JP2006334508A - シアン・アンモニア含有廃液の同時連続処理方法および同時連続処理装置 - Google Patents

シアン・アンモニア含有廃液の同時連続処理方法および同時連続処理装置 Download PDF

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Takashi Kojima
隆司 小嶋
Atsushi Nakada
淳 中田
Fumihide Nakamura
文英 中村
Kuniharu Yashiro
國治 八代
Toshiko Totsuka
敏子 戸塚
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Abstract

【課題】 特許文献1の処理法の上記問題を解決し、亜鉛,銅,ニッケル,鉄シアノ錯体を含む高濃度のシアン含有廃液を、有害な副生成物を発生せず、発生する汚泥中にシアンを含有せず、HCNガスを発生せずに分解でき、高濃度のアンモニアも同時に分解でき、シアン及びアンモニアを排水規制値以下に除去でき、かつイニシャルコストやランニングコストの安価な、シアン・アンモニア含有廃液の同時処理方法を提供する。
【解決手段】 遊離シアン、錯シアン及びアンモニアを含む廃液を常温又は80℃未満に保持して次亜塩素酸塩を添加し、遊離シアンとアンモニアの一部とを分解する第1酸化工程と、第1酸化工程処理液を80℃以上に保持して次亜塩素酸塩を添加し、錯シアン化合物と残りのアンモニアとを分解する第2酸化工程と、第2酸化工程処理液を80℃以上に保持して錯シアン化合物の分解とアンモニアの分解とを完全に行わせるエージング工程とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、工場廃液及び排水等の、廃液処理及び排水処理、特に、富栄養化の1原因であるアンモニア態窒素の処理及び有害なシアンの無毒化処理に関するものである。

種々の金属シアン錯体含有高濃度シアン廃液処理法を箇条書きに示すと次の通りである。
熱加水分解法や湿式酸化法
紺青法、亜鉛白法
酸分解燃焼法
アルカリ塩素法
5)煮詰め法

アンモニア含有廃液処理法を箇条書きに示すと次の通りである。
1)アンモニアストリッピング法
2)同上+燃焼法
3)不連続点法
4)微生物処理法
5)触媒式湿式酸化法
6)次亜塩素酸ナトリウムによる高温酸化法(特開昭48−16457、特開昭50−11896
2及び特開2001−269674)
シアン・アンモニア廃液処理法を箇条書きに示すと次の通りである。
1)アルカリ塩素処理後、金属シアノ錯体除去処理
2)熱加水分解処理や湿式酸化処理後アンモニアストリッピング後燃焼処理
3)触媒式湿式酸化法
4)紺青処理、亜鉛白処理後、アンモニア除去処理
5)煮詰め法
シアンとアンモニアが共存する場合の処理方法としては、例えば熱加水分解や湿式酸化法は高温高圧下で金属シアノ錯体を含んだ高濃度シアンの分解に効果がある。アンモニアとシアンが共存する廃液例として自動車部品等の表面硬化技術としての塩浴窒化処理が挙げられる。(1)〜(4)式にその反応例を示す。
シアン酸の供給
2CN+O→ 2CNO (1)
エッチングを伴う窒化反応
2CNO+3O2−+3Fe → CO 2−+CO+2N0+3Fe2+ (2)
アルカリ添加によるアンモニアの発生
3OH+CNO+CO → NH+2CO 2− (3)
シアン酸の回復
3CO(NH+CO 2− → 2CNO+4NH+2CO (4)
塩浴窒化処理の場合、上記(1)〜(4)式から分かるように、浴中には遊離シアン(CN)、フェロシアン[Fe(CN)−4、シアン酸(2CNO )、アンモニア(NH)が共存する。本願はこのように遊離シアン、重金属錯シアン及びアンモニアが共存する廃液のシアン及びアンモニアの同時処理に関する。シアンに関しては既に水質汚濁防止法により健康項目として規制されている。1999年2月の水質環境基準に硝酸態及び亜硝酸態窒素が追加され、それに伴って2001年6月水質汚濁防止法健康項目排出基準が設定され、アンモニア態窒素は、硝酸態窒素や亜硝酸体窒素に環境中で酸化されるため、その対象となり、アンモニア窒素単独の場合の排出規制値は250mg/Lとなった。
高濃度シアンと高濃度アンモニアが共存する場合の同時廃液処理としては、上記シアン及びアンモニア処理の内、触媒式湿式酸化法しかなかったが、発明者等は特許文献1において新規なシアン・アンモニア同時処理法を提案した。
