JP2006327177A - 透明積層フィルム、透明積層体およびプラズマディスプレイ - Google Patents

透明積層フィルム、透明積層体およびプラズマディスプレイ Download PDF

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義弘 徳永
Tetsuya Takeuchi
哲也 竹内
Tetsuji Narasaki
徹司 楢▲崎▼
Mitsuaki Shigekuni
光明 重国
Akimasa Katayama
晶雅 片山
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Abstract

【課題】初期の可視光透過率に優れ、耐久性にも優れた透明積層フィルム、これを用いた透明積層体、プラズマディスプレイを提供すること。
【解決手段】透明高分子フィルムの少なくとも一方面に、液相法により形成された金属酸化物を含む薄膜と、金属薄膜とが交互に積層されており、金属薄膜の少なくとも一方面には、気相法により形成された金属酸化物を含むバリア膜が設けられた透明積層フィルムとする。金属酸化物を含む薄膜およびバリア膜における金属酸化物としてチタンの酸化物、金属薄膜における金属として銀または銀合金を好適に用いる。また、透明支持基体の表面に、粘着剤層を介して、透明積層フィルムを貼り付けた透明積層体とする。また、上記透明積層フィルムまたは透明積層体をプラズマディスプレイに用いる。
【選択図】なし

Description

本発明は、透明積層フィルム、透明積層体およびプラズマディスプレイに関するものである。
近年、例えば、フラットパネルディスプレイなどの表示装置に関する分野では、薄型化、軽量化、大画面化などが可能であることから、プラズマディスプレイパネル(Plasma Display Panel、以下「PDP」という。)が注目を浴びている。
一般に、PDPは、希ガスが封入された放電セルに電圧を印加して放電させ、その際に発生した紫外線によりセル内側の蛍光体を発光させる。そのため、PDPは、その動作原理上、発光過程において電磁波や近赤外線などが発生する。
電磁波は、人体に悪影響を及ぼすと言われている。一方、近赤外線は、コードレス電話や赤外線方式のリモートコントローラなどの誤作動を引き起こすことが知られている。
そのため、PDPは、本体から放出される電磁波や近赤外線の漏洩を抑制するなどの目的で、電磁波や近赤外線は遮蔽し、可視光は透過させる機能を有する透明積層フィルムがその前面表示部に直接貼り付けられている。あるいは、この透明積層フィルムをガラス基板の一方面に貼り付けた透明積層体が、光学フィルターとして、PDP本体の前面側に配置されている。
この種の透明積層フィルムとしては、例えば、透明高分子フィルム上に金属酸化物薄膜と金属薄膜とを交互に積層した、いわゆる多層膜タイプと呼ばれるものが知られている。
また、例えば、特許文献1には、透明高分子よりなるシート状基材上に金属酸化物層と金属層とを交互に積層した選択光透過性積層体において、金属層として、銀層の両側に金属チタン層を形成したものを用いる点が開示されている。
他にも、例えば、特許文献2には、スパッタリング法により、透明高分子フィルム上に金属酸化物薄膜と金属薄膜とを交互に積層するにあたり、金属薄膜を成膜後、金属酸化物薄膜を成膜する前に、金属薄膜を酸素ガス雰囲気にさらすことにより、金属酸化物薄膜と金属薄膜との界面に、金属薄膜を構成する金属の酸化物層からなるバリア層を形成した透明積層フィルムが開示されている。
特公昭61−34384 特開2001−328198
しかしながら、従来知られる透明積層フィルムは、以下の点で問題があった。
すなわち、透明高分子フィルム上に金属酸化物薄膜と金属薄膜とを交互に積層した透明積層フィルムは、加熱環境下に長期間さらされると、性能の劣化が生じるといった問題がある。この原因の多くは、金属薄膜を構成する銀などの金属が、金属酸化物薄膜中に拡散するためであり、これを改善する必要があった。
また、特許文献1の技術を適用した透明積層フィルムは、初期の可視光透過率が低く、表面抵抗値も比較的大きい。さらに、この透明積層フィルムは、加熱環境下に長期間さらされると、初期の可視光透過率や表面抵抗値を維持し難い。
また、特許文献2の透明積層フィルムは、特許文献2の記載によれば、金属薄膜を構成する金属の酸化物層がバリア層として機能するため、隣接する金属酸化物薄膜から移動してくる酸素や大気中の水分などから、金属薄膜を保護できるとされている。
ところが、この特許文献2は、金属薄膜を構成する金属が金属酸化物薄膜中に拡散することにより生じる透明積層フィルムの性能劣化の問題について、何ら開示も示唆もしていない。そのため、この技術により、上記問題点を解消できるか否かは定かではない。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、初期の可視光透過率に優れ、耐久性にも優れた透明積層フィルムを提供することにある。
また、他の課題は、この透明積層フィルムを有する透明積層体、この透明積層フィルムまたは透明積層体を有するプラズマディスプレイを提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明に係る透明積層フィルムは、透明高分子フィルムの少なくとも一方面に、液相法により形成された金属酸化物を含む薄膜と、金属薄膜とが交互に積層されており、金属薄膜の少なくとも一方面には、気相法により形成された金属酸化物を含むバリア膜が設けられていることを要旨とする。
この際、上記金属酸化物を含む薄膜およびバリア膜における金属酸化物は、チタンの酸化物、亜鉛の酸化物、インジウムの酸化物、スズの酸化物、インジウムとスズとの酸化物、マグネシウムの酸化物、アルミニウムの酸化物、ジルコニウムの酸化物、ニオブの酸化物およびセリウムの酸化物から選択される1種または2種以上であり、上記金属薄膜における金属は、銀、金、白金、銅、アルミニウム、クロム、チタン、亜鉛、スズ、ニッケル、コバルト、ニオブ、タンタル、タングステン、ジルコニウム、鉛、パラジウムおよびインジウムから選択される1種の金属または上記金属を1種以上含む合金であることが好ましい。
また、上記金属酸化物を含む薄膜およびバリア膜における金属酸化物は、同一種であることが好ましい。とりわけ、上記金属酸化物薄膜およびバリア膜における金属酸化物として、チタンの酸化物、上記金属薄膜における金属として、銀または銀合金を好適に用いることができる。
この場合、上記バリア膜における、チタンの酸化物の酸素に対するチタンの原子モル比Ti/Oは、1.0/4.0〜1.0/0.5の範囲内にあることが好ましい。
また、上記バリア膜の膜厚は、1.0〜20.0nmの範囲内にあることが好ましい。
また、上記液相法はゾル−ゲル法であり、上記気相法は反応性スパッタリング法であることが好ましい。
一方、本発明に係る透明積層体は、透明支持基体の少なくとも一方面に、粘着剤層を介して、上記透明積層フィルムが積層されていることを要旨とする。
