JP2006122787A - 海水淡水化方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 第2段目の逆浸透膜劣化を未然に防止して、ほう素濃度等が飲料水基準を満たす生産水を効率よく得る海水淡水化方法を提供することである。
【解決手段】 直列方向2段に接続された逆浸透膜装置1、2を用い、第2段目の逆浸透膜装置2への供給水を高pHに上げて海水を淡水化する海水淡水化方法で、逆浸透膜装置2の上流側に洗浄液の供給配管9aを、下流側に洗浄液の排出配管10aを設けて逆浸透膜装置2の膜洗浄を可能とし、前記装置1、2の長期間に亘る連続運転時に、膜洗浄を連続運転開始時から90日の期間内に少なくとも1回実施し、運転停止時には逆浸透膜装置2に洗浄液を供給して膜表面に沈着した金属化合物を除去した後、pH調整した清浄水を充填して逆浸透膜を保存するようにしたのである。それにより膜劣化を未然に防止でき、飲料水基準に適合する淡水化処理水を効率よく生産することができる。
【選択図】 図1

Description

この発明は、逆浸透膜(RO膜)を直列に2段設けた逆浸透法による海水淡水化方法に係り、具体的には、逆浸透膜、とくに2段目の逆浸透膜の劣化を未然に防止する膜洗浄法を用いた海水淡水化方法に関する。
逆浸透法によって海水淡水化処理を行う場合、海水中の炭酸カルシウムなどのスケールが逆浸透膜上に析出しないように、逆浸透膜装置への供給海水のpHを約6付近に調整する必要がある。しかし、供給海水のpHが8以下では、海水1リットル中に約4.5mg含まれるほう素の除去率は50〜70%程度と低く、水道法の改訂により、海水淡水化による生産水に適用されている飲料水基準のほう素濃度許容値1.0mg/リットル以下を確保できない。
ほう素は、ほう酸の形態で海水中に存在しているが、ほう酸はpHを上げることによって解離し、ほう酸イオンに移行するようになる。逆浸透膜は、水と同様な非イオン性極性物質であるほう酸の阻止率は低いが、ほう酸イオンの阻止率は高いことから、供給海水のpHを高くすれば逆浸透膜でのほう素の阻止率も高くなる。このような原理を活用して、1段目の逆浸透膜の透過水のpHを高めて、この透過水を2段目の逆浸透膜で再度逆浸透処理する海水の淡水化処理方法が開示されている(例えば、特許文献1、2参照)。また、本発明者らは、特願2004−57241号で、1段目の逆浸透膜の透過水のpHを9.0以上にして、最終的な生産水のほう素濃度を前記許容値以下とする海水の淡水化処理方法を提案している。一方、逆浸透膜への濁質の付着等による生産水の水量および水質の低下を防止するため、膜洗浄時に、空気を逆浸透膜の透過水側から供給して膜洗浄を行う1段の逆浸透膜を用いた海水淡水化装置が開示されている(特許文献3参照)。
特開平9−10766号公報([0007]〜[0010]) 特開平11−10146号公報([0006]〜[0008]) 特開平10−464号公報([0007]〜[0017])
前記特許文献1、2および特願2004−57241号で記載されたように、ほう素除去のために第1段目の透過水のpHを上げる必要があるため、第2段目の逆浸透処理には、耐高pH性の逆浸透膜が採用されている。一方、第1段目の逆浸透膜の透過水は、供給海水中の不純物は殆んど除去されている上に、塩素イオンが20〜200mg/透過水1リットル程度含まれるため腐食性が極めて高く、配管系統にステンレス系の耐食性金属材料を使用していても、一部の金属成分の溶出は避けられない。また、前記透過水、即ち、第2段目の逆浸透膜への供給水のpHをアルカリ側にすることで、供給水中に微量溶解している金属イオンが析出する可能性がある。これらの金属化合物(析出物)の多くは、第2段目の逆浸透膜の表面に捕捉される。