され、導波路が共振器の共振モードが有する周波数において導波モードを有する場合、共振器内部で発生した光は、導波モードと結合し、共振器の外に抽出される。抽出された光は、導波モードとして導波路内部を伝播し、導波路端部において3次元フォトニック結晶外の自由空間を伝播するモードと結合することによって、3次元フォトニック結晶外へ取り出すことができる。
図25は本発明の実施例10にかかる導波路と、キャリア注入により発光する活性部を点欠陥部に形成した発光素子800の構成例の概略図である。図25(a)、図25(b)は各々xy断面図、xz断面図である。図25(a)(b)において発光素子800は,3次元フォトニック結晶構造中に点欠陥部801を設けることにより形成される共振器801a,p型電極802,p型キャリア伝導路803,n型電極804,n型キャリア伝導路805から構成される。共振器801a内部にはキャリア注入により発光作用を呈する活性部が形成されている。p型電極802、p型キャリア伝導路803を介して、共振器801aに正孔が供給され、n型電極804、n型キャリア伝導路805を介して,共振器801aに電子が供給され、共振器801a内部で結合して発光、レーザ発振する。
この光を共振器801a外部へ取り出すために、本実施例である導波路806を設ける。導波路806の導波路構造は、x軸方向に延びる柱状の形状を有している。そして3次元フォトニック結晶の柱状構造と同じ屈折率を有する媒質で形成された第1の線状欠陥部807と、第1の線状欠陥部807とは異なる層に配置された第2の線状欠陥部808を設けることにより形成される導波路である。第2の線状欠陥部808を変形あるいは構成する媒質を変化させることによって最適化することで、共振器801aの共振モードが有する周波数において単一モードで導波可能な導波モード有する導波路806を得ることができる。この導波路806を共振器801aに対して適切な位置に配置することにより、共振器801aの共振モードを導波モードに効率良く変換し、導波路端部806aより3次元フォトニック結晶外へ取り出すことができる。このように、本実施例である導波路構造を用いることで、共振モードの周波数と導波路の単一モードで導波可能な周波数帯域が一致するように、導波モードを制御することができる。また、本実施例の導波路806は、導波方向に垂直な面内において、導波路中心部に電場強度が強く集中する導波モードを有している。このため電場強度分布に非対称性の歪みを持たない光を導波路端部806から取り出すことができる。
以上から、本実施例にかかる導波路806と点欠陥共振器801aを用いることで、高性能なレーザーデバイスを実現することができる。
図26は本発明にかかる線状欠陥より成る導波路の線状欠陥中に活性媒質を有する導波路と前記活性媒質を励起する励起手段を有する発光素子900の構成例の概略図である。
図26(a)、(b)は各々xy断面図、xz断面図である。3次元フォトニック結晶構造内に、本実施例にかかる導波路906を設ける。図26では、x軸方向に延びる柱状の形状を有し、3次元フォトニック結晶の柱状構造と同じ屈折率を有する媒質で形成された第1の線状欠陥部907を有する。そして第1の線状欠陥部907とは異なる層に位置し、第1の線状欠陥部と同じ方向に延びる柱状構造の一部を変形して形成された第2の線状欠陥部908からなる導波路を示した。このとき、導波路両端部を高反射面とするために、導波路外部には3次元フォトニック結晶909、910が配置されている。さらに線状欠陥部907の内部にはキャリア注入により発光作用を呈する活性部901(線状欠陥部)が形成され、p型電極902,p型キャリア伝導路903,n型電極904,n型キャリア伝導路905が形成されている。p型電極902,p型キャリア伝導路903を介して、線状欠陥部901内に正孔が供給され,n型電極904,n型キャリア伝導路905を介して,線状欠陥部901内に電子が供給され,線状欠陥部901内部で結合して発光する。発光した光は、線状欠陥部901内部を導波し、導波路端面にて反射され、線状欠陥部901内部を往復する。このとき、活性部から発光した光の導波モードに対して、共振条件が成立するように、導波路906の導波路方向(x軸方向)の長さ、構造パラメータを適切に設計する。そうすると発光した光は、線状欠陥部901内で共振し、レーザ発振する。
本実施例の導波路906は、導波方向に垂直な面内(yz面内)において、導波路中心部に電場強度が強く集中する導波モードを有している。このため、電場強度分布に非対称性の歪みを持たない光を導波路単部から取り出すことができる。また、第2の線状欠陥部908を変形あるいは構成する媒質を変化させるによって、導波モードを制御することができるため、任意の波長の光に対して、共振条件を満たし、レーザ発振することができる。
