JP2006313267A5 - - Google Patents

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3次元フォトニック結晶の作製方法
本発明は、3次元的な屈折率周期構造を有する3次元フォトニック結晶の作製方法及び3次元フォトニック結晶を利用した光導波路、光共振器、光学フィルタ、偏光素子等の機能素子に関する。
従来より、波長以下の大きさの構造物によって電磁波の透過・反射特性などを制御するという概念は、Yablonovitchによって提唱されている(非特許文献1)。この非特許文献1によると、波長以下の構造を周期的に配列することによって電磁波の透過・反射特性などを制御可能で、電磁波の波長を光の波長オーダーにまで小さくすることによって、光の透過・反射特性を制御することができる。このような構造物はフォトニック結晶として知られており、ある波長域において、光損失が無損失の100%の反射率を有する反射ミラーを実現できることが示唆されている。このように、ある波長域で光損失がなく反射率を100%にすることができる概念は、従来の半導体が持つエネルギーギャップとの比較から、フォトニックバンドギャップと言われている。また、構造を3次元的な微細周期構造にすることによって、あらゆる方向から入射した光に対してフォトニックバンドギャップを実現することができ、以下、これを「完全フォトニックバンドギャップ」と呼ぶことにする。完全フォトニックバンドギャップが実現できると、発光素子における自然放出の抑制など様々な応用が可能となり、従来にない新しい機能素子の実現が可能となる。
このため、より広い波長域で完全フォトニックバンドギャップが実現できる構造の機能素子が求められている。
このようなフォトニックバンドギャップを呈する構造体がこれまでにも幾つか提案されている(特許文献1、特許文献2、特許文献3)。
一般にフォトニックバンドギャップを呈する3次元周期構造は、構造の大きさが小さく作製が容易でないことから、これら3次元周期構造を光波領域(真空中での波長が数μm以下)で動作させたものは、非常に少ない。
そのような中、屈折率分布が周期性を持つ屈折率周期構造を含む層を積層することにより作製ができる構造、いわゆるLayer−by−Layer構造(以下、LBL構造という)は、実際に構造の作製および評価が行われ、実験的にフォトニックバンドギャップが観測されている。LBL構造の代表的なものとしては、特許文献2で提案された構造や、図9に示す特許文献3にて提案されたウッドパイル構造がある。
図9はウッドパイル構造の説明図である。ウッドパイル構造900とは、図9に示すように、Y軸方向に延びかつ間隔(ピッチ)Pで配列された幅W、高さHの複数の角柱910で形成された第1の層901と、X軸方向に延びかつ間隔Pで配列された第1の層901と同一形状の複数の角柱910で形成された第2の層902と、第1の層901中の角柱とはX軸方向にP/2ずれた位置に配置され、Y軸方向に延びかつ間隔Pで配列された第1の層901と同一形状の複数の角柱910で形成された第3の層903と、第2の層902中の角柱とはY軸方向にP/2ずれた位置に配置され、X軸方向に延びかつ間隔Pで配列された第2の層902と同一形状の複数の角柱910で形成された第4の層904で構成され、第1の層901から第4の層904の4層がZ方向に積層されて基本周期を構成し、基本周期を複数積層することによりウッドパイル構造900が形成される。図9は基本周期を2周期積層した場合を示している。構造内の全ての角柱910は第1の媒質で形成され、角柱910以外の部分は第1の媒質とは異なる屈折率を有する第2の媒質で形成されている。角柱910の間隔P、幅W、高さHおよび第1の媒質の屈折率、第2の媒質の屈折率は、フォトニック結晶が所望(所定)の波長域でフォトニックバンドギャップを呈するように決定される。例えば、第1の媒質の屈折率を3.309、第2の媒質の屈折率を1として、角柱910の幅Wおよび高さHを0.30×Pとして、平面波展開法によりフォトニックバンド構造を解析すると、規格化周波数(周期Pで規格化された角周波数)が0.362〜0.432の範囲において、完全フォトニックバンドギャップが形成されることがわかる。このことから、例えば角柱の配列周期Pを600nmとすると、1389nmから1657nmの波長範囲において、完全フォトニックバンドギャップが形成される。
ウッドパイル構造を作製する方法は、これまでにも種々と提案されている(特許文献4、5)。
特許文献4では、ウェハ融着方法を用いて作製しており、特許文献5では、屈折率周期構造の形成、堆積、研磨を繰り返す手法で作製されている。
特許文献4にて提案されているウッドパイルの作製方法を図10(a)〜(c)を用いて説明する。図10(a)に示すように、エッチングで屈折率周期パターンを形成した基板1001上に、基板1004、エッチングストップ層1003、転写層1002から構成された転写用基板1004を融着し、図10(b)に示すように、エッチング等を用いて基板1004およびエッチングストップ層1003を除去することにより残った転写層1002にエッチングで屈折率周期パターンを形成する。さらに、融着、基板除去、パターン形成を繰り返すことにより、図10(c)に示すような複数の層より成る積層構造を形成する。
