JP2006332284A - 電子部品および電子部品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電子部品本体との接合強度が大きい外部電極を備え、実装基板への固着力が大きく、実装信頼性の高い電子部品およびその製造方法を提供する。
【解決手段】電子部品本体(セラミック素子)1と、電子部品本体1の表面に形成された外部電極5a,5bとを備えた電子部品において、外部電極5a,5bを、卑金属を主成分とする第1の焼結電極層6a,6bと、第1の焼結電極層上に形成された、貴金属を主成分とする第2の焼結電極層7a,7bと、第1の焼結電極層と第2の焼結電極層との界面に形成された、第1の焼結電極層の表面の30〜99%を覆うガラス層8a,8bとを備えた構成とする。
第1の焼結電極層6a,6bを構成する材料をCuを主成分とするものとし、第2の焼結電極層7a,7bを構成する材料を、PdをAgの8重量%以下の割合で含有するAg−Pd合金を主成分とするものとする。
【選択図】図1

Description

本願発明は、電子部品および電子部品の製造方法に関し、詳しくは、電子部品本体の表面に外部電極が形成された構造を有する電子部品およびその製造方法に関する。
代表的な電子部品の一つに、例えば、図4に示すようなチップ型の積層セラミックコンデンサがある。この積層セラミックコンデンサは、複数の内部電極53a,53bがセラミック層52を介して互いに対向するように配設され、かつ、その一端側が交互に異なる側の端面に引き出されたセラミック素子51の両端面54a,54bに、内部電極53a,53bと導通するように一対の外部電極55a,55bが配設された構造を有している。
そして、このような積層セラミック電子部品(積層セラミックコンデンサ)において、回路基板に実装した場合の回路基板のたわみに対する強度が大きく、かつ、シール性に優れた外部電極を備えた積層セラミック電子部品として、図5に示すように、外部電極55a,55bを、セラミック素子51の表面に形成された第1電極層56a,56bと、該第1電極層56a,56b上に形成された第2電極層57a,57bとを備えた複数層構造とし、かつ、第1電極層56a,56b中のガラスフリット含有率G1と第2電極層57a,57b中のガラスフリット含有率G2の関係をG1≧G2、第1電極層56a,56bの厚みT1を20μm以上、ガラスフリット含有率G1を5vol%以上、第2電極層57a,57bの厚みT2を50μm以下、ガラスフリット含有率G2を15vol%以下とした積層セラミック電子部品が提案されている(特許文献1参照)。
なお、図5において、図4と同一符号を付した部分は同一または相当する部分を示している。
そして、この積層セラミック電子部品においては、ガラスフリット含有率の高い第1電極層56a,56bによりシール性を確保するとともに、ガラスフリット含有率の低い、ポーラスな第2電極層57a,57bにより、外部からの応力を緩和して、はんだや導電性接着剤が硬化する際に生じる応力や、基板のたわみによる応力などに対する耐性(たわみ強度)を向上させることが可能であり、また、ポーラスな構造を有する第2電極層57a,57bにより、導電性接着剤との接合性を向上させることが可能で、導電性接着剤を用いて実装する場合にも、信頼性の高い実装を行うことができるとされている。
しかしながら、この積層セラミック電子部品の構成において、第2電極層57a,57bの緻密性を低下させてゆくと、第1電極層56a,56bと第2電極層57a,57bの固着強度が不十分になるばかりでなく、外部電極55a,55b全体としてのセラミック素子51との固着強度が不十分になり、結果として実装基板に実装した際に、十分な固着力を確保することができなくなるという問題点がある。なお、セラミック素子51からの外部電極55a,55bの剥離試験を行った場合に、外部電極55a,55bを構成する第1電極層56a,56bと第2電極層57a,57bの界面で剥離が生じるばかりでなく、外部電極の先端部の第2電極層57a,57bの先端部が第1電極層56a,56bの先端部を超えて、セラミック素子51と接合している部分において、セラミック素子51と第2電極層57a,57bの界面で剥離が生じることが確認されている。
