JP2004200599A - プラズマディスプレイ用透明電磁波シールドフィルムの製法およびそれにより得られたプラズマディスプレイ用透明電磁波シールドフィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】低コストで、均一な膜厚の形成を図ることができるプラズマディスプレイ用透明電磁波シールドフィルムの製法およびそれにより得られたプラズマディスプレイ用透明電磁波シールドフィルムを提供する。
【解決手段】透明フィルム6上に金属薄膜と有機金属酸化物薄膜とが積層形成されてなるプラズマディスプレイ用透明電磁波シールドフィルムの製法であって、巻取リールの回転駆動等により帯状の透明フィルム6を走行させる工程と、その走行方向と逆方向に特定の周速で回転駆動させたマイクログラビアロール9によって、上記透明フィルム6表面に対し有機金属酸化物溶液の塗工を行い、上記有機金属酸化物薄膜を形成する工程とを備えている。そして、上記製法により、透明フィルム6上に金属薄膜と有機金属酸化物薄膜とが積層形成されてなるプラズマディスプレイ用透明電磁波シールドフィルムを得る。
【選択図】図2
【解決手段】透明フィルム6上に金属薄膜と有機金属酸化物薄膜とが積層形成されてなるプラズマディスプレイ用透明電磁波シールドフィルムの製法であって、巻取リールの回転駆動等により帯状の透明フィルム6を走行させる工程と、その走行方向と逆方向に特定の周速で回転駆動させたマイクログラビアロール9によって、上記透明フィルム6表面に対し有機金属酸化物溶液の塗工を行い、上記有機金属酸化物薄膜を形成する工程とを備えている。そして、上記製法により、透明フィルム6上に金属薄膜と有機金属酸化物薄膜とが積層形成されてなるプラズマディスプレイ用透明電磁波シールドフィルムを得る。
【選択図】図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマディスプレイ用透明電磁波シールドフィルムの製法およびそれにより得られたプラズマディスプレイ用透明電磁波シールドフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、大型の薄型テレビや薄型ディスプレイ用途等にプラズマディスプレイパネル(PDP)が注目され、すでに市場に出始めている。しかし、このPDPは、その構造や動作原理上、高強度の漏洩電磁波を発生させるため、人体に悪影響を与えるおそれがあり、またPDPから発生する近赤外光線が、周辺の電子機器に作用し誤作動を発生させる等の問題が生じている。そのため、PDPの前面に、PDPの視認性を悪化させることなく電磁波や近赤外光線の漏洩を防止するフィルターを設けることにより、上記問題に対応している。このようなPDP用前面フィルターに用いられる電磁波シールドフィルムとしては、高シールド性のメッシュタイプと、中低シールド性の導電膜タイプ等があり、今後、シールド性の要求低下や、低コスト化の点で、導電膜タイプの需要が増えるものと思われる。上記導電膜タイプの電磁波シールドフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等の高分子フィルム基材の表面に、金属薄膜や金属酸化物薄膜が多層に積層されてなるものが用いられる。そして、上記金属薄膜や金属酸化物薄膜は、通常、スパッタ法等の真空蒸着法により成膜される(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−177277号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記スパッタ法等による成膜は、材料コスト、製造コスト等が非常に高価であることから、電磁波シールドフィルムの低価格化を妨げる要因となっている。そこで、本出願人は、スパッタ法にて成膜していた金属酸化物薄膜を、金属アルコキシド系化合物、金属アシレート系化合物および金属キレート系化合物等に由来する有機成分を含有する金属酸化物のウェットコーティング薄膜に代えることによって、上記コストを抑える技術を、既に提案している(特願2001−355862)。
【0005】
ところで、ウェットコーティング法には種々の手法があり、例えば、特開2001−210987公報に開示される、窓用の電磁波シールドフィルムにおいては、ウェットコーティング法の一種であるグラビアコート法による成膜作業が行われている。ここで、図3は、グラビアコート法の様子を模式的に示したものであり、6’はフィルム基材、10’は塗液、12はバックアップロール、13はドクターブレード、14はグラビアロールである。上記フィルム基材6’は、グラビアロール14とバックアップロール12との間に挟まれ、グラビアロール14の回転方向と同じ向き(矢印方向)に走行している。そして、上記グラビアロール14が矢印方向に回転すると、塗液10’が、グラビアロール14表面の版目(メッシュ)によって汲み上げられ、さらに、グラビアロール14表面に接して設けられたドクターブレード13によってその余剰塗液が掻き落とされて、フィルム基材6’表面への塗工がなされる。
【0006】
しかしながら、上記のような、窓用の電磁波シールドフィルムにおいて行われるグラビアコート法を、そのままPDP開発に用いるのは、実際には、やや問題がある。すなわち、グラビアコート法では、グラビアロール上で発生する塗液の液流れや、グラビアロールの版目によるフィルム走行方向への縦すじの発生や、塗工設備の振動を拾うことで発生するフィルム幅方向への横縞の発生等のおそれがあるため、PDP用透明電磁波シールドフィルムとして要求される膜厚精度を達成し難いからである。つまり、窓用の電磁波シールドフィルムでは、規格値に対する色調変動許容範囲を膜厚に換算したときに、±10%程度の膜厚変動が許容されるため、上記グラビアコート法による成膜であっても何ら問題がなかったのに対し、PDP用の場合では、発光部の光を、より再現性良く、かつ画像むらが生じないよう均一に表示させるべく、膜厚変動許容範囲をさらに厳しく(±3%かそれ未満)し、より精密な成膜を行う必要があるため、上記グラビアコート法による成膜では支障を生じる。
【0007】
また、上記グラビアコート法よりも均一な成膜が可能なウェットコーティング法としては、例えば、CAPコート法(毛細管現象を利用したコート法)があげれられる。ここで、図4は、CAPコート法の様子を模式的に示したものであり、6’はフィルム基材、15はコーティングロール、16はノズル、17はバックアップロールである。この方法では、塗工状況が、フィルム基材6’表面と塗液の塗れ性のみに依存するため、塗工部の振動さえ抑えれば、高精度塗工が可能である。しかしながら、フィルム基材6’が、塗液を、表面張力のみを利用しノズル16に引き上げ、塗膜を形成しているために、高速での塗工を行うと、塗液の供給が間に合わず、塗液が切れてしまうといった問題がある。そのため、低速での塗工(スパッタ法なみの遅さ)が要求され、製造コストが合わないといった難点がある。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、低コストで、均一な膜厚の形成を図ることができるプラズマディスプレイ用透明電磁波シールドフィルムの製法およびそれにより得られたプラズマディスプレイ用透明電磁波シールドフィルムの提供をその目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は、透明フィルム上に金属薄膜と有機金属酸化物薄膜とが積層形成されてなるプラズマディスプレイ用透明電磁波シールドフィルムの製法であって、巻取リールの回転駆動等により帯状の透明フィルムを走行させる工程と、その走行方向と逆方向に、上記透明フィルムの走行速度の1/2〜1/10の周速で回転駆動させたマイクログラビアロールによって、上記透明フィルム表面に対し有機金属酸化物溶液の塗工を行い、上記有機金属酸化物薄膜を形成する工程とを備えているプラズマディスプレイ用透明電磁波シールドフィルムの製法を第1の要旨とし、上記製法により得られたプラズマディスプレイ用透明電磁波シールドフィルムであって、透明フィルム上に金属薄膜と有機金属酸化物薄膜とが積層形成されてなるプラズマディスプレイ用透明電磁波シールドフィルムを第2の要旨とする。
【0010】