次に、特許文献5にて提案された方法を図11(a)〜(e)を用いて説明する。図11(a)に示すように、基板1101上に蒸着などにより第1の媒質による薄膜層1102を形成し、エッチングにより屈折率周期パターンを形成する(図11(b))。次に、第1の媒質による屈折率周期パターンの隙間を第2の媒質1103で堆積などにより埋め(図11(c))、表面を研磨する(図11(d))。さらに、薄膜層を形成、屈折率周期パターン形成、堆積、研磨を繰り返し、図11(e)に示すような複数の層より成る積層構造を形成する。
Physical Review Letters、Vol.58、pp.2059、1987年 特開2002−148463号公報 米国特許第6,597,851号 米国特許第5,335,240号 米国特許第5,406,573号 米国特許第5,998,298号
フォトニックバンドギャップは、フォトニック結晶構造(誘電率)の周期性に起因して発現する。これより所望(所定)の波長域でフォトニックバンドギャップを呈するフォトニック結晶構造を作製するには、3次元方向の周期を制御する必要がある。例えば、屈折率周期構造を含む層を積層することにより、3次元フォトニック結晶を作製する方法においては、屈折率周期構造の周期、屈折率周期構造を形成する各要素の形状誤差や屈折率周期構造を含む層の層厚の制御が必要となる。例えば、図9に示したウッドパイル構造のフォトニック結晶において、全ての層の角柱の幅Wが設計値180nmに対して200nmになった場合、フォトニックバンドギャップの波長帯域は設計値に対しほぼ60nmシフトし、全ての層の角柱の高さ(層の厚さ)Hが180nmに対して200nmになった場合、フォトニックバンドギャップの波長帯域は設計値に対しほぼ160nmシフトする。
従来の作製方法では、作製する構造の誤差量は、各層を形成する時の誤差の総和となっている。よって、フォトニックバンドギャップの波長帯域の中心波長(以下フォトニックバンドギャップ中心波長)の設計値に対するずれを例えば20nm以内に抑えるためには、各層の厚さ誤差は2.5nm以内である必要がある。
このように、設計値に対するずれを小さくするには、各層の厚さ誤差の許容値が非常に小さいため、所望(所定)波長域で動作する3次元フォトニック結晶の作製が非常に困難となっていた。例えば、図10に示した方法では、転写用基板形成時の転写層形成や基板およびエッチングストップ層除去時のエッチングなどで発生する各層の誤差を許容値内に抑える必要があり、図11に示した方法では、各層における薄膜層形成や研磨工程における各層の研磨誤差を基板内での厚さむらも含めて許容値内に抑える必要があり、非常に歩留まりが悪く、作製が非常に困難であった。
本発明は、所望(所定)の波長域でフォトニックバンドギャップを呈するフォトニック結晶が精度良く得られ、しかもフォトニック結晶を容易に作製することができる3次元フォトニック結晶の作製方法の提供を目的とする。
本発明の3次元フォトニック結晶の作製方法は、層の厚さを形成する工程Aと、層内に所定の屈折率周期構造を形成する工程Bとを含む、層内に所定の屈折率周期構造を有する層を複数積層して3次元フォトニック結晶を作製する3次元フォトニック結晶の作製方法であって、該屈折率周期構造を含む層の厚さをH1、該屈折率周期構造の有効屈折率をneff1、所定の波長域でフォトニックバンドギャップを持つ3次元フォトニック結晶における、該屈折率周期構造を含む層の設計厚さをH、該屈折率周期構造の設計有効屈折率をneff、係数Mを
0.5≦M≦2.0
とするとき、各層が
neff1×H1×M=neff×H
を満足するように、各層の厚さ、または、層内の屈折率周期構造の形状を制御する調整工程を含むことを特徴としている。
本発明によれば、所望(所定)の波長域でフォトニックバンドギャップを呈するフォトニック結晶が精度良く得られ、しかもフォトニック結晶を容易に作製することができる3次元フォトニック結晶の作製方法を得ることができる。
以下、本発明の3次元フォトニック結晶の作製方法および3次元フォトニック結晶を利用した機能素子についての実施例を説明する。
本発明者は、屈折率周期構造を含む層を形成し、その層を積層することによりLBL構造のフォトニック結晶を作製するのに先だって、フォトニック結晶内に含まれる各構造体の形状誤差が、フォトニック結晶のフォトニックバンドギャップ付近の透過スペクトルに与える影響について検討した。
その結果、屈折率周期構造を含む層の厚さ誤差(屈折率周期構造を形成する各構造の設計値からの高さ誤差)量と屈折率周期構造の形状誤差による層内の有効屈折率誤差に対して、図1(a),(b)に示すように、フォトニックバンドギャップ中心波長の変化量がほぼ比例することを見出した。
ここで、層内の屈折率周期構造がN個の構造体で構成され、kが1≦k≦Nの自然数であるとき、第k番目の構造体の容積率をff(k)、第k番目の構造体の屈折率をn(k)とするとき、この屈折率周期構造の有効屈折率neffを、
と定義する。
図1(a)において、実線はフォトニック結晶の積層方向と平行な方向(図9の方向A)より光を入射した場合、点線はフォトニック結晶の積層方向と垂直な方向(図9の方向B)より光を入射した場合の高さ誤差に対するフォトニックバンドギャップ中心波長の設計値からのずれ量(変化量)を表す。図1(b)は、フォトニック結晶の層内の屈折率周期構造の形状誤差に対するフォトニックバンドギャップ中心波長の設計値からのずれ量を表し、このずれ量は全入射方向でほぼ一定である。この結果より、本発明者は、フォトニック結晶を作製する場合に、各層において次の如くするのが良いことを見出した。
