JP2006334787A - 透明断熱積層体とその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】可視光透過性が高くかつ赤外光の遮断性の高い透明断熱積層体の提供とその好適な製造方法の提供。
【解決手段】透明基板10上に透明導電層11/金属層12/透明導電層13/金属層14/透明導電層15の5層を設ける。層数は3層以上であれば任意である。望ましくは、透明導電層はインジウム、錫、亜鉛の複合酸化物(ITZO)層であり、金属層は銀層である。この積層体において、波長510nmでの光透過率T(510)が74%以上で、波長700nmの光透過率T(700)と波長900nmでの光透過率T(900)との比T(900)/T(700)が0.3以下であることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、ビル等の建物や自動車の窓に使用して窓からの熱損失を防ぎ、建物、自動車等の省エネルギーを実現する透明断熱積層体とこの透明断熱積層体を低コストで製造できる透明断熱積層体の製造方法に関し、詳しくは金属層と光学薄膜からなる光補償層を積層した透明断熱積層体の改良及びプラスチックフィルム等の透明フィルムを基板とした透明断熱フィルムの好適な製造方法に関する。
上述の透明断熱積層体は、合せガラス、熱線反射フィルム、透明断熱フィルム等として既に市販されおり、これについては、既に多くの提案がある。
特許文献1には、その基本となる酸化チタン層/銀層/酸化チタン層の3層構成の透明断熱積層体が提案されている。
また、特許文献2には、銀層の前後にニッケル層を設けて銀層を薄くして透明層を高めた構成が開示されている。
さらに、特許文献3には、2層の銀層を誘電体の酸化インジウム層で挟んだ酸化インジウム層/銀層/酸化インジウム層/銀層/酸化インジウム層の5層構成の透明断熱積層体が開示されている。
米国特許第4,337,990号明細書 米国特許第3,682,528号明細書 特許第2901676号公報
前述の通り、既に多くの提案があり、これらに基づいた透明断熱フィルム等の製品も市販されている。しかしながら、市販の透明断熱フィルムの現状は、一部に採用されているが、広く住宅、ビル、自動車等に採用される状況には至っていない状況にある。
建物の省エネルギーは近年喫緊の課題となっており、この現状の原因を調べた。その結果、その一因は、以下のように充分な断熱性能を有する窓用の市販品がない現状にあることがわかった。すなわち、透明断熱積層体では透明性と断熱性能は相反する特性であり、窓用の場合、必要な透明性換言すれば可視光透過率を確保する必要があり、例えば自動車窓にも使用できる可視光透過率で70%以上を確保すると現在の市販品では最高のものでも断熱性能を示す日射遮蔽係数(日差しを遮る効果をみる指標で、3mm厚の透明ガラスを1として、6mm厚透明ガラスにフィルムを貼付した場合の室内に入り込む日射量の割合)は0.7以上であり、断熱性能を重視し、日射遮蔽係数を0.6近くに高めた製品では可視光透過率が70%に達せず、必要な透明性が確保され、かつ所望の省エネルギー効果が得られる製品が存在しないのが現状である。
本発明はかかる現状を打破せんとするものであり、充分な透明性を有し、かつ断熱性能も充分な透明断熱積層体の提供を第1の課題とするものである。
また、本発明は、かかる透明断熱積層体を生産性よく、低コストで製造できる製造方法を第2の課題とするものである。
上記課題は、以下の本発明により解決される。すなわち、本発明の第1の発明は、第1の課題を解決するもので、透明基板上に熱線を反射する金属層と透明な光補償層を交互に積層して、可視光を透過し、熱線を反射するようにした透明断熱積層体において、該光補償層が導電性の金属酸化物からなる透明導電層であり、波長510nmでの光透過率T(510)が74%以上で、波長700nmの光透過率T(700)と波長900nmでの光透過率T(900)との比T(900)/T(700)が0.3以下であることを特徴とする透明断熱積層体である。
第2の発明は、上記透明断熱積層体を低コストで生産でき、その工業生産に好適な、第2の課題を解決する製造方法で、透明なプラスチックフィルム上に透明導電性層と金属層とを交互に積層した透明断熱積層体を製造するに際し、スパッタ装置により長尺の透明なプラスチックフィルムをロールから巻き出して一定速度で搬送しつつ、該透明なプラスチックフィルム上に透明導電層及び金属層を連続的に膜形成ししつつロールに巻き上げる透明断熱積層体の製造方法において、該スパッタ装置が所定間隔隔てて対向配置した一対のターゲットの対向方向に磁界を印加してターゲット間の対向空間にプラズマを拘束し、この対向空間に対面するようにその側方に配した基板上に成膜する対向ターゲット式スパッタ装置であり、その対向空間に所定間隔を隔てて対面するように該透明なプラスチックフィルムを所定張力で空中を搬送しつつ成膜することを特徴とする透明断熱積層体の製造方法である。
従来の透明断熱積層体は金属層具体的には銀層と光補償層としての透明誘電体層を組み合わせたものであった。従って、熱線反射性能を向上するためには、銀層の厚みを厚くする以外に方法はなく、透明性を考慮すると、そこに限界があった。これに対して、第1の発明は、この誘電体層に替えて、透明導電体層を用い、その赤外線反射性能すなわち熱線反射性能を利用してその性能を高めると共に、その透明性による光学特性を利用して銀層との光干渉により積層膜の可視光透過性を確保するものであり、従って、本発明によれば、従来例に較べ熱遮断性能に優れた透明断熱積層体が得られ、前述の課題が解決される。中でも、インジウム、錫、亜鉛の複合酸化物(以下、ITZOと略称する。)は、耐候性等の耐環境性にも優れ、また銀層との界面も均一で経時劣化もなく、積層体の光学特性の面、長期安定性の面から好ましい。
