JP4636996B2 - 3次元フォトニック結晶およびそれを有する機能素子 - Google Patents

3次元フォトニック結晶およびそれを有する機能素子 Download PDF

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Description

本発明は、3次元屈折率周期構造を有する3次元フォトニック結晶及びそれを有する導波路、共振器、フィルタ、偏光素子等の機能素子に関する。
従来より、波長以下の大きさの構造物によって電磁波の透過・反射特性などを制御するという概念は、Yablonovitchによって提唱されている(非特許文献1)。この非特許文献1によると、波長以下の構造を周期的に配列することによって電磁波の透過・反射特性などが制御可能となる。特に電磁波の波長を光の波長オーダーにまで小さくすることによって、光の透過・反射特性を制御することができる。
このような構造物はフォトニック結晶として知られており、ある波長域において、光損失が無損失の100%の反射率を有する反射ミラーを実現できることが示唆されている。
このように、ある波長域で反射率を100%にすることができる概念は、従来の半導体が持つエネルギーギャップとの比較から、フォトニックバンドギャップと言われている。
また、構造を3次元的な微細周期構造にすることによって、あらゆる方向から入射した光に対してフォトニックバンドギャップを実現することができ、以下、これを完全フォトニックバンドギャップと呼ぶことにする。
完全フォトニックバンドギャップが実現できると、発光素子における自然放出の抑制など様々な応用が可能となり、従来にない新しい機能素子の実現が可能となる。また、より広い周波数帯域で動作が可能な機能素子が実現できるため、近年、より広い完全フォトニックバンドギャップ帯域を有する構造が求められている。
このようなフォトニックバンドギャップを呈する構造体が、これまでにも幾つか提案されている(特許文献1、2、3)。
図18(a)は、特許文献1にて提案されたウッドパイル構造であり、平行に配置された複数の柱状構造を90度ずつ回転させながら積層した構造より成っている。
図18(b)は、特許文献2に開示されているフォトニックバンドギャップを呈する構造体の概略図である。特許文献2にて提案されたフォトニックバンドギャップを呈する構造体は、積層方向に一部重なって平行に配置された複数の柱状構造に垂直に複数の孔を貫通させて形成した構造より成っている。
図18(c)は特許文献3に開示されているフォトニックバンドギャップを呈する構造体の概略図である。
特許文献3にて提案されたフォトニックバンドギャップを呈する構造体は、三角格子状に形成された孔を有する層と三角格子状に形成された柱状構造を、基本周期の1/3ずつずらしながら積層した構造より成っている。
Physical Review Letters,Vol.58,pp.2059,1987年 米国特許5,335,240号公報 米国特許5,440,421号公報 米国特許6,597,851号公報
特許文献1に開示されているウッドパイル構造は、4層で1周期が構成されるため、構造が簡単で作製が容易であるという利点を有する。しかし、90度の回転対称性を有するため、構造の異方性が強く、フォトニックバンドギャップ帯域の方向依存性が強くなってしまう。
特許文献2に開示されている構造も完全フォトニックバンドギャップを有するが、非常に深い複数の孔を形成する必要があり、作製が非常に困難であった。
特許文献3に開示されている構造はウッドパイル構造に比べ異方性が少なく、比較的広いフォトニックバンドギャップ幅を有する。しかし、6層で1周期が構成されるため、層同士のアライメントに高い精度が必要になるなど、工程が煩雑となり作製が困難であった。
本発明は、広い周波数帯域で良好なるフォトニックバンドギャップを呈し、しかも製造が容易な3次元フォトニック結晶及びそれを有する機能素子の提供を目的とする。
本発明の3次元フォトニック結晶は、屈折率周期構造を含む複数の層を周期的に積層した3次元フォトニック結晶であって、該層面内方向の第1の軸に沿って周期a、該層面内方向であって該第1の軸と直交する第2の軸に沿って周期bを有する長方格子1の各格子点と、該長方格子1を該第1の軸に沿ってa/2かつ該第2の軸に沿ってb/4ずらした位置に形成される長方格子2の各格子点に、第2の媒質より成る孔を有し、該孔以外の領域を第1の媒質で満たした周期構造より成る第1の層と、該長方格子1を第1の軸に沿ってー3b/8ずらした位置に形成され、該第1の軸に沿って周期a、該第2の軸に沿って周期bを有する面心長方格子の各格子点に、第1の媒質からなり積層方向に軸を有する柱状構造と、該柱状構造以外の領域を前記第2の媒質で満たした周期構造より成る第2の層と、前記第1の層に含まれる周期構造が、層面内方向において該第1の層に対して、該第1の軸に沿ってa/2かつ該第2の軸に沿ってb/2ずらした位置に形成される周期構造より成る第3の層と、前記第2の層に含まれる周期構造が、層面内方向において該第2の層と同じ位置に形成される第4の層を有し、該第1の層、第2の層、第3の層、第4の層の順に積層される層を含む複数の層を含む3次元フォトニック結晶であって、該第1の媒質の屈折率をN1、該第2の媒質の屈折率をN2、前記第1の層及び前記第3の層内の有効屈折率をNe1とするとき、
1.25×N2 ≦ Ne1 ≦ 0.73×N1