また、導電性接着剤を用いて実装することができるように構成された導電性接着剤対応の積層セラミック電子部品(積層セラミックコンデンサ)において、例えば、寸法が、長さ:2.0mm、幅:1.25mm、高さ:0.85mmというような大型の積層セラミックコンデンサを、自動車の実装基板に搭載した場合、耐震性の観点から実装基板と積層セラミックコンデンサの固着力を確保することが重要になる(例えば、自動車メーカーの要求では、固着力試験で12N以上の固着力が必要とされている)。なお、実装基板と積層セラミックコンデンサの固着力が不足すると、実装基板から積層セラミックコンデンサが脱落する恐れがある。
特開2002−203737号公報
本願発明は、上記課題を解決するものであり、電子部品本体との接合強度が大きい外部電極を備え、実装基板への固着力が大きく、実装信頼性の高い電子部品およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本願発明(請求項1)の電子部品は、
電子部品本体と、前記電子部品本体の表面に形成された外部電極とを備えた電子部品であって、
前記外部電極が、
卑金属を主成分とする第1の焼結電極層と、
前記第1の焼結電極層上に形成された、貴金属を主成分とする第2の焼結電極層と、
前記第1の焼結電極層と前記第2の焼結電極層との界面に形成された、前記第1の焼結電極層の表面の30〜99%を覆うガラス層とを有していること
を特徴としている。
また、請求項2の電子部品は、請求項1の発明の構成において、前記第1の焼結電極層を構成する材料がCuを主成分とするものであり、前記第2の焼結電極層を構成する材料が、PdをAgの8重量%以下の割合で含有するAg−Pd合金を主成分とするものであることを特徴としている。
また、本願発明(請求項3)の電子部品の製造方法は、
電子部品本体と、前記電子部品本体の表面に形成された外部電極とを備え、前記外部電極が、卑金属を主成分とする第1の焼結電極層と、前記第1の焼結電極層上に形成された、貴金属を主成分とする第2の焼結電極層と、前記第1の焼結電極層と前記第2の焼結電極層との界面に形成されたガラス層とを有する電子部品の製造方法であって、
(a)前記電子部品本体の表面に、主成分金属としての卑金属と、第1のガラスを含有する第1の導電性ペーストを塗布して焼き付けることにより前記第1の焼結電極層を形成する工程と、
(b)前記第1の焼結電極層の表面に、主成分金属としての貴金属と、全固形分の20〜50体積%の第2のガラスを含有する第2の導電性ペーストを塗布して焼き付けることにより、前記第2の焼結電極層を形成するとともに、前記第1の焼結電極層に含まれる前記第1のガラスと、前記第2の焼結電極層に含まれる前記第2のガラスを析出させることにより、前記第1の焼結電極層と前記第2の焼結電極層との界面に、前記第1の焼結電極層の表面の30〜99%を覆う前記ガラス層を形成する工程と
を具備することを特徴としている。
また、請求項4の電子部品の製造方法は、請求項3の発明の構成において、前記第1の導電性ペーストがCu粉末を主たる導電成分とするものであり、前記第2の導電性ペーストがPdをAgの8重量%以下の割合で含有するAg−Pd粉末を主たる導電成分とするものであることを特徴としている。
本願発明(請求項1)の電子部品は、電子部品本体と、電子部品本体の表面に形成された外部電極とを備えた電子部品において、外部電極を、卑金属を主成分とする第1の焼結電極層と、第1の焼結電極層上に形成された、貴金属を主成分とする第2の焼結電極層と、第1の焼結電極層と第2の焼結電極層との界面に形成された、第1の焼結電極層の表面の30〜99%を覆うガラス層とを備えた構成としているので、電子部品本体との接合強度が大きくて剥離しにくく、かつ、実装基板への固着強度が大きく実装信頼性に優れた電子部品を提供することが可能になる。