即ち、neffを設計値の屈折率周期構造の有効屈折率(設計有効屈折率)、Hを設計値の屈折率周期構造を含む層の厚さ(設計厚さ)、Δneffを屈折率周期構造の形状誤差による有効屈折率誤差、ΔHを屈折率周期構造を含む層の厚さ誤差、Mをフォトニック結晶の光学特性を特に保持したい方向を決める係数で0.5≦M≦2.0とするとき、
(数2)
neff×H=(neff+Δneff)×(H+ΔH)×M
を満たすように層内の屈折率周期構造と各層の層の厚さをそれぞれ制御すれば、各層の膜厚と屈折率周期構造の有効屈折率neffの誤差許容範囲を大幅に拡大しながらも、各方向のフォトニック結晶の光学特性は保持できることを見出した。ここで、屈折率周期構造を含む層の厚さをH1、屈折率周期構造の有効屈折率neff1は
H1=H+ΔH
neff1=neff+Δneff
となる。
つまり、特許文献4にて提案されたウェハ融着方法のように、層厚を形成した後に、層内の屈折率周期構造を形成する作製方法を用いる際には、LBL構造のフォトニック結晶を構成する層の厚さ誤差量に応じて、(数2)を満足するように各層の屈折率周期構造の形状を制御し、LBL構造のフォトニック結晶を作製する。
一方、特許文献5にて提案されたように、層内の屈折率周期構造を形成した後に、層の厚さを形成する作製方法を用いる際には、LBL構造のフォトニック結晶を構成する屈折率周期構造の有効屈折率誤差量に応じて、(数2)を満足するように層厚を制御し、LBL構造のフォトニック結晶を作製する。
図1(a)の実線で示すように、フォトニック結晶の高さ誤差に対する積層方向と平行な方向から光を入射した際のフォトニックバンドギャップ中心波長の変化量と、点線で示すように積層方向と垂直な方向から光を入射した際のフォトニックバンドギャップ中心波長の変化量はほぼ2:1の関係にある。また図1(b)に示すように屈折率周期構造の層内の形状誤差に対するフォトニックバンドギャップ中心波長の変化量は各方向においてほぼ一定である。以上から(数2)において、係数MをM=0.5もしくは2.0の時に積層方向と垂直な方向の光学特性を、M=1の時に積層方向と平行な方向の光学特性を保持できる。またM=0.75もしくは1.5の時にはフォトニック結晶全体としての光学特性をほぼ保持できる。
以下に、本発明の各実施例を図面を用いて説明する。
フォトニック結晶を構成する各層の角柱(第1の媒質)の屈折率を3.309、それ以外の領域(第2の媒質)の屈折率を1として、角柱の幅W及び高さHを63nm、角柱の間隔Pが210nmの基本周期を4層としたとき6周期で構成されたウッドパイル構造の透過スペクトルをRCWA(厳密結合波解析)を用いて計算した結果を図2(a)に示す。図2(a)において、実線は積層方向と平行な方向(図9の方向A)から光が入射した場合、点線は積層方向と垂直な方向(図9の方向B)から光が入射した場合、一点鎖線はその中間の斜め方向(図9の方向C)から光が入射した場合の透過スペクトルを表す。
図2(a)より、設計値においては波長465nmから波長580nmの波長域で完全フォトニックバンドギャップを有し、図9の方向Aから光を入射した場合には、波長410nmから波長605nmの波長域でバンドギャップを有し、図9の方向Bから光を入射した場合には、波長465nmから波長580nmの波長域でバンドギャップを有することが分かる。
ここで、フォトニックバンドギャップ中心波長λはフォトニックバンドギャップ波長域をλaからλbとするとき
λ=(λa+λb)/2
である。
次に参考例として、フォトニック結晶内に含まれる全ての角柱の高さHが、作製誤差により6.3nm高く設計された場合の透過スペクトルを図2(b)に示す。図2(b)より、完全フォトニックバンドギャップの波長域が波長485nmから波長610nmの領域となり、角柱の高さが設計値に対して10%高くなることにより、
(485+610)/2=547.5(nm)
(465+580)/2=522.5(nm)
であるから、
547.5−522.5=25(nm)
となってフォトニックバンドギャップ中心波長が長波長側に約25nmシフトしていることが分かる。
また、図9の方向Aから光を入射した場合は波長445nmから波長640nmの波長域にバンドギャップを有し、図9の方向Bから光を入射した場合は波長480nmから波長595nmの波長域にバンドギャップを有する。以上から、角柱の高さが設計値に対して10%高くなることにより、図9の方向Aから光を入射した場合は、フォトニックバンドギャップ中心波長が長波長側に約35nmシフトし、図9の方向Bから光を入射した場合は、フォトニックバンドギャップ中心波長が長波長側に約15nmシフトすることが分かる。
次に、参考例としてフォトニック結晶内に含まれる全ての角柱の高さHが、作製誤差により6.3nm低く作製された場合の透過スペクトルを図2(c)に示す。図2(c)より、完全フォトニックバンドギャップの波長域が波長450nmから波長550nmの領域となり、角柱の高さが設計値に対して10%低くなることにより、フォトニックバンドギャップ中心波長が約22.5nm短波長側にシフトしていることが分かる。また、図9の方向Aから光を入射した場合は波長370nmから波長570nmの波長域にバンドギャップを有し、図9の方向Bから光を入射した場合は波長450nmから波長550nmの波長域にバンドギャップを有する。以上から、角柱の高さが設計値に対して10%低くなることにより、図9の方向Aから光を入射した場合は、フォトニックバンドギャップ中心波長が短波長側に約37.5nmシフトし、図9の方向Bから光を入射した場合は、フォトニックバンドギャップ中心波長が短波長側に約22.5nmシフトすることが分かる。
