JPH11248904A - 反射防止膜の製造方法 - Google Patents

反射防止膜の製造方法

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JPH11248904A
JPH11248904A JP10055074A JP5507498A JPH11248904A JP H11248904 A JPH11248904 A JP H11248904A JP 10055074 A JP10055074 A JP 10055074A JP 5507498 A JP5507498 A JP 5507498A JP H11248904 A JPH11248904 A JP H11248904A
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JP
Japan
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film
oxygen
reflection preventive
preventive film
oxide
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Pending
Application number
JP10055074A
Other languages
English (en)
Inventor
Tenjiyuurou Masui
典十郎 増井
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Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】CRTやLCD等のディスプレイ表面の反射防
止膜1をスパッタリング法で形成する。 【解決手段】2種類の異なる金属酸化物を、それぞれ化
学量論的組成となる成膜条件よりも1種類は酸素過多、
もう1種類は酸素不足で、共に反応性スパッタリング法
によって交互に複数層41、42形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、CRTやLCD等
のディスプレイの表面に設ける反射防止膜の製造方法、
特には導電性に優れた反射防止膜の製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、CRT等のディスプレイでは、表
面の反射を防止する手段として、その表面に多層膜を真
空蒸着法等により塗布形成する手法が用いられ、更に普
及が進むLCD(液晶ディスプレイ)においては、上記
技術に加え、基板表面に凹凸構造を設けて乱反射を防ぐ
手法等が用いられている。
【0003】透明性、且つ、導電性を有する薄膜を反射
防止膜とする発明は、例えば、特開昭50−99345
号公報に代表されるような酸化インジウムや酸化スズを
ベースとしたものが知られており、また、特開昭51−
73453号公報として開示された発明のように非常に
薄い金属膜を利用しているものが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術におい
て、多層膜を真空蒸着法等により塗布形成する際には、
その成膜レートに基づく生産性の高さから主として電子
ビーム蒸着法が使われており、スパッタリング法による
形成は、密着性や膜厚の均一性等の膜質が高いにも係わ
らず、成膜レートの低さから特に基材を高分子フィルム
として巻き取り式で蒸着する際には利用に適さないとい
う問題があった。
【0005】本発明の目的は、反射防止膜に関する以上
のような問題点を解決し、良質な導電性を有する反射防
止膜をスパッタリング法を用いて形成し提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の発明は、
2種類の異なる金属酸化物を、それぞれ化学量論的組成
となる成膜条件よりも1種類を酸素過多、もう1種類を
酸素不足で、共に反応性スパッタリング法によって交互
に複数層形成することを特徴とする反射防止膜の製造方
法である。
【0007】第2の発明は、第1の発明において、前記
金属酸化物が酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛のい
ずれか1種類を主体とし、別の1種類が酸化珪素を主体
とすることを特徴とする反射防止膜の製造方法である。
【0008】さらにまた、第3の発明は、第1、第2の
発明において、順次交互に積層して多層膜を形成した後
に焼成工程を設けたことを特徴とする反射防止膜の製造
方法である。
【0009】反射防止膜の場合、それを多層膜として形
成する必要性から各膜の成膜レートが一つの問題点とな
っており、スパッタリング法で成膜する場合に特に問題
となるのが成膜レートの低さである。
【0010】そしてまた、特に酸素を導入しての反応性
スパッタリング法に関しては、その手法で酸化膜を形成
する際に、物質によっては酸素導入量の僅かな違いによ
り、成膜レートが数倍以上も異なることが判明してい
る。
【0011】実際に、SiO2 (二酸化珪素)膜を反応
性スパッタリング法で形成する場合、成膜レートが最も
高いのは5〜20%程度酸素が不足気味でSiOX (珪
素酸化物 X<2)を形成する条件である。
【0012】そして、その成膜レートと実際に必要な特
性を有するSiO2 膜を形成した場合の成膜レートで
は、パワー等の条件を一定にした場合でも、約5倍の成
膜レートの差が生じていることを確認している。
【0013】また、一方、透明導電性物質として広く用
いられているインジウム−スズ酸化物(ITO)の場合
は、その透明性と抵抗値等の特性を考慮した化学量論的
最適組成となる成膜条件よりも、20倍程度酸素が過多
気味でも、成膜レートはほとんど変わらず、さらにま
た、形成した膜の特性も焼成することで、最適組成に近
い膜とすることができることも確認している。
【0014】以上のことから、多層構造の反射防止膜を
形成する場合、その酸化物の成膜レートを調べ、その膜
の化学量論的組成となる成膜条件よりも酸素過多で形成
しても成膜レートがあまり変わらない膜を、酸素過多に
して成膜し、続いて、酸素不足で形成した方が成膜レー
トが極端に高くなる膜を、酸素不足で成膜することで、
多層膜自体の成膜レートを大きく向上させることが可能
となる。
【0015】そしてまた、酸素過多膜と酸素不足膜とを
密接させて積層することで、酸素過多膜から酸素不足膜
へと酸素はある程度移動し、各膜は化学量論的組成に近
付き安定するが、好ましくは、焼成することにより酸素
をより完全に移動させ安定させることが可能である。な
