JP2007292952A - 光学素子およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】生産性の向上を図ることができる、フォトニック結晶を用いた光学素子およびその製造方法を提供する。
【解決手段】自己クローニング法により成長基板7上に形成されたフォトニック結晶積層体9に対して、その成長基板7側と反対側の面に、成長基板7とは別の支持基板2が接合される。そして、フォトニック結晶積層体9は、成長基板7に支持される積層体残存部分10と、支持基板2に支持されるフォトニック結晶3とに分割される。これにより、支持基板2とこれに支持されたフォトニック結晶3とを備える光学素子1が得られる。
【選択図】図2
【解決手段】自己クローニング法により成長基板7上に形成されたフォトニック結晶積層体9に対して、その成長基板7側と反対側の面に、成長基板7とは別の支持基板2が接合される。そして、フォトニック結晶積層体9は、成長基板7に支持される積層体残存部分10と、支持基板2に支持されるフォトニック結晶3とに分割される。これにより、支持基板2とこれに支持されたフォトニック結晶3とを備える光学素子1が得られる。
【選択図】図2
Description
この発明は、偏光子や波長フィルタなどの光学素子およびその製造方法に関する。
最近、偏光子や波長フィルタなどの光学素子として、フォトニック結晶を用いたものが注目されている。フォトニック結晶は、屈折率や誘電率の異なる層を多層に積層した多層構造体であり、その構造が、2次元的または3次元的に、光波長程度または光波長よりも小さい単位での周期性を有している。フォトニック結晶の光学特性は、各層の材質や構造の周期およびその配列方向などを制御することにより変更することができる。そのため、フォトニック結晶を用いた光学素子は、任意の光学特性を実現することができ、様々な用途に対応することができる。
フォトニック結晶を作成する手法として、いわゆる自己クローニング法が提案されている。自己クローニング法は、バイアス・スパッタリングによる堆積作用とスパッタエッチングによるエッチング作用とにより、微細な凹凸パターンを有する基板上に、その凹凸パターンを保持した層を堆積(積層)させる手法である。この自己クローニング法は、フォトニック結晶を用いた光学素子の生産に最も優れた手法の1つであると言われている。
特開2004−45779号公報
しかし、基板に凹凸パターンを形成するためには、非常に生産性の悪いエレクトロンビーム描画装置を用いて、基板に光波長以下のオーダでの微細加工を施さなければならないため、フォトニック結晶を用いた光学素子の量産化は実現されていない。
そこで、この発明の目的は、生産性の向上を図ることができる、フォトニック結晶を用いた光学素子およびその製造方法を提供することである。
そこで、この発明の目的は、生産性の向上を図ることができる、フォトニック結晶を用いた光学素子およびその製造方法を提供することである。
前記の目的を達成するための請求項1に記載の発明は、凹凸パターンが形成された成長基板上に、自己クローニング法により、複数種の誘電体層が周期的に積層されたフォトニック結晶積層体を形成する積層体形成工程と、前記フォトニック結晶積層体の前記成長基板側と反対側の面に支持基板を接合させる支持基板接合工程と、前記フォトニック結晶積層体を、前記成長基板に支持される積層体残存部分と、前記支持基板に支持されるフォトニック結晶分離部分とに分割する結晶分割工程とを含むことを特徴とする、光学素子の製造方法である。
この方法では、自己クローニング法により成長基板上に形成されたフォトニック結晶積層体に対して、その成長基板側と反対側の面に、成長基板とは別の支持基板が接合される。そして、フォトニック結晶積層体は、成長基板に支持される積層体残存部分と、支持基板に支持されるフォトニック結晶分離部分とに分割される。これにより、フォトニック結晶分離部分のみで所望の光学特性が発揮されるように、積層体残存部分とフォトニック結晶分離部分との境界を設定すれば、支持基板およびこれに支持されるフォトニック結晶分離部分を、所望の光学特性を有する光学素子とすることができる。
