JP2015044139A - 鉄シアノ錯体を含む低濃度シアン含有水の処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】鉄シアノ錯体を含む低濃度シアン含有水のシアンを、大掛かりな設備を必要とすることなく、比較的低温の処理で効率的に分解除去する。【解決手段】鉄シアノ錯体を含む低濃度シアン含有水に、アルカリ剤と塩素源を添加して、pH11〜13、遊離塩素濃度10mg/L以上、水温40℃以上100℃以下、好ましくは40℃以上80℃未満、より好ましくは60℃以上80℃未満の条件で、所定時間維持する鉄シアノ錯体を含む低濃度シアン含有水の処理方法。必要に応じて熱源を加えることにより水温40℃以上100℃以下に加温する。【選択図】図1

Description

本発明は、鉄シアノ錯体を含む低濃度シアン含有水中のシアンを分解する方法に係り、詳しくは、通常のアルカリ塩素法では分解が困難な鉄シアノ錯体(フェロシアン錯体、フェリシアン錯体等)を含有する低濃度シアン含有排水中の全シアンを、該排水のpH、水温、及び遊離塩素濃度を所定の範囲に所定時間維持することにより、全シアン濃度0.1mg/L未満まで分解する方法に関する。
石炭を扱う炉、選鉱精錬所、コークス製造工場等からは、鉄シアノ錯体を含有する低濃度のシアン含有排水が排出される。また、放射能汚染物質等の吸着、凝集処理などでフェロシアン錯体等を利用した場合にも、このような排水が排出される。
鉄シアノ錯体は難分解性であるため、酸化分解処理が困難とされており、紺青法や全シアン法等により沈降分離して除去する方法が一般的であるが、この方法では、設備が大掛りとなる上に、沈降分離で発生したシアン含有汚泥の処理が必要となる。このため、突発的に発生した低濃度の鉄シアノ錯体を含む排水の処理には、即時的に対応できないという欠点がある。
従来、鉄シアノ錯体をも分解除去し得るシアン含有排水の処理方法としては、次のような方法が提案されている。
(1) 遊離シアン、錯シアン及びアンモニアを含む廃液を常温又は80℃未満に保持して次亜塩素酸塩を添加し、遊離シアンとアンモニアの一部とを分解する第1酸化工程と、第1酸化工程処理液を80℃以上に保持して次亜塩素酸塩を添加し、錯シアン化合物と残りのアンモニアとを分解する第2酸化工程と、第2酸化工程処理液を80℃以上に保持して錯シアン化合物の分解とアンモニアの分解とを完全に行わせるエージング工程とを備えるシアン・アンモニア含有廃液の同時連続処理方法(特許文献1)。
この方法では、第1酸化工程及び第2酸化工程の次亜塩素酸濃度を酸化還元電位(ORP)で制御し、第1酸化工程の滞留時間は10分〜120分、第2酸化工程の滞留時間は20〜150分とされている。
(2) シアノ錯体を含む廃液にアルカリ性条件下で次亜塩素酸塩を添加して酸化分解処理する方法において、鉄及び金の少なくとも1種のシアノ錯体を含む前記廃液を室温から80℃〜沸点の範囲内に昇温し且つ前記範囲内で温度を維持し、室温から前記廃液の酸化還元電位を測定し、前記範囲内において該廃液の酸化還元電位が次塩素酸塩の酸化還元電位に達するまで、前記次亜塩素酸塩を室温から連続的もしくは断続的に添加するシアン廃液の処理方法(特許文献2)。
特開2006−334508号公報 特許第4291151号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法は、全シアン濃度300mg/L以下というような低濃度シアン含有排水では、次亜塩素酸塩の添加によるORPの変局点を明確に確認することができず、ORPによる薬注制御が困難であるために、低濃度シアン含有排水の処理には不適当である。
また、特許文献1、特許文献2のいずれの方法においても、水温80℃以上での処理が必要となり、80℃以上の温度条件に耐え得る材質の配管、処理水槽等を用意する必要がある。そのため、設備費用が高くなることや既存設備で対応できない等の問題がある。
本発明は上記従来の問題点を解決し、鉄シアノ錯体を含む低濃度シアン含有水中のシアンを、大掛かりな設備を必要とすることなく、比較的低温の処理で効率的に分解除去する方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、鉄シアノ錯体を含む低濃度シアン含有水にアルカリ剤と塩素源を添加して、所定のpH、水温及び遊離塩素濃度に所定時間維持することで、水槽と簡易な薬注手段、加温手段等といった簡易な設備を用いて、煩雑な薬注管理を必要とすることなく、比較的低温の処理で、低濃度シアン含有水中の鉄シアノ錯体を含む全シアンを効率的に分解除去することができ、突発的に発生した低濃度の鉄シアノ錯体を含む排水の処理にも十分に対応することができることを見出した。
