JP4603847B2 - 共振器および発光素子および波長変換素子 - Google Patents
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Description
Physical Review Letters、Vol.58、pp.2059、1987年
図1は本発明の実施例1の3次元フォトニック結晶を用いた共振器の要部概略図である。共振器10は、周期構造部(3次元フォトニック結晶)100とその内部に形成された周期欠陥部(点状欠陥部)120によって構成されている。周期構造部100は、xy平面を含む層101〜112の12層を基本周期として構成されている。図2は各層のxy断面の一部を示す。第1の層101および第7の層107は、第1の媒質(高屈折率)によるy軸に平行な複数の柱状構造101aおよび107aが等間隔P(第1の間隔)でx方向に配置されており、柱状構造101aおよび107aはx軸方向にP/2ずれた位置に配置されている。また、第4の層104および第10の層110は、第1の媒質によるx軸に平行な複数の柱状構造104aおよび110aが等間隔P(第2の間隔)でy方向に配置されており、柱状構造104aおよび110aはy軸方向にP/2ずれた位置に配置されている。付加層を構成する第2の層102および第3の層103には、第1の層101中の柱状構造101aおよび第4の層104中の柱状構造104aの交点に相当する位置(交差領域)に、xy平面内において互いに接しないように離散的に配置された第1の媒質による離散構造102aおよび103aが配置されている。なお、離散構造102aと103aはxy面内における90度の回転により相互に重なる対称性を有している。同様に、柱状構造を含む層の間にある付加層を構成する第5の層105、第6の層106、第8の層108、第9の層109、第11の層111、第12の層112には、柱状構造の交点に相当する位置(交差領域)に、xy平面内において離散的に配置された第1の媒質による離散構造105a、106a、108a、109a、111a、112aが配置されている。柱状構造と離散構造は互いに接しており、柱状構造および離散構造以外の部分は第2の媒質(低屈折率)で充填されている。第1、第2の媒質の屈折率、柱状構造および離散構造の形状や間隔、各層の厚さなどを最適化することにより、所望の周波数域(波長域)に非常に広い周波数帯域(波長帯域)で完全フォトニックバンドギャップを得ている。
図11は本発明による共振器の参考例の要部概略図である。共振器20は、周期構造部200とその内部に形成された周期欠陥部(点状欠陥部)210から構成されている。周期構造部200は、xy平面を含む層201〜204の4層を基本周期として構成されている。第1の層201および第3の層203は、第1の媒質(高屈折率)によるy軸に平行な複数の柱状構造201aおよび203aが等間隔P(第1の間隔)でx方向に配置されており、柱状構造201aおよび203aはx軸方向にP/2ずれた位置に配置されている。また、第2の層202および第4の層204は、第1の媒質によるx軸に平行な複数の柱状構造202aおよび204aが等間隔P(第2の間隔)でy方向に配置されており、柱状構造202aおよび204aはy軸方向にP/2ずれた位置に配置されている。各層中の柱状構造以外の部分は第2の媒質(低屈折率)で充填されている。第1、第2の媒質の屈折率、柱状構造の形状や間隔、各層の厚さなどを最適化することにより、所望の周波数域(波長域)に非常に広い周波数帯域(波長帯域)で完全フォトニックバンドギャップを得ている。第1の媒質の屈折率を3.3、第2の媒質の屈折率を1として、柱状構造の間隔をPとして、全ての柱状構造を断面のz軸方向の一辺の長さが0.3×P、xあるいはy方向で0.25×Pの長方形の角柱として、平面波展開法によりフォトニックバンド構造を解析した結果を図13に示す。図13において、横軸は、波数ベクトルすなわちフォトニック結晶に入射する電磁波の入射方向を表しており、例えばK点はx軸(もしくはy軸)に平行な波数ベクトル、X点はxy平面内において、x軸(あるいはy軸)に対して45°の傾きをもった波数ベクトルを表している。一方、縦軸は格子周期で規格化した周波数(規格化周波数)を示している。図13中のハッチングで示した規格化周波数0.39から0.46の領域においては、光の入射方向によらず光が存在できず、完全フォトニックバンドギャップが形成されている。例えば柱状構造205の間隔Pが0.5μmとすると、1.09μmから1.28μmの波長域で、間隔Pが250nmとすると、540nmから640nmの波長域で完全フォトニックバンドギャップが形成される。
