JP2003147444A - シアン系金属含有液からの有価金属回収方法 - Google Patents

シアン系金属含有液からの有価金属回収方法

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JP2003147444A
JP2003147444A JP2001344424A JP2001344424A JP2003147444A JP 2003147444 A JP2003147444 A JP 2003147444A JP 2001344424 A JP2001344424 A JP 2001344424A JP 2001344424 A JP2001344424 A JP 2001344424A JP 2003147444 A JP2003147444 A JP 2003147444A
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cyan
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liquid
cyanide
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JP2001344424A
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Takashi Kojima
隆司 小嶋
Junichi Minami
淳一 南
Takayuki Ino
貴之 猪野
Kuniharu Yashiro
國治 八代
Toshiko Totsuka
敏子 戸塚
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Nihon Parkerizing Co Ltd
Parker Netsushori Kogyo KK
Original Assignee
Nihon Parkerizing Co Ltd
Parker Netsushori Kogyo KK
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    • Y02P10/20Recycling

Abstract

(57)【要約】 【課題】 シアン系金属含有液からの有価金属を分離す
る従来法は、シアン固形物が生成する;HCNガス発生す
る;高シアン濃度には適用できないなどの問題があっ
た。 【解決手段】 Ni,Cu,Zn,Au及び/又はAgのシアン化合物
を溶解したシアン系金属含有液にアルカリ性かつ60℃
から沸点未満の温度範囲の条件で次亜塩素酸塩を連続添
加し、Agは塩化物として析出させ、Ni,Cu及びZnは酸化
物もしくは水酸化物として析出させ、かつAuは塩化金酸
塩として溶液中に溶解させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、貴金属イオン及び
重金属イオンをシアン化合物として含有する、めっき廃
液、貴金属の湿式精錬における処理液、都市鉱山のリサ
イクルにより発生する処理液などの水溶液を高温酸化処
理することにより、水溶液中に含まれる貴金属及び重金
属等の有価金属を分離回収する方法に関し、金属のリサ
イクルに寄与するものである。以下、現在、Au、A
g、Cu、Zn等のシアンめっき浴を用いて行われるシ
アン系めっき廃液の無害化処理及び金属回収について主
として説明する。
【0002】
【従来の技術】シアン系めっき液の廃水やシアン系めっ
き剥離液を無害化処理し、有価金属を回収する方法とし
ては、熱加水分解法、湿式酸化法、紺青法、亜鉛白法、
煮詰め高温燃焼法、酸分解燃焼法、アルカリ塩素法など
がある。
【0003】特開平7−90403にて提案された熱加
水分解法や湿式酸化法は高温高圧下で金属シアノ錯体を
含んだ高濃度シアンの分解に効果がある。さらに、析出
物の多くは金属硫化物、金属酸化物もしくは金属体とな
っているので、有価金属回収技術としては優れている
が、シアン分解の副生成物としてアンモニアとギ酸塩を
生じるので、窒素,BOD,COD対策よりその処理も
行わなければならない欠点がある。
【0004】紺青法や亜鉛白法は高濃度シアンに対応で
きるがシアンは沈殿除去されるだけで分解はされず、か
