JP2009054795A - 半導体レーザ - Google Patents

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Abstract

【課題】フォトニック結晶を用いた半導体レーザが発するレーザ光のコヒーレンスを低下させる。
【解決手段】フォトニック結晶を用いた半導体レーザにおいて、レーザモードを規定する構造パラメータをフォトニック結晶の面内で漸次変化させるチャープ構造とする。フォトニック結晶の面内において、異なる構造パラメータが設定された各部位からは、各構造パラメータに応じて定まる波長や位相をもつレーザ光が局所的に発生する。構造パラメータを漸次チャープ状になめらかに変化させることによって、波長や位相は漸次チャープ状になめらかに変化するレーザ光を発光する。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体レーザに関し、特にフォトニック結晶を用いてコヒーレンスを低減したレーザ光を発生する半導体レーザに関する。
光ディスクやレーザディスプレイでは、高出力で所望の出射ビームをもつ半導体レーザが求められている。このような半導体レーザとしてフォトニック結晶レーザが提案されている(非特許文献1,2)。このフォトニック結晶レーザでは、二次元的な回折格子によって面内全域で光結合を起こさせ、回折条件によってレーザ光を上方へ取り出している。
フォトニック結晶は光の波長程度の長さの周期性を有する結晶構造であり、誘電率の異なる物質を光の波長程度の間隔で周期的に並べることで構成することができる。
このようなフォトニック結晶には、光がフォトニック結晶中を伝播できないフォトニックバンドギャップと呼ばれる波長領域が存在する。このバンドギャップに相当する波長の光がフォトニック結晶に入射すると、結晶内部で光は伝播できないので境界面で全反射される。
フォトニック結晶の周期構造の欠陥により、フォトニックバンドギャップ中に局在欠陥モードが現れ、このモードの光波は結晶の格子定数程度の拡がりで欠陥領域に局在する。また、バンドギャップ中では局在モード以外の光波のモードは存在しないため、不要な自然放出光が抑えられ、欠陥とその周囲のフォトニック結晶は微小共振器を形成し、特定の波長の光が定常状態(共振モードと呼ぶ)を形成し、光は強く閉じ込められる。この共振ピークの波長は、欠陥や周囲のフォトニック結晶を構成する物質の屈折率等に依存して変化する。
また、フォトニック結晶の構造に係わる先行技術として、光導波路において、構造パラメータを変化させことによって、面内のレーザと導波路との光接続を向上させること(非特許文献3,4参照)、光制御素子において、構造パラメータを変化させことによって短パルスの光に対して群速度遅延を制御し、波長分散を制御すること(特許文献1参照)が提案されている。
Dai Ohnishi,Takayuki Okano,Masahiro Imada,Susumu Noda OPTICS EXPRES 19April2004/Vol.12, 1562-1568 Room temperature continuous wave operation of a surface-emitting two-dimensional photonic crystal diode laser Eiji Miyai,Kyosuke Sakai,Takayuki Okano,Watanabe Kunishi,Dai Ohnishi,Susumu Noda NATURE Vol441 June 2006 Lasers producing tailored beams H.Watanabe T.Baba ELECTRONICS LETTRES 8th June 2006 Vol.42 No.12 Active/Passive-integrated photonics crystal slab -μlaser Wabhug Zheng,Xiaotao Ma,Gang Ren,Xianghua Cai, Lianghui Chen,Kengo Nozaki,Toshihiko Baba Quantum Electrinics and Laser Science Conference ( QELS),QTuL6,May 2006 High Eficiency Operation of Photonic Crystal Microlaser 特開2005−181950公報
光ディスクに適用するレーザ光では、対象物で反射してレーザ光源に戻ってくる反射レーザ光が照射レーザ光に対してノイズ分となるという問題があるため、照射レーザ光と反射レーザ光の位相が一致しないように、適度な低時間コヒーレンスが求められる。
また、レーザディスプレイに適用するレーザ光では、面内のちらつきの原因となるスペックルノイズを抑えるために、適度な低空間コヒーレンスが求められる。
一方、上記したフォトニック結晶レーザは、二次元的な回折格子によって発振波長とビーム径形状が明確に規定されるため、発せられるレーザ光はコヒーレンスが高く、光ディスクではノイズが発生する要因となり、また、レーザディスプレイではスペックルノイズによって面内がちらつく要因となっている。
本発明は前記した従来の問題点を解決し、フォトニック結晶を用いた半導体レーザが発するレーザ光のコヒーレンスを低下させることを目的とする。
本発明は、フォトニック結晶を用いた半導体レーザにおいて、レーザモードを規定する構造パラメータをフォトニック結晶の面内で漸次変化させるチャープ構造とするものである。
