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3次元フォトニック結晶の作製方法および機能素子
本発明は、3次元的な屈折率周期構造を有する3次元フォトニック結晶の作製方法及び3次元フォトニック結晶を利用した光導波路、光共振器、光学フィルタ、偏光素子等の機能素子に関する。
波長以下の大きさの構造体を周期的に配列することによって電磁波の透過・反射等の特性を制御する概念が、Yablonovitchによって提唱されている(非特許文献1)。このような構造はフォトニック結晶として知られており、ある波長域において、光の損失がない100%の反射率を有する光学素子を実現できる。
このように、ある波長域で反射率を100%にする作用は、従来の半導体が持つエネルギーギャップとの比較から、フォトニックバンドギャップ(作用)と言われている。
また、上記のような構造を3次元的な微細周期構造にすることによって、あらゆる方向から入射した光に対してフォトニックバンドギャップが得られる。これは、完全フォトニックバンドギャップ(作用)とも称される。
完全フォトニックバンドギャップが実現できると、発光素子における自然放出の抑制など様々な応用が可能となり、従来にはない新しい機能素子の実現が可能となる。このため、より広い波長域で完全フォトニックバンドギャップが実現できる構造の機能素子が求められている。
このような完全フォトニックバンドギャップ作用を有する構造が、従来幾つか提案されている(特許文献1,2,3)。
一般に、完全フォトニックバンドギャップが得られる3次元微細周期構造の作製は容易ではない。このため、3次元微細周期構造を光波領域(真空中での光の波長が数μm以下の領域)で動作させることは非常に少ない。
そのような中、屈折率分布が層内にて周期性を持つ屈折率周期構造を含む層を複数積層することにより作製できる、いわゆるLayer−by−Layer構造(以下、LBL構造)が提案されている。LBL構造の代表的なものとしては、特許文献1にて提案されたウッドパイル構造である。ウッドパイル構造とは、図8に示すように、複数の柱状構造体を等間隔Pにて平行に配置した複数の層を積層することにより構成された構造である。該複数の層において、柱状構造体が延びる方向が交互に90度異なっている。
このようなウッドパイル構造の作製方法は、これまでに種々提案されている(特許文献4,5)。例えば、特許文献4では、ウッドパイル構造を、周期構造の形成、堆積および研磨を繰り返すことにより作製する方法を提案している。さらに、非特許文献2には、周期構造の形成と接合とを繰り返す手法によってウッドパイル構造を作製する方法を提案している。
米国特許5,335,240号 米国特許6,597,851号 米国特許6,929,764号 米国特許5,998、298号
Physical Review Letters、Vol.58、pp.2059、1987年 Applied Physics Letters、Vol.65、No.13、pp1617、1994年
非特許文献2にて提案された作製方法は、一度の周期構造の形成工程により2層の周期構造を形成する。しかしながら、周期構造を周囲の枠部によって支えるフリースタンディング構造を作製する必要があり、数100nm程度の厚みを有する微細な構造を作製するのは困難である。
また、特許文献4にて提案された作製手法は、接合工程を含まないため、より高精度なLBL構造の作製が可能である。しかしながら、一度の周期構造の形成工程により作製可能な層数が1層のみであるため、工程数が多くなるという問題がある。しかも、各工程において発生する作製誤差が積算されてLBL構造の特性に影響を及ぼす。さらに、平坦化処理を行う工程では、平坦化処理の選択比の異なる材料が面内に存在するために、皿状の凹部としてのディッシングが発生し、該ディッシングによる作製誤差が発生する。ディッシングは上層に対して作製誤差を与えるため、所望の特性を有するLBL構造の作製にはディッシングの発生を抑制することが不可欠となる。
本発明は、少ない工程数で作製でき、作製誤差も小さい3次元フォトニック結晶および機能素子を提供する。
