JP4628033B2 - シアン含有水溶液からAuを回収する方法 - Google Patents

シアン含有水溶液からAuを回収する方法 Download PDF

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Description

本発明は、Auとシアンを含む水溶液からAuを回収する方法およびその装置に関する。
電子部品や機械部品などにAuをメッキするときには、メッキ浴としてAuとシアンを含む水溶液を用いる。そのためメッキ後の電済液には、シアンと共に、メッキ時に消費されなかったAuが相当量残存する。そこでAuメッキ後の水溶液の如く、Auとシアンを含む水溶液から有価金属としてAuを回収する方法が既に提案されている。
例えば、特許文献1には、有価金属を含むシアン含有水の処理方法として、陽極−陰極間に直流電流を通電することによりシアン含有水を電気分解すると共に、酸素や水以外の分解生成物を生じない酸化剤を用いて酸化処理することにより金属の回収、シアンの分解、有機物の分解を行なう技術が提案されている。特許文献2には、シアン含有廃液からの有価金属の回収方法として、有価金属を含むシアン廃液を電解槽へ供給し、陽極に不溶性材質を用いると共に、陰極板表面を回転させながら電気分解を行い、該陰極板の表面に有価金属を析出させる技術が提案されている。
しかしこうした技術では、処理対象とする液中のAu濃度については考慮されておらず、そのためAu濃度が低い場合には、Auの回収効率が悪く、エネルギーの無駄となっていた。
また、メッキ後の製品は水洗することにより表面に付着しているメッキ原液を除去するが、除去に用いた水洗水にも微量のAuが含まれる。ところが除去後の水洗水に含まれるAuはやはり低濃度であるため、こうした水洗水からAuを効率よく回収するのは困難であった。
特開平9-225470号公報([特許請求の範囲]や[0004]等) 特開平10-18074号公報([特許請求の範囲]等)
本発明は、この様な状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、Auとシアンを含む水溶液からAuを回収する方法であって、効率よくAuを回収できる方法を提供することにある。この方法は、水溶液中のAu濃度が低い場合に特に有効である。また本発明の他の目的は、こうした方法を実現するための装置を提供することにある。
本発明者らは、Auとシアンを含む水溶液からAuを回収するに当たり、特に、水溶液中のAu濃度が低い場合におけるAu回収効率を高めるべく鋭意検討を重ねた。その結果、処理対象となる原料水溶液を、一旦逆浸透膜で濃縮してから濃縮液を電気分解すれば、原料水溶液中のAu濃度が高くなるため、上記課題が見事解決できることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明に係るAuを回収する方法とは、Auおよびシアンを含む原料水溶液からAuを回収する方法であって、前記原料水溶液を、逆浸透膜を用いて濃縮液a1と透過液b1に分離する第1膜分離工程と、前記濃縮液a1を電気分解してAuを回収する第1電気分解工程、を含む点に要旨を有する。
本発明においては、前記透過液b1を、更に逆浸透膜を用いて濃縮液a2と透過液b2に分離する第2膜分離工程と、前記濃縮液a2を電気分解してAuを回収する第2電気分解工程、を含むことが好ましい。
前記第1電気分解工程および/または前記第2電気分解工程では、Cl-の共存下で電気分解を行い、電気分解工程後の電済液を前記原料水溶液と混合した後、脱次亜塩素酸処理してから第1膜分離工程へ供給することが好ましい。本発明の方法によれば、前記透過液b2をメッキプロセス水として用いることができる。
本発明に係るAuを回収する装置とは、Auおよびシアンを含む原料水溶液からAuを回収する装置であって、前記原料水溶液を第1膜分離装置へ供給するための供給手段、前記原料水溶液を、逆浸透膜を用いて濃縮液a1と透過液b1に分離する第1膜分離装置、前記濃縮液a1を電気分解してAuを回収する第1電気分解装置、を含む点に要旨を有する。
本発明に係る装置は、前記透過液b1を、更に逆浸透膜を用いて濃縮液a2と透過液b2に分離する第2膜分離装置と、前記濃縮液a2を電気分解してAuを回収する第2電気分解装置、を含むことが好ましい。