なる条件を満足することを特徴としている。
本発明によれば、広い周波数帯域で良好なるフォトニックバンドギャップを呈し、しかも製造が容易な3次元フォトニック結晶を得ることができる。
図1は、本発明の3次元フォトニック結晶の実施例1の要部概略図である。
図1において3次元フォトニック結晶10は、層内にそれぞれ屈折率周期構造を有する層110から層140の4層を積層方向の基本周期としている。
そして基本周期を複数周期積層することにより構成している。
ここで、層面内方向にx軸および層面内方向でかつx軸に直交してy軸、積層方向をz軸とする。
図2(a)〜(e)は各々、本発明の実施例1の3次元フォトニック結晶の各層の説明図である。このうち図2(a)〜(d)は層110から層140のxy断面の一部の概略図を示している。
図2(a)は、第1の層110のXY断面図である。図1(a)において111は、x軸方向に周期a、かつy軸方向に周期bを有する長方格子である。112は、長方格子111と同形状の長方格子をx軸方向にa/2、y軸方向にb/4ずれた位置に配置された長方格子である。
第1の層110は、2つの長子格子111,112により定義された屈折率周期構造を有する。
より具体的には、長方格子111および長方格子112の各格子点に、第2の媒質(低屈折率N2)で形成された半径R1を有する円孔113が配置されている。円孔113以外(孔以外)の領域114は第1の媒質(高屈折率N1)で満たされている。
図2(b)は第2の層120のXY断面図である。図2(b)に示す第2の層120は、x軸方向に周期a、かつy軸方向に周期bを有する面心長方格子121により定義された屈折率周期構造を有する。面心長方格子121は、第1の層110内の長方格子112と同形状でy軸方向にー3b/8ずれた位置に配置されている。
面心長方格子121の各格子点に第1の媒質による積層方向に軸を有した柱状構造122が配置され、柱状構造122以外(柱状構造以外)の領域123は第2の媒質で満たされている。第2の層120内の柱状構造は第1の層110内の円孔と第3の層130内の円孔から等距離の位置に配置される。
図2(c)は、第3の層130のXY断面図である。図2(c)において、131,132は、第1の層110中の長方格子111および長方格子112が、x軸方向にa/2、y軸方向にb/2だけそれぞれずれた位置に配置された長方格子である。第3の層130は長方格子131および長方格子132により定義された屈折率周期構造を有する。
第1の層110と同様に、長方格子131および長方格子132の各格子点に、第2の媒質で形成された半径R1を有する円孔133が配置されている。
円孔133以外の領域134は第1の媒質で満たされている。図2(d)は第4の層140のXY断面図である。図2(d)に示す第4の層は、第2の層120内の面心長方格子121とxy方向において同じ位置に配置された面心長方格子141により定義された屈折率周期構造を有する。
面心長方格子141の各格子点に第1の媒質による柱状構造142が配置され、柱状構造142以外の領域143は第2の媒質で満たされている。
図2(e)は各層内の格子点の関係を示す説明図である。長方格子111の中心座標をx軸およびy軸の原点とした時、各基本格子中心点のx座標およびy座標を(x,y)で表すと、次のようになる。各基本格子の中心点座標は、長方格子111は(0,0)、長方格子112は(a/2,b/4)である。
又、面心長方格子121および面心長方格子141は(0,3b/8)、長方格子131は(a/2,b/2)、長方格子132は(a,3b/4)または(0,3b/4)となる。
第1の媒質の屈折率N1および第2の媒質の屈折率N2、円孔113および円孔133の半径R1、柱状構造122および柱状構造142のxy断面形状、周期aおよび周期bの長さ、および各層の厚さを最適化している。即ち所望の波長域でフォトニックバンドギャップを形成するように決定される。
ここで、図2(b)に示す第2の層120中の柱状構造122、および図2(d)に示す第4の層140中の柱状構造142の形状は、第2の媒質による孔(円孔、多角孔等)で囲まれた形で定義することができる。
図3において、127は長方格子123、124、125、126の各格子点に第2の媒質(屈折率N2)による半径R2の円孔である。第2の層120の柱状構造128は、複数の円孔(凹形)127以外の領域であって第1の媒質(屈折率N1)により構成されている。
結果として、柱状構造128は、x軸方向に周期a、かつy軸方向に周期bを有する面心長方格子129の各格子点に位置している。
なお、長方格子123、124、125、126は、xy方向において、第1,第3の層110,130の長方格子111、112、131、132とそれぞれ同じ位置に配置されている。
尚、円孔127の形状は円(円形)又は楕円(楕円形)又は多角形であっても良い。
第2、第4の層120、140の1つの凹孔127は第1、第3の層110、130の孔113、133の面積と形状が等しくても良い。
実施例1の3次元フォトニック結晶の詳細な構造パラメータを表1に示す。なお、第1の媒質の屈折率をN1、第2の媒質の屈折率をN2、第1の層および第3の層の厚さをH1、第2の層および第4の層の厚さをH2、第1の層から第4の層までの厚さの総和である積層方向の周期をcとしている。
表1に示した3次元フォトニック結晶のフォトニックバンド構造を、平面波展開法により計算した結果を図4に示す。