つ産業廃棄物となる汚泥量も多量になり、かつシアンを
含んでいるため、鉄や亜鉛が含有し有価金属回収には不
適である。
【0005】煮詰め高温燃焼法はシアン廃液を蒸発乾固
させる方法である。その後、この乾固物を金属鉱山の精
錬工場に送り、金属鉱石と一緒に高温炉に装入して、シ
アンを燃焼してシアンを無害化すると共に、乾固物中の
有価金属を回収する。この方法はシアン含有固形物を受
け入れてくれる精錬工場がなくなってきているため、現
在は殆ど行われていない。
【0006】酸分解燃焼法はシアン廃液を酸性化し発生
したHCNガスを燃焼させる方法である。有価金属は酸
性溶液を消石灰等で中和し、金属水酸化物として回収さ
れる。しかし、HCNガスを酸性化で発生させるため危
険であり、あまり採用されていない。
【0007】アルカリ塩素法は一般に300mg/L以下の
濃度のシアン処理に適用されている。しかし、この方法
では、鉄シアノ錯体、ニッケルシアノ錯体の処理や有価
金属を多く含む高濃度シアン処理は困難である。めっき
廃液中の金属イオンは中和して水酸化物として回収する
ことができるが、その量は少ない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】熱加水分解法や湿式酸
化法は金属類シアンはほぼ完全に分解でき、また、金、
銀は金属形態で得られるメリットがあるが、銅、ニッケ
ル、亜鉛は一部アンモニア錯体となってそのままでは回
収できない。このような技術状況のもとで、特開平5−
249843にて金属捕捉剤として硫化物を添加処理す
る方法が考案され、これにより有価金属の多くは硫化物
として回収できるようになった。しかし、シアン分解に
伴ってアンモニアやギ酸塩が生ずるため、その処理をす
る必要がある。
【0009】煮詰め高温燃焼法では、蒸発潜熱以上の加
熱エネルギーを要し、エネルギーコストが高い。更にシ
アンは有価金属とともに乾固物が濃縮されるので、シア
ンの無害化のために、煮詰め高温燃焼処理後に金属精錬
工場での高温処理を行う必要がある。ところが、近年金
属精錬工場が廃止されるに伴い、煮詰め高温燃焼法で発
生する乾固物は産業廃棄物処理業者に高温燃焼処理を委
託せざるを得なかった。これら産業廃棄物処理業者は
金、銀等の有価金属の回収再利用を行わずにシアンの無
害化のみを行うために、必然的に処理コストの高騰を招
くに至った。
【0010】更に従来のアルカリ塩素法では、処理シア
ン濃度が薄いために、処理量当たりの回収金属量が少な
い、得られた水酸化物の含水率が高い。ニッケル、金、
銀等の回収はできないなどの欠点がある。
【0011】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者らは、
次亜塩素酸ナトリウムを用いた高温酸化法は、シアン分
解に際して副生成物がなく、しかも有価金属回収のため
の回収物が酸化物等の含水率の低い物質であり、回収物
からの有価金属の分離精製が簡単であることを見出し、
本発明を完成した。
【0012】本発明は、ニッケル、銅、亜鉛、金及び銀
からなる群より選択された少なくとも1種の有価金属の
シアン化合物を溶解したシアン系金属含有液から有価金
属を回収する方法において、前記シアン系金属含有液に
アルカリ性かつ60℃から沸点未満の温度範囲の条件で
次亜塩素酸塩を連続添加し、前記有価金属のうち銀は塩
化物として析出させ、ニッケル、銅及び亜鉛は酸化物も
しくは水酸化物として析出させ、かつ金は塩化金酸塩と
して回収することを特徴とするシアン系金属含有液から
の有価金属回収方法に関する。
【0013】めっき廃液が鉄のシアノ錯体を含む場合の
シアン処理反応式を式(1)〜(7)に示す。式(5)、式(6)、
式(7)は一般的なアルカリ塩素法によるシアン処理の反
応式である。
【0014】 2KFe(CN)+NaOCl+HO→2KFe(CN)+2K OH+NaCl (1) KFe(CN)+6NaOCl+3KOH→Fe(OH)+6KCN O+6NaCl (2) 2KCNO+3NaOCl+HO→N+2KHCO3+3NaCl (3) 2KFe(CN)+31NaOCl+7HO→2Fe(OH)+6 N+4CO2+8KHCO3+31NaCl(4)
【0015】鉄シアノ錯体であるフェロシアン化カリウ