また、本発明に係るプラズマディスプレイは、上記透明積層フィルムまたは上記透明積層体を有することを要旨とする。
本発明に係る透明積層フィルムは、透明高分子フィルムの少なくとも一方面に、液相法により形成された金属酸化物を含む薄膜と、金属薄膜とが交互に積層されており、金属薄膜の少なくとも一方面には、気相法により形成された金属酸化物を含むバリア膜が設けられている。
上記バリア膜は、金属酸化物を含んでいるので、金属酸化物を含む薄膜と同様に透明層として機能する。そのため、初期の可視光透過率に優れる。また、このバリア膜を設けても、電磁波遮蔽機能、赤外線遮蔽機能は確保される。
さらに、この透明積層フィルムが、加熱環境下にさらされた場合には、上記バリア膜があるので、金属薄膜を構成する金属が金属酸化物を含む薄膜中へ拡散するのを十分に抑制できる。そのため、従来よりも、初期の可視光透過率、表面抵抗値を維持しやすく、耐久性に優れる。また、上記バリア膜は、当初より酸化物の形であることから、環境による劣化が生じ難く、この点からも耐久性に優れる。
また、この透明積層フィルムにおいて、金属酸化物を含む薄膜は、気相法に比較して安価な液相法により形成されているので、原料、加工、設備投資などについてコスト的にも有利である。さらに、バリア膜は、気相法により形成されているので、緻密であり、上記拡散抑制効果に優れる。また、このバリア膜は、例えば、加工線速が速いなど、生産性の高い薄膜であるので、コスト的にも有利である。
ここで、上記金属酸化物を含む薄膜およびバリア膜における金属酸化物が同一種である場合には、金属酸化物を含む薄膜とバリア膜との濡れ性、密着性などに優れるとともに、耐久性にも優れる。
また、上記金属酸化物を含む薄膜およびバリア膜における金属酸化物として、チタンの酸化物、上記金属薄膜における金属として、銀または銀合金を用いた場合には、透明性、電磁波遮蔽機能、赤外線遮蔽機能などに優れる。
また、上記バリア膜における、チタンの酸化物の酸素に対するチタンの原子モル比Ti/Oが、1.0/4.0〜1.0/0.5の範囲内にある場合、また、上記バリア膜の膜厚が、1.0〜20.0nmの範囲内にある場合には、上記作用効果に優れる。
また、上記液相法がゾル−ゲル法であり、上記気相法が反応性スパッタリング法である場合には、より安価で、均質なバリア膜を有する透明積層フィルムが得られる。
一方、本発明に係る透明積層体は、上記透明積層フィルムを有しているので、初期の可視光透過率、電磁波遮蔽機能、赤外線遮蔽機能などに優れる。また、耐久性にも優れるので、高い信頼性を有する。
また、本発明に係るプラズマディスプレイは、上記透明積層フィルムまたは上記透明積層体を有しているので、優れた透明性、電磁波遮蔽機能、赤外線遮蔽機能などを有する。また、耐久性にも優れるので、高い信頼性を有する。
本実施形態に係る透明積層フィルム(以下、「本フィルム」という。)、透明積層体(以下、「本積層体」という。)、プラズマディスプレイ(以下、「本ディスプレイ」という。)について詳細に説明する。
1.本フィルム
1.1 本フィルムの概略形態など
本フィルムは、透明高分子フィルムと、金属酸化物を含む薄膜と、金属薄膜と、バリア膜とを備えている。
金属酸化物を含む薄膜、金属薄膜およびバリア膜は、透明高分子フィルムの何れか一方面に積層されていても良いし、透明高分子フィルムの両面に積層されていても良い。
ここで、本フィルムにおいて、金属酸化物を含む薄膜と金属薄膜とは、交互に積層されている。また、バリア膜は、金属薄膜の何れか一方面に形成されていても良いし、金属薄膜の両面に形成されていても良い。
したがって、本フィルムが有する積層構造の基本単位としては、具体的には、例えば、透明高分子フィルム側から、金属酸化物を含む薄膜│バリア膜│金属薄膜│バリア膜、金属酸化物を含む薄膜│金属薄膜│バリア膜、金属酸化物を含む薄膜│バリア膜│金属薄膜といった第1基本単位、または、透明高分子フィルム側から、バリア膜│金属薄膜│バリア膜│金属酸化物を含む薄膜、金属薄膜│バリア膜│金属酸化物を含む薄膜、バリア膜│金属薄膜│金属酸化物を含む薄膜といった第2基本単位などを例示することができる。
本フィルムは、第1基本単位から選択される1または2以上の基本単位を単数または複数繰り返し積層した積層構造を有していても良いし、第2基本単位から選択される1または2以上の基本単位を単数または複数繰り返し積層した積層構造を有していても良い。
金属薄膜を構成する金属は、透明高分子フィルム側とは反対側に拡散しやすい傾向が見られる。そのため、第1基本単位であれば、金属酸化物を含む薄膜│バリア膜│金属薄膜│バリア膜、金属酸化物を含む薄膜│金属薄膜│バリア膜の単位を好適に選択することができる。また、第2基本単位であれば、バリア膜│金属薄膜│バリア膜│金属酸化物を含む薄膜、金属薄膜│バリア膜│金属酸化物を含む薄膜の単位を好適に選択することができる。
とりわけ、金属薄膜を構成する金属の拡散を抑制しやすいなどの観点から、第1基本単位であれば、金属酸化物を含む薄膜│バリア膜│金属薄膜│バリア膜の単位を、第2基本単位であれば、バリア膜│金属薄膜│バリア膜│金属酸化物を含む薄膜の単位を最も好適に選択することができる。
なお、第1基本単位を用いる場合には、バリア膜および金属薄膜を劣化し難くする、透明性を確保しやすいなどの観点から、透明高分子フィルムから最も遠い表面に、別途、金属酸化物を含む薄膜を積層するのが好ましい。
また、本フィルムにおいて、金属酸化物を含む薄膜、金属薄膜、バリア膜は、一度に形成されたものであっても良いし、分割形成されたものであっても良い。この場合、その分割数は、各膜ごとに同じであっても良いし、異なっていても良い。
また、上記積層構造の積層数は、金属酸化物を含む薄膜、金属薄膜、バリア膜などの材料や膜厚、要求される光学特性、電磁波遮蔽能などを考慮して異ならせることができる。上記積層構造の積層数としては、具体的には、例えば、2〜10層などを例示することができる。
なお、上記積層数は、バリア膜│金属薄膜│バリア膜、バリア膜│金属薄膜または金属薄膜│バリア膜など、バリア膜を含めた金属薄膜を1層、金属酸化物を含む薄膜を1層として数える。また、金属酸化物を含む薄膜、金属薄膜、バリア膜が、複数の分割層よりなる場合には、複数の分割層よりなる金属酸化物を含む薄膜、金属薄膜、バリア膜を、それぞれ1層として数える。
また、上記積層構造中、金属酸化物を含む薄膜、金属薄膜、バリア膜の組成または材料は、それぞれ同一の組成または材料から形成されていても良いし、異なる組成または材料から形成されていても良い。なお、この点は、金属酸化物を含む薄膜、金属薄膜、バリア膜が複数の分割層よりなる場合も同様である。
また、金属酸化物を含む薄膜、金属薄膜、バリア膜の膜厚は、上記積層構造中、各膜の膜厚が、ほぼ同一であっても良いし、各膜ごとに異なっていても良い。
本フィルムは、概略、上述した積層構造を有している。以下、本フィルムが備える透明高分子フィルム、金属酸化物を含む薄膜、金属薄膜、バリア膜についてより詳細に説明する。
1.2 透明高分子フィルム