すなわち、本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた。その過程で、本発明の技術分野ではこれまで用いられてこなかったが、オーディオ・ビデオテープ製造の際に汎用される、マイクログラビアコーターに着目した。ここで、マイクログラビアコーターとは、従来のグラビアロール(直径180mm程度)に比べてかなり細い径のロール(概ね、20〜60mm)を塗工の際に使用し、かつ、その回転方向を、従来のグラビアコート法と逆方向(すなわち、基材フィルムの走行方向に対し逆向き)にすることを特徴としている。このようなマイクログラビアコート法によって有機金属酸化物薄膜の形成を試みたところ、その膜厚精度が、従来のグラビアコート法よりも、ある程度優れるようになるとの知見を得たが、所望する精度には至らなかった。そのため、さらに研究を重ねたところ、その主たる原因が、フィルム走行方向に現われる縦すじにあることを突き止めた。そこで、上記縦すじを発生させない手法を中心に検討を行った結果、フィルム走行速度に対するマイクログラビアロールの周速を特定の範囲となるよう設定することにより、縦すじが現われることなく、所期の目的を達成できることを見出し、本発明に到達した。
【0011】
ここで、上記の研究の過程および結果を、図2にもとづき詳しく説明する。図2は、本発明におけるマイクログラビアコート法の要部を模式的に示すものであり、図において、6は透明フィルム(帯状)、7は姿勢制御ロール、8はドクターブレード、9はマイクログラビアロール、10は有機金属酸化物溶液、11はその貯槽、18は有機金属酸化物溶液による液溜まり部である。そして、上記のような縦すじは、透明フィルム6とマイクログラビアロール9との間にできる液溜まり部18と、透明フィルム6との間で発生する剪断力によって生じるものである。しかしながら、上記マイクログラビアコート法では、透明フィルム6の走行方向と、マイクログラビアロール9との回転方向が逆向きであるかぎり、この剪断力を無くすのは難しい。そこで、本発明者らは、まず、マイクログラビアロール9の回転数を下げることにより、液溜まり部18と透明フィルム6との間で発生する剪断力を落とし、これにより、塗工すじ(縦すじ)を抑えることが可能であるとの知見を得た。ところが、このように単に回転数を下げただけでは、塗液供給量が減少し、マイクログラビアロール9表面に形成された版目(メッシュ)による塗工むら(メッシュ痕)が現われたり、液量が少ないために未塗工部分ができる等の問題が生じた。そこで、本発明者らは、さらに研究を重ね、透明フィルム6の走行速度に対するマイクログラビアロール9の周速を特定の範囲内に設定すると、上記塗液供給量の減少にもとづく弊害を生じさせることなく塗工すじの発生を防ぐことができるようになることを見出し、本発明に到達した。
【0012】
特に、1対の姿勢制御ロール7を所定の位置にまで下げると、塗液と透明フィルム6とが馴染む時間が長くなり、レベリング性を良くすることができ、さらに、塗液の切れも良くなる。
【0013】
また、ドクターブレードを、マイクログラビアロールに対する接線方向に対し所定の角度をなすよう設けると、ドクターブレードを直角に当てる場合に比べて、塗液の過剰な掻き落としが防がれ、適正量の液溜まりが形成でき、良好な薄膜の形成が可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施の形態について説明する。
【0015】
本発明のプラズマディスプレイ用透明電磁波シールドフィルムの製法の一例について、図面にもとづき順を追って説明する。すなわち、まず、金属アルコキシド系化合物等に由来する有機成分を含有する金属酸化物溶液を準備する。つぎに、図1に示すような装置にて、帯状の透明フィルム6を走行させ、そのフィルム表面に、特定条件を有するマイクログラビアコーター1により上記金属酸化物溶液の塗工(図2参照)を行い、さらに各工程(乾燥、加水分解等の工程)を経由させることにより、上記フィルム表面に有機金属酸化物薄膜を成膜し、その後、UV照射して後処理する。なお、図において、2は巻出しリール、3aおよび3bは乾燥炉、4は後処理用のUV照射装置、5は巻取りリールであり、上記巻取りリール5の回転駆動等により、透明フィルム6は走行する。
【0016】
続いて、この有機金属酸化物薄膜の表面に、直流マグネトロンスパッタ法等により金属薄膜を形成する。その後も、上記特殊な工程による有機金属酸化物薄膜の形成と、直流マグネトロンスパッタ法等による金属薄膜の形成を交互に行う。これにより、所望する視認性(均厚性)、可視光透過性、電磁波シールド性等を備えたプラズマディスプレイ用透明電磁波シールドフィルムを得ることができる。
【0017】
上記有機金属酸化物薄膜の形成時に用いられるマイクログラビアコーター1は、先に述べたように、特定条件を有する。図2により具体的に説明すると、マイクログラビアロール9が、透明フィルム6の走行速度の1/2〜1/10の周速で、透明フィルム6の走行方向と逆方向に回転駆動するよう設定されている。好ましくは、上記マイクログラビアロール9の周速が、透明フィルム6の走行速度の1/3〜1/10の範囲であり、より好ましくは、1/4〜1/8の範囲である。すなわち、上記周速が、透明フィルム6の走行速度の1/2より速いと、フィルム走行方向に縦すじが現われ、所望する膜厚精度を得ることができないからであり、逆に、透明フィルム6の走行速度の1/10より遅いと、塗液供給量が減少し、その結果、マイクログラビアロール9表面に形成された版目(メッシュ)による塗工むら(メッシュ痕)が現われたり、液量が少ないために未塗工部分ができる等の問題があるからである。
【0018】
上記マイクログラビアロール9の直径は、通常、20〜60mm、好ましくは30〜50mmである。
【0019】
また、上記マイクログラビアロール9表面に形成された版目(1インチ当りのライン数)は、通常、50〜300本、好ましくは80〜300本であり、その形状は、塗工むらを抑えるという点において、スパイラル形状のメッシュのものが好ましい。
【0020】
そして、このマイクログラビアコート法において、透明フィルム6を、マイクログラビアロール9との間で張架するようマイクログラビアロール9を挟んで上流側と下流側に設けられた1対の姿勢制御ロール7が、マイクログラビアロール9の円周面の頂点の高さに対しそれ自身の円周面の最下点が0〜5mmの範囲(好適には0.1〜2mmの範囲であり、最適には0.1〜1mmの範囲)で下がるように位置決めされていると(図2における高さh)、塗液と透明フィルム6とが馴染む時間が長くなり、レベリング性を良くすることができ、さらに、塗液の切れも良くなる。
【0021】
また、マイクログラビアロール9に接して余剰塗液を掻き落とすドクターブレード8が、マイクログラビアロール9に対する接線方向に対し0〜60°の角度(図2における角度θ、好適には5〜45°の範囲であり、最適には10〜30°の範囲)をなすよう設けられていると、先に述べたように適正量の液溜まりが形成できるため、好ましい。なお、このときのドクターブレード8の押し圧は、通常、0.1〜5kg/cm、好ましくは1.0〜2kg/cmである。
【0022】
上記透明フィルム6は、可視光領域(光線の波長が380〜780nm程度)において透明性を有するものであって、各種の透明材料を各種の方法でフィルム状に成形したものである。上記透明材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド(PI)、ポリカーボネート(PC)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリアリレート等があげられる。
【0023】
上記透明フィルム6の厚みは、通常、10〜500μm、好ましくは25〜250μmである。
【0024】
上記透明フィルム6上に形成される有機金属酸化物薄膜は、有機金属酸化物のコーティング薄膜である。上記有機金属酸化物薄膜用材料としては、有機成分を含有する金属酸化物であれば特に限定はないが、金属アルコキシド、金属アルコキシドの加水分解物、金属アルコキシドの縮合物、金属アルコキシドのキレート化合物、上記キレート化合物の加水分解物、上記キレート化合物の縮合物、金属アシレート、金属アシレートの加水分解物および金属アシレートの縮合物からなる群から選ばれた少なくとも一つに由来する有機成分を含有する金属酸化物が好適に用いられる。このように、金属アルコキシド等に由来する有機成分を含有する金属酸化物を用いると、特定条件を有するマイクログラビアコート法により薄膜を形成する際に、金属酸化物薄膜中に有機成分(アルキル基等)を残存させることができるため、スパッタ法により薄膜を形成する場合に比べて、金属薄膜もしくは透明フィルム6との接着性が向上するとともに、コストが安くなるため好ましい。
【0025】
また、有機成分を含有しない通常の金属酸化物のスパッタ薄膜は、多孔質の柱状構造を持つセラミック膜であるため、塩化物イオンや水分が上記多孔質柱状構造の金属酸化物薄膜を通り抜けて金属薄膜まで容易に到達し、金属薄膜の凝集による点状欠陥等の外観不良が発生しやすく、耐久性や柔軟性に劣るのに対して、本発明のような特定条件を有するマイクログラビアコート法により成膜した有機金属酸化物薄膜は、空隙のない連続膜であるため、この有機金属酸化物薄膜を金属薄膜の表面に積層することにより、塩化物イオンや水分が金属薄膜まで到達せず、金属薄膜の凝集による点状欠陥等の外観不良が発生しにくく、しかも、所望する膜厚精度を得ることができ、耐久性や柔軟性にも優れている。
