JP2004271828A - 光学素子およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】透過光、反射光を偏光させる光学素子、およびその製造方法を提供する。
【解決手段】光を偏光させる光学素子が、第1軸を含み、第1軸方向に周期的な凹凸を有する主表面を備えた基板と、主表面上に設けられ、第1誘電体層と、該第1誘電体層とは屈折率の異なる第2誘電体層とが交互に積層された積層構造体とを含む。積層構造体は、第1軸方向に周期性を有して配置された低屈折率領域を含む。低屈折率領域の屈折率は、隣接する該第1誘電体層又は該第2誘電体層の屈折率より小さい。
【選択図】 図1
【解決手段】光を偏光させる光学素子が、第1軸を含み、第1軸方向に周期的な凹凸を有する主表面を備えた基板と、主表面上に設けられ、第1誘電体層と、該第1誘電体層とは屈折率の異なる第2誘電体層とが交互に積層された積層構造体とを含む。積層構造体は、第1軸方向に周期性を有して配置された低屈折率領域を含む。低屈折率領域の屈折率は、隣接する該第1誘電体層又は該第2誘電体層の屈折率より小さい。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、透過光、反射光を偏光させる光学素子およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
偏光素子は、任意の直線偏光成分のみを透過または反射させることができる光学素子であり、例えば、屈折率の互いに異なる誘電体材料層を、波長以下の周期で積層した2次元周期構造体、いわゆるフォトニック結晶が用いられた偏光素子が提案されている。フォトニック結晶は、誘電体材料層の周期を適切に設定することにより、光を伝播しないフォトニックバンドギャップ(PBG)を示す。PBGでは、異なる伝播特性を示す互いに直交する偏波成分に対して、一方を反射し、他方を透過させることができる。
【0003】
フォトニック結晶を用いた偏光素子の一例として、1次元的にほぼ周期的な凹凸を持つ2種類以上の膜状物質を、ほぼ周期的に積層した偏光素子がある。具体的には、周期的な溝を有する基板上に、透明の低屈折率媒質であるSiO2層と、透明の高屈折率媒質であるSi層とが、交互に積層された多層構造体となっている(例えば、特許文献1参照)。
かかる偏光素子は、バイアス・スパッタリング法を用いて、周期的な溝状の凹凸を形成した基板上に、凹凸の形状を維持しながらSiO2層とSi層とを交互に形成することにより作製される。かかるバイアス・スパッタリング法は、堆積とエッチングとを同時に行うもので、オートクローニング法として提案されている。
【0004】
また、同様のフォトニック結晶を用いた偏光素子として、Si/SiO2が繰り返し積層された多層膜に、RIEを用いて溝を形成することにより周期的な繰り返し構造を作製した偏光素子も提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特許第3288976号公報
【非特許文献1】
Chuan C. Cheng et al., ”New fabrication techniques for high quality photonic crystals” J. Vac. Sci. Technol. B 15(6), pp.2764−2767 (1997)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述の第1の偏光素子では、オートクローニング法において、堆積とエッチングとが適当に行われるように制御する必要があり、バイアス・スパッタリングの条件設定が困難であった。また、汎用的なスパッタ装置が使用できないという問題もあった。
また、第2の偏光素子では、Si層とSiO2層の異質の材料を交互に積層した積層構造に、光の波長以下の周期で溝を形成することは非常に難しく、この結果、積層数を少なくせざるを得ないため、消光比も小さくなるという問題点があった。
【0007】
そこで、本発明は、工業的に作製が容易な積層型光学素子、およびその製造方法の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、光を偏光させる光学素子であって、第1軸を含み、該第1軸方向に周期的な凹凸を有する主表面を備えた基板と、該主表面上に設けられ、第1誘電体層と、該第1誘電体層とは屈折率の異なる第2誘電体層とが交互に積層された積層構造体とを含み、該積層構造体が、該第1軸方向に周期性を有して配置された低屈折率領域を含み、該低屈折率領域の屈折率が、隣接する該第1誘電体層又は該第2誘電体層の屈折率より小さいことを特徴とする光学素子である。
