JP6001404B2 - めっき排水からの銀の回収方法 - Google Patents

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Description

本発明は、逆浸透膜を用いためっき排水からの水の再生方法、及びめっき排水からの銀の回収方法に関する。
従来より、めっき工場等のめっき工程で大量に発生する金属元素を含有するめっき排水には金、銀等の価値のある金属が多く含まれており、これらの金属を分離回収することが試みられている。
例えば、シアン系銀水溶液に塩素系酸化剤を添加し、シアン分解と銀の回収を行うことが提案されている(特許文献1参照)。この提案には、シアン系銀水溶液に次亜塩素酸を添加し、酸化還元電位(ORP)を+350mV以上、pHを6〜9.5に調整し、助剤を添加して塩化銀(AgCl)を凝集させ、得られたAgCl粒子を固液分離して銀を回収することが記載されている。
しかし、この提案の技術を、銀含有量及びシアン含有量がいずれも20mg/L以下の低濃度のめっき排水に用いると、生成したAgCl粒子の粒径が小さいためか、AgClを固液分離する際に濾過漏れが生じ、銀の回収率が低下してしまうという問題がある。
また、めっき工程における洗浄では多量の洗浄水が必要であり、多大な設備による負荷がかかっている。そこで、精密ろ過、紫外線照射、イオン交換処理、限外ろ過及び逆浸透の少なくとも1つを用いて、金めっき排水又は銀めっき排水を再生処理し、再生後の一部もしくは全てを再びめっき工程で再利用することが提案されている(特許文献2参照)。
しかし、この提案では、逆浸透はめっき排水の再生処理の一例として挙げられているにすぎず、逆浸透によるめっき排水の再生処理の条件などの具体的な記載はなく、めっき排水を逆浸透膜で処理する際の銀含有量及びシアン含有量については何ら開示されていない。そのため、めっき排水中のシアン含有量が銀含有量に比べて少ない場合には、シアン銀錯体が分解してファウリングが生じ、逆浸透膜が閉塞し劣化して機能しなくなるおそれがある。
特開2001−26827号公報 特開2005−240108号公報
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、銀及びシアンを含有するめっき排水をめっき工程での洗浄水として再利用することにより、省資源及び環境保護を図れるめっき排水からの水の再生方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、銀及びシアンを含有するめっき排水からの銀の回収率及び回収時のろ過性の向上を図れるめっき排水からの銀の回収方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 銀及びシアンを含むめっき排水を逆浸透膜で処理し、得られた濃縮水に次亜塩素酸塩を添加して、シアン分解及び銀の回収を行うことを特徴とするめっき排水からの銀の回収方法である。
<2> 前記めっき排水のシアン含有モル量が、シアン銀錯体([Ag(CN))の当量モル比(Ag:CN=1mol:2mol)より多い前記<1>に記載のめっき排水からの銀の回収方法である。
<3> 前記濃縮水の銀濃度が、15質量ppm以上である前記<1>から<2>のいずれかに記載のめっき排水からの銀の回収方法である。
<4> 前記めっき排水にアルカリを添加して、pHを8.0〜11.0に調整する前記<1>から<3>のいずれかに記載のめっき排水からの銀の回収方法である。
<5> 銀及びシアンを含み、シアン銀錯体([Ag(CN))の当量モル比(Ag:CN=1mol:2mol)より、シアン含有モル量が多いめっき排水を逆浸透膜で処理し、得られた透過水をめっき工程での洗浄水として再利用することを特徴とするめっき排水からの水の再生方法である。
<6> 前記めっき排水にアルカリを添加して、pHを8.0〜11.0に調整する前記<5>に記載のめっき排水からの水の再生方法である。
本発明によると、従来における問題を解決することができ、銀及びシアンを含有するめっき排水をめっき工程での洗浄水として再利用することにより、省資源及び環境保護を図れるめっき排水からの水の再生方法を提供することができる。
また、本発明によると、従来における問題を解決することができ、銀及びシアンを含有するめっき排水からの銀の回収率及び回収時のろ過性の向上を図れるめっき排水からの銀の回収方法を提供することができる。