また、上記の透明断熱積層体中でも基板にプラスチックフィルムを用いた透明断熱フィルムの製造方法は、スパッタ部からの熱により基板のフィルムの変質あるいは変形等が生ずるため、フィルムを表面に密着させて搬送する、一定速度で回転する冷却ロールを設け、その周囲に積層する各薄膜のスパッタ源を配して、冷却ロールでフィルムを搬送しつつ、その上に必要な機能性薄膜を積層するのが一般であった。従って、大きな冷却ロールが必要であり、更にこれを真空槽内に収納する必要があり、かつ冷却ロールの温度制御に冷媒の循環が必要になる等装置が大型化し、構成も複雑となり、非常に高価になる問題があった。これに対して、第2の発明は、対向ターゲット式スパッタ装置、中でも箱型対向ターゲット式スパッタ装置では、成膜時の温度上昇が少なく、冷却等の温度制御を全く必要とせず、基板のフィルムを所定張力下で空中を搬送しながら成膜することで、基板のフィルムに変質、変形等の損傷を生ずることなく、生産性よく透明断熱フィルムを製造できることを見出し、為されたものである。従って、冷却ロールが不要となり、且つフィルムの搬送路は単にフィルムを支持するのみの自由回転するフリーロールで自由に構成できるので、真空槽が非常にコンパクトとなり、設備費も安価となる。特に箱型対向ターゲット式スパッタ装置では、真空槽の成膜室はフィルムを搬送するフリーロールを収納するのみでよく、このコンパクト性の効果は顕著である。
ところで、市販の透明断熱フィルムを透過型電子顕微鏡(TEM)でその積層断面を観察したところ、各層の界面に微小な凹凸が観察され、且つ銀層の一部に凝集が観察され、これらもその品質低下並びに劣化の一因となっていると考えられた。界面の均一性は積層膜の光学的性能を理論通りに発現させる面から非常に重要であり、また、銀層の凝集は経年変化の可能性があり、全体としての耐環境性から重要である。
これに対して、第2の発明で製造した本発明の透明断熱フィルムでは、同じく透過型電子顕微鏡で観察したところ、各層の界面は均一で凹凸はなく、また1年以上室内に放置したものでも界面の均一性は保持され、銀の凝集も観察されず、従って期待通りの性能が発現し、高性能で長期耐久性にも優れた透明断熱フィルムが実現された。なお、銀層の安定化には、銅、金を含む銀合金、銀層に接する両側のITZO膜の特性具体的には耐環境性等が寄与していると考えられる。
また、これにより本製造方法によれば下層の表面性、品質等を損なうことなく、その上に別の必要な層を積層でき、高品質の積層膜が製造できることが確認された。
図1は、本発明の透明断熱フィルムの代表的な積層構成を説明する側断面図である。
図2は、本発明の透明断熱フィルムを成膜するロールツロール方式の箱型対向ターゲット式スパッタ装置の構成を示す説明図である。
図3〜7は、図2の箱型対向ターゲット式スパッタ装置の箱型スパッタユニットの構成の説明図である。
本発明の透明断熱積層体は、金属層特に好ましくは銀もしくは銀合金からなる銀層の両側にこの層と干渉する光補償層として金属酸化物からなる透明導電層を積層した構成を基本構成とする。図1は性能面及びコスト面から好ましい実施形態で、透明基板10上に透明導電層11/金属層12/透明導電層13/金属層14/透明導電層15の5層を順次積層した5層構成となっている。ここで、金属層、透明導電層の層数が増すほど透明性、断熱性能等の性能は向上するがコストも上昇するので、積層の層数は用途に応じて選択されるが、通常は3〜7層で選択される。
透明基板10としては、ガラス、プラスチックフィルム等透明なものであれば特に限定されないが、適用面、生産性面、コスト面等から透明なプラスチックフィルムが好ましく、具体的にはポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム等市販のものが適用できる。フィルムの厚みは、特に限定されず、取扱い性、強度等から使用目的により選択されるが、通常は30〜150μmが用いられる。
金属層12、14も、従来から使用されている金、銀等がそのまま適用できる。
中でも性能面、コスト面等から銀(Ag)及び銀合金が好ましく、中でも後述の成膜実施例で用いた金(Au)、銅(Cu)或いはネオジウム(Nd)の少なくとも2元素を含む3元の銀合金は耐環境性面、長期安定性面から好ましい。なお、金の含有量は0.4〜0.8at%、銅或いはNdの含有量は0.6〜2.0at%が好ましく用いられる。
本発明では、光補償層として従来の透明誘電体層に替えて、金属酸化物からなる透明導電層11、13、15を用いる。かかる透明導電層としては、透明導電膜として周知のITO(インジウムと錫の複合酸化物)、亜鉛酸化物等公知の金属酸化物がそのまま適用できる。後述の成膜実施例に用いたインジウムと錫と亜鉛との複合酸化物(ITZO)は、銀層との界面も均一で銀のマイグレーション等の経時劣化もなく、積層体の熱線反射性能をそのまま発現させる面で特に好ましい。さらに、耐候性等の耐久性にも優れ、保護層としても機能するので、これまでの製品では必要とされていた保護層が省略可能である点でも好ましく、適用できる。なお、ITZOの組成は特に限定されず、通常(InO3)x(SnO2)y(ZnO2)zにおいてXが30〜70at%、Yが2〜10at%、Zが30〜60at%の範囲である。
