JP2006335913A - 洗浄用樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 洗浄性が高く、作業性の良い洗浄用樹脂組成物の提供。
【解決手段】 ポリオレフィン樹脂(A)に無機充填材(B)およびアニオン系界面活性剤(C)を配合してなる洗浄用樹脂組成物であって、前記洗浄用樹脂組成物の280℃でせん断速度10 s−1における溶融粘度が1300〜9000Pa・sであり、かつ280℃でせん断速度100 s−1における溶融粘度が450〜3000Pa・sであり、300℃以上の温度で使用する洗浄用樹脂組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、各種樹脂の成形に使用する成形加工機を洗浄するために用いる、成形加工機のシリンダー設定温度が300℃以上である高温洗浄用の洗浄用樹脂組成物に関する。
熱可塑性樹脂は、射出成形品、押出成形品、フィルム等に幅広く利用されている。これらのプラスチック成形品は多品種少量生産の傾向にあり、品種の切替え頻度が多くなっているため、品種切替え時の成形機内の洗浄が品質管理上重要となってきている。熱可塑性樹脂の成形加工において、品種切替えの際における成形機の洗浄法としては、下記の方法が知られている。
まず、後続に使用する樹脂で洗浄する、即ち、スクリューを抜かずに置換用樹脂を用いて先行品種を置換する方法である。しかし、この方法では洗浄に多量の樹脂を流す必要があり、ロス分が多くなるという問題がある。
次に、加工成形機を分解掃除する方法があるが、この方法はあまりに時間がかかり過ぎるという問題がある。例えば押出成形における色替えの場合を例にとると、押出機を停止し、スクリューを抜いた後、スクリューおよびシリンダー内部をブラッシング等の方法で洗浄した後、再びスクリューを組込む等の煩雑な作業が必要となる。
これらの方法に替えて、置換用樹脂量が少なくて済み、洗浄操作も簡便であることから様々な洗浄剤で洗浄する方法が試みられている。しかし、この洗浄剤による洗浄法の場合も、洗浄後に前剤が残留して焼けや成形不良の原因になったり、また完全に前剤を排出できても洗浄剤が残留し、次の樹脂への置換に多量の樹脂と長い時間を必要とするという問題がある。
また洗浄剤には、熱可塑性樹脂に界面活性剤を添加し洗浄性を高めているものがあるが、界面活性剤を添加すると成形機や押出機のスクリューとの摩擦が小さくなるため、前方に洗浄剤を送り出すことが困難になり、洗浄に時間がかかったり場合によっては洗浄できないという問題がある。
特開平9−208992号公報 特開2000−119458号公報 特開2000−119464号公報 特開2002−1734号公報 特開2001−348600号公報
特許文献5には、熱可塑性超高分子(分子量が100万〜1000万)とウォラストナイトを含有し、ガラス繊維を含まない成形機用洗浄剤であり、360℃以上もの温度で洗浄することが開示されている。しかし、この発明の洗浄剤は、熱可塑性超高分子を含有するため高粘度であることから、高温で使用した場合、洗浄剤が成形機シリンダー内に残留し易いため後剤に置換しづらく、作業中において洗浄剤に起因する発泡、発煙、発火が生じるおそれがあるという問題があり、作業性の点で改善すべき余地がある。
本発明は、押出成形機や射出成形機などの成形加工機に高温(成形加工機のシリンダー設定温度が300℃以上)で適用したときの洗浄力が高く、後剤への置換も容易であり、洗浄剤に起因する発泡、発煙、発火が生じることがなく、作業性の良い洗浄用樹脂組成物を提供する。
本発明は、課題の解決手段として、
ポリオレフィン樹脂(A)に無機充填材(B)およびアニオン系界面活性剤(C)を配合してなる洗浄用樹脂組成物であって、
前記洗浄用樹脂組成物の280℃でせん断速度10 s−1における溶融粘度が1300〜9000Pa・sであり、かつ280℃でせん断速度100 s−1における溶融粘度が450〜3000Pa・sであり、
成形加工機械のシリンダー設定温度が300℃以上の温度で使用する洗浄用樹脂組成物、および前記洗浄用樹脂組成物を用いた成形機の洗浄方法を提供する。