さらに、第1の焼結電極層と第2の焼結電極層との界面に形成された、第1の焼結電極層の表面の30〜99%を覆うガラス層により、第1の焼結電極層と第2の焼結電極層の間の固着力が確保されるため、例えば12N以上の固着力が必要とされる車載用などの用途に好適な、実装基板への固着強度が十分に大きくて、実装信頼性の高い電子部品を得ることが可能になる。
また、本願発明は、上述のように、外部電極を、卑金属を主成分とする第1の焼結電極層と、貴金属を主成分とする第2の焼結電極層と、第1の焼結電極層と第2の焼結電極層との界面に形成された、第1の焼結電極層の表面の30〜99%を覆うガラス層とを備えた構成としているので、請求項2のように、第1の焼結電極層をCuを主成分とするものとし、第2の焼結電極層を、PdをAgの8重量%以下の割合で含有するAg−Pd合金を主成分とするものとした場合にも、電子部品本体との接合強度が大きくて剥離しにくい外部電極を形成することが可能になり、実装基板への固着強度が大きく、実装信頼性に優れた電子部品を得ることが可能になる。
また、上述のように、第1の焼結電極層の主成分としてCuを用い、第2の焼結電極層の構成材料であるAg−Pd合金中のPdをAgの8重量%以下というような少ない割合として高価なPdの含有量を減らし、低コスト化を図った場合、第1の焼結電極層中のCuと第2の焼結電極層中のPdの相互拡散による、第1の焼結電極層と第2の焼結電極層の密着力が低下するが、ガラス層により第1の焼結電極層と第2の焼結電極層の固着力を確保することが可能になるため、外部電極の特性を低下させることなくコストの低減を図ることが可能になる。
また、本願発明(請求項3)の電子部品の製造方法は、電子部品本体と、電子部品本体の表面に形成された外部電極とを備え、外部電極が、卑金属を主成分とする第1の焼結電極層と、第1の焼結電極層上に形成された、貴金属を主成分とする第2の焼結電極層と、第1の焼結電極層と第2の焼結電極層との界面に形成されたガラス層とを有する電子部品を製造する場合において、(a)電子部品本体の表面に、主成分金属としての卑金属と、第1のガラスを含有する第1の導電性ペーストを塗布して焼き付けることにより第1の焼結電極層を形成する工程と、(b)第1の焼結電極層の表面に、主成分金属としての貴金属と、全固形分の20〜50体積%の第2のガラスを含有する第2の導電性ペーストを塗布して焼き付けることにより、第2の焼結電極層を形成するとともに、第1の焼結電極層に含まれる第1のガラスと、第2の焼結電極層に含まれる第2のガラスを析出させることにより、第1の焼結電極層と第2の焼結電極層との界面に、第1の焼結電極層の表面の30〜99%を覆うガラス層を形成する工程とを具備しているので、請求項1の電子部品の外部電極が備えているような構成の外部電極、すなわち、卑金属を主成分とする第1の焼結電極層と、貴金属を主成分とする第2の焼結電極層と、第1の焼結電極層と第2の焼結電極層との界面に形成された、第1の焼結電極層の表面の30〜99%を覆うガラス層とを備えた外部電極を有し、電子部品本体との接合強度が大きくて剥離しにくく、かつ、実装基板への固着強度が大きく実装信頼性に優れた電子部品を提供することが可能になる。
なお、第1のガラスとしては、B−Si−K系ガラスを用いることが可能であり、また、第2のガラスとしてはB−Si−アルカリ金属−Ti,Zr系ガラスを用いることが可能である。ただし、第1および第2のガラスとしては、その他のガラスを用いることも可能である。