【0026】
上記金属アルコキシドおよび金属アルコキシドのキレート化合物は、M−O−R結合(Rはアルキル基を示し、Mはチタン、ジルコニウム、タンタル、インジウム、アルミニウム、錫、亜鉛等の金属原子を示す)を有する化合物であれば特に限定はなく、例えば、テトラ−i−プロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラ−t−ブトキシチタン、ジ−i−プロポキシ−ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−i−プロポキシ−ビス(アセチルアセテート)チタン、ジ−i−プロポキシ−ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−n−ブトキシ−ビス(トリエタノールアミナート)チタン、ジヒドロキシ−ビスラクテタートチタン、ジヒドロキシチタンラクテート、テトラキス(2−エチルヘキシルオキシ)チタンといったチタン化合物等があげられる。また、上記金属アシレートとしては、M−O−CO−R結合(Rはアルキル基を示し、Mはチタン、ジルコニウム、タンタル、インジウム、アルミニウム、錫、亜鉛等の金属原子を示す)を有する化合物であれば特に限定はなく、例えば、ジヒドロキシチタンジブチレート、ジ−i−プロポキシチタンジアセテート、ジ−i−プロポキシチタンジプロピオネート、ジ−i−プロポキシチタンジマロニエート、ジ−i−プロポキシチタンジベンゾイレート等があげられる。
【0027】
また、上記金属アルコキシド系化合物等から生成する金属酸化物としては、例えば、酸化チタン(TiO2 )、酸化ジルコニウム(ZrO2 )、酸化インジウム(In2 O3 )、酸化インジウム錫(ITO)、酸化アルミニウム(Al2 O3 )、酸化タンタル(Ta2 O5 )、酸化錫(SnO2 )、酸化亜鉛(ZnO)等があげられる。
【0028】
上記有機金属酸化物薄膜の膜厚精度は、通常、±3%かそれ未満であり、好ましくは±2%未満である。また、上記有機金属酸化物薄膜の厚みは、透明性や色調の観点から、10〜150nmの範囲が好ましく、特に好ましくは20〜100nmである。
【0029】
上記有機金属酸化物薄膜上に、直流マグネトロンスパッタ法等により、積層形成される金属薄膜の材料としては、特に限定はなく、例えば、金、銀、銅もしくはこれらの合金等があげられる。なかでも、導電率が高く、可視光線の吸収が殆どない銀や銀系合金が好適である。
【0030】
上記金属薄膜の厚みは、電磁波シールド性や透明性を考慮して、通常、5〜30nmの範囲に設定される。
【0031】
前記透明フィルム6上に形成される薄膜の構造は、有機金属酸化物薄膜と金属薄膜とを少なくとも1層積層してなる2層以上の多層構造であれば特に限定はなく、例えば、有機金属酸化物薄膜/金属薄膜の2層構造、有機金属酸化物薄膜/金属薄膜/有機金属酸化物薄膜の3層構造、金属薄膜/有機金属酸化物薄膜/金属薄膜/有機金属酸化物薄膜の4層構造、有機金属酸化物薄膜/金属薄膜/有機金属酸化物薄膜/金属薄膜/有機金属酸化物薄膜の5層構造、金属薄膜/有機金属酸化物薄膜/金属薄膜/有機金属酸化物薄膜/金属薄膜/有機金属酸化物薄膜の6層構造、有機金属酸化物薄膜/金属薄膜/有機金属酸化物薄膜/金属薄膜/有機金属酸化物薄膜/金属薄膜/有機金属酸化物薄膜の7層構造、もしくは8層以上の構造があげられる。なかでも、視認性の観点から、最表面(透明フィルム6積層面側と反対側の面)に有機金属酸化物薄膜が位置決めされている4層構造以上のものが好ましい。
【0032】
上記透明フィルム6上に積層形成される薄膜全体の厚みは、15〜1000nmの範囲が好ましく、特に好ましくは25〜700nmである。
【0033】
本発明の製法により得られるプラズマディスプレイ用透明電磁波シールドフィルムは、PDP本体表面に粘着剤で貼り付けて用いたり、あるいはPDP用前面フィルターの電磁波シールドフィルムとして用いることができる。
【0034】
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。
【0035】
【実施例1】
まず、テトラ−n−ブトキシチタン7量体(日本曹達社製)と、n−ブタノールと、イソプロピルアルコールとを、それぞれ3重量%、67重量%、30重量%の比率で配合し、攪拌機を用いて10分間混合し、コーティング溶液を調製した。そして、このコーティング溶液を用いて、以下のようにしてサンプルaおよびPDP用透明電磁波シールドフィルム(サンプルb)を作製した。
【0036】
〔サンプルaの作製〕
まず、PETフィルム(厚み100μm)を準備し、このPETフィルム表面に、特定のマイクログラビアコーター(図2参照)を用いて、所定の条件にて上記コーティング溶液をコーティング(フィルム走行速度5m/min)し、100℃で乾燥・加水分解(乾燥炉長5m)を行い、TiO2 コーティング膜(有機金属酸化物膜、目標厚み35nm)を形成した。その後、紫外線照射設備〔赤外カットフィルター付きの高圧水銀ランプ(160W/cm)〕により、照射距離35mm(照度:400mW/cm2 )で、コーティングの線速と同一速度(5m/min)にて紫外線照射を約1秒間行うことにより後処理した。このようにして、PETフィルムの表面に、単層の有機金属酸化物膜が形成されてなるサンプルaを作製した。
【0037】
上記特定のマイクログラビアコーターにおける設定条件は、以下の通りであった。
【0038】
〔PDP用透明電磁波シールドフィルム(サンプルb)の作製〕
まず、上記サンプルaと同様のものを、上記と同様の製法により作製し、続いて、そのTiO2 コーティング膜側の面に対し、直流マグネトロンスパッタ法により、Ag層(厚み15nm)を形成した。そして、このような成膜を交互に行って、PETフィルムの表面に、TiO2 層/Ag層/TiO2 層/Ag層/TiO2 層がこの順で積層されてなるPDP用透明電磁波シールドフィルム(サンプルb)を作製した。
【0039】
【実施例2】
マイクログラビアロールの回転数のみを調整し、マイクログラビアロール周速/フィルム走行速度比が、1/2となるよう設定を変更すること以外は、実施例1と同様にして、サンプルaを作製した。同様に、TiO2 層形成時のマイクログラビアロール周速/フィルム走行速度比が、1/2となるよう変更すること以外は、実施例1と同様にして、PDP用透明電磁波シールドフィルム(サンプルb)を作製した。
【0040】
【実施例3】
マイクログラビアロールの回転数のみを調整し、マイクログラビアロール周速/フィルム走行速度比が、1/8となるよう設定を変更すること以外は、実施例1と同様にして、サンプルaを作製した。同様に、TiO2 層形成時のマイクログラビアロール周速/フィルム走行速度比が、1/8となるよう変更すること以外は、実施例1と同様にして、PDP用透明電磁波シールドフィルム(サンプルb)を作製した。
【0041】
【比較例1】
実施例1におけるマイクログラビアコーターに代えて、所定のグラビアコーター(図3参照)を用い、所定の条件にてコーティングを行った。それ以外は、実施例1と同様にして、サンプルaを作製した。同様に、TiO2 層の形成は全て、上記所定のグラビアコーターにより同様の条件にて行うこと以外は、実施例1と同様にして、PDP用透明電磁波シールドフィルム(サンプルb)を作製した。
【0042】
上記グラビアコーターにおける設定条件は、以下の通りであった。
<グラビアロール>
メッシュ数 250L/inch
メッシュ深度 25μm
メッシュ形状 格子型
直径 150mm
材質 スチール(クロムメッキ)
<グラビアロール周速/フィルム走行速度比>
1.01/1
<ドクターブレード>
押し圧 1.0kg/cm
当て角 40°(グラビアロール中心から45°の位置の接線に対して)
材質 スチール(クロムメッキ)
<バックアップロール>
直径 50mm
ニップ圧 1MPa
材質 ゴム
【0043】
【比較例2】
実施例1におけるマイクログラビアコーターに代えて、所定のCAPコーター(図4参照)を用い、所定の条件にてコーティングを行った。そして、フィルム走行速度を1m/minに設定した。それ以外は、実施例1と同様にして、サンプルaを作製した。同様に、TiO2 層の形成は全て上記所定のCAPコーターにより同様の条件にて行うこと以外は、実施例1と同様にして、PDP用透明電磁波シールドフィルム(サンプルb)を作製した。
【0044】
なお、上記CAPコーターにおける条件は以下の通りであった。
<コーティングロール周速/フィルム走行速度比>
1.01/1
<コーティングロールとノズルとの間のギャップ>
400μm