図4において、横軸は、波数ベクトルすなわちフォトニック結晶に入射する電磁波の入射方向を表している。例えば、K点はz軸に平行な波数ベクトル、X点はxz平面内においてz軸(あるいはx軸)に対して45°の傾きをもった波数ベクトルをそれぞれ表している。縦軸は、格子周期pで規格化した周波数(規格化周波数)を示している。
図4中のハッチングで示した規格化周波数0.454から規格化周波数0.497においては、光の入射方向によらず光が存在できず、完全フォトニックバンドギャップが形成されている。完全フォトニックバンドギャップ中心(規格化)周波数をω0、完全フォトニックバンドギャップ(規格化)周波数帯域幅をΔωとしたとき、この構造における完全フォトニックバンドギャップ比Δω/ω0は、0.092となる。
この値は、同じ屈折率の媒質(角柱を構成する媒質の屈折率を2.4、角柱以外の領域を構成する媒質の屈折率1.0)を用いたウッドパイル構造と比べて約1.2倍大きい値である。
ここで,p(周期a)の値は、所望の波長域(周波数域)で完全フォトニックバンドギャップを呈するように決定される。
例えば、周期pを250nmとすると、波長503nmから波長550nmの波長域にて、完全フォトニックバンドギャップを呈する。また,周期pを750nmとすると、波長1509nmから波長1652nmの波長域にて、完全フォトニックバンドギャップを呈する。
ここで、各層の層内の有効屈折率をNeとする。層内の第1の媒質(屈折率N1)により形成された領域の容積率をf1とし、層内の第2の媒質(屈折率N2)により形成された領域の容積率をf2とする。このとき層内の有効屈折率Neは、第1の媒質の屈折率N1、第2の媒質の屈折率N2を用いて数式1の関係式で表される。
なお、媒質の屈折率N1及びN2はフォトニックバンドギャップの中心波長における媒質の屈折率である。
Ne=f1×N1+f2×N2 ‥‥‥(1)
第1の層110内の有効屈折率をNe1としたとき、屈折率周期構造を形成する円孔の半径R1の値を変化させることにより、容積率f1および容積率f2を変化させ、結果として有効屈折率Ne1を変化させることができる。
なお、第3の層130の層内部に形成された屈折率周期構造の形状が第1の層110と同じであるため、第3の層130内の有効屈折率Ne3は、第1の層110内の有効屈折率と同じである。
表1に示した構造の円孔の半径R1を変化させ、第1の層110内および第3の層130内の有効屈折率Ne1、Ne3を変化させた場合の、完全フォトニックバンドギャップ比の変化を図5に示す。
図5において、横軸は有効屈折率Ne1(Ne3)、縦軸は完全フォトニックバンドギャップ比である。
図5に示したように、完全フォトニックバンドギャップを呈するためには、有効屈折率Ne1(Ne3)が数式2を満たす範囲である必要がある。図5に、数式2の下限値および上限値を破線で示す。
表1に示す屈折率N1、N2の値での下限値は1.25(1×1.25)、上限値は1.752(2.4×0.73)となる。また表1に示した構造の第1の層110内の有効屈折率Ne1は1.44であり、数式2の条件を満たす。
1.25×N2 ≦ Ne1 ≦ 0.73×N1 ‥‥‥(2)
ここで、第1の層110内の有効屈折率Ne1が、数式2で示される範囲を満たす必要がある理由を説明する。
フォトニックバンドギャップが発現する原理は、結晶中の電子のエネルギーバンドギャップ発現の原理と対比して説明ができる。
つまり、結晶中の電子の波動が、周期的なポテンシャルエネルギーの並進対称性によって、2つの異なるエネルギーを有する定在波状態となり、その結果、エネルギーギャップが生じる現象と対比して説明される。
すなわち、周期的なポテンシャルエネルギーの代わりに周期的な誘電率分布によって、フォトニック結晶中の電磁波の波動が2つの異なるエネルギー(周波数)を有する定在波状態となる。
その結果、フォトニックバンドギャップが発現する。ここで、電子系の有効質量に相当するものが、定在波のエネルギー分布に起因するモード屈折率(モード誘電率)である。
透磁率を1、真空中の光速をvとして、モード屈折率Nm(モード誘電率Dm)を用いて、波数kと角周波数ωの関係は3式のように表すことができる。
フォトニックバンドギャップの両端での定在波を考えると、低周波数側バンド端の定在波は、高屈折率媒質側にエネルギーが集中するため、モード屈折率が高くなる。
結果としてある波数kに対応する周波数が低くなる。逆に、高周波数側バンド端の定在波は、低屈折率媒質側にエネルギーが集中するため、モード屈折率が低くなる。結果としてある波数kに対応する周波数が高くなる。
このように、ある同じ波数kに対して、周波数の異なる2つの状態が生じ、その間の周波数の光が存在できない状態となり、フォトニックバンドギャップが発現する。よって、フォトニックバンドギャップが発現するためには、両バンド端での定在波が充分異なるモード屈折率差を有することが必要となる。
実施例1のフォトニック結晶構造において、有効屈折率Ne1が、数式2に示す下限値を下回ると、高屈折率媒質の容積率が低過ぎるため、低周波数側バンド端での高屈折率媒質側へのエネルギー集中が維持できなくなる。
よって、エネルギーが低屈折率媒質側に漏れ出してモード屈折率が低下し、高周波数側バンド端との間で、フォトニックバンドギャップ発現に有効なモード屈折率差が得られなくなる。