また、請求項4の電子部品の製造方法のように、第1の導電性ペーストとしてCu粉末を主たる導電成分とするものを用い、第2の導電性ペーストとしてPdをAgの8重量%以下の割合で含有するAg−Pd粉末を主たる導電成分とするものを用いることにより、Cuを主成分とする第1の焼結電極層と、PdをAgの8重量%以下の割合で含有するAg−Pd粉末を主成分とする第2の焼結電極層と、第1の焼結電極層と第2の焼結電極層との界面に形成された、第1の焼結電極層の表面の30〜99%を覆うガラス層とを備えた構成を有する外部電極を備えた電子部品を効率よく製造することが可能になり、本願発明をより実効あらしめることが可能になる。
以下に本願発明の実施例を示して、本願発明の特徴とするところをさらに詳しく説明する。
図1は本願発明の一実施例(実施例1)にかかる電子部品の製造方法により製造した電子部品(この実施例では積層セラミックコンデンサ)の構成を示す断面図、図2はその要部(研磨断面)を示す図である。
この実施例1の積層セラミックコンデンサは、図1に示すように、複数の内部電極(例えばNi電極)2a,2bがセラミック層3を介して互いに対向するように配設され、かつ、交互に逆側の端面4a,4bに引き出されたセラミック素子(電子部品本体)1に、内部電極2a,2bと導通するように一対の外部電極5a,5bが配設された構造を有している。
そして、この実施例の積層セラミックコンデンサにおいて、外部電極5a,5bは、第1の焼結電極層であるCu焼き付け電極層6a,6bと、Cu焼き付け電極層(第1の焼結電極層)6a,6b上に形成された、第2の焼結電極層であるAg−Pd焼き付け電極層7a,7bと、Cu焼き付け電極層(第1の焼結電極層)6a,6bとAg−Pd焼き付け電極層(第2の焼結電極層)7a,7bの界面に形成された、Cu焼き付け電極層(第1の焼結電極層)6a,6bの表面の30〜99%を覆うガラス層8a,8bとを備えている。
以下、この積層セラミックコンデンサの製造方法について説明する。
(1)まず、第1の焼結電極層を形成するための導電性ペーストとして、Cu粉末と、軟化点が約750℃の、B−Si−K系ガラスを主成分とするガラスフリットを混合した後、有機ビヒクルを適量加え、得られた混合物を三本ロールで混合・分散させ、第1の焼結電極層用の導電性ペーストを作製する。
なお、この導電性ペースト中の全固形分(Cu粉末+ガラスフリットの合計量)の割合は20体積%である。
また、第1の焼結電極層用の導電性ペーストにおいて、全固形分中のガラスフリットの割合は、20〜50体積%の範囲で調整することが可能であるが、この実施例では、全固形分中のガラスフリットの割合を30%とした。
(2)また、第2の焼結電極層を形成するための導電性ペーストとして、Ag−Pd粉末と、軟化点が約600℃の、B−Si−アルカリ金属−Ti,Zr系ガラスを主成分とするガラスフリットを混合した後、有機ビヒクルを適量加え、得られた混合物を三本ロールで混合・分散させ、第2の焼結電極層用の導電性ペーストを作製する。
この実施例ではAg−Pd粉末として、Pdの割合が5重量%のものを用いた。
なお、第2の焼結電極層用の導電性ペースト中の全固形分(Ag−Pd粉末+ガラスフリットの合計量)の割合は20体積%である。
そして、この実施例1では、全固形分中のガラスフリットの割合を15,20,23,25,30,40,50,60体積%の範囲で変化させた複数種類の導電性ペーストを作製した。
なお、本願発明においては、第2の焼結電極層用の導電性ペースト中の全固形分中のガラスフリットの範囲は20〜50体積%であり、上記の全固形分中のガラスフリットの割合を15体積%および60体積%としたものは本願発明の範囲外の比較例となる。
(3)それから、焼成済みのセラミック素子(電子部品本体)1の両端面側を第1の焼結電極層用の導電性ペーストに浸漬して、セラミック素子1の両端面に第1の焼結電極層用の導電性ペーストを塗布した後、乾燥させる。なお、乾燥後の第1の焼結電極層用の導電性ペーストの塗布厚みの目標値は0.05mmとした。