本発明の一側面は、第1の媒質により形成された第1の構造部と該第1の媒質とは屈折率が異なる第2の媒質により形成された第2の構造部が周期的又は離散的に配置された層が複数積層された3次元フォトニック結晶の作製方法である。該作製方法は、第1の媒質によって第1の膜を形成する第1の工程と、第1の膜の厚み内に、第1の層の第1の構造部を形成する第2の工程と、第1の層内において第1の構造部に隣接する領域および第1の層に積層方向にて隣接する領域に、第2の媒質によって第2の膜を形成する第3の工程と、第2の膜を平坦化する第4の工程と、第2の膜のうち第1の層に積層方向にて隣接する領域に形成された部分の厚み内に、第2の層の第2の構造部を形成する第5の工程とを含む。そして、平坦化された第2の膜の厚みを、第1の層の厚みと第2の層の厚みの和に等しくすることを特徴とする。
なお、上記方法で作製された3次元フォトニック結晶と、該3次元フォトニック結晶内に設けられた欠陥部とを有し、該欠陥部が共振器又は導波路として機能する機能素子も本発明の他の一側面を構成する。
本発明によれば、少ない工程数で作製でき、作製誤差も小さい3次元フォトニック結晶および機能素子を得ることができる。
本発明の実施例1である3次元フォトニック結晶の作製方法の説明図。 実施例1の作製方法で作製された3次元フォトニック結晶の概略図。 本発明の実施例2である3次元フォトニック結晶の作製方法の説明図。 実施例2の作製方法で作製された3次元フォトニック結晶の概略図。 実施例1の作製方法で作製された3次元フォトニック結晶と比べて広いフォトニックバンドギャップを有する3次元フォトニック結晶の概略図。 本発明の実施例3である、線状欠陥部を含む3次元フォトニック結晶の概略図。 本発明の実施例4である、点状欠陥部を含む3次元フォトニック結晶の概略図。 ウッドパイル構造の概略図。
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
図2の(a)〜(c)には、本発明の実施例1である、LBL構造を有する3次元フォトニック結晶200を示している。
3次元フォトニック結晶200は、それぞれ第1の媒質により形成された第1の柱状構造部(第1の構造部)と該第1の媒質とは屈折率が異なる第2の媒質により形成された第2の柱状構造部(第2の構造部)が周期的に配置された層が積層されて構成されている。本実施例の3次元フォトニック結晶200は、第1の層201〜第4の層204の4層を基本周期として構成されている。なお、第1および第2の媒質は空気であってもよく、該空気によって形成される柱状構造部は空間となる。
図2の(a)は各層のxz断面図の一部を示している。(b)は各層のyz断面図の一部を示している。(c)は、各層のxy断面図の一部を示している。
第1の層201および第2の層203では、y方向に延びる第1および第2の柱状構造部がそれぞれ、x方向に等間隔(ピッチ)Pにて並んでいる。第1の層201に含まれる各柱状構造部と第3の層203に含まれる各柱状構造部とは、互いにx方向にP/2ずれた位置に配置されている。第2の層202および第4の層204では、x方向に延びる第1および第2の柱状構造部がそれぞれy方向に等間隔(ピッチ)Pにて並んでいる。第2の層202に含まれる各柱状構造部と第4の層204に含まれる各柱状構造部とは、互いにy方向にP/2ずれた位置に配置されている。
第1の層201は厚みH1を有し、第2の層202は厚みH2を有する。第3の層203は厚みH3を有し、第4の層204は厚みH4を有する。このように、本実施例の3次元フォトニック結晶200は、図8にも示したウッドパイル構造を有する。
図1の(a)〜(g)には、3次元フォトニック結晶200の作製方法を示している。
まず、図1の(a)に示すように、基板101上に、第1の媒質によって、第1の膜102を、図2に示した第1の層201の厚みH1と等しい厚みになるよう形成する(第1の工程)。
次に、(b)に示すように、第1の膜102の厚み内に、第1の層の第1の柱状構造部103を形成する(第2の工程)。
次に、(c)に示すように、第1の層内において第1の柱状構造部103に隣接する領域および第1の層に積層方向(z方向:以下、z方向を上側とする)にて隣接する領域に、第2の媒質によって第2の膜104を形成する(第3の工程)。このとき、第2の膜104は、図2に示した第1の層201の厚みH1と第2の層202の厚みH2との和(H1+H2)よりも厚い厚みT1を有するように形成される。