また、成長基板に支持される積層体残存部分に新たな支持基板を接合し、その積層体残存部分を適当な境界で分割して、積層体残存部分から新たなフォトニック結晶分離部分を分離させれば、支持基板およびこれに支持されるフォトニック結晶分離部分を含む光学素子を新たに得ることができる。そのため、成長基板上に複数(たとえば、10個)のフォトニック結晶分離部分を得ることができる層数(たとえば、1000層)のフォトニック結晶積層体を予め成長させておけば、個々の光学素子の製造工程から成長基板を作成する工程を省略することができる。したがって、フォトニック結晶を用いた光学素子の量産化に向けて、その光学素子の生産性の向上を図ることができる。
さらにまた、成長基板に支持される積層体残存部分上に、自己クローニング法により、誘電体層を新たに積層させて、新たなフォトニック結晶分離部分を形成することも考えられる。すなわち、支持基板およびこれに支持されるフォトニック結晶分離部分を含む光学素子を製造した後に、積層体残存部分を支持する成長基板を、新たな光学素子の製造(フォトニック結晶分離部分の形成)に繰り返し使用することができる。そのため、個々の光学素子の製造工程から成長基板を作成する工程を省略することができる。したがって、フォトニック結晶を用いた光学素子の量産化に向けて、その光学素子の生産性の向上を図ることができる。
なお、フォトニック結晶積層体を積層体残存部分とのフォトニック結晶分離部分とに分割する手法としては、種々の手法を採用することができる。
たとえば、請求項2に記載のように、前記フォトニック結晶積層体にレーザ光を照射し、そのレーザ光を前記積層体残存部分と前記フォトニック結晶分離部分との界面で集光させることにより、前記フォトニック結晶積層体を前記積層体残存部分と前記フォトニック結晶分離部分とに分割してもよい。
たとえば、請求項2に記載のように、前記フォトニック結晶積層体にレーザ光を照射し、そのレーザ光を前記積層体残存部分と前記フォトニック結晶分離部分との界面で集光させることにより、前記フォトニック結晶積層体を前記積層体残存部分と前記フォトニック結晶分離部分とに分割してもよい。
また、請求項3に記載のように、前記フォトニック結晶積層体の積層方向に沿った側面に劈開用傷を付け、前記劈開用傷からの劈開により、前記フォトニック結晶積層体を前記積層体残存部分と前記フォトニック結晶分離部分とに分割してもよい。
さらには、請求項4に記載のように、前記フォトニック結晶積層体の形成途中で、前記積層体残存部分と前記フォトニック結晶分離部分との境界となる部分に除去層を積層させ、この除去層をエッチング液でエッチングして除去することにより、前記フォトニック結晶積層体を前記積層体残存部分と前記フォトニック結晶分離部分とに分割してもよい。
さらには、請求項4に記載のように、前記フォトニック結晶積層体の形成途中で、前記積層体残存部分と前記フォトニック結晶分離部分との境界となる部分に除去層を積層させ、この除去層をエッチング液でエッチングして除去することにより、前記フォトニック結晶積層体を前記積層体残存部分と前記フォトニック結晶分離部分とに分割してもよい。
さらにまた、請求項5に記載のように、前記フォトニック結晶積層体の形成途中で、前記積層体残存部分と前記フォトニック結晶分離部分との境界となる部分に切断層を積層させ、この切断層を前記成長基板に沿う方向に切断することにより、前記フォトニック結晶積層体を前記積層体残存部分と前記フォトニック結晶分離部分とに分割してもよい。
また、請求項6に記載の発明は、凹凸パターンが形成された成長基板を用いた自己クローニング法により、複数種の誘電体層を周期的に積層して形成されたフォトニック結晶と、前記フォトニック結晶の積層方向の一方面に接合され、前記フォトニック結晶を支持する支持基板とを含み、前記支持基板は、前記成長基板とは別の基板であることを特徴とする、光学素子である。