お、この場合、焼成条件は基材の種類にもよるがガラス
の場合は200°Cで30分で十分である。
【0016】このように、本発明の手法を用いることに
より、スパッタリング法による多層膜形成の際の課題で
ある成膜レートを高めて生産性を向上させることが可能
となる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
用いて詳細に説明する。図1は、本発明の反射防止膜の
構成の一例を示す断面図である。
【0018】1は本発明の導電性反射防止膜であり、基
材2上に高屈折率層41、低屈折率層42、高屈折率層
41、低屈折率層42が順次積層されて多層膜4となっ
ており、この多層膜4により反射防止性を示す構成とな
っている。
【0019】そしてさらに、多層膜の4つの膜のうちの
少なくともいずれか1種類、あるいは、低屈折率層もし
くは高屈折率層のいずれか1種類、に導電性を付与する
ことで導電性に優れた反射防止膜1となる。
【0020】基材2は、十分な透明性を有することが必
要であり、さらにある程度の剛性及び表面平滑性を有し
ていればよい。ポリエステル、ポリオレフィン、ポリカ
ーボネート、トリアセチルセルロース、ポリアクリレー
ト、ポリエーテルサルホン等の高分子フィルムやガラス
等が好適なものとして例示される。
【0021】本発明の反射防止膜1は、屈折率の異なる
層を交互に特定の膜厚で複数積層することにより形成で
き、低屈折率層42としては、酸化マグネシウム(屈折
率n=1.6)、二酸化珪素(n=1.5)、酸化アル
ミニウム(n=1.6)等が、高屈折率層41として
は、二酸化チタン(n=2.4)、二酸化ジルコニウム
(n=2.0)、二酸化セリウム(n=2.3)、酸化
インジウム(n=2.0)、酸化タンタル(n=2.
1)、酸化亜鉛(n=2.1)、酸化スズ(n=2.
1)等が好適なものとして例示される。
【0022】また、図1に示すように、撥水層5やハー
ドコート層3を設けてもよい。撥水層5は、反射防止機
能に影響を与えないものであれば、その成膜方法はいか
なる手法を用いてもよく、目的用途に応じての選択が可
能である。一例として、フロンシラン系のものを化学的
気相析出(CVD)法で形成することが挙げられる。
【0023】ハードコート層3は、全体の透明性を阻害
しない程度に透明性を有し、かつ、屈折率が基材2と同
程度のものが望ましく、紫外線硬化型のアクリル樹脂等
が好適なものとして例示される。
【0024】
【実施例】以下に本発明の実施例(4層構成の反射防止
膜の一例)をさらに具体的に説明する。 〈実施例1〉基材2としてガラス板を使用し、反射防止
膜には、先ず、基材側より高屈折率膜41であるインジ
ウム−スズ酸化物ITO(酸化スズ5wt%)膜を、透
明性や導電性等の必要特性を示す化学量論的組成となる
成膜条件の15倍の酸素過多下の条件で、反応スパッタ
リング法により70nm形成した。
【0025】続いて、得られたITO膜の上に珪素(S
i)をターゲットにして、化学量論的組成となる成膜条
件よりも10%酸素不足下の条件で、反応性スパッタリ
ングを行い、70nmのSiOX 膜を形成した。
【0026】さらに、その上に、同様にして順次、IT
O膜及びSiOX 膜をそれぞれ140nm形成した。
【0027】そして、このようにして形成した多層膜を
200°Cで30min.焼成し、ITO膜を最適組成
に、SiOX 膜をSiO2 膜に変化させて、反射防止膜
を完成させた。
【0028】形成した反射防止膜の550nmにおける
反射率は0.5%であり、また、電磁遮蔽効果を測定し
たところ−20dBであり、良質な導電性を有する反射
防止膜が形成できた。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、2種類の異なる金属酸
化物からなる多層構造の反射防止膜をスパッタリング法
で形成する場合、それぞれ化学量論的組成となる成膜条
件よりも、1種類を酸素過多、もう1種類を酸素不足
で、ともに反応性スパッタリング法によって交互に複数
層形成し、好ましくは焼成することで、スパッタリング
法による多層膜自体の成膜のレートを高め、生産性を向
上させることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係わる反射防止膜の断面
図である。
【符号の説明】
1‥‥反射防止膜 2‥‥基材 3‥‥ハードコート層 4‥‥多層膜 41‥‥高屈折率膜 42‥‥低屈折率膜 5‥‥撥水層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2種類の異なる金属酸化物を、それぞれ化
    学量論的組成となる成膜条件よりも1種類を酸素過多、
    もう1種類を酸素不足で、共に反応性スパッタリング法
    によって交互に複数層形成することを特徴とする反射防
    止膜の製造方法。
  2. 【請求項2】前記金属酸化物が酸化インジウム、酸化ス
    ズ、酸化亜鉛のいずれか1種類を主体とし、別の1種類
    が酸化珪素を主体とすることを特徴とする請求項1記載
    の反射防止膜の製造方法。
  3. 【請求項3】前記請求項1または2において、順次交互
    に積層して形成した後に焼成工程を設けたことを特徴と
    する反射防止膜の製造方法。
JP10055074A 1998-03-06 1998-03-06 反射防止膜の製造方法 Pending JPH11248904A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100516097B1 (ko) * 2003-02-14 2005-09-23 한국과학기술연구원 투광성 반사방지막 및 그를 포함하는 물품
JP2008525861A (ja) * 2004-12-29 2008-07-17 コーニング インコーポレイテッド 光学窓及び素子のための反射防止膜
CN102375164A (zh) * 2010-08-18 2012-03-14 素塔电子科技(上海)有限公司 一种防反射塑料薄膜及其制备方法
US8619365B2 (en) 2004-12-29 2013-12-31 Corning Incorporated Anti-reflective coating for optical windows and elements
CN110174717A (zh) * 2019-05-06 2019-08-27 厦门大学 一种蓝光防护光学薄膜及其制造方法

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