フォトニック結晶の面内において、異なる構造パラメータが設定された各部位からは、各構造パラメータに応じて定まる波長や位相をもつレーザ光が局所的に発生する。ここで、構造パラメータを漸次チャープ状になめらかに変化させることによって、発生するレーザ光の波長や位相は漸次チャープ状になめらかに変化する。
これによって、フォトニック結晶から発生するレーザ光は、局所的にはそれぞれの構造パラメータに応じた波長や位相を有するものの、面全体としては所定の波長幅を有し、各位相にばらつきを有することになり、結果的にレーザ光の波長に所定の幅を持たせることで空間コヒーレンスを低減させ、位相にばらつきを持たせることによって時間コヒーレンスを低減させることができる。
本発明の半導体レーザは、活性層とこの活性層の一方の面に積層して成る二次元フォトニック結晶とを有する半導体レーザであり、フォトニック結晶の構造パラメータの少なくとも一つを二次元フォトニック結晶の面内の少なくとも一方向に向かって漸次変化させるチャープ構造とする。フォトニック結晶においてその構造パラメータに応じた波長のレーザ光が局所的に発生する。また、各所で発生するレーザ光の位相間に位相差が生じる。この構造パラメータを漸次的に変えるチャープ構造とすることで、漸次変化した多数の波長を含む出力光が得られる。
したがって、構造パラメータがチャープ状に変化する半導体レーザのフォトニック結晶の面全体からは、複数の異なる波長を含んで所定の波長幅を持ち、位相にばらつきを持つレーザ光が発せられることになる。
ここで、二次元フォトニック結晶は、媒質層と、この媒質層と異なる屈折率を持つと共に媒質層内の面方向に配列される複数の媒質部とを備える。フォトニック結晶は、そのフォトニック結晶の特性を定める複数の構造パラメータを有する。構造パラメータとしては、例えば、媒質層の膜厚、媒質層の屈折率、媒質部の格子定数、媒質部の大きさ、媒質部の形状等を含む。これらの構造パラメータのなくとも一つの値を面方向に変えることによって、同一の半導体レーザにおいて、発生するレーザ光の波長は面内の位置に応じて変わり、また、レーザ光の位相は面内の位置に応じてばらつくことになる。また、構造パラメータをチャープ状に変えることで、発生するレーザ光にチャープ状に変化する複数の波長を含ませることができる。
フォトニック結晶の形成において、媒質層の膜厚方向に形成する孔を設けることで、媒質層に対して屈折率が異なる媒質部が形成される。この孔を例えば空気孔とすることで、媒質層と媒質部との屈折率を異ならせることができる
本発明は、この孔を媒質層の面に複数個配列し、この媒質部に関わる構造パラメータを面内の方向に変えて形成する。フォトニック結晶の媒質部を、媒質層の膜厚方向に形成された孔によって形成する場合には、構造パラメータである媒質部の格子定数、媒質部の大きさ、および媒質部の形状は、それぞれ孔の配置間隔、孔の径、および孔の形状に相当する。これら孔の配置間隔、孔の径、孔の形状等の少なくとも一つについて、その値を面方法に変えることによって、レーザ光の波長や位相をフォトニック結晶の面内でばらつかせることができる。
本発明のフォトニック結晶において、複数の構造パラメータの内で一つの構造パラメータについてチャープ状に変更する場合には、この構造パラメータを二次元フォトニック結晶の面内の少なくとも一方向に漸増又は漸減させる。
また、複数の構造パラメータ中から選択した二つ以上の構造パラメータについてチャープ状に変更する場合には、選択した複数の構造パラメータを二次元フォトニック結晶の面内において同一の方向に漸増又は漸減させる。
本発明は、フォトニック結晶を用いた半導体レーザとして、バンドエッジレーザと線欠陥レーザに適用することができる。
バンドエッジレーザは、活性層の励起光を二次元フォトニック結晶で共振させて面方向と垂直な方向に発光するレーザであり、構造パラメータがチャープ状に漸次的に変化する部分から波長および位相が異なる光を放出させることによって、全体としてコヒーレンス性を調整したレーザ光を発光する。
また、線欠陥レーザは、活性層の励起光を二次元フォトニック結晶で共振させて媒質層に形成した線欠陥に沿って発光するレーザであり、構造パラメータが漸次的に変化する部分から波長および位相が異なる光を線欠陥によって形成される導波路に放出させ、導波路の端部からコヒーレンス性を調整したレーザ光を発光する。
なお、フォトニック結晶において、構造パラメータを変化させることは、上記した非特許文献3,4や特許文献1で知られているが、この構成パラメータは、レーザと導波路との光接続に係わるものであり、また、短パルスの光に対する群速度遅延の制御に係わるものであって、フォトニック結晶の有した半導体レーザが発するレーザ光の波長幅を広げて、低コヒーレンスのレーザ光を得ることについて開示するものではない。
本発明によれば、フォトニック結晶を用いた半導体レーザが発するレーザ光のコヒーレンスを低下させることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の二次元フォトニック結晶からなる半導体レーザを模式的に示した構成図であり、図1(a)はバンドエッジレーザの構成例を示し、図1(b)は線欠陥レーザの構成例を示している。図1の斜視図は、スラブ型の二次元フォトニック結晶からなる半導体レーザの側面の一例を模式的に示している。
図1(a)に示すバンドエッジレーザ10において、1はクラッド層を構成する薄膜、2はクラッド層内に形成する孔である。フォトニック結晶は高屈折率の材料からなるクラッド層1と、低屈折率の材料からなる孔2とによって構成され、孔2はクラッド層1の面内にほぼ周期的に複数配列されている。孔2はクラッド層1の厚さ方向に形成され、この孔2内の空間を例えば空気の雰囲気とすることによって、クラッド層1部分の異なる屈折率としている。