次に参考例として、フォトニック結晶内に含まれる全ての角柱の幅Wが、作製誤差により6.3nm細く作製された場合の透過スペクトルを図2(d)に示す。図2(d)より、完全フォトニックバンドギャップの波長域が波長450nmから波長560nmの領域となり、角柱の幅が設計値に対して10%細くなることにより、フォトニックバンドギャップ中心波長が約18nm短波長側にシフトしていることが分かる。
このように、各層を単純に積層してフォトニック結晶を作製しようとすると、設計値で想定したフォトニックバンドギャップ波長域から大きくかけ離れた光学特性を有する構造となってしまう。フォトニックバンドギャップ中心波長のシフト量を例えば10nm以下に抑える為には、各層の角柱の高さHを設計値に対して2.5%(絶対値で1.6nm)、角柱の幅Wを設計値に対して5%(絶対値で3.2nm)の誤差以内で作製する必要があり、非常に作製が困難となる。
これに対して本発明による作製方法では、各層において(数2)が成り立つようにウッドパイル構造を作製する。例えば、フォトニック結晶内に含まれる全ての角柱の高さHが、作製誤差により57nm(設計値に対して−6nm)、角柱の幅Wが76nm(設計値に対して+13nm)の時の透過スペクトルを図2(e)に示す。図2(e)より、完全フォトニックバンドギャップの波長域が波長480nmから波長580nmの領域となり、フォトニックバンドギャップ中心波長が長波長側に約7.5nmシフトしていることが分かる。ここでは、角柱の高さHが設計値に対して6nm低くなった時に、(数2)が、M=0.75において成り立つ角柱の幅Wを選んだ。次にフォトニック結晶内に含まれる全ての角柱の高さHが、作製誤差により57nm(設計値に対して−6nm)、角柱の幅Wが81nm(設計値に対して+18nm)の時の透過スペクトルを図2(f)に示す。図9の方向Aより光を入射した場合のバンドギャップの波長域が波長410nmから波長610nmの領域となり、フォトニックバンドギャップ中心波長が長波長側に2.5nmシフトしていることが分かる。ここでは、角柱の高さHが設計値に対して6nm低くなった時に、(数2)がM=1.0において成り立つ角柱の幅Wを選んだ。次にフォトニック結晶内に含まれる全ての角柱の高さHが、作製誤差により57nm(設計値に対して−6nm)、角柱の幅Wが72nm(設計値に対して+9nm)の時の透過スペクトルを図2(g)に示す。 図9の方向Bより光を入射した場合のフォトニックバンドギャップの波長域が波長470nmから波長570nmの領域となり、フォトニックバンドギャップ中心波長が短波長側に2.5nmシフトしていることが分かる。ここでは、角柱の高さHが設計値に対して6nm低くなった時に、(数2)がM=0.5において成り立つ角柱の幅Wを選んだ。次に、フォトニック結晶内に含まれる全ての角柱の高さHが、作製誤差により63nm(設計値に対して−6nm)、角柱の幅Wが57nmの時の透過スペクトルを図2(h)に示す。図2(h)より、図9の方向Bより光を入射した場合のフォトニックバンドギャップの波長域が波長460nmから波長570nmの領域となり、フォトニックバンドギャップの中心波長が短波長側に7.5nmシフトしていることが分かる。ここでは、角柱の幅Wが設計値対して6nm細くなったときに、(数2)がM=2.0において成り立つ角柱の高さHを選んだ。
このように、各層に含まれる角柱の高さ誤差、幅誤差が、従来と比べて4倍以上であっても、(数2)が成り立つように層の厚さと屈折率周期構造の有効屈折率を制御することによって、設計値と同等の光学性能を有するフォトニック結晶を得ることができる。
また、M=1.0の時に(数2)が成り立つように層の厚さHと屈折率周期構造の有効屈折率neffを制御することで、積層方向と平行な方向から光を入射した場合について、設計値と同等の光学性能を有するフォトニック結晶を得ることができる。また、M=0.5及びM=2.0の時に(数2)が成り立つように層の厚さHと屈折率周期構造の形状を制御することで、積層方向と垂直な方向から光を入射した場合について、設計値と同等の光学性能を有するフォトニック結晶を得ることができる。このように図1に示す、層の厚さ誤差ΔHとフォトニックバンドギャップ中心波長のシフト量の関係と、屈折率周期構造の形状誤差とフォトニックバンドギャップ中心波長のシフト量の関係を用いて、(数2)において、0.5≦M≦2.0の範囲でMの値を選ぶことで、任意の方向から光を入射した場合に、設計値と同等の光学性能を有するフォトニック結晶を得ることができる。
次に、フォトニック結晶を構成する媒質の屈折率が実施例1とは異なる場合の実施例を示す。
フォトニック結晶の角柱(第1の媒質)の屈折率を2.33、それ以外の領域(第2の媒質)の屈折率を1として、角柱の高さH及び幅Wが84nm、角柱の間隔Pが240nmの基本周期を4層としたとき、10周期で構成されたウッドパイル構造の透過スペクトルを、RCWAを用いて計算した結果を図3(a)に示す。図3において、実線、点線、一点鎖線は図2の場合と同様に入射方向ごとの透過スペクトルを表す。図3(a)より、設計値においては、波長465nmから波長580nmの波長域で完全フォトニックバンドギャップを有することが分かる。
次に、参考例として、結晶内に含まれる全ての角柱の高さHが、作製誤差により8.4nm低く作製された場合の透過スペクトルを図3(b)に示す。図3(b)より、完全フォトニックバンドギャップの波長域が波長460nmから波長510nmの領域となり、角柱の高さが設計値の10%低くなることにより、フォトニックバンドギャップ中心波長が約22.5nm短波長側にシフトしていることが分かる。