このようにして、第1の層内における第1の柱状構造部103に隣接する領域に第2の媒質を充填し、第1の層の第2の柱状構造部105を形成する。
第3の工程の時点における第2の膜104の厚みT1を、H1+H2よりも厚くすることで、第2の層を構成する第2の媒質を、第1の層への第2の媒質の充填とともに配置することができる。ここで、第1の柱状構造部103の上面と基板101の上面との段差によって、第2の膜104の上面には窪み110が形成される。
次に、(d)に示すように、第2の膜104に対して、その厚みが第1の層の厚みH1と第2の層の厚みH2との和(H1+H2)と等しい厚みになるように平坦化処理を行う(第4の工程)。このような平坦化処理を行うことで、窪み110を除去することができる。また、平坦化処理を行う第2の膜104の上面は第2の媒質のみによって形成される面であるため、異なる媒質間での平坦化処理選択比の差に起因するディッシングの発生を回避することができる。以上により、屈折率周期構造層である第1の層の作製が完了する。
次に、(e)に示すように、第2の膜104のうち第1の層に上側にて隣接する領域に形成された部分の厚み内に、第2の層の第2の柱状構造部106を形成する(第5の工程)。
次に、(f)に示すように、第2の層内において第2の柱状構造部106に隣接する領域および第2の層に上側にて隣接する領域に、第1の媒質によって第3の膜107を形成する(第6の工程)。このとき、第3の膜107を、第2の層の厚みH2よりも厚い厚みT2を有するように形成する。このようにして、第2の層内における第2の柱状構造部106に隣接する領域に第1の媒質を充填し、第2の層の第1の柱状構造部109を形成する。
さらに、(g)に示すように、第3の膜107に対して、その上端面が第2の層の第2の柱状構造部106の上端面に揃うように(第3の膜107の厚みがH2と等しくなるように)平坦化処理を行う(第7の工程)。これにより、第2の柱状構造部106と高さが揃った第1の柱状構造部109を含む屈折率周期構造層としての第2の層の作製が完了する。
以上の第1から第7の工程により、図2に示した3次元フォトニック結晶200における第1の層201と第2の層202を作製することができる。
そして、図2に示した第3の層203および第4の層204も図1(a)〜(e)の工程により別途作製し、第1および第2の層201,202のうち第2の層202の上面に第3の層203を接合してもよい。
ただし、接合工程において、層間のアライメント誤差が発生する可能性がある。このため、図1(a)〜(g)の工程、すなわち第1の工程から第7の工程を繰り返すことで、第2の層202の上に第3の層203および第4の層204を作製してもよい。さらに、第1の工程から第7の工程を繰り返すことで、第1の層201から第4の層204の基本周期が繰り返される3次元フォトニック結晶200を作製してもよい。
本実施例にて説明した作製方法では、一度の成膜工程において2層分の厚みを有する膜を形成することにより、LBL構造を1周期作製するために必要な工程数を削減することができる。さらに、フリースタンディング構造の接合工程が必要ないため、数10〜数100nmのサイズを有する柱状構造部の形成、層間の高精度アライメントおよび層間の機械的強度(接合強度)を高めることが可能となる。
一般に、1周期のLBL構造では十分な光の反射率を得ることができないため、数周期〜数十周期程度積層して用いられる。LBL構造を1周期作製するために必要な工程数を減らすことにより、LBL構造の作製に必要な工程数を大幅に削減することができる。以上から、本実施例の作製方法を用いて作製されたLBL構造は、微細な構造の作製が可能であり、かつ各工程における作製誤差の積算量が少ないために、光波領域においても良好な特性を得ることができる。
このような3次元フォトニック結晶を構成する材料として、大きな屈折率差を有する2種類以上の材料を選ぶことが望ましい。高屈折率材料として、例えば、GaAs、InP、GaNなどの化合物半導体、TiO2、ZnO等の金属酸化物、有機半導体等を用いることができる。低屈折率材料として、例えば、SiO2等の誘電体、PMMA等の高分子有機材料を用いることができる。より大きな屈折率差を得るために、第1の媒質または第2の媒質を3次元フォトニック結晶の作製後に除去してもよい。除去する媒質としては、例えばAu、Cu等の金属やポリマーを用いることができる。