前記第1電気分解装置および/または前記第2電気分解装置には、可溶性無機塩化物添加手段が付設されており、当該第1電気分解装置および/または第2電気分解装置で電気分解された後の電済液を、前記供給手段に返送する経路を備えていると共に、前記供給手段と前記第1膜分離装置の間に、前記電済液を混合した原料水溶液を脱次亜塩素酸処理するための脱次亜塩素酸装置を備えている構成が好ましい。
本発明に係るAu回収方法によれば、原料水溶液を膜分離することで濃縮しているため、Auとシアンを含む水溶液から電気分解によるAuの回収効率を高めることができる。この方法は、原料水溶液中のAu濃度が低い場合に特に有効である。また本発明によれば、こうした方法を実現するための装置を提供できる。
本発明に係るAu回収方法は、Auおよびシアンを含む原料水溶液を、逆浸透膜を用いて濃縮液a1と透過液b1に分離し(第1膜分離工程)、前記濃縮液a1は電気分解してAuを回収する(第1電気分解工程)ところに特徴を有する。
即ち、本発明に係るAu回収方法とは、原料水溶液を、逆浸透膜を用いて膜分離し、得られた濃縮液を電気分解してAuを回収するものである。この様に、原料水溶液を濃縮し電解液中のAu濃度を高めてから電気分解することにより電気分解効率が向上し、Au回収効率も改善される。
また、本発明者らが更に検討したところ、膜分離工程が1回では、原料水溶液に含まれる全Au量のうち70質量%程度は濃縮液側に分離され、電気分解によって回収できるが、残りの30質量%程度は透過液側に漏洩することが分かった。30質量%程度のAuが透過する理由については全てを解明できているわけではないが、Auとシアンとの化合物(具体的には、シアン化金錯体:[Au(CN)2-など)はその分子構造が直線的であり逆浸透膜を透過し易いためと考えている。即ち、Au以外の貴金属は、一般的に逆浸透膜を透過しないため、こうした逆浸透膜透過現象はAu特有のものと考えられる。そのためAuとシアンとを含む原料水溶液を処理する際に、膜分離工程を1回しか行わない場合は、原料水溶液に含まれる全Au量のうち30質量%程度は廃液として処理されることとなる。逆浸透膜に対するAuの透過率は、逆浸透膜の種類を替えてもあまり変わらなかった。
そこで本発明に係るAu回収方法では、前記透過液b1を、更に逆浸透膜を用いて濃縮液a2と透過液b2に分離し(第2膜分離工程)、前記濃縮液a2は電気分解してAuを回収する(第2電気分解工程)ことが好ましい。第1膜分離工程で逆浸透膜を透過した透過液b1は、第2膜分離工程により濃縮液a2と透過液b2に分離される。そして濃縮液a2を電気分解してAuが回収されるのである。
一方、透過液b2内のAu含有量は極めて少ないので、系外へ排出してもAuの回収効率にはあまり影響を与えない。
但し、透過液b2にAuが全く含まれていないわけではないので、透過液b2を、更に逆浸透膜を用いて濃縮液a3と透過液b3に分離し(第3膜分離工程)、該濃縮液a3を電気分解して残るAuを回収することも有効である(第3電気分解工程)。なお、透過液b3に対し、更に第4、第5の膜分離工程と電気分解工程を繰り返し行ってもよく、原料水溶液に含まれるAu量と、電気分解によるAuの回収効率とを考慮して繰り返し回数を決めればよい。
前記透過液b2は、必要に応じて上記原料水溶液側へ返送し、原料水溶液と混合して再処理してもよい。
また前記透過液b2は、メッキプロセス水として用いることもできる。メッキプロセス水とは、メッキ工程で使用する水を意味し、例えば、メッキ浴を構成する水や、メッキ後の製品を水洗する際に用いる水を指し、こうした水の代わりに前記透過液b2を用いることができる。
第1電気分解工程後の電済液や第2電気分解工程後の電済液については、必要に応じて適当な処理を施し、系外へ排出しても良いし、前記原料水溶液に返送して原料水溶液と混合してもよい。電済液にもAuが若干含まれることがあるため、例えば、イオン交換樹脂等を用いてAuを回収してもよい。
第1電気分解工程や第2電気分解工程では、電気分解することによってシアンイオンはCO2とN2に分解処理される。
前記第1電気分解工程では、Cl-と共存させることが好ましい。電気分解時にCl-が存在すると、電解質が多くなるため電流が流れやすくなるからである。またCl-の共在系で電気分解すると、次亜塩素酸イオン(ClO-)が発生し、この次亜塩素酸イオンはシアンイオンも間接的に酸化するため、シアン処理を兼ねることができる。