また、各層の厚さは、積層体全体の透明性換言すれば可視光透過率と断熱性換言すれば赤外線反射率の両性能面から選択される。銀層の厚さは、実質的に透明で赤外線を効果的に反射する範囲であり、具体的には通常3〜30nmの範囲であり、複数層の場合の合計膜厚では、5〜50nmの範囲である。また、透明導電層の厚さは、光干渉の面から銀層の厚さ及び層の屈折率とも関連するが、通常10〜100nmの範囲である。ファブリ・ペロー干渉計の原理を発現させる面からは、金属層を挟む透明導電層の膜厚は、積層構成の両側の最外層の膜厚と金属層間の中間層の膜厚の比が1:2になるように選定することが好ましい。
そして、以上に基づいて、各層の膜厚、材料は、積層体全体の可視光透過率で70%以上、かつ日射遮蔽係数で0.5以下になるように選定することが好ましい。この際、積層体の分光特性において、波長510nmでの光透過率T(510)が74%以上で、波長700nmでの光透過率T(700)と波長900nmでの光透過率T(900)の比T(900)/T(700)が0.3以下になるように選定する事が、可視光透過率と日射遮蔽係数とを両立させる面から特に好ましい。
この透明断熱積層体の中でも、透明基板に透明プラスチックフィルムを用いた透明断熱フィルムがコスト面、既設建物の窓への適用面等の面から好ましい。
図2に第2の発明の製造方法を実施する前述の5層構成の透明断熱フィルムを低コストで生産できる箱型対向ターゲット式スパッタ装置を示す。
図から明らかのように、本装置は、基板の長尺のフィルム10をロールツロールで搬送しつつ連続的に成膜する構成となっている。真空槽20は両端部のロール室20a、20bとその中間に位置するスパッタ室20cからなり、スパッタガス等を供給するガス供給系30と槽内を排気する排気系40が接続されている。排気系40は両ロール室20a,20bに接続して、排気時間の短縮を計っている。なお、図示省略したが、ロール室20a,20bとスパッタ室20cの間に仕切り弁を設け、各室間を遮断できるようになっている。これによりロール交換時にもスパッタ室20cが真空に保持できるので、ターゲット表面の酸化等が防止され、生産性、品質面、保全性等の面で大きな効果がある。
ロール室20a、20bには、巻取り・巻き出し機(図示省略)のロール取着軸21、22が配置され、この一方のロール取着軸21に基板のフィルム10のフィルムロール10aがセットされ、他方のロール取着部22にフィルム10を巻き取る巻芯(図示省略)がセットされる。すなわち、フィルム10は、フィルムロール10aから巻き戻されて、スパッタ室20cを通って搬送され、そこで所望の機能性膜を堆積され、再びフィルムロール10bに巻き上げられるようになっている。図の23はフィルム10の張力を検出する張力検出器で、24はフィルム10の搬送速度を検出する速度検出器であり、ともに市販のものを用いている。そして、図示省略したコンピュータからなるコントローラにより、速度検出器24の速度信号によりロール取着軸22の巻取り・巻き出し機の巻取り速度を、張力検出器23からの張力信号によりロール取着軸21の巻取り・巻き出し機の送り出しトルクを制御して、フィルム10を設定された一定速度、一定張力で両方向に搬送できるようになっている。図の25は、フィルム10の搬送路を形成するフィルム10の幅以上の長さを有する自由に回転するフリーロールで、フィルム10が図示のように各箱型スパッタユニット50の開口部に対面してその前方の空中を走行するようにフィルム10を案内するように配置されている。このようにスパッタ室20cはフィルム10の搬送路を形成するフリーロール25を収納できればよく、従って非常に簡単な構成でその容積も小さくなり、設備コスト面でも大きな効果がある。なお、フィルム10の幅が50cmを越える広幅の場合には、このフリーロール25の少なくとも1個を中心部の径が次第に大きくなる太鼓状のエキスパンダーロールを用いることが好ましい。これによりフィルム10の幅方向に適度の張力が付与され、成膜時の走行が安定化する。
スパッタ室20cには、本例では、3層以上の積層膜からなる透明断熱フィルムの製造を生産性よく製造できるように3個の箱型スパッタユニット50が設けられている。従って真中の箱型スパッタユニット50に銀層の銀ターゲットを、両端の箱型スパッタユニット50に透明導電層用の金属酸化物ターゲットをセットすることにより、1パスで透明導電層/銀層/透明導電層のファブリ・ペローの干渉フィルター構成が製造できる。また、一往復することにより図1に示す5層構成の透明断熱フィルムを製造できる。なお、この箱型スパッタユニット50の個数は、生産性、設備費等に関係し、目的に応じて選択する。
ところで、本例の箱型スパッタユニット50は、図3〜7に示す構成となっている。図3は、この箱型スパッタユニット50の、部分的に断面図にて示す斜視概略図である。図示のように本例の箱型スパッタユニット(以下、箱型ユニットと略称する。)50は、ターゲット部100a、100bを直方体状の枠体51の図で左右の対向側面51a、51bに気密に取着し、基板のフィルム10に面する図で下側の開口側面51f以外の側面51c〜51e(図で手前側の側面51cは図示無し)を遮蔽板52c〜52e(図で手前側の側面51cの遮蔽板52cは図示無し)で気密に遮蔽して、開口側面51fのみが開口し、その他は密閉された箱型構成としたものである。