【0009】
また、本発明は、光を偏光させる光学素子の製造方法であって、第1軸を含む主表面を有する基板を準備する工程と、該主表面上に、該第1軸方向に周期的な凹凸を形成する工程と、該主表面上に、第1誘電体層と、該第1誘電体層と屈折率が異なる第2誘電体層とを交互に堆積する積層工程とを含み、該積層工程が、該主表面に入射する粒子線を該凸部が部分的に遮蔽するように、該主表面の鉛直方向に対して傾いた方向から該粒子線を入射させ、該第1誘電体層中および該第2誘電体層中に、隣接する該第1誘電体層または該第2誘電体層より屈折率の小さい低屈折率領域を形成する工程であることを特徴とする光学素子の製造方法でもある。
【0010】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態にかかる、全体が100で表される積層型の光学素子の断面図である。図中、x軸、y軸、z軸は、互いに直交する3軸を表し、x軸はシリコン基板10の主表面に平行な軸、z軸はシリコン基板10の主表面に垂直な軸である。
【0011】
光学素子100は、シリコン基板10を有する。シリコン基板10の主表面には、x軸方向に、所定の周期で凸部11が設けられている。凸部11は、y軸方向にストライプ状に延びて形成されている。
【0012】
図2(a)は、シリコン基板10の主表面近傍の、x軸方向の断面図である。シリコン基板10の主表面をエッチングして凹部12とすることにより、凸部11が周期的に形成されている。凸部11は、x軸方向に、光学素子100で偏光する光の波長より短い周期で形成され、ここでは、周期(ピッチ)Pが0.4μmとなっている。凸部11の幅WLは0.08μm、高さHは0.05μmである。
【0013】
シリコン基板10の上には、透明な誘電体層であるシリコン層1と、同じく透明な誘電体層である酸化シリコン層2とが交互に積層されている。シリコン層1の屈折率は、酸化シリコン層2の屈折率より大きい。シリコン層1、酸化シリコン層2の、z軸方向の膜厚t1、t2は、それぞれ0.11μm、0.16μmである。シリコン層1と酸化シリコン層2とは、それぞれ7層ずつ、合計14層形成されている。これにより、光学素子100では、z軸方向に、屈折率の異なる層が交互に積層された構造となる。
【0014】
なお、最上層の酸化シリコン層2の膜厚のみ、0.35μmとなっている。これは、リップルと呼ばれる透過特性の変動を防止するためである。また、シリコン基板10の裏面は、例えばSiON等からなる無反射膜(図示せず)により覆われて、裏面での入射光の反射を防止している。
【0015】
また、光学素子100では、シリコン層1と酸化シリコン層2とが、凸部11の上に積層されるため、凹部12上には空隙3が形成される。空隙3は、z軸方向から角度θだけ傾斜して形成されている。後述するように、角度θは、シリコン層1と酸化シリコン層2とを形成するための、スパッタ粒子の入射角度に依存する。
図1に示すように、空隙3は、x軸方向に所定の周期で形成されている。また、空隙3の屈折率(空気の屈折率)は、その両側に形成されたシリコン層1、酸化シリコン層2のいずれの屈折率よりも小さい。このため、光学素子100では、z軸方向から角度θだけ傾いて設けられた低屈折率の空隙3が、x軸方向に所定の周期を有して配置された構造となる。
【0016】
このように、光学素子100では、シリコン基板10の主表面が、z軸方向に延びたストライプ構造であるとともに、x軸方向およびz軸方向に、高屈折率層と低屈折率層とが、所定の周期で交互に積層された構造となっている。これにより、光学素子100は、z軸方向の光に対して偏光特性を有する。
【0017】
図3は、z軸方向から光を入射させた場合の、光学素子100の透過特性である。透過特性は、分光光度計を用いて測定した。図3中、横軸は透過光の波長、縦軸は透過率である。図3からわかるように、波長が約1.4μmから約1.6μmの範囲において、互いに偏波方向が90°異なる光の透過率が大きく異なる。従って、光学素子100を用いることにより、約1.4μmから約1.6μmの波長の光に対して良好な偏波特性が得られることがわかる。
【0018】
このような良好な偏波特性を有する光学素子100を得るためには、図2(a)において、凸部11の周期P、幅WL、高さHは、以下のように設定することが好ましい。