<コーティングロール>
直径 200mm
材質 スチール(クロムメッキ)
<バックアップロール>
直径 50mm
材質 ゴム
<ノズルからの液面高さ>
6mm
<ノズルのスリットギャップ>
300μm
【0045】
【比較例3】
マイクログラビアロールの回転数のみを調整し、マイクログラビアロール周速/フィルム走行速度比が、1/1となるよう設定を変更すること以外は、実施例1と同様にして、サンプルaを作製した。同様に、TiO2 層形成時のマイクログラビアロール周速/フィルム走行速度比が、1/1となるよう変更すること以外は、実施例1と同様にして、PDP用透明電磁波シールドフィルム(サンプルb)を作製した。
【0046】
【比較例4】
マイクログラビアロールの回転数のみを調整し、マイクログラビアロール周速/フィルム走行速度比が、1/16となるよう設定を変更すること以外は、実施例1と同様にして、サンプルaを作製した。同様に、TiO2 層形成時のマイクログラビアロール周速/フィルム走行速度比が、1/16となるよう変更すること以外は、実施例1と同様にして、PDP用透明電磁波シールドフィルム(サンプルb)を作製した。
【0047】
このようにして得られた実施例および比較例のサンプルaおよび透明電磁波シールドフィルム(サンプルb)を用いて、下記の基準に従い、各特性の評価を行った。これらの結果を後記の表1に示した。
【0048】
〔塗工精度〕
サンプルaについて、その塗工精度を、つぎのようにして求めた。すなわち、まず、島津製作所社製UV−3100にて、反射率および透過率を測定し、JIS Z 8701に準拠して色調を算出した。ついで、TEM断面観測により、色調の異なるサンプルの膜厚を確認した後、その膜厚変動による色調変化幅を確認し、このサンプルの色調変化幅との対比により、その膜厚に対する膜厚変動幅を求め、これを塗工精度とした。
【0049】
〔視認性〕
各透明電磁波シールドフィルム(サンプルb)のPETフィルム面側に対し、厚み3mmの半強化ガラスを、アクリル系粘着剤を介して貼り付け、さらに、透明電磁波シールドフィルムの電磁波シールド層の表面に、アクリル系粘着剤を介して、反射防止フィルムのフィルム基材面側を貼り付け、PDP用前面フィルターを作製した。なお、上記反射防止フィルムは、フィルム基材(厚み50μm)の表面に、屈折率1.4の反射防止用塗料を乾燥厚み100nmで塗工して反射防止層を形成してなるものである。このようにして得られた各PDP用前面フィルターを、実際に、PDPに用い、その視認性の評価を目視にて行った。すなわち、視認性が高く(微小な膜厚の変動が目視で確認されることなく)、鮮明な画像が得られたものを○、微小な膜厚の変動等による画像劣化がみられたものを×として示した。
【0050】
〔生産性〕
比較例2を「1」とした場合の、1日当りの生産量で示した。
【0051】
【表1】
【0052】
上記表1の結果からも明らかなように、サンプルaにおいて、実施例1〜3品の塗工精度が高いのに対し、比較例1品の塗工精度は±10%と、実施例1〜3品と比べ、非常に精度が低いことがわかる。また、比較例2品では、実施例1〜3品と同等レベルの高精度塗工とすることが可能であるが、その塗工時間がかかり過ぎるため、生産性に劣ることがわかる。そして、マイクログラビアロールの回転速度が本発明の規定範囲外である比較例3品および4品では、フィルム走行方向に縦すじがあらわれたり、塗工むらが生じたりして、本発明における所望の塗工精度が得られていないことがわかる。
【0053】
また、上記のことは、該当する各透明電磁波シールドフィルム(サンプルb)においても同様に言えることである。そして、上記サンプルbによる各PDP用前面フィルターを、実際にPDPに用い、目視にて評価したところ、上記表1の結果からも明らかなように、実施例1〜3品の視認性はいずれも優れていたのに対し、比較例品(比較例2品を除く)を用いたものは、微小な膜厚の変動等による画像劣化がみられ、その視認性が実施例1〜3品に劣るものであった。なお、比較例2品は、製造コストが、本発明の基準を超えていた。
【0054】
【実施例4、5】
実施例1における1対の姿勢制御ロールの高さを、適宜変更し、サンプルaおよびサンプルbの作製を行った。すなわち、上記1対の姿勢制御ロールのニア側の高さが2.0mm、アウト側の高さが2.0mmとなるよう設定を変更すること以外は、実施例1と同様にして、各サンプルを作製した(実施例4)。また、上記1対の姿勢制御ロールのニア側の高さが2.0mm、アウト側の高さが5.0mmとなるよう設定を変更すること以外は、実施例1と同様にして、各サンプルを作製した(実施例5)。このようにして得られた各サンプルを用いて、その特性の評価を行い、これらの結果を下記の表2に示した。なお、評価基準については、前記と同様にした。
【0055】
【表2】
【0056】
上記表2の結果からも明らかなように、実施例4および5では、姿勢制御ロールの高さが所定の範囲内に設定されていることから、塗工精度に優れ、視認性等の各評価も、本発明に要求される基準を満たしていることがわかる。なお、姿勢制御ロールの高さ(特にニアロールの高さ)が、上記所定の範囲内から外れ、上がり過ぎると、塗工がしにくいといった不具合がみられたり、逆に、下がり過ぎると、基材がロールで擦れたり、基材とロールとの接触面積が大きくなり、マイクログラビアロールによる塗液の供給量が不足し、塗工すじが発生したりする傾向がみられた(塗工できていない部分もできた)。
【0057】
【実施例6、7】
実施例1におけるドクターブレードの当て角を、適宜変更し、サンプルaおよびサンプルbの作製を行った。すなわち、上記ドクターブレードの当て角が40°(マイクログラビアロール中心から45°の位置の接線に対して)となるよう設定を変更すること以外は、実施例1と同様にして、各サンプルを作製した(実施例6)。また、上記ドクターブレードの当て角が60°(マイクログラビアロール中心から45°の位置の接線に対して)となるよう設定を変更すること以外は、実施例1と同様にして、各サンプルを作製した(実施例7)。このようにして得られた各サンプルを用いて、その特性の評価を行い、これらの結果を下記の表3に示した。なお、評価基準については、前記と同様にした。
【0058】
【表3】
【0059】
上記表3の結果からも明らかなように、実施例6および7では、ドクターブレードの当て角が所定の範囲内に設定されていることから、塗工精度に優れ、視認性等の各評価も、本発明に要求される基準を満たしていることがわかる。なお、ドクターブレードの当て角が、上記所定の範囲内から外れ、大き過ぎると、塗液供給量が減少し、塗工すじが発生する傾向がみられた(塗工できていない部分もできた)。逆に、小さくなり過ぎると、塗液がバランス良く供給されなくなり、この場合も塗工すじが発生する傾向がみられた。
【0060】
【発明の効果】
以上のように、本発明は、プラズマディスプレイ用透明電磁波シールドフィルムの製法において、その有機金属酸化物薄膜成膜時に、マイクログラビアコーターを用い、かつ、そのマイクログラビアロールの周速が、基材である透明フィルムの走行速度に対し、特定の範囲となるよう設定している。そのため、従来に比べ、材料費や製造費が低コストで、かつ均一な膜厚の形成を図ることができる。なお、従来のような高温での熱処理も不要であるため、基材である透明フィルムの熱による収縮や、劣化を抑制することもできる。
【0061】
特に、1対の姿勢制御ロールを所定の位置にまで下げると、塗液と透明フィルムとが馴染む時間が長くなり、レベリング性を良くすることができ、さらに、塗液の切れも良くなる。
【0062】
また、マイクログラビアロールに接して余剰塗液を掻き落とすドクターブレードが、マイクログラビアロールに対する接線方向に対し、所定の角度をなすよう設けられていると、適正量の液溜まりが形成され、より良好な塗膜形成を行うことができる。
【0063】
そして、これらの製法により得られたプラズマディスプレイ用透明電磁波シールドフィルムであって、透明フィルム上に金属薄膜と有機金属酸化物薄膜とが積層形成されてなるプラズマディスプレイ用透明電磁波シールドフィルムは、所望する視認性(均厚性)、可視光透過性、電磁波シールド性を有し、しかも、外観不良が発生しにくく、耐久性や柔軟性にも優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の透明電磁波シールドフィルムの製造工程の一例を示す模式図である。
【図2】上記製造工程におけるマイクログラビアコート法の一例を示す模式図である。
【図3】グラビアコート法の一例を示す模式図である。
【図4】CAPコート法の一例を示す模式図である。
【符号の簡単な説明】
6 透明フィルム
9 マイクログラビアロール