本フィルムにおいて、透明高分子フィルムは、上記積層構造を形成するためのベースとなるものである。その材料としては、可視光領域において透明性を有し、その表面に薄膜を支障なく形成できるものであれば、何れのものでも用いることができる。
透明高分子フィルムの材料としては、具体的には、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン、ポリイミド、ポリアミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、トリアセチルセルロース、ポリウレタン、シクロオレフィンポリマーなどの高分子材料を例示することができる。これらは1種または2種以上含まれていても良い。
これらのうち、とりわけ、透明性、耐久性、加工性などに優れるなどの観点から、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、シクロオレフィンポリマーなどを好適なものとして例示することができる。これらは1種または2種以上含まれていても良い。
また、上記透明高分子フィルムの厚みは、用いる材料などを考慮して種々調節することができる。その好ましい下限値として、具体的には、例えば、10μm、25μmなどを例示することができる。一方、これら好ましい下限値と組み合わせ可能な好ましい上限値として、具体的には、例えば、500μm、250μmなどを例示することができる。
1.3 金属酸化物を含む薄膜
本フィルムにおいて、金属酸化物を含む薄膜は、可視光領域において透明性を有し、主として高屈折率層として機能するものである。ここで、高屈折率とは、633nmの光に対する屈折率が1.7以上ある場合をいう。
上記金属酸化物としては、具体的には、例えば、チタンの酸化物、亜鉛の酸化物、インジウムの酸化物、スズの酸化物、インジウムとスズとの酸化物、マグネシウムの酸化物、アルミニウムの酸化物、ジルコニウムの酸化物、ニオブの酸化物、セリウムの酸化物などを例示することができる。これらは1種または2種以上含まれていても良い。また、金属酸化物は、2種以上の金属酸化物が複合した複酸化物であっても良い。
上記金属酸化物としては、とりわけ、可視光に対する屈折率が比較的大きいなどの観点から、酸化チタン(IV)(TiO)、ITO、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)などを好適なものとして例示することができる。これらは1種または2種以上含まれていても良い。
また、金属酸化物を含む薄膜は、必要な屈折率を確保でき、かつ、光学特性などに悪影響を及ぼさない範囲内であれば、主に含まれる金属酸化物以外にも、他の成分を含んでいても良い。
例えば、薄膜形成時に使用した金属酸化物の前駆体、例えば、後述する金属アルコキシド、金属アシレート、金属キレートなどの金属有機化合物や、金属の炭酸塩、水酸化物などの金属無機化合物などを1種または2種以上含んでいても良い。なお、金属アルコキシドなど、金属有機化合物を少量含んでいる場合には、透明積層フィルムの柔軟性が向上するなどの利点がある。
他にも例えば、薄膜形成時に使用した各種の添加剤、不可避不純物などの物質を1種または2種以上含んでいても良い。上記添加剤としては、後述する、金属有機化合物と反応して紫外線吸収性のキレートを形成する化合物などを例示することができる。
また、上記金属酸化物を含む薄膜の膜厚は、透明性や色調などを考慮して種々調節することができる。上記金属酸化物を含む薄膜の膜厚としては、具体的には、例えば、その好ましい下限値として、10nm、20nmなどを例示することができる。一方、これら好ましい下限値と組み合わせ可能な好ましい上限値として、具体的には、例えば、150nm、100nmなどを例示することができる。
ここで、上記金属酸化物を含む薄膜は、液相法により形成されている。液相法は、一般に、気相法と比較して、真空引きしたり、大電力を使用したりする必要がないので、コスト的に有利であり、生産性にも優れるからである。
上記金属酸化物を含む薄膜を形成する液相法としては、具体的には、電解めっき、無電解めっきなどのめっき法、陽極酸化法、ゾル−ゲル法などを例示することができる。上記積層構造において、各金属酸化物を含む薄膜は、これら液相法のうち何れか1つの方法を用いて形成されていても良いし、あるいは、2つ以上の方法を用いて形成されていても良い。
上記液相法としては、空隙の少ない連続膜を、比較的簡単かつ低温で形成できるなどの観点から、ゾル−ゲル法を好適に用いることができる。
ゾル−ゲル法による薄膜形成方法は、一般に、出発溶液である金属化合物を含む溶液をゲルとして固化し、ゲルの加水分解・縮合反応によって金属酸化物のコーティング薄膜を形成する方法である。
本フィルムでは、具体的には、上記金属化合物を含む溶液を膜状に塗工し、乾燥させることにより、金属酸化物を含む薄膜の薄膜前駆体を形成し、この薄膜前駆体中の金属化合物を加水分解・縮合反応させ、金属化合物を構成する金属の酸化物を合成すれば、金属酸化物を含む薄膜を形成することができる。以下、詳細に説明する。
上記金属化合物を含む溶液は、薄膜中の金属酸化物を構成する金属の金属化合物を適当な溶媒に溶解して調製することができる。この際、金属化合物としては、具体的には、例えば、チタン、亜鉛、インジウム、スズ、マグネシウム、アルミニウム、ジルコニウム、ニオブ、セリウム、シリコン、ハフニウム、鉛などの金属の有機化合物、無機化合物などを例示することができる。これらは1種または2種以上含まれていても良い。
上記金属有機化合物としては、具体的には、例えば、上記金属の金属アルコキシド、金属アシレート、金属キレートなどを例示することができる。一方、上記金属無機化合物としては、例えば、上記金属の炭酸塩、水酸化物、硝酸塩などを例示することができる。
上記金属化合物としては、とりわけ、高屈折率を有する金属酸化物になり得る金属の金属化合物を好適に用いることができる。このような金属化合物としては、例えば、チタンの化合物などを例示することができる。
チタンの化合物としては、具体的には、例えば、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラ−i−プロポキシチタン、テトラメトキシチタンなどのM−O−R結合(Rはアルキル基を示し、Mはチタン原子を示す)を有するチタンのアルコキシドや、イソプロポキシチタンステアレートなどのM−O−CO−R結合(Rはアルキル基を示し、Mはチタン原子を示す)を有するチタンのアシレートや、ジイソプロポキシチタンビスアセチルアセトナート、ジヒドロキシビスラクタトチタン、ジイソプロポキシビストリエタノールアミナトチタン、ジイソプロポキシビスエチルアセトアセタトチタンなどのチタンのキレートなどといったチタンの有機化合物を例示することができる。これらは1種または2種以上混合されていても良い。
上記金属化合物を含む溶液中に占める金属化合物の含有量としては、その好ましい上限値として、具体的には、例えば、20、15、10重量%などを例示することができる。これら好ましい上限値と組み合わせ可能な好ましい下限値として、具体的には、例えば、1、3、5重量%などを例示することができる。