逆に、有効屈折率Ne1が、数式2に示す上限値を上回ると、低屈折率媒質の容積率が低過ぎるため、高周波数側バンド端での低屈折率媒質側へのエネルギー集中が維持できなくなる。
よって、エネルギーが高屈折率媒質側に漏れ出してモード屈折率が上昇し、低周波数側バンド端との間で、フォトニックバンドギャップ発現に有効なモード屈折率差が得られなくなる。
特に有効屈折率Ne1の値は、第1の層110内および第3の層130内の高屈折率媒質(屈折率N1)が繋がりを形成するy軸方向に偏光方向を有する電磁波や、yz対角方向、xz対角方向に偏光方向を有する電磁波に対して、影響が大きい。
より広い完全フォトニックバンドギャップ幅を得るためには、第1の層110内の有効屈折率Ne1は、
1.3×N2≦Ne1≦0.7×N1
とするのが良い。更に好ましくは
1.4×N2≦Ne1≦0.65×N1
とするのが良い。
従来の3次元フォトニック結晶の構造のうち、1周期を構成する層数の少ない構造であるウッドパイル構造は、積層方向に垂直な面内の構造の等方性は優れている。しかしながら、積層方向を含む面内では異方性が強い。
このため、構造の異方性に起因するフォトニックバンドギャップ帯域の方向依存性が強く、完全フォトニックバンドギャップの周波数帯域が狭かった。
これに対し、本実施例による3次元フォトニック結晶は、yz対角方向およびxz対角方向に関して、高屈折率媒質が繋がった領域および低屈折率媒質が繋がった領域が増加するため、構造の対称性が高い。
よって、構造の対称性に起因するフォトニックバンドギャップ帯域の等方性が得られ、広い完全フォトニックバンドギャップの周波数帯域が得られる。
さらに、各層内の格子点に配置された孔を、円孔または楕円孔又は多角形孔としている。これにより、孔の重なり部分で形成される突起部が斜め方向の構造の等方性をより向上させ、広い完全バンドギャップ帯域が得られる。
以上述べたように、本実施例では屈折率周期構造を有する層を積層してフォトニック結晶を形成している。このとき、第1の層110内の有効屈折率Ne1が所定範囲内になるように、層内の屈折率周期構造を決定することにより、広い周波数帯域でフォトニックバンドギャップを呈することができる。
しかも、本実施例によるフォトニック結晶は1周期を構成する層数が少ないため、製造が容易な3次元フォトニック結晶を実現することができる。
以上の実施例1においては、第1の層110内の長方格子の格子点に配置される孔として円孔を用いていたが、層面内の断面形状が楕円や多角形でも良い。
また、実施例1においては、第2の層120内および第4の層140内の屈折率周期構造として、図3に示すような円孔127及び円孔127以外の領域である柱状構造128で定義される構造を用いていたが、異なる構造でも良い。
また、近接する柱状構造同士が第1の媒質による領域で接続されていても良い。
例えば図6に示すように、面心長方格子201の各格子点に配置された第1の媒質からなる六角柱構造202を有し、六角柱構造202以外の領域203は第2の媒質により満たされた構造でも良い。
六角柱構造202のxy断面の六角形の外接円半径をR3として、詳細な構造パラメータを表2に示す。
表2で示された構造を平面波展開法により解析すると、完全フォトニックバンドギャップ比は、0.082となる。このときの第1の層110内の有効屈折率Ne1は1.454となり、数式2を満たす。
以上示したように、第2の層120内の屈折率周期構造および第4の層140内の屈折率周期構造として、多角柱、円柱や楕円柱を用いても良い。このとき第1の層110内の有効屈折率Ne1が所定範囲内とすることにより、広い周波数帯域で完全フォトニックバンドギャップが得られる。
また、本実施例によるフォトニック結晶は1周期を構成する層数が少ないため、製造が容易な3次元フォトニック結晶を実現することができる。
以上のように、実施例1の屈折率周期構造を含む複数の層を周期的に積層した3次元フォトニック結晶は、次の構成をとることを特徴としている。
長方格子111は、層面内方向の第1の軸(X軸)に沿って周期a、層面内方向であって第1の軸と直交する第2の軸(Y軸)に沿って周期bを有する長方格子である。長方格子112は長方格子111を第1の軸に沿ってa/2かつ該第2の軸に沿ってb/4ずらした位置に形成される長方格子である。
第1の層110は、長方格子111の各格子点と長方格子112の各格子点に、第2の媒質(屈折率N2)より成る孔113を有し、該孔113以外の領域を第1の媒質(屈折率N1)で満たした周期構造より成っている。
面心長方格子121は第1の軸に沿って周期a、第2の軸に沿って周期bを有する面心長方格子である。
第2の層120は面心長方格子121の各格子点に第1の媒質からなり積層方向に軸を有する柱状構造122と、該柱状構造122以外の領域(凹孔)を第2の媒質で満たした周期構造より成っている。
第3の層130は、第1の層110に含まれる周期構造が、層面内方向において第1の層110に対して、第1の軸に沿ってa/2かつ第2の軸に沿ってb/2ずらした位置に形成される周期構造より成っている。
第4の層140は、第2の層120に含まれる周期構造が、層面内方向において第2の層120と同じ位置に形成される周期構造より成っている。
そして3次元フォトニック結晶は、第1の層110、第2の層120、第3の層130、第4の層140の順に積層される層を含む複数の層を含んでいる。