本発明はこのような知見に基いて達成されたものであり、以下を要旨とする。
[1] 鉄シアノ錯体を含む低濃度シアン含有水中のシアンを分解する方法において、該鉄シアノ錯体を含む低濃度シアン含有水にアルカリ剤と塩素源を添加して、pH11〜13、遊離塩素濃度10mg/L以上、水温40℃以上100℃以下の条件で、所定時間維持することを特徴とする鉄シアノ錯体を含む低濃度シアン含有水の処理方法。
[2] [1]において、前記所定時間は、前記水温に応じて、以下の(1)〜(4)のいずれかであることを特徴とする鉄シアノ錯体を含む低濃度シアン含有水の処理方法。
(1) 水温が40℃以上50℃未満の場合、300時間以上
(2) 水温が50℃以上60℃未満の場合、48時間以上
(3) 水温が60℃以上80℃未満の場合、6時間以上
(4) 水温が80℃以上100℃以下の場合、3時間以上
[3] [1]又は[2]において、前記鉄シアノ錯体を含む低濃度シアン含有水を水温40℃以上100℃以下に加温することを特徴とする鉄シアノ錯体を含む低濃度シアン含有水の処理方法。
[4] [1]ないし[3]のいずれかにおいて、前記鉄シアノ錯体を含む低濃度シアン含有水を、水面被覆材を設けた水槽内にて前記所定時間保持することを特徴とする鉄シアノ錯体を含む低濃度シアン含有水の処理方法。
[5] [1]ないし[4]のいずれかにおいて、前記鉄シアノ錯体を含む低濃度シアン含有水の全シアン濃度が300mg/L以下であることを特徴とする鉄シアノ錯体を含む低濃度シアン含有水の処理方法。
本発明によれば、
(1) 40〜100℃以下、好ましくは40℃以上80℃未満、より好ましくは60℃以上80℃未満の比較的低温での処理が可能となり、高価な耐熱設備が不要である。また、水槽と簡易な薬注手段、加温手段のみで実施することができるため、既存の設備を利用して容易に実施することができる。
(2) pH、水温、及び遊離塩素濃度と維持時間の管理のみでよく、煩雑な薬注管理等が不要である。
(3) 発生汚泥の処理の必要がなく、また、簡易な設備かつ簡易な操作で実施することができるため、突発的に発生した低濃度の鉄シアノ錯体を含む排水の処理にも迅速に対応することができる。
といった優れた効果のもとに、鉄シアノ錯体を含む低濃度シアン含有水中の全シアンを0.1mg/L未満の低濃度にまで効率的に分解除去することができる。
本発明の鉄シアノ錯体を含む低濃度シアン含有水の処理方法の実施の形態を示す処理設備の模式図である。
以下に本発明の鉄シアノ錯体を含む低濃度シアン含有水の処理方法の実施の形態を詳細に説明する。
本発明の鉄シアノ錯体を含む低濃度シアン含有水の処理方法は、フェロシアン錯体、フェリシアン錯体等の鉄シアノ錯体を含む低濃度シアン含有水(以下「原水」という。)中のシアンを分解する方法において、該原水にアルカリ剤と塩素源を添加して、pH11〜13、遊離塩素濃度10mg/L以上、水温40℃以上100℃以下、好ましくは40℃以上80℃未満、より好ましくは60℃以上80℃未満の条件で、所定時間維持することを特徴とする。
このように、pH、水温、及び遊離塩素濃度を所定条件として、水槽等で所定時間維持することにより、原水中の鉄シアノ錯体を含む全シアンを分解することができる作用効果の詳細は明らかではないが、水温40℃以上、pH11以上、遊離塩素濃度10mg/L以上の条件では、シアンの酸化分解反応が活発となり、難分解性の鉄シアノ錯体も徐々に分解していくことによるものと推定される。
このように、本発明では、水温、pH、及び遊離塩素濃度を所定の範囲として所定の反応時間を確保するのみで、鉄シアノ錯体濃度407mg/L以下、例えば0.7〜407mg/Lで、全シアン濃度300mg/L以下、例えば0.5〜300mg/Lの低シアン濃度の原水中の全シアンを0.1mg/L未満に分解除去することができる。
本発明において、原水に添加するアルカリ剤としては、通常の水処理で使用される水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)等を用いることができ、アルカリ剤は通常10〜48重量%程度の水溶液として用いられる。通常、本発明で処理対象とする鉄シアノ錯体を含む低濃度シアン含有水は、pH6〜10程度であるため、原水はアルカリ剤の添加でpH11〜13、好ましくは11〜12.5、より好ましくは11〜12に調整される。この調整pHが11未満では、鉄シアノ錯体を十分に分解除去し得ず、pH13を超えても、それに見合う鉄シアノ錯体分解除去効果の向上効果は得られず、アルカリ剤の使用量の増加、使用設備の耐アルカリ性、高pH水の取り扱い性といった問題が生じ、経済性、安全性の点において実用上不利である。