したがって、この二次元フォトニック結晶は、半導体のスラブ(薄膜)に二次元的な空孔配列が形成された構造であり、光は面内では二次元フォトニックバンドギャップによって制御され、スラブの屈折率を空気層との間で全反射しない範囲とすることで垂直方向に放出している。
図1(a)に示すバンドエッジレーザ10は、基板4上にアンダークラッド層3を積層し、さらにアンダークラッド層3の上部に孔2を含むクラッド層1を積層してなる。孔2はクラッド層1の薄膜内に垂直に例えば円柱状に設けられており、その上部は開口している。アンダークラッド層3は、クラッド層1よりも屈折率が低い材料から構成され、アンダークラッド層3の下に基板4が設けられている。アンダークラッド層3は活性層を含み、この活性層で励起されたレーザ光はクラッド層1と孔2とから形成されるフォトニック結晶の共振器で共振され、クラッド層1の上面から上方に向かって発光される。
フォトニック結晶の側面構造は、従来のスラブ型二次元フォトニック結晶と同様の構成とすることができ、従来の微細加工により技術を用いてスラブ型二次元フォトニック結晶の形状自体を形成することができる。
フォトニック結晶は、一般的には、屈折率が光の波長オーダで一定の周期性を有する構成からなる材料において、フォトニックバンドギャップと呼ばれるフォトンが存在しない領域を有していることで知られている。
本発明の半導体レーザが備えるフォトニック結晶は、レーザモードを規定する構造パラメータをフォトニック結晶の面内で漸次変える構成を備える。構造パラメータは、フォトニック結晶のレーザモードを規定するパラメータであって、孔径rの他に、例えば、隣接する孔間の間隔a、スラブ(クラッド層)の厚さd、スラブ(クラッド層)の屈折率n、孔の形状等とすることができる。本発明は、これらの構造パラメータを面内において漸次変化させる構成とする。図1では、図中の左右方向に構造パラメータを漸次変化させた例を示している。
フォトニック結晶の面内の各部位では、その部位に設定された構造パラメータに応じた波長λのレーザ光を局所的に発光し、全体として波長幅が広がり、コヒーレンスが低減したレーザ光が放出される。
図1(a)に示すバンドギャップレーザ10では、図中の左右方向に波長が変化したレーザ光が面に対して垂直な方向に放出される例を示している。なお、図では、説明を簡便にするためにレーザ光の波長が変化する例としてλ1〜λ5を示しているが、波長の個数はこれに限られるものではなく、構造パラメータの変化に伴って全体的に連続した波長変化として観察される。
図1(b)は、線欠陥レーザの構成例であり、図1(a)で示した構成に加えて、孔2が形成されていない部分によって欠陥導波路5が構成されている。この構成において、光は面内では二次元フォトニックバンドギャップによって制御され、垂直方向には半導体と空気との大きな屈折率差による全反射閉じ込めによって制御される。線欠陥の両側に位置する空気円孔の中心間も幅は、格子定数aよりも大きく設定される。
図1(b)に示す線欠陥レーザ11では、図中の左右方向に波長が変化したレーザ光が、線状に形成された欠陥部分に沿って、面と平行な方向に放出される例を示している。なお、図1(b)と同様に、説明を簡便にするためにレーザ光の波長が変化する例としてλ1〜λ5を示しているが、波長の個数はこれに限られるものではなく、構造パラメータの変化に伴って全体的に連続した波長変化として観察される。
したがって、本発明の半導体レーザは、フォトニック結晶において構造パラメータを面内において漸次変化させる構成とすることによって、各構造パラメータに対応した波長のレーザ光が局所的に発光する。
図2は、本発明のフォトニック結晶の配列例を示している。図2は構造パラメータの一つである円孔の径rについて、この孔径rを面方向に漸増あるいは漸減させた例を示している。図2は、面内の右方向に向かって孔径rが漸減する例を示している。
図2(a)は正方格子配列を示し、図2(b)は三角格子配列を示している。図2は、フォトニック結晶の構成を特徴づける実空間における孔2の周期(孔の間隔a)と、孔の径rと、スラブ(クラッド層)の厚さd、スラブ(クラッド層)の屈折率nを模式的に示している。フォトニック結晶の孔2の周期は図中の間隔(ピッチ)aで表すことができ、孔2の径は半径rで表すことができる。なお、隣接する孔2間の間隔aは格子定数(=λ/n)に相当する。λは波長を示し、nは屈折率を示している。
また、フォトニック結晶の基板は、レーザウエハや多重量子井戸(MQW)ウエハを用いることができ、例えば、InPの基板4上に、InPのバッファ層とGaInAsPの活性層を含むクラッド層3を積層し、さらにInPのクラッド層2を積層することによって半導体レーザを構成することができる。
この半導体レーザの作製は、例えば、InPの基板4上にMOCVDを用いて結晶成長させることによって行うことができる。フォトニック結晶は、この基板上にエッチングマスクとしてSiNxを成膜し、電子線リソグラフを用いて形成したフォトニック結晶の円孔パターンを転写した後に、ICP−RIEを用いて半導体のエッチングを行う。この後、塩酸による選択ウエットエッチングによってスラブ下のInP基板を部分的に除去することによって空気クラッドを形成する。
図3は、本発明の半導体レーザが発するレーザ光の波長を模式的に示している。図3において、横軸は波長λを示し、縦軸はレーザ光の発光強度を示している。フォトニック結晶の面の各部位は、その部位における構造パラメータに応じた波長λのレーザ光を局所的に発する。フォトニック結晶の面上の各部位で局所的に発したレーザ光の波長λは、構造パラメータに違いに応じ異なる波長となるため、フォトニック結晶の全面からはこれら各波長(図中のλ1〜λ5)によって広い波長幅(図中のWideΔλ)のレーザ光が放出され、低コヒーレンス化が図られる。