(4)そして、酸素濃度0〜5ppm、最高温度850℃、保持時間10分の条件で第1の焼結電極層用の導電性ペーストを焼き付けることにより、第1の焼結電極層であるCu焼き付け電極層6a,6bを形成する。
(5)次に、両端面にCu焼き付け電極層(第1の焼結電極層)6a,6bが形成されたセラミック素子(電子部品本体)1の両端面側を、第2の焼結電極層用の導電性ペーストに浸漬して、セラミック素子1の両端面に第2の焼結電極層用の導電性ペーストを塗布した後、乾燥させる。なお、乾燥後の第2の焼結電極層用の導電性ペーストの塗布厚みの目標値は0.05mmとした。
(6)そして、酸素濃度0〜5ppm、最高温度700℃、保持時間25分の条件で第2の焼結電極層用の導電性ペーストを焼き付けることにより、第2の焼結電極層であるAg−Pd焼き付け電極層7a,7bを形成する。
この第2の焼結電極層用の導電性ペーストの焼き付け工程で、第2の焼結電極層7a,7bが形成されるとともに、第1の導電性ペースト(Cu焼き付け電極層6a,6b)に含まれる第1のガラスと、第2の導電性ペースト(Ag−Pd焼き付け電極層7a,7b)に含まれる第2のガラスが析出することにより、第1の焼結電極層6a,6bと、第2の焼結電極層7a,7bとの界面に、第1の焼結電極層6a,6bの表面の30〜99%を覆うガラス層8a,8bが形成される。これにより、図1に示すような、構造を有する積層セラミックコンデンサ(試料)が得られる。
それから、上述のようにして作製した積層セラミックコンデンサ(試料)について、
(a)外部電極の剥離試験
(b)外部電極の固着力測定試験
(c)固着力測定試験における外部電極破壊不良の発生割合の測定
(d)ガラス層による第1の焼結電極層の被覆率の測定
を行った。
なお、各試験および各測定は以下の方法により行った。
[外部電極の剥離試験]
図3(a)は外部電極の剥離試験の方法を説明するための平面図、図3(b)は正面図である。
図3(a),(b)に示すように、試料(積層セラミックコンデンサ)Sを粘着テープ10上に載置し、長手方向に平行な方向が回転軸方向となるようにして一回転させ、粘着テープ10に、試料(積層セラミックコンデンサ)Sから剥離した外部電極の付着が認められたものを不良と判定した。
なお、外部電極の剥離試験は10個の試料について行い、不良の発生した試料数をカウントした。
[外部電極の固着力測定試験]
試料(積層セラミックコンデンサ)を導電性接着剤でアルミナ基板に接着し、試料の幅方向に荷重を加え(0.5mm/秒)破断した値を固着力とした。
なお、外部電極の固着力測定試験は20個の試料について行い、平均値を求めた。
[固着力測定試験における外部電極破壊不良の発生割合の測定]
上記の固着力試験において、外部電極内で破壊が生じたものを外部電極破壊不良としてカウントした。
[ガラス層による第1の焼結電極層の被覆率の測定]
試料(積層セラミックコンデンサ)の、長手方向に平行で内部電極の主面に直交する方向の面を、試料(積層セラミックコンデンサ)の幅方向の中央部まで研磨し、研磨断面(図2参照)をSEM観察し、ガラス層8a,8bの長さ(ガラス層8a,8bが形成されている部分の合計長さ)L1と、第1の焼結電極層6a,6bの長さL2を測定し、以下の式からガラス層8a,8bによる第1の焼結電極層6a,6bの被覆率(%)を求めた。
被覆率(%)=(ガラス層合計長さL1/第1の焼結電極層長さL2)×100
なお、ガラス層による第1の焼結電極層の被覆率の測定は10個の試料について行い、平均値を求めた。
上記の各試験および各測定の結果を表1に示す。
Figure 2006332284
表1に示すように、第2の焼結電極層中のガラスフリット含有量が15体積%の試料1(本願発明の範囲を外れた比較例の試料)の場合、第2の焼結電極層の緻密性が低くて固着力が小さく、第1の焼結電極層と第2の焼結電極層の界面のガラス層による第1の焼結電極層の被覆率も低いことが確認された。