一方、上記金属化合物を溶解させる溶媒としては、具体的には、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘプタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、酢酸エチルなどの有機酸エステル、アセトニトリル、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのシクロエーテル類、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミドなどの酸アミド類、ヘキサンなどの炭化水素類、トルエンなどの芳香族類、水などを例示することができる。これらは1種または2種以上混合されていても良い。
この際、上記溶媒量としては、その好ましい下限値として、具体的には、例えば、上記金属化合物の固形分重量に対して、5、10倍量などを例示することができる。一方、これら好ましい下限値と組み合わせ可能な好ましい上限値として、具体的には、例えば、上記金属化合物の固形分重量に対して、50、30、20倍量などを例示することができる。
上記金属化合物を含む溶液は、例えば、所定割合となるように秤量した金属化合物と、適当な量の溶媒と、必要に応じて添加される他の成分とを、攪拌機などの撹拌手段により所定時間撹拌・混合するなどの方法により調製することができる。この場合、各成分の混合は、1度に混合しても良いし、複数回に分けて混合しても良い。
また、上記溶液を膜状に塗工する方法としては、具体的には、例えば、マイクログラビア法、グラビア法、リバースロールコート法、ダイコート法、ナイフコート法、ディップコート法、スピンコート法、バーコート法など、各種の塗工方法を例示することができる。これらは適宜選択して用いることができる。
なお、上記溶液の塗工厚は、形成する金属酸化物を含む薄膜の膜厚が所望の厚みにあるように適宜調節すれば良い。
また、上記乾燥方法としては、例えば、膜状に形成された上記溶液を公知の乾燥装置に入れるなどすれば良い。この際、乾燥条件としては、具体的には、例えば、80℃〜120℃の温度範囲、0.5分〜5分の乾燥時間などを例示することができる。
また、薄膜前駆体中の金属化合物を加水分解・縮合反応させる手段としては、具体的には、例えば、加熱、電子線照射、紫外線照射など、各種の手段を例示することができる。これらは1種または2種以上組み合わせて用いても良い。これらのうち、とりわけ、紫外線照射を好適に用いることができる。他の手段と比較した場合、低温、短時間で金属酸化物を生成できるし、熱劣化など、熱による負荷を透明高分子フィルムに与え難いからである。
この際、用いる紫外線照射機としては、具体的には、例えば、水銀ランプ、キセノンランプ、重水素ランプ、エキシマランプ、メタルハライドランプなどを例示することができる。これらは1種または2種以上組み合わせて用いても良い。
また、照射する紫外線の光量は、薄膜前駆体を主に形成している金属化合物の種類などを考慮して種々調節することができる。もっとも、照射する紫外線の光量が過度に小さすぎると、薄膜の高屈折率化を図り難くなる。一方、照射する紫外線の光量が過度に大きすぎると、紫外線照射の際に生じる熱により透明高分子フィルムが変形することがある。したがって、これらに留意すると良い。
照射する紫外線の光量としては、具体的には、例えば、測定波長300〜390nmのとき、その好ましい下限値として、具体的には、例えば、300mJ/cm、500mJ/cmなどを例示することができる。一方、これら好ましい下限値と組み合わせ可能な好ましい上限値として、具体的には、例えば、8000mJ/cm、5000mJ/cmなどを例示することができる。
なお、薄膜前駆体中の金属化合物を加水分解・縮合反応させる手段として、紫外線照射を用いる場合、上述した溶液中に、金属化合物と反応して紫外線吸収性のキレートを形成する添加剤を添加しておくと良い。出発溶液中に上記添加剤が添加されている場合には、予め紫外線吸収性キレートが形成されたところに紫外線照射がなされるので、比較的低温下において高い屈折率を有し、かつ、安定性の高い金属酸化物を含む薄膜が得やすくなるからである。
上記添加剤としては、具体的には、例えば、βジケトン類、アルコキシアルコール類、アルカノールアミン類などの添加剤を例示することができる。より具体的には、上記βジケトン類としては、例えば、アセチルアセトン、ベンゾイルアセトン、アセト酢酸エチル、アセト酢酸メチル、マロン酸ジエチルなどを例示することができる。上記アルコキシアルコール類としては、例えば、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−メトキシ−2−プロパノールなどを例示することができる。上記アルカノールアミン類としては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどを例示することができる。これらは1種または2種以上混合されていても良い。
これらのうち、とりわけ、βジケトン類が好ましく、中でもアセチルアセトンを最も好適に用いることができる。
また、上記添加剤の配合割合としては、上記金属化合物における金属原子1モルに対して、例えば、0.1〜2倍モルの範囲などを例示することができる。
なお、上記ゾル−ゲル法において、金属有機化合物を含む溶液を用いた場合、その原理上、形成された金属酸化物を含む薄膜中に金属有機化合物を残存させることができるので、透明積層フィルムに柔軟性を付与しやすい利点がある。
1.4 金属薄膜
本フィルムにおいて、金属薄膜は、主として電磁波遮蔽層、近赤外線遮蔽層として機能するものである。
金属薄膜を主に構成する金属(合金も含む)としては、具体的には、例えば、銀、金、白金、銅、アルミニウム、クロム、チタン、亜鉛、スズ、ニッケル、コバルト、ニオブ、タンタル、タングステン、ジルコニウム、鉛、パラジウム、インジウムなどの金属や、これら金属を1種以上含む合金などを例示することができる。これらは1種または2種以上含まれていても良い。
上記金属としては、導電性、赤外線反射性、積層時の可視光透過性などに優れるなどの観点から、とりわけ、銀を好適に用いることができる。また、熱、光、水蒸気などの環境に対する安定性を向上させるなどの観点から、必要に応じて、金、白金、パラジウム、銅などの金属を少なくとも1種以上銀に加えた銀合金を用いても良い。この場合、銀合金中の銀以外の金属としては、金属薄膜の耐久性に優れるなどの観点から、金、パラジウムなどを好適に用いることができる。
また、銀合金を用いる場合、銀以外の金属の割合としては、その好ましい下限値として、具体的には、例えば、0.1重量%、0.5重量%などを例示することができる。一方、これら好ましい下限値と組み合わせ可能な好ましい上限値として、具体的には、例えば、20重量%、10重量%などを例示することができる。