図1は、本発明のめっき排水からの水の再生方法及びめっき排水からの銀の回収方法の一例を示す概略図である。 図2は、実施例1で用いた逆浸透膜処理試験装置の一例を示す概略図である。 図3は、銀及びシアンをそれぞれ50mg/L含有する低濃度の原水を用いて逆浸透膜処理試験を行った透過水の回収率の結果を示すグラフである。 図4は、銀及びシアンをそれぞれ300mg/L含有する高濃度の原水を用いて逆浸透膜処理試験を行った透過水の回収率の結果を示すグラフである。 図5は、銀及びシアンをそれぞれ50mg/L含有する低濃度の原水を用いて逆浸透膜処理試験を行った銀(Ag)濃度の結果を示すグラフである。 図6は、銀及びシアンをそれぞれ50mg/L含有する低濃度の原水を用いて逆浸透膜処理試験を行った全シアン(CN)濃度の結果を示すグラフである。 図7は、銀及びシアンをそれぞれ300mg/L含有する高濃度の原水を用いて逆浸透膜処理試験を行った銀(Ag)濃度の結果を示すグラフである。 図8は、銀及びシアンをそれぞれ300mg/L含有する高濃度の原水を用いて逆浸透膜処理試験を行った全シアン(CN)濃度の結果を示すグラフである。 図9Aは、銀及びシアン含有量が45mg/L(3倍量)のサンプルから回収した塩化銀粒子の3,000倍のSEM写真である。 図9Bは、銀及びシアン含有量が45mg/L(3倍量)のサンプルから回収した塩化銀粒子の10,000倍のSEM写真である。 図10Aは、銀及びシアン含有量が450mg/L(30倍量)のサンプルから回収した塩化銀粒子の3,000倍のSEM写真である。 図10Bは、銀及びシアン含有量が450mg/L(30倍量)のサンプルから回収した塩化銀粒子の10,000倍のSEM写真である。 図11Aは、銀及びシアン含有量が675mg/L(45倍量)のサンプルから回収した塩化銀粒子の3,000倍のSEM写真である。 図11Bは、銀及びシアン含有量が675mg/L(45倍量)のサンプルから回収した塩化銀粒子の10,000倍のSEM写真である。
(めっき排水からの水の再生方法)
本発明のめっき排水からの水の再生方法は、銀及びシアンを含み、シアン銀錯体([Ag(CN))の当量モル比(Ag:CN=1mol:2mol)より、シアン含有モル量が多いめっき排水を逆浸透膜で処理し、得られた透過水をめっき工程での洗浄水として再利用することを特徴とする。
前記めっき排水からの水の再生方法においては、逆浸透膜で処理して得られた透過水をめっき工程での洗浄水として再利用する。その際、前記透過水は、めっき工程での洗浄水として使用可能な水質の規格値(200μS/cm以下)を満たす必要がある。このように、めっき排水を再度使用することによって省資源及び環境保護を図ることができる。
なお、逆浸透膜処理で得られた透過水が、めっき工程での洗浄水として使用可能な水質の規格値を満たしていない場合には、前記水質の規格値を満たさない透過水をめっき排水に戻して再度、逆浸透処理を行うことができる。
<めっき排水>
前記めっき排水は、銀及びシアンを含む排水であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シアン系めっき浴による銀めっき工程で生じる排水、などが挙げられる。
前記めっき排水としては、めっき槽からの排水、めっき回収槽からの排水、及びめっき洗浄槽からの排水のいずれも含まれる。各槽から排出されるめっき排水の組成及び濃度は大きく異なっている。
前記めっき排水は、銀及びシアンを含み、シアン銀錯体([Ag(CN))の当量モル比(Ag:CN=1mol:2mol)より、シアン含有モル量が多いことが、銀のシアン錯体形成を促し、逆浸透膜処理の際のファウリングを防止でき、逆浸透膜の寿命を延ばすことができる点から特に好ましい。前記シアン銀錯体([Ag(CN))の当量モル比(Ag:CN=1mol:2mol)より、シアン含有モル量が少ないと、逆浸透膜処理の際にシアン銀錯体が分解し、ファウリングが生じ、逆浸透膜が閉塞し劣化してしまうことがある。
前記めっき排水中のシアン含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10mg/L〜1,000mg/Lが好ましい。
この場合、前記めっき排水中のシアン含有モル量は、シアン銀錯体([Ag(CN))の当量モル比(Ag:CN=1mol:2mol)より多いことが必要であり、銀含有モル量の2.07倍以上が好ましく、2.28倍以上がより好ましい。前記シアン含有モル量が、銀含有モル量の2.07倍未満であると、逆浸透膜処理の際にシアン銀錯体が分解し、ファウリングが生じ、逆浸透膜が閉塞し劣化してしまうことがある。
前記めっき排水中のシアン含有モル量の調整方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、処理対象であるめっき排水にシアン化水素、シアン化物イオンの塩などを添加することにより行うことができる。