成膜方法としては、蒸着法、スパッタ法、化学気相成長(Chemical Vapor Deposition:CVD)法に代表される結晶成長、エピタキシャル結晶成長などの結晶成長、ナノ粒子充填法手段、スピンコート法等を用いることができる。また、FCVA(Filtered Cathodic Vacuum Arc)を用いることもできる。
柱状形状を形成する方法としては、マスク形成と電子ビームやフォトリソグラフィによる露光とエッチングを組み合わせた半導体リソグラフィ手法や、ナノインプリントによる刻印手法等を用いることができる。
平坦化処理として、例えばCMP法、ガスクラスターイオンビーム照射、エッチングなどを用いることができる。
図3の(a)〜(g)には、図2に示した3次元フォトニック結晶200の実施例1とは別の作製方法を示している。
まず、図3の(a)に示すように、基板301上に、第1の媒質によって、第1の膜302を、図2に示した第1の層201の厚みH1と等しい厚みになるよう形成する(第1の工程)。
次に、(b)に示すように、第1の膜302の厚み内に、第1の層の第1の柱状構造部303を形成する(第2の工程)。
次に、(c)に示すように、第1の層内において第1の柱状構造部303に隣接する領域および第1の層に上側にて隣接する領域に、第2の媒質によって第2の膜304を形成する(第3の工程)。このとき、第2の膜304は、図2に示した第1の層201の厚みH1と第2の層202の厚みH2との和(H1+H2)よりも厚い厚みT1を有するように形成される。
このようにして、第1の層内における第1の柱状構造部303に隣接する領域に第2の媒質を充填し、第1の層の第2の柱状構造部305を形成する。
第3の工程の時点における第2の膜304の厚みT1を、H1+H2よりも厚くすることで、第2の層を構成することになる第2の媒質を、第1の層への第2の媒質の充填とともに配置することができる。ここで、第1の柱状構造部303の上面と基板301の上面との段差によって、第2の膜304の上面には窪み310が形成される。
次に、(d)に示すように、第2の膜304に対して、その厚みが第1の層の厚みH1と第2の層の厚みH2との和(H1+H2)と等しい厚みになるように平坦化処理を行う(第4の工程)。このような平坦化処理を行うことで、窪み310を除去することができる。また、平坦化処理を行う第2の膜304の上面は第2の媒質のみによって形成される面であるため、異なる媒質間での平坦化処理選択比の差に起因するディッシングの発生を回避することができる。以上により、屈折率周期構造層である第1の層の作製が完了する。
次に、(e)に示すように、第2の膜304のうち第1の層にその上側にて隣接する領域に形成された部分の厚み内に、第2の層の第2の柱状構造部306を形成する(第5の工程)。
次に、(f)に示すように、第2の層内において第2の柱状構造部306に隣接する領域および第2の層に上側にて隣接する領域に、第1の媒質によって第3の膜307を形成する(第6の工程)。このとき、第3の膜307は、図2に示した第2の層202の厚みH2と第3の層203の厚みH3との和(H2+H3)よりも厚い厚みT3を有するように形成される。
このようにして、第2の層内における第2の柱状構造部306に隣接する領域に第1の媒質を充填し、第2の層の第2の柱状構造部308を形成する。
第6の工程の時点における第3の膜307の厚みT2を、H2+H3よりも厚くすることで、第3の層を構成することになる第1の媒質を、第2の層への第1の媒質の充填とともに配置することができる。ここで、第2の柱状構造部306の上面と第1の層の上面との段差によって、第3の膜307の上面には窪み320が形成される。
さらに、(g)に示すように、第3の膜307に対して、その厚みが図2に示した第2の層202の厚みH2と第3の層203の厚みH3との和(H2+H3)と等しい厚みになるように平坦化処理を行う(第7の工程)。これにより、窪み310を除去することができる。また、平坦化処理を行う第3の膜307の上面は第1の媒質のみによって形成される面であるため、異なる媒質間での平坦化処理選択比の差に起因するディッシングの発生を回避することができる。以上により、第3の層に第1の柱状構造部を作製するための第3の膜307の作製が完了する。この時点での第3の膜307は、図3(a)に示した基板301上に形成された第1の膜302に相当する。