これに対して、本発明では、例えば、次にフォトニック結晶内に含まれる全ての角柱の高さHが、作製誤差により76nm(設計値に対して−8nm)、角柱の幅Wが105nm(設計値に対して+21nm)の時の透過スペクトルを図3(c)に示す。図3(c)より、完全フォトニックバンドギャップの波長域が波長490nmから波長545nmの領域となり、フォトニックバンドギャップ中心波長が長波長側に約7.5nmシフトしていることが分かる。ここでは、角柱の高さHが設計値に対して8nm低くなった時に、各方向(数2)が、M=0.75において成り立つ角柱の幅Wを選んだ。
このように、各層において(数2)が成り立つように層の厚さと屈折率周期構造の有効屈折率を制御することによって、設計値と同等の光学性能を保持したまま、各層厚と角柱の幅の誤差許容範囲を大幅に拡大することができ、LBL構造を有するフォトニック結晶の作製が容易となる。以上、示したように、本発明による効果はフォトニック結晶を構成する媒質の屈折率に依存するものではない。
次に、フォトニック結晶の具体的な作製プロセスでの本発明の実施例方法について説明する。
図4(a)に示すように、基板101上に結晶成長や蒸着により、媒質1による薄膜102を形成し、(工程A)薄膜102の厚さを走査型プローブ顕微鏡や接触式段差計などによって計測する。次に薄膜102を形成後にレジスト103を薄膜102上に塗布(図4(b))し、電子ビームリソグラフィなどによって薄膜102の膜厚に応じて、(数2)を満たすような周期レジストパターン104を形成(図4(c))する(工程B)。次にレジストパターン104をマスクとして薄膜102をエッチング後、残存レジスト104を除去することによって、媒質1による屈折率周期構造105を基板上に形成する(図4(d))。
次に、図4(e)に示すように、エッチングストップ層107を含む基板106上に同様に媒質1による屈折率周期構造108を形成する。次に屈折率周期構造105と屈折率周期構造108をパターン面が対向するように位置合わせして融着(図4(f)し、リフトオフやエッチングなどによりエッチングストップ層107と基板106を除去することで積層構造(2層構造)を作製する(図4(g))。
この作製方法を繰り返すことにより、複数層より成るフォトニック結晶を作製している(図4(h))。
また、層内の屈折率周期構造は、干渉露光法、ナノインプリント法、超短パルス光による多光子吸収過程を用いた方法や、X線露光、紫外線露光、近接場露光などリソグラフィ技術を用いた方法などとエッチングを組み合わせて形成しても良い。
屈折率周期構造の積層方法は、例えば特許文献4にて提案されたウェハ融着を用いた手法を用いても良い。
本実施例によるフォトニック結晶を構成する媒質1は、GaAs、InP、GaNやZnOなどの化合物半導体、Siなどの半導体、TiOなどの誘電体や金属を用いる。低屈折率媒質(媒質2)としては、SiOなどの誘電体や、PMMAなどの高分子有機材料、空気などを用いている。
図12(a)に示すように、基板1201上に、結晶成長や蒸着などにより、媒質1による薄膜1202を形成し、レジスト1203を塗布(図12(b))し、電子ビームリソグラフィなどによって周期レジストパターン1204を形成(図12(c))する。次にレジストパターン1204をマスクとして薄膜1202をエッチング後、残存レジスト1204を除去することによって屈折率周期パターン1205を形成(図12(d))する。ここで、走査型プローブ顕微鏡や接触式段差計などを用いて屈折率周期パターン1205の形状を計測する。
次に、図12(e)に示すように、媒質1による屈折率周期パターン1205の隙間を第2の媒質1206によって埋め、表面をエッチング、CMP(Chemical Mechanical Polishing)による研磨やGCIB(ガスクラスターイオンビーム照射)によるエッチングやアブレーションなどで、(数2)が成り立つような厚さになるまで屈折率周期パターン1205を薄くする(図12(f))(調整工程)。以上の工程を繰り返すことで、図12(g)に示すような複数層より成る積層構造を形成する(順次積層する)。また、層内の屈折率周期構造は、干渉露光法、ナノインプリント法、超短パルス光による多光子吸収過程を用いた方法や、X線露光、紫外線露光、近接場露光などリソグラフィ技術を用いた方法などとエッチングを組み合わせて形成しても良い。また、マスクパターンを用いた選択成長を用いても良い。
屈折率周期パターンの積層方法は、例えば、特許文献5にて提案された堆積、研磨を繰り返す手法を用いても良い。
本発明によるフォトニック結晶を構成する媒質1は、GaAs、InP、GaNやZnOなどの化合物半導体、Siなどの半導体、TiO2などの誘電体や金属を用いる。低屈折率媒質(媒質2)としては、SiO2などの誘電体や、PMMAなどの高分子有機材料、空気などを用いている。
図13(a)に示すように、基板1301上に、電子ビームリソグラフィなどによって周期マスクパターン1302を形成する。次にマスクパターン1302を走査型プローブ顕微鏡や接触式段差計などを用いてマスクパターン1302の形状を計測する。次にマスクパターン1302をマスクとして、(数2)を満たす高さになるまで選択的に成長を行い、媒質1による屈折率周期構造1303を形成(図13(b))する。このとき、(数2)を満たす高さよりも高く屈折率周期構造1303を形成し、表面をエッチング、CMPによる研磨やGCIBによるエッチングやアブレーションなどを用いて(数2)を満たす高さになるように薄くしてもよい。次にマスクパターン1302を除去する(図13(c))。