以上から、本実施例にかかる導波路の線状欠陥中に活性媒質を有する導波路と前記活性媒質を励起する励起手段で構成した発光素子を実現することができる。
図27は、本発明にかかる導波路と点欠陥共振器とを有した光分波回路1000の構成例の概略図である。
光分波回路1000は3次元フォトニック結晶構造内に、導波路を設けている。図29では、x軸方向に延びる柱状の形状を有し、3次元フォトニック結晶の柱状構造と同じ屈折率を有する媒質で形成された第1の線状欠陥部1001を有する。そして第1の線状欠陥部1001とは異なる層に位置し、第1の線状欠陥部1001と同じ方向に延びる柱状構造の一部を変形して形成された第2の線状欠陥部1002からなる導波路を示した。さらに導波路の近傍に点欠陥より成る共振器構造1003−1006を設けている。図27では模式図で表現したが、実際には分波数nに対してn個の共振器を設けることで所望の光分波を実現できる。共振器構造1003−1006はそれぞれ異なる共振波長で動作するように設計されている。また、導波路構造は、光分波を行う波長を含む波長帯域において、単一モードで導波するように設計されている。共振波長を含む帯域で単一モードで導波可能であるように導波モードを制御するためには、第2の線状欠陥部1002の位置、数、形状の組み合わせにより制御可能である。
このような導波路構造に、各点共振器1003〜1006の共振波長λ1、λ2、λ3、・・・・λを含む図30に示すようなスペクトルを有する入射光を導波路に導く。そうすると各共振器1003〜1006でそれぞれの共振波長に応じた波長成分を有する光束を取り上げることができる。
又、逆に各共振器1003〜1006から導波路中に光を合波することもできる。このような光デバイスは、特に光通信帯域で利用する光分合波装置に有用である。
あるいは、入射光の内、不要な波長の光束を各点欠陥より成る共振器に導き、取り上げる(出射させる)ことで、必要な波長の光束を導波路の端部から出射可能な、波長フィルタとして利用することもできる。
本実施例にかかる3次元フォトニック結晶構造による導波路を用いることで、所望の波長帯域で光分波が可能な高性能な光分波素子を達成することができる。
以上のように、本実施例にかかる線欠陥より成る導波路と、点欠陥より成る共振器とから構成されている波長フィルタを用いると、高性能な光合分波回路を実現することができる。
なお上記の各実施例中で述べた発光媒質は所望の発振波長によりさまざまな媒質を用いることができる。例えば化合物半導体、無機発光材料、有機発光材料、高分子発光材料、量子ドット、ナノクリスタルなどを利用することができる。励起方法は、外部光源による光励起、電流注入による励起、電界印加による励起などが適用できる。電流注入による励起の場合には、AlやCrなどの金属材料やITOなどの透明導電性材料を電極として狭持し発光させることが可能である。また、複数の共振器構造に対して、独立して動作する電極を作製することによって、それぞれの共振器から発光する光を独立に制御することも可能である。
このようなデバイスはディスプレイ用光源、光通信用光源、THz光源、DVDや次世代青色光記録媒体などの光ピックアップ用光源に好適である。
ウッドパイル構造の3次元フォトニック結晶の説明図 ウッドパイル構造の3次元フォトニック結晶の各層の説明図 図1のウッドパイル構造のフォトニック結晶の規格化周波数の説明図 本発明の実施例1の要部概略図 本発明の実施例1の導波モードの説明図 本発明の実施例1の規格化周波数の説明図 本発明の実施例2の導波モードの説明図 本発明の実施例3の導波モードの説明図 本発明の実施例4の要部概略図 本発明の実施例4の導波モードの説明図 本発明の実施例4の導波モードの説明図 本発明の実施例5から10で使用する3次元フォトニック結晶の説明図 本発明の実施例5から10で使用する3次元フォトニック結晶の各層の説明図 本発明の実施例5から10で使用する3次元フォトニック結晶の規格化周波数の説明図 本発明の実施例5の要部概略図 本発明の実施例5の導波モードの説明図 本発明の実施例5の導波モードの説明図 本発明の実施例6の導波モードの説明図 本発明の実施例7の導波モードの説明図 本発明の実施例8の要部概略図 本発明の実施例8の導波モードの説明図 本発明の実施例9の要部概略図 本発明の実施例9の導波モードの説明図 本発明の実施例9の導波モードの説明図 本発明の実施例10の要部概略図 本発明の実施例10の要部概略図 本発明の実施例10の要部概略図 本発明の実施例10のスペクトルの説明図 従来のフォトニック結晶の説明図 従来のフォトニック結晶の電場強度分布の説明図