前記めっき排水は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、アルカリを添加して、pHを8.0〜11.0に調整することが好ましく、10.0〜11.0がより好ましい。これにより、大気中のCO吸収による中性乃至酸性化を抑制し、シアンガスの発生を防止できる。
前記アルカリとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、苛性ソーダ(NaOH)、苛性カリ(KOH)、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アルカリは、前記めっき排水に対し、アルカリ剤、及びアルカリ水溶液の少なくともいずれの形態でも添加することができる。
<<逆浸透膜>>
前記逆浸透膜の材質、形状、大きさ、構造などについては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記材質としては、例えば、酢酸セルロース、芳香族ポリアミド、芳香族ポリスルホン、ポリビニルアルコール、ポリベンゾイミダゾール、などが挙げられる。前記形状及び構造としては、例えば、平膜、平膜を用いたスパイラル型モジュール、中空糸型モジュール、チューブラー型モジュール、などが挙げられる。
前記逆浸透膜としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1nm〜10nmの孔径を有する膜が好ましい。前記孔径が、0.1nm未満であると、透過水量が減少してしまうことがあり、10nmを超えると、シアン銀錯体が逆浸透膜を通過してしまい、透過水にシアン銀錯体が混入してしまうことがある。
(めっき排水からの銀の回収方法)
本発明のめっき排水からの銀の回収方法は、銀及びシアンを含むめっき排水を逆浸透膜で処理し、得られた濃縮水に次亜塩素酸塩を添加して、シアン分解及び銀の回収を行うことを特徴とする。
前記逆浸透膜処理によって銀及びシアンを高倍率に濃縮した濃縮水を用いることにより、生成する塩化銀(AgCl)粒子の粒径の粗大化が図れ、塩化銀粒子を固液分離する際の濾過漏れを防止でき、銀の回収率と回収時のろ過性の向上が図れる。
前記めっき排水からの銀の回収方法における逆浸透膜処理としては、前記めっき排水からの水の再生方法における逆浸透膜処理と同様である。
前記めっき排水のシアン含有モル量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、シアン銀錯体([Ag(CN))の当量モル比(Ag:CN=1mol:2mol)より多いことが好ましい。
前記めっき排水にアルカリを添加して、pHを8.0〜11.0に調整することが好ましく、10.0〜11.0がより好ましい。
前記濃縮水の銀濃度は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、15質量ppm(0.14mol/L)以上が好ましく、45質量ppm(0.42mol/L)以上がより好ましい。
前記濃縮水の銀濃度が、15質量ppm(0.14mol/L)未満であると、ろ過漏れが生じることがある。
前記シアン分解及び銀回収は、前記めっき排水を逆浸透膜処理して得られた濃縮水に次亜塩素酸塩を添加することにより行われる。このときの反応は、以下のとおりである。
[Ag(CN) + 5NaOCl + HO →
AgCl + 2NaHCO + 3NaCl + N + Cl
前記濃縮水に次亜塩素酸塩を添加することで、含有するシアンを分解できると共に、副生する塩素イオンにより銀を塩化銀粒子として沈殿させることが可能となる。この塩化銀粒子の沈殿を固液分離することで、銀をめっき排水の濃縮水から高い効率で分離し、回収することができる。即ち、銀の回収とシアンの分解を同時に行うことが可能となる。
前記次亜塩素酸塩としては、例えば、次亜塩素酸ナトリム、次亜塩素酸カルシウム、などが挙げられる。
前記次亜塩素酸塩は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、酸化還元電位が、+350mV(標準水素電極基準)以上となるように添加することが好ましい。
前記次亜塩素酸塩の添加量を、酸化還元電位が+350mV(標準水素電極基準)以上となるように調整することで、シアンを分解できると同時に、副生する塩素イオンにより銀を塩化銀粒子として沈殿させることが可能となる。この沈殿を固液分離することで、銀をめっき排水の濃縮水から高い効率で分離し、回収することができる。従って、銀の回収とシアンの分解を同時に行うことが可能となる。