また、原水に添加する塩素源としては、次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)、さらし粉、塩素ガス等の遊離塩素源となるものを用いることができ、塩素源は通常10〜13重量%程度の水溶液として用いられる。原水は塩素源の添加で遊離塩素濃度10mg/L以上、好ましくは10〜1000mg/Lに調整される。この調整遊離塩素濃度が10mg/L未満では鉄シアノ錯体を十分に分解除去し得ない。ただし、遊離塩素濃度を過度に高くしても、それに見合う鉄シアノ錯体分解除去効果の向上効果は得られず、塩素源の使用量の増加、経済性、安全性の点において実用上不利である。なお、pH11以上の条件では、遊離塩素濃度が1000mg/Lを超えても、原水そのものに対する鋼材の腐食速度より腐食速度は低いことが確認されており、本方法は腐食させにくいメリットがある。
また、本発明では原水の水温を40℃以上100℃以下、好ましくは40℃以上80℃未満、より好ましくは60℃以上80℃未満に維持する。水温が40℃未満では、鉄シアノ錯体を十分に分解除去し得ない。水温は80〜100℃であってもよいが、経済性、安全性、設備の耐久性などの観点から、水温は80℃未満が好ましい。
なお、必要に応じて水温を上記範囲とするためには、ヒーター等の加温設備のある水槽を用いたり、熱交換器で原水を加温することも可能であるが、蒸気の吹き込みによれば簡易な蒸気吹き込みノズルのみで水温調整することができる。この場合、蒸気吹き込み後の原水のpH及び遊離塩素濃度が上記範囲となる必要がある。
また、水槽内の原水の水温を維持するために、水槽には保温ジャケットなどの保温手段を設けてもよい。特に、後述のファインボール(日本紙パック(株)の登録商標)等の水面被覆材を設けることにより、水面からの放熱による水温低下を防止することができ、また、このようなものであれば、容易に敷設及び取り外しを行うことができ、また、加温のための蒸気吹き込みノズルの挿入も容易であるため好ましい。
本発明では、所定の水温、pH及び遊離塩素濃度に調整した原水を所定時間維持するが、その所定時間とは、目安として、
(1) 水温が40℃以上50℃未満の場合は300時間以上、好ましくは300〜1440時間、より好ましくは300〜720時間
(2) 水温が50℃以上60℃未満の場合、48時間以上、好ましくは48〜300時間、より好ましくは150〜250時間
(3) 水温が60℃以上80℃未満の場合、6時間以上、好ましくは6〜48時間、より好ましくは24〜48時間
(4) 水温が80℃以上100℃以下の場合、3時間以上、好ましくは3〜6時間、より好ましくは4〜6時間
の範囲で設定すればよい。この所定時間については、原水の鉄シアノ錯体濃度及び全シアン濃度と、原水の水温、pH及び遊離塩素との関係で、原水中の全シアンが十分に分解されるように適宜決定される。
以下に図1を参照して本発明によるシアン分解処理の具体的な実施形態を説明する。
図1において、1は原水を保持する水槽であり、pH計11、遊離塩素計12、温度計13が設けられている。また、加温用蒸気の吹き込みノズル14が水中に挿入されている。15は撹拌機である。水槽1内には、水面被覆材2が槽内の水面を覆うように設けられている。水槽1内の原水にはアルカリ剤貯槽3及び塩素源貯槽4よりそれぞれアルカリ剤及び塩素源が添加される。アルカリ剤はpH計11と連動するポンプPによりその添加量が調整される。また、塩素源は遊離塩素計12と連動するポンプPによりその添加量が調整される。加温用蒸気の吹き込みノズル14への蒸気吹き込み量も温度計13と連動するバルブ(図示せず)等により調整される。原水は撹拌機15による攪拌下にアルカリ剤及び塩素源の添加でpH11〜13、遊離塩素濃度10mg/L以上に調整され、また、蒸気の吹き込みで水温40℃以上100℃以下、好ましくは40℃以上80℃未満、更に好ましくは60℃以上80℃未満に調整された状態で所定時間水槽1内に保持される。
この保持期間中、原水の水面は、水面被覆材2により覆われているため、水面からの放熱による水温の低下が防止され、加温のための蒸気吹き込み量を低減することができる。
この水面被覆材2としては、ポリエチレン等の樹脂製半球体を水面に敷き詰めて設けることが好ましく、このような水面被覆材としては、例えばファインボール(日本紙パック(株)の登録商標)として市販されているものを用いることができる。
このようにして、水槽1内で所定時間保持されて水中の全シアンが分解除去された処理水は、系外へ排出される。なお、本発明は、バッチ式に限らず連続式で処理することも可能であり、連続式の場合には、水槽の滞留時間が前記所定時間となるように設計すればよい。