以上の第1から第7の工程により、図2に示した3次元フォトニック結晶200における第1の層201と第2の層202が作製され、さらに第3の層203に第1の媒質の膜(第3の膜307)が形成される。
この後、図3(b)〜(g)に示した第2の工程から第7の工程を繰り返すことで第3の層203および第4の層204を作製し、さらに第1の層201から第4の層204の基本周期が繰り返される3次元フォトニック結晶200を作製することができる。
本実施例の作製方法では、一度の成膜工程において2層分の厚みを有する膜を形成することにより、LBL構造を1周期作製するために必要な工程数を削減することができる。しかも、第1の層201と第2の層202間のみではなく第2の層202と第3の層203間の接合強度を実施例1よりもさらに高めることができる。さらに、フリースタンディング構造の接合工程が必要ないため、数10〜数100nmのサイズを有する柱状構造部の形成と層間の高精度アライメントが可能となる。その他、実施例1と同様の効果がある。
図5の(a)〜(c)には、本発明の実施例3である3次元フォトニック結晶500を示している。この3次元フォトニック結晶500は、ウッドパイル構造を有する3次元フォトニック結晶に比べて広いフォトニックバンドギャップを有する。
3次元フォトニック結晶500は、それぞれ第1の媒質により形成された第1の柱状構造部(第1の構造部)と該第1の媒質とは屈折率が異なる第2の媒質により形成された第2の柱状構造部(第2の構造部)が周期的に配置された層が積層されて構成されている。本実施例の3次元フォトニック結晶500は、第1層501〜第12の層512の12層を基本周期として構成されている。なお、第1および第2の媒質は空気であってもよく、該空気によって形成される柱状構造部(および後述する離散構造部)は空間となる。
図5の(a)は各層のxz断面図の一部を示している。(b)は各層のyz断面図の一部を示している。(c)は、各層のxy断面図の一部を示している。
第1の層501および第7の層507では、y方向に延びる第1および第2の柱状構造部がそれぞれ、x方向に等間隔(ピッチ)Pにて並んでいる。第1の層501に含まれる各柱状構造部と第7の層507に含まれる各柱状構造部とは、互いにx方向にP/2ずれた位置に配置されている。第4の層504および第10の層510では、x方向に延びる第1および第2の柱状構造部がそれぞれ、y方向に等間隔(ピッチ)Pにて並んでいる。第4の層504に含まれる各柱状構造部と第10の層510に含まれる各柱状構造部とは互いにy方向にP/2ずれた位置に配置されている。
第2の層502および第3の層503は、第1の層501の第2の柱状構造部と第4の層504の第2の柱状構造部を積層方向から見たときのそれらの交点に相当する位置に、xy断面内にて互いに接しないように離散的に配置された離散構造部を含む。なお、第2の層502の離散構造部と第3の層503の離散構造部は、xy断面における90度の回転により相互に重なる対称性を有する。
同様に、第5および第6の層505,506もそれぞれ、それらの層に積層方向にて隣接する2層の第2の柱状構造部の交点に相当する位置にxy断面にて離散的に配置された離散構造部を含む。さらに同様に、第9の層508,509および第11,第12の層511,512もそれぞれ、それらの層に積層方向にて隣接する2層の第2の柱状構造部の交点に相当する位置にxy断面にて離散的に配置された離散構造部を含む。各離散構造部は、第2の媒質により形成されており、該離散構造部を含む層に隣接する層の第2の柱状構造部に接している。
また、本実施例において、第1の層501〜第12の層512はそれぞれ、厚みH1〜H12を有している。
図4の(a)〜(g)には、3次元フォトニック結晶500の作製方法を示している。
まず、図4の(a)に示すように、基板401上に、第1の媒質によって、第1の膜402を、図5に示した第1の層501の厚みH1と等しい厚みになるよう形成する(第1の工程)。
次に、(b)に示すように、第1の膜402の厚み内に、第1の層の第1の柱状構造部403を形成する(第2の工程)。