ターゲット部100a、100bの対向する面側には、図4、図5に示すように基板のフィルム10の幅方向に並べてそれぞれ2枚のターゲット100a、100a;100b、100b(100bは図示なし)が取り付けられている。また、ターゲット部100a、100bにはターゲット面に垂直な対向方向の対向モードの磁界とターゲット面に平行なマグネトロンモードの磁界をターゲット周縁部に形成するための永久磁石130a、130bと、このマグネトロンモードの磁界を調整するための永久磁石180a、180bとが装着されている。永久磁石130a、130bと180a、180bとは、固定板132a、132bと182a、182bを用いてそれぞれ収納部内に固定されている。ターゲット部100a、100bの背面には、永久磁石132a、132bと永久磁石182a、182bとを磁気的に結合するためのポール板191a、191bが設置されている。ポール板191a、191bには、冷却水の供給管と排水管を通すための開口193a(図示なし)、193bが開設されている。
ターゲット部100a、100bの前方(本明細書においては、前方とは対向するターゲットの対向面側の内側方向を意味し、後方とはその反対面の外側方向を意味する)には、それぞれ電子を吸収するための後述の管状電極(図3では本体部は図示省略)が設置されており、この管状電極の脚部201b、201c(201cは図示なし)は遮蔽板52eから引き出されている。
本実施の形態の対向したターゲット部100a、100bは、枠体51に一体的に取付・取外し可能なユニット構成になっている。
図4は、本実施の形態に用いたターゲット部の斜視図であり、図5は図4でのA−A線での断面図である。図4、図5は、ターゲット部100aの図であるが、ターゲット部100bは磁界発生手段の永久磁石130aと磁界調整手段の永久磁石180aの磁極N、Sの配置が逆になる点を除いてこのターゲット部100aと同じ構成であり、その詳細図は省略する。
図4に示されるように、ターゲット部100aは、支持体部150aのフランジ155aにより枠体51に着脱可能に取り付けられる構成となっている。そして、本実施の形態においては、ターゲット部100aは、以下のように支持体モジュールと2つのターゲットモジュールとのモジュール構成になっており、支持体モジュールの支持体部150aにはターゲットモジュール200a、200aが取り付けられている。ターゲットモジュール200a、200aは、バッキング部113a、113aとその表面上に固着されたターゲット110a、110aとから構成される。バッキング部113a、113aの内部には、冷却溝161a、161aを形成する隔壁162a、162aが設けられており、ここに冷却ジャケット160a、160aが構成されている。冷却溝161a、161aは、その両端部が冷却水の供給・排水の行われる接続口163a、163aに接続されている。また、冷却溝161a、161aは、可能な限り広くターゲット110a、110aの裏面をカバーできるように形成されている。
図5に示すように、前面にターゲット110a、110aが固着されたバッキング部113a、113aは、支持体モジュールの支持体部150aの前面に設けられたターゲットモジュール取り付け部の凹部152aにその周辺部で一定間隔のボルト111aにより交換可能に取り付けられている。
冷却ジャケット160a、160aは、バッキング部113a、113aの厚い板状体からなるバッキング本体114a、114aの後部に隔壁162a、162aを備えた段付凹部を形成し、この段部に接続口163a、163aを形成したバッキング蓋体115a、115aを溶接して段付凹部を密閉することにより形成されている。なお、バッキング部113a、113a、隔壁162a、162aは熱良導材、具体的には本例では銅により形成されている。また、図示省略したが、接続口163a、163aには接続具を介して合成樹脂のチュ−ブが貫通孔154aを通して配管され、冷却ジャケット160a、160aに冷却水を通すことができるようになっている。
そして、このバッキング部113a、113aの前面にターゲット110a、110aを熱良導性の接着材(たとえばインジウム)で接着して、ターゲットモジュール200a、200aとする。このターゲットモジュール200a、200aは、真空シール用のOリング116aにより冷却ジャケット160a、160aが真空側(対向空間120側)から遮断されるようにして、下記に詳述する支持体モジュールの支持本体部151aの前面の凹部152aに該凹部152aの表面にバッキング部113aの後面が直接接するように取着される。
なお、本実施の形態では、各ターゲット部毎に2枚ずつのターゲットを並置しているが、一つのターゲット部に配置されるターゲット数は成膜の行われるフィルムの幅によって任意に決定されるものであり、1枚であってもよくまた3枚以上とすることもできる。
以上のように構成されたことにより、フィルムである基板のターゲット面と平行方向具体的にはフィルム等の幅方向に実効的に長大なターゲットの使用が可能になり、幅の広いフィルムへ成膜することが可能になる。そして、ターゲットモジュール200a、200a2毎に独立した冷却ジャケット160a、160aが設けられており、幅方向に適度な長さのターゲット110a、110a2毎に独立して冷却されるので、冷却むらなく効果的な冷却を行うことができ、安定な成膜ができる。また、効果的な冷却により投入電力も大きくできるので、成膜速度も大きくでき、生産性も向上する。なお、各冷却ジャケット160a、160aに独立して冷却水を供給することができるが、状況に応じて配管を直列接続として一方の冷却ジャケットの排水を他方の冷却ジャケットへ供給するようにすることもできる。
本実施の形態では、ターゲットの実効的な基板幅方向の寸法を大きくしたものであるが、後述する磁界調整手段の永久磁石180aを用いることによりターゲットのエロージョンを基板幅方向に均等化することができ、基板上には基板の幅方向に均一な膜厚の膜形成を行うことが可能になる。