ここで4つの層を1周期としているが、複数の層は、1周期となる4つの層が含まれていれば良く、必ずしも4×n(nは正の整数)層である必要はない。
そして有効屈折率Ne1が前述の数式2を満足するように設定している。
次に本発明の3次元フォトニック結晶の実施例2について説明する。
実施例2は、図1から図3に示すフォトニック結晶において、表1に示した実施例1とは、第1の媒質の屈折率N1が異なる場合である。実施例2の3次元フォトニック結晶の詳細な構造パラメータを表3に示す。
表3に示した3次元フォトニック結晶のフォトニックバンド構造を、平面波展開法により計算した結果を図7に示す。この構造における完全フォトニックバンドギャップ比Δω/ω0は、0.230となる。このときの第1の層内の有効屈折率Ne1は1.57となり、数式2を満たす。
表3に示した構造の円孔の半径R1を変化させ、第1の層内および第3の層内の有効屈折率Ne1,Ne3を変化させた場合の、完全フォトニックバンドギャップ比の変化を図8に示す。
また図8中に、数式2の下限値および上限値を破線で示す。表3に示す屈折率N1、N2の値での数式2による有効屈折率Ne1の下限値は1.25(1×1.25)、上限値は2.409(3.3×0.73)であり、図8に示したように、この範囲において完全フォトニックバンドギャップを呈する。
なお、有効屈折率Ne1の上限値および下限値は、実施例1の場合と同様の理由により決定される。
以上示したように、フォトニック結晶を構成する媒質の屈折率が異なる場合でも、本実施例は有効である。
よって、第1の層内の有効屈折率が所定の範囲内になるように、層内の屈折率周期構造を決定することにより、広い周波数帯域でフォトニックバンドギャップを呈し、しかも製造が容易な3次元フォトニック結晶を実現することができる。
次に本発明の3次元フォトニック結晶の実施例3について説明する。
実施例3は、図1から図3に示した構造において、第2の層120内の有効屈折率をNe2としたとき、屈折率周期構造を形成する円孔の半径R2の値を変化させている。これにより、容積率f1および容積率f2を変化させ、結果として有効屈折率Ne2を変化させることができる。
なお、第4の層140の層内部に形成された屈折率周期構造の形状が第2の層120と同じである。このため、第4の層140内の有効屈折率Ne4は、第2の層120内の有効屈折率Ne2と同じである。
表1に示した構造の円孔の半径R2を変化させ、第2の層120内および第4の層140内の有効屈折率Ne2を変化させた場合の、完全フォトニックバンドギャップ比の変化を図9に示す。
図9において、横軸は有効屈折率Ne2(Ne4)、縦軸は完全フォトニックバンドギャップ比である。
図9に示したように、完全フォトニックバンドギャップを呈するためには、有効屈折率Ne2(Ne4)が次の数式4を満たす範囲である必要がある。
図9に、数式4の下限値および上限値を破線で示す。表1に示す屈折率N1、N2の値での下限値は1.09(1×1.09)、上限値は1.608(2.4×0.67)となる。なお、表1に示した構造の、第2の層120内の有効屈折率Ne2は1.28であり、数式4を満たす。また、第2の層内の柱状構造の形状が異なる表2に示した構造の有効屈折率Ne2は、1.35であり、数式4を満たす。
1.09×N2 ≦ Ne2 ≦ 0.67×N1 ‥‥‥(4)
数式4の上限値および下限値は、第1の層110内の有効屈折率Ne1の場合と同様の理由により決定される。
特に有効屈折率Ne2(Ne4)の値は、第2の層120内および第4の層140内(第4の層内)の高屈折率媒質が繋がりを形成するz軸方向に偏光方向を有する電磁波や、yz対角方向、xz対角方向に偏光方向を有する電磁波に対して、影響が大きい。
より広い完全フォトニックバンドギャップ幅を得るためには、第2の層120内(第4の層140内)の有効屈折率Ne2(Ne4)は、
1.1×N2 ≦ Ne2 ≦ 0.6×N1 ‥‥‥(4a)
とするのが良い。
以上述べたように、本実施例では屈折率周期構造を有する層を積層して形成したフォトニック結晶において、第2の層120内(第4の層140内)の有効屈折率Ne2(Ne4)が所定範囲内になるように、層内の屈折率周期構造を決定している。
これにより広い周波数帯域でフォトニックバンドギャップを呈することができる。しかも、本実施例によるフォトニック結晶は1周期を構成する層数が少ないため、製造が容易な3次元フォトニック結晶を実現することができる。
次に本発明の3次元フォトニック結晶の実施例4について説明する。
実施例4は、実施例3とは、第1の媒質110の屈折率N1が異なる場合である。実施例4の3次元フォトニック結晶の詳細な構造パラメータを表4に示す。表4に示した3次元フォトニック結晶のフォトニックバンド構造を、平面波展開法により計算した結果を図10に示す。
この構造における完全フォトニックバンドギャップ比Δω/ω0は、0.151となる。このときの第2の層内の有効屈折率Ne2は1.28となり、数式4を満たす。
表4に示した構造の円孔の半径R2を変化させ、第2の層120内および第4の層140内の有効屈折率Ne2,Ne4を変化させた場合の、完全フォトニックバンドギャップ比の変化を図11に示す。
また図11中に、数式4の下限値および上限値を破線で示す。表4に示す屈折率N1、N2の値での数式4による有効屈折率Ne2の下限値は1.09(1×1.09)、上限値は1.876(2.8×0.67)であり、図11に示したように、この範囲において完全フォトニックバンドギャップを呈する。