このような使用環境であるため、第1段目の逆浸透膜で海水中の不純物が殆んど除去されているにも拘らず、第2段目の逆浸透膜の劣化が予想以上に短期間に生じることが生産現場で確認されている。このような膜劣化が進行すると、ほう素の阻止率が低下するため、生産水のほう素濃度を前記飲料水の基準値以内に収めるためには、逆浸透膜の交換サイクルが本来の膜寿命による場合よりも短くなり、煩雑な作業を伴う膜交換のための装置停止サイクルも短くなって生産効率が低下する。また、逆浸透膜の原単位も上昇する。一方、特許文献3に開示された海水淡水化装置は、1段の逆浸透膜を用いたものであり、前述のような第2段目の逆浸透膜の劣化に対して何ら記載されていない。
従来、2段の逆浸透膜を使用した海水淡水化処理では、後述のような取海水の前処理を行なうが、第1段目の逆浸透膜には濁質の持ち込みやスケール析出の可能性が高いため、3ヶ月から3年に1回程度の頻度で薬液による膜洗浄が不可欠であった。そのため、第1段目の逆浸透膜の洗浄が可能なような洗浄装置を設ける方式が一般に採用されているが、第2段目の逆浸透膜については、第1段目の逆浸透膜を透過した水であり、濁質は全く含まれないとともに、膜透過水に溶解している不純物成分もごく僅かであることから、膜洗浄装置は不要と考えられていた。
この発明は、上記のような逆浸透膜の劣化の問題に鑑みなされたもので、その課題は、海水淡水化装置の2段目の逆浸透膜の劣化を未然に防止して、ほう素濃度が飲料水基準に適合する生産水を効率よく得る海水淡水化方法を提供することである。
前記の課題を解決するために、この発明では以下の構成を採用したのである。
即ち、請求項1に係る海水淡水化方法は、直列方向に2段に接続された逆浸透膜装置を用い、第2段目の逆浸透膜装置への供給水を高pHに上げて海水を淡水化する海水淡水化方法であって、第2段目の逆浸透膜装置の上流側に洗浄液の供給経路を設けて第2段目の逆浸透膜装置の膜洗浄を可能とし、前記逆浸透膜装置の長期間に亘る連続運転時に、前記膜洗浄を連続運転開始時から90日の期間内に少なくとも1回実施することを特徴とする。
本発明者らは、第1段目の逆浸透膜で海水中の不純物が殆んど除去されているにも拘らず、第2段目の逆浸透膜装置でほう素の阻止率が低下する逆浸透膜の劣化が予想以上に短期間に生じる原因を鋭意検討した結果、逆浸透膜表面の前記金属化合物が、高アルカリ条件下で触媒となって、膜材質の加水分解または酸化劣化が促進される可能性が極めて高いという結論に至った。現在、入手可能な耐高アルカリ性の逆浸透膜の膜材質は、芳香族ポリアミド系に属するもので、このポリアミド系膜は、水中の遊離塩素によって酸化分解され、膜性能が劣化する。このため、第1段膜透過水中に塩素が残留している場合、残留塩素を消去するために、一般に還元剤として重亜硫酸ソーダ(SBS)が添加されるが、この重亜硫酸ソーダは酸化還元反応にかかわる薬品であるため、前記金属化合物(硫化物や酸化物等)が触媒となって水中の塩素イオンを遊離塩素に変換する可能性が高く、また、第2段逆浸透膜は第1段逆浸透膜に比べて供給水が、通常pH8以上の高アルカリ条件下にあり、厳しい膜劣化環境にあるため、前記変換された遊離塩素により、第2段逆浸透膜の酸化劣化が進行するものと推定される。
このように、膜劣化、即ち膜性能の低下が、前記金属化合物等の析出物による目詰まりによって生じるのではなく、触媒作用によって促進されるものであるため、例えば、逆浸透膜の入出側での圧力差を計測するなどの従来の方法によって膜劣化を検出することができない。上記のように、第2段目の逆浸透膜装置の長期間に亘る連続運転時に沈着した金属化合物を除去する膜洗浄の頻度を、従来の、海水中の濁質の持ち込みによる目詰まり等の除去のために行う第1段目の逆浸透膜の洗浄頻度(3ヶ月〜3年に1回程度)よりも短く設定することにより、2段の逆浸透膜装置で海水の淡水化を行う場合の第2段目の逆浸透膜の劣化を未然に防止することができる。膜洗浄頻度(間隔)を連続運転開始時から90日を超えて長く設定すると、膜表面への前記金属化合物の沈着により膜劣化が進行する。一方、膜洗浄頻度を短く設定し過ぎると、煩雑な作業を伴うため、生産水量の低減に繋がる上に、洗浄液(薬液)の費用も高くつく。これらのことを考慮すれば、実運転では、膜洗浄の頻度を2週間〜2ヶ月の期間内に少なくとも1回行うことが望ましい。ここで連続運転とは、緊急の場合等の一時停止を除いて、前記逆浸透膜装置を連続的に稼動させることを意味する。