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマディスプレイ用透明電磁波シールドフィルムの製法およびそれにより得られたプラズマディスプレイ用透明電磁波シールドフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、大型の薄型テレビや薄型ディスプレイ用途等にプラズマディスプレイパネル(PDP)が注目され、すでに市場に出始めている。しかし、このPDPは、その構造や動作原理上、高強度の漏洩電磁波を発生させるため、人体に悪影響を与えるおそれがあり、またPDPから発生する近赤外光線が、周辺の電子機器に作用し誤作動を発生させる等の問題が生じている。そのため、PDPの前面に、PDPの視認性を悪化させることなく電磁波や近赤外光線の漏洩を防止するフィルターを設けることにより、上記問題に対応している。このようなPDP用前面フィルターに用いられる電磁波シールドフィルムとしては、高シールド性のメッシュタイプと、中低シールド性の導電膜タイプ等があり、今後、シールド性の要求低下や、低コスト化の点で、導電膜タイプの需要が増えるものと思われる。上記導電膜タイプの電磁波シールドフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等の高分子フィルム基材の表面に、金属薄膜や金属酸化物薄膜が多層に積層されてなるものが用いられる。そして、上記金属薄膜や金属酸化物薄膜は、通常、スパッタ法等の真空蒸着法により成膜される(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−177277号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記スパッタ法等による成膜は、材料コスト、製造コスト等が非常に高価であることから、電磁波シールドフィルムの低価格化を妨げる要因となっている。そこで、本出願人は、スパッタ法にて成膜していた金属酸化物薄膜を、金属アルコキシド系化合物、金属アシレート系化合物および金属キレート系化合物等に由来する有機成分を含有する金属酸化物のウェットコーティング薄膜に代えることによって、上記コストを抑える技術を、既に提案している(特願2001−355862)。
【0005】
ところで、ウェットコーティング法には種々の手法があり、例えば、特開2001−210987公報に開示される、窓用の電磁波シールドフィルムにおいては、ウェットコーティング法の一種であるグラビアコート法による成膜作業が行われている。ここで、図3は、グラビアコート法の様子を模式的に示したものであり、6’はフィルム基材、10’は塗液、12はバックアップロール、13はドクターブレード、14はグラビアロールである。上記フィルム基材6’は、グラビアロール14とバックアップロール12との間に挟まれ、グラビアロール14の回転方向と同じ向き(矢印方向)に走行している。そして、上記グラビアロール14が矢印方向に回転すると、塗液10’が、グラビアロール14表面の版目(メッシュ)によって汲み上げられ、さらに、グラビアロール14表面に接して設けられたドクターブレード13によってその余剰塗液が掻き落とされて、フィルム基材6’表面への塗工がなされる。
【0006】
しかしながら、上記のような、窓用の電磁波シールドフィルムにおいて行われるグラビアコート法を、そのままPDP開発に用いるのは、実際には、やや問題がある。すなわち、グラビアコート法では、グラビアロール上で発生する塗液の液流れや、グラビアロールの版目によるフィルム走行方向への縦すじの発生や、塗工設備の振動を拾うことで発生するフィルム幅方向への横縞の発生等のおそれがあるため、PDP用透明電磁波シールドフィルムとして要求される膜厚精度を達成し難いからである。つまり、窓用の電磁波シールドフィルムでは、規格値に対する色調変動許容範囲を膜厚に換算したときに、±10%程度の膜厚変動が許容されるため、上記グラビアコート法による成膜であっても何ら問題がなかったのに対し、PDP用の場合では、発光部の光を、より再現性良く、かつ画像むらが生じないよう均一に表示させるべく、膜厚変動許容範囲をさらに厳しく(±3%かそれ未満)し、より精密な成膜を行う必要があるため、上記グラビアコート法による成膜では支障を生じる。
【0007】
また、上記グラビアコート法よりも均一な成膜が可能なウェットコーティング法としては、例えば、CAPコート法(毛細管現象を利用したコート法)があげれられる。ここで、図4は、CAPコート法の様子を模式的に示したものであり、6’はフィルム基材、15はコーティングロール、16はノズル、17はバックアップロールである。この方法では、塗工状況が、フィルム基材6’表面と塗液の塗れ性のみに依存するため、塗工部の振動さえ抑えれば、高精度塗工が可能である。しかしながら、フィルム基材6’が、塗液を、表面張力のみを利用しノズル16に引き上げ、塗膜を形成しているために、高速での塗工を行うと、塗液の供給が間に合わず、塗液が切れてしまうといった問題がある。そのため、低速での塗工(スパッタ法なみの遅さ)が要求され、製造コストが合わないといった難点がある。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、低コストで、均一な膜厚の形成を図ることができるプラズマディスプレイ用透明電磁波シールドフィルムの製法およびそれにより得られたプラズマディスプレイ用透明電磁波シールドフィルムの提供をその目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は、透明フィルム上に金属薄膜と有機金属酸化物薄膜とが積層形成されてなるプラズマディスプレイ用透明電磁波シールドフィルムの製法であって、巻取リールの回転駆動等により帯状の透明フィルムを走行させる工程と、その走行方向と逆方向に、上記透明フィルムの走行速度の1/2〜1/10の周速で回転駆動させたマイクログラビアロールによって、上記透明フィルム表面に対し有機金属酸化物溶液の塗工を行い、上記有機金属酸化物薄膜を形成する工程とを備えているプラズマディスプレイ用透明電磁波シールドフィルムの製法を第1の要旨とし、上記製法により得られたプラズマディスプレイ用透明電磁波シールドフィルムであって、透明フィルム上に金属薄膜と有機金属酸化物薄膜とが積層形成されてなるプラズマディスプレイ用透明電磁波シールドフィルムを第2の要旨とする。
【0010】
すなわち、本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた。その過程で、本発明の技術分野ではこれまで用いられてこなかったが、オーディオ・ビデオテープ製造の際に汎用される、マイクログラビアコーターに着目した。ここで、マイクログラビアコーターとは、従来のグラビアロール(直径180mm程度)に比べてかなり細い径のロール(概ね、20〜60mm)を塗工の際に使用し、かつ、その回転方向を、従来のグラビアコート法と逆方向(すなわち、基材フィルムの走行方向に対し逆向き)にすることを特徴としている。このようなマイクログラビアコート法によって有機金属酸化物薄膜の形成を試みたところ、その膜厚精度が、従来のグラビアコート法よりも、ある程度優れるようになるとの知見を得たが、所望する精度には至らなかった。そのため、さらに研究を重ねたところ、その主たる原因が、フィルム走行方向に現われる縦すじにあることを突き止めた。そこで、上記縦すじを発生させない手法を中心に検討を行った結果、フィルム走行速度に対するマイクログラビアロールの周速を特定の範囲となるよう設定することにより、縦すじが現われることなく、所期の目的を達成できることを見出し、本発明に到達した。
【0011】
ここで、上記の研究の過程および結果を、図2にもとづき詳しく説明する。図2は、本発明におけるマイクログラビアコート法の要部を模式的に示すものであり、図において、6は透明フィルム(帯状)、7は姿勢制御ロール、8はドクターブレード、9はマイクログラビアロール、10は有機金属酸化物溶液、11はその貯槽、18は有機金属酸化物溶液による液溜まり部である。そして、上記のような縦すじは、透明フィルム6とマイクログラビアロール9との間にできる液溜まり部18と、透明フィルム6との間で発生する剪断力によって生じるものである。しかしながら、上記マイクログラビアコート法では、透明フィルム6の走行方向と、マイクログラビアロール9との回転方向が逆向きであるかぎり、この剪断力を無くすのは難しい。そこで、本発明者らは、まず、マイクログラビアロール9の回転数を下げることにより、液溜まり部18と透明フィルム6との間で発生する剪断力を落とし、これにより、塗工すじ(縦すじ)を抑えることが可能であるとの知見を得た。ところが、このように単に回転数を下げただけでは、塗液供給量が減少し、マイクログラビアロール9表面に形成された版目(メッシュ)による塗工むら(メッシュ痕)が現われたり、液量が少ないために未塗工部分ができる等の問題が生じた。そこで、本発明者らは、さらに研究を重ね、透明フィルム6の走行速度に対するマイクログラビアロール9の周速を特定の範囲内に設定すると、上記塗液供給量の減少にもとづく弊害を生じさせることなく塗工すじの発生を防ぐことができるようになることを見出し、本発明に到達した。