次に、(c)に示すように、第1の層内において第1の柱状構造部403に隣接する領域および第1の層に上側にて隣接する領域に、第2の媒質によって第2の膜404を形成する(第3の工程)。このとき、第2の膜404は、図5に示した第1の層501の厚みH1と第2の層502の厚みH2との和(H1+H2)よりも厚い厚みT1を有するように形成される。
このようにして、第1の層内における第1の柱状構造部403に隣接する領域に第2の媒質を充填し、第1の層の第2の柱状構造部405を形成する。
第3の工程の時点における第2の膜404の厚みT1を、H1+H2よりも厚くすることで、第2の層を構成することになる第2の媒質を、第1の層への第2の媒質の充填とともに配置することができる。ここで、第1の柱状構造部403の上面と基板401の上面との段差によって、第2の膜404の上面には窪み410が形成される。
次に、(d)に示すように、第2の膜404に対して、その厚みが第1の層の厚みH1と第2の層の厚みH2との和(H1+H2)と等しい厚みになるように平坦化処理を行う(第4の工程)。このような平坦化処理を行うことで、窪み410を除去することができる。また、平坦化処理を行う第2の膜404の上面は第2の媒質のみによって形成される面であるため、異なる媒質間での平坦化処理選択比の差に起因するディッシングの発生を回避することができる。以上により、屈折率周期構造層である第1の層の作製が完了する。
次に、(e)に示すように、第2の膜404の厚み内に、第2の層の離散構造部406を形成する(第5の工程)。
次に、(f)に示すように、第2の層内において離散構造部406に隣接する領域および第2の層に上側にて隣接する領域に、第1の媒質によって第3の膜407を形成する(第6の工程)。このとき、第3の膜407は、図5に示した第2の層502の厚みH2と第3の層503の厚みH3との和(H2+H3)よりも厚い厚みT2を有するように形成される。このようにして、第2の層内における離散構造部406に隣接する領域408に第1の媒質を充填する。
第6の工程の時点における第3の膜407の厚みT2を、H2+H3よりも厚くすることで、第3の層を構成することになる第1の媒質を、第2の層への第1の媒質の充填とともに配置することができる。ここで、離散構造部406の上面と第1の層の上面との段差によって、第3の膜407の上面には窪み420が形成される。
さらに、(g)に示すように、第3の膜407に対して、その厚みが図5に示した第2の層502の厚みH2と第3の層503の厚みH3との和(H2+H3)と等しい厚みになるように平坦化処理を行う(第7の工程)。これにより、窪み420を除去することができる。また、平坦化処理を行う第3の膜407の上面は第1の媒質のみによって形成される面であるため、異なる媒質間での平坦化処理選択比の差に起因するディッシングの発生を回避することができる。以上により、第3の層に離散構造部を作製するための第3の膜407の作製が完了する。この時点での第3の膜407は、図4(a)に示した基板401上に形成された第1の膜402に相当する。
以上の第1から第7の工程により、図5に示した3次元フォトニック結晶500における第1の層501と第2の層502が作製され、さらに第3の層503に第1の媒質の膜(第3の膜407)が形成される。
この後、図5に示した各層の構造と厚みを考慮しながら、図4(b)〜(g)に示した第2の工程から第7の工程を繰り返すことで、第3の層503〜第12の層512を作製できる。さらに、第2の工程から第7の工程を繰り返すことで、第1の層501から第12の層512の基本周期が繰り返される3次元フォトニック結晶500を作製することができる。
本実施例の作製方法では、一度の成膜工程において2層分の厚みを有する膜を形成することにより、LBL構造を1周期作製するために必要な工程数を削減することができる。しかも、第1の層501と第2の層502間のみではなく第2の層502と第3の層503間の接合強度を実施例1よりもさらに高めることができる。さらに、フリースタンディング構造の接合工程が必要ないため、数10〜数100nmのサイズを有する柱状構造体の形成と層間の高精度アライメントが可能となる。その他、実施例1と同様の効果がある。