上記処理法は、バッチ処理であり、シアン、アンモニア含有廃液を常温から高温に加熱しつつ、次亜塩素酸ナトリウム溶液を1〜2時間かけて連続的に投入し、かつ90℃以上を45分以上保つことによって廃液中の遊離シアン、錯シアン、シアン酸、アンモニアを効率よく炭酸塩、窒素ガスに分解無害化する技術である。
WO03/040045A1
特許文献1の処理法においては、1バッチの処理時間は約2時間である。1日5m処理すると仮定すると1日8時間、1日4バッチ処理だと1バッチ1.25m処理となる。また1日2バッチ処理だと1バッチ2.5m処理となる。例えば塩浴窒化浴廃液を考えた場合、全CNが約8000mg/Lあり、その他アンモニア態窒素3000mg/L、シアン酸を含むと、それを処理するに必要な12%次亜塩素酸ナトリウム溶液は試料廃液とほぼ同量となり、反応槽の容量は1バッチ処理量の2倍以上必要になる。従って、1日4バッチ処理だと3m、1日2バッチ処理だと6mの、大容量の反応槽が必要になる。
特許文献1の処理法においては、常温から高温までの温度変化の繰り返しを考慮すると反応槽の素材として、高価なSUS316Lが最低でも必要である。
特許文献1の処理法においては、次工程の酸化還元電位中和、pH中和、固液分離をバッチ処理すると処理槽設置面積が大きくなるので、次行程を連続処理するのが望ましいが、そのためには大容量の一時貯留槽を配設しなければならない。
特許文献1の処理法においては、反応槽への液の出し入れに加えて、反応槽を昇温しなければならないので、バッチ処理の部分にはマンパワーが必要である。
上記説明から分かるように、特許文献1の処理法には、反応槽が大きいので処理槽の設置面積が大きく、反応槽の素材が高価なのでイニシャルコストが高く、処理にマンパワーを要するのでランニングコストが高いという問題がある。
本発明は、特許文献1の処理法の上記問題を解決し、亜鉛,銅,ニッケル,鉄シアノ錯体を含む高濃度のシアン含有廃液を、有害な副生成物を発生せず、発生する汚泥中にシアンを含有せず、HCNガスを発生せずに分解でき、高濃度のアンモニアも同時に分解でき、シアン及びアンモニアを排水規制値以下に除去でき、かつイニシャルコストやランニングコストの安価な、シアン・アンモニア含有廃液の同時処理方法を提供することを目的としている。
本発明者は、シアンとアンモニアの同時処理に関しては特許文献1の処理法と既存のアルカリ塩素法(2段酸化法)とに注目し、バッチ処理条件及びアルカリ塩素法を詳細に検討し、バッチ処理を連続化し、本発明に至った。
本発明においては、遊離シアン、錯シアン及びアンモニアを含む廃液を常温又は80℃未満に保持して次亜塩素酸塩を添加し、遊離シアンとアンモニアの一部とを分解する第1酸化工程と、第1酸化工程処理液を80℃以上に保持して次亜塩素酸塩を添加し、錯シアン化合物と残りのアンモニアとを分解する第2酸化工程と、第2酸化工程処理液を80℃以上に保持して錯シアン化合物の分解とアンモニアの分解とを完全に行わせるエージング工程とを備えることを特徴とするシアン・アンモニア含有廃液の同時連続処理方法を提供する。
本発明における次亜塩素酸ナトリウムとの接触反応は第1酸化工程、第2酸化工程ともアルカリ性下で行なわれるが、シアン含有廃液は、HCNガスの発生を防ぐため、一般にpH10以上のアルカリ性で保存されること勘案して、本発明においては、pH条件は特に設定していない。pH条件を強いてあげれば、両工程ともpH9以上で、好ましくはpH12である。
アルカリ塩素法においては、第1酸化工程はアルカリ性下で、第2酸化工程は中性下で行なうが、本発明においては第1酸化行程、第2酸化行程共に、アルカリ性下で行なう。
被処理液の温度を80℃以上に保つことにより、第2酸化行程において、アルカリ性下でも錯シアン化合物を分解することができる。
第1酸化工程においては、(1)廃液中の遊離シアンの分解 (2)フェロシアンのフェリシアンへの酸化 (3)アンモニアの揮散防止と分解とを行なう。(1)〜(3)の反応は常温で十分に進むこと及び廃液と濃厚な次亜塩素酸塩を高温で反応させると(1)〜(3)の反応が激しくなり、発泡による廃液の揮散、アンモニアの揮散、次亜塩素酸の分解等が起こることを勘案して第1酸化行程は常温又は80℃未満で行なう。
第1酸化行程においては、遊離シアン、錯シアン及びアンモニアを含む廃液を第1酸化槽へ連続的に流入させ、且つ第1酸化槽内の被処理液の酸化還元電位に基づいて投入量を制御しつつ次亜塩素酸塩を断続的に第1酸化槽に投入する。
第2酸化行程においては、(1)シアン酸の分解 (2)フェリシアンの分解
(3)第1酸化行程で未反応のアンモニアの分解を行なう。高温で処理することにより、アルカリ性下であっても、フェロシアンやフェリシアンのような鉄シアノ錯体を分解することができる。フェリシアンの分解は60℃から始まり、高温になるに従って分解率が高くなり、96℃以上では分解効率が最大となる。従って、第2酸化行程は80℃以上は好ましくは96℃以上で行なう。