また、この試料1(本願発明の範囲を外れた比較例)においては、剥離試験における不良の発生件数が多く、また、固着力測定試験における外部電極破壊不良の発生件数が多いことが確認された。
一方、第2の焼結電極層中のガラスフリット含有量が20体積%の試料2(本願発明の範囲内の実施例の試料)の場合、固着力が12Nと大きく、第1の焼結電極層と第2の焼結電極層の界面のガラス層による第1の焼結電極層の被覆率も30%と大きいことが確認された。
また、この試料2においては、剥離試験における不良の発生は認められず、固着力測定試験における外部電極破壊不良の発生も1個について認められただけであった。
さらに、第2の焼結電極層中のガラスフリット含有量が23〜50体積%の試料3〜7(本願発明の範囲内の実施例の試料)の場合、固着力が19〜23Nと大きく、界面のガラス層による第1の焼結電極層の被覆率も30〜99%と大きいことが確認された。
また、この試料3〜7においては、剥離試験における不良の発生は認められず、また、固着力測定試験における外部電極破壊不良の発生も認められなかった。
また、第2の焼結電極層中のガラスフリット含有量が60体積%の試料8(本願発明の範囲外の比較例)の場合、固着力が16Nと大きく、剥離試験における不良の発生もなく、また、固着力測定試験における外部電極破壊不良の発生も認められなかったが、界面のガラス層による第1の焼結電極層の被覆率が100%で、第1の焼結電極層と第2の焼結電極層の電気的導通がとれない場合が認められた。
上記の結果より、第2の焼結電極層中のガラスフリット含有量を20〜50体積%(試料2〜7)とすることにより、電子部品本体との接合強度が大きい外部電極を備え、実装基板への固着力が大きく、実装信頼性の高い積層セラミックコンデンサが得られることが確認された。
なお、上記実施例では、積層セラミックコンデンサを例にとって説明したが、本願発明は、積層セラミックコンデンサに限らず、積層バリスタ、積層LC複合部品、多層回路基板、その他、電子部品本体の表面に外部電極を備えた種々の電子部品に適用することが可能であり、その場合にも上記実施例の場合と同様の効果を得ることができる。
また、上記実施例では、外部電極が、第1の焼結電極層6a,6bと、第2の焼結電極層7a,7bと、両者の界面に位置するガラス層8a,8bの3つの層から構成されているが、、第2の焼結電極層7a,7b上に、例えば、はんだ喰われを防止するためのNiめっき層、はんだ濡れ性を向上させるためのSnめっき層やはんだめっき層などの層を形成することも可能であり、本願発明はそのような電極層を備えた構成を含むものである。
また、上記実施例では、第1の焼結電極層を形成する工程では850℃で焼き付けを行い、第2の焼結電極層を形成するとともにガラス層を生じさせるための工程である、第2の焼結電極層の焼き付け工程では700℃で焼き付けを行っているが、これらの条件は、第1の焼結電極層および第2の焼結電極層の形成に用いられる導電性ペーストの種類などを考慮して適宜定められるものであり、上記実施例に限定されるものではない。
また、本願発明は、さらにその他の点においても上記実施例に限定されるものではなく、外部電極を構成する第1の焼結電極層および第2の焼結電極層の厚みやその構成材料、電子部品本体を構成する材料の種類や、電子部品本体の具体的な構成、内部電極の構成材料、内部電極の有無などに関し、発明の範囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能である。
上述のように、本願発明においては、外部電極を、卑金属を主成分とする第1の焼結電極層と、貴金属を主成分とする第2の焼結電極層と、第1の焼結電極層と第2の焼結電極層との界面に形成された、第1の焼結電極層の表面の30〜99%を覆うガラス層とを備えた構成としているので、電子部品本体との接合強度が大きい外部電極を備え、実装基板への固着力が大きく、実装信頼性の高い電子部品を得ることが可能になる。