以下、図4〜図21を用いて、本発明の半導体レーザの構成例について説明する。図4〜図17は一つの構造パラメータを面内で変化させる例を示し、図17〜図21は複数の構造パラメータを面内で変化させる例を示している。
図4〜図17を用いて、一つの構造パラメータを面内で変化させる構成例について説明する。この一つの構造パラメータを変化させる構成例では、孔径rを漸次変化させる例を図4〜図8を用いて説明し、孔間隔(ピッチ)aを漸次変化させる例を図9,図10を用いて説明し、クラッド層の厚さdを漸次変化させる例を図11,図12を用いて説明し、クラッド層の屈折率nを漸次変化させる例を図13,図14を用いて説明し、孔の形状を漸次変化させる例を図15を用いて説明する。また、図16,図17を用いて面内において孔径を二次元方向に変化させる例について説明する。なお、図4〜図14では、孔の形状として円孔の場合を示している。
(第1のチャープ構造例)
はじめに、孔径rをチャープ状に漸次変化させる構成例について説明する。
図4は、バンドエッジレーザにおいて孔径rを漸次変化させる構成例を示している。図4(a)は平面図であり、図4(b)は斜視図である。また、図5は、線欠陥レーザにおいて孔径rを漸次変化させる構成例を示している。図5(a)は平面図であり、図5(b)は斜視図である。
フォトニック結晶を形成するクラッド層1と孔2の構成において、孔2の径rを面方向に漸次変化させる。図では、左方から右方に向かって孔径rを漸減させる例を示している。なお、孔間の間隔(ピッチ)aは面方向で一定としている。
孔2の孔径rは、面内において左方から右方に向かう方向に順に小径となるように構成されている。この構成パラメータの一つである孔径rを漸次的に変化させることで、各部位からはこの構造パラメータに応じた波長λ(λ1〜λ5)が局所的に発せられ、クラッド層1の全体からは、これら複数の波長λを含む所定波長幅のレーザ光が発せられる。
図4のバンドエッジレーザの場合には、フォトニック結晶の面と垂直な方向に発せられ、図5の線欠陥レーザの場合には、フォトニック結晶上に設けた線欠陥5に沿って面と平行な方向に発せられる。
図6は、構造パラメータとして孔径を用いた場合に得られる発振スペクトルの一例であり、円孔の孔径が変化するに伴って、発振周波数が徐々に変化し、素子から広いスペクトル幅を持つレーザ光が観察される。
なお、図6は、5層の量子井戸を含む総厚240nmの1.55μm−GaInAsP基板に、円孔の正方格子配列をEB描写しHI/Xe−ICPエッチングすることによってフォトニック結晶のバンドエッジレーザを製作し、波長980nmのレーザ光素子を励起し、出力光を対物レンズで集光して得られた測定結果を示している。
なお、図6(a)は構造パラメータが一様のフォトニック結晶の測定結果を示し、図6(b)は構造パラメータをチャープ状に漸次的に変化させたフォトニック結晶の測定結果を示している。
図6(a)に示すチャープ構造を有していない半導体レーザでは、スペクトル幅Δλは〜0.2nmと測定限界であるのに対して、図6(b)に示すチャープ構造を有した半導体レーザでは、スペクトル幅Δλは〜1.1nmとなり、約5倍のスペクトル幅が得られる。
また、図7,図8は、別の実施例による構成例および測定結果である。図7(a)、図8(a),(b)は、構造パラメータがチャープ構造を有さずに一様であるフォトニック結晶の構成例および測定結果を示し、図7(b)、図8(c),(d)は構造パラメータをチャープ状に漸次的に変化させたフォトニック結晶の構成例および測定結果を示している。図7中のフォトニック結晶は一辺が2μmの矩形範囲を示し、上方位置に示す拡大図は一辺が0.2μmの矩形範囲を示している。
なお、チャープ構造を有していない構成例(図7(a)、図8(a),(b))では、格子定数(ピッチ)a=0.63μm、円孔直径2r=0.32μmとし、チャープ構造を有した構成例(図7(b)、図8(c),(d))では、格子定数(ピッチ)a=0.63μm、円孔直径2r=0.32μm〜0.37μmとしている。
図8に示す測定結果において、図中の上方位置に示す図8(a)、(c)は多重量子井戸層で吸収されるパワーに対するモード強度を示し、図中の下方位置に示す図8(b)、(d)は高分解スペクトル(Res.0.2nm,HIGH SENCE2,Span10nm)を示している。
図8(c)に示すチャープ構造を有していない半導体レーザのスペクトルによれば、スペクトル幅Δλは〜0.35nmであるのに対して、図8(c)に示すチャープ構造を有した半導体レーザのスペクトルによれば、スペクトル幅Δλは〜1.0nmとなり、約3のスペクトル幅が得られる。
(第2のチャープ構造例)
次に、孔の間隔(ピッチ)aをチャープ状に漸次変化させる構成例について説明する。ここで、ピッチaは格子定数により得られる。
図9は、バンドエッジレーザにおいてピッチaを漸次変化させる構成例を示している。図9(a)は平面図であり、図9(b)は斜視図である。また、図10は、線欠陥レーザにおいてピッチaを漸次変化させる構成例を示している。図10(a)は平面図であり、図10(b)は斜視図である。
フォトニック結晶を形成するクラッド層1と孔2の構成において、孔2間の距離(ピッチ)aを面方向に漸次変化させる。図では、左方から右方に向かってピッチaを漸減させる例を示している。なお、孔径rは面方向で一定としている。
ピッチaは、面内において左方から右方に向かう方向に順に長くなるように構成されている。この構成パラメータの一つであるピッチaを漸次的に変化させることで、各部位からはこの構造パラメータに応じた波長λ(λ1〜λ5)が局所的に発せられ、クラッド層1の全体からは、これら複数の波長λを含む所定波長幅のレーザ光が発せられる。