ムはアルカリ性溶液中では全く分解しない。しかし、次
亜塩素酸ナトリウムをアルカリ性条件で反応させると、
式(1)〜式(4)に示す分解反応により鉄シアノ錯体、フェ
ロシアン化カリウムは高温下で分解する。即ち、フェロ
シアン化カリウムに次亜塩素酸ナトリウムを反応させる
と(1)式に示すようにフェリシアン化カリウムに酸化さ
れ、次いで次亜塩素酸ナトリウムを反応させると(2)式
に示すようにシアン酸を生成し水酸化鉄の沈殿を生ず
る。更に次亜塩素酸ナトリウムを反応させると(3)式に
示すようにシアン酸が分解され炭酸ガスと窒素ガスとな
る。以上(1)(2)(3)式をまとめると(4)式のように表され
る。即ち、シアン12モルに対して31モルの次亜塩素
酸ナトリウムが必要であり、シアン量に対して 2.5
8 モル倍量の次亜塩素酸ナトリウムを添加すれば高温
下でシアンを完全に分解できる。
【0016】シアン含有廃液に含まれる遊離シアンは次
式によりシアン酸に酸化される。 NaCN+NaClO →NaCNO+NaCl (5) この反応は公知のアルカリ塩素法における第1段階に相
当する。第2段階では、やはり公知の反応が起こる。 2NaCNO+3NaOCl+H2O→N+2NaHCO+3NaCl (6) (5)式と(6)式をまとめると、 2NaCN+5NaClO+H2O→N+2NaHCO+5NaCl (7) であり、遊離シアンの場合、シアン量に対して2.5モ
ル倍の次亜塩素酸ナトリウムが必要になる。
【0017】Au,Ag,Cu,Zn等の有価金属は現
在でもシアンめっき浴を用いてめっきされている。これ
らの金属シアノ錯体はいずれも表1に示すようにCN解
離定数が鉄シアノ錯体より高いのでアルカリ性で高温で
NaClOによりCN分解が可能である。
【0018】
【表1】金属シアノ錯体化合物の解離定数
【0019】有価金属を含んだシアン系めっき廃液をア
ルカリ性、高温で次亜塩素酸ナトリウムを添加すると
(8)〜(19)式に示すような反応が進む。 1)Agシアノ錯体の場合 NaAg(CN)+4NaClO→AgCl+4NaCNO+ 3NaCl (8) 2NaCNO+3NaClO+HO→2NaHCO+N+3NaCl (9) (8)+(9)式 NaAg(CN)+10NaClO+2HO →AgCl+4NaHCO+2N+4NaOH+9NaCl (10)
【0020】 2)1価金属イオンシアノ錯体 NaMe(CN)+4NaClO+NaOH →Me(OH)+4NaCNO+4NaCl (11) 2NaCNO+3NaClO+HO→2NaHCO+N+3NaCl (12) (11)+(12)式 NaMe(CN)+10NaClO+NaOH+2HO →Me(OH)+4NaHCO+2N+10NaCl (13) 2Me(OH)→MeO+HO (14)
【0021】 3)2価金属イオンシアノ錯体 NaMe(CN)+4NaClO+2NaOH →Me(OH)+4NaCNO+4NaCl (15) 2NaCNO+3NaClO+HO→2NaHCO+N+3NaCl (16) (15)+(16)式 NaMe(CN)+10NaClO+2HO+2NaOH → Me(OH)+4NaHCO+2N+10NaCl (17) Me(OH) → MeO + H2O (18)
【0022】 4)金のシアノ錯体 Na3Au(CN)4+4NaClO →NaAuCl2+4NaCNO+2NaCl (19) 4NaCNO+6NaClO+2H2O →2N2+4CO2+4NaOH+6NaCl (20) Na3Au(CN)4+10NaClO+2H2O →NaAuCl2+2N2+4NaHCO3+8NaCl (21) 本発明は酸化剤が共存しているため金は水酸化物、酸化
物として沈殿析出せず、塩化金酸の形で処理液中に存在
する。それに対し、銀や他の重金属の多くは不溶性の塩
化銀や酸化金属の形で存在しており、金のみを単離する
ことができる。
【0023】反応式は通常のアルカリ塩素法と殆ど同じ
であり、シアンがシアン酸になる第1酸化−(8),(11),
(15),(19)式−、及びシアン酸が窒素ガスと炭酸塩にな
る第2酸化−(9),(12),(16),(20)式−からなる。これ
らの反応は高温下では多くの場合連続して起こってい
る。(8)〜(10)式はAgシアノ錯体が上述のように反応