次に図13(d)に示すように、エッチングストップ層1305を含む基板1304上に、同様に周期マスクパターン1306を形成する。次にマスクパターン1306の形状を同様に計測する。次にマスクパターン1306をマスクとして、同様に選択的に成長を行い、媒質1による屈折率周期構造1307を形成する。このとき、(数2)を満たす高さよりも高く屈折率周期構造1303を形成し、表面をエッチング、CMPによる研磨やGCIBによるアブレーションなどを用いて(数2)を満たす高さになるように薄くしてもよい。次にマスクパターン1306を除去する(図13(f))。
次に図13(g)に示すように、屈折率周期構造1303と屈折率周期構造1307のパターン面が対向するように位置合わせして融着し、リフトオフやエッチングなどによりエッチングストップ層1305と基板1304を除去することで積層構造(2層構造)を作製する。
この作製方法を繰り返すことにより、複数層より成るフォトニック結晶を作製している(図13(i))。
また、層内の屈折率周期構造は、マスクパターンを形成した基板上に、(数2)を満たす高さになるまで、蒸着などを用いて薄膜を形成し、次にマスクパターンとマスクパターン上の薄膜をリフトオフして形成してもよい。
また、屈折率周期構造の積層方法は、例えば特許文献4にて提案されたウエハ融着を用いた手法を用いてもよい。
本発明によるフォトニック結晶を構成する媒質1は、GaAs、InP、GaNやZnOなどの化合物半導体、Siなどの半導体、TiO2などの誘電体や金属を用いる。低屈折率媒質としては、SiO2などの誘電体や、PMMAなどの高分子有機材料、空気などを用いている。
図5(a)はウッドパイル構造とは異なるLBL構造を有するフォトニック結晶(3次元フォトニック結晶)の要部斜視図である。このLBL構造は、ウッドパイル構造より広いフォトニックバンドギャップを呈するフォトニック結晶構造である。3次元周期構造200は、XY平面を含む第1〜第12の層201〜212の計12層を基本周期として構成している。図5(b)は各層201〜212のXY断面の一部を示す。第1の層201および第7の層207は、第1の媒質によるY軸方向に延びる複数の角柱201aおよび207aが等間隔(ピッチ)PでX方向に配置されており、角柱(柱状構造)201aおよび207aはX軸方向にP/2(ピッチの半分)ずれた位置に配置されている。また、第4の層204および第10の層210は、第1の媒質によるX軸方向に延びる複数の角柱204aおよび210aが等間隔(ピッチ)PでY方向に配置されており、角柱204aおよび210aはY軸方向にP/2ずれた位置に配置されている。
第2の層(付加層)202および第3の層203には、第1の層201中の角柱201aおよび第4の層204中の角柱204aのZ方向から見たときの交点に相当する位置に、XY平面内において互いに接しないように離散的に第1の媒質による直方体(離散構造)202aおよび203aが配置されている。なお、直方体202aと203aはXY面内における90度の回転により相互に重なる対称性を有している。
同様に、角柱を含む層の間にある第5の層205、第6の層206、第8の層208、第9の層209、第11の層211、第12の層212(以下「付加層」という)には、隣接する層中の角柱のZ方向から見たときの交点に相当する位置に、XY平面内において離散的に第1の媒質による直方体205a、206a、208a、209a、211a、212aが配置されている。このように付加層は1層以上含んでいる。
各層201〜212中の角柱および直方体は互いに接しており、各層201〜212中の角柱および直方体以外の部分は第2の媒質で充填されている。第1、第2の媒質の屈折率、角柱および直方体の形状や間隔、各層の厚さは、所望(所定)波長域でフォトニックバンドギャップを呈するように決定される。
角柱および直方体の屈折率を3.309、それ以外の領域の屈折率を1として、角柱の幅Wが63nm、角柱の高さHが52nm、角柱の間隔Pが208nm、直方体の長辺の幅W1が125nm、直方体の短辺の幅W2が83nm、直方体の高さH1が10nmの基本周期を12層としたとき、6周期で構成されたLBL構造200の透過スペクトルを、RCWAを用いて計算した結果を図6(a)に示す。図6(a)において、実線、点線、一点鎖線は図2の場合と同様に入射光の方向(各層積層方向と平行な方向、垂直な方向、斜め方向)ごとの透過スペクトルを表す。図6(a)より、設計値においては波長470nmから波長600nmの波長域で完全フォトニックバンドを有することがわかる。
次に、フォトニック結晶内に含まれる全ての角柱の高さHが作製誤差により設計値より5.2nm低く、全ての直方体の高さH1が設計値より1nm低く作製された場合の透過スペクトルを図6(b)に示す。図6(b)より、完全フォトニックバンドギャップの波長域が波長450nmから波長580nmの領域となり、角柱および直方体の高さが設計値の10%低くなることにより、フォトニックバンドギャップ中心波長が約20nm短波長側にシフトしていることがわかる。