めっき排水の濃縮液に次亜塩素酸塩を添加すると、前記めっき排水の濃縮液のpHが上昇することがあるので、pH調整の目的で、硝酸、塩酸、硫酸などを添加することが好ましい。
なお、塩化銀粒子の沈殿を生成させた後で、重金属補集剤、補助薬剤、高分子凝集剤等を添加し、沈殿の沈降性を促進し、沈降性、濾過性を向上させることも可能である。
生成した塩化銀(AgCl)粒子の固液分離としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、膜濾過、吸引濾過、加圧濾過、沈降分離、遠心分離、などが挙げられる。
ここで、図1は、本発明のめっき排水からの水の再生方法及びめっき排水からの銀の回収方法の一例を示す概略図である。この図1では、原水として銀及びシアンを含むめっき排水を逆浸透膜1で処理することにより、めっき排水の濃縮水と透過水とが得られる。得られた透過水は、水質の規格値(200μS/cm以下)を満たしていればめっき工程での洗浄水として再利用される。一方、高濃度の銀及びシアンを含む濃縮水は、次亜塩素酸塩を添加することによりシアン分解及び塩化銀が生じる。生じた塩化銀は固液分離手段2としてのフィルタープレスで固液分離され、銀を回収することができる。
本発明のめっき排水からの水の再生方法によれば、銀及びシアンを含有するめっき排水を逆浸透膜で処理し、得られた透過水をめっき工程での洗浄水として再利用することにより省資源及び環境保護を図ることができる。
また、本発明のめっき排水からの銀の回収方法によれば、銀及びシアンを含有するめっき排水を逆浸透膜で処理し、得られた高濃度の銀及びシアンを含む濃縮水に次亜塩素酸を添加して、シアン分解及び銀の回収を行うことにより、銀の回収率及び回収時のろ過性を向上させることができる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
<原水の調製>
シアン銀錯塩(K[Ag(CN)])及びシアン化カリウム(KCN)を用いて、低濃度の原水(Ag濃度=50mg/L、CN濃度=50mg/L、pH=9.8)と、高濃度の原水(Ag濃度=300mg/L、CN濃度=300mg/L、pH=10.3)とを、それぞれ500L調製した。
<逆浸透膜処理試験装置>
図2に示す逆浸透膜処理試験装置を組み立てた。
この図2の装置では、逆浸透膜処理により得られる濃縮液及び透過液は、すべて第1の原水タンク11(容積100L)に戻し、第1の原水タンク11と第2の原水タンク12(容積500L)との間を循環用小型ポンプ13(イワキ株式会社製、マグネットポンプMD−20RB−200N)で循環させる循環試験として実施した。
逆浸透膜15(東レ株式会社製、TM710)の入口側の圧力初期値を1.5MPa、透過水:濃縮水の流量比=15%:85%に設定し、高圧ポンプ14(荏原製作所製)をインバータ(富士電機株式会社製、FRENIC−Multi)を用いて流量を調整した。なお、図2中F1及びF2は流量計、P1及びP2は圧力計、V1及びV2はバルブを表す。バルブの開閉は手動で行った。
(実施例1)
<低濃度の原水の逆浸透(RO)膜処理試験>
銀及びシアンをそれぞれ50mg/L(シアン/銀=4.1(モル比))含むように調整した低濃度の原水を、図2に示す逆浸透膜処理試験装置を用いて、日中8時間連続運転を行い、合計150時間通水処理した。適宜サンプリングを行い、分析を行った。透過水の回収率の結果を図3に示した。図3の結果から、長期間の逆浸透膜処理において、逆浸透膜の詰まりの発生がなく、透過水の回収率15%を達成できた。
なお、透過水の回収率(%)は、(透過水の量/低濃度の原水の量)×100%から求めた。
次に、低濃度の原水及び透過水のAg濃度の測定結果を図5、低濃度の原水及び透過水の全シアン濃度の測定結果を図6に示した。透過水のAg濃度は0.1mg/L、全シアン濃度は1mg/L以下であり、めっき工程での洗浄水として使用可能な水質の規格値(200μS/cm以下)を満たしていた。
また、濃縮水のAg濃度は65mg/L、全シアン濃度は40mg/Lであった。
Ag濃度は、ICP−AES分析(SII株式会社製、SPS5100)より測定した。
全シアン濃度は、蒸留−紫外吸光光度法(JIS K0102に記載の方法)により測定した。
<高濃度の原水の逆浸透(RO)膜処理試験>
銀及びシアンをそれぞれ300mg/Lを含む高濃度の原水を、図2に示す逆浸透膜処理試験装置を用いて、日中8時間連続運転を行い、合計約120時間通水処理した。適宜サンプリングを行い、分析を行った。透過水の回収率の結果を図4に示した。図4の結果から、長期間の逆浸透膜処理において、逆浸透膜の詰まりの発生がなく、透過水の回収率15%を達成できた。