本実施例にて説明した3次元フォトニック結晶は、実施例1,2にて説明した3次元フォトニック結晶とは異なる屈折率周期構造を含む層が積層されて構成されている。このように、本発明の3次元フォトニック結晶の作製方法は、各層の屈折率周期構造のパターンに依存しない。
また、本実施例では、柱状構造部の交点に相当する位置に離散構造部を有する層が柱状構造部を有する層の両側に2層ずつ設けられた場合について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、柱状構造部を有する層の両側に1層又は3層ずつ離散構造部を含む層を設けたり、柱状構造部を有する層の片側にのみ離散構造部を含む層を設けたりしてもよい。
次に、実施例1〜3の作製方法によって作製された3次元フォトニック結晶を用いた機能素子の例について説明する。
図6の(a)には、3次元フォトニック結晶の内部に、線状の周期欠陥部601を設けて導波路として機能する機能素子600のxz断面を示している。図6の(b)は、(a)におけるA−A′線での断面を示している。
3次元フォトニック結晶中に、線状の周期欠陥部を設けることにより、フォトニックバンドギャップ内の一部の波長帯域に対して、線状の周期欠陥部601にのみ電磁波が存在できる状態にすることができる。導波路600は、低損失で、急峻な曲げ角度を実現できる導波路である。
周期欠陥部601は、3次元フォトニック結晶を作製する際における層内の屈折率周期構造を形成する工程にて、構造部を除去したり位置をずらしたり形状を変えたりすることで作製される。また、3次元フォトニック結晶の一部を、該結晶を構成する媒質とは異なる屈折率を有する媒質で置換することによっても作製できる。
図7の(a)には、3次元フォトニック結晶の内部に、点状の周期欠陥部701を設けて共振器として機能する機能素子700のxz断面を示している。図7の(b)は、(a)におけるB−B′線での断面を示している。
3次元フォトニック結晶中に点状の周期欠陥部701を設けることにより、フォトニックバンドギャップ内の一部の波長帯域に対して、該周期欠陥部701にのみ電磁波が存在できる状態にすることができる。共振器700は、非常に小さい領域に電磁波を閉じ込め、且つ閉じ込め効果の高い高性能な共振器である。この共振器を用いることにより、入射波から共振器の共振波長に対応した非常に狭い波長帯域の電磁波を取り出す波長選択フィルタなどが構成できる。周期欠陥部701は、選択波長が所望の波長帯域となるように、3次元フォトニック結晶を作製する際における層内の屈折率周期構造を形成する工程にて、構造部を除去したり、位置をずらしたり、形状を変えたりして作製できる。
図6および図7に示した欠陥部を含む3次元フォトニック結晶は、実施例1〜3のいずれかの作製方法を用いて、少ない工程数で作製されている。また、欠陥部のxy面での平坦性が高いために、散乱による光の損失を抑制することができる。さらに、作製誤差による欠陥部に存在できる電磁波の波長帯域のずれを抑制することができる。
図7に示した欠陥部701内又はその近傍に活性媒質を充填し、共振器700の外部から電磁波や電流によりエネルギーを供給することにより、非常に効率の高いレーザやLED等の発光素子を実現することができる。例えば、共振器の共振波長を赤外光通信波長帯域(800nm〜1800nm)に対応させることで光通信用光源に用いることができる。また、光の三原色である赤(R)、緑(G)、青(B)に対応させることで、画像表示装置用光源に用いることができる。さらに、CDやDVD等の光ピックアップ用光源に用いることもできる。
なお、図6に示した導波路、図7に示した共振器、発光素子およびフォトニックバンド内の分散異常を用いた偏光素子等の様々な機能素子を組み合わせることで、低コストに超小型高機能集積回路を実現することができる。
以上説明した各実施例は代表的な例にすぎず、本発明の実施に際しては、各実施例に対して種々の変形や変更が可能である。
少ない工程数で作製でき、作製誤差も小さい3次元フォトニック結晶および機能素子を提供できる。
101 基板
102,104,107 薄膜
103,106,109 柱状構造部
105,108 窪み
200 3次元フォトニック結晶
201 第1の層
202 第2の層
203 第3の層
204 第4の層
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