P<λ
0<WL≦k・P
0<H≦k・P
ここで、λは光の波長、kは係数である。本実施の形態ではkの値を0.5としたが、好適には0.3である。なお、k>0.5の条件では、積層数が増加すると空隙3がなくなり、隣接する凸部11上の誘電体膜どうしがつながってx軸方向に連続した膜となる。かかる構造でも偏光特性は見られるが、偏光依存性波長シフトが減少したり、消光比が低下したりする。
【0019】
なお、光学素子100では、x軸方向の周期(P)、z軸方向の周期を(膜厚t1、t2)を制御することにより、z軸方向の光に含まれるTE波とTM波に対して、フォトニックバンドギャップ(PBG)が生じる波長帯域を任意に変えることができる。
【0020】
続いて、光学素子100の製造方法について簡単に説明する。本実施の形態にかかる製造方法では、まず、主表面を有するシリコン基板10を準備する。シリコン基板10に代えて、GaAsなどの他の半導体基板、石英、パイレックス(登録商標)などのガラス基板、および高分子材料の基板などを用いても構わない。
【0021】
次に、シリコン基板10の主表面をエッチングして、図2(a)のような、所定の周期で設けられたストライプ状の凸部11を形成する。
凸部11の形成工程では、まず、EB露光を用いたフォトリソグラフィ工程により、0.4μmピッチでy軸方向に延びたストライプ状のレジストパターンをシリコン基板10上に形成する。続いて、レジストパターンをエッチングマスクに用いたECRエッチングにより、図2(a)のようなパターンを形成する。
なお、熱酸化膜付きシリコン基板、またはマスク層を予め形成したシリコン基板を用い、レジストパターンをエッチングマスクとして用いたECRエッチングにより、ストライプ状のパターンをかかるシリコン基板上の熱酸化膜またはマスク層に形成した後、ウエットエッチング等の等方性エッチングを行い、図2(b)に示すような凸部13としても構わない。
【0022】
次に、スパッタ法を用いて、シリコン粒子と酸化シリコン粒子とをシリコン基板10の主表面上に交互に堆積させる。シリコン層1は、シリコンをターゲットに用いたDCスパッタ法により、酸化シリコン層2は、酸化シリコンをターゲットに用いたRFスパッタ法により、それぞれ形成する。
かかるスパッタでは、スパッタ粒子の入射方向を、z軸方向(鉛直方向)から所定の角度θだけ傾斜させた方向とする。具体的には、シリコン基板10をスパッタ装置の基板ホルダに対して略垂直に配置し、シリコン基板10の主表面に斜めからスパッタ粒子が入射するようにする。
この結果、シリコン基板10の主表面に入射したスパッタ粒子の一部が凸部11に遮られ(シャドウ効果)、シリコン基板10上の一部には誘電体膜が堆積されず、空隙3となる。
なお、スパッタターゲットとシリコン基板10との間に遮蔽板(図示せず)を配置して、シリコン基板10にz軸方向(鉛直方向)から入射するスパッタ粒子成分を遮蔽しても良い。これにより、隣接する誘電体層の間がつながるのを防止できる。
【0023】
シリコン粒子、酸化シリコン粒子を交互に供給することにより、これらの粒子の入射方向、即ち、z軸から角度θだけ傾斜した方向にシリコン層1、酸化シリコン層2が堆積される。さらに、その間に、同じくz軸方向から角度θだけ傾斜した方向に延びた空隙3が形成される。
ここでは、凸部11上に形成される誘電体層の材料としてシリコン、酸化シリコンを用いたが、これらに換えて、光学素子100の使用波長において透明な他の材料を用いることもできる。例えば、ゲルマニウムやGaAs等の半導体材料、TiO2、Ta2O5、SiN等の酸化物や窒化物を用いても構わない。
以上の工程で、図1に示す光学素子100が完成する。
【0024】
なお、光学素子100では、隣接する誘電体層(シリコン層1、酸化シリコン層2)の間に空隙3を形成したが、スパッタ粒子の入射角θを適当に選択することにより、シリコン層1や酸化シリコン層2に比較して低密度の誘電体層を形成することもできる。かかる構造でも、低密度の誘電体層の屈折率は、隣接するシリコン層1や酸化シリコン層2の屈折率より小さいため、空隙3を形成した場合と同様の効果を得ることができる。
【0025】
以上のように、本実施の形態では、良好な偏波特性を有する光学素子を得ることができる。
また、従来の方法に比較して簡単な方法で、高精度な光学素子を作製することができる。更に、汎用的な製造装置のみを使用して光学素子を作製できる。この結果、安価で歩留りの高い光学素子の製造が可能となる。
【0026】
実施の形態2.