さらに、第1の焼結電極層と第2の焼結電極層との界面に形成された、第1の焼結電極層の表面の30〜99%を覆うガラス層により、第1の焼結電極層と第2の焼結電極層の間の固着力が確保されるため、例えば12N以上の固着力が必要とされる車載用などの用途に好適な、実装基板への固着強度が十分に大きくて、実装信頼性の高い電子部品を得ることが可能になる。
したがって、本願発明は、種々の用途に用いられる電子部品に広く利用することが可能であり、特に自動車などに搭載されて使用される積層セラミックコンデンサなどの電子部品に好適に利用することができる。
本願発明の一実施例(実施例1)にかかる電子部品の製造方法により製造した電子部品(積層セラミックコンデンサ)の構成を示す断面図である。 本願発明の一実施例(実施例1)にかかる電子部品の製造方法により製造した電子部品の要部(研磨断面)を示す図である。 (a)は外部電極の剥離試験の方法を説明するための平面図、(b)は正面図である。 従来の電子部品(積層セラミックコンデンサ)の構成を示す断面図である。 従来の他の電子部品(積層セラミックコンデンサ)の構成を示す断面図である。
符号の説明
1 セラミック素子(電子部品本体)
2a,2b 内部電極
3 セラミック層
4a,4b セラミック素子の端面
5a,5b 外部電極
6a,6b Cu焼き付け電極層(第1の焼結電極層)
7a,7b Ag−Pd焼き付け電極層(第2の焼結電極層)
8a,8b ガラス層
S 試料(積層セラミックコンデンサ)
10 粘着テープ

Claims (4)

  1. 電子部品本体と、前記電子部品本体の表面に形成された外部電極とを備えた電子部品であって、
    前記外部電極が、
    卑金属を主成分とする第1の焼結電極層と、
    前記第1の焼結電極層上に形成された、貴金属を主成分とする第2の焼結電極層と、
    前記第1の焼結電極層と前記第2の焼結電極層との界面に形成された、前記第1の焼結電極層の表面の30〜99%を覆うガラス層とを有していること
    を特徴とする電子部品。
  2. 前記第1の焼結電極層を構成する材料がCuを主成分とするものであり、前記第2の焼結電極層を構成する材料が、PdをAgの8重量%以下の割合で含有するAg−Pd合金を主成分とするものであることを特徴とする請求項1記載の電子部品。
  3. 電子部品本体と、前記電子部品本体の表面に形成された外部電極とを備え、前記外部電極が、卑金属を主成分とする第1の焼結電極層と、前記第1の焼結電極層上に形成された、貴金属を主成分とする第2の焼結電極層と、前記第1の焼結電極層と前記第2の焼結電極層との界面に形成されたガラス層とを有する電子部品の製造方法であって、
    (a)前記電子部品本体の表面に、主成分金属としての卑金属と、第1のガラスを含有する第1の導電性ペーストを塗布して焼き付けることにより前記第1の焼結電極層を形成する工程と、
    (b)前記第1の焼結電極層の表面に、主成分金属としての貴金属と、全固形分の20〜50体積%の第2のガラスを含有する第2の導電性ペーストを塗布して焼き付けることにより、前記第2の焼結電極層を形成するとともに、前記第1の焼結電極層に含まれる前記第1のガラスと、前記第2の焼結電極層に含まれる前記第2のガラスを析出させることにより、前記第1の焼結電極層と前記第2の焼結電極層との界面に、前記第1の焼結電極層の表面の30〜99%を覆う前記ガラス層を形成する工程と
    を具備することを特徴とする電子部品の製造方法。
  4. 前記第1の導電性ペーストがCu粉末を主たる導電成分とするものであり、前記第2の導電性ペーストがPdをAgの8重量%以下の割合で含有するAg−Pd粉末を主たる導電成分とするものであることを特徴とする請求項3記載の電子部品の製造方法。
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