第1電気分解工程で、Cl-を共存させた場合には、前記第1電気分解工程後の電済液を前記原料水溶液と混合し、次いで脱次亜塩素酸処理してから第1膜分離工程へ供給することが好ましい。次亜塩素酸イオンを含む電済液を原料水溶液に混合すれば、原料水溶液中に存在するバクテリアの増殖を防止、更には死滅させることができるからである。即ち、上記原料水溶液は貯留槽等での貯留時にバクテリアが繁殖することがある。バクテリアを含んだ原料水溶液を逆浸透膜分離に供すると、バクテリアが逆浸透膜に付着して膜劣化を助長する。ところが次亜塩素酸イオンを含む電済液を原料水溶液に混合すると、次亜塩素酸イオンの殺菌作用でバクテリアを死滅させることができる。
但し、次亜塩素酸イオンを含む原料水溶液をそのまま第1膜分離装置へ供給すると、次亜塩素酸イオンの酸化作用で逆浸透膜が劣化する。そこで原料水溶液に次亜塩素酸イオンが含まれている場合は、脱次亜塩素酸処理してから第1膜分離工程へ供給するのがよい。
前記第2膜分離工程でも、上記第1膜分離工程と同様に、Cl-の共存下で電気分解することが好ましい。
第2電気分解工程において、Cl-の共存下で電気分解した場合には、前記第1電気分解工程後の電済液と同様に、前記第2電気分解工程後の電済液を前記原料水溶液と混合し、次いで脱次亜塩素酸処理してから第1膜分離工程へ供給することが好ましい。
次に、本発明に係るAu回収方法を実現するための装置を、図面を用いてより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更して実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
図1は、本発明に係るAu回収装置の構成例を示した概略説明図である。図中、1は供給手段、2は第1膜分離装置、3は第1電気分解装置、100〜102は経路、を夫々示している。
供給手段1では、原料水溶液を第1膜分離装置2へ供給する。第1膜分離装置2へ供給された原料水溶液は、第1膜分離装置2で逆浸透膜(図示せず)により濃縮液a1と透過液b1に分離される。濃縮液a1は、経路100を経て第1電気分解装置3へ供給され、電気分解によりAuが回収され、Auは経路101を通して取り出す。なお、電気分解後の電済液は、図示しない経路から系外へ排出する。
図1に示した構成によれば、原料水溶液を第1膜分離装置2で濃縮することで、濃縮液a1中のAu濃度が高くなるため、第1電気分解装置3でのAu回収効率が向上する。
図2は、本発明に係るAu回収装置の他の構成例を示した概略説明図である。前記図1と同じ箇所には同一の符号を付すことで重複説明を避ける。図2中、4は第2膜分離装置、5は第2電気分解装置、103〜105は経路、を夫々示している。
図2に示した構成では、第1膜分離装置2で分離された透過液b1が、経路102を通して第2膜分離装置4へ供給され、ここで逆浸透膜(図示せず)により濃縮液a2と透過液b2に分離される。濃縮液a2は、経路103を経て第2電気分解装置5へ供給され、電気分解によりAuが回収され、回収されたAuは、経路104を通して取り出す。なお、電気分解後の電済液は、図示しない経路から系外へ排出する。透過液b2の後処理については後述する。
図2に示した構成によれば、透過液b1を、更に第2膜分離装置4で濃縮することで、濃縮液a2中のAu濃度も高くなるため、第2電気分解装置5でのAu回収効率も向上する。その結果、システム全体としてのAu回収効率が高まる。
一方、透過液b2は2回の膜分離処理が施されているため、透過液b2中のAu濃度は低くなる。そのため透過液b2を系外へ排出しても、システム全体としてのAu回収効率に与える影響は少ない。
本発明で処理対象とする原料水溶液は、Auとシアンを含む水溶液であり、例えば、電子部品や機械部品などにAuメッキを施した後のメッキ済液、メッキ後の製品を水洗した後の水洗水などである。
原料水溶液中のAu濃度は限定されないが、膜分離処理を行うのに要する作業時間やコストを考慮すると、原料水溶液中のAu濃度は1000ppm以下(0ppmを含まない)であることが好ましい。原料水溶液に含まれるAu濃度が低いほど、膜分離処理により濃縮してから電気分解することによって得られる効果が高まるからである。より好ましいAu濃度は300ppm程度以下(0ppmを含まない)である。但し、Au回収の操業コストを考慮すると、原料水溶液中のAu濃度は1ppm以上であることが推奨される。
もちろん原料水溶液中のAu濃度が1000ppmを超えている場合であっても、本発明に係るAu回収方法や装置を採用できる。しかし、処理対象とする水溶液中のAu濃度が1000ppmを超えるときは、水溶液を電気分解して予めAuを回収しておき、電気分解後の電済液を、本発明の原料水溶液として用いることが好ましい。