してAgClとなって沈殿析出することを示す 。それ
ぞれ1価金属及び2価金属は、それぞれ(14)及び(18)式
に示すように、高温下、酸化剤共存 のため、それぞれ
金属酸化物となる。(10)、(13)式及び(17)式よりCN4
モルに対してNaClO 10モルが反応するのでCN
1gに対しNaClO 7.16gが必要である。
【0024】続いて、本発明の限定理由を説明する。処
理温度を60℃以上としたのは、60℃以上で上記の反
応(8)〜(21)が起こり始め、80℃以上で100%反応
し、更に高温にすると反応が早くなる。沸点近くなると
突沸するおそれがあるので、処理温度は沸点未満とす
る。処理温度は好ましくは80℃以上から98℃の間で
ある。
【0025】pHをアルカリ性としたのは、シアンを含
む液を高温で処理するため、金めっき液のような中性近
辺のものもアルカリ性にして処理することが安全上必要
不可欠であるからである。pHとしては10以上が好ま
しい。pH10以下でも処理することができるが、処理
後のpHは下がるのでpHは高めに管理した方が安全で
ある。通常シアン含有液はアルカリ性で使用または保存
されており、通常はそのまま処理することができる。
【0026】連続的に次亜塩素酸塩を添加するのは、一
時的に次亜塩素酸塩を添加すると、次亜塩素酸塩の自己
分解が起こり、薬剤使用量が多くなるためである。過剰
に添加すると次亜塩素酸塩の場合、残留塩素を生ずる。
従って、シアンの分解処理に必要な次亜塩素酸塩溶液の
添加量を制御しなければならない。次亜塩素酸塩溶液の
使用量はORP電位の変化によって制御することが出来
る。
【0027】また、生じた金属水酸化物は高温で小過剰
の次亜塩素酸ナトリウムにより容易に酸化物となる。酸
化物にすることは得られた回収物の含水率が少なくな
り、回収目的である金属濃度を濃化する役目を果たして
いる。
【0028】処理時間も特にこだわることはないが、急
激に次亜塩素酸ナトリウムを添加することはそれ自体分
解するおそれがあるので、30分〜2時間かけて連続的
に添加することが好ましい。さらに温度を保持して30
分以上に撹拌することにより小過剰のNaClOを分解
せしめる。
【0029】続いて、有価金属の回収方法を説明する。
上述のようにニッケル、亜鉛、銅、金、銀のシアノ錯体
を含むシアン系めっき廃液もしくはめっき剥離液にアル
カリ性、温度60℃から沸点未満の温度範囲で次亜塩素
酸塩を連続添加すると、シアンが分解すると共に、銀が
塩化銀として、1価の銅は酸化物もしくは水酸化物とし
て、2価のニッケル、亜鉛は酸化物もしくは水酸化物と
して析出し、一方溶液中に金はイオンとして残存する。
このように処理したシアン系めっき廃液もしくはめっき
剥離液から有価金属を回収するフローを図1を参照とし
て説明する。先ず、沈殿物と溶液を分離した後に、溶液
に還元剤として亜硫酸や硫酸第1鉄などを添加し、還元
して粗金を得、更に常法の電解法(Wohwill法)等により
金を得ることができる。
【0030】次亜塩素酸の高温酸化による析出物を硝酸
または硫酸水溶液にて酸性として、ニッケル、銅、亜鉛
等を溶解し、不溶性の塩化銀は沈殿物として分離回収す
る。即ち、次亜塩素酸の高温酸化析出物は金を含まず、
塩化銀と他の重金属酸化物であり、これを硝酸または硫
酸に溶解することにより、銀とニッケル、銅、亜鉛等を
分離することができる。塩化銀は金と同様に還元剤とし
ての亜硫酸や硫酸第1鉄などにより還元して素銀とし、
これより電解工程を経て金属銀を得ることができる。一
方、銅、ニッケル、亜鉛などの含有液には鉄を添加して
銅、ニッケルを置換沈殿させ、沈殿物は銅精錬炉にて処
理して金属を回収し、亜鉛含有水溶液は電解還元により
金属を回収する。本発明は上記した有価金属の1種を含
むシアン系めっき液廃液及びこれらを混合しためっき廃
液並びにシアン系めっき剥離液(めっき剥離後の液)の
処理に適用することができる。
【0031】図2に本発明方法を実施するシアン処理装
置の一実施例を示す。図中、1は薬剤槽、2,10は送液ポ
ンプであり、いずれもケミカルポンプでよいが、ポンプ
2は好ましくは定量ポンプである。3は反応槽、4は沈降
槽である。5は遠心分離機であり、スラッジを脱水する
ので通常の脱水機でもよい。6は上澄み液貯槽(金回収