図4は、本発明の実施の形態にかかる、全体が200で表される積層型の光学素子の断面図である。図中、図1と同一符号は、同一又は相当箇所を示し、座標軸も、図1と同じである。
【0027】
光学素子200では、上述の光学素子100と同様に、主表面にストライプ状の凹凸を有するシリコン基板20が用いられるが、凸部21、凹部22のアスペクト比は、光学素子100より大きくなっている。また、凸部21上に積層されるシリコン層1、酸化シリコン層2は、ほぼz軸方向に、例えばそれぞれ3層ずつ積層されている。
【0028】
図4では、ストライプ状の凸部21の周期(ピッチ)Pが1.4μmとなっている。凹部21の幅WGは0.8μm、高さHは1.0μmである。
また、シリコン層1、酸化シリコン層2の、z軸方向の膜厚t1、t2は、それぞれ0.26μm、0.11μmである。かかる膜厚とすることにより、波長1.55μmで使用する偏光ミラーを構成できる。
なお、最上層の酸化シリコン層2の膜厚のみ、リップルと呼ばれる透過特性の変動を防止するために0.35μmとなっている。
【0029】
凹部22の上部には空隙3が形成されるが、積層数が増すにつれて凸部21の上に堆積されるシリコン層1および酸化シリコン層2の幅が広くなっている。
【0030】
かかる光学素子200においても、図3に示すような良好な偏波特性を得ることができる。
【0031】
次に、光学素子200の製造方法について簡単に説明する。かかる製造方法では、まず、主表面を有するシリコン基板20を準備する。実施の形態1と同様に、シリコン基板20に代えて、半導体基板、ガラス基板等を用いても構わない。
【0032】
次に、シリコン基板20の主表面をECRエッチングして、図5のような、所定の周期で設けられたストライプ状の凸部21を形成する。
【0033】
次に、スパッタ法を用いて、シリコン粒子と酸化シリコン粒子とをシリコン基板20の主表面上に交互に堆積させる。シリコン層1は、シリコンをターゲットに用いたDCスパッタ法により、酸化シリコン層2は、酸化シリコンをターゲットに用いたRFスパッタ法により、それぞれ形成する。ただし、実施の形態1とは異なり、スパッタ粒子の入射方向は、特定の角度に傾斜させた方向とする必要はなく、シャドウ効果が作用する斜め入射方向(斜め入射成分)を含む構成であれば良い。
【0034】
シリコン基板20では、特に、凹部22のアスペクト比(高さ/幅)が大きいため、シリコン基板20の主表面に入射したスパッタ粒子の一部が凸部21に遮られ(シャドウ効果)、凹部22内に堆積されるシリコン層1、酸化シリコン層2の量が少なくなる。この結果、図4に示すように、凹部22の上部に空隙3が形成される。
【0035】
なお、積層数の増加とともに、凸部21の上に堆積されるシリコン層1および酸化シリコン層2の、x軸方向の幅は徐々に広くなる。しかし、光学素子200が凹部22上に空隙3を有することにより、x軸方向に偏波特性を有することができる。
【0036】
このように、シャドウ効果を利用して空隙3を形成するには、凹部22の幅WGと深さHの関係が、
0.1WG≦H≦10WG
であることが必要である。
また、x軸方向に良好な偏波特性を得るには、x軸方向に形成される凸部21(又は凹部22)の周期(ピッチ)と使用波長λとの関係が、
P≦λ
であることが好ましい。
【0037】
なお、実施の形態1と同様に、凸部21上に形成される誘電体層の材料には、光学素子200の使用波長において透明な、他の材料を用いることもできる。
また、光学素子200では、凹部22の上は空隙3としたが、シリコン層1や酸化シリコン層2に比較して低密度の誘電体層を形成してもよい。
以上の工程で、図4に示す光学素子200が完成する。
【0038】
以上のように、実施の形態1と同様に、本実施の形態では、良好な偏波特性を有する光学素子を得ることができる。また、従来の方法に比較して簡単な方法で、高精度な光学素子を作製することができる。更に、汎用的な製造装置のみを使用して光学素子を作製できる。
【0039】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明では、安価で、高歩留りの製造に適し、かつ良好な偏波特性を有する光学素子を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1にかかる光学素子の断面図である。
【図2】実施の形態1にかかる光学素子に用いるシリコン基板の断面図である。
【図3】実施の形態1にかかる光学素子の、波長と透過率の関係である。
【図4】実施の形態2にかかる光学素子の断面図である。
【図5】実施の形態2にかかる光学素子に用いるシリコン基板の断面図である。
【符号の説明】
1 シリコン層、2 酸化シリコン層、3 空隙、11 凸部、12 凹部、100 光学素子。
【発明の属する技術分野】
本発明は、透過光、反射光を偏光させる光学素子およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