ところで、原料水溶液には、Auとシアンの他に、例えば、緩衝剤や界面活性剤などを含んでいることが多い。緩衝剤はメッキ浴のpHを調整するために添加されるもので、有機系のものと、無機系のものがある。有機系の緩衝剤(有機物)としてはクエン酸やギ酸などが例示され、無機系の緩衝剤(無機物)としてはリン酸を例示できる。一方、界面活性剤はメッキ基板の濡れ性を向上させたり、ミスト(霧)の発生を防止するために添加されるもので、脂肪酸スルホン酸塩やアルコール硫酸エステルなどが例示される。以下では、これら緩衝剤や界面活性剤を「緩衝剤等」と称することがある。
原料水溶液にこれらの緩衝剤等が含まれていると、電気分解してAuを回収した後の電済液にも緩衝剤等が混入してくるため、例えば、オゾンや紫外線によって無害化処理したり、Au回収後に生物処理してから放流する必要が生じてくる。そのため設備規模が大きくなるなどの問題を生じていた。
これに対し本発明では、原料水溶液を第1膜分離装置2で濃縮液a1と透過液b1に分離しているため、緩衝剤等の殆どは濃縮液a1側へ分離され、透過液b1側には殆ど含まれない。そのため透過液b1を、逆浸透膜処理して得られる濃縮液a2や透過液b2にも、当然のことながら緩衝剤等は殆ど含まれていない。よってこれらの濃縮液a2や透過液b2などは、原料水溶液に返送して再利用することができ、特に透過液b2はメッキプロセス水としても再利用可能となる。
上記第1膜分離装置2で用いる逆浸透膜と、上記第2膜分離装置4で用いる逆浸透膜は、同じタイプのものを用いてもよい。しかし第2膜分離装置4で分離対象となる透過液b1は、第1膜分離装置2で既に1回膜分離されているため、透過液b1の浸透圧は、第1膜分離装置2で分離対象とする原料水溶液の浸透圧よりも相対的に小さくなる。そのため第2膜分離装置4で用いる逆浸透膜は、第1膜分離装置2で用いる逆浸透膜よりも低圧タイプのものを用いることができ、コスト削減に寄与する。
第1膜分離装置2では、1〜6MPa程度に加圧して膜分離すればよい。好ましくは4〜6MPa程度である。第1膜分離装置2で用いる逆浸透膜としては、例えば、filmtec社製のポリアミド系逆浸透膜(高圧タイプ)や、東洋紡績社製の酢酸セルロース系逆浸透膜(高圧タイプ)などを使用できる。
第2膜分離装置4では、0.1〜1MPa程度に加圧して膜分離すればよい。第2膜分離装置4で用いる逆浸透膜としては、例えば、日東電工マテックス社製のポリアミド系逆浸透膜(例えば、「LF10(商品名)」:低圧タイプ)や、filmtec社製のポリアミド系逆浸透膜(低圧タイプ)、ダイセル社製の酢酸セルロース系逆浸透膜(低圧タイプ)などを使用できる。
濃縮条件は、電気分解する際のAu濃度を考慮する必要があるため一律に規定することはできないが、濃縮に要する作業時間やコスト等を考えると、原料水溶液(または透過液b1)をおおよそ5〜30倍に濃縮することが好ましい。より好ましくは約10倍である。
電気分解処理は公知の条件で行えばよく、電気分解時の電圧は0.1〜20V程度、電流密度は0.0001〜0.5A/cm2程度とすればよい。陽極としては、例えば、ペルメレック電極株式会社製の水溶液電解用不溶性金属電極(DSE)などを用いればよい。陰極としては、例えば、Ti電極やSUS電極などを用いればよい。
図3は、本発明に係るAu回収装置の更に他の構成例を示した概略説明図であり、前記図2と同じ部分には同一の符号を付した。図3は、前記図2に示した構成に対して、脱次亜塩素酸装置6、可溶性無機塩化物添加手段7a〜7c、イオン交換槽8a〜8d、第3膜分離装置9、第3電気分解装置10、経路106〜122、を夫々追加している。
図3は、原料水溶液に対して、膜分離処理を3回実施する例である。即ち、図3では、透過液b2を、経路105を通して第3膜分離装置9へ供給し、ここで逆浸透膜(図示せず)を用いて濃縮液a3と透過液b3に分離する。濃縮液a3は、経路108を経て第3電気分解装置10へ供給し、電気分解してAuを回収する。回収されたAuは、経路109を通して取り出す。
図3に示した如く、膜分離工程と電気分解工程を増やすことにより、Auの回収率は高くなる。なお、図3では膜分離工程を3回行う例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、膜分離工程を4回以上行ってもかまわない。膜分離工程と電気分解工程を増やすことで、Auの回収率は高くなるからである。但し、原料水溶液中に含まれるAu量は限られているため、膜分離工程や電気分解工程を増やし過ぎても無駄になる。なお、原料水溶液中のAu濃度が1000ppm以下の場合では、膜処理工程は3回程度が好適である。