本発明の洗浄用樹脂組成物は、高い洗浄性と排出性(=洗浄剤がシリンダー内に残留しにくく後剤で容易に置換されること)を有しており、樹脂成形加工機を洗浄する際、成形加工機械のシリンダー設定温度が300℃以上の温度において使用した場合でも、発泡、発煙、発火が発生することがなく、作業性が良い。
<洗浄用樹脂組成物>
〔(A)成分〕
(A)成分のポリオレフィン樹脂としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、3−メチルブテン−1,4−メチルペンテン−1等のα−オレフィンの単独重合体、又はこれらα−オレフィンのランダム若しくはブロック等の共重合体、或いはこれらのα−オレフィンを主成分として含有し(好ましくは50質量%以上)、その他のモノマーを共重合させた共重合体を挙げることができる。
他のモノマーとしては、ブタジエン、イソプレン、ジシクロペンジエン、1,4−ヘキサジエン、4−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン等のジエン類、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、酢酸ビニル、メタクリル酸メチル、マレイン酸イミド等の不飽和酸又はその誘導体、スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族アルケニル化合物等を挙げることができる。
(A)成分のポリオレフィン樹脂としては、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)およびポリプロピレン(PP)から選ばれる1種又は2種以上のものが好ましい。
(A)成分のポリオレフィン系樹脂は、組成物が所定の溶融粘度になるように選択されるものであるが、好ましくは重量平均分子量が50,000〜150,000の範囲のものである。分子量が50,000以上であると十分な洗浄効果を有するだけの粘度を得ることができ、高温での使用時においても低分子量成分の解重合による分解揮発成分の発生が少ないので好ましい。また、分子量が150,000以下であると、粘度を適正に維持できるため、使用時のせん断発熱による樹脂の分解が抑制される。
〔(B)成分〕
(B)成分の無機充填材は、洗浄性を向上させるのに必須の成分であって、天然物、人造物、およびこれらの精製物が使用可能である。洗浄剤が洗浄効果を発揮するためには一般的に溶融粘度が高いほど良いが、(A)成分のオレフィン系樹脂は300℃以上での使用で液状化(=低粘度化)が進み洗浄効果が低下する。無機充填材は通常500℃でも融解しないため、これを組成物中に練り込むことにより300℃以上での使用時に洗浄剤組成物の液化を低減させる効果がある。
特許文献5等のように、無機充填材の代わりに分子量が100万〜1000万の熱可塑性超高分子量重合体や有機充填材を使用して液状化を低減させる方法も知られているが、無機充填材と比べて硬度が低いため炭化異物等の掻き取り性に劣り、また超高分子量重合体がシリンダー内に残存する排出性の問題がある。
(B)成分の無機充填材は、洗浄効果およびコストのバランスからガラス繊維、人造鉱物繊維およびウォラストナイトから選ばれるものが好ましい。
ガラス繊維としては、一般に市販されているものが使用可能であり、例えば日本電気硝子(株)、日本板硝子(株)、日東紡績(株)のプラスチック用ガラス繊維メーカーで製造されているものが入手可能である。これらは、繊維を束ねるための集束剤、および樹脂との密着性を向上させるためのカップリング剤が配合されているが、必要に応じて、ガラス繊維の樹脂からの脱落を防止したり、洗浄剤樹脂組成物の加工性を向上する目的でカップリング剤を増量してもよい。これら集束剤およびカップリング剤は、高温での熱安定性の高いものがより好ましい。また、繊維径が5〜16μm、繊維長が0.5〜12mmのものが好ましい。
人造鉱物繊維としては、ロックウール(岩綿)、スラグウール(鉱さい綿)から選ばれるものを用いることができる。
ロックウールは、玄武岩その他の天然鉱物などを主原料として、キュポラや電気炉で1,500〜1,600℃の高温で溶融するか、又は高炉から出たのち、同程度の高温に保温した溶融スラグを炉底から流出させ、遠心力などで吹き飛ばして繊維状にした人造鉱物繊維である。なお、けい酸分と酸化カルシウム分を主成分とする高炉スラグを原料としたものもロックウールとする場合もある。