図9のバンドエッジレーザの場合には、フォトニック結晶の面と垂直な方向に発せられ、図10の線欠陥レーザの場合には、フォトニック結晶上に設けた線欠陥5に沿って面と平行な方向に発せられる。
(第3のチャープ構造例)
次に、クラッド層の厚さdをチャープ状に漸次変化させる構成例について説明する。
図11は、バンドエッジレーザにおいてクラッド層の厚さdを漸次変化させる構成例を示している。図11(a)は平面図であり、図11(b)は斜視図である。また、図12は、線欠陥レーザにおいてクラッド層の厚さdを漸次変化させる構成例を示している。図12(a)は平面図であり、図12(b)は斜視図である。
フォトニック結晶を形成するクラッド層1と孔2の構成において、クラッド層1の厚さdを面方向に漸次変化させる。図では、左方から右方に向かって厚さdをd1からd2に漸減させる例を示している。なお、孔径r、ピッチaは面方向で一定としている。
クラッド層1の厚さdは、面内において左方から右方に向かう方向に順に薄くなるように構成されている。この構成パラメータの一つであるクラッド層1の厚さdを漸次的に変化させることで、各部位からはこの構造パラメータに応じた波長λ(λ1〜λ5)が局所的に発せられ、クラッド層1の全体からは、これら複数の波長λを含む所定波長幅のレーザ光が発せられる。
図12のバンドエッジレーザの場合には、フォトニック結晶の面と垂直な方向に発せられ、図12の線欠陥レーザの場合には、フォトニック結晶上に設けた線欠陥5に沿って面と平行な方向に発せられる。
(第4のチャープ構造例)
次に、クラッド層の屈折率nをチャープ状に漸次変化させる構成例について説明する。
図13は、バンドエッジレーザにおいてクラッド層の屈折率nを漸次変化させる構成例を示している。図13(a)は平面図であり、図13(b)は斜視図である。また、図14は、線欠陥レーザにおいてクラッド層の屈折率nを漸次変化させる構成例を示している。図14(a)は平面図であり、図14(b)は斜視図である。
フォトニック結晶を形成するクラッド層1と孔2の構成において、クラッド層1の屈折率nを面方向に漸次変化させる。図では、左方から右方に向かって屈折率nを漸減させる例を示している。なお、孔径r、ピッチa、クラッド層の厚さdは面方向で一定としている。
クラッド層1の屈折率nは、面内において左方から右方に向かう方向に順に小さくなるように構成されている。この構成パラメータの一つであるクラッド層1の屈折率nを漸次的に変化させることで、各部位からはこの構造パラメータに応じた波長λ(λ1〜λ5)が局所的に発せられ、クラッド層1の全体からは、これら複数の波長λを含む所定波長幅のレーザ光が発せられる。
図13のバンドエッジレーザの場合には、フォトニック結晶の面と垂直な方向に発せられ、図14の線欠陥レーザの場合には、フォトニック結晶上に設けた線欠陥5に沿って面と平行な方向に発せられる。
(第5のチャープ構造例)
次に、クラッド層に形成する孔の形状をチャープ状に漸次変化させる構成例について説明する。
図15(a)は、バンドエッジレーザにおいてクラッド層に形成する孔の形状を漸次変化させる構成例を示し、図15(b)は、線欠陥レーザにおいてクラッド層に形成する孔の形状を漸次変化させる構成例を示している。図15(a)、(b)は平面図を示している。
フォトニック結晶を形成するクラッド層1と孔2の構成において、孔2の形状を面方向に漸次変化させる。図では、左方から右方に向かって多角形の角数を漸増させる例を示している。なお、孔径r、ピッチa、クラッド層の厚さd、およびクラッド層の屈折率は面方向で一定としている。
孔2の形状は、面内において左方から右方に向かう方向に順に変化するように構成されている。この構成パラメータの一つである孔の形状を漸次的に変化させることで、各部位からはこの構造パラメータに応じた波長λ(λ1〜λ5)が局所的に発せられ、クラッド層1の全体からは、これら複数の波長λを含む所定波長幅のレーザ光が発せられる。
図15(a)のバンドエッジレーザの場合には、フォトニック結晶の面と垂直な方向に発せられ、図15(b)の線欠陥レーザの場合には、フォトニック結晶上に設けた線欠陥5に沿って面と平行な方向に発せられる。
(第6のチャープ構造例)
次に、クラッド層に形成する孔の径rを二次元方向(xy方向)にチャープ状に漸次変化させる構成例について説明する。
図16は、バンドエッジレーザにおいて孔径rを二次元方向(xy方向)に漸次変化させる構成例を示している。図16(a)は平面図であり、図16(b)は斜視図である。また、図17は、線欠陥レーザにおいて孔径rを二次元方向(xy方向)に漸次変化させる構成例を示している。図16(a)は平面図であり、図16(b)は斜視図である。
フォトニック結晶を形成するクラッド層1と孔2の構成において、孔2の径rを面方向の二次元方向(xy方向)に漸次変化させる。図では、左上方から右下方に向かって孔径rを漸減させる例を示している。なお、孔間の間隔(ピッチ)aは面方向で一定としている。
孔2の孔径rは、面内において左上方から右下方に向かう方向に順に小径となるように構成されている。この構成パラメータの一つである孔径rを漸次的に変化させることで、各部位からはこの構造パラメータに応じた波長λ(λ1〜λ5)が局所的に発せられ、クラッド層1の全体からは、これら複数の波長λを含む所定波長幅のレーザ光が発せられる。
図16のバンドエッジレーザの場合には、フォトニック結晶の面と垂直な方向に発せられ、図17の線欠陥レーザの場合には、フォトニック結晶上に設けた線欠陥5に沿って面と平行な方向に発せられる。