符号の説明
A ウッドパイル構造
F フォトニック結晶構造
B〜E、G〜L 導波路構造
101〜104 第1〜第4の層
101a〜104a 柱状構造
20 第1の線状欠陥部
200 第2の線状欠陥部
30 第1の線状欠陥部
300 第2の線状欠陥部
400〜412 第1〜第12の層
401a、404a、407a、410a 柱状構造
402a、403a、405a、406a、408a、409a、411a、412a 離散構造
50 第1の線状欠陥部
500 第2の線状欠陥部
60 第1の線状欠陥部
600 第2の線状欠陥部

70 第1の線状欠陥部
700 第2の線状欠陥部
807 第1の線状欠陥部
808 第2の線状欠陥部
907 第1の線状欠陥部
908 第2の線状欠陥部
1001 第1の線状欠陥部
1002 第2の線状欠陥部
800,900,1000 発光素子

Claims (13)

  1. 3次元フォトニック結晶の複数の線状欠陥部により形成される導波路であって、該3次元フォトニック結晶は、複数の柱状構造が間隔を空けて配列された第1の層と、該第1の層の前記柱状構造が延びる方向に対して垂直方向に延びる複数の柱状構造が間隔を空けて配列された第2の層と、該第1の層の前記柱状構造と同じ方向に延びる複数の柱状構造が間隔を空けて配列された第3の層と、該第2の層の前記柱状構造と同じ方向に延びる複数の柱状構造が間隔を空けて配列された第4の層を有し、該第1の層と該第3の層に含まれる柱状構造が、相互に該柱状構造の延びる方向と垂直な方向に前記間隔の半分ずれるように積層され、該第2の層と該第4の層に含まれる柱状構造が、相互に該柱状構造の延びる方向と垂直な方向に前記間隔の半分ずれるように積層されており、
    前記複数の線状欠陥部は、前記柱状構造の屈折率以上の屈折率を有する媒質により、該柱状構造が延びる方向に対して垂直方向に形成された第1の線状欠陥部と、該第1の線状欠陥部と同じ方向に延びる柱状構造の一部を変形した第2の線状欠陥部を有することを特徴とする導波路。
  2. 3次元フォトニック結晶の複数の線状欠陥部により形成される導波路であって、該3次元フォトニック結晶は、複数の柱状構造が間隔を空けて配列された第1の層と、該第1の層の前記柱状構造が延びる方向に対して垂直方向に延びる複数の柱状構造が間隔を空けて配列された第2の層と、該第1の層の前記柱状構造と同じ方向に延びる複数の柱状構造が間隔を空けて配列された第3の層と、該第2の層の前記柱状構造と同じ方向に延びる複数の柱状構造が間隔を空けて配列された第4の層を有し、該第1の層と該第3の層に含まれる柱状構造が、相互に該柱状構造の延びる方向と垂直な方向に前記間隔の半分ずれるように積層され、該第2の層と該第4の層に含まれる柱状構造が、相互に該柱状構造の延びる方向と垂直な方向に前記間隔の半分ずれるように積層されており、
    前記複数の線状欠陥部は、前記柱状構造の屈折率以上の屈折率を有する媒質により、該柱状構造が延びる方向に対して垂直方向に形成された第1の線状欠陥部と、該第1の線状欠陥部と同じ方向に延びる柱状構造の一部を該柱状構造の屈折率より小さい屈折率を有する媒質により形成した第2の線状欠陥部を有することを特徴とする導波路。
  3. 3次元フォトニック結晶の複数の線状欠陥部により形成される導波路であって、該3次元フォトニック結晶は、複数の柱状構造が間隔を空けて配列された第1の層と、該第1の層の前記柱状構造が延びる方向に対して垂直方向に延びる複数の柱状構造が間隔を空けて配列された第2の層と、該第1の層の前記柱状構造と同じ方向に延びる複数の柱状構造が間隔を空けて配列された第3の層と、該第2の層の前記柱状構造と同じ方向に延びる複数の柱状構造が間隔を空けて配列された第4の層と、前記4つの層の各層に平行な面内において離散的に配置された離散構造を含む層を1層以上含む付加層を有し、前記第1の層から前記第4の層が各層の間に前記付加層を介して積層され、前記第1の層と前記第3の層に含まれる柱状構造は相互に該柱状構造の延びる方向と垂直な方向に前記間隔の半分ずれるように積層され、前記第2の層と前記第4の層に含まれる柱状構造は相互に該柱状構造の延びる方向と垂直な方向に前記間隔の半分ずれるように積層されており、前記付加層に含まれる離散構造は該柱状構造の交点に相当する位置に配置されており、