また、請求項6に記載の発明は、凹凸パターンが形成された成長基板を用いた自己クローニング法により、複数種の誘電体層を周期的に積層して形成されたフォトニック結晶と、前記フォトニック結晶の積層方向の一方面に接合され、前記フォトニック結晶を支持する支持基板とを含み、前記支持基板は、前記成長基板とは別の基板であることを特徴とする、光学素子である。
この構成では、フォトニック結晶は、成長基板とは別の支持基板により支持される。そのため、成長基板上に予め複数のフォトニック結晶を得ることができる層数のフォトニック結晶積層体を成長させておき、そのフォトニック結晶積層体に対する支持基板の接合およびフォトニック結晶積層体からのフォトニック結晶の分離を繰り返すことにより、個々の光学素子の製造工程で成長基板を作成することなく、複数の光学素子を得ることができる。したがって、フォトニック結晶を用いた光学素子の量産化に向けて、その光学素子の生産性の向上を図ることができる。
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る光学素子の図解的な斜視図である。
この光学素子1は、たとえば、石英(SiO2)からなる支持基板2と、この支持基板2に支持されるフォトニック結晶3とを備えている。
支持基板2は、たとえば、矩形板状に形成されている。この支持基板2は、フォトニック結晶3の形成に用いられる成長基板7(後述する)とは別の基板であり、フォトニック結晶3との接合面には、成長基板7に形成されているような凹凸パターンはとくに形成されていない。
図1は、この発明の一実施形態に係る光学素子の図解的な斜視図である。
この光学素子1は、たとえば、石英(SiO2)からなる支持基板2と、この支持基板2に支持されるフォトニック結晶3とを備えている。
支持基板2は、たとえば、矩形板状に形成されている。この支持基板2は、フォトニック結晶3の形成に用いられる成長基板7(後述する)とは別の基板であり、フォトニック結晶3との接合面には、成長基板7に形成されているような凹凸パターンはとくに形成されていない。
フォトニック結晶3は、たとえば、SiO2からなる低屈折率層4とTa2O5からなる高屈折率層5とを交互に積層して形成され、屈折率が、2次元的または3次元的に、光波長程度または光波長よりも小さい単位での周期性を有する構造となっている。なお、低屈折率層4および高屈折率層5以外に、Siからなる光吸収層などが周期的に積層されていてもよい。このフォトニック結晶3は、接着層6を介して、支持基板2に接合されている。
図2は、光学素子1の製造方法を説明するための工程図である。
まず、成長基板7が用意される。この成長基板7は、たとえば、石英(SiO2)からなり、その表面に、フォトニック結晶3における屈折率の周期性に対応した周期的な凹凸パターン8が形成されている。この凹凸パターン8は、エレクトロンビーム描画装置を用いて、エレクトロンビームリソグラフィ技術により形成される。
まず、成長基板7が用意される。この成長基板7は、たとえば、石英(SiO2)からなり、その表面に、フォトニック結晶3における屈折率の周期性に対応した周期的な凹凸パターン8が形成されている。この凹凸パターン8は、エレクトロンビーム描画装置を用いて、エレクトロンビームリソグラフィ技術により形成される。
次に、図2(a)に示すように、成長基板7の表面上に、自己クローニング法により、低屈折率層4および高屈折率層5が交互に積層される。より具体的には、バイアス・スパッタリングとスパッタエッチングとが併用されて、バイアス・スパッタリングによる堆積作用およびスパッタエッチングによるエッチング作用により、凹凸パターン8を有する基板上に、その凹凸パターンを保持した低屈折率層4および高屈折率層5が積層される。