第2酸化行程においては、第1酸化工程処理液を第2酸化槽へ連続的に流入させ、且つ第2酸化槽内の被処理液の酸化還元電位に基づいて投入量を制御しつつ次亜塩素酸塩を断続的に第2酸化槽に投入する。
連続処理の場合、反応槽での被処理液の滞留時間(反応時間)が重要である。第1酸化槽では、滞留時間は10分から120分であり、好ましくは30分から60分である。第2酸化槽では、滞留時間は20分から150分であり、好ましくは45分から120分である。
滞留時間は被処理液中の遊離シアン濃度や錯シアン濃度に応じて変化する。シアン濃度が高い場合は滞留時間は長く、シアン濃度が低い場合は滞留時間は短い。標準的な塩浴窒化廃液で全シアン濃度が6000mg/Lの場合は、第1酸化槽滞留時間は約45分、第2酸化槽滞留時間は約60分である。
第2酸化行程の後、第2酸化工程処理液をエージング槽へ連続的に流入させ、エージング槽内で、被処理液と次亜塩素酸塩との反応を完全に行わせる。エージング槽内の被処理液は80℃以上に保持することが望ましい。
図1に本発明の工程を例示する。全シアン濃度が6000mg/Lの塩浴窒化廃液を処理する。廃液処理量は5m/日であり、反応槽に送液する廃液の流量は3.5L/分である。本処理に必要な12%次亜塩素酸ナトリウム溶液量は廃液容量の約2/3である。第1酸化工程に必要な12%次亜塩素酸ナトリウム溶液は全使用量の約2/3であり、第2酸化工程に必要な次亜塩素酸ナトリウム溶液は残りの約1/3である。廃液の第1酸化槽への流入量が3.5L/分なので、滞留時間を45分とすれば廃液量が158L、第1酸化槽への次亜塩素酸ナトリウム溶液の使用量は69Lで、計5.0L/分の液が第1酸化槽へ流入する。滞留時間を45分とすれば第1酸化槽の容量は正味227Lとなる。
第2酸化槽へは5.0L/分の流量で第1酸化工程処理液が流入する。第2酸化工程での必要次亜塩素酸ナトリウム溶液量は滞留時間を60分とすると46Lである。従って第2酸化槽の容量は正味346Lとなる。
エージング槽へは5.8L/分の流量で第2酸化工程処理液が流入する。滞留時間は45分であり、エージング槽の容量は正味260Lとなる。エージング槽は未反応の次亜塩素酸ナトリウムを完全にシアンと反応させるための工程である。この工程で酸化還元電位が下がるようであれば次亜塩素酸ナトリウムが足りないことを示す。実際には第2酸化工程で過剰に次亜塩素酸ナトリウムを投入するので次亜塩素酸ナトリウムが足りなくなるケースは少ない。
第1酸化槽、第2酸化槽への12%次亜塩素酸ナトリウム溶液の投入量は被処理液の酸化還元電位に基づいて制御される。
第1酸化槽の酸化還元電位は400mVから600mV、好ましくは450mVが望ましい。前記電位、常温、アルカリ性の条件下で、次亜塩素酸ナトリウムとの反応により、遊離シアンの分解、フェロシアンのフェリシアンへの酸化、及びアンモニアの一部分解が行われる。
第2酸化槽の酸化還元電位は600mVから800mV、好ましくは700mVが望ましい。前記電位未満であると次工程のエージング槽で酸化還元電位の低下が起こり、反応に必要な次亜塩素酸ナトリウム溶液が不足となる。前記電位、80℃以上、アルカリ性の条件下で、次亜塩素酸ナトリウムとの反応により、第1酸化工程で処理できなかったアンモニア、フェリシアン及びシアン酸の分解が行なわれる。
図2に従来技術である特許文献1のバッチ処理と本発明の連続処理の温度及び酸化還元電位の経時変化を示す。バッチ処理では、図2(a)に示すように処理時間の経過に伴って温度が上昇し、かつ酸化還元電位も上昇している。90℃に達すると温度は一定となるが反応は終了していないので次亜塩素酸ナトリウムの投入は続き、酸化還元電位は上昇している。酸化還元電位が650mVに達した時点で反応は終了となる。一方本発明の連続処理では、図2(b)、図2(c)に示すように、処理時間が経過しても、第1酸化槽では温度は常温に酸化還元電気は450mVに維持され、第2酸化槽では温度は90℃に酸化還元電位は700mVに維持される。