図3に示した構成では、上記透過液b3を、経路111を通してイオン交換槽8dへ供給し、透過液b3中に微量含まれるAuを回収している。
イオン交換槽8dに充填する陰イオン交換樹脂としては、例えば、三菱化学社製の「SA10A(商品名)」や「SA11A(商品名)」などを好適に用いることができる。
図3では、第1電気分解装置3で電気分解された後の電済液を、経路106を通して供給手段1へ返送し、原料水溶液と混合している。同様に、第2電気分解装置5で電気分解された後の電済液は経路107、第3電気分解装置10で電気分解された後の電済液は経路110を通して供給手段1へ返送している。電済液を供給手段へ返送してやれば、電済液中に残存する微量のAuを余すことなく回収できる。
但し、上述した如く、原料水溶液には緩衝剤等も混入していることがある。この場合、緩衝剤等のほとんどは、第1膜分離装置2で濃縮液a1側へ分離されるため、該濃縮液a1を電気分解した後の電済液は供給手段1へ返送しない方がよい。この電済液を返送すると、原料水溶液中に緩衝剤等が蓄積され、原料水溶液の浸透圧が増大して濃縮倍率が低下するからである。即ち、第1電気分解装置3で電気分解された後の電済液は、リサイクルには適していないので、適切な処理を施した後、廃液として処分すべきである。
一方、原料水溶液に緩衝剤等が混入していても、第1膜分離装置2で分離された透過液b1には緩衝剤等は殆ど含まれていない。そのため第2膜分離装置4より下流側に設けられている第2電気分解装置5や第3電気分解装置10で電気分解された後の電済液は、供給手段1へ返送することができる。また、これらの電済液を供給手段1へ返送しない場合であっても、電済液には緩衝剤等は殆ど含まれていないため、適切な処理を施した後、下水等として放流できる。
上述した様に、電気分解工程ではCl-の共存下で電気分解することが好ましい。そこで図3では電気分解時にCl-を共存させるため、第1電気分解装置3に可溶性無機塩化物添加手段7aを付設している。また図3では、第2電気分解装置5に可溶性無機塩化物添加手段7bを、第3電気分解装置10に可溶性無機塩化物添加手段7cを、夫々付設している。
可溶性無機塩化物とは、電解液中で電離して溶解し、Cl-イオンを生成するものであれば特に限定されないが、例えば、NaClやKClなどを挙げることができる。添加のし易さやコストを考慮すると、NaClが最適である。
電解液に添加する可溶性無機塩化物の量は特に限定されないが、0.01〜5質量%となる様に添加すればよい。
図3に示した構成において、電気分解装置に可溶性無機塩化物添加手段を付設し、Cl-の共存下で電気分解した電済液を供給手段1へ返送する場合は、供給手段1と第1膜分離装置2の間に、原料水溶液を脱次亜塩素酸処理するための脱次亜塩素酸装置6を設ける必要がある。
即ち、可溶性無機塩化物添加手段を設けてCl-の共存下で電気分解した電済液には次亜塩素酸イオン(ClO-)が含まれている。そのためこの電済液を供給手段1へ返送すると、次亜塩素酸イオンの作用で原料水溶液中のバクテリアを死滅させることができる。ところが、次亜塩素酸イオンを含む原料水溶液を第1膜分離装置2へ供給すると、次亜塩素酸イオンによって逆浸透膜が劣化するので、原料水溶液を第1膜分離装置2へ供給する前に脱次亜塩素酸処理する必要がある。
脱次亜塩素酸装置6で行う脱次亜塩素酸処理の方法は特に限定されないが、例えば、原料水溶液に脱次亜塩素酸用の薬品として亜硫酸ソーダ等を添加するのが簡便である。
電気分解後の電済液を供給手段1へ返送しない場合は、適当な処理を施して無害化して系外へ排出してもよいが、電済液をイオン交換槽へ送り、電済液中に含まれる微量のAuを回収することが好ましい。
即ち、図3に点線で示した様に、第1電気分解装置3で電気分解された後の電済液を、経路114を通してイオン交換槽8aへ供給し、イオン交換してAuを回収する。回収したAuは経路115から取り出す。イオン交換槽8aを経た電済液は、経路116から系外へ排出される。
第2電気分解装置5や第3電気分解装置10から排出される電済液についても同様に、経路117または120を通してイオン交換槽8bまたは8cへ供給し、若干残存しているAuを回収すればよい。
イオン交換槽8a〜8cで用いる陰イオン交換樹脂としては、上記イオン交換槽8dで用いる陰イオン交換樹脂として例示したものと同じものを用いることができる。
以下、本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更して実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