支持体モジュールは、熱良導材、本例ではアルミニウムのブロックから切削加工により図示のように成形された一体物の支持体部150aからなる。そして、その取付部のフランジ155aにおいて電気絶縁材、本例では耐熱性樹脂からなるパッキン156a及び真空シール用のOリング117a、118aを介して枠体51に一定間隔のボルト112aにより電気絶縁されて気密に取り付けられている。
支持体部150aは、図4に示すように、外形は直方体の支持本体部151aの図で下面の後面側に枠体51への取り付け用の所定幅のフランジ155aを突設した構成となっている。そして、図5に示すように、支持本体部151aの前面(図で上面)には、ターゲットモジュール200a、200aを取り付ける凹部152aが形成され、凹部152aを囲む周壁部153aには磁界発生手段の永久磁石130aを収納する収納部131aが大気側の後面側(図で下面)から穿設されている。
ところで、このモジュール取着部の凹部152aは、2個のターゲットモジュール200a、200aが取り付けられるように、図7に示すようになっている。すなわち、凹部152aのモジュール取着部の底面を基板のフィルム10の幅方向において二つの区画に分割し、この各区画にバッキング部113a、113aの背面にセットするOリング116aのシール面119aを形成して、ターゲットモジュール200a、200aを独立して個々にシールして取着できる取着区画としてある。従って、この各取着区画にターゲットモジュール200a、200aを取着することにより複数のターゲットモジュール200a、200aがフィルム10の幅方向に連なった合成ターゲットモジュールが構成できる。図7では、図面の簡略化のため、取付用のボルト孔は図示省略した。
本実施の形態では、周壁部153aの前方(図5での上方)側端面をターゲットモジュール200a、200aのバッキング部113a、113aの庇部とターゲット110a、110aの端部が覆っている。この構成においては、この庇部とその上のターゲット端部が電子反射手段として作用をするが、後述の電子反射板を支持部材を介してバッキング部113a、113aに取り付ける従来の構成に較べ、このターゲット端部が直接バッキング部113a、113aの庇部に接着されるので一層良く冷却され、大きな電力が投入できるので全体として生産性が向上する効果が得られる。さらにターゲット周囲の構成が非常に簡素となり、保全面、コスト面でも大きな利点がある。ただし、このターゲット端部で電子反射機能を持たせる構成は、磁性材のターゲットの場合にはマグネトロンモードの磁界の形成が難しい。かかる場合も含めて、ターゲット110a、110aの周縁部の前面近傍にマグネトロンモードの磁界をより確実に形成できるようにする必要がある場合には、周壁部153aとの重なり部のバッキング部113a、113aの庇部とターゲット110a、110aの端部を削除し、かつ、周壁部153aすなわち永久磁石130aの磁極端を高くしてその前方に電子反射板を設けた構成として、永久磁石130aの前方側の磁極端面が実質的に槽内側にターゲット110a、110a前面より少し突き出すようにすることが好ましい。
また、支持体部150aの支持本体部151a後面側の中央部には基板のフィルム10の幅方向に、磁界調整手段の永久磁石180a(図3参照)を取り付けるための溝部が所定深さにターゲット110a、110aのほぼ全長に渡るように穿設されている。なお、この溝部には全溝部を埋めるように永久磁石(180a)を設置しても良く、又必要な個所にのみ設けてもよい。磁界調整手段の永久磁石(180a)と磁界発生手段の永久磁石130aとは、固定板(182a)、132aを介して強磁性体からなるポール板191aにより磁気的に連結されている。なお、ターゲット部100a、100bのポール板191aと191bは、磁気的に結合することが対向モードの磁界の安定化、増強等の面から好ましいが、これには遮蔽板〔52c(図示なし)、52dまたは52e〕上を全面的覆う強磁性体からなる連結板、あるいは真空槽20の槽壁20dと枠体51との間に介在できる、開口部に対応する開口が形成された強磁性体からなる連結板が適用できる。なお、ポール板191aの取り付けは、永久磁石130a、180aの磁力で十分に安定して保持できるので、これらの磁力のみで可能であるが、安全のためビス等で固定することもできる。ポール板191aは、ターゲット部100aからは電気的に絶縁されており、例えば接地電位に保持されている。
収納部131aは、図5に示すように、槽外の大気側から磁界発生手段の永久磁石130aを出し入れできるように、大気側に開口した所定深さの溝穴から構成されており、永久磁石130aはこの収納部131aの溝穴に図示の磁極配置で挿着される。永久磁石130aは、本例では所定長、所定幅の板状のアルニコ等市販の永久磁石を用いている。そして、所定数個の永久磁石130aをターゲット110aと110aとで構成される複合ターゲット(すなわち110a+110aの仮想ターゲット)の外周部に沿って配設し、電気絶縁材、本例では薄い樹脂板からなる固定板132aを接着して固定してある。
また、永久磁石130aは、前述の図3に示す通り、上記の配置構成により、プラズマを閉じ込める磁界として、対向するターゲット部100bの永久磁石130bと共同して対向空間(対向する4枚のターゲットによってその間に形成される空間)120を囲繞するターゲットに垂直な方向の対向モードの磁界を形成する。また、永久磁石130aにより、あるいは場合により永久磁石180a及びポール板191aと共同して、永久磁石130a上のターゲット110a、110aとによって構成される複合ターゲット(110a+110a)の周縁部からその中央部寄りの表面に向かう円弧状のマグネトロンモードの磁界を複合ターゲット(110a+110a)の周辺に沿って生ずる。そして、前者の対向モードの磁界で複合ターゲットの中心部のスパッタが、後者のマグネトロンモードの磁界ではその周辺部のスパッタが主として支配され、全体として複合ターゲットの全表面に渡ってほぼ均一なスパッタが実現される。