廃液は常に3.5L/分の送液量で反応槽に送られるが、12%次亜塩素酸ナトリウム溶液の送液は反応槽内の被処理液の酸化還元電位に基づいて制御される。廃液中の全シアン濃度とアンモニア濃度とによって12%次亜塩素酸ナトリウム溶液の送液量は異なる。前記送液量はシアンとアンモニアの分解反応に必要な12%次亜塩素酸ナトリウム溶液より多くしなければならないが、あまり多くすると被処理液の酸化還元電位が不安定となるので必要量の1.5倍程度の送液量が好ましい。即ち、図1の場合、第1酸化槽では廃液流量3.5L/分に対して12%次亜塩素酸ナトリウム溶液必要量は1.55L/分であるから、2.3L/分の流量で投入し、被処理液の酸化還元電位を450mVに維持するように、12%次亜塩素酸ナトリウム溶液の投入をON-OFF制御する。第2酸化槽では第1酸化工程処理液が5.0L/分で流入し、12%次亜塩素酸ナトリウム溶液の必要量は0.78L/分であるから、1.2L/分の流量で投入し、被処理液の酸化還元電位を700mVに維持するように、12%次亜塩素酸ナトリウム溶液の投入をON-OFF制御する。
次工程のエ−ジング処理は、80℃以上に保持しながら被処理液を撹拌し、過剰の次亜塩素酸ナトリウムと未反応の全シアンを完全に反応させるための工程である。原則的に薬剤の投入はないが、ある一定以上の酸化還元電位(例えば650mV)を保持して、過剰の次亜塩素酸ナトリウムを存在させなければならない。酸化還元電位が650mV以下になった場合は、12%次亜塩素酸ナトリウム溶液を添加する。
式(5)〜(12)に本発明のシアン処理における反応式を示す。
(a)第1酸化工程での反応式
2KFe(CN)+NaClO+HO→2KFe(CN)+2KOH+NaCl (5)
NaCN+NaClO → NaCNO+NaCl (6)
2NH+3NaClO→N+3NaCl+3HO (7)
第1酸化工程では先ず、(5)式に示すように鉄の酸化反応が起こり、続いて(6)式の遊離シアンのシアン酸への酸化、更に(7)式のアンモニアの分解が一部始まる。
(b)第2酸化工程での反応式
Fe(CN)+6NaClO+3KOH→Fe(OH)+6KCNO+6NaCl (8)
2KCNO+3NaClO+HO→2CO+N+2KOH+3NaCl (9)
2NaCNO+3NaClO+HO→2CO+N+2NaOH+3NaCl (10)
(6)式+(10)式
2NaCN+5NaClO+HO→2CO+N+2NaOH+5NaCl (11)
(5)式+(8)式+(9)式
2KFe(CN)+31NaClO+7HO→2Fe(OH)+12CO+6N+8KOH+31NaCl (12)
2Fe(OH)→Fe+2HO (13)
第1酸化工程後の状態ではフェリシアン錯体とシアン酸及び一部のアンモニアが存在している。これを更に第2酸化工程で高温に保持しながら次亜塩素酸塩を添加していくと、(8)式に示すようにフェリシアンが分解してシアン酸を生成し、更に(9)及び(10)式に示すようにシアン酸が窒素及び炭酸ガスに分解する。また(7)式のアンモニアの分解反応が完全に完結する。また(8)式で析出した鉄水酸化物は、アルカリ性、酸化剤の共存下で脱水し(13)式に示すように酸化鉄となる。以上のシアン及び錯シアンの反応式をまとめると(11)式及び(12)式のようになる。
上記の反応は鉄シアノ錯体を例にしたものであるが、他の重金属シアノ錯体についての本発明のシアン処理における反応式を(14)〜 (18)式に示す。
(a)第1酸化行程での反応式
亜鉛、ニッケル、第一鉄イオンなどの2価金属イオンシアノ錯体の場合(Me=2価金属イオン)
NaMe(CN)+4NaClO+2NaOH →Me(OH)+4NaCNO+4NaCl (14)
金、銀、銅イオンなどの1価金属イオンシアノ錯体の場合(Me=1価金属イオン)
NaMe(CN)+4NaClO+NaOH →Me(OH)+4NaCNO+4NaCl (15)
これら1価、2価金属イオンシアノ錯体はアルカリ性溶液中では分解しないが、次亜塩素酸ナトリウムの存在下、第1酸化行程において、鉄シアノ錯体と同様に酸化される。
(b)第2酸化行程での反応式
第1酸化行程で生成されたシアン酸は第2酸化行程において次式の反応により分解される。
2NaCNO+3NaClO+HO→2CO+N+2NaOH+3NaCl (16)
2価金属イオンシアノ錯体の場合(Me=2価金属イオン)、(14)式と(16)式とを合わせると
NaMe(CN)+10NaClO+2HO →Me(OH)+4CO+2N+2NaOH+10NaCl (17)
1価金属イオンシアノ錯体の場合(Me=1価金属イオン)、(15)式と(16)式とを合わせると、
NaMe(CN)+10NaClO+2HO →Me(OH)+4CO+2N+3NaOH+10NaCl (18)
(14)〜(18)式に示す反応により、鉄シアノ錯体と同様に他の重金属シアノ錯体も窒素と炭酸ガスに分解される。
上記説明から分かるように、第1酸化と第2酸化の2工程処理とすることにより、アンモニア、遊離シアン及び重金属シアノ錯体が混合して存在する廃液を、アンモニアガスの揮散を抑えつつ、アンモニア及びシアンの分解反応を完全に行うことができる。