請求項2に係る海水淡水化方法は、直列方向に2段に接続された逆浸透膜装置を用い、第2段目の逆浸透膜装置への供給水を高pHにして海水を淡水化する海水淡水化方法であって、第2段目の逆浸透膜装置の上流側に洗浄液の供給経路を設けて前記第2段目の逆浸透膜装置の膜洗浄を可能とし、第2段目の逆浸透膜装置が運転と停止を繰り返す操業状態にあり、この停止の直後に、第2段目の逆浸透膜装置に洗浄液を供給して膜表面に沈着した金属化合物を除去した後、弱酸性から中性に調整した清浄水を充填して逆浸透膜を保存することを特徴とする。
前記第2段目の逆浸透膜の劣化は、逆浸透装置の停止期間中でも、膜エレメント内の残留水のpHが高い状態では、進行することが確認されている。上記のように、淡水化運転停止直後の膜洗浄を行った後に、弱酸性から中性、例えば、pH5〜8程度の清澄水を膜装置内に充填しておくと、装置停止期間中の膜劣化の進行を防止することができる。
請求項3に係る海水淡水化方法は、上記第2段目の逆浸透膜の洗浄液が、有機酸または有機酸にアンモニアを添加した成分からなり、前記有機酸の濃度が0.5〜5%の範囲にあることを特徴とする。
前記膜表面に沈着した金属化合物の洗浄には、塩酸や硫酸などの無機酸を使用してもよいが、クエン酸やしゅう酸などの有機酸の方が、洗浄効果が高く有効である。有機酸の濃度は、0.5%以下では洗浄効果は低く、5%以上では濃度増加に対する洗浄効果の向上度が低くなる。この洗浄液の濃度は、0.5〜5%の範囲で膜洗浄の間隔を考慮して決定することができる。
この発明では、直列方向に2段に接続された逆浸透膜装置を用い、第2段目の逆浸透膜装置への供給水のpHを高pH域に上げて海水の淡水化処理を行う工程で、逆浸透膜の劣化原因に対する知見に基づいて、第2段目の逆浸透膜の洗浄間隔を、従来の目詰まり等の除去のために行う第1段目の逆浸透膜の洗浄頻度よりも短く設定したので、ほう素阻止率の低下などの現象が発生せず、第2段目の逆浸透膜の劣化を未然に防止することができる。それにより、膜寿命が向上して膜交換の頻度が減少し、供給海水から飲料水基準に適合する淡水化処理水を効率よく生産することができ、膜原単位も低減する。
また、運転と停止を繰り返す操業状態で、第2段目の逆浸透膜装置の停止の直後に、第2段目の逆浸透膜装置の膜洗浄を行ない、洗浄後に弱酸性から中性にpH調整した清浄水を充填して逆浸透膜を保存するようにしたので、装置停止期間中の膜劣化の進行を防止でき、膜寿命の向上に寄与する。
以下に、この発明の実施形態を添付の図1に基づいて説明する。
図1は、この発明の海水淡水化方法を実施するための、逆浸透膜装置(RO膜)1、2が直列方向に2段に接続された海水淡水化装置の要部を模式的に示したものである。この海水淡水化装置は、第1段目の逆浸透膜装置(第1段RO膜)1の入側に、供給海水を予備昇圧する第1段ブースターポンプ3、および第1段逆浸透膜用高圧ポンプ4が配置され、第2段目の逆浸透膜装置(第2段RO膜)2の入側に、第1段目の逆浸透膜装置1からの膜透過水を予備昇圧する第2段ブースターポンプ3a、および第2段逆浸透用高圧ポンプ4aが配置され、第1段目の逆浸透透過装置1の出側には、膜透過水のpHを上昇させるための苛性ソーダなどのアルカリ注入手段5を備えている。薬液を貯留した洗浄液槽6からは、薬液供給ポンプ7、カートリッジフィルタ8を介して第1段逆浸透膜用逆浸透膜高圧ポンプ4の入側、および第2段逆浸透膜用高圧ポンプ4aの入側に、洗浄液の供給配管9、9a、出側に洗浄液の循環配管10、10aがそれぞれ接続されている。なお、第1段目の逆浸透膜の洗浄液を貯留する洗浄液槽6および供給配管9とは別個に、第2段目の逆浸透膜の洗浄液槽および洗浄液の供給配管9a、循環配管10aを設け、互いに独立して膜洗浄を行なうこともできる。