次に本発明の共振器を用いた光機能素子の実施例を示す。実施例1および参考例に示した3次元フォトニック結晶内部の周期欠陥部(点状欠陥部)に発光作用を有する活性媒質を充填し、この活性媒質に対して外部から電磁波や電流などでエネルギーを供給することにより、非常に効率の高いレーザやLEDなどの発光素子を実現することができる。周期欠陥部に充填される活性媒質は所望の発振波長により、例えばInGaAsPやAlGaAs、AlGaInP、AlGaN、InGaN、ZnSe、ZnS系の多重量子井戸構造、多重量子ドット構造や有機材料などから選択することができる。これにより、ディスプレイ用光源、光通信用光源、THz光源、DVDなどの光ピックアップ用光源に好適な高効率レーザ光源を実現できる。図19にキャリア注入により発光する活性部を周期欠陥部に形成したレーザ素子の構成例を示す。レーザ素子300は、周期構造部310中に実施例1および参考例に示した周期欠陥部320を設けることにより形成される共振器、p型電極331、p型キャリア伝導路330、n型電極341、n型キャリア伝導路340、導波路350から構成される。共振器内部にはキャリア注入により発光作用を呈する活性部が形成されている。導波路350は、周期構造部310中に周期を乱す線状の欠陥部を設けることにより形成される線欠陥導波路であり、その導波モードは、共振器の共振モードを考慮し、共振器との結合効率が高くなるように、線状欠陥部の形状や屈折率を最適化することにより決定される。線状の欠陥は、周期構造部310中の柱状構造の形状や屈折率などを変えたり、新たに柱状構造を加えるなどして形成される。p型電極331、p型キャリア伝導路330を介して、共振器に正孔が供給され、n型電極341、n型キャリア伝導路340を介して、共振器に電子が供給され、共振器内部で結合して発光、レーザ発振し、導波路350を介して外部に取り出される。
100、200、310、410 周期構造部
101〜112 第1〜第12の層
201〜204 第1〜第4の層
101a、104a、107a、110a 柱状構造
102a、103a、105a、106a、108a、109a、111a、112a 離散構造
120、210、320、420 周期欠陥部
P ピッチ
300 レーザー素子
330 p型キャリア伝導路
331 p型電極
340 n型キャリア伝導路
341 n型電極
350 導波路
400 波長変換素子
430 入力用導波路
440 出力用導波路
Claims (6)
- 3次元フォトニック結晶の内部に周期欠陥部が形成されている共振器であって、
該3次元フォトニック結晶は、複数の柱状構造が第1の間隔を空けて配列された第1の層と、該第1の層の前記柱状構造とは異なる方向に延びる複数の柱状構造が第2の間隔を空けて配列された第2の層と、前記第1の層の前記柱状構造と同じ方向に延びる複数の柱状構造が前記第1の間隔を空けて配列された第3の層と、前記第2の層の前記柱状構造と同じ方向に延びる複数の柱状構造が前記第2の間隔を空けて配列された第4の層とを有し、前記第1の層と前記第3の層に含まれる柱状構造が、相互に該柱状構造の延びる方向と垂直な方向に前記第1の間隔の半分ずれるように積層され、前記第2の層と前記第4の層に含まれる柱状構造が、相互に該柱状構造の延びる方向と垂直な方向に前記第2の間隔の半分ずれるように積層されており、
該3次元フォトニック結晶は、前記4つの層の各層に平行な平面内において離散的に配置された離散構造を含む層を1層以上含む付加層を有し、前記第1の層から前記第4の層は各層の間に前記付加層を介して、前記第1の層から前記第4の層の順序で周期的に積層されており、前記付加層に含まれる離散構造は前記柱状構造の交差領域に配置されており、
前記周期欠陥部は前記離散構造を含む層を少なくとも一層含むように形成されており、
前記周期欠陥部の中心は、前記柱状構造の交差領域の中心から積層方向に延びる軸上にあり、
単一モードで動作することを特徴とする共振器。 - 前記付加層は、前記離散構造を含む層を2層以上有することを特徴とする請求項1に記載の共振器。
- 前記周期欠陥部は、前記離散構造を含む層にのみ形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の共振器。
- 前記周期欠陥部は、前記離散構造を含む層および前記柱状構造を含む層に形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の共振器。
- 前記周期欠陥部に非線形媒質が配置されている請求項1乃至4に記載の共振器を有することを特徴とする波長変換素子。
- 前記周期欠陥部に発光作用を呈する活性媒質が配置されている請求項1乃至4に記載の共振器と、該活性媒質を励起させる励起手段とを有することを特徴とする発光素子。
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