スラグウールは、けい酸分と酸化カルシウム分を主成分とする高炉スラグを原料としてロックウールと同様にして製造したもの人造鉱物繊維である。
人造鉱物繊維の平均繊維長Lは、1〜5,000μmが好ましく、1〜1,000μmがより好ましく、5〜500μmが更に好ましい。
人造鉱物繊維の平均繊維径Dは、1〜20μmが好ましく、1〜10μmがより好ましく、2〜7μmが更に好ましい。
人造鉱物繊維の平均繊維長Lと平均繊維径Dとの比L/Dは、1〜1000が好ましく、1〜100がより好ましく、2〜80が更に好ましい。
ウォラストナイトは公知のものを用いることができ、例えば、平均繊維長が1000μm以下で、平均繊維径が5〜20μmのものを挙げることができる。
(B)成分の無機充填材の配合量は、(A)成分のポリオレフィン樹脂100質量部に対して、10〜100質量部が好ましく、より好ましくは15〜85質量部、更に好ましくは20〜70質量部である。無機充填材の量が10質量部以上であると洗浄性が良く、無機充填材の量が100重量部以下であると成形機のシリンダーが傷つけられ難くなる。
〔(C)成分〕
(C)成分のアニオン界面活性剤は、洗浄性および排出性を向上させるための必須成分であって、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル又はアルケニルエーテル硫酸塩、アルキル又はアルケニル硫酸塩、炭素数8〜20のα−オレフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩類、アルキル又はアルケニルエーテルカルボン酸塩、α−スルフォ脂肪酸塩、α−スルフォ脂肪酸エステル、炭素数が12〜20の飽和又は不飽和脂肪酸のアルカリ金属塩等から選ばれる1又は2以上を挙げることができる。
アニオン界面活性剤としては、特にアルカンスルホン酸又はその塩を50質量%以上含む陰イオン界面活性剤が好ましい。
アルカンスルホン酸又はその塩は、下記一般式(1)で表されるものが好ましい。一般式(1)中のnは平均値であるから、一般式(1)で表されるものは炭素数の異なるものの混合物となる。(C)成分として用いるアルカンスルホン酸又はその塩は、自己排出性の発現に寄与する。
Figure 2006335913
〔式中、mは平均で5〜30の数、nは0〜30、n≦m、Mは、好ましくはH、Na、K、Mg、Caを示す。〕
アルカンスルホン酸又はその塩以外の陰イオン界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル又はアルケニルエーテル硫酸塩、アルキル又はアルケニル硫酸塩、炭素数8〜20のα−オレフィンスルホン酸塩、アルキル又はアルケニルエーテルカルボン酸塩、α−スルフォ脂肪酸塩、α−スルフォ脂肪酸エステル、炭素数が12〜20の飽和又は不飽和脂肪酸のアルカリ金属塩等から選ばれる1又は2以上を挙げることができる。
(C)成分中のアルカンスルホン酸又はその塩の含有量は50質量%以上、好ましくは90〜100質量%、より好ましくは99〜100質量%である。
(C)成分のアニオン系界面活性剤の配合量は、(A)成分のポリオレフィン樹脂100質量部に対して、0.1〜20質量部が好ましく、より好ましくは1〜10質量部、更に好ましくは1.5〜5質量部である。配合量が20重量部を超えると(A)成分のポリオレフィン樹脂と混じり合わず、0.1重量部未満だと洗浄性および排出性の効果が低くなる。
本発明の洗浄用樹脂組成物には、必要に応じて、更に(D)アルキレングリコール脂肪酸エステル、(E)有機燐化合物、(F)多価アルコール、(G)金属石鹸から選ばれるものを配合することができる。
(D)成分のアルキレングリコール脂肪酸エステルとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール等のアルキレングリコールと炭素数12〜22の脂肪酸のエステル化合物を挙げることができる。