また、本フィルム中の各金属薄膜の膜厚は、表面抵抗(電磁波遮蔽能)と可視光透過率とのバランスなどを考慮して種々調節することができる。金属薄膜の膜厚が過度に厚すぎると、可視光透過率が低下する傾向が見られる。一方、その膜厚が過度に薄すぎると、表面抵抗値が増大する傾向が見られる。したがって、各金属薄膜の膜厚の選択には、これらに留意すると良い。
上記金属薄膜の膜厚としては、その好ましい下限値として、具体的には、例えば、5nm、10nmなどを例示することができる。一方、これら好ましい下限値と組み合わせ可能な好ましい上限値として、具体的には、例えば、30nm、20nmなどを例示することができる。
ここで、上記金属薄膜を形成する方法としては、具体的には、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、MBE法、レーザーアブレーションなどといった物理的気相成長法(PVD)、熱CVD、プラズマCVDなどといった化学的気相成長法(CVD)などの気相法、導電性ペーストを塗工し、焼結する方法などを例示することができる。上記積層構造中の各金属薄膜は、これらのうち何れか1つの方法を用いて形成されていても良いし、あるいは、2つ以上の方法を用いて形成されていても良い。
より具体的には、例えば、真空蒸着法を用いる場合には、蒸発源として所望の金属を用い、抵抗加熱、レーザ加熱、電子ビーム加熱などにより、金属を加熱蒸着させて金属薄膜を形成すれば良い。
また、例えば、スパッタリング法を用いる場合には、ターゲットとして所望の金属を用いるとともに、スパッタリングガスとしてアルゴン、ネオンなどの不活性ガスを用い、ターゲットと透明高分子フィルムとの間に直流(DC)電圧(DCスパッタリング法)または高周波(RF)電圧(RFスパッタリング法)を印加し、金属薄膜を形成すれば良い。成膜速度を速くする観点から、直流マグネトロンスパッタリング法や高周波マグネトロンスパッタリング法を用いても良い。
また、例えば、イオンプレーティング法を用いる場合には、蒸発源として所望の金属を用い、真空蒸着装置内に低圧ガスを導入し電界をかけてプラズマを発生させ、蒸発源からの蒸発粒子をイオン化しながら蒸着させ、金属薄膜を形成すれば良い。
1.5 バリア膜
本フィルムにおいて、バリア膜は、主として、上記金属薄膜を構成する金属が、金属酸化物を含む薄膜中へ拡散するのを抑制する機能を有している。また、バリア膜は、透明層としても機能し、初期の可視光透過率の向上などにも寄与する。
上記バリア膜は、主として金属酸化物より形成されている。金属酸化物としては、具体的には、例えば、チタンの酸化物、亜鉛の酸化物、インジウムの酸化物、スズの酸化物、インジウムとスズとの酸化物、マグネシウムの酸化物、アルミニウムの酸化物、ジルコニウムの酸化物、ニオブの酸化物、セリウムの酸化物などを例示することができる。これらは1種または2種以上含まれていても良い。また、金属酸化物は、2種以上の金属酸化物が複合した複酸化物であっても良い。なお、バリア膜は、上記金属酸化物以外に不可避不純物などを含んでいても良い。
この際、バリア膜を形成する金属酸化物は、金属酸化物を含む薄膜とバリア膜との濡れ性、密着性などを向上させる観点から、上述した金属酸化物を含む薄膜を形成する金属酸化物と同一種であると良い。
上記バリア膜を形成する金属酸化物としては、とりわけ、チタンの酸化物を好適に用いることができる。
また、上記バリア膜の膜厚としては、その好ましい下限値として、具体的には、例えば、1.0nm、1.5nm、2.0nmなどを例示することができる。一方、これら好ましい下限値と組み合わせ可能な好ましい上限値として、具体的には、例えば、20.0nm、15.0nm、10.0nm、8.0nmなどを例示することができる。
ここで、バリア膜を形成する金属酸化物として、チタンの酸化物を用いる場合、チタンの酸化物における酸素に対するチタンの原子モル比Ti/Oとしては、その好ましい下限値として、具体的には、例えば、1.0/4.0、1.0/3.8、1.0/3.5、1.0/3.0、1.0/2.8などを例示することができる。一方、これら好ましい下限値と組み合わせ可能な好ましい上限値として、具体的には、例えば、1.0/0.5、1.0/0.7、1.0/1.0、1.0/1.2、1.0/1.5、1.0/2.0などを例示することができる。Ti/O比がこの範囲内にあれば、膜質、界面の膜表面形状などに優れることから、金属薄膜を構成する金属の拡散を抑制しやすいからである。
上記Ti/O比は、バリア膜の組成から算出することができる。バリア膜の組成分析方法としては、極めて薄い薄膜の組成を比較的正確に分析することが可能な観点から、エネルギー分散型蛍光X線分析(EDX)を好適に用いることができる。
具体的な組成分析方法について説明すると、先ず、超薄切片法(ミクロトーム)などを用いて、分析対象となるバリア膜を含む積層構造の断面方向の厚みが100nm以下の試験片を作製する。次いで、断面方向から積層構造とバリア膜の位置を、透過型電子顕微鏡(TEM)により確認する。次いで、EDX装置の電子銃から電子線を放出させ、分析対象となるバリア膜の膜厚中央部近傍に入射させる。試験片表面から入射した電子は、ある深さまで入り込み、各種の電子線やX線を発生させる。この際の特性X線を検出して分析することで、バリア膜の構成元素分析を行うことができる。
本フィルムにおいて、上記バリア膜の膜厚、Ti/O比は、基本的には、上記好ましい範囲内にあれば良いが、本フィルムの用途に応じて、適宜最適な範囲に設定しても良い。
すなわち、本フィルムでは、バリア膜の膜厚が厚くなるにつれて、金属薄膜を構成する金属の拡散による移動距離が長くなるので、耐久性、耐熱性が増す傾向が見られる。また、バリア膜の膜厚が薄くなるにつれて、金属薄膜を構成する金属の拡散による移動距離が短くなるので、耐久性、耐熱性が低下する傾向が見られる。
一方、上記Ti/O比が大きくなるにつれて、金属チタンに近づくので、バリア膜が緻密化し、金属薄膜を構成する金属が拡散し難くなって、耐久性、耐熱性が増すが、透明性が低下する傾向が見られる。
したがって、上記バリア膜の膜厚、Ti/O比は、本フィルムの用途に応じて要求される耐久性、耐熱性、透明性などを考慮し、上記範囲内から選択すると良い。
具体的には、例えば、表示装置など、画質向上の観点などから、とりわけ高い透明性などが要求される用途に本フィルムを適用する場合には、上記バリア膜の膜厚は、好ましくは1.0〜10.0nm、より好ましくは2.0〜8.0nmの範囲内から選択すると良い。また、上記Ti/O比は、好ましくは1.0/4.0〜1.0/1.0、より好ましくは1.0/3.5〜1.0/1.5、さらにより好ましくは1.0/3.0〜1.0/1.5、最も好ましくは1.0/2.8〜1.0/2.0の範囲内から選択すると良い。
他にも例えば、熱線カット機能を有する窓ガラスなど、表示装置ほどの透明性は必要でないが、より高い耐久性、耐熱性などが要求される用途に本フィルムを適用する場合には、上記バリア膜の膜厚は、好ましくは1.0〜20.0nm、より好ましくは2.0〜15.0nmの範囲内から選択すると良い。また、上記Ti/O比は、好ましくは1.0/4.0〜1.0/0.5、より好ましくは1.0/3.5〜1.0/1.0、さらにより好ましくは1.0/3.0〜1.0/1.2、最も好ましくは1.0/2.8〜1.0/1.5の範囲内から選択すると良い。