第2酸化工程での被処理液温度は、金属シアノ錯体の濃度や、アンモニアの濃度に応じて異ならしめても良い。80℃で保持しても良いし、更に温度を上げて95℃、100℃で保持してもよい。
本発明では第1酸化行程、第2酸化行程共に、次亜塩素酸塩の投入方法を酸化還元電位制御による断続投入とし、各槽への投入は廃液流量の0.5倍から2倍を超えない流量とした。これは反応必要量の次亜塩素酸塩を一度に添加すると、次亜塩素酸塩の分解が起こり、薬剤消費量が多くなることを防ぐためである。投入方法は、流量を一定に維持しポンプをON−OFF作動させて断続投入するのが簡単で良い。
図3に、本発明で必要な100%次亜塩素酸ナトリウム量を示す。市販の薬剤は有効塩素として10〜13%のものが多いので例えば12%次亜塩素酸ナトリウム溶液で計算すると、例えば遊離シアン濃度が3g/Lで、フェロシアン濃度がシアンとして3g/L、アンモニア濃度がNとして3g/L、シアン酸濃度が3g/Lの廃液1Lを処理するには、(7.16*3+2.66*3+7.98*3+7.40*3)/0.12=630gの12%次亜塩素酸ナトリウムが必要になる。従って廃液中の図3記載成分の濃度に基づいて、次亜塩素酸ナトリウム溶液の必要量を予め算出するか、ビーカー実験に基づいて次亜塩素酸ナトリウムの必要量を算出し、第1酸化工程及び第2酸化工程での次亜塩素酸ナトリウム溶液の投入流量を設定しなければならない。塩浴窒化廃液の場合、第1酸化行程で次亜塩素酸ナトリウム必要量の約2/3、第2酸化行程で約1/3を投入する。
本発明の処理対象シアン、アンモニア混合廃液のシアン濃度は希薄なものから数10g/Lと濃厚なものまでに及び、またアンモニア濃度も希薄なものから数10g/Lと濃厚なものまで及ぶ。本発明によれば、シアン濃度、アンモニア濃度共に限定されることなくシアン、アンモニア混合廃液を処理することができる。但し濃厚廃液は次亜塩素酸ナトリウム溶液の使用量が廃液量を上回るため、廃液の流量や反応時間を十分に検討しなければならない。従って余り濃厚なもの(シアン、アンモニアとも10g/L以上)には本発明は不向きである。
本発明の処理対象シアンは、鉄、銀シアノ錯体のように安定なシアノ錯体や、遊離シアン、及び銅シアノ錯体や亜鉛シアノ錯体のような比較的不安定なシアノ錯体の形態まで全てを対象としている。
酸化剤である次亜塩素酸塩は、流量を一定に維持しポンプをON−OFF作動させて断続投入する。投入法としてこの方法が簡単で良い。酸化剤の添加量は被処理液の酸化還元電位に基づいて制御する。

廃液処理を行うに当たり、薬剤添加量は重要である。もし薬剤添加量が不十分な場合は目的有害成分が除去できず、過剰に添加すると次亜塩素酸ナトリウムの場合、残留塩素を生ずる。従って、アンモニア、シアン等の分解処理に必要な次亜塩素酸ナトリウム溶液の添加量を制御しなければならない。次亜塩素酸ナトリウム溶液の使用量は、被処理液の酸化還元電位に基づいて制御することが出来る。
図4に、従来法と本発明の制御の比較を示す。特許文献1のバッチ法は1段処理であるが、アルカリ塩素法および本発明は2段処理である。本発明とアルカリ塩素法は温度、pH、酸化還元電位(ORP)の制御値が異なる。アルカリ塩素法は、低濃度シアン処理には適用できるが、高濃度シアンやアンモニア及びフェロシアン等の錯シアンの処理が出来ない欠点を有する。
酸化還元電極は電位変化を読みとるので耐熱温度が100℃好ましくは105℃のものであれば、市販の酸化還元電極のどれを用いても良い。
金属シアノ錯体を本発明法で無毒化処理するときに必ず金属水酸化物または金属酸化物の沈殿が生ずるため、使用する酸化還元電極が汚れる。従って、電極の洗浄機構があると好ましい。
反応槽が開放型であると、アルカリ性の条件下でアンモニアが大気中に揮散し、或いは加熱源に蒸気を用いると飛沫が反応槽より飛び散ることもあるので、安全性や作業環境性を考慮して反応槽を密閉型(蓋付き)とするのが好ましい。勿論本発明は常圧下で行うので上記問題点がクリアーできれば完全密閉にする必要はない。開放型反応槽の場合、反応槽上部のダクトは廃液貯槽に戻るように構成するのが望ましい。これにより未反応のアンモニアやシアンの漏出を防ぐことができる。
本発明は、シアンやアンモニアを含む塩浴窒化処理廃液や塩浴窒化処理中に発生するスラッジの水溶解液、各種金属シアノ錯体を含むめっき廃液や不良めっきを剥離したシアン系めっき剥離液等に広く利用することができる。
図5に、本発明のシアン・アンモニア同時処理装置を示す。