【0012】
特に、1対の姿勢制御ロール7を所定の位置にまで下げると、塗液と透明フィルム6とが馴染む時間が長くなり、レベリング性を良くすることができ、さらに、塗液の切れも良くなる。
【0013】
また、ドクターブレードを、マイクログラビアロールに対する接線方向に対し所定の角度をなすよう設けると、ドクターブレードを直角に当てる場合に比べて、塗液の過剰な掻き落としが防がれ、適正量の液溜まりが形成でき、良好な薄膜の形成が可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施の形態について説明する。
【0015】
本発明のプラズマディスプレイ用透明電磁波シールドフィルムの製法の一例について、図面にもとづき順を追って説明する。すなわち、まず、金属アルコキシド系化合物等に由来する有機成分を含有する金属酸化物溶液を準備する。つぎに、図1に示すような装置にて、帯状の透明フィルム6を走行させ、そのフィルム表面に、特定条件を有するマイクログラビアコーター1により上記金属酸化物溶液の塗工(図2参照)を行い、さらに各工程(乾燥、加水分解等の工程)を経由させることにより、上記フィルム表面に有機金属酸化物薄膜を成膜し、その後、UV照射して後処理する。なお、図において、2は巻出しリール、3aおよび3bは乾燥炉、4は後処理用のUV照射装置、5は巻取りリールであり、上記巻取りリール5の回転駆動等により、透明フィルム6は走行する。
【0016】
続いて、この有機金属酸化物薄膜の表面に、直流マグネトロンスパッタ法等により金属薄膜を形成する。その後も、上記特殊な工程による有機金属酸化物薄膜の形成と、直流マグネトロンスパッタ法等による金属薄膜の形成を交互に行う。これにより、所望する視認性(均厚性)、可視光透過性、電磁波シールド性等を備えたプラズマディスプレイ用透明電磁波シールドフィルムを得ることができる。
【0017】
上記有機金属酸化物薄膜の形成時に用いられるマイクログラビアコーター1は、先に述べたように、特定条件を有する。図2により具体的に説明すると、マイクログラビアロール9が、透明フィルム6の走行速度の1/2〜1/10の周速で、透明フィルム6の走行方向と逆方向に回転駆動するよう設定されている。好ましくは、上記マイクログラビアロール9の周速が、透明フィルム6の走行速度の1/3〜1/10の範囲であり、より好ましくは、1/4〜1/8の範囲である。すなわち、上記周速が、透明フィルム6の走行速度の1/2より速いと、フィルム走行方向に縦すじが現われ、所望する膜厚精度を得ることができないからであり、逆に、透明フィルム6の走行速度の1/10より遅いと、塗液供給量が減少し、その結果、マイクログラビアロール9表面に形成された版目(メッシュ)による塗工むら(メッシュ痕)が現われたり、液量が少ないために未塗工部分ができる等の問題があるからである。
【0018】
上記マイクログラビアロール9の直径は、通常、20〜60mm、好ましくは30〜50mmである。
【0019】
また、上記マイクログラビアロール9表面に形成された版目(1インチ当りのライン数)は、通常、50〜300本、好ましくは80〜300本であり、その形状は、塗工むらを抑えるという点において、スパイラル形状のメッシュのものが好ましい。
【0020】
そして、このマイクログラビアコート法において、透明フィルム6を、マイクログラビアロール9との間で張架するようマイクログラビアロール9を挟んで上流側と下流側に設けられた1対の姿勢制御ロール7が、マイクログラビアロール9の円周面の頂点の高さに対しそれ自身の円周面の最下点が0〜5mmの範囲(好適には0.1〜2mmの範囲であり、最適には0.1〜1mmの範囲)で下がるように位置決めされていると(図2における高さh)、塗液と透明フィルム6とが馴染む時間が長くなり、レベリング性を良くすることができ、さらに、塗液の切れも良くなる。
【0021】
また、マイクログラビアロール9に接して余剰塗液を掻き落とすドクターブレード8が、マイクログラビアロール9に対する接線方向に対し0〜60°の角度(図2における角度θ、好適には5〜45°の範囲であり、最適には10〜30°の範囲)をなすよう設けられていると、先に述べたように適正量の液溜まりが形成できるため、好ましい。なお、このときのドクターブレード8の押し圧は、通常、0.1〜5kg/cm、好ましくは1.0〜2kg/cmである。
【0022】
上記透明フィルム6は、可視光領域(光線の波長が380〜780nm程度)において透明性を有するものであって、各種の透明材料を各種の方法でフィルム状に成形したものである。上記透明材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド(PI)、ポリカーボネート(PC)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリアリレート等があげられる。
【0023】
上記透明フィルム6の厚みは、通常、10〜500μm、好ましくは25〜250μmである。
【0024】
上記透明フィルム6上に形成される有機金属酸化物薄膜は、有機金属酸化物のコーティング薄膜である。上記有機金属酸化物薄膜用材料としては、有機成分を含有する金属酸化物であれば特に限定はないが、金属アルコキシド、金属アルコキシドの加水分解物、金属アルコキシドの縮合物、金属アルコキシドのキレート化合物、上記キレート化合物の加水分解物、上記キレート化合物の縮合物、金属アシレート、金属アシレートの加水分解物および金属アシレートの縮合物からなる群から選ばれた少なくとも一つに由来する有機成分を含有する金属酸化物が好適に用いられる。このように、金属アルコキシド等に由来する有機成分を含有する金属酸化物を用いると、特定条件を有するマイクログラビアコート法により薄膜を形成する際に、金属酸化物薄膜中に有機成分(アルキル基等)を残存させることができるため、スパッタ法により薄膜を形成する場合に比べて、金属薄膜もしくは透明フィルム6との接着性が向上するとともに、コストが安くなるため好ましい。
【0025】
また、有機成分を含有しない通常の金属酸化物のスパッタ薄膜は、多孔質の柱状構造を持つセラミック膜であるため、塩化物イオンや水分が上記多孔質柱状構造の金属酸化物薄膜を通り抜けて金属薄膜まで容易に到達し、金属薄膜の凝集による点状欠陥等の外観不良が発生しやすく、耐久性や柔軟性に劣るのに対して、本発明のような特定条件を有するマイクログラビアコート法により成膜した有機金属酸化物薄膜は、空隙のない連続膜であるため、この有機金属酸化物薄膜を金属薄膜の表面に積層することにより、塩化物イオンや水分が金属薄膜まで到達せず、金属薄膜の凝集による点状欠陥等の外観不良が発生しにくく、しかも、所望する膜厚精度を得ることができ、耐久性や柔軟性にも優れている。
【0026】
上記金属アルコキシドおよび金属アルコキシドのキレート化合物は、M−O−R結合(Rはアルキル基を示し、Mはチタン、ジルコニウム、タンタル、インジウム、アルミニウム、錫、亜鉛等の金属原子を示す)を有する化合物であれば特に限定はなく、例えば、テトラ−i−プロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラ−t−ブトキシチタン、ジ−i−プロポキシ−ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−i−プロポキシ−ビス(アセチルアセテート)チタン、ジ−i−プロポキシ−ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−n−ブトキシ−ビス(トリエタノールアミナート)チタン、ジヒドロキシ−ビスラクテタートチタン、ジヒドロキシチタンラクテート、テトラキス(2−エチルヘキシルオキシ)チタンといったチタン化合物等があげられる。また、上記金属アシレートとしては、M−O−CO−R結合(Rはアルキル基を示し、Mはチタン、ジルコニウム、タンタル、インジウム、アルミニウム、錫、亜鉛等の金属原子を示す)を有する化合物であれば特に限定はなく、例えば、ジヒドロキシチタンジブチレート、ジ−i−プロポキシチタンジアセテート、ジ−i−プロポキシチタンジプロピオネート、ジ−i−プロポキシチタンジマロニエート、ジ−i−プロポキシチタンジベンゾイレート等があげられる。
【0027】
また、上記金属アルコキシド系化合物等から生成する金属酸化物としては、例えば、酸化チタン(TiO2 )、酸化ジルコニウム(ZrO2 )、酸化インジウム(In2 O3 )、酸化インジウム錫(ITO)、酸化アルミニウム(Al2 O3 )、酸化タンタル(Ta2 O5 )、酸化錫(SnO2 )、酸化亜鉛(ZnO)等があげられる。