    前記複数の線状欠陥部は、前記柱状構造の屈折率以上の屈折率を有する媒質により、該柱状構造が延びる方向に対して垂直方向に形成された第1の線状欠陥部と、該第1の線状欠陥部と同じ方向に延びる柱状構造の一部を変形した第2の線状欠陥部を有することを特徴とする導波路。
  4. 3次元フォトニック結晶の複数の線状欠陥部により形成される導波路であって、該3次元フォトニック結晶は、複数の柱状構造が間隔を空けて配列された第1の層と、該第1の層の前記柱状構造が延びる方向に対して垂直方向に延びる複数の柱状構造が間隔を空けて配列された第2の層と、該第1の層の前記柱状構造と同じ方向に延びる複数の柱状構造が間隔を空けて配列された第3の層と、該第2の層の前記柱状構造と同じ方向に延びる複数の柱状構造が間隔を空けて配列された第4の層と、前記4つの層の各層に平行な面内において離散的に配置された離散構造を含む層を1層以上含む付加層を有し、前記第1の層から前記第4の層が各層の間に前記付加層を介して積層され、前記第1の層と前記第3の層に含まれる柱状構造は相互に該柱状構造の延びる方向と垂直な方向に前記間隔の半分ずれるように積層され、前記第2の層と前記第4の層に含まれる柱状構造は相互に該柱状構造の延びる方向と垂直な方向に前記間隔の半分ずれるように積層されており、前記付加層に含まれる離散構造は該柱状構造の交点に相当する位置に配置されており、
    前記複数の線状欠陥部は、前記柱状構造の屈折率以上の屈折率を有する媒質により、該柱状構造が延びる方向に対して垂直方向に形成された第1の線状欠陥部と、該第1の線状欠陥部と同じ方向に延びる柱状構造の一部を該柱状構造の媒質の屈折率より小さい屈折率を有する媒質により形成した第2の線状欠陥部を有することを特徴とする導波路。
  5. 3次元フォトニック結晶の複数の線状欠陥部により形成される導波路であって、該3次元フォトニック結晶は、複数の柱状構造が間隔を空けて配列された第1の層と、該第1の層の前記柱状構造が延びる方向に対して垂直方向に延びる複数の柱状構造が間隔を空けて配列された第2の層と、該第1の層の前記柱状構造と同じ方向に延びる複数の柱状構造が間隔を空けて配列された第3の層と、該第2の層の前記柱状構造と同じ方向に延びる複数の柱状構造が間隔を空けて配列された第4の層と、前記4つの層の各層に平行な面内において離散的に配置された離散構造を含む層を1層以上含む付加層を有し、前記第1の層から前記第4の層が各層の間に前記付加層を介して積層され、前記第1の層と前記第3の層に含まれる柱状構造は相互に該柱状構造の延びる方向と垂直な方向に前記間隔の半分ずれるように積層され、前記第2の層と前記第4の層に含まれる柱状構造は相互に該柱状構造の延びる方向と垂直な方向に前記間隔の半分ずれるように積層されており、前記付加層に含まれる離散構造は該柱状構造の交点に相当する位置に配置されており、
    前記複数の線状欠陥部は、前記柱状構造の屈折率以上の屈折率を有する媒質により、該柱状構造が延びる方向に対して垂直方向に形成された第1の線状欠陥部と、該第1の線状欠陥部と同じ方向に配列された離散構造の一部を変形した第2の線状欠陥部を有することを特徴とする導波路。
  6. 3次元フォトニック結晶の複数の線状欠陥部により形成される導波路であって、該3次元フォトニック結晶は、複数の柱状構造が間隔を空けて配列された第1の層と、該第1の層の前記柱状構造が延びる方向に対して垂直方向に延びる複数の柱状構造が間隔を空けて配列された第2の層と、該第1の層の前記柱状構造と同じ方向に延びる複数の柱状構造が間隔を空けて配列された第3の層と、該第2の層の前記柱状構造と同じ方向に延びる複数の柱状構造が間隔を空けて配列された第4の層と、前記4つの層の各層に平行な面内において離散的に配置された離散構造を含む層を1層以上含む付加層を有し、前記第1の層から前記第4の層が各層の間に前記付加層を介して積層され、前記第1の層と前記第3の層に含まれる柱状構造は相互に該柱状構造の延びる方向と垂直な方向に前記間隔の半分ずれるように積層され、前記第2の層と前記第4の層に含まれる柱状構造は相互に該柱状構造の延びる方向と垂直な方向に前記間隔の半分ずれるように積層されており、前記付加層に含まれる離散構造は該柱状構造の交点に相当する位置に配置されており、
    前記複数の線状欠陥部は、前記柱状構造の屈折率以上の屈折率を有する媒質により、該柱状構造が延びる方向に対して垂直方向に形成された第1の線状欠陥部と、該第1の線状欠陥部と同じ方向に配列された離散構造の一部を前記離散構造の媒質の屈折率より小さい屈折率を有する媒質により形成した第2の線状欠陥部を有することを特徴とする導波路。