なお、透過水の回収率(%)は、(透過水の量/高濃度の原水の量)×100%から求めた。
次に、高濃度の原水及び透過水のAg濃度の測定結果を図7、高濃度の原水及び透過水の全シアン濃度の測定結果を図8に示した
透過水のAg濃度は2mg/L、全シアン濃度は30mg/L以下であり、めっき工程での洗浄水として使用可能な水質の規格値(200μS/cm以下)を満たしていた。
また、濃縮水のAg濃度は330mg/L、全シアン濃度は240mg/Lであった。
Ag濃度は、ICP−AES分析(SII株式会社製、SPS5100)より測定した。
全シアン濃度は、蒸留−紫外吸光光度法(JIS K0102に記載の方法)により測定した。
(実施例2)
<塩化銀の回収試験>
既知濃度の銀及びシアンを含むめっき液を希釈し、下記表1に示す3倍量、30倍量、及び45倍量の銀及びシアンを含有するサンプルをそれぞれ調製した。
これらのサンプルについて、表1に示す条件で、12質量%の次亜塩素酸ナトリウム水溶液を添加し、30分間攪拌し、メンブランフィルター(商品名:Omnipore、MILLIPORE社製、孔径1.0μm)でろ過し、塩化銀(AgCl)を回収した。
次に、各サンプルについて、塩化銀の回収率を処理前後の液の銀濃度差から求めた。結果を表1に示した。
<SEM観察>
各サンプルの回収した塩化銀(AgCl)粒子をSEM観察することにより、塩化銀粒子の粒径及び形状を比較した。SEM観察の分析装置としては、日本電子株式会社製のJSM−6100を用いた。結果を図9〜図11に示した。
図9A(3,000倍)及び図9B(10,000倍)から、銀含有量及びシアン含有量が45mg/L(3倍量)では、塩化銀粒子の粒径が0.5μm、結晶形状であった。
図10A(3,000倍)及び図10B(10,000倍)から、銀含有量及びシアン含有量が450mg/L(30倍量)では、塩化銀粒子の粒径が1μm〜1.5μm、略球形状であった。
図11A(3,000倍)及び図11B(10,000倍)から、銀含有量及びシアン含有量が675mg/L(45倍量)では、塩化銀粒子の粒径が1.5μm程度、略球形状であった。
これらの結果から、銀含有量及びシアン含有量が高濃度になると、塩化銀粒子が粗大化し、塩化銀粒子が結晶形状から略球形状になっており、回収時のろ過性が向上し、塩化銀の回収率が高くなったことが予測される。
(参考例)
シアン(CN)の過剰添加によって、銀(Ag)系物質の析出を抑えられるか確認した。試験液として、シアン銀錯塩(K[Ag(CN)])、及びシアン化カリウム(KCN)を用いて、以下の2種類の溶液を調製した。
−溶液の調製−
(a)Ag濃度=300質量ppm、全CN濃度=100質量ppmの溶液、即ち、銀濃度に対して、シアン不足液である。
(b)Ag濃度=300質量ppm、全CN濃度=300質量ppmの溶液、即ち、銀濃度に対して、シアン過剰液である。
−試験方法−
試験方法は、前記(a)液、及び前記(b)液を、それぞれ1Lとして、連続的に撹拌をし、定期的に液性、状態等を確認した。
−結果−
前記(a)液では、試験開始8時間後、析出物が発生した。この析出物をX線回折(XRD)法で定性分析したところ、主に銀による化合物であることがわかった。
一方、前記(b)液では、8時間後、及び7日目においても析出物の発生はなかった。
このように、基礎試験レベルにおいて、シアン過剰の状態により銀化合物の析出を抑制できることが確認できた。なお、前記(b)液において、全CN濃度を200質量ppmとしても同様の結果であった。
1 逆浸透膜
2 固液分離手段
11 第1の原水タンク
12 第2の原水タンク
13 循環用小型ポンプ
14 高圧ポンプ
15 逆浸透膜
P1、P2 圧力計
F1、F2 流量計
V1、V2 バルブ

Claims (4)

  1. 銀及びシアンを含むめっき排水にアルカリを添加して、pHを8.0〜11.0に調整した後、逆浸透膜で処理し、得られた濃縮水に次亜塩素酸塩を添加して、シアン分解及び銀の回収を行うことを特徴とするめっき排水からの銀の回収方法。
  2. 前記めっき排水のシアン含有モル量が、シアン銀錯体([Ag(CN))の当量モル比(Ag:CN=1mol:2mol)より多い請求項1に記載のめっき排水からの銀の回収方法。
  3. 前記濃縮水の銀濃度が、15質量ppm以上である請求項1から2のいずれかに記載のめっき排水からの銀の回収方法。
  4. 前記次亜塩素酸を添加した後、硝酸、塩酸、及び硫酸のいずれかを添加して、前記pHの範囲に調整する請求項1から3のいずれかに記載のめっき排水からの銀の回収方法。
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