次に、図18〜図21を用いて複数の構造パラメータを面内で変化させる構成例について説明する。なお、以下では、バンドエッジレーザの場合について説明するが、線欠陥レーザについても同様に適用することができる。
(第7〜13のチャープ構造例)
以下、2つの構造パラメータを漸次的に変化させる構成について、図18〜図19を用いて説明する。
第7のチャープ構造例は、屈折率nと孔径rの2つの構造パラメータを漸次的に変化させる構成である。図18(a)は屈折率nと孔径rを漸次的に変化させる構成を説明するための図である。
図18(a)において、フォトニック結晶を形成するクラッド層1と孔2の構成において、屈折率nと孔2の径rとを面方向に漸次変化させる。図では、左方から右方に向かって屈折率nと孔径rとを漸減させる例を示している。なお、孔間の間隔(ピッチ)aは面方向で一定としている。
屈折率nは、面内において左方から右方に向かう方向に順に小さくなるように構成され、孔2の孔径rは、面内において左方から右方に向かう方向に順に小さくなるように構成される。この構成パラメータである屈折率nと孔径rとを漸次的に変化させることで、各部位からはこの構造パラメータに応じた波長λ(λ1〜λ5)が局所的に発せられ、クラッド層1の全体からは、これら複数の波長λを含む所定波長幅のレーザ光が発せられる。
第8のチャープ構造例は、屈折率nと孔間隔(ピッチ)aの2つの構造パラメータを漸次的に変化させる構成である。図18(b)は屈折率nとピッチaを漸次的に変化させる構成を説明するための図である。
図18(b)において、フォトニック結晶を形成するクラッド層1と孔2の構成において、屈折率nとピッチaとを面方向に漸次変化させる。図では、左方から右方に向かって屈折率nとピッチaとを漸減させる例を示している。なお、孔径rは面方向で一定としている。
屈折率nは、面内において左方から右方に向かう方向に順に小さくなるように構成され、ピッチaは、面内において左方から右方に向かう方向に順に長くなるように構成される。この構成パラメータである屈折率nとピッチaとを漸次的に変化させることで、各部位からはこの構造パラメータに応じた波長λ(λ1〜λ5)が局所的に発せられ、クラッド層1の全体からは、これら複数の波長λを含む所定波長幅のレーザ光が発せられる。
第9のチャープ構造例は、屈折率nとクラッド層1の厚さdの2つの構造パラメータを漸次的に変化させる構成である。図18(c)は屈折率nとクラッド層1の厚さdを漸次的に変化させる構成を説明するための図である。
図18(c)において、フォトニック結晶を形成するクラッド層1と孔2の構成において、クラッド層1の屈折率nと厚さdとを面方向に漸次変化させる。図では、左方から右方に向かって屈折率nと厚さdとを漸減させる例を示している。なお、孔径rおよび孔間の間隔(ピッチ)aは面方向で一定としている。
屈折率nは、面内において左方から右方に向かう方向に順に小さくなるように構成され、クラッド層1の厚さdは、面内において左方から右方に向かう方向に順に小さくなるように構成される。この構成パラメータである屈折率nと厚さdとを漸次的に変化させることで、各部位からはこの構造パラメータに応じた波長λ(λ1〜λ5)が局所的に発せられ、クラッド層1の全体からは、これら複数の波長λを含む所定波長幅のレーザ光が発せられる。
第10のチャープ構造例は、屈折率nと孔径rの2つの構造パラメータを漸次的に変化させる構成である。図19(a)は屈折率nと孔径rを漸次的に変化させる構成を説明するための図である。
図19(a)において、フォトニック結晶を形成するクラッド層1と孔2の構成において、孔2の径rと孔間隔(ピッチ)aを面方向に漸次変化させる。図では、左方から右方に向かって屈折率nとピッチaとを漸減させる例を示している。なお、ピッチaおよびクラッド層の厚さdは面方向で一定としている。
孔径rは、面内において左方から右方に向かう方向に順に小さくなるように構成され、ピッチaは、面内において左方から右方に向かう方向に順に大きくなるように構成される。この構成パラメータである孔径rとピッチaとを漸次的に変化させることで、各部位からはこの構造パラメータに応じた波長λ(λ1〜λ5)が局所的に発せられ、クラッド層1の全体からは、これら複数の波長λを含む所定波長幅のレーザ光が発せられる。
第11のチャープ構造例は、屈折率nと厚さdの2つの構造パラメータを漸次的に変化させる構成である。図19(b)は屈折率nと厚さdを漸次的に変化させる構成を説明するための図である。
図19(b)において、フォトニック結晶を形成するクラッド層1と孔2の構成において、屈折率nと厚さdとを面方向に漸次変化させる。図では、左方から右方に向かって屈折率nと厚さdとを漸減させる例を示している。なお、孔径rおよびピッチaは面方向で一定としている。
屈折率nは、面内において左方から右方に向かう方向に順に小さくなるように構成され、厚さdは、面内において左方から右方に向かう方向に順に薄くなるように構成される。この構成パラメータである屈折率nと厚さdとを漸次的に変化させることで、各部位からはこの構造パラメータに応じた波長λ(λ1〜λ5)が局所的に発せられ、クラッド層1の全体からは、これら複数の波長λを含む所定波長幅のレーザ光が発せられる。
第12のチャープ構造例は、孔径rと厚さdの2つの構造パラメータを漸次的に変化させる構成である。図19(c)は孔径rと厚さdを漸次的に変化させる構成を説明するための図である。
図19(c)において、フォトニック結晶を形成するクラッド層1と孔2の構成において、孔2の径rと厚さdを面方向に漸次変化させる。図では、左方から右方に向かって孔2の径rと厚さdとを漸減させる例を示している。なお、屈折率nおよびピッチaは面方向で一定としている。