槽)、7はスラッジ貯槽兼硝酸または硫酸溶解槽(銀回
収槽)、8は酸溶解液槽兼放流槽(その他重金属回収
槽)、9がORP電極(例えば東亜−DKK製PTS−50
11C)、10が制御器を示す。また反応槽中には攪拌機
11と処理液を加温するヒーター12が付属している。本例
ではヒーターで加熱しているが蒸気でもガスでも設置場
所で効率的に用いられる加熱装置ならば特に問わない。
【0032】次に、本発明の処理フローを図2を参照し
て説明する。めっき液またはめっき剥離液を反応槽3に
投入し、pHが低い場合は水酸化ナトリウムでpHを1
0〜12とする。薬剤槽1中には10%次亜塩素酸ナト
リウム溶液14を投入しておく。薬剤ポンプ2は制御器
10により制御され、60分の連続投入でシアン分解に
必要な量(大まかな量で可)を連続投入できるようにポ
ンプの吐出量を調整する。
【0033】ヒーター12により処理温度を95℃に設
定し、攪拌機11にて攪拌を行いながら、1.5時間処
理とする。反応槽3中の処理液13が95℃になったら次
亜塩素酸ナトリウム溶液14をポンプ2にて連続投入す
る。ORPメーター9により電位を読みとり、ある一定
電位、例えば600mVで、薬剤ポンプ2を停止する。
ORP電位が不明な場合は一度電位変化曲線をとってみ
て、薬剤ポンプ2を停止する設定電位を決めてもよい。
勿論、薬剤ポンプ2停止後も攪拌機11は稼働している。
【0034】処理温度は80℃以上で一定の高温を常に
維持する。1.5時間経過後発生したスラッジ毎沈降槽
4にポンプ20で送液する。沈降槽4で約1時間以上滞
留しておくと処理液が放冷され、特に冷却装置を必要と
しないで済む。本方法はバッチ方式なので、次のバッチ
の高温酸化処理が終わるまで2〜6時間を要する。上澄
み液15を金回収槽6に送り次工程1で還元、電解精錬等を
行って金を回収する。沈殿物16は遠心分離機5に送り固
液分離する。分離液17は金回収槽6に合し金回収を行
う。固形分18は銀回収槽7に送り、硝酸または硫酸を添
加して銀以外の重金属を溶解する。溶解液19は重金属回
収槽に送り、必要で有れば次工程2でNi,Cu等の回
収を行う。銀回収槽7に残留している塩化銀は次工程3に
送り、還元、電解精錬等を行って銀を回収する。以下、
シアン処理の実施例により本発明を説明する。
【0035】
【実施例】[実施例1]シアン系銅めっき液200Lを
そのまま反応器に入れ、約95℃に加温後、10%次亜
塩素酸ナトリウム溶液を40kg/hの投入速度しでO
RP電位を測定した。図3に示すようにORP電位は5
00〜800mVで変化した。予め、このORP変化曲
線を求めた上で、設定電位を600mVとし、同じめっ
き液につき同一の条件で次亜塩素酸ナトリウムを、設定
電位に達するまで連続添加した。その後30分間撹拌し
た。3時間静置後上澄み液を分析すると、表2に示すよ
うにCNは完全に分解され、黒色沈殿物が析出した。析
出物をXRDにより分析したところCuOが同定さ
れ、Cuの回収率は99.8%以上であり、析出物中の
Cu2O比率は93.5%であった。
【0036】[実施例2]シアン系Agめっき及びAu
めっきをCN系剥離剤で剥離した液について、実施例1
と同様に次亜塩素酸ナトリウムによる高温酸化処理を行
った。次亜塩素酸ナトリウム添加速度は60kg/hと
し、設定ORP電位を同様に600mVとした。放冷
後、アルカリ性処理液を塩酸にてpHを7.5としたと
ころ黒灰色の析出物が得られ、これはCuを含むAgC
lであった。Agの回収率は99.9%以上であり、析
出物中のAgCl比率は99.5%であった。析出物を
硝酸にて洗浄すると銅は殆ど溶解され、溶液に移行し
た。この段階でも析出物Agの回収率は99.9%以上
であった。処理液中には塩化金酸が存在しているが他の
重金属イオンは殆どなく、そのまま金回収工程へ送るこ
とができる。
【0037】[実施例3]Cu下地めっきの上にAuめ
っき、及びCu下地めっきの上のAgめっきをCN系剥
離剤で剥離した液について実施例1と同様に次亜塩素酸
ナトリウムによる高温酸化処理を行った。次亜塩素酸ナ
トリウム添加速度は50kg/hとし、設定ORP電位
を同様に600mVとした。放冷後、アルカリ性処理液
を塩酸にてpHを7.5とした。黒色の析出物が得ら
れ、CuOとAgClであった。Agの回収率は9