低屈折率層4および高屈折率層5がそれぞれ所定層数ずつ(たとえば、500層ずつ)形成されると、図2(b)に示すように、その低屈折率層4および高屈折率層5からなるフォトニック結晶積層体9の成長基板7側と反対側の面に、エポキシ樹脂などの接着剤が塗布されることにより、接着層6が形成される。そして、その接着層6を介して、フォトニック結晶積層体9に支持基板2が接合される。
その後、図2(c)に示すように、フォトニック結晶積層体9に対して、レーザ光が、所定の低屈折率層4と高屈折率層5との界面(たとえば、支持基板2側から100層目と101層目との界面)に焦点を合わせて照射される。これにより、その低屈折率層4と高屈折率層5との界面にレーザ光が集光し、その集光点に改質領域が形成される。また、レーザ光と積層体9とが相対的に移動されて、レーザ光の集光点が低屈折率層4と高屈折率層5との界面に沿って移動する。その結果、低屈折率層4と高屈折率層5との界面に沿った改質領域が生じ、図2(d)に示すように、積層体9は、その改質領域を境に、成長基板7に支持される積層体残存部分10と、支持基板2に支持されるフォトニック結晶3とに分割される。これにより、図2(e)に示すように、支持基板2とこれに支持されたフォトニック結晶3とを備える光学素子1が得られる。
以上のように、自己クローニング法により成長基板7上に形成されたフォトニック結晶積層体9に対して、その成長基板7側と反対側の面に、成長基板7とは別の支持基板2が接合される。そして、積層体9は、成長基板7に支持される積層体残存部分10と、支持基板2に支持されるフォトニック結晶3とに分割される。これにより、フォトニック結晶3のみで所望の光学特性が発揮されるように、積層体残存部分10とフォトニック結晶3との境界(フォトニック結晶積層体9の切断位置)を設定すれば、支持基板2およびこれに支持されるフォトニック結晶3を、所望の光学特性を有する光学素子1とすることができる。
また、成長基板7に支持される積層体残存部分10に新たな支持基板2を接合し、その積層体残存部分10を適当な境界で分割して、積層体残存部分10から新たなフォトニック結晶3を分離させれば、支持基板2およびこれに支持されるフォトニック結晶3を含む光学素子を新たに得ることができる。そのため、成長基板7上に複数(この実施形態では、10個)のフォトニック結晶3を得ることができる層数のフォトニック結晶積層体9を予め成長させておけば、個々の光学素子1の製造工程から成長基板7を作成する工程を省略することができる。したがって、フォトニック結晶3を備える光学素子1の量産化に向けて、その光学素子1の生産性の向上を図ることができる。
なお、図1および図2において、図面の簡略化のために、フォトニック結晶3、フォトニック結晶積層体9および積層体残存部分10は、前記した層数の一例よりも少ない層数で示されている。
また、成長基板7に支持される積層体残存部分10上に、自己クローニング法により、低屈折率層4および高屈折率層5を新たに積層させて、新たなフォトニック結晶3を形成することも考えられる。この場合、支持基板2とフォトニック結晶3とを備える光学素子1を製造した後に、積層体残存部分10を支持する成長基板7を、新たな光学素子1の製造(フォトニック結晶3の形成)に繰り返し使用することができる。そのため、個々の光学素子1の製造工程から成長基板7を作成する工程を省略することができる。したがって、フォトニック結晶3を備える光学素子1の量産化に向けて、その光学素子1の生産性の向上を図ることができる。
また、成長基板7に支持される積層体残存部分10上に、自己クローニング法により、低屈折率層4および高屈折率層5を新たに積層させて、新たなフォトニック結晶3を形成することも考えられる。この場合、支持基板2とフォトニック結晶3とを備える光学素子1を製造した後に、積層体残存部分10を支持する成長基板7を、新たな光学素子1の製造(フォトニック結晶3の形成)に繰り返し使用することができる。そのため、個々の光学素子1の製造工程から成長基板7を作成する工程を省略することができる。したがって、フォトニック結晶3を備える光学素子1の量産化に向けて、その光学素子1の生産性の向上を図ることができる。