本フィルムにおいて、上記バリア膜は、緻密な膜を形成する、数nmの薄膜を均一な膜厚で形成するなどの観点から、気相法により形成されたものを用いる。
バリア膜を形成する気相法としては、具体的には、例えば、上述した真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、MBE法、レーザーアブレーションなどといった物理的気相成長法(PVD)、熱CVD、プラズマCVDなどといった化学的気相成長法(CVD)などを例示することができる。
この際、本フィルムにおけるバリア膜は、金属酸化物より形成されているので、上記各薄膜形成法によるバリア膜形成時には、その雰囲気中に酸素を含むガスを導入する必要がある。
なお、上記積層構造において、各バリア膜は、これら気相法のうち何れか1つの方法を用いて形成されていても良いし、あるいは、2つ以上の方法を用いて形成されていても良い。
上記バリア膜を形成する気相法としては、真空蒸着法などと比較して膜界面の密着性に優れる、膜厚制御が容易であるなどの観点から、上述したスパッタリング法を好適に用いることができる。
但し、バリア膜形成法としてスパッタリング法を用いる場合には、例えば、スパッタリングガスとしてのアルゴン、ネオンなどの不活性ガスに、さらに反応性ガスとして酸素を含むガスを混合し、金属と酸素とを反応させながらバリア膜を形成することになる(反応性スパッタリング法)。
また、反応性スパッタリング法を用いて、例えば、上記Ti/O比を有するチタンの酸化物を含むバリア膜を得る場合、雰囲気中の酸素濃度(不活性ガスに対する酸素を含むガスの体積割合)は、上述したバリア膜の膜厚範囲を考慮して最適な割合を適宜選択すれば良い。
具体的には、上記バリア膜の膜厚を厚くするには、金属チタンターゲットへの投入電力、雰囲気中の酸素濃度などを増やせば良く、一方、バリア膜の膜厚を薄くするには、同投入電力、同酸素濃度などを減らせば良い。したがって、上述したバリア膜の最小膜厚値を選択した場合には、酸素濃度の好ましい下限値として、具体的には、例えば、2vol%などを例示することができる。一方、上述したバリア膜の最大膜厚値を選択した場合には、酸素濃度の好ましい上限値として、具体的には、例えば、35vol%などを例示することができる。酸素濃度がこの範囲にあれば、上記Ti/O比を有するチタンの酸化物を含むバリア膜を得ることができる。
なお、本フィルムが有する積層構造において、上記金属酸化物を含む薄膜、金属薄膜およびバリア膜の材料は、必要に応じて上述したものから適宜選択して用いることができる。最も好適な膜材料の組み合わせとしては、金属酸化物を含む薄膜およびバリア膜における金属酸化物として、チタンの酸化物、金属薄膜における金属として、銀または銀合金を例示することができる。透明性、電磁波遮蔽機能、赤外線遮蔽機能などに特に優れるからである。
1.6 金属酸化物を含む薄膜、金属薄膜、バリア膜の積層方法
上記積層構造を有する本フィルムを製造するにあたり、上記金属酸化物を含む薄膜の形成方法と、金属薄膜の形成方法と、バリア膜の形成方法とを適宜組み合わせ、透明高分子フィルムの表面に、金属酸化物薄膜、金属薄膜、バリア膜を積層していく方法としては、具体的には、例えば、次のような方法を例示することができる。以下、透明高分子フィルムの表面に、金属酸化物薄膜│バリア膜│金属薄膜│バリア膜・・・を形成する場合について説明する。
先ず、透明高分子フィルムの表面上に、上述した液相法により金属酸化物を含む薄膜を形成した後、これをロールに巻き取る。
次に、このロールを、上述した気相法による薄膜形成装置の成膜室内に装着し、ロールを繰り出しながら、酸素を含む雰囲気中で、金属酸化物を含む薄膜の表面上にバリア膜を形成する。次いで、このフィルム体を他の成膜室に移動させ、引き続き、酸素を実質的に含まない雰囲気中で、バリア膜の表面上に金属薄膜を形成する。次いで、このフィルム体を他の成膜室に移動させ、上記と同様にして、酸素を含む雰囲気中で金属薄膜の表面上にバリア膜を形成し、これをロールに巻き取る。
基本的には、このような操作を所望回数繰り返し行えば、本フィルムを製造することができる。なお、他の基本単位を含む積層構造を得るには、上記方法に準じて行えば良い。また、金属酸化物を含む薄膜、金属薄膜、バリア膜を複数の分割層より形成する場合には、上記操作を分割数だけ繰り返し行えば良い。
2.本積層体
本積層体は、本フィルムを用いている。すなわち、本積層体は、透明支持基体の少なくとも一方面に、粘着剤層を介して、本フィルムを積層した構成を有している。この際、本積層体において、本フィルムは、その積層構造面側が透明支持基体側となるように積層されていても良いし、透明高分子フィルム面側が透明支持基体側となるように積層されていても良い。
ここで、透明支持基体の材料は、透明性に優れ、十分な機械的強度を有するものであれば、特に限定されることなく使用することができる。具体的には、例えば、半強化ガラス、強化ガラスなどのガラスや、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂などの高分子材料などを例示することができる。例えば、本積層体に寸法安定性や強度などを付与したい場合などにはガラスなどを、本積層体の軽量化を図りたい場合などには高分子材料などを選択することができる。
また、透明支持基体の形状は、板状などの平面状が好ましい。また、透明支持基体の厚みは、機械的強度や剛性などを考慮して、種々調節することができる。一般的には、1.0〜5.0mmの範囲などを例示することができる。
また、粘着剤層を形成する粘着剤としては、例えば、アクリル系粘着剤、シリコン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ポリビニルブチラール系粘着剤、エチレン−酢酸ビニル系粘着剤などを例示することができる。これらは1種または2種以上混合されていても良い。このうち、透明性および耐熱性に優れるなどの観点から、アクリル系粘着剤などを好適に用いることができる。また、粘着剤の形態としては、シート状、液状などを例示することができる。
また、粘着剤の厚みは、特に限定されるものではなく、一般的には、5〜100μmの範囲などを例示することができる。
そして、例えば、シート状の粘着剤を用いて本積層体を製造する場合には、透明支持基板および/または本フィルムにシート状の粘着剤を貼り付けた後、両者をラミネートするなどして貼り合わせれば良い。また、液状の粘着剤を用いて本積層体を製造する場合には、例えば、透明支持基板および/または本フィルムに粘着剤を塗布して両者を貼り合わせた後、室温に放置したり、加熱したりするなどして粘着剤を硬化させれば良い。
なお、液状の粘着剤を塗布する塗布方法としては、バーコート法、リバースコート法、グラビアコート法などの塗布方法が挙げられ、粘着剤の種類、粘度、塗布量などを考慮して適宜選択することができる。