(E)成分の有機燐化合物としては、燐原子に結合するエステル性酸素原子を1つ以上有するものが好ましい。(E)成分は、焦げに対して高い溶解力を有しているため、特に異物除去性の発現に寄与する成分である。
(F)成分の多価アルコールは、複数個のヒドロキシル基が結合している非環式および環式化合物である。かかる(F)成分としては、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ペンチトール類(アドニトール、アラビトール等)、ヘキシトール類(ズルシトール、イノシトール等)、サッカリド類(アミロース、キシラン等)およびこれらの誘導体(N−メチルグルカミン等)等から選ばれる1又は2以上を挙げることができる。
(G)成分の金属石鹸としては、炭素数6〜22の脂肪酸と金属(Mg,Li,Zn,Ca,Al,Sn等)の塩が好ましい。
本発明の洗浄用樹脂組成物は、成形加工機械のシリンダー設定温度が300℃以上の温度で使用するものであり、280℃でせん断速度10 s−1における溶融粘度が1300〜9000Pa・s、好ましくは1800〜7500Pa・sであり、かつ280℃でせん断速度100 s−1における溶融粘度が450〜3000Pa・s、好ましくは600〜2500Pa・sである。
所定温度およびせん断速度における溶融粘度が上記範囲内であると、樹脂の成形加工機内において300℃以上の温度で使用した場合でも、成形加工機内外において、発泡、発煙、発火が生じることがない。
ここで、発泡とは、洗浄剤樹脂組成物が押出成形機のダイス、ダイリップ、射出成形機のノズルなどの成形加工機から排出される時に洗浄剤樹脂組成物がばらばらになって飛散する現象を指す。また、発煙、発火とは、洗浄剤樹脂組成物が成形加工機から排出された高温の溶融物の塊が蓄熱によって燻り、最悪の場合は発火に至ることを指す。
本発明の洗浄用樹脂組成物は、上記各成分を、ヘンシェルミキサー、タンブラーブレンダー、ニーダー等の混合機で予備混合した後、押出機で混練したり、加熱ロール、バンバリーミキサーで溶融混練することによって製造する。
<成形機の洗浄方法>
本発明の成形機の洗浄方法では、各種成形機に適用する際、シリンダー温度を300℃以上に維持した状態にて、公知の方法により、洗浄用樹脂組成物を供給して、洗浄を行う。
実施例1〜5、比較例1〜6
表1に示す組成の各成分をタンブラーブレンダーで混合後、押出機にて溶融混練し、ペレット形状の洗浄用樹脂組成物を得た。これらの成分を使用し、下記の方法で洗浄試験を行った。実施例、比較例における使用成分、材料、および測定方法は下記のとおりである。
(A)成分
ベース樹脂1:HDPE
三井化学(株)ハイゼックス5000SR(重量平均分子量 1.2×105
ベース樹脂2:LDPE
東ソー(株)ペトロセン172(重量平均分子量 1.1×105
ベース樹脂3:HDPE100重量部に対し超高分子量PE15重量部を配合したもの
超高分子量PEは、ハイゼックスミリオン630M(粘度平均分子量 5.9×106
HDPEは、ベース樹脂1に同じ
ベース樹脂4:PP
サンアロマー(株)PM801A(重量平均分子量 2.0×105
(B)成分
ガラス繊維:日本電気硝子(株)ECS-03-T-120
ウォラストナイト:関西マテック(株)KGP-Y40
ロックウール:日本ロックウール(株)エスファイバーFF120
(C)成分
界面活性剤:アルカンスルホン酸ナトリウム
クラリアントジャパン(株)Hostapur SAS93
(溶融粘度の測定)
測定機器:東洋精機(株)キャピログラフ1B
測定条件:バレル温度=280℃、L/D=10/3
(せん断速度)
下記式にて計算される見掛けのせん断速度をせん断速度として使用した。
見掛けのせん断速度=32×103×Q/(π・Dd 3)
ただし、Q:流れ値(cm3/s)、π:円周率(3.14)、Dd:ダイ径(mm)。
(洗浄性の評価)
射出成形機〔東芝機械(株)の射出成形機SH100(型締め力100トン、スクリュー径φ36、ノズル径φ3)〕のホッパーに先行材料を500g投入し、完全に自己排出させた。その後、組成物を100gずつ投入して排出させ、排出された固形物に先行材料が認められなくなるまでこれを繰り返し、合計の組成物の使用量(kg)で評価した。
(先行材料)