なお、フォトニック結晶積層体9を積層体残存部分10とフォトニック結晶3とに分割する手法としては、前述のレーザを用いた手法に限らず、それ以外の種々の手法も採用することができる。
図3は、光学素子1の他の製造方法を説明するための工程図である。この図3において、図2に示す各部に相当する部分には、それら各部と同一の参照符号が付されている。また、以下では、その同一の参照符号を付した部分についての詳細な説明は省略する。
図3は、光学素子1の他の製造方法を説明するための工程図である。この図3において、図2に示す各部に相当する部分には、それら各部と同一の参照符号が付されている。また、以下では、その同一の参照符号を付した部分についての詳細な説明は省略する。
まず、図3(a)に示すように、成長基板7の表面上にフォトニック結晶積層体9が形成される。次に、図3(b)に示すように、フォトニック結晶積層体9の成長基板7側と反対側の面に、接着層6が形成され、この接着層6を介して支持基板2が接合される。
その後、図3(c)に示すように、フォトニック結晶積層体9の積層方向に沿った側面に、たとえば、その側面から所定の低屈折率層4と高屈折率層5との界面に向けて先細りとなる断面楔形状の劈開用傷11が付けられる。
その後、図3(c)に示すように、フォトニック結晶積層体9の積層方向に沿った側面に、たとえば、その側面から所定の低屈折率層4と高屈折率層5との界面に向けて先細りとなる断面楔形状の劈開用傷11が付けられる。
そして、図3(d)に示すように、フォトニック結晶積層体9は、劈開用傷11から劈開されることにより、成長基板7に支持される積層体残存部分10と、支持基板2に支持されるフォトニック結晶3とに分割される。これにより、図3(e)に示すように、支持基板2とこれに支持されたフォトニック結晶3とを備える光学素子1が得られる。
このように、フォトニック結晶積層体9の積層方向に沿った側面に劈開用傷11を付け、その劈開用傷11からの劈開により、フォトニック結晶積層体9を、成長基板7に支持される積層体残存部分10と、支持基板2に支持されるフォトニック結晶3とに分割してもよい。
このように、フォトニック結晶積層体9の積層方向に沿った側面に劈開用傷11を付け、その劈開用傷11からの劈開により、フォトニック結晶積層体9を、成長基板7に支持される積層体残存部分10と、支持基板2に支持されるフォトニック結晶3とに分割してもよい。
図4は、光学素子1のさらに他の製造方法を説明するための工程図である。この図4において、図2に示す各部に相当する部分には、それら各部と同一の参照符号が付されている。また、以下では、その同一の参照符号を付した部分についての詳細な説明は省略する。
まず、成長基板7の表面上に、自己クローニング法により、低屈折率層4および高屈折率層5が交互に積層されていく。この積層の途中で、成長基板7上に、後に積層体残存部分10を構成する層数の低屈折率層4および高屈折率層5が積層されると、所定のエッチング液(たとえば、HCl)によりエッチング可能な材料(たとえば、ZnO)からなる除去層12が積層される。その後は、図4(a)に示すように、除去層12上に、低屈折率層4および高屈折率層5が交互に再び積層されていく。
まず、成長基板7の表面上に、自己クローニング法により、低屈折率層4および高屈折率層5が交互に積層されていく。この積層の途中で、成長基板7上に、後に積層体残存部分10を構成する層数の低屈折率層4および高屈折率層5が積層されると、所定のエッチング液(たとえば、HCl)によりエッチング可能な材料(たとえば、ZnO)からなる除去層12が積層される。その後は、図4(a)に示すように、除去層12上に、低屈折率層4および高屈折率層5が交互に再び積層されていく。
こうして、成長基板7の表面上にフォトニック結晶積層体9が形成されると、図4(b)に示すように、フォトニック結晶積層体9の成長基板7側と反対側の面に、接着層6が形成され、この接着層6を介して支持基板2が接合される。