有効屈折率Ne2(Ne4)の上限値および下限値は、実施例3の場合と同様の理由により決定される。
以上示したように、フォトニック結晶を構成する媒質の屈折率が異なる場合でも、本実施例は有効である。よって、第2の層120内の有効屈折率Ne2が所定の範囲内になるように、層内の屈折率周期構造を決定することにより、広い周波数帯域でフォトニックバンドギャップを呈し、しかも製造が容易な3次元フォトニック結晶を実現することができる。
以上の実施例においては、第2の媒質120の屈折率N2として1.0を用いていたが、これに限るものではない。
これらの構造を形成する媒質としては、従来の構造と同様に、高い屈折率比を有する2種類以上の媒質を用いる。高屈折率の第1の媒質としては、例えばGaAs、InPやGaNなどの化合物半導体、Siなどの半導体、TiOなどの誘電体や金属を用いる。
低屈折率の第2の媒質としては、SiOなどの誘電体や、PMMAなどの高分子材料、空気などを用いる。
フォトニック結晶の持つフォトニックバンドギャップは、上記で説明したように、結晶内の屈折率分布に起因して得られるものである。このため、相互の屈折率の比が大きい媒質同士を組合わせる程、より広い完全フォトニックバンドギャップを得ることが出来る。有効な広さを持つ完全フォトニックバンドギャップを得るためには、屈折率比が2以上が望ましい。
次に本発明の3次元フォトニック結晶を用いた機能素子の実施例5を示す。図12は本発明のフォトニック結晶中に、周期を乱す線状の欠陥を配置した導波路400を有した機能素子の断面図である。
本実施例では、線状欠陥を設けることにより、周期構造が持つフォトニックバンドギャップ内の一部の周波数帯域の電磁波に対して、欠陥部のみ電磁波が存在できる状態にすることができる。これにより、低損失で急峻な曲げ角度を実現できる導波路を構成している。
図12に示す線状欠陥は、導波周波数帯域など所望の性能の導波路となるように、構造を付加、除去、あるいは位置をずらすなどして形成する。
これにより、基礎となるフォトニック結晶が広いフォトニックバンドギャップ帯域を有するため、従来の構造を用いたものより、広い波長帯域で動作する導波路を実現することができる。
図13は本発明の3次元フォトニック結晶中に周期を乱す孤立した点状の欠陥を配置した共振器410の断面図である。
図13の本実施例では、点欠陥を設けることにより、周期構造が持つフォトニックバンドギャップ内の一部の周波数帯域の電磁波に対して、欠陥部にのみ電磁波が存在できる状態にすることができる。これにより、非常に小さい領域に電磁波を閉じ込め、かつ閉じ込め効果の高い高性能な共振器を構成している。
この共振器を用いることにより、入射波から共振器の共振波長に対応した非常に狭い波長域の電磁波を取り出す波長選択フィルタなどが実現できる。点欠陥は、選択波長など所望の性能の共振器となるように、構造を付加、除去、あるいは位置をずらすなどして形成する。
これにより、基礎となるフォトニック結晶が広いフォトニックバンドギャップ帯域を有するため、従来の構造を用いたものより、広い波長帯域で動作する共振器を実現している。
本実施例において、図13に示した共振器内に発光作用を呈する活性媒質を充填し、共振器外部から電磁波や電流などでエネルギーを供給することにより、活性媒質を励起し、非常に効率の高いレーザやLEDなどの発光素子を実現している。
活性媒質としては、化合物半導体、無機発光材料、有機発光材料、高分子発光材料、量子ドット、ナノクリスタルなど様々な材料を利用することができる。
例えば、前記共振器の共振波長を赤外光通信波長帯域(波長800nm−1800nm)に対応させることで光通信用光源に用いることができる。これにより、光の三原色である赤(R)緑(G)青(B)に対応させることで画像表示装置用光源に用いることができる。またCDやDVDなどの光ディスクのピックアップ用光源に用いることができる。
なお、図12に示した導波路や図13に示した共振器、発光素子、フォトニックバンド内の分散異常を用いた偏向素子などの様々な機能素子を組み合わせることで、超小型高機能集積回路を実現することができる。
以上述べたように、本発明の3次元フォトニック結晶を用いて機能素子を構成することにより、より広い波長帯域で動作する機能素子を実現することができる。
図14(a)〜図14(i)はフォトニック結晶の作製プロセスの実施例6の説明図である。
まず基板1001上に結晶成長や蒸着などにより、媒質1による薄膜1002を形成する(図14(a))。
次いで、薄膜1002上にレジスト1003を塗布する(図14(b))。
次に、電子ビームリソグラフィなどによって周期レジストパターン1004を形成し(図14(c))、周期レジストパターン1004をマスクとしてエッチングにより薄膜1002に孔を形成する。
次に、残存レジスト1003を除去することで、第1の層内の屈折率周期構造1005を形成している(図14(d))。
次に、別の基板1006上に結晶成長や蒸着などにより、媒質1による薄膜1007を形成する(図14(e))。
次いで屈折率周期構造1005のパターン面と、薄膜1007が対向するように融着した後(図14(f))、基板1006をリフトオフやエッチングなどにより除去する(図14(g))。
以上の工程により屈折率周期構造1005上に薄膜1007を形成している。