また、光学特性を著しく損なわない限度内で、必要に応じて、反射防止機能、防眩機能、衝撃吸収機能、耐環境機能、調色機能などの各種の機能を有する機能性フィルムを、本積層体の片面または両面に、上述した粘着剤層を介して1つまたは2つ以上さらに貼り合わせても良い。
3.本ディスプレイ
本ディスプレイは、上記本フィルムまたは上記本積層体を有している。
上記本ディスプレイは、例えば、次のようにして得ることができる。すなわち、前者のディスプレイの場合、具体的には、例えば、本フィルムの表面に、上記した粘着剤層を形成したり、必要に応じて、反射防止機能などを有する機能性フィルムを粘着剤層を介して貼り付けたりした後、これをPDPの前面表示部に直接貼り付ける。一方、後者のディスプレイの場合、具体的には、例えば、本積層体を、光学フィルターとして、空気層を介してプラズマディスプレイ本体の前面側に配設する。
そして、両ディスプレイの場合とも、本フィルムの積層構造と、アース接続されたPDPの裏面金属筐体や本体外装、接地端子などとを、導電性テープや導電性ガスケットなどの導電性部材を任意に介して、電気的に接続すれば、本ディスプレイを得ることができる。
本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能である。例えば、本フィルム、本積層体は、PDP以外の表示装置にも適用可能である。
また、本フィルム、本積層体は、表示装置用途以外にも、例えば、熱線カットガラス、車両用ガラスなどの赤外線遮蔽用途や、冷却ショーケース用ガラス、融雪ガラス、暖房用パネルヒーター、調理用パネルヒータなどの電熱性用途や、計測機器用ガラス窓、インテリジェントビルガラス、車両用ガラスなどの電磁波遮蔽用途など、導電機能および/または赤外線遮蔽機能、可視光透過性が要求される各種の用途に使用することができる。
以下、実施例および比較例を用いて本発明を詳細に説明する。なお、以下における屈折率は、波長633nmのときの値である。
1.透明積層フィルム
図1に、後述する手順により作製した実施例1〜12および比較例1、2に係る透明積層フィルムの概略形態を示す。図1に示すように、実施例1〜12および比較例1、2に係る透明積層フィルムは、透明高分子フィルムPの一方面に、7層の各種薄膜を積層した積層構造を有している。
表1〜5に、後述する手順により作製した実施例1〜12および比較例1、2に係る透明積層フィルムの詳細な膜構成および膜厚を示す。また、表6および表7に、実施例1〜12および比較例1、2に係る透明積層フィルム作製時における各バリア膜の成膜条件、各Ag薄膜の成膜条件を示す。
Figure 2006327177
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Figure 2006327177
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以下、実施例1〜12および比較例1、2に係る透明積層フィルムの具体的な作製手順を示す。
(実施例1〜12)
先ず、以下の手順により、チタンの有機化合物を含む溶液を調製した。すなわち、テトラ−n−ブトキシチタン4量体(日本曹達(株)製、「B4」)と、アセチルアセトンとを、n−ブタノールとイソプロピルアルコールとの混合溶媒に配合し、これを攪拌機を用いて10分間混合することにより、チタンの有機化合物を含む溶液を調製した。この際、テトラ−n−ブトキシチタン4量体/アセチルアセトン/n−ブタノール/イソプロピルアルコールの配合は、それぞれ6.75重量%/3.38重量%/59.87重量%/30.00重量%とした。
次に、透明高分子フィルムとして、易接着層が片面に形成された厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績(株)製、「コスモシャイン(登録商標)A4100」)(以下、「易接着層付きPETフィルム」という。)を用い、この易接着層付きPETフィルムの易接着層面側とは反対側の面に、1層目として、TiOを含む薄膜を以下の手順により成膜した。
すなわち、易接着層付きPETフィルムの易接着層面側とは反対側の面に、ダイレクトグラビアコーターを用いて、線速3m/minで上記溶液を連続的に塗布した。次いで、インラインの乾燥炉を用いて、塗工溶液を100℃で80秒間乾燥させ、TiOを含む薄膜の前駆体を形成した。次いで、インラインの紫外線照射機〔高圧水銀ランプ(160W/cm)〕を用いて、溶液塗工時と同線速で、上記薄膜前駆体に対して連続的に紫外線を1.5秒間照射した。これにより易接着層付きPETフィルム上にTiOを含む薄膜(膜厚35nm、屈折率1.9)が形成されたロール状のサンプルを作製した。
次に、2層目として、1層目のTiOを含む薄膜上に、バリア膜/Ag薄膜/バリア膜を以下の手順により成膜した。
すなわち、DCマグネトロンスパッタ装置を用い、先ず下側のバリア膜としてチタンの酸化物を反応性スパッタにより成膜し、次いで、この下側のバリア膜上にAg薄膜を成膜し、次いで、このAg薄膜上に上側のバリア膜を成膜した。
次に、3層目として、2層目の上側のバリア膜上に、TiOを含む薄膜を成膜した。ここでは、1層目と同じ成膜手順を2回繰り返し行った。
次に、4層目として、3層目のTiOを含む薄膜上に、バリア膜/Ag薄膜/バリア膜を成膜した。ここでは、2層目と同じ成膜手順を1回行った。
次に、5層目として、4層目の上側のバリア膜上に、TiOを含む薄膜を成膜した。ここでは、1層目と同じ成膜手順を2回繰り返し行った。
次に、6層目として、5層目のTiOを含む薄膜上に、バリア膜/Ag薄膜/バリア膜を成膜した。ここでは、2層目と同じ成膜手順を1回行った。
次に、7層目として、この6層目の上側のバリア膜上に、TiOを含む薄膜を成膜した。ここでは、1層目と同じ成膜手順を1回行った。
以上により、易接着層付きPETフィルムの表面に、TiOを含む薄膜(1層目)│バリア膜/Ag薄膜/バリア膜(2層目)│TiOを含む薄膜(3層目)│バリア膜/Ag薄膜/バリア膜(4層目)│TiOを含む薄膜(5層目)│バリア膜/Ag薄膜/バリア膜(6層目)│TiOを含む薄膜(7層目)の順で積層されてなる7層構造の実施例1〜12に係る透明積層フィルムを作製した。
(比較例1)
上記実施例1〜12に係る透明積層フィルムの作製において、バリア膜の成膜時に反応性ガスとして酸素を供給しなかった以外は同様にして、比較例1に係る透明積層フィルムを作製した。したがって、比較例1に係る透明積層フィルムは、2層目、4層目、6層目が、それぞれ金属チタン膜/Ag薄膜/金属チタン膜の構成になっている。
(比較例2)
上記実施例1〜12に係る透明積層フィルムの作製において、バリア膜を成膜しなかった以外は同様にして、比較例2に係る透明積層フィルムを作製した。したがって、比較例2に係る透明積層フィルムは、2層目、4層目、6層目が、それぞれAg薄膜単体となっている。
2.透明積層体