前記海水淡水化装置には、次のようにして処理される前処理海水が供給される。まず、海岸の海水中に設置した取水ポンプで海水を取水して原海水貯槽に貯留する。取海水は、海洋生物の繁殖を防止するため、電解水中の次亜塩素酸ソーダの濃度が約2.5ppmになるように電気分解する。このように電気分解された取海水を、ろ過ポンプで単層砂ろ過に供給し、海水中の濁質の粗取りを行なった後、UF膜ろ過器に供給して精密ろ過をして、一旦ろ過海水漕に貯留する。このように前処理した海水を、前記第1段ブースターポンプ3で予備昇圧した後、炭酸カルシウムの析出を防止するため硫酸を添加してpHを6.5に調整し、第1段保安フィルタ(図示省略)で夾雑物を除去した後、第1段逆浸透膜高圧ポンプ4で海水淡水化に必要な圧力(例えば、6.0MPa)に昇圧して第1段逆浸透膜装置1の高圧逆浸透膜モジュールに供給する。そして、この高圧逆浸透膜モジュールで、供給海水(取海水)は、塩分を殆んど含まない膜透過水約40%と、濃縮水約60%に分離され、濃縮水の方は海に放流される。膜透過水の方は、その中に含まれる遊離炭酸を脱炭酸塔(図示省略)で除去し、重亜硫酸ソーダ(SBS)で残留塩素を消去した後、脱塩水槽(図示省略)に貯留される。この脱塩水槽に貯留された脱塩水、即ち、第1段目の膜透過水に苛性ソーダを添加して、そのpHを8以上、好ましくは9〜10に調整した後、第2段ブースターポンプ3aで1.0MPa前後に予備昇圧して第2段逆浸透膜高圧ポンプ4aに送り、この第2段逆浸透膜高圧ポンプ4aから第2段逆浸透膜装置2の低圧逆浸透膜モジュールに供給する。そして、この低圧逆浸透膜モジュールでも、前記高圧逆浸透膜モジュールの場合と同様に、第2段膜透過水と濃縮水とに分離され、濃縮水の方は海に放流される。一方、第2段膜透過水の方は、塩酸を添加してpHが下げられ、さらにミネラル成分が添加され、最終的に飲料水に適したpHおよび硬度に調整され、滅菌剤を添加して生産水となり、生産水槽に貯留される。以下に実施例について説明する。
上記海水淡水化装置を2系列設置し、表1に示す運転条件で6ヶ月の連続運転期間中に、2週間に1回の頻度で、第1段目の膜透過水にクエン酸を1%溶解させ、アンモニア水を添加してpHが4になるように調整した洗浄液を、第2段逆浸透膜装置2(図1参照)の低圧逆浸透膜モジュールに約30分間にわたって循環供給し、膜面に沈着した金属化合物を除去した。 また、この連続運転の6ヶ月の期間中で、生産水の需要が低い時期は、2系列の装置を交互運転したが、系列切り替え時毎に、停止する系列の方の第2段逆浸透膜装置の低圧逆浸透膜モジュールにアルカリを添加していない前記第1段膜透過水を供給して高pHの供給水と置換した後、第1段膜透過水にクエン酸を濃度が1%となるように溶解させ、アンモニア水でpHを4に調整した前記洗浄液を供給して膜表面を洗浄した。洗浄終了後、前記低圧逆浸透膜モジュール内の洗浄液を、アルカリを添加していない前記第1段膜透過水で置換して第2段逆浸透膜装置を停止した。前記6ヶ月の運転期間の直前(新逆浸透膜)および直後に、表2に示す膜性能評価用の供給液を前記低圧逆浸透膜モジュールに供給して、ほう素阻止率および透過水流量を測定する膜性能評価試験を行なった。なお、各系列の装置は、1ベッセル1モジュール内に上流側(供給海水の流入側)および下流側の2つの逆浸透膜エレメントを装備している。