上述したように、本実施の形態では、マグネトロンモードの磁界を全体的に強めるように磁界調整手段の永久磁石180aが配置され、固定板132aと同じ薄い樹脂板からなる固定板182aを接着して固定してある。この磁界調整手段により複合ターゲット(110a+110a)の周辺部の前面近傍に形成されるマグネトロンモードの磁界を調整できるので、対向モードの磁界と独立にマグネトロンモードの磁界で支配される複合ターゲット(110a+110a)の周辺部のプラズマ拘束を調整でき、ターゲットのエロージョンの均一化、更には形成される薄膜の基板幅方向の膜厚分布の均一化が実現できる。
ところで、前述したように、箱型ユニット50では、開放型に比べて、箱型空間内への電子の閉じ込めが強く、開口部からのエネルギー失った低エネルギーの熱的電子の流出が生じると言う問題が起こる。これに対処して、対向空間であるプラズマ空間から直接電子を吸収する補助電極が、図3においてはその脚部201bのみしか示さなかったが、設けられている。図6は、補助電極201が取り付けられた状態を示す遮蔽板52eの斜視図である。補助電極201は、銅製の管体からなる本体部201aと脚部201b、201cとを有する、“コ”字状の管状電極によって構成されており、その脚部201b、201cにおいて遮蔽板52eに溶接され、そこから外部へ即ち大気中に導出されている。本体部201aは、対向空間120内において複合ターゲット(110a+110a)と(110b+110b)(図3において110bは図示なし)の開口部側の周縁部の前方近傍にターゲット面に平行に配置される。補助電極201は、遮蔽板52eに溶接されており、これと同じ陽極電位(接地電位)になり、対向空間内に発生した熱的電子を含む過剰電子を吸収する。なお、補助電極201には冷却水が循環されて、強制冷却されており、箱型ユニット50からの熱除去にも寄与している。
なお、補助電極201の配置、形状は図示された例に限定されない。要は熱的電子の滞留し易い個所付近に電極が配置されていればよい。この補助電極201を設けると、電子の滞留に伴う発光が非常に減少することが確認され、基板の成膜中の温度上昇も抑制されることが確認された。
以上説明したように、ターゲット部100aは、共通の一つの支持体部150aに個々に独立して冷却できる二つのターゲットモジュール200a、200aを並べて設置した構成となっている。そして、ターゲット部100aは、取付用のフランジ部155aを枠体51に電気絶縁材、具体的には耐熱性樹脂からなるパッキン156a、真空シール用Oリング117a、118aを介して一定間隔の電気絶縁材からなるブッシュ(図示省略)を用いてボルト112aにより取り付けることにより、図3に示されるように枠体51に電気的に絶縁された状態で気密に設置され、以下の箱形ユニット50が構成される。
すなわち、この箱型ユニット50は、直方体状の構造材(本例ではアルミニウム)からなる枠体51の側面51a、51bに前記のターゲット部100a、100bを上述のように枠体51と電気絶縁して気密に取着し、基板のフィルム10に対面する下面の開口部となる側面51fを除いてその他の側面51c〜51eに遮蔽板52c〜52eをOリング(図示省略)を介してボルト(図示省略)により気密に取着して閉鎖した構成となっている(側面51c及び遮蔽板52cは図示なし)。なお、遮蔽板52c〜52eは耐熱性があり、真空遮断できれば良く、その材は特に限定されず、通常の構造材が適用でき、本例では枠体51と同じアルミニウムを用いた。なお、遮蔽板52c〜52eは、必要に応じて、その外側に冷却管等を設けて冷却する。
そして、この箱型ユニット50は、その開口部が真空槽20に臨むように枠体51の図で下側の開口側面51fで真空槽20の槽壁20dに気密に取り付けられる。従って、真空槽20と枠体51とは取り付けボルトにより電気的に接続されている。
以上の構成においても、箱型ユニット50内ではターゲット110aと110b、110aと110b(110bは図示なし)が所定間隔で対向し、かつプラズマの拘束磁界の構成も特開平10−330936号公報、特開平10−8246号公報等で公知のターゲットに垂直方向の対向モードの磁界がターゲット全域に形成され、これに加えてそのターゲット面の周辺部近傍にはターゲット面に平行方向のマグネトロンモードの磁界がターゲット周辺に沿って形成される構成である。よって真空槽20にガス導入系30からアルゴン等の所定のスパッタガスを導入して、スパッタ電源を真空槽20の槽壁20dを陽極として、ターゲット部100a、100bを陰極としてそれらの適所に接続してスパッタ電力を供給することにより従来例と同様にスパッタ成膜が行われる。
この際、磁界発生手段130a、130bを備えたターゲット部100a,100bの対向する複合ターゲット(110a+110a)と(110b+110b)(110bは図示なし)間の対向空間120には従来の対向ターゲット式スパッタ装置と同様に結果、高密度プラズマがターゲットの全面に渡って形成される。
従って、開口側面を除いた5側面を遮蔽した箱型ユニット50を備えた箱型対向ターゲット式スパッタ装置ではスパッタされた粒子は、開口部を通って排気系40により高真空に排気される真空槽20に飛来し、そこにこの開口部に面して配置される基板のフィルム10上に堆積し、薄膜を形成する。
成膜実施例