【0028】
上記有機金属酸化物薄膜の膜厚精度は、通常、±3%かそれ未満であり、好ましくは±2%未満である。また、上記有機金属酸化物薄膜の厚みは、透明性や色調の観点から、10〜150nmの範囲が好ましく、特に好ましくは20〜100nmである。
【0029】
上記有機金属酸化物薄膜上に、直流マグネトロンスパッタ法等により、積層形成される金属薄膜の材料としては、特に限定はなく、例えば、金、銀、銅もしくはこれらの合金等があげられる。なかでも、導電率が高く、可視光線の吸収が殆どない銀や銀系合金が好適である。
【0030】
上記金属薄膜の厚みは、電磁波シールド性や透明性を考慮して、通常、5〜30nmの範囲に設定される。
【0031】
前記透明フィルム6上に形成される薄膜の構造は、有機金属酸化物薄膜と金属薄膜とを少なくとも1層積層してなる2層以上の多層構造であれば特に限定はなく、例えば、有機金属酸化物薄膜/金属薄膜の2層構造、有機金属酸化物薄膜/金属薄膜/有機金属酸化物薄膜の3層構造、金属薄膜/有機金属酸化物薄膜/金属薄膜/有機金属酸化物薄膜の4層構造、有機金属酸化物薄膜/金属薄膜/有機金属酸化物薄膜/金属薄膜/有機金属酸化物薄膜の5層構造、金属薄膜/有機金属酸化物薄膜/金属薄膜/有機金属酸化物薄膜/金属薄膜/有機金属酸化物薄膜の6層構造、有機金属酸化物薄膜/金属薄膜/有機金属酸化物薄膜/金属薄膜/有機金属酸化物薄膜/金属薄膜/有機金属酸化物薄膜の7層構造、もしくは8層以上の構造があげられる。なかでも、視認性の観点から、最表面(透明フィルム6積層面側と反対側の面)に有機金属酸化物薄膜が位置決めされている4層構造以上のものが好ましい。
【0032】
上記透明フィルム6上に積層形成される薄膜全体の厚みは、15〜1000nmの範囲が好ましく、特に好ましくは25〜700nmである。
【0033】
本発明の製法により得られるプラズマディスプレイ用透明電磁波シールドフィルムは、PDP本体表面に粘着剤で貼り付けて用いたり、あるいはPDP用前面フィルターの電磁波シールドフィルムとして用いることができる。
【0034】
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。
【0035】
【実施例1】
まず、テトラ−n−ブトキシチタン7量体(日本曹達社製)と、n−ブタノールと、イソプロピルアルコールとを、それぞれ3重量%、67重量%、30重量%の比率で配合し、攪拌機を用いて10分間混合し、コーティング溶液を調製した。そして、このコーティング溶液を用いて、以下のようにしてサンプルaおよびPDP用透明電磁波シールドフィルム(サンプルb)を作製した。
【0036】
〔サンプルaの作製〕
まず、PETフィルム(厚み100μm)を準備し、このPETフィルム表面に、特定のマイクログラビアコーター(図2参照)を用いて、所定の条件にて上記コーティング溶液をコーティング(フィルム走行速度5m/min)し、100℃で乾燥・加水分解(乾燥炉長5m)を行い、TiO2 コーティング膜(有機金属酸化物膜、目標厚み35nm)を形成した。その後、紫外線照射設備〔赤外カットフィルター付きの高圧水銀ランプ(160W/cm)〕により、照射距離35mm(照度:400mW/cm2 )で、コーティングの線速と同一速度(5m/min)にて紫外線照射を約1秒間行うことにより後処理した。このようにして、PETフィルムの表面に、単層の有機金属酸化物膜が形成されてなるサンプルaを作製した。
【0037】
上記特定のマイクログラビアコーターにおける設定条件は、以下の通りであった。
【0038】
〔PDP用透明電磁波シールドフィルム(サンプルb)の作製〕
まず、上記サンプルaと同様のものを、上記と同様の製法により作製し、続いて、そのTiO2 コーティング膜側の面に対し、直流マグネトロンスパッタ法により、Ag層(厚み15nm)を形成した。そして、このような成膜を交互に行って、PETフィルムの表面に、TiO2 層/Ag層/TiO2 層/Ag層/TiO2 層がこの順で積層されてなるPDP用透明電磁波シールドフィルム(サンプルb)を作製した。
【0039】
【実施例2】
マイクログラビアロールの回転数のみを調整し、マイクログラビアロール周速/フィルム走行速度比が、1/2となるよう設定を変更すること以外は、実施例1と同様にして、サンプルaを作製した。同様に、TiO2 層形成時のマイクログラビアロール周速/フィルム走行速度比が、1/2となるよう変更すること以外は、実施例1と同様にして、PDP用透明電磁波シールドフィルム(サンプルb)を作製した。
【0040】
【実施例3】
マイクログラビアロールの回転数のみを調整し、マイクログラビアロール周速/フィルム走行速度比が、1/8となるよう設定を変更すること以外は、実施例1と同様にして、サンプルaを作製した。同様に、TiO2 層形成時のマイクログラビアロール周速/フィルム走行速度比が、1/8となるよう変更すること以外は、実施例1と同様にして、PDP用透明電磁波シールドフィルム(サンプルb)を作製した。
【0041】
【比較例1】
実施例1におけるマイクログラビアコーターに代えて、所定のグラビアコーター(図3参照)を用い、所定の条件にてコーティングを行った。それ以外は、実施例1と同様にして、サンプルaを作製した。同様に、TiO2 層の形成は全て、上記所定のグラビアコーターにより同様の条件にて行うこと以外は、実施例1と同様にして、PDP用透明電磁波シールドフィルム(サンプルb)を作製した。
【0042】
上記グラビアコーターにおける設定条件は、以下の通りであった。
<グラビアロール>
メッシュ数 250L/inch
メッシュ深度 25μm
メッシュ形状 格子型
直径 150mm
材質 スチール(クロムメッキ)
<グラビアロール周速/フィルム走行速度比>
1.01/1
<ドクターブレード>
押し圧 1.0kg/cm
当て角 40°(グラビアロール中心から45°の位置の接線に対して)
材質 スチール(クロムメッキ)
<バックアップロール>
直径 50mm
ニップ圧 1MPa
材質 ゴム
【0043】
【比較例2】
実施例1におけるマイクログラビアコーターに代えて、所定のCAPコーター(図4参照)を用い、所定の条件にてコーティングを行った。そして、フィルム走行速度を1m/minに設定した。それ以外は、実施例1と同様にして、サンプルaを作製した。同様に、TiO2 層の形成は全て上記所定のCAPコーターにより同様の条件にて行うこと以外は、実施例1と同様にして、PDP用透明電磁波シールドフィルム(サンプルb)を作製した。
【0044】
なお、上記CAPコーターにおける条件は以下の通りであった。
<コーティングロール周速/フィルム走行速度比>
1.01/1
<コーティングロールとノズルとの間のギャップ>
400μm
<コーティングロール>
直径 200mm
材質 スチール(クロムメッキ)
<バックアップロール>
直径 50mm
材質 ゴム
<ノズルからの液面高さ>
6mm
<ノズルのスリットギャップ>
300μm
【0045】
【比較例3】
マイクログラビアロールの回転数のみを調整し、マイクログラビアロール周速/フィルム走行速度比が、1/1となるよう設定を変更すること以外は、実施例1と同様にして、サンプルaを作製した。同様に、TiO2 層形成時のマイクログラビアロール周速/フィルム走行速度比が、1/1となるよう変更すること以外は、実施例1と同様にして、PDP用透明電磁波シールドフィルム(サンプルb)を作製した。
【0046】
【比較例4】
マイクログラビアロールの回転数のみを調整し、マイクログラビアロール周速/フィルム走行速度比が、1/16となるよう設定を変更すること以外は、実施例1と同様にして、サンプルaを作製した。同様に、TiO2 層形成時のマイクログラビアロール周速/フィルム走行速度比が、1/16となるよう変更すること以外は、実施例1と同様にして、PDP用透明電磁波シールドフィルム(サンプルb)を作製した。
【0047】
このようにして得られた実施例および比較例のサンプルaおよび透明電磁波シールドフィルム(サンプルb)を用いて、下記の基準に従い、各特性の評価を行った。これらの結果を後記の表1に示した。
【0048】
〔塗工精度〕
サンプルaについて、その塗工精度を、つぎのようにして求めた。すなわち、まず、島津製作所社製UV−3100にて、反射率および透過率を測定し、JIS Z 8701に準拠して色調を算出した。ついで、TEM断面観測により、色調の異なるサンプルの膜厚を確認した後、その膜厚変動による色調変化幅を確認し、このサンプルの色調変化幅との対比により、その膜厚に対する膜厚変動幅を求め、これを塗工精度とした。
【0049】
〔視認性〕