図中、1は原廃液貯槽、2は薬剤槽(12%NaClO槽)、3は第1酸化槽、4は第2酸化槽、5はエ−ジング槽、6は制御盤である。7は加熱器である。本例では電熱器を使用しているが、蒸気やガスで加熱しても良い。8は攪拌機、9は酸化還元電極、10は温度計、11、12、13はプロミネントポンプ(定量ポンプ)、14は保温材である。第1酸化槽、第2酸化槽、エージング槽は本図では完全密閉構造となっているが、本発明は常圧下で行うもので、アンモニアガス等の漏出がなければ各槽を開放構造とし上部にフードを付設しても構わない。また、エージング槽内に隔壁などを設けて滞留時間を長くしても良い。
エージングの次工程は、被処理液の冷却、ORPの中和、pHの中和、凝集、固液分離、スラッジ処理等であるが、これらの工程は通常の排水処理であれば必須なものなので図示しなかった。
図5の装置の作動を説明する。
原廃液貯槽1に予めシアンやアンモニア濃度が大体分かっているpHがアルカリ性の被処理液を常に投入しておく。
例えば、全シアン濃度が6000mg/Lの塩浴窒化廃液を5m/日処理すると仮定すると、3.5L/分の吐出量のプロミネントポンプ11を作動させて、原廃液貯槽1から第1酸化槽3に被処理液を常時流入させる。
薬剤槽2中には12%次亜塩素酸ナトリウム溶液を投入しておく。攪拌機8を作動させて第1酸化槽3内の被処理液を攪拌しつつ、吐出量を2.3L/分に調整したプロミネントポンプ12を作動させて、第1酸化槽3内の被処理液のORPが450mVになるように、薬剤槽2から第1酸化槽3に12%次亜塩素酸ナトリウム溶液を投入する。廃液が第1酸化槽3に常時流入しているので、プロミネントポンプ12のON−OFFを繰り返して、次亜塩素酸ナトリウム溶液を断続的に投入する。第1酸化槽3の容量は230Lであり、被処理液の滞留時間は約45分間である。
第1酸化槽3からオーバーフローした第1酸化工程処理液が、約5.0L/分の流量で第2酸化槽4へ常時流入する。第2酸化槽4内を常時90℃に保持し、攪拌機8を作動させて第2酸化槽4内の被処理液を攪拌しつつ、吐出量1.2L/分に調整したプロミネントポンプ13を作動させて、第2酸化槽4内の被処理液のORPが700mVになるように、薬剤槽2から第2酸化槽4に12%次亜塩素酸ナトリウム溶液を投入する。第1酸化工程処理液が第2酸化槽4に常時流入しているので、プロミネントポンプ13のON−OFFを繰り返して、次亜塩素酸ナトリウム溶液を断続的に投入する。第2酸化槽4の容量は350Lであり、被処理液の滞留時間は約60分である。
第2酸化槽4からオーバーフローした第2酸化工程処理液が、5.8L/分の流量でエージング槽5へ常時流入する。エージング槽5は80℃以上に保持できれば特に加熱の必要はない。攪拌機8を作動させて被処理液を約45分間撹拌する。エージング槽5の容量は260Lである。
以上の処理により遊離シアン、錯シアン、シアン酸、アンモニアは完全に分解し、赤褐色の鉄酸化物のスラッジを発生する。スラッジ中にはシアンは含まれない。
エージング槽5からオーバーフローしたエージング処理液は、は5.8L/分の流量で、次工程の処理槽へ流入する。
次工程では、過剰の次亜塩素酸ナトリウムをチオ硫酸ナトリウム溶液か亜硫酸水素ナトリウム溶液で中和し、被処理液を40℃以下に冷却後、硫酸でpHを中和した後、凝集、固液分離し、液体を放流する。必要であれば活性炭吸着等の処理を行う。
本発明のシアン、アンモニア含有廃液処理法は、反応槽が小さくて済み、被処理液の温度の上げ下げが無くポリエチレン等の安価な材料で反応槽を作製することが出来るので、バッチ法に比較してイニシャルコストが安価である。ランニングコストはシアン濃度に比例する。環境改善をうたっている今日、シアン系めっき液や塩浴窒化処理液の低シアン化、あるいはシアンフリーの薬剤の開発研究が行われており、将来的にシアン処理の濃度や廃液量が少なくなると、現行の幾多の処理技術よりもコスト的に有利になる。発生スラッジは初期は水酸化物であるが高温状態で反応しているため多くは酸化物の脱水して酸化物の形で析出する。従って発生する汚泥量も少なくなる。また連続化により反応槽への液の出し入れが不要になり、反応槽の昇温も不要になり、薬剤補給や動作確認等、日常管理を1〜2時間/日行うだけでほぼ無人運転ができ、人的コストが下がり、ランニングコストが下がる。
本発明は、2価鉄シアノ錯体を大量に含む塩浴窒化処理廃液の処理にもっとも有効であり、従来行われていた紺青法に比較すると汚泥の発生量が少なくかつシアンを含まない特徴があり、現在行われている熱加水分解法や湿式酸化法に比較するとアンモニアやギ酸塩の副生成物を発生することもなく、かつ装置もメインのリアクターは常圧の加熱タンクであるのでイニシャルコストは大幅に低減することが出来る。