その後、図4(c)に示すように、除去層12に、所定のエッチング液が供給される。エッチング液が供給されると、除去層12がエッチングにより除去されて、図4(d)に示すように、フォトニック結晶積層体9は、成長基板7に支持される積層体残存部分10と、支持基板2に支持されるフォトニック結晶3とに分割される。これにより、図4(e)に示すように、支持基板2とこれに支持されたフォトニック結晶3とを備える光学素子1が得られる。
その後、図4(c)に示すように、除去層12に、所定のエッチング液が供給される。エッチング液が供給されると、除去層12がエッチングにより除去されて、図4(d)に示すように、フォトニック結晶積層体9は、成長基板7に支持される積層体残存部分10と、支持基板2に支持されるフォトニック結晶3とに分割される。これにより、図4(e)に示すように、支持基板2とこれに支持されたフォトニック結晶3とを備える光学素子1が得られる。
このように、フォトニック結晶積層体9の形成途中で、積層体残存部分10とフォトニック結晶3との境界となる部分に除去層12を積層させ、この除去層12をエッチング液でエッチングして除去することにより、フォトニック結晶積層体9を、成長基板7に支持される積層体残存部分10と、支持基板2に支持されるフォトニック結晶3とに分割してもよい。
図5は、光学素子1のさらに他の製造方法を説明するための工程図である。この図5において、図2に示す各部に相当する部分には、それら各部と同一の参照符号が付されている。また、以下では、その同一の参照符号を付した部分についての詳細な説明は省略する。
まず、成長基板7の表面上に、自己クローニング法により、低屈折率層4および高屈折率層5が交互に積層されていく。この積層の途中で、成長基板7上に、後に積層体残存部分10を構成する層数の低屈折率層4および高屈折率層5が積層されると、たとえば、Al2O3からなる切断層13が積層される。その後は、図5(a)に示すように、切断層13上に、低屈折率層4および高屈折率層5が交互に再び積層されていく。
まず、成長基板7の表面上に、自己クローニング法により、低屈折率層4および高屈折率層5が交互に積層されていく。この積層の途中で、成長基板7上に、後に積層体残存部分10を構成する層数の低屈折率層4および高屈折率層5が積層されると、たとえば、Al2O3からなる切断層13が積層される。その後は、図5(a)に示すように、切断層13上に、低屈折率層4および高屈折率層5が交互に再び積層されていく。
こうして、成長基板7の表面上にフォトニック結晶積層体9が形成されると、図5(b)に示すように、積層体9の成長基板7側と反対側の面に、接着層6が形成され、この接着層6を介して支持基板2が接合される。
その後、図5(c)に示すように、ブレード14により、切断層13内に設定された切断線(図5(c)に破線で示す。)に沿って、切断層13が成長基板7に沿う方向に切断される。これにより、図5(d)に示すように、フォトニック結晶積層体9は、成長基板7に支持される積層体残存部分10と、支持基板2に支持されるフォトニック結晶3とに分割される。
その後、図5(c)に示すように、ブレード14により、切断層13内に設定された切断線(図5(c)に破線で示す。)に沿って、切断層13が成長基板7に沿う方向に切断される。これにより、図5(d)に示すように、フォトニック結晶積層体9は、成長基板7に支持される積層体残存部分10と、支持基板2に支持されるフォトニック結晶3とに分割される。
このように、フォトニック結晶積層体9の形成途中で、積層体残存部分10とフォトニック結晶3との境界となる部分に切断層13を積層させ、この切断層13を成長基板7に沿う方向に切断することにより、フォトニック結晶積層体9を、成長基板7に支持される積層体残存部分10と、支持基板2に支持されるフォトニック結晶3とに分割してもよい。