偏光素子は、任意の直線偏光成分のみを透過または反射させることができる光学素子であり、例えば、屈折率の互いに異なる誘電体材料層を、波長以下の周期で積層した2次元周期構造体、いわゆるフォトニック結晶が用いられた偏光素子が提案されている。フォトニック結晶は、誘電体材料層の周期を適切に設定することにより、光を伝播しないフォトニックバンドギャップ(PBG)を示す。PBGでは、異なる伝播特性を示す互いに直交する偏波成分に対して、一方を反射し、他方を透過させることができる。
【0003】
フォトニック結晶を用いた偏光素子の一例として、1次元的にほぼ周期的な凹凸を持つ2種類以上の膜状物質を、ほぼ周期的に積層した偏光素子がある。具体的には、周期的な溝を有する基板上に、透明の低屈折率媒質であるSiO2層と、透明の高屈折率媒質であるSi層とが、交互に積層された多層構造体となっている(例えば、特許文献1参照)。
かかる偏光素子は、バイアス・スパッタリング法を用いて、周期的な溝状の凹凸を形成した基板上に、凹凸の形状を維持しながらSiO2層とSi層とを交互に形成することにより作製される。かかるバイアス・スパッタリング法は、堆積とエッチングとを同時に行うもので、オートクローニング法として提案されている。
【0004】
また、同様のフォトニック結晶を用いた偏光素子として、Si/SiO2が繰り返し積層された多層膜に、RIEを用いて溝を形成することにより周期的な繰り返し構造を作製した偏光素子も提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特許第3288976号公報
【非特許文献1】
Chuan C. Cheng et al., ”New fabrication techniques for high quality photonic crystals” J. Vac. Sci. Technol. B 15(6), pp.2764−2767 (1997)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述の第1の偏光素子では、オートクローニング法において、堆積とエッチングとが適当に行われるように制御する必要があり、バイアス・スパッタリングの条件設定が困難であった。また、汎用的なスパッタ装置が使用できないという問題もあった。
また、第2の偏光素子では、Si層とSiO2層の異質の材料を交互に積層した積層構造に、光の波長以下の周期で溝を形成することは非常に難しく、この結果、積層数を少なくせざるを得ないため、消光比も小さくなるという問題点があった。
【0007】
そこで、本発明は、工業的に作製が容易な積層型光学素子、およびその製造方法の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、光を偏光させる光学素子であって、第1軸を含み、該第1軸方向に周期的な凹凸を有する主表面を備えた基板と、該主表面上に設けられ、第1誘電体層と、該第1誘電体層とは屈折率の異なる第2誘電体層とが交互に積層された積層構造体とを含み、該積層構造体が、該第1軸方向に周期性を有して配置された低屈折率領域を含み、該低屈折率領域の屈折率が、隣接する該第1誘電体層又は該第2誘電体層の屈折率より小さいことを特徴とする光学素子である。
【0009】
また、本発明は、光を偏光させる光学素子の製造方法であって、第1軸を含む主表面を有する基板を準備する工程と、該主表面上に、該第1軸方向に周期的な凹凸を形成する工程と、該主表面上に、第1誘電体層と、該第1誘電体層と屈折率が異なる第2誘電体層とを交互に堆積する積層工程とを含み、該積層工程が、該主表面に入射する粒子線を該凸部が部分的に遮蔽するように、該主表面の鉛直方向に対して傾いた方向から該粒子線を入射させ、該第1誘電体層中および該第2誘電体層中に、隣接する該第1誘電体層または該第2誘電体層より屈折率の小さい低屈折率領域を形成する工程であることを特徴とする光学素子の製造方法でもある。
【0010】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態にかかる、全体が100で表される積層型の光学素子の断面図である。図中、x軸、y軸、z軸は、互いに直交する3軸を表し、x軸はシリコン基板10の主表面に平行な軸、z軸はシリコン基板10の主表面に垂直な軸である。
【0011】
光学素子100は、シリコン基板10を有する。シリコン基板10の主表面には、x軸方向に、所定の周期で凸部11が設けられている。凸部11は、y軸方向にストライプ状に延びて形成されている。
【0012】
図2(a)は、シリコン基板10の主表面近傍の、x軸方向の断面図である。シリコン基板10の主表面をエッチングして凹部12とすることにより、凸部11が周期的に形成されている。凸部11は、x軸方向に、光学素子100で偏光する光の波長より短い周期で形成され、ここでは、周期(ピッチ)Pが0.4μmとなっている。凸部11の幅WLは0.08μm、高さHは0.05μmである。