めっき廃液やめっき剥離廃液はキレート剤と呼ばれている有機酸を含めた有機物が存在し、熱加水分解や湿式酸化で完全に処理できないケースがあるが、本発明においてはそれらの有機物の妨害なしにシアンを完全に無害化することが出来る。

本発明により被処理液中の金属シアノ錯体を含むシアンやアンモニア態窒素を処理することができる。更に、残留塩素を生ずる低級アミン類も次亜塩素酸ナトリウムによる高温酸化処理が有効であることが期待される。
本発明の実施例を説明する。
連続処理(シアン濃度が比較的濃い場合)

塩浴窒化処理タフトライド(日本パーカライジング(株)商品名)廃液であって、pH11.4、遊離シアン3,800mg/L、全シアン6,250mg/Lの他にN−NHを3,380mg/L含んでいる。全シアンと遊離シアンの差のシアン化合物は殆どフェロシアン錯体として存在している。この廃液を3.5L/分の吐出量のプロミネントポンプ11で第1酸化槽3に常時流入させる。薬剤槽2中には12%次亜塩素酸ナトリウム溶液を投入しておく。吐出量2.3L/分に調整したプロミネントポンプ12でORPが450mVになるように12%次亜塩素酸ナトリウム溶液を第1酸化槽3に投入する。廃液が常時流入しているので、次亜塩素酸ナトリウム溶液も投入のON−OFFを繰り返す。第1酸化槽3の容量は230Lで約45分間の滞留時間である。本例の場合、第1酸化槽3から第2酸化槽4へは、オーバーフローで約5.0L/分の流量で、第1酸化工程処理液が常時流入する。第2酸化槽4内は常に90℃に保持し吐出量1.2L/分に調整したプロミネントポンプ13でORPが700mVになるように12%次亜塩素酸ナトリウム溶液を第2酸化槽4に投入する。第1酸化工程処理液が常時流入しているので、次亜塩素酸ナトリウム溶液も投入のON−OFFを繰り返す。第2酸化槽4の容量は350Lで滞留時間は約60分である。第2酸化槽4からエージング槽5へは、オーバーフローで5.8L/分の流量で、第2酸化工程処理液が常時流入する。エージング槽5は80℃以上に保持できれば特に加熱の必要はない。第2酸化工程処理液を流入させて約45分間撹拌する。エージング槽5の容量は260Lである。次工程へは、5.8L/分の流量で、エージング処理液が流入する。10%チオ硫酸ナトリウム溶液でORPが200mVになるまでエージング処理液を中和する。冷却後中和槽でpHを中性にした後処理液を凝集槽に移し、市販のアニオン凝集剤5mg/L、続いてカチオン凝集剤5mg/Lを添加して発生した酸化鉄のスラッジを凝集させ、固液分離する。図6に処理液の分析結果を示す。
[比較例1]
バッチ処理
実施例1と全く同一の廃液1mを反応槽に入れ、加熱しながら12%次亜塩素酸ナトリウム水溶液を300L/hの流量で投入し、95℃になるまで加熱しながら(常温から95℃まで約60分)、12%次亜塩素酸ナトリウム溶液をORP電位が600mVになるまで300L/hの流量で投入する(約90分)。その後45分間95℃を保持しつつ被処理液を撹拌する。処理後の液量は1.5mであった。以上の操作でシアン・アンモニアを処理することが出来る。以降OPR中和、pH中和、凝集は実施例1と同じ操作である。図6に処理液の分析結果を示す。
連続処理−2(シアン濃度が比較的薄い場合)

塩浴窒化処理タフトライド(日本パーカライジング(株)商品名)廃液であって、pH11.2、遊離シアン1100mg/L、全シアン3,250mg/Lの他にN−NHを1,380mg/L、T−N 1,860mg/L含んでいる。全シアンと遊離シアンの差のシアン化合物は殆どフェロシアン錯体として存在している。本廃液は全シアン濃度が3g/Lと比較的薄いので第1酸化槽は省略できる。この廃液を、3.6L/分の吐出量のプロミネントポンプ11で、90℃に保持した第2酸化槽4内に常時流入させる。吐出量1.5L/分に調整したプロミネントポンプ13で、ORPが700mVになるように、12%次亜塩素酸ナトリウム溶液を第2酸化槽4に投入する。廃液が常時流入しているので、次亜塩素酸ナトリウム溶液も投入のON−OFFを繰り返す。第2酸化槽4の容量は500Lで滞留時間は約100分である。第2酸化槽4からエージング槽5へ、オーバーフローで4.8L/分の流量で、第2酸化工程処理液が常時流入する。エージング槽5は80℃以上に保持できれば特に加熱の必要はない。第2酸化工程処理液を流入させて約45分間撹拌する。エージング槽5の容量は220Lである。次工程へは、4.8L/分の流量でエージング処理液が流入する。10%チオ硫酸ナトリウム溶液でORPが200mVになるまで中和する。冷却後中和槽でpHを中性にした後処理液を凝集槽に移し、市販のアニオン凝集剤5mg/L、続いてカチオン凝集剤5mg/Lを添加して発生した酸化鉄のスラッジを凝集させ、固液分離する。図6に処理液の分析結果を示す。