9.9%以上である。析出物中のCu2OとAgClの
合計比率は78.5%である。析出物を硫酸にて洗浄す
ると銅等の重金属は殆ど溶解され、溶液に移行した。こ
の段階でもAgの回収率は99.9%以上であった。処
理液中には塩化金酸が存在しているが他の重金属イオン
は殆どなく、そのまま金回収工程へ送ることができる。
【0038】
【表2】
【0039】
【発明の効果】本発明方法においては、溶解した金銀等
有価金属シアノ錯体を次亜塩素酸による高温酸化処理す
ることにより金銀銅が分離回収できるため従来の工程が
大幅に短縮され、シアン分解にも有効である。また貴金
属のリサイクル技術としてめっき廃液やめっき不良品を
含むいわゆる都市鉱山より貴金属を回収する場合に本方
法は有効である。勿論、めっき廃液やめっき剥離液に限
られず、金属シアノ錯体含有液であれば本発明は有効で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 めっき廃液、めっき剥離液からの金、銀など
の有価金属回収フローを示す図である。
【図2】 本発明方法を実施する装置を示す図である。
【図3】 次亜塩素酸投入時間とORP電位変化の関係
を示すグラフである。
【符号の説明】
1−薬剤槽 2−送液ポンプ 10−送液ポンプ 3−反応槽 4−沈降槽 5−遠心分離機 6−上澄み液貯槽(金回収槽) 7−スラッジ貯槽兼硝酸硫酸溶解槽(銀回収槽) 8−硝酸溶解液槽放流槽(その他重金属回収槽) 9−ORP電極 10−制御器 11−攪拌機 12−ヒーター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22B 7/00 C22B 19/34 11/00 C25C 1/20 15/00 C22B 3/00 Q 19/34 11/04 23/00 15/12 // C25C 1/20 23/04 (72)発明者 南 淳一 東京都中央区日本橋1丁目15番1号 日本 パーカライジング株式会社内 (72)発明者 猪野 貴之 東京都中央区日本橋1丁目15番1号 日本 パーカライジング株式会社内 (72)発明者 八代 國治 神奈川県綾瀬市寺尾中3−14−7 (72)発明者 戸塚 敏子 神奈川県横浜市旭区中希望が丘199−1 グリーンコーポ希望が丘第五A棟403号 Fターム(参考) 4D038 AA08 AB32 AB76 AB81 BA04 BB16 BB18 4D050 AA13 AB57 AB58 AB65 BB06 BC01 BC10 BD06 CA16 4D059 AA11 BF12 BH04 BH07 CC07 DA31 DA33 4K001 AA01 AA04 AA09 AA19 AA30 BA21 DB23 4K058 AA22 BA22 BA23 BB03 CA01 CA05

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ニッケル、銅、亜鉛、金及び銀からなる
    群より選択された少なくとも1種の有価金属のシアン化
    合物を溶解したシアン系金属含有液から有価金属を回収
    する方法において、前記シアン系金属含有液にアルカリ
    性かつ60℃から沸点未満の温度範囲の条件で次亜塩素
    酸塩を連続添加し、前記有価金属のうち銀は塩化物とし
    て析出させ、ニッケル、銅及び亜鉛は酸化物もしくは水
    酸化物として析出させ、かつ金は塩化金酸塩として溶液
    中に溶解させることを特徴とするシアン系金属含有液か
    らの有価金属回収方法。
  2. 【請求項2】 前記シアン系金属含有液がめっき廃液も
    しくはシアン系めっき剥離液であることを特徴とする請
    求項1記載のシアン系金属含有液からの有価金属回収方
    法。
  3. 【請求項3】 前記塩化物及び酸化物もしくは水酸化物
    の混合析出物を硝酸酸性または硫酸酸性の条件で処理す
    ることにより、前記酸化物及び水酸化物を溶解し、かつ
    塩化物は析出物として分離回収することを特徴とする請
    求項1又は2記載のシアン系金属含有液からの有価金属
    回収方法。
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