屈折率周期構造上に薄膜を形成する為の方法として、屈折率周期構造1005の空隙を媒質2や後工程にて選択エッチング可能な媒質により充填した後、屈折率周期構造1005上に結晶成長や蒸着を用いて薄膜を形成する方法を用いても良い。
次に、薄膜1007上にレジストを塗布し、電子ビームリソグラフィなどによって周期レジストパターン1008を形成する(図14(h))。次に、周期レジストパターン1008をマスクとして薄膜1007をエッチング後、残存レジストを除去することによって第2の層内の屈折率周期構造を第1の層上に形成している(図14(i))。
第3の層以降も、以上の作製方法を繰り返すことにより、複数層よりなる本発明の3次元フォトニック結晶を作製する。
図15は、実施例6の方法で作製した3次元フォトニック結晶の要部断面図である。
また、層内の屈折率周期構造は、干渉露光法、ナノインプリント法、超短パルス光による多光子吸収をもちいた方法や、X線露光、紫外線露光、近接場露光などリソグラフィ技術を用いた方法などとエッチングを組み合わせて形成してもよい。
本実施例中では、第1の層1005上に薄膜を形成後、電子ビームリソグラフィ等とエッチングを組み合わせて第2の層を作製している。
しかし、基板1006上の薄膜1007に屈折率周期構造を形成した後、第1の層1005と屈折率周期構造を形成した薄膜1007が対向するようにウエハ融着を行い、基板1007をリフトオフやエッチング等を用いて剥離する方法を用いても良い。
次に、本発明中の3次元フォトニック結晶において、図3に示したような各層内に配置される孔が層面内において同一形状を有している場合で、特に同一面積(例えばR1=R2)の場合の作製方法について説明する。
図16(a)に示すように、基板1201上に結晶成長や蒸着により、媒質1による薄膜1202を形成する。
次にレジスト1203を薄膜1202上に塗布する(図16(b))。次に電子ビームリソグラフィなどによって周期レジストパターンを形成する。その後に、該周期レジストパターンをマスクとしてエッチングにより薄膜1202に孔1204を形成する(図16(c))。次に残存レジスト1203を除去することによって、薄膜1202内の屈折率周期構造を基板上に形成する(図16(d))。
次に、図16(e)に示すように、基板1205上に媒質1による薄膜1206を形成する。そして薄膜1206と薄膜1202内の屈折率周期構造(第1の屈折率周期構造)のパターン面が対向するように融着し(図16(f))、リフトオフやエッチングなどにより基板1205を除去する(図16(g))。
屈折率周期構造上に薄膜を形成する為の方法として、次の方法を用いても良い。即ち薄膜1202内の屈折率周期構造の空隙(孔1204)を媒質2や後工程にて選択エッチング可能な媒質により充填する。その後、薄膜1202内の屈折率周期構造上に結晶成長や蒸着を用いて薄膜1206を形成する方法を用いても良い。
次に、薄膜1206上にレジスト1207を塗布し、電子ビームリソグラフィなどにより周期レジストパターンを形成した後、周期レジストパターンをマスクとしてエッチングにより薄膜1206内に屈折率周期構造(第2の屈折率周期構造)を形成する。このとき孔1208を薄膜1206の膜厚より深くエッチングする(図16(h))。
その後、残存レジスト1207を除去することによって3次元フォトニック結晶の第1の層上に第2の層及び第3の層を同時に形成している(図16(i))。
次に、図16(f)で示す薄膜1202上に薄膜1206を形成した工程と同様の工程を用いることにより、屈折率周期構造を有する薄膜1206上に、媒質1による薄膜1209を形成する(図16(j))。
次に、図16(h)で示す薄膜1206内の屈折率周期構造を形成した工程と同様の工程を用いて、薄膜1209内に孔1210を形成する。
以上の工程により、3次元フォトニック結晶の第1の層、第2の層、第3の層、第4の層を形成している(図16(k))。
図17は以上の作製方法を繰り返すことにより、複数層からなる3次元フォトニック結晶を作製したときの要部断面図である。
以上の作製方法を用いることで、本発明の3次元フォトニック結晶内の隣接する2つの層を同時に形成することが可能となる。そのため、より容易に且つ少ない工程で3次元フォトニック結晶を作製することが可能となる。
以上のように、各実施例によれば、従来の3次元周期構造よりも波長帯域の広い完全フォトニックバンドギャップが得られる。又各実施例の3次元周期構造を用いて機能素子を構成すれば、より広い波長帯域で動作する機能素子を実現することができる。またそれら機能素子を組み合わせることで、超小型高機能集積回路を実現することができる。
本発明の3次元フォトニック結晶の実施例1の要部概略図 本発明の3次元フォトニック結晶の実施例1の各層の概略図 本発明の3次元フォトニック結晶の実施例1の第2層の説明図 本発明の3次元フォトニック結晶の実施例1のフォトニックバンド構造の説明図 本発明の3次元フォトニック結晶の実施例1の有効屈折率Ne1に対する完全フォトニックバンドギャップ比を示すグラフ 本発明の3次元フォトニック結晶の実施例1の第2層の他の形態の説明図 本発明の3次元フォトニック結晶の実施例2のフォトニックバンド構造の説明図 本発明の3次元フォトニック結晶の実施例2の有効屈折率Ne1に対する完全フォトニックバンドギャップ比を示すグラフ 本発明の3次元フォトニック結晶の実施例3の有効屈折率Ne2に対する完全フォトニックバンドギャップ比を示すグラフ 本発明の3次元フォトニック結晶の実施例4のフォトニックバンド構造の説明図 本発明の3次元フォトニック結晶の実施例4の有効屈折率Ne2に対する完全フォトニックバンドギャップ比を示すグラフ 本発明の機能素子の実施例5の説明図 本発明の機能素子の実施例5の説明図 本発明の3次元フォトニック結晶の作製方法の説明図 本発明の3次元フォトニック結晶の説明図 本発明の3次元フォトニック結晶の作製方法の説明図 本発明の3次元フォトニック結晶の説明図 従来の3次元フォトニック結晶の説明図