このような本発明の鉄シアノ錯体を含む低濃度シアン含有水の処理方法は、石炭を扱う炉、選鉱精錬所、コークス製造工場等で発生する鉄シアノ錯体含有排水、放射能汚染物質等の吸着、凝集処理などでフェロシアン錯体等を利用した場合に発生する鉄シアノ錯体含有排水等、幅広い分野から排出される低濃度鉄シアノ錯体含有排水の処理に有効である。
以下に実施例及び比較例に代わる試験例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
なお、以下の実施例及び比較例では、原水である、石炭を取り扱う発電設備の模擬集塵水として、下記水質の試験水を用い、また、アルカリ剤としては48重量%NaOH水溶液を用い、塩素源としては12重量%NaClO水溶液を用いて処理を行った。
<試験水水質>
pH:9.2
全シアン:11mg/L
(フェロシアン試薬:5.5mg/LasCN、フェリシアン試薬:5.5mg/LasCN)
また、水中の全シアン及び遊離塩素濃度の分析方法は以下の通りである。
全シアン:試験水にL(+)−アスコルビン酸を添加して水中の残留塩素を還元した後、NaOHでpH12に調整し、濾過せずにJIS K 0102に準拠した4−ピリジン−ピラゾロン吸光光度法により全シアンを測定した。
遊離塩素:試験水をガラスフィルター製濾紙で濾過後、純水で所定濃度に希釈し、JIS K 0102に準拠したDPD法にて測定した。
[試験No.1〜21]
蓋付きのガラス製容器(サンプル容量500mL)に、蒸気を吹き込むと共に、アルカリ剤と塩素源を添加して、表1に示す水温、pH、及び遊離塩素濃度とした試験水を表1に示す所定時間保持した。
所定時間後の試験水の全シアン濃度を測定し、結果を表1に示した。
Figure 2015044139
表1より、本発明によれば、80℃未満の温度で水中の鉄シアノ錯体を効率的に分解除去することができることが分かる(試験No.1〜8)。
これに対して、遊離塩素濃度が10mg/L未満の試験No.10〜13や、pHが11未満の試験No.14,15、水温が40℃未満の試験No.16,17では、鉄シアノ錯体を十分に分解することができず、水温、pH、及び遊離塩素濃度のすべてが本発明の条件を満たす必要があることが分かる。
また、試験No.7,8より、水温40℃又は50℃の条件においても、遊離塩素濃度が10mg/L以上の条件で、反応時間を延ばすことで鉄シアノ錯体を十分に分解できることがわかる。試験No.9より、水温90℃の条件においても、4時間以上の所定時間の反応で、遊離塩素濃度が10mg/L以上の条件で、全シアン濃度が0.1mg/L未満となることがわかる。
試験No.18〜21のように反応時間が短い場合は鉄シアノ錯体を十分に分解することができないため、水温等の実施する処理条件に応じて、表1の試験結果あるいは追加の試験結果に基づいて、処理に要する所定時間を決定するようにすれば良い。
1 水槽
2 水面被覆材
3 アルカリ剤貯槽
4 塩素源貯槽

Claims (5)

  1. 鉄シアノ錯体を含む低濃度シアン含有水中のシアンを分解する方法において、該鉄シアノ錯体を含む低濃度シアン含有水にアルカリ剤と塩素源を添加して、pH11〜13、遊離塩素濃度10mg/L以上、水温40℃以上100℃以下の条件で、所定時間維持することを特徴とする鉄シアノ錯体を含む低濃度シアン含有水の処理方法。
  2. 請求項1において、前記所定時間は、前記水温に応じて、以下の(1)〜(4)のいずれかであることを特徴とする鉄シアノ錯体を含む低濃度シアン含有水の処理方法。
    (1) 水温が40℃以上50℃未満の場合、300時間以上
    (2) 水温が50℃以上60℃未満の場合、48時間以上
    (3) 水温が60℃以上80℃未満の場合、6時間以上
    (4) 水温が80℃以上100℃以下の場合、3時間以上
  3. 請求項1又は2において、前記鉄シアノ錯体を含む低濃度シアン含有水を水温40℃以上100℃以下に加温することを特徴とする鉄シアノ錯体を含む低濃度シアン含有水の処理方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項において、前記鉄シアノ錯体を含む低濃度シアン含有水を、水面被覆材を設けた水槽内にて前記所定時間保持することを特徴とする鉄シアノ錯体を含む低濃度シアン含有水の処理方法。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項において、前記鉄シアノ錯体を含む低濃度シアン含有水の全シアン濃度が300mg/L以下であることを特徴とする鉄シアノ錯体を含む低濃度シアン含有水の処理方法。
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