  7. 3次元フォトニック結晶の複数の線状欠陥部により形成される導波路であって、該3次元フォトニック結晶は、複数の柱状構造が間隔を空けて配列された第1の層と、該第1の層の前記柱状構造が延びる方向に対して垂直方向に延びる複数の柱状構造が間隔を空けて配列された第2の層と、該第1の層の前記柱状構造と同じ方向に延びる複数の柱状構造が間隔を空けて配列された第3の層と、該第2の層の前記柱状構造と同じ方向に延びる複数の柱状構造が間隔を空けて配列された第4の層と、前記4つの層の各層に平行な面内において離散的に配置された離散構造を含む層を1層以上含む付加層を有し、前記第1の層から前記第4の層が各層の間に前記付加層を介して積層され、前記第1の層と前記第3の層に含まれる柱状構造は相互に該柱状構造の延びる方向と垂直な方向に前記間隔の半分ずれるように積層され、前記第2の層と前記第4の層に含まれる柱状構造は相互に該柱状構造の延びる方向と垂直な方向に前記間隔の半分ずれるように積層されており、前記付加層に含まれる離散構造は該柱状構造の交点に相当する位置に配置されており、
    前記複数の線状欠陥部は、前記柱状構造の媒質の屈折率以上の屈折率を有する媒質により、該柱状構造が延びる方向に対して垂直方向に配置した第1の線状欠陥部と、該第1の線状欠陥部と同じ方向に延びる柱状構造の一部および該第1の線状欠陥部と同じ方向に配列された離散構造の一部を変形した第2の線状欠陥部を有することを特徴とする導波路。
  8. 3次元フォトニック結晶の複数の線状欠陥部により形成される導波路であって、該3次元フォトニック結晶は、複数の柱状構造が間隔を空けて配列された第1の層と、該第1の層の前記柱状構造が延びる方向に対して垂直方向に延びる複数の柱状構造が間隔を空けて配列された第2の層と、該第1の層の前記柱状構造と同じ方向に延びる複数の柱状構造が間隔を空けて配列された第3の層と、該第2の層の前記柱状構造と同じ方向に延びる複数の柱状構造が間隔を空けて配列された第4の層と、前記4つの層の各層に平行な面内において離散的に配置された離散構造を含む層を1層以上含む付加層を有し、前記第1の層から前記第4の層が各層の間に前記付加層を介して積層され、前記第1の層と前記第3の層に含まれる柱状構造は相互に該柱状構造の延びる方向と垂直な方向に前記間隔の半分ずれるように積層され、前記第2の層と前記第4の層に含まれる柱状構造は相互に該柱状構造の延びる方向と垂直な方向に前記間隔の半分ずれるように積層されており、前記付加層に含まれる離散構造は該柱状構造の交点に相当する位置に配置されており、
    前記複数の線状欠陥部は、前記柱状構造の媒質の屈折率以上の屈折率を有する媒質により、該柱状構造が延びる方向に対して垂直方向に形成された第1の線状欠陥部と、該第1の線状欠陥部と同じ方向に延びる柱状構造の一部を前記柱状構造の媒質の屈折率より小さい屈折率を有する媒質により形成し、該第1の線状欠陥部と同じ方向に配列された離散構造の一部を前記離散構造の媒質の屈折率より小さい屈折率を有する媒質により形成した第2の線状欠陥部を有することを特徴とする導波路。
  9. 前記第1の線状欠陥部と前記第2の線状欠陥部は、前記3次元フォトニック結晶の積層方向に、面外格子周期以内に配置されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の導波路。
  10. 前記第2の線状欠陥部は、前記第1の線状欠陥部に最も近い柱状構造に形成されていることを特徴とする請求項1乃至4、7、8のいずれか1項に記載の導波路。
  11. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の導波路と、前記3次元フォトニック結晶の点欠陥により形成される共振器から構成され、前記共振器からの光が前記導波路を導波することを特徴とする発光素子。
  12. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の導波路において、前記第1の線状欠陥部又は第2の線状欠陥部は活性媒質を備え、該活性媒質を励起する励起手段を有することを特徴とする発光素子。
  13. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の導波路と、前記3次元フォトニック結晶の点欠陥により形成される共振器から構成されていることを特徴とする光合分波回路。
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