LCP黒:シリンダー温度を350℃に設定し、先行材料としてポリプラスチックス(株)社製ベクトラE471i(液晶ポリマー)の黒着色品を先行材料として使用した。
PPS黒:シリンダー温度を310℃に設定し、先行材料としてポリプラスチックス(株)社製フォートロン3130A(ポリフェニレンサルファイド樹脂)の黒着色品を先行材料として使用した。
PC黒:シリンダー温度を300℃に設定し、先行材料として住友ダウ(株)社製カリバー300-10(ポリカードネート樹脂)の黒着色品を先行材料として使用した。
(排出性)
洗浄性の評価と同じ成形機を使用した。シリンダー温度を300℃に設定し、組成物を500g投入し、完全に自己排出させた後にナチュラル(透明)色のポリカーボネート樹脂(住友ダウ(株)社製カリバー300-10)を投入した。1kg毎に平板を成形して組成物の残存を目視確認し、組成物が完全にポリカーボネート樹脂に置換されるまでこれを繰り返した。
(発泡の有無)
洗浄性の評価と同じ成形機を使用した。シリンダー温度を320℃に設定し、射出率を100cc/secに設定して組成物の排出を行った。排出時の洗浄剤樹脂組成物の発泡の有無を評価した。
(樹脂温度)
洗浄性の評価と同じ成形機を使用した。シリンダー温度を320℃に設定し、射出率を30cc/secに設定して排出を行い、排出直後の溶融物の温度を、接触型温度計を使って測定し、樹脂温度とした。
Figure 2006335913
実施例1〜6は、(A)、(B)、(C)成分を含み、所定の溶融粘度を有しているものであるため、洗浄性、排出性が良く、発泡もなかった。また、樹脂温度も抑制されており、発煙、発火の危険性はない。
比較例1、2は溶融粘度が本発明の本発明の範囲外(高すぎる)のため、洗浄性は良好であるものの、発泡現象があり、また、樹脂温度も高く発煙、発火の恐れがある。またベース樹脂3が熱可塑性超高分子PEを含有するため排出性も悪かった。
比較例3は、(A)、(B)、(C)成分を含むものの溶融粘度が本発明の範囲外(低すぎる)のため、洗浄性が悪かった。
比較例4は、所定の溶融粘度を有しているため、発泡現象はなく、樹脂温度は抑制されて発煙、発火の危険性はないが、(B)、(C)成分を含まないため、洗浄性が悪かった。
比較例5は、溶融粘度が本発明の本発明の範囲外(高すぎる)のため、発泡現象が発生し、樹脂温度も高いため発煙、発火の恐れがある。また、(C)成分が含まれてないため排出性が悪かった。
比較例6は、所定の溶融粘度を有しているため、発泡現象はなく、樹脂温度は抑制されて発煙、発火の危険性はないが、(B)成分を含まないため、洗浄性が悪かった。

Claims (6)

  1. ポリオレフィン樹脂(A)に無機充填材(B)およびアニオン系界面活性剤(C)を配合してなる洗浄用樹脂組成物であって、
    前記洗浄用樹脂組成物の280℃でせん断速度10 s−1における溶融粘度が1300〜9000Pa・sであり、かつ280℃でせん断速度100 s−1における溶融粘度が450〜3000Pa・sであり、
    成形加工機械のシリンダー設定温度が300℃以上の温度で使用する洗浄用樹脂組成物。
  2. ポリオレフィン樹脂(A)100質量部に対し、無機充填材(B)を10〜100質量部、アニオン系界面活性剤(C)を0.1〜20質量部配合してなる請求項1記載の洗浄用樹脂組成物。
  3. ポリオレフィン樹脂(A)が、HDPE、LDPE、LLDPEおよびPPから選ばれるものである請求項1又は記載の洗浄用樹脂組成物。
  4. 無機充填材(B)が、ガラス繊維、人造鉱物繊維およびウォラストナイトから選ばれるものである請求項1〜3のいずれかに記載の洗浄用樹脂組成物。
  5. アニオン系界面活性剤(C)が、アルカンスルホン酸又はその塩を50質量%以上含有するものである請求項1〜4のいずれかに記載の洗浄用樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の洗浄用樹脂組成物を成形加工機械のシリンダー設定温度が300℃以上の温度にて樹脂成形加工機械用の洗浄剤として使用する成形機の洗浄方法。
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