【0013】
シリコン基板10の上には、透明な誘電体層であるシリコン層1と、同じく透明な誘電体層である酸化シリコン層2とが交互に積層されている。シリコン層1の屈折率は、酸化シリコン層2の屈折率より大きい。シリコン層1、酸化シリコン層2の、z軸方向の膜厚t1、t2は、それぞれ0.11μm、0.16μmである。シリコン層1と酸化シリコン層2とは、それぞれ7層ずつ、合計14層形成されている。これにより、光学素子100では、z軸方向に、屈折率の異なる層が交互に積層された構造となる。
【0014】
なお、最上層の酸化シリコン層2の膜厚のみ、0.35μmとなっている。これは、リップルと呼ばれる透過特性の変動を防止するためである。また、シリコン基板10の裏面は、例えばSiON等からなる無反射膜(図示せず)により覆われて、裏面での入射光の反射を防止している。
【0015】
また、光学素子100では、シリコン層1と酸化シリコン層2とが、凸部11の上に積層されるため、凹部12上には空隙3が形成される。空隙3は、z軸方向から角度θだけ傾斜して形成されている。後述するように、角度θは、シリコン層1と酸化シリコン層2とを形成するための、スパッタ粒子の入射角度に依存する。
図1に示すように、空隙3は、x軸方向に所定の周期で形成されている。また、空隙3の屈折率(空気の屈折率)は、その両側に形成されたシリコン層1、酸化シリコン層2のいずれの屈折率よりも小さい。このため、光学素子100では、z軸方向から角度θだけ傾いて設けられた低屈折率の空隙3が、x軸方向に所定の周期を有して配置された構造となる。
【0016】
このように、光学素子100では、シリコン基板10の主表面が、z軸方向に延びたストライプ構造であるとともに、x軸方向およびz軸方向に、高屈折率層と低屈折率層とが、所定の周期で交互に積層された構造となっている。これにより、光学素子100は、z軸方向の光に対して偏光特性を有する。
【0017】
図3は、z軸方向から光を入射させた場合の、光学素子100の透過特性である。透過特性は、分光光度計を用いて測定した。図3中、横軸は透過光の波長、縦軸は透過率である。図3からわかるように、波長が約1.4μmから約1.6μmの範囲において、互いに偏波方向が90°異なる光の透過率が大きく異なる。従って、光学素子100を用いることにより、約1.4μmから約1.6μmの波長の光に対して良好な偏波特性が得られることがわかる。
【0018】
このような良好な偏波特性を有する光学素子100を得るためには、図2(a)において、凸部11の周期P、幅WL、高さHは、以下のように設定することが好ましい。
P<λ
0<WL≦k・P
0<H≦k・P
ここで、λは光の波長、kは係数である。本実施の形態ではkの値を0.5としたが、好適には0.3である。なお、k>0.5の条件では、積層数が増加すると空隙3がなくなり、隣接する凸部11上の誘電体膜どうしがつながってx軸方向に連続した膜となる。かかる構造でも偏光特性は見られるが、偏光依存性波長シフトが減少したり、消光比が低下したりする。
【0019】
なお、光学素子100では、x軸方向の周期(P)、z軸方向の周期を(膜厚t1、t2)を制御することにより、z軸方向の光に含まれるTE波とTM波に対して、フォトニックバンドギャップ(PBG)が生じる波長帯域を任意に変えることができる。
【0020】
続いて、光学素子100の製造方法について簡単に説明する。本実施の形態にかかる製造方法では、まず、主表面を有するシリコン基板10を準備する。シリコン基板10に代えて、GaAsなどの他の半導体基板、石英、パイレックス(登録商標)などのガラス基板、および高分子材料の基板などを用いても構わない。
【0021】
次に、シリコン基板10の主表面をエッチングして、図2(a)のような、所定の周期で設けられたストライプ状の凸部11を形成する。
凸部11の形成工程では、まず、EB露光を用いたフォトリソグラフィ工程により、0.4μmピッチでy軸方向に延びたストライプ状のレジストパターンをシリコン基板10上に形成する。続いて、レジストパターンをエッチングマスクに用いたECRエッチングにより、図2(a)のようなパターンを形成する。
なお、熱酸化膜付きシリコン基板、またはマスク層を予め形成したシリコン基板を用い、レジストパターンをエッチングマスクとして用いたECRエッチングにより、ストライプ状のパターンをかかるシリコン基板上の熱酸化膜またはマスク層に形成した後、ウエットエッチング等の等方性エッチングを行い、図2(b)に示すような凸部13としても構わない。
【0022】
次に、スパッタ法を用いて、シリコン粒子と酸化シリコン粒子とをシリコン基板10の主表面上に交互に堆積させる。シリコン層1は、シリコンをターゲットに用いたDCスパッタ法により、酸化シリコン層2は、酸化シリコンをターゲットに用いたRFスパッタ法により、それぞれ形成する。
かかるスパッタでは、スパッタ粒子の入射方向を、z軸方向(鉛直方向)から所定の角度θだけ傾斜させた方向とする。具体的には、シリコン基板10をスパッタ装置の基板ホルダに対して略垂直に配置し、シリコン基板10の主表面に斜めからスパッタ粒子が入射するようにする。