Figure 2006122787
Figure 2006122787
一方、比較として、6ヶ月の運転期間中に、前記低圧逆浸透膜モジュールの膜洗浄を行なわず、また、この6ヶ月の運転期間中に、生産水の需要に応じて、2系列運転から膜性能の劣化を均等化するために、交互に1系列運転に切り替えた際に、停止する系列の前記低圧逆浸透膜モジュールには前記膜洗浄や洗浄水の第1段膜透過水による置換等に特別な処置を施さなかった従来の処理方法の場合についても、前記膜性能評価試験を行なった。これらの評価試験の結果を表3に示す。
表3から、本発明の実施例では、6ヶ月の連続運転後の低圧逆浸透膜モジュールの性能、即ちほう素阻止率は、連続運転開始前および開始後で、上流側および下流側のいずれの膜エレメントでも殆んど低下していない。上記評価試験後に膜モジュールを分解点検したところ、膜にはとくに着色は認められず、また膜表面の分析結果でも金属化合物の沈着は認められず、清浄であることが確認された。
Figure 2006122787
これに対し、比較例(従来技術)では、上流側および下流側のいずれの膜エレメントでも、ほう素阻止率の低下が明瞭に認められる。また、運転前に比べて透過水流量が顕著に増加しており、膜劣化が進行していることがわかる。神鋼上記評価試験後に、前記膜モジュールを分解点検したところ、従来技術で運転した逆浸透膜の表面には、とくに上流側の膜エレメントで褐色を帯びた沈着物が観察され、この沈着物は、分析の結果、鉄化合物であることが判明した。この鉄化合物が、ほう素阻止率を低下させる膜劣化をもたらしたものと考えられる。これらの鉄化合物は、第1段目の逆浸透膜の透過水であっても腐食性が極めて高い、この膜透過水により配管の鉄成分が溶出し、この溶出鉄分が、苛性ソーダの添加により高pH化された環境下で析出し、膜表面に沈着したものと推察される。
この発明は、直列に接続した2段の逆浸透膜を用いて海水を淡水化する海水淡水化装置で、第2段目の逆浸透膜の劣化を未然に防止し、飲料水基準に適合する淡水化処理水を効率よく生産できる方法として利用することができる。
この発明の海水淡水化方法の実施を可能とする装置構成の説明図である。
符号の説明
1、2・・・逆浸透膜装置
3、3a・・・ブースターポンプ
4、4a・・・高圧ポンプ
5・・・アルカリ注入手段
6・・・洗浄液槽
7・・・薬液供給ポンプ
8・・・カートリッジフィルタ
9、9a・・・供給配管
10、10a・・・循環配管

Claims (3)

  1. 直列方向に2段に接続された逆浸透膜装置を用い、第2段目の逆浸透膜装置への供給水を高pHに上げて海水を淡水化する海水淡水化方法であって、第2段目の逆浸透膜装置の上流側に洗浄液の供給経路を設けて第2段目の逆浸透膜装置の膜洗浄を可能とし、前記逆浸透膜装置の長期間に亘る連続運転時に、前記膜洗浄を連続運転開始時から90日の期間内に少なくとも1回実施することを特徴とする海水淡水化方法。
  2. 直列方向に2段に接続された逆浸透膜装置を用い、第2段目の逆浸透膜装置への供給水を高pHにして海水を淡水化する海水淡水化方法であって、第2段目の逆浸透膜装置の上流側に洗浄液の供給経路を設けて第2段目の逆浸透膜装置の膜洗浄を可能とし、前記第2段目の逆浸透膜装置が運転と停止を繰り返す操業状態にあり、この停止の直後に、第2段目の逆浸透膜装置に洗浄液を供給して膜表面に沈着した金属化合物を除去した後、弱酸性から中性に調整した清浄水を充填して逆浸透膜を保存することを特徴とする海水淡水化方法。
  3. 前記洗浄液が、有機酸または有機酸にアンモニアを添加した成分からなり、前記有機酸の濃度が0.5〜5%の範囲にあることを特徴とする請求項1または2に記載の海水淡水化方法。

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