実施例1
Au濃度が10ppm、シアン濃度が1ppm、バクテリア濃度が5ppmの水溶液300Lを原料水溶液とし、前記図1に示したAu回収装置を用いて原料水溶液からAuを回収した。この原料水溶液には、緩衝剤としてクエン酸とリン酸が含まれており、クエン酸の濃度は100ppm、リン酸の濃度は50ppmである。なお、上記バクテリアとは、最大長が1μm以上の浮遊粒子分を指している(以下同じ)。回収工程、膜分離処理条件および電気分解処理条件は下記の通りである。
<回収工程>
原料水溶液を供給手段1で第1膜分離装置2へ供給し、濃縮液a1と透過液b1に膜分離した。濃縮液a1は経路100を通して第1電気分解装置3へ供給し、ここで電気分解してAuを回収した。回収したAuは経路101から取り出した。
<膜分離処理条件>
第1膜分離装置2では、逆浸透膜としてfilmtec社製のポリアミド系逆浸透膜(高圧タイプ)を用い、原料水溶液を、圧力:5.0MPaで膜に供給した。このときの透過液流出量は3.0L/minであり、10倍まで濃縮した。
<電気分解処理条件>
第1電気分解装置3では、陽極としてペルメレック電極株式会社製の水溶液電解用不溶性金属電極(DSE)、陰極としてTi電極を用いた。電気分解時の電圧は2.5V、電流密度は0.0001A/cm2とした。
図1に示した各部位におけるAu濃度とシアン濃度を測定し、結果を下記表1に示す。また各部位における液量についても示す。
Figure 0004628033
以上の結果、原料水溶液に含まれるAu量は3gで、経路101から回収できたAu量は1.95gであり、本発明の回収方法によればAu濃度が10ppmの水溶液から65%のAuを回収できた。また、第1電気分解装置3における電解効率は1.6%(Auの電析量は0.119g/A・Hr)であった。
比較例1
上記実施例1において、原料水溶液を第1膜分離装置2で膜分離せずに、そのまま第1電気分解装置3へ供給し、電気分解してAuを回収した。電気分解処理条件は下記の通りである。
<電気分解処理条件>
第1電気分解装置3では、陽極としてペルメレック電極株式会社製の水溶液電解用不溶性金属電極(DSE)、陰極としてTi電極を用いた。電気分解時の電圧は6.0V、電流密度は0.0001A/cm2とした。
以上の結果、原料水溶液に含まれるAu量は3gであったが、回収できたAu量は1.50gであり、Au濃度が10ppmの水溶液から50%のAuしか回収できなかった。また、第1電気分解装置3における電解効率は0.7%(Auの電析量は0.052g/A・Hr)であった。
上記実施例1と上記比較例1におけるAu回収率と比較すると、膜分離せずに直接電気分解した場合は、Au回収率が低下することが分かる。また、Au濃度の小さい原料水溶液を濃縮せずにそのまま電気分解した場合の電解効率は、濃縮した場合の電解効率の1/2以下となり、効率が悪い。
実施例2
Au濃度が150ppm、シアン濃度が15ppm、バクテリア濃度が14ppmの水溶液300Lを原料水溶液とし、前記図2に示したAu回収装置を用いて原料水溶液からAuを回収した。この原料水溶液には、緩衝剤としてクエン酸とリン酸が含まれており、クエン酸の濃度は800ppm、リン酸の濃度は300ppmである。回収工程、膜分離処理条件および電気分解処理条件は下記の通りである。
<回収工程>
原料水溶液を供給手段1で第1膜分離装置2へ供給し、濃縮液a1と透過液b1に膜分離した。濃縮液a1は経路100を通して第1電気分解装置3へ供給し、ここで電気分解してAuを回収した。回収したAuは経路101から取り出した。一方、上記透過液b1を、経路102を通して第2膜分離装置4へ供給し、濃縮液a2と透過液b2に分離した。濃縮液a2は経路103を通して第2電気分解装置5へ供給し、ここで電気分解してAuを回収した。回収したAuは経路104から取り出した。
<膜分離処理条件>
第1膜分離装置2では、逆浸透膜としてfilmtec社製のポリアミド系逆浸透膜(高圧タイプ)を用い、原料水溶液を、圧力:5.0MPaで膜に供給した。このときの透過液流出量は3.0L/minであり、10倍まで濃縮した。第2膜分離装置4では、逆浸透膜として日東電工マテックス社製のポリアミド系逆浸透膜(「LF10(商品名)」:低圧タイプ)を用い、透過液b1(または透過液b2)を圧力:1.0MPaで膜に供給した。このときの透過液流出量は1.5L/minであり、10倍に濃縮した。
<電気分解処理条件>