符号の説明
10 3次元フォトニック結晶
110 第1の層
120 第2の層
130 第3の層
140 第4の層
111 長方格子
112 長方格子
131 長方格子
133 長方格子
121 面心長方格子
141 面心長方格子
113 円孔
133 円孔
122 柱状構造
142 柱状構造
123 長方格子
124 長方格子
125 長方格子
126 長方格子
127 円孔
129 円孔
128 柱状構造
400 導波路
410 共振器

Claims (13)

  1. 屈折率周期構造を含む複数の層を周期的に積層した3次元フォトニック結晶であって、
    該層面内方向の第1の軸に沿って周期a、該層面内方向であって該第1の軸と直交する第2の軸に沿って周期bを有する長方格子1の各格子点と、
    該長方格子1を該第1の軸に沿ってa/2かつ該第2の軸に沿ってb/4ずらした位置に形成される長方格子2の各格子点に、第2の媒質より成る孔を有し、該孔以外の領域を第1の媒質で満たした周期構造より成る第1の層と、
    該長方格子1を第1の軸に沿ってー3b/8ずらした位置に形成され、該第1の軸に沿って周期a、該第2の軸に沿って周期bを有する面心長方格子の各格子点に、
    第1の媒質からなり積層方向に軸を有する柱状構造と、該柱状構造以外の領域を前記第2の媒質で満たした周期構造より成る第2の層と、
    前記第1の層に含まれる周期構造が、層面内方向において該第1の層に対して、該第1の軸に沿ってa/2かつ該第2の軸に沿ってb/2ずらした位置に形成される周期構造より成る第3の層と、
    前記第2の層に含まれる周期構造が、層面内方向において該第2の層と同じ位置に形成される第4の層を有し、
    該第1の層、第2の層、第3の層、第4の層の順に積層される層を含む複数の層を含む3次元フォトニック結晶であって、
    該第1の媒質の屈折率をN1、該第2の媒質の屈折率をN2、前記第1の層及び前記第3の層内の有効屈折率をNe1とするとき、
    1.25×N2 ≦ Ne1 ≦ 0.73×N1
    なる条件を満足することを特徴とする3次元フォトニック結晶。
  2. 前記第1の層及び前記第3の層に形成される孔の層面内の断面形状は円形又は楕円形又は多角形孔であることを特徴とする請求項1に記載の3次元フォトニック結晶。
  3. 前記第2の層及び前記第4の層内の有効屈折率をNe2とするとき、
    1.09×N2 ≦ Ne2 ≦ 0.67×N1
    なる条件を満足することを特徴とする請求項1または2に記載の3次元フォトニック結晶。
  4. 前記第2の層及び前記第4の層は、層面内方向において前記第1の層内の孔および前記第3の層内の孔と同じ位置にある前記第2の媒質で満たされた複数の孔と、該複数の孔以外の領域により前記第1の媒質による前記柱状構造が形成されていることを特徴とする請求項1,2又は3に記載の3次元フォトニック結晶。
  5. 前記第2の層及び第4の層内の複数の孔の1つの孔の層面内の断面形状が円形であることを特徴とする請求項4に記載の3次元フォトニック結晶。
  6. 前記第1の層および前記第3の層内の一つの孔の層面内の形状が、前記第2の層および前記第4の層内の一つの孔の層面内の形状と等しいことを特徴とする請求項4または5に記載の3次元フォトニック結晶。
  7. 請求項1乃至6に記載の3次元フォトニック結晶と、該3次元フォトニック結晶の内部に欠陥部を含むことを特徴とする機能素子。
  8. 前記欠陥部は周期を乱す線状の欠陥部であり、該線状の欠陥部は導波路として機能することを特徴とする請求項7に記載の機能素子。
  9. 前記欠陥部は周期を乱す孤立した点状の欠陥部であり、該点状の欠陥部は共振器として機能することを特徴とする請求項7または8に記載の機能素子。
  10. 前記共振器内に発光作用を呈する活性媒質を有する請求項9に記載の機能素子と該活性媒質を励起する励起手段とを有することを特徴とする発光素子。
  11. 請求項10の発光素子は、レーザであることを特徴とする請求項10に記載の発光素子。
  12. 請求項6の3次元フォトニック結晶を、隣接する層の孔を同時に形成する工程を用いて作製することを特徴とする3次元フォトニック結晶の作製方法。
  13. 請求項1から6のいずれか1項の3次元フォトニック結晶を、基板上に第1の屈折率周期構造を有する層を形成する工程と、
    該第1の屈折率周期構造を有する層上に薄膜を形成する工程と、
    該薄膜に第2の屈折率周期構造を該薄膜の膜厚よりも深くエッチングして形成する工程とを用いて作製することを特徴とする3次元フォトニック結晶の作製方法。
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