[比較例2]
熱加水分解
実施例2の廃液についてオートクレーブを用いて190℃、8h処理を行った。図6に結果を示す。
図6から、シアン及びアンモニアの処理能力は実施例1の連続式と比較例1のバッチ式では同じであることが分かる。バッチ式は、反応槽容量が大きく、1日5バッチ処理しても1バッチ2.5時間かかるので12.5時間かかる。バッチの前後は管理のためマンパワーが必要である。一方、連続式は槽容量が小さく、バッチのように温度の上げ下げがないので、反応槽の素材としてポリエチレンも十分に使用可能である。しかも、無人運転が可能なため、マンパワーを多く必要としない。実施例2の様に全シアン濃度が3000mg/L以下の場合、1つの酸化槽で十分に処理することが出来る。比較例2は塩浴窒化廃液に現在も用いられている熱加水分解のデータ例を示した。処理温度も高く、密閉容器で行うため、作業員は化学設備関係第一種圧力容器取扱作業主任者の資格を持つ必要がある。熱加水分解はシアン分解により、アンモニアとギ酸を生成する欠点がある。
本発明は、シアンやアンモニアを含む塩浴窒化処理廃液や塩浴窒化処理中に発生するスラッジの水溶解液、各種金属シアノ錯体を含むめっき廃液や不良めっきを剥離したシアン系めっき剥離液等に広く利用することができる。
本発明の工程を例示するブロック図である。 特許文献1のバッチ処理と本発明の連続処理の温度及び酸化還元電位の経時変化を示す線図である。 本発明で必要な100%次亜塩素酸ナトリウム量を示す表である。 従来法と本発明の制御の比較を示す表である。 本発明のシアン・アンモニア同時処理装置の構成図である。 本発明の実施例と比較例の比較を示す表である。
符号の説明
1 原廃液貯槽
2 薬剤槽
3 第1酸化槽
4 第2酸化槽
5 エ−ジング槽
6 制御盤
7 加熱器
8 攪拌機
9 酸化還元電極
10 温度計
11、12、13 プロミネントポンプ
14 保温材

Claims (6)

  1. 遊離シアン、錯シアン及びアンモニアを含む廃液を常温又は80℃未満に保持して次亜塩素酸塩を添加し、遊離シアンとアンモニアの一部とを分解する第1酸化工程と、第1酸化工程処理液を80℃以上に保持して次亜塩素酸塩を添加し、錯シアン化合物と残りのアンモニアとを分解する第2酸化工程と、第2酸化工程処理液を80℃以上に保持して錯シアン化合物の分解とアンモニアの分解とを完全に行わせるエージング工程とを備えることを特徴とするシアン・アンモニア含有廃液の同時連続処理方法。
  2. 第1酸化行程を第1酸化槽で行い、第2酸化行程を第2酸化槽で行い、遊離シアン、錯シアン及びアンモニアを含む廃液を第1酸化槽に連続投入し、第1酸化槽内および第2酸化槽内の被処理液中の次亜塩素酸塩濃度を酸化還元電位で制御しつつ、第1酸化槽及び第2酸化槽に次亜塩素酸塩を断続添加することを特徴とする請求項1に記載のシアン・アンモニア含有廃液の同時連続処理方法。
  3. 遊離シアン、錯シアン及びアンモニアを含む廃液は、金属シアノ錯体を含む塩浴窒化処理液又は塩浴窒化時に発生するスラッジ又はめっき廃液又はめっき剥離液であることを特徴とする請求項1又は2に記載のシアン・アンモニア含有廃液の同時連続処理方法。
  4. 遊離シアン、錯シアン及びアンモニアを含む廃液の第1酸化槽での滞留時間が10分乃至120分であり、第2酸化槽での被処理液の滞留時間が20分乃至150分であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のシアン・アンモニア含有廃液の同時連続処理方法。
  5. 遊離シアン、錯シアン及びアンモニアを含む廃液の供給源に連通する第1酸化槽と、第1酸化槽に連通する第2酸化槽と、第2酸化槽に連通するエージング槽と、第1酸化槽と第2酸化槽とに連通する次亜塩素酸塩溶液貯留槽と、第2酸化槽内の被処理液を加熱する加熱装置と、第2酸化槽内及びエージング槽内の被処理液の温度を計測する温度計とを備えることを特徴とするシアン・アンモニア含有廃液の同時連続処理装置。
  6. 第1酸化槽内と第2酸化槽内とに配設された酸化還元電極と、前記電極が計測した被処理液の酸化還元電位に基づいて第1酸化槽への次亜塩素酸塩溶液の供給と第2酸化槽への次亜塩素酸塩溶液の供給とを制御する制御装置とを備えることを特徴とする請求項5に記載のシアン・アンモニア含有廃液の同時連続処理装置。
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