各透明電磁波シールドフィルム(サンプルb)のPETフィルム面側に対し、厚み3mmの半強化ガラスを、アクリル系粘着剤を介して貼り付け、さらに、透明電磁波シールドフィルムの電磁波シールド層の表面に、アクリル系粘着剤を介して、反射防止フィルムのフィルム基材面側を貼り付け、PDP用前面フィルターを作製した。なお、上記反射防止フィルムは、フィルム基材(厚み50μm)の表面に、屈折率1.4の反射防止用塗料を乾燥厚み100nmで塗工して反射防止層を形成してなるものである。このようにして得られた各PDP用前面フィルターを、実際に、PDPに用い、その視認性の評価を目視にて行った。すなわち、視認性が高く(微小な膜厚の変動が目視で確認されることなく)、鮮明な画像が得られたものを○、微小な膜厚の変動等による画像劣化がみられたものを×として示した。
【0050】
〔生産性〕
比較例2を「1」とした場合の、1日当りの生産量で示した。
【0051】
【表1】
【0052】
上記表1の結果からも明らかなように、サンプルaにおいて、実施例1〜3品の塗工精度が高いのに対し、比較例1品の塗工精度は±10%と、実施例1〜3品と比べ、非常に精度が低いことがわかる。また、比較例2品では、実施例1〜3品と同等レベルの高精度塗工とすることが可能であるが、その塗工時間がかかり過ぎるため、生産性に劣ることがわかる。そして、マイクログラビアロールの回転速度が本発明の規定範囲外である比較例3品および4品では、フィルム走行方向に縦すじがあらわれたり、塗工むらが生じたりして、本発明における所望の塗工精度が得られていないことがわかる。
【0053】
また、上記のことは、該当する各透明電磁波シールドフィルム(サンプルb)においても同様に言えることである。そして、上記サンプルbによる各PDP用前面フィルターを、実際にPDPに用い、目視にて評価したところ、上記表1の結果からも明らかなように、実施例1〜3品の視認性はいずれも優れていたのに対し、比較例品(比較例2品を除く)を用いたものは、微小な膜厚の変動等による画像劣化がみられ、その視認性が実施例1〜3品に劣るものであった。なお、比較例2品は、製造コストが、本発明の基準を超えていた。
【0054】
【実施例4、5】
実施例1における1対の姿勢制御ロールの高さを、適宜変更し、サンプルaおよびサンプルbの作製を行った。すなわち、上記1対の姿勢制御ロールのニア側の高さが2.0mm、アウト側の高さが2.0mmとなるよう設定を変更すること以外は、実施例1と同様にして、各サンプルを作製した(実施例4)。また、上記1対の姿勢制御ロールのニア側の高さが2.0mm、アウト側の高さが5.0mmとなるよう設定を変更すること以外は、実施例1と同様にして、各サンプルを作製した(実施例5)。このようにして得られた各サンプルを用いて、その特性の評価を行い、これらの結果を下記の表2に示した。なお、評価基準については、前記と同様にした。
【0055】
【表2】
【0056】
上記表2の結果からも明らかなように、実施例4および5では、姿勢制御ロールの高さが所定の範囲内に設定されていることから、塗工精度に優れ、視認性等の各評価も、本発明に要求される基準を満たしていることがわかる。なお、姿勢制御ロールの高さ(特にニアロールの高さ)が、上記所定の範囲内から外れ、上がり過ぎると、塗工がしにくいといった不具合がみられたり、逆に、下がり過ぎると、基材がロールで擦れたり、基材とロールとの接触面積が大きくなり、マイクログラビアロールによる塗液の供給量が不足し、塗工すじが発生したりする傾向がみられた(塗工できていない部分もできた)。
【0057】
【実施例6、7】
実施例1におけるドクターブレードの当て角を、適宜変更し、サンプルaおよびサンプルbの作製を行った。すなわち、上記ドクターブレードの当て角が40°(マイクログラビアロール中心から45°の位置の接線に対して)となるよう設定を変更すること以外は、実施例1と同様にして、各サンプルを作製した(実施例6)。また、上記ドクターブレードの当て角が60°(マイクログラビアロール中心から45°の位置の接線に対して)となるよう設定を変更すること以外は、実施例1と同様にして、各サンプルを作製した(実施例7)。このようにして得られた各サンプルを用いて、その特性の評価を行い、これらの結果を下記の表3に示した。なお、評価基準については、前記と同様にした。
【0058】
【表3】
【0059】
上記表3の結果からも明らかなように、実施例6および7では、ドクターブレードの当て角が所定の範囲内に設定されていることから、塗工精度に優れ、視認性等の各評価も、本発明に要求される基準を満たしていることがわかる。なお、ドクターブレードの当て角が、上記所定の範囲内から外れ、大き過ぎると、塗液供給量が減少し、塗工すじが発生する傾向がみられた(塗工できていない部分もできた)。逆に、小さくなり過ぎると、塗液がバランス良く供給されなくなり、この場合も塗工すじが発生する傾向がみられた。
【0060】
【発明の効果】
以上のように、本発明は、プラズマディスプレイ用透明電磁波シールドフィルムの製法において、その有機金属酸化物薄膜成膜時に、マイクログラビアコーターを用い、かつ、そのマイクログラビアロールの周速が、基材である透明フィルムの走行速度に対し、特定の範囲となるよう設定している。そのため、従来に比べ、材料費や製造費が低コストで、かつ均一な膜厚の形成を図ることができる。なお、従来のような高温での熱処理も不要であるため、基材である透明フィルムの熱による収縮や、劣化を抑制することもできる。
【0061】
特に、1対の姿勢制御ロールを所定の位置にまで下げると、塗液と透明フィルムとが馴染む時間が長くなり、レベリング性を良くすることができ、さらに、塗液の切れも良くなる。
【0062】
また、マイクログラビアロールに接して余剰塗液を掻き落とすドクターブレードが、マイクログラビアロールに対する接線方向に対し、所定の角度をなすよう設けられていると、適正量の液溜まりが形成され、より良好な塗膜形成を行うことができる。
【0063】
そして、これらの製法により得られたプラズマディスプレイ用透明電磁波シールドフィルムであって、透明フィルム上に金属薄膜と有機金属酸化物薄膜とが積層形成されてなるプラズマディスプレイ用透明電磁波シールドフィルムは、所望する視認性(均厚性)、可視光透過性、電磁波シールド性を有し、しかも、外観不良が発生しにくく、耐久性や柔軟性にも優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の透明電磁波シールドフィルムの製造工程の一例を示す模式図である。
【図2】上記製造工程におけるマイクログラビアコート法の一例を示す模式図である。
【図3】グラビアコート法の一例を示す模式図である。
【図4】CAPコート法の一例を示す模式図である。
【符号の簡単な説明】
6 透明フィルム
9 マイクログラビアロール
Claims (4)
- 透明フィルム上に金属薄膜と有機金属酸化物薄膜とが積層形成されてなるプラズマディスプレイ用透明電磁波シールドフィルムの製法であって、巻取リールの回転駆動等により帯状の透明フィルムを走行させる工程と、その走行方向と逆方向に、上記透明フィルムの走行速度の1/2〜1/10の周速で回転駆動させたマイクログラビアロールによって、上記透明フィルム表面に対し有機金属酸化物溶液の塗工を行い、上記有機金属酸化物薄膜を形成する工程とを備えていることを特徴とするプラズマディスプレイ用透明電磁波シールドフィルムの製法。
- 上記帯状の透明フィルムを、マイクログラビアロールとの間で張架するようマイクログラビアロールを挟んで上流側と下流側に設けられた1対の姿勢制御ロールが、マイクログラビアロールの円周面の頂点の高さに対しそれ自身の円周面の最下点が0〜5mmの範囲で下がるように位置決めされている請求項1記載のプラズマディスプレイ用透明電磁波シールドフィルムの製法。
- マイクログラビアロールに接して余剰塗液を掻き落とすドクターブレードが、マイクログラビアロールに対する接線方向に対し0〜60°の角度をなすよう設けられている請求項1または2記載のプラズマディスプレイ用透明電磁波シールドフィルムの製法。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の製法により得られたプラズマディスプレイ用透明電磁波シールドフィルムであって、透明フィルム上に金属薄膜と有機金属酸化物薄膜とが積層形成されてなることを特徴とするプラズマディスプレイ用透明電磁波シールドフィルム。
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- 2002-12-20 JP JP2002370459A patent/JP2004200599A/ja active Pending
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