図2〜7のロールツロール方式の対向ターゲット式スパッタ装置において、2個の箱型スパッタユニット50を、図2で左側と真中の位置にセットし、右側の取付口は閉鎖板で閉鎖して、以下のように図1の5層構成の透明断熱フィルムを製造した。
第1の左側の箱型スパッタユニット50は、透明導電層の成膜用であり、ターゲットの一方に錫の含有量が10wt%のITOターゲット、他方にZnOターゲットをセットし、ITZO膜を形成できるようにした。そして、第2の真中の箱型スパッタユニット50には銅を1.35at%、金を0.65at%含む銀合金のターゲットをセットし、銀膜を形成できるようにした。なお、両箱型スパッタユニット50のターゲットは、30cm×10cmのターゲットを2個並置してフィルム幅方向の長さを60cmの複合ターゲットとし、ターゲットの対向間隔は15cmとした。また、スパッタ室20cの両端のフリーロール25にエキスパンダーロールを用いた。そして、スパッタ電源には、ITZO膜、銀膜共に正バイアスパルスが加えられたパルス化直流電源を用いた。
そして、基板のフィルム10には、厚さが50μmで幅が50cm、長さが300mのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムのロール10aを用い、このロール10aを図で左側のロール軸21にセットした。ついで、フィルム10をこれから巻き出してスパッタ室20cを通してロール軸22にセットした巻芯(図示省略)に巻き付け、所定長巻取り、ロール10bを形成し、フィルム10を移送できるようにした。
積層は以下のようにして行った。なお、各層の成膜条件は後述する。まず、ロール10aからロール10bにフィルム10を所定速度で移送しつつ、両方の箱型スパッタユニット50を動作させて、第1層11と第2層12のITZO膜と銀層を同時堆積させて、所定時間換言すれば一定長のフィルム10上に成膜した。なお、この2層の同時成膜は、各成膜実施例において、全く問題なく安定して成膜できた。次いでロール10bからロール10aに所定速度で巻戻しつつ、第1の箱型スパッタユニット50を動作させて、第3層13のITZO膜を前記所定時間成膜した。次いで再度ロール10aからロール10bにフィルム10を所定速度で移送しつつ、第2の箱型スパッタユニット50を動作させて、第4層14の銀層を前記所定時間成膜した。次いで再度ロール10bからロール10aにフィルム10を所定速度で移送しつつ、第1の箱型スパッタユニット50を動作させて、第5層15のITZO膜を前記所定時間成膜し、一定長の図1の5層構成の透明断熱フィルムを得た。
なお、成膜条件は以下の通りである。スパッタガスにはArを用い、スパッタ圧力0.15Paで全層を形成した。そして、スパッタ電力換言すれば膜厚を替えた積層体を形成してその特性を評価した。スパッタ電力とフィルム10の成膜時の搬送速度は下表の通りである。なお、括弧内に各層の膜厚を示す。この膜厚は、成膜実施例1のものは透過型電子顕微鏡(TEM)による側断面の写真から測定した測定値で、その他のものは該測定値からの換算膜厚である。
Figure 2006334787
各成膜実施例について、表面電気抵抗(Ω/□)、分光特性を測定した。図8に一例として成膜実施例3の分光特性の測定結果を示す。そして、分光特性より、波長510nmにおける光透過率(510)(%)、並びに波長900nmと700nmの光透過率の比T(900)/T(700)を求めた。その結果を下表に示す。光透過率(510)は可視光透過率の指標として、T(900)/T(700)は熱線遮断特性すなわち遮蔽係数の指標として測定した。
Figure 2006334787
ついで、成膜実施例1のサンプルを用いて合せガラスを作成し、その光学特性を実測した。その結果、可視光透過率71%で、日射遮蔽係数が0.5で、所望の特性を満たすものであった。
また、成膜実施例1は40℃×95%の耐湿試験でも1ケ月で問題なく、40〜80℃のヒートサイクル試験においても1ケ月で問題なく、良好な耐環境性を有することを確認した。
また、成膜実施例1〜3の分光特性を測定し、コンピュータシュミレーションにより可視光透過率、遮蔽係数、日照透過率、日照反射率を求め、評価した。その結果、これら成膜実施例1〜3は、可視光透過率は71.5〜72.5%、遮蔽係数は0.452〜0.461、日照透過率は39〜39.7%、日照反射率43.7〜46,1%の範囲であった。
これら成膜実施例は良好な透明断熱特性、具体的には70%以上の可視光透過率と0.5以下の日射遮蔽係数を達成することが確認された。そして、光透過率(510)が75%以上で、T(900)/T(700)が0.3以下であれば、良好な透明断熱特性が得られることが確認された。なお、これらの成膜実施例から積層体の表面抵抗は10Ω/□以下が断熱面から好ましいことが分かる。
また、成膜実施例1について、透過型電子顕微鏡(TEM)により倍率50万倍でその側断面の観察測定を行った。その測定写真から、積層された5層の境界はほぼ平行線で非常に良好な界面になっており、均一な膜厚の膜が形成されていることが確認された。この測定写真から求めた第1層〜第5層の膜厚は、上表に記載の通りで、所期通りの膜形成が出来ていることが確認された。
また、成膜実施例3は、成膜実施例2の2.5倍の生産速度であり、生産性を上げても、品質的に問題ないことが確認された。
更に、フィルム10の幅方向の膜厚分布も、全幅において±5%の範囲にあり、特性的にも実質的に問題ないものであった。