孔径rは、面内において左方から右方に向かう方向に順に小さくなるように構成され、厚さdは、面内において左方から右方に向かう方向に順に薄くなるように構成される。この構成パラメータである孔径rと厚さdとを漸次的に変化させることで、各部位からはこの構造パラメータに応じた波長λ(λ1〜λ5)が局所的に発せられ、クラッド層1の全体からは、これら複数の波長λを含む所定波長幅のレーザ光が発せられる。
第13のチャープ構造例は、ピッチaと厚さdの2つの構造パラメータを漸次的に変化させる構成である。図19(d)はピッチaと厚さdを漸次的に変化させる構成を説明するための図である。
図19(d)において、フォトニック結晶を形成するクラッド層1と孔2の構成において、ピッチaと厚さdを面方向に漸次変化させる。図では、左方から右方に向かってピッチaと厚さdとを漸減させる例を示している。なお、屈折率nおよび孔径rは面方向で一定としている。
ピッチaは、面内において左方から右方に向かう方向に順に小さくなるように構成され、厚さdは、面内において左方から右方に向かう方向に順に薄くなるように構成される。この構成パラメータであるピッチaと厚さdとを漸次的に変化させることで、各部位からはこの構造パラメータに応じた波長λ(λ1〜λ5)が局所的に発せられ、クラッド層1の全体からは、これら複数の波長λを含む所定波長幅のレーザ光が発せられる。
(第14〜16のチャープ構造例)
以下、3つの構造パラメータを漸次的に変化させる構成について、図20を用いて説明する。
第14のチャープ構造例は、屈折率nと孔径rとピッチaの3つの構造パラメータを漸次的に変化させる構成である。図20(a)は屈折率nと孔径rとピッチaの3つの構造パラメータを漸次的に変化させる構成を説明するための図である。
図20(a)において、フォトニック結晶を形成するクラッド層1と孔2の構成において、屈折率nと孔2の径rとピッチaを面方向に漸次変化させる。図では、左方から右方に向かって屈折率nと孔径rとピッチaを漸減させる例を示している。なお、厚さdは面方向で一定としている。
屈折率nは、面内において左方から右方に向かう方向に順に小さくなるように構成され、孔2の孔径rは、面内において左方から右方に向かう方向に順に小さくなるように構成され、孔2のピッチaは、面内において左方から右方に向かう方向に順に小さくなるように構成される。この構成パラメータである屈折率nと孔径rとピッチaを漸次的に変化させることで、各部位からはこの構造パラメータに応じた波長λ(λ1〜λ5)が局所的に発せられ、クラッド層1の全体からは、これら複数の波長λを含む所定波長幅のレーザ光が発せられる。
第15のチャープ構造例は、屈折率nと孔径rと厚さdの3つの構造パラメータを漸次的に変化させる構成である。図20(b)は屈折率nと孔径rと厚さdの3つの構造パラメータを漸次的に変化させる構成を説明するための図である。
図20(b)において、フォトニック結晶を形成するクラッド層1と孔2の構成において、屈折率nと孔2の径rと厚さdを面方向に漸次変化させる。図では、左方から右方に向かって屈折率nと孔径rと厚さdを漸減させる例を示している。なお、ピッチaは面方向で一定としている。
屈折率nは、面内において左方から右方に向かう方向に順に小さくなるように構成され、孔2の孔径rは、面内において左方から右方に向かう方向に順に小さくなるように構成され、厚さdは、面内において左方から右方に向かう方向に順に小さくなるように構成される。この構成パラメータである屈折率nと孔径rと厚さdを漸次的に変化させることで、各部位からはこの構造パラメータに応じた波長λ(λ1〜λ5)が局所的に発せられ、クラッド層1の全体からは、これら複数の波長λを含む所定波長幅のレーザ光が発せられる。
第16のチャープ構造例は、屈折率nとピッチaと厚さdの3つの構造パラメータを漸次的に変化させる構成である。図20(c)は屈折率nとピッチaと厚さdの3つの構造パラメータを漸次的に変化させる構成を説明するための図である。
図20(c)において、フォトニック結晶を形成するクラッド層1と孔2の構成において、屈折率nとピッチaと厚さdを面方向に漸次変化させる。図では、左方から右方に向かって屈折率nとピッチaと厚さdを漸減させる例を示している。なお、孔径rは面方向で一定としている。
屈折率nは、面内において左方から右方に向かう方向に順に小さくなるように構成され、ピッチaは、面内において左方から右方に向かう方向に順に小さくなるように構成され、厚さdは、面内において左方から右方に向かう方向に順に小さくなるように構成される。この構成パラメータである屈折率nとピッチaと厚さdを漸次的に変化させることで、各部位からはこの構造パラメータに応じた波長λ(λ1〜λ5)が局所的に発せられ、クラッド層1の全体からは、これら複数の波長λを含む所定波長幅のレーザ光が発せられる。
(第17のチャープ構造例)
以下、4つの構造パラメータを漸次的に変化させる構成について、図21を用いて説明する。
第17のチャープ構造例は、屈折率nと孔径rとピッチaと厚さdの4つの構造パラメータを漸次的に変化させる構成である。図21は屈折率nと孔径rとピッチaと厚さdの4つの構造パラメータを漸次的に変化させる構成を説明するための図である。
図21において、フォトニック結晶を形成するクラッド層1と孔2の構成において、屈折率nと孔2の径rとピッチaと厚さdを面方向に漸次変化させる。図では、左方から右方に向かって屈折率nと孔径rとピッチaと厚さdを漸減させる例を示している。