次に、透明支持基体としてガラス板(厚み3mm)を用い、ガラス板の一方面に、粘着剤層(アクリル系接着テープ、日東電工(株)製、「CS9621」)(厚み25μm)を介して、必要な大きさに形成した実施例1〜12および比較例1、2に係る透明積層フィルムのPETフィルム側をそれぞれ貼り付けた。さらに、これらサンプルの両側に、それぞれ反射防止フィルムを貼り合わせた。これにより実施例1B〜12Bおよび比較例1b、2bに係る透明積層体を作製した。
なお、上記反射防止フィルムは、厚み50μmのPETフィルムの表面に、屈折率1.37の反射防止塗料(JSR(株)製、「オプスターJM」)を、乾燥厚み100nmで塗工して形成したものである。
3.各透明積層体(各透明積層フィルム)の評価
次に、上記各透明積層体について、その初期および100℃にて125時間加熱処理した後の各表面抵抗値、可視光透過率、可視光反射率、赤外光透過率を相対評価した。
この際、表面抵抗値の測定には、渦電流計(コペル電子(株)製、「非接触抵抗率計モデル717」)を用いた。また、可視光透過率および可視光反射率は、JIS R3106に準拠し、分光光度計(島津製作所(株)製、「UV3100」)を用いて、波長300〜1000nmの透過スペクトルを測定し、可視光透過率および可視光反射率を計算することにより行った。また、赤外光透過率は、上記分光光度計を用いて求めた波長850nmの透過率である。
また、実施例1〜12に係る透明積層フィルム中の各バリア膜について、EDX分析を行い、各バリア膜のTi/O比を求めた。この際、Ti/O比は次のようにして求めた。
すなわち、実施例1〜12に係る透明積層フィルムをミクロトーム(LKB(株)製、「ウルトロームV2088」)により切り出し、分析対象となるバリア膜を含む積層構造の断面方向の厚みが100nm以下の試験片を作製した。
次いで、この試験片の断面(積層構造とバリア膜の位置)を、電界放出型電子顕微鏡(HRTEM)(日本電子(株)製、「JEM2001F」)により確認した。
次いで、EDX装置(分解能133eV以下)(日本電子(株)製、「JED−2300T」)を用い、この装置の電子銃から電子線を放出させ、分析対象となるバリア膜の膜厚中央部近傍に入射させ、発生した特性X線を検出して分析することにより、各バリア膜の構成元素分析を行った。
表8に、各透明積層体(各透明積層フィルム)について得られた結果をまとめて示す。
Figure 2006327177
上記表8によれば、次のことが分かる。
すなわち、比較例1bに係る透明積層体は、Ag薄膜の両面に金属チタン膜を形成した比較例1に係る透明積層フィルムを用いている。そのため、比較例1bに係る透明積層体は、初期の表面抵抗値が比較的高く、加熱前後の表面抵抗値の変動幅も大きかった。また、初期の可視光透過率は、低い値に留まっており、加熱前後の可視光透過率の変動幅も比較的大きかった。これらは、金属チタン膜は可視光吸収率が大きく、さらに、金属チタンの酸化により膜質が変化したことなどが原因であると推測される。
また、比較例2bに係る透明積層体は、バリア膜を有していない比較例2に係る透明積層フィルムを用いている。そのため、比較例2bに係る透明積層体は、初期の表面抵抗値が極めて高いうえ、加熱前後の表面抵抗値の変動幅も極めて大きかった。また、初期の可視光透過率は、比較的高い値を示したが、加熱前後の可視光透過率の変動幅は極めて大きかった。また、加熱前後の赤外光透過率の変動も極めて大きかった。これらは、Agの拡散を十分に抑制できなかったことが原因であると推測される。
これらに対し、実施例1B〜12Bに係る透明積層体は、比較例1b、2bに係る透明積層体に比較して、初期の表面抵抗値が低く、加熱前後の表面抵抗値の変動幅も小さかった。また、比較例1bに係る透明積層体に比較して、初期の可視光透過率が高く、加熱前後の可視光透過率の変動幅も小さかった。
これらのことから、実施例1B〜12Bに係る透明積層体は、初期の可視光透過率に優れ、また、加熱処理後も、初期の可視光透過率や表面抵抗値が損なわれ難く、耐久性、耐熱性に優れていることが確認できた。
4.プラズマディスプレイ
次に、市販のプラズマディスプレイにおける既設光学フィルターを取り外し、代わりに、上記実施例1B〜12Bに係る各透明積層体を、光学フィルターとして、空気層を介してディスプレイ本体の前面に取り付け、実施例1D〜12Dに係るプラズマディスプレイを得た。これらプラズマディスプレイによれば、透明性、電磁波遮蔽機能、赤外線遮蔽機能などに優れ、耐久性にも優れることが確認できた。
実施例および比較例に係る透明積層フィルムの概略形態を示した図である。

Claims (9)

  1. 透明高分子フィルムの少なくとも一方面に、液相法により形成された金属酸化物を含む薄膜と、金属薄膜とが交互に積層されており、
    前記金属薄膜の少なくとも一方面には、気相法により形成された金属酸化物を含むバリア膜が設けられていることを特徴とする透明積層フィルム。
  2. 前記金属酸化物を含む薄膜および前記バリア膜における金属酸化物は、チタンの酸化物、亜鉛の酸化物、インジウムの酸化物、スズの酸化物、インジウムとスズとの酸化物、マグネシウムの酸化物、アルミニウムの酸化物、ジルコニウムの酸化物、ニオブの酸化物およびセリウムの酸化物から選択される1種または2種以上であり、
    前記金属薄膜における金属は、銀、金、白金、銅、アルミニウム、クロム、チタン、亜鉛、スズ、ニッケル、コバルト、ニオブ、タンタル、タングステン、ジルコニウム、鉛、パラジウムおよびインジウムから選択される少なくとも1種の金属または前記金属を1種以上含む合金であることを特徴とする請求項1に記載の透明積層フィルム。
  3. 前記金属酸化物を含む薄膜および前記バリア膜における金属酸化物は、同一種であることを特徴とする請求項1または2に記載の透明積層フィルム。
  4. 前記金属酸化物を含む薄膜および前記バリア膜における金属酸化物は、チタンの酸化物であり、前記金属薄膜における金属は、銀または銀合金であることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の透明積層フィルム。
  5. 前記バリア膜における、チタンの酸化物の酸素に対するチタンの原子モル比Ti/Oは、1.0/4.0〜1.0/0.5の範囲内にあることを特徴とする請求項4に記載の透明積層フィルム。
  6. 前記バリア膜の膜厚は、1.0〜20.0nmの範囲内にあることを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の透明積層フィルム。
  7. 前記液相法はゾル−ゲル法であり、前記気相法は反応性スパッタリング法であることを特徴とする請求項1から6の何れかに記載の透明積層フィルム。
  8. 透明支持基体の少なくとも一方面に、粘着剤層を介して、請求項1から7の何れかに記載の透明積層フィルムが積層されていることを特徴とする透明積層体。
  9. 請求項1から7の何れかに記載の透明積層フィルムまたは請求項8に記載の透明積層体を有することを特徴とするプラズマディスプレイ。
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