この結果、シリコン基板10の主表面に入射したスパッタ粒子の一部が凸部11に遮られ(シャドウ効果)、シリコン基板10上の一部には誘電体膜が堆積されず、空隙3となる。
なお、スパッタターゲットとシリコン基板10との間に遮蔽板(図示せず)を配置して、シリコン基板10にz軸方向(鉛直方向)から入射するスパッタ粒子成分を遮蔽しても良い。これにより、隣接する誘電体層の間がつながるのを防止できる。
【0023】
シリコン粒子、酸化シリコン粒子を交互に供給することにより、これらの粒子の入射方向、即ち、z軸から角度θだけ傾斜した方向にシリコン層1、酸化シリコン層2が堆積される。さらに、その間に、同じくz軸方向から角度θだけ傾斜した方向に延びた空隙3が形成される。
ここでは、凸部11上に形成される誘電体層の材料としてシリコン、酸化シリコンを用いたが、これらに換えて、光学素子100の使用波長において透明な他の材料を用いることもできる。例えば、ゲルマニウムやGaAs等の半導体材料、TiO2、Ta2O5、SiN等の酸化物や窒化物を用いても構わない。
以上の工程で、図1に示す光学素子100が完成する。
【0024】
なお、光学素子100では、隣接する誘電体層(シリコン層1、酸化シリコン層2)の間に空隙3を形成したが、スパッタ粒子の入射角θを適当に選択することにより、シリコン層1や酸化シリコン層2に比較して低密度の誘電体層を形成することもできる。かかる構造でも、低密度の誘電体層の屈折率は、隣接するシリコン層1や酸化シリコン層2の屈折率より小さいため、空隙3を形成した場合と同様の効果を得ることができる。
【0025】
以上のように、本実施の形態では、良好な偏波特性を有する光学素子を得ることができる。
また、従来の方法に比較して簡単な方法で、高精度な光学素子を作製することができる。更に、汎用的な製造装置のみを使用して光学素子を作製できる。この結果、安価で歩留りの高い光学素子の製造が可能となる。
【0026】
実施の形態2.
図4は、本発明の実施の形態にかかる、全体が200で表される積層型の光学素子の断面図である。図中、図1と同一符号は、同一又は相当箇所を示し、座標軸も、図1と同じである。
【0027】
光学素子200では、上述の光学素子100と同様に、主表面にストライプ状の凹凸を有するシリコン基板20が用いられるが、凸部21、凹部22のアスペクト比は、光学素子100より大きくなっている。また、凸部21上に積層されるシリコン層1、酸化シリコン層2は、ほぼz軸方向に、例えばそれぞれ3層ずつ積層されている。
【0028】
図4では、ストライプ状の凸部21の周期(ピッチ)Pが1.4μmとなっている。凹部21の幅WGは0.8μm、高さHは1.0μmである。
また、シリコン層1、酸化シリコン層2の、z軸方向の膜厚t1、t2は、それぞれ0.26μm、0.11μmである。かかる膜厚とすることにより、波長1.55μmで使用する偏光ミラーを構成できる。
なお、最上層の酸化シリコン層2の膜厚のみ、リップルと呼ばれる透過特性の変動を防止するために0.35μmとなっている。
【0029】
凹部22の上部には空隙3が形成されるが、積層数が増すにつれて凸部21の上に堆積されるシリコン層1および酸化シリコン層2の幅が広くなっている。
【0030】
かかる光学素子200においても、図3に示すような良好な偏波特性を得ることができる。
【0031】
次に、光学素子200の製造方法について簡単に説明する。かかる製造方法では、まず、主表面を有するシリコン基板20を準備する。実施の形態1と同様に、シリコン基板20に代えて、半導体基板、ガラス基板等を用いても構わない。
【0032】
次に、シリコン基板20の主表面をECRエッチングして、図5のような、所定の周期で設けられたストライプ状の凸部21を形成する。
【0033】
次に、スパッタ法を用いて、シリコン粒子と酸化シリコン粒子とをシリコン基板20の主表面上に交互に堆積させる。シリコン層1は、シリコンをターゲットに用いたDCスパッタ法により、酸化シリコン層2は、酸化シリコンをターゲットに用いたRFスパッタ法により、それぞれ形成する。ただし、実施の形態1とは異なり、スパッタ粒子の入射方向は、特定の角度に傾斜させた方向とする必要はなく、シャドウ効果が作用する斜め入射方向(斜め入射成分)を含む構成であれば良い。
【0034】
シリコン基板20では、特に、凹部22のアスペクト比(高さ/幅)が大きいため、シリコン基板20の主表面に入射したスパッタ粒子の一部が凸部21に遮られ(シャドウ効果)、凹部22内に堆積されるシリコン層1、酸化シリコン層2の量が少なくなる。この結果、図4に示すように、凹部22の上部に空隙3が形成される。
【0035】
なお、積層数の増加とともに、凸部21の上に堆積されるシリコン層1および酸化シリコン層2の、x軸方向の幅は徐々に広くなる。しかし、光学素子200が凹部22上に空隙3を有することにより、x軸方向に偏波特性を有することができる。