なお、この場合、図5(e)に示すように、フォトニック結晶3上に切断層13の一部が残るが、この切断層13が光学素子1(フォトニック結晶3)の光学特性に影響を与えないものであれば、切断層13の一部を残したままでもよい。切断層13が光学素子1の光学特性に影響を与えるおそれがある場合には、フォトニック結晶積層体9の分割後に、エッチングなどにより、フォトニック結晶3上から切断層13を除去すればよい。
以上、この発明の実施形態を説明したが、この発明はさらに他の形態で実施することもできる。たとえば、フォトニック結晶積層体9の成長基板7側と反対側の面に、エポキシ樹脂などの接着剤が塗布されることにより接着層6が形成されるとしたが、支持基板2にシリコン(Si)からなる基板を用いる場合には、フォトニック結晶積層体9の成長基板7側と反対側の面に、シリコンからなる接着層6を形成してもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1 光学素子
2 支持基板
3 フォトニック結晶(フォトニック結晶分離部分)
4 低屈折率層(誘電体層)
5 高屈折率層(誘電体層)
6 接着層
7 成長基板
8 凹凸パターン
9 フォトニック結晶積層体
10 積層体分離部分
11 劈開用傷
12 除去層
13 切断層
2 支持基板
3 フォトニック結晶(フォトニック結晶分離部分)
4 低屈折率層(誘電体層)
5 高屈折率層(誘電体層)
6 接着層
7 成長基板
8 凹凸パターン
9 フォトニック結晶積層体
10 積層体分離部分
11 劈開用傷
12 除去層
13 切断層
Claims (6)
- 凹凸パターンが形成された成長基板上に、自己クローニング法により、複数種の誘電体層が周期的に積層されたフォトニック結晶積層体を形成する積層体形成工程と、
前記フォトニック結晶積層体の前記成長基板側と反対側の面に支持基板を接合させる支持基板接合工程と、
前記フォトニック結晶積層体を、前記成長基板に支持される積層体残存部分と、前記支持基板に支持されるフォトニック結晶分離部分とに分割する結晶分割工程とを含むことを特徴とする、光学素子の製造方法。 - 前記結晶分割工程は、前記フォトニック結晶積層体にレーザ光を照射し、そのレーザ光を前記積層体残存部分と前記フォトニック結晶分離部分との界面で集光させることにより、前記フォトニック結晶積層体を前記積層体残存部分と前記フォトニック結晶分離部分とに分割する工程であることを特徴とする、請求項1に記載の光学素子の製造方法。
- 前記結晶分割工程は、前記フォトニック結晶積層体の積層方向に沿った側面に劈開用傷を付け、前記劈開用傷からの劈開により、前記フォトニック結晶積層体を前記積層体残存部分と前記フォトニック結晶分離部分とに分割する工程であることを特徴とする、請求項1に記載の光学素子の製造方法。
- 前記積層体形成工程は、前記フォトニック結晶積層体の形成途中で、前記積層体残存部分と前記フォトニック結晶分離部分との境界となる部分に除去層を積層する工程を含み、
前記結晶分割工程は、前記除去層をエッチング液でエッチングして除去することにより、前記フォトニック結晶積層体を前記積層体残存部分と前記フォトニック結晶分離部分とに分割する工程であることを特徴とする、請求項1に記載の光学素子の製造方法。 - 前記積層体形成工程は、前記フォトニック結晶積層体の形成途中で、前記積層体残存部分と前記フォトニック結晶分離部分との境界となる部分に切断層を積層する工程を含み、
前記結晶分割工程は、前記切断層を前記成長基板に沿う方向に切断することにより、前記フォトニック結晶積層体を前記積層体残存部分と前記フォトニック結晶分離部分とに分割する工程であることを特徴とする、請求項1に記載の光学素子の製造方法。 - 凹凸パターンが形成された成長基板を用いた自己クローニング法により、複数種の誘電体層を周期的に積層して形成されたフォトニック結晶と、
前記フォトニック結晶の積層方向の一方面に接合され、前記フォトニック結晶を支持する支持基板とを含み、
前記支持基板は、前記成長基板とは別の基板であることを特徴とする、光学素子。
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