第1電気分解装置3では、陽極としてペルメレック電極株式会社製の水溶液電解用不溶性金属電極(DSE)、陰極としてTi電極を用いた。電気分解時の電圧は2.5V、電流密度は0.001A/cm2とした。第2電気分解装置5では、陽極としてペルメレック電極株式会社製の水溶液電解用不溶性金属電極(DSE)、陰極としてTi電極を用いた。電気分解時の電圧は12V、電流密度は0.001A/cm2とした。なお、ここで用いた第1電気分解装置3および第2電気分解装置5には、可溶性無機塩化物添加手段は付設されていない。
図2に示した各部位におけるAu濃度とシアン濃度を測定し、結果を下記表2に示す。また各部位における液量についても示す。
Figure 0004628033
以上の結果、原料水溶液に含まれるAu量は45gで、経路101および104から回収できた総Au量は41.8gであり、本発明の回収方法によればAu濃度が150ppmの水溶液から92.9%のAuを回収できた。また、第1電気分解装置3における電解効率は4.8%(Auの電析量は0.357g/A・Hr)であり、第2電気分解装置5における電解効率は3.0%(Auの電析量は0.223g/A・Hr)であった。
比較例2
Au濃度が150ppm、シアン濃度が15ppm、バクテリア濃度が14ppmの水溶液30Lを処理対象液(以下では、単に「処理液」と称することがある)として用いた。この処理液は、緩衝剤としてクエン酸とリン酸が含まれており、クエン酸の濃度は800ppm、リン酸の濃度は300ppmである。
この処理液を、膜分離することなく、前記図2に示した第1電気分解装置3で電気分解してAuを回収した。処理液を電気分解するときの条件は、次の通りである。
<電気分解処理条件>
陽極としてペルメレック電極株式会社製の水溶液電解用不溶性金属電極(DSE)、陰極としてTi電極を用いた。電気分解時の電圧は2.5V、電流密度は0.0002A/cm2とした。なお、ここで用いた第1電気分解装置3には、可溶性無機塩化物添加手段は付設されていない。
以上の結果、第1電気分解装置3における電解効率は2.3%(Auの電析量は0.171g/A・Hr)であった。
また処理液を電気分解した後の電済液は、Au濃度が5ppmになっている以外は、変化していなかった。即ち、電済液にはバクテリアも存在している。
上記実施例2の第1電気分解装置3における電解効率と、上記比較例2における第1電気分解装置3における電解効率とを比較すると、Au濃度の小さい原料水溶液を濃縮せずにそのまま電気分解した場合の電解効率は、濃縮した場合の電解効率の約1/2程度となり、効率が悪い。
実施例3
上記実施例2において、第2電気分解装置5に、可溶性無機塩化物添加手段としてNaCl添加手段を付設し(図示しない)、電解槽内のNaCl濃度が0.3質量%となる様に、濃縮液a2にNaClを添加して電気分解し、電気分解後の電済液を、上記原料水溶液へ返送した。また前記供給手段と前記第1膜分離装置の間には、前記原料水溶液を脱次亜塩素酸処理するために、亜硫酸ソーダ添加装置を設置(図示しない)した以外は、上記実施例2と同じ条件で行った。その結果、第2電気分解装置5ではClO-が500ppm程度発生し、電解効率は2.8%(Auの電析量は0.208g/A・Hr)となった。
上記電済液と原料水溶液とを混合した液を室温で1日放置した後、液中に浮遊している粒子分のうち最大長が1μm以上のものを採取し、質量測定によりバクテリア濃度を計測した。その結果、液中のバクテリア濃度は0.1ppmであった。バクテリア濃度が小さくなったのは、次亜塩素酸イオンを含む電済液を原料水溶液と混合したため、原料水溶液に含まれるバクテリア(濃度は14ppm)が死滅したと考えられる。
実施例4
上記実施例2において、透過液b2を更にイオン交換槽へ供給し(図示しない)、Auを回収した。イオン交換槽には、陰イオン交換樹脂として三菱化学社製の陰イオン交換樹脂(「SA10A(商品名)」)を充填した。その結果、全体として原料水溶液に含まれるAu量のうち99.4%のAuを回収できた。なお、イオン交換槽を経た液には、クエン酸などの緩衝剤や、Auやシアンなどは殆ど含まれておらず、メッキプロセスの水洗水として再利用しても問題ないことを確認した。
実施例5
Au濃度が850ppm、シアン濃度が85ppm、バクテリア濃度が40ppmの水溶液300Lを原料水溶液とし、前記図3に示したAu回収装置を用いて原料水溶液からAuを回収した。この原料水溶液には、緩衝剤としてクエン酸とリン酸を含んでおり、クエン酸の濃度は3000ppm、リン酸の濃度は900ppmである。回収工程、膜分離処理条件および電気分解処理条件は下記の通りである。