例えば、角柱の高さHが46.8nm(設計値に対して−5.2nm)、角柱の幅Wが75nm(設計値に対して+12nm)、直方体の長辺の幅W1が133nm(設計値に対して+8nm)、直方体の短辺の幅W2が96nm(設計値に対して+13nm)、直方体の高さH1が9nm(設計値に対して−1nm)とした場合の透過スペクトルを図6(c)に示す。図6(c)より、完全フォトニックバンドギャップの波長域が波長470nmから波長580nmの領域となり、フォトニックバンドギャップ中心波長が短波長側に約10nmシフトしていることが分かる。ここでは、角柱の高さHが設計値に対して12nm、高さH1が設計値に対して1nm低くなった時に、各方向において、(数2)がM=0.75において成り立つ角柱の幅W、直方体の長辺の幅W1、直方体の長辺の幅W2を選んだ。
このように、(数2)が成り立つように層の厚さH1,Hと屈折率周期構造の有効屈折率neffを制御することによって、設計値と同等の光学性能を保持したまま、各層厚、角柱の幅、直方体の長辺の幅、直方体の短辺の幅の誤差許容範囲を大幅に拡大することができ、LBL構造を有するフォトニック結晶の作製が容易となる。以上、示したように、各実施例による効果はフォトニック結晶の構造に依存するものではない。
次に、本発明による作製方法で作製されたフォトニック結晶を用いた機能素子の実施例を示す。図7(a)、(b)は本発明による作製方法で作製されたフォトニック結晶中に線上に周期欠陥(周期欠陥部)を配置した導波路300を有した機能素子の断面図である。本実施例では、線上の周期欠陥を設けることにより、フォトニック結晶が持つフォトニックバンドギャップ内の波長域中の一部の波長域の電磁波に対して、欠陥部300のみ電磁波が存在できる状態にすることができ、低損失で、急峻な曲げ角度を実現できる導波路を構成している。図7(a)は本発明による作製方法で作製されたフォトニック結晶中の構造を所定の領域だけ除去し、直線状の導波路を構成したものの断面図、図7(b)は本発明による作製方法で作製されたフォトニック結晶中の構造を所定の領域だけ除去し、曲げ導波路を構成たものの断面図を示す。線上周期欠陥は、導波路波長域など、所望(所定)の性能の導波路構造となるように、構造を除去、あるいは位置をずらす、形状を変える、フォトニック結晶を構成する媒質とは屈折率の異なる媒質で置換するなどして形成する。本発明による作製方法で作製されたフォトニック結晶を用いて導波路を構成することにより、所望(所定)波長域で動作する導波路を容易に作製することができる。
図8は本発明による作製方法で作製されたフォトニック結晶中に孤立した周期欠陥を配置した共振器310の断面図である。図8の本実施例では、孤立した周期欠陥310を設けることにより、フォトニック結晶が持つフォトニックバンドギャップ内の波長域中の一部の波長域の電磁波に対して、欠陥部310のみ電磁波が存在できる状態にすることができ、非常に小さい領域に電磁波を閉じ込め、かつ閉じ込め効果の高い高性能な共振器を構成している。この共振器を用いることにより、入射波から共振器の共振波長に対応した非常に狭い波長域の電磁波を取り出す波長選択フィルタなどが実現できる。孤立した点状の周期欠陥は、選択波長など所望(所定)の共振器となるように、構造部を除去、あるいは位置をずらす、形状を変えるなどして形成する。本発明による作製方法で作製されたフォトニック結晶を用いて共振器を構成することにより、所望(所定)波長域で動作する共振器を容易に作製することができる。
本実施例において、図8に示した共振器内(共振器中)に発光作用を呈する活性媒質を充填し、共振器外部から電磁波や電流などでエネルギーを供給することにより、活性媒質を励起し非常に効率の高いレーザやLEDなどの発光素子を実現している。例えば、前記共振器の共振波長を赤外光通信波長帯域(800nm−1800nm)に対応させることで光通信用光源に用いることができ、光の三原色である赤(R)、緑(G)、青(B)に対応させることで、画像表示装置用光源に用いることができ、またCDやDVDなどの光ピックアップ用光源に用いることができる。なお、図7(a)、(b)に示した導波路や図8に示した共振器、発光素子、フォトニックバンド内の分散異常を用いた偏光素子などの様々な機能素子を組み合わせることで、超小型高機能集積回路を実現することができる。
以上述べたように、各実施例によれば(数2)が成り立つようにフォトニック結晶の層の厚さHと屈折率周期構造の有効屈折率neffを制御することにより、フォトニック結晶全体として、設計値と同等の光学特性を保持したまま、各層厚の誤差許容範囲を大幅に拡大することができ、フォトニック結晶の作製が非常に容易となる。
又、本発明による作製方法で作製されたフォトニック結晶を用いて機能素子を構成することにより、所望(所定)波長域で動作する機能素子を容易に作製することができる。
屈折率周期構造の厚さ誤差と形状誤差に対するフォトニックバンドギャップの波長との関係を表す説明図 フォトニック結晶の作製誤差とフォトニックバンドとの関係を示す説明図 フォトニック結晶の作製誤差とフォトニックバンドとの関係を示す説明図 フォトニック結晶の作製誤差とフォトニックバンドとの関係を示す説明図 フォトニック結晶の作製誤差とフォトニックバンドとの関係を示す説明図 フォトニック結晶の作製プロセスの説明図 フォトニック結晶の作製プロセスの説明図 本発明に係るフォトニック結晶の説明図 本発明に係るフォトニック結晶の説明図 フォトニック結晶の作製誤差とフォトニックバンドとの関係を示す説明図 本発明に係るフォトニック結晶を用いた機能素子の説明図 本発明に係るフォトニック結晶を用いた機能素子の説明図 ウッドパイル構造のフォトニック結晶の説明図 従来のフォトニック結晶の作製方法の説明図 従来のフォトニック結晶の作製方法の説明図 本発明に係るフォトニック結晶の作製方法 本発明に係るフォトニック結晶の作製方法 本発明に係るフォトニック結晶の作製方法 本発明に係るフォトニック結晶の作製方法