【0036】
このように、シャドウ効果を利用して空隙3を形成するには、凹部22の幅WGと深さHの関係が、
0.1WG≦H≦10WG
であることが必要である。
また、x軸方向に良好な偏波特性を得るには、x軸方向に形成される凸部21(又は凹部22)の周期(ピッチ)と使用波長λとの関係が、
P≦λ
であることが好ましい。
【0037】
なお、実施の形態1と同様に、凸部21上に形成される誘電体層の材料には、光学素子200の使用波長において透明な、他の材料を用いることもできる。
また、光学素子200では、凹部22の上は空隙3としたが、シリコン層1や酸化シリコン層2に比較して低密度の誘電体層を形成してもよい。
以上の工程で、図4に示す光学素子200が完成する。
【0038】
以上のように、実施の形態1と同様に、本実施の形態では、良好な偏波特性を有する光学素子を得ることができる。また、従来の方法に比較して簡単な方法で、高精度な光学素子を作製することができる。更に、汎用的な製造装置のみを使用して光学素子を作製できる。
【0039】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明では、安価で、高歩留りの製造に適し、かつ良好な偏波特性を有する光学素子を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1にかかる光学素子の断面図である。
【図2】実施の形態1にかかる光学素子に用いるシリコン基板の断面図である。
【図3】実施の形態1にかかる光学素子の、波長と透過率の関係である。
【図4】実施の形態2にかかる光学素子の断面図である。
【図5】実施の形態2にかかる光学素子に用いるシリコン基板の断面図である。
【符号の説明】
1 シリコン層、2 酸化シリコン層、3 空隙、11 凸部、12 凹部、100 光学素子。
Claims (9)
- 光を偏光させる光学素子であって、
第1軸を含み、該第1軸方向に周期的な凹凸を有する主表面を備えた基板と、
該主表面上に設けられ、第1誘電体層と、該第1誘電体層とは屈折率の異なる第2誘電体層とが交互に積層された積層構造体とを含み、
該積層構造体が、該第1軸方向に周期性を有して配置された低屈折率領域を含み、該低屈折率領域の屈折率が、隣接する該第1誘電体層又は該第2誘電体層の屈折率より小さいことを特徴とする光学素子。 - 上記低屈折率領域が、上記基板の主表面の鉛直方向に対して傾斜して設けられたことを特徴とする請求項1に記載の光学素子。
- 上記低屈折率領域が、空隙からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学素子。
- 上記低屈折率領域が、隣接する誘電体層より低密度の領域からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学素子。
- 光を偏光させる光学素子の製造方法であって、
第1軸を含む主表面を有する基板を準備する工程と、
該主表面上に、該第1軸方向に周期的な凹凸を形成する工程と、
該主表面上に、第1誘電体層と、該第1誘電体層と屈折率が異なる第2誘電体層とを交互に堆積する積層工程とを含み、
該積層工程が、該主表面に入射する粒子線を該凸部が部分的に遮蔽するように、該主表面の鉛直方向に対して傾いた方向から該粒子線を入射させ、該第1誘電体層中および該第2誘電体層中に、隣接する該第1誘電体層または該第2誘電体層より屈折率の小さい低屈折率領域を形成する工程であることを特徴とする光学素子の製造方法。 - 上記積層工程が、上記粒子線のうち、上記鉛直方向から上記主表面に入射する成分を抑制する工程であることを特徴とする請求項5に記載の製造方法。
- 光を偏光させる光学素子の製造方法であって、
第1軸を含む主表面を有する基板を準備する工程と、
該主表面上に、該第1軸方向の断面が、深さH、幅Wの略矩形であって、下記式1:
0.1・W ≦ H (式1)
の関係を満たす凹部を、該第1軸方向に周期的に形成する工程と、
該主表面上に、第1誘電体材料と第2誘電体材料との粒子線を交互に入射させ、第1誘電体層と、該第1誘電体層とは屈折率が異なる第2誘電体層とを交互に堆積する積層工程とを含み、
該積層工程が、該主表面に、傾いた方向からの入射成分を含む該粒子線を入射させ、隣接する誘電体層より屈折率の低い低屈折率領域を、該凹部の上の該第1誘電体層および該第2誘電体層中に形成する工程であることを特徴とする光学素子の製造方法。 - 上記低屈折率領域が、空隙からなることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の製造方法。
- 上記低屈折率領域が、隣接する誘電体層より低密度の領域からなることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の製造方法。
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