<回収工程>
原料水溶液を供給手段1で第1膜分離装置2へ供給し、濃縮液a1と透過液b1に分離した。濃縮液a1は経路100を通して第1電気分解装置3へ供給し、電気分解してAuを回収し、回収されたAuを経路101から取り出した。
次いで、上記透過液b1を、経路102を通して第2膜分離装置4へ供給し、濃縮液a2と透過液b2に分離した。濃縮液a2は経路103を通して第2電気分解装置5へ供給し、電気分解してAuを回収し、回収されたAuを経路104から取り出した。
次いで、上記透過液b2を、経路105を通して第3膜分離装置9へ供給し、濃縮液a3と透過液b3に分離した。濃縮液a3は経路108を通して第3電気分解装置10へ供給し、電気分解してAuを回収し、回収されたAuを経路109から取り出した。
一方、透過液b3は、経路111を通してイオン交換槽8dへ供給し、Auを回収した。回収されたAuは経路112を通して取り出した。
<膜分離処理条件>
第1膜分離装置2では、逆浸透膜としてfilmtec社製のポリアミド系逆浸透膜(高圧タイプ)を用い、原料水溶液を、圧力:5.0MPaで膜に供給した。このときの透過液流出量は3.0L/minであり、10倍まで濃縮した。第2膜分離装置4と第3膜分離装置9では、逆浸透膜として日東電工マテックス社製のポリアミド系逆浸透膜(「LF10(商品名)」:低圧タイプ)を用い、透過液b1(または透過液b2)を圧力:1.0MPaで膜に供給した。このときの透過液流出量は1.5L/minであり、10倍まで濃縮した。
<電気分解処理条件>
第1電気分解装置3では、陽極としてペルメレック電極株式会社製の水溶液電解用不溶性金属電極(DSE)、陰極としてTi電極を用いた。電気分解時の電圧は2.5V、電流密度は0.003A/cm2とした。第2電気分解装置5では、陽極としてペルメレック電極株式会社製の水溶液電解用不溶性金属電極(DSE)、陰極としてTi電極を用いた。電気分解時の電圧は8.0V、電流密度は0.001A/cm2とした。第3電気分解装置10では、陽極としてペルメレック電極株式会社製の水溶液電解用不溶性金属電極(DSE)、陰極としてTi電極を用いた。電気分解時の電圧は10.5V、電流密度は0.001A/cm2とした。
図3に示した各部位におけるAu濃度とシアン濃度を測定し、結果を下記表3に示す。また各部位における液量についても示す。
Figure 0004628033
以上の結果、原料水溶液に含まれるAu量は255gで、経路101、104、109および112から回収することのできた総Au量は254.6gであり、本発明によればAu濃度が850ppmの水溶液から99.8%のAuを回収することができた。
第1電気分解装置3における電解効率は7.1%(Auの電析量は0.528g/A・Hr)であった。第2電気分解装置5における電解効率は5.3%(Auの電析量は0.394g/A・Hr)であった。第3電気分解装置10における電解効率は3.4%(Auの電析量は0.253g/A・Hr)であった。
本発明に係るAu回収装置の構成例を示した概略説明図である。 本発明に係るAu回収装置の他の構成例を示した概略説明図である。 本発明に係るAu回収装置の更に他の構成例を示した概略説明図である。
符号の説明
1 供給手段
2 第1膜分離装置
3 第1電気分解装置
4 第2膜分離装置
5 第2電気分解装置
6 脱次亜塩素酸装置
7a〜7c 可溶性無機塩化物添加手段
8a〜8d イオン交換槽
9 第3膜分離装置
10 第3電気分解装置
100〜122 経路

Claims (2)

  1. Auおよびシアンを含む原料水溶液からAuを回収する方法であって、
    前記原料水溶液を、Auとシアンとの化合物を濃縮する逆浸透膜を用いて濃縮液a1と透過液b1に分離する第1膜分離工程と、
    前記濃縮液a1を電気分解してAuを回収する第1電気分解工程
    前記透過液b1を、更に前記逆浸透膜を用いて濃縮液a2と透過液b2に分離する第2膜分離工程と、
    前記濃縮液a2を電気分解してAuを回収する第2電気分解工程、
    を含むことを特徴とするシアン含有水溶液からAuを回収する方法。
  2. 前記第1電気分解工程および/または前記第2電気分解工程では、Cl-の共存下で電気分解を行い、電気分解後の電済液を前記原料水溶液と混合した後、脱次亜塩素酸処理してから第1膜分離工程へ供給する請求項1に記載の方法。
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