屈折率nは、面内において左方から右方に向かう方向に順に小さくなるように構成され、孔2の孔径rは、面内において左方から右方に向かう方向に順に小さくなるように構成され、孔2のピッチaは、面内において左方から右方に向かう方向に順に小さくなるように構成され、厚さdは、面内において左方から右方に向かう方向に順に小さくなるように構成される。この構成パラメータである屈折率nと孔径rとピッチaと厚さdを漸次的に変化させることで、各部位からはこの構造パラメータに応じた波長λ(λ1〜λ5)が局所的に発せられ、クラッド層1の全体からは、これら複数の波長λを含む所定波長幅のレーザ光が発せられる。
なお、上記説明では、バンドエッジレーザの例では、孔の配列を正方格子配列とし、線欠陥レーザ光例では、孔の配列を三角格子配列としているが、この孔の配列は一例であって、バンドエッジレーザの孔の配列を三角格子配列とし、線欠陥レーザの孔の配列を正方格子配列としてもよく、また、それぞれ別の配列を用いてもよい。
本発明の各構成態様によれば、半導体レーザの波長幅を広げて時間コヒーレンスを低減させることで、光ディスクの反射戻り光によるノイズの影響を低減させることができる。
また、本発明の各構成態様によれば、半導体レーザの波長幅を広げて空間コヒーレンスを低減させることで、レーザディスプレイのスペックルノイズの影響を低減させることができる。
本発明の半導体レーザは、光ディスクの光源やレーザディスプレイの光源に適用することができる。
本発明の二次元フォトニック結晶からなる半導体レーザを模式的に示した構成図である。 本発明のフォトニック結晶の配列例を示す図である。 本発明の半導体レーザが発するレーザ光の波長を模式的に示す図である。 本発明のバンドエッジレーザにおいて孔径rを漸次変化させる構成例を示す図である。 本発明の線欠陥レーザにおいて孔径rを漸次変化させる構成例を示す図である。 本発明の構造パラメータとして孔径を用いた場合に得られる発振スペクトルの一例である。 本発明の構造パラメータとして孔径を用いた構成例を示す図である。 本発明の構造パラメータとして孔径を用いた構成例で得られる発振スペクトルの一例である。 本発明のバンドエッジレーザにおいてピッチaを漸次変化させる構成例を示す図である。 本発明の線欠陥レーザにおいてピッチaを漸次変化させる構成例を示す図である。 本発明のバンドエッジレーザにおいてクラッド層の厚さdを漸次変化させる構成例を示す図である。 本発明の線欠陥レーザにおいてクラッド層の厚さdを漸次変化させる構成例を示す図である。 本発明のバンドエッジレーザにおいて屈折率nを漸次変化させる構成例を示す図である。 本発明の線欠陥レーザにおいて屈折率nを漸次変化させる構成例を示す図である。 本発明の半導体レーザにおいて孔形状を漸次変化させる構成例を示す図である。 本発明のバンドエッジレーザにおいて孔径rを二次元方向に漸次変化させる構成例を示す図である。 本発明の線欠陥レーザにおいて孔径rを二次元方向に漸次変化させる構成例を示す図である。 本発明の半導体レーザにおいて2つの構造パラメータを漸次的に変化させる構成例を示す図である。 本発明の半導体レーザにおいて2つの構造パラメータを漸次的に変化させる構成例を示す図である。 本発明の半導体レーザにおいて3つの構造パラメータを漸次的に変化させる構成例を示す図である。 本発明の半導体レーザにおいて4つの構造パラメータを漸次的に変化させる構成例を示す図である。
符号の説明
1…クラッド層、2…孔、3…アンダークラッド層、4…基板、5…線欠陥、10…バンドエッジレーザ、11…線欠陥レーザ、a…ピッチ、d…厚さ、n…屈折率、r…孔径。

Claims (7)

  1. 活性層と当該活性層の一方の面に積層して成る二次元フォトニック結晶とを有する半導体レーザにおいて、
    前記フォトニック結晶の構造パラメータの少なくとも一つを、二次元フォトニック結晶の面内の少なくとも一方向に漸次変化させ、各構造パラメータに応じて発生する各レーザ光を発光することを特徴とする半導体レーザ。
  2. 前記二次元フォトニック結晶は、
    媒質層と、当該媒質層と屈折率を異にし、前記媒質層内の面方向に配列される複数の媒質部とを備え、
    前記構造パラメータは、前記媒質層の膜厚、前記媒質層の屈折率、前記媒質部の格子定数、前記媒質部の大きさ、前記媒質部の形状であることを特徴とする請求項1に記載の半導体レーザ。
  3. 前記媒質部は前記媒質層の膜厚方向に形成された孔から成り、
    前記媒質部の格子定数は前記孔の配置間隔であり、前記媒質部の大きさは前記孔の径であり、前記媒質部の形状は前記孔の形状であることを特徴とする請求項2に記載の半導体レーザ。
  4. 前記フォトニック結晶は、前記構造パラメータ中の一つの構造パラメータが二次元フォトニック結晶の面内の少なくとも一方向に漸増又は漸減することを特徴とする請求項2に記載の半導体レーザ。
  5. 前記フォトニック結晶は、前記構造パラメータ中から選択した二つ以上の構造パラメータが、二次元フォトニック結晶の面内において同一の方向に漸増又は漸減することを特徴とすることを特徴とする請求項2に記載の半導体レーザ。
  6. 活性層の励起光を二次元フォトニック結晶で共振させて面方向と垂直な方向に発光するバンドエッジレーザであり、
    前記構造パラメータの漸次変化部分から波長および位相が異なる光を放出させることによってコヒーレンス性を調整したレーザ光を発光することを特徴とする請求項1から5の何れか一つに記載の半導体レーザ。
  7. 活性層の励起光を二次元フォトニック結晶で共振させて媒質層に形成した線欠陥に沿って発光する線欠陥レーザであり、
    前記構造パラメータの漸次変化部分から波長および位相が異なる光を放出させることによってコヒーレンス性を調整したレーザ光を発光することを特徴とする請求項1から5の何れか一つに記載の半導体レーザ。
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