符号の説明
200 LBL構造
201 第1の層
202 第2の層
203 第3の層
204 第4の層
205 第5の層
206 第6の層
207 第7の層
208 第8の層
209 第9の層
210 第10の層
211 第11の層
212 第12の層
201a 角柱
204a 角柱
207a 角柱
210a 角柱
202a 直方体
203a 直方体
205a 直方体
206a 直方体
208a 直方体
209a 直方体
211a 直方体
212a 直方体
900 ウッドパイル構造
910 角柱
901 第1の層
902 第2の層
903 第3の層
904 第4の層

Claims (10)

  1. 層の厚さを形成する工程Aと、層内に所定の屈折率周期構造を形成する工程Bとを含む、層内に所定の屈折率周期構造を有する層を複数積層して3次元フォトニック結晶を作製する3次元フォトニック結晶の作製方法であって、該屈折率周期構造を含む層の厚さをH1、該屈折率周期構造の有効屈折率をneff1、所定の波長域でフォトニックバンドギャップを持つ3次元フォトニック結晶における、該屈折率周期構造を含む層の設計厚さをH、該屈折率周期構造の設計有効屈折率をneff、係数Mを
    0.5≦M≦2.0
    とするとき、各層が
    neff1×H1×M=neff×H
    を満足するように、各層の厚さ、または、層内の該屈折率周期構造の形状を制御する調整工程を含むことを特徴とする3次元フォトニック結晶の作製方法。
  2. 前記調整工程は、該工程Aにて層の厚さを形成後に、該工程Bにて層内の屈折率周期構造の形状を制御する調整工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の3次元フォトニック結晶の作製方法
  3. 前記調整工程は、該工程Bにて屈折率周期構造を形成後に、該工程Aにて層の厚さを制御する調整工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の3次元フォトニック結晶の作製方法。
  4. 前記複数の層は、複数の柱状構造が所定の間隔を空けて配列された第1の層と、
    該第1の層の前記柱状構造とは異なる方向に延びる複数の柱状構造が、所定の間隔を空けて配列された第2の層と、
    該第1の層の前記柱状構造と同じ方向に延びる複数の柱状構造が、所定の間隔を空けて配列された第3の層と、
    該第2の層の前記柱状構造と同じ方向に延びる複数の柱状構造が、所定の間隔を空けて配列された第4の層を有し、
    該第1の層と該第3の層に含まれる柱状構造が、相互に該柱状構造の伸びる方向と垂直な方向に前記所定の間隔の半分ずれるように積層され、
    該第2の層と該第4の層に含まれる柱状構造が、相互に該柱状構造の伸びる方向と垂直な方向に前記所定の間隔の半分ずれるように積層され、
    該第1の層から該第4の層が順次積層されることを特徴とする、
    請求項1乃至3に記載の3次元フォトニック結晶の作製方法
  5. 前記調整工程は、各層の前記柱状構造の形状を制御することを特徴とする請求項4に記載の3次元フォトニック結晶の作製方法。
  6. 前記複数の層は、複数の柱状構造が所定の間隔を空けて配列された第1の層と、
    該第1の層の前記柱状構造とは異なる方向に延びる複数の柱状構造が、所定の間隔を空けて配列された第2の層と、
    該第1の層の前記柱状構造と同じ方向に延びる複数の柱状構造が、所定の間隔を空けて配列された第3の層と、
    該第2の層の前記柱状構造と同じ方向に延びる複数の柱状構造が、所定の間隔を空けて配列された第4の層と、
    前記4つの層の各層に平行な面内において離散的に配置された離散構造を含む層を1層以上含む付加層を有し、
    該第1の層と該第3の層に含まれる柱状構造が、相互に該柱状構造の伸びる方向と垂直な方向に前記所定の間隔の半分ずれるように積層され、
    該第2の層と該第4の層に含まれる柱状構造が、相互に該柱状構造の伸びる方向と垂直な方向に前記所定の間隔の半分ずれるように積層され、
    該第1の層から該第4の層が各層の間にそれぞれ該付加層を介して順次積層されることを特徴とする、
    請求項1乃至3に記載の3次元フォトニック結晶の作製方法
  7. 前記調整工程は、各層の前記柱状構造及び/または前記離散構造の形状を制御することを特徴とする請求項6に記載の3次元フォトニック結晶の作製方法。
  8. 請求項1乃至7に記載の3次元フォトニック結晶の作製方法で作製される3次元フォトニック結晶は線状の周期欠陥部を有し、該周期欠陥部は導波路として機能することを特徴とする機能素子。
  9. 請求項1乃至7に記載の3次元フォトニック結晶の作製方法で作製される3次元フォトニック結晶は孤立した周期欠陥部を有し、該周期欠陥部は共振器として機能することを特徴とする機能素子。
  10. 前記共振器中に発光作用を呈する活性媒質を有する請求項9に記載の機能素子と該活性媒質を励起する励起手段を有することを特徴とする発光素子。
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