本発明の透明断熱フィルムの代表的な積層構成の側断面図。 本発明の透明断熱フィルムを成膜するロールツロール方式の箱型対向ターゲット式スパッタ装置の構成を示す説明図。 図2の箱型対向ターゲット式スパッタ装置の箱型スパッタユニットの構成を一部断面図にて示す斜視図。 箱型スパッタユニットのターゲット部の概略斜視図。 図4のA−A線での断面図。 箱型スパッタユニットに用いる補助電極の斜視図。 箱型スパッタユニットの支持体部の平面図。 成膜実施例3の分光特性のグラフ。
符号の説明
10 透明基板、フィルム
11、13、15 金属酸化物層
12、14 銀層
20 真空槽
30 ガス導入系
40 排気系
50 箱型スパッタユニット
51 枠体
51a、51b、51e、51f 側面
52d、52e 遮蔽板
100a、100b ターゲット部
110a、110a、110b ターゲット
120 対向空間
130a、130b 永久磁石(磁界発生手段)
150a 支持体部
160a、160a 冷却ジャケット
180a 永久磁石(磁界調整手段)
191a、191b ポール板
200a、200a ターゲットモジュール
201 補助電極

Claims (20)

  1. 透明基板上に熱線を反射する金属層と透明な光補償層を交互に複数層積層して、可視光を透過し、熱線を反射するようにした透明断熱積層体において、該光補償層が導電性の金属酸化物からなる透明導電層であり、波長510nmでの光透過率T(510)が74%以上で、波長700nmの光透過率T(700)と波長900nmでの光透過率T(900)との比T(900)/T(700)が0.3以下であることを特徴とする透明断熱積層体。
  2. 透明基板上に金属層を2層以上積層した請求項1記載の透明断熱積層体。
  3. 透明基板上に透明導電層/金属層/透明導電層/金属層/透明導電層の5層を積層した請求項2記載の透明断熱積層体。
  4. 金属層が銀または銀合金からなる銀層である請求項1〜3記載のいずれかの透明断熱積層体。
  5. 金属酸化物がインジウムと錫と亜鉛の複合酸化物である請求項1〜4記載のいずれかの透明断熱積層体。
  6. 銀層が金、銅或いはネオジウムの少なくとも2元素を含む銀合金である請求項4または5記載の透明断熱積層体。
  7. 銀層が金と銅を含む銀合金である請求項6記載の透明断熱積層体。
  8. 透明断熱積層体が、透明基板がプラスチックフィルムからなる透明断熱フィルムである請求項1〜7記載のいずれかの透明断熱積層体。
  9. 透明導電層及び銀層が対向ターゲット式スパッタ装置により成膜された薄膜からなる請求項1〜8記載のいずれかの透明断熱積層体。
  10. 透明なプラスチックフィルム上に透明導電性層と金属層とを交互に積層した透明断熱積層体を製造するに際し、スパッタ装置により長尺の透明なプラスチックフィルムをロールから巻き出して一定速度で搬送しつつ、該透明なプラスチックフィルム上に透明導電層及び金属層を連続的に膜形成ししつつロールに巻き上げる透明断熱積層体の製造方法において、該スパッタ装置が所定間隔隔てて対向配置した一対のターゲットの対向方向に磁界を印加してターゲット間の対向空間にプラズマを拘束し、この対向空間に対面するようにその側方に配した基板上に成膜する対向ターゲット式スパッタ装置であり、その対向空間に所定間隔を隔てて対面するように該透明なプラスチックフィルムを所定張力で空中を搬送しつつ成膜することを特徴とする透明断熱積層体の製造方法。
  11. 前記対向ターゲット式スパッタ装置が真空槽に取り付ける開口部の側面を除いた全側面が密閉され、開口部を囲む4側面の内の対向する2側面にターゲットが設けられた箱型スパッタユニットを備えた箱型対向ターゲット式スパッタ装置である請求項10記載の透明断熱積層体の製造方法。
  12. ターゲットが共通の支持体に個々に冷却できるようにした複数の所定長のターゲットをプラスチックフィルムの幅方向に連接して設けた複合ターゲットである請求項11または12記載の透明断熱積層体の製造方法。
  13. 同一真空槽に金属層及び導電性金属酸化物層を形成する各箱型スパッタユニットを設け、同一真空槽で両層を成膜する請求項10〜12記載のいずれかの透明断熱積層体の製造方法。
  14. 真空を継続して金属層及び導電性金属酸化物層を積層する請求項13記載の透明断熱積層体の製造方法。
  15. 金属層と導電性金属酸化物層を同時に成膜する請求項13または14記載の透明断熱積層体の製造方法。
  16. 同一真空槽に金属層を形成する箱型スパッタユニットのプラスチックフィルムの搬送方向の前後に導電性金属酸化物層を形成する箱型スパッタユニットを配置し、透明導電層/金属層/透明導電層の3層構成を連続的に製造する請求項11または12記載の透明断熱積層体の製造方法。
  17. 導電性金属酸化物層をターゲットに金属酸化物を用い、酸素濃度3%以下のスパッタガス下で成膜する請求項10〜16記載のいずれかの透明断熱積層体の製造方法。
  18. 金属層が銀または銀合金からなる銀層であり、金属酸化物がインジウム、錫及び亜鉛の複合酸化物である請求項10〜17記載のいずれかの透明断熱積層体の製造方法。
  19. 金属酸化物層がインジウム、錫及び亜鉛の複合酸化物からなり、該金属酸化物層をターゲットの一方にインジウムと錫の複合酸化物からなるターゲットを、他方に亜鉛酸化物からなるターゲットを用いた箱型スパッタユニットにより成膜する請求項10〜18記載のいずれかの透明断熱積層体の製造方法。
  20. 透明フィルムをフリーロールで案内して所定経路を搬送すると共に、フリーロールの少なくとも1個を中央部の径が端部の径より大きい太鼓状のエキスパンダーロールとして、透明フィルムの幅方向に張力を付与する請求項10〜19記載のいずれかの透明断熱積層体の製造方法。
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