WO2023195498A1 - 反射防止膜付透明基体および画像表示装置 - Google Patents

反射防止膜付透明基体および画像表示装置 Download PDF

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Abstract

本発明は、二つの主面を有する透明基体及び該透明基体の一方の主面上に、前記透明基体側から拡散層と反射防止膜をこの順で有する反射防止膜付透明基体であって、前記透明基体の他方の主面における反射を除去し、前記一方の主面側に入射角(45)°で光源を入射させた際の、正反射光に対して-15°、15°、25°、45°、75°及び110°の各角度における拡散反射光のD65光源でのa*及びb*が下記式(1)~(4)を満たす、反射防止膜付透明基体に関する。 (1)-6≦a*≦2 (2)-1≦b*≦12 (3)b*≦-2a*+4 (4)b*≧-2a*-5

Description

反射防止膜付透明基体および画像表示装置
 本発明は、反射防止膜付透明基体およびそれを備える画像表示装置に関する。
 近年、美観性の観点から、液晶ディスプレイ(LCD)のような画像表示装置の前面にカバーガラスなどの透明基体を設置する手法が用いられている。そして、かかる透明基体への外光の映り込み防止のために、反射防止膜を備えた透明基体(以下、反射防止膜付透明基体ともいう)が知られている。例えば特許文献1には、光吸収能を有し、絶縁性である反射防止膜付透明基体が開示されている。
 また、外光の映り込み防止のために、透明基体上に拡散層を設けることも知られている。拡散層は、入射光を拡散させることによって外光の映り込みを抑制する。しかし、透明基体が拡散層を備える場合、画像表示装置に用いた際に、拡散された光によって消灯時の画面が白みを帯びて見える場合がある。そこで、拡散層上に上述のような反射防止膜をさらに設けることで、入射光の反射を抑制でき、白みを抑えられる。これにより、映り込みを好適に抑制しながら、画面消灯時の黒みを帯びた質感を向上できる。
 ところで、画像表示装置として、μ-LED素子を光源としたμ-LEDディスプレイが近年注目されている。なかでも、大型のμ-LEDディスプレイは、A5サイズ(148mm×210mm)程度の小型LEDパネルを例えば200枚程度隙間なく並べ連結(タイリング)させることで製造される。
日本国特開2018-115105号公報
 特許文献1に開示されるような反射防止膜は光学干渉を利用するため、光の入射角度や出射角度により光路長が変化し、反射色(色味)が様々に変化してしまう場合がある。特に、拡散層上に反射防止膜を備える構成である場合、拡散層によって光が拡散反射しやすいことで、角度による色味の変化は比較的顕著なものとなりやすい。そして、大型のμ-LEDディスプレイを製造する場合など、複数のLEDパネルをタイリングする際に、パネルごとの拡散反射色(拡散反射光の色味)が異なると、特に消灯時の外観が様々な色になり、品位が大きく落ちるおそれがある。
 そこで本発明は、タイリングした際も色偏差が目立ちにくい反射防止膜付透明基体及びこれを備える画像表示装置を提供することを目的とする。
 本発明者らは、反射防止膜付透明基体に所定角度で光を入射させた際の、種々の角度における拡散反射光のa及びbが所定の要件を満たすことで、タイリングした際も色偏差が目立ちにくい反射防止膜付透明基体が得られることを実験的に見出し、本発明を完成するに至った。
 すなわち、本発明は以下の1~13に関する。
1.二つの主面を有する透明基体及び該透明基体の一方の主面上に、前記透明基体側から拡散層と反射防止膜をこの順で有する反射防止膜付透明基体であって、
 前記透明基体の他方の主面における反射を除去し、前記一方の主面側に入射角45°で光源を入射させた際の、正反射光に対して-15°、15°、25°、45°、75°及び110°の各角度における拡散反射光のD65光源でのa及びbが下記式(1)~(4)を満たす、反射防止膜付透明基体。
 (1)-6≦a≦2
 (2)-1≦b≦12
 (3)b≦-2a+4
 (4)b≧-2a-5
2.ヘーズ値が30%以上である、前記1に記載の反射防止膜付透明基体。
3.前記-15°における拡散反射光のD65光源でのLが30~60であり、前記15°における拡散反射光のLが15~35であり、かつ、前記25°における拡散反射光のLが5~20である、前記1または2に記載の反射防止膜付透明基体。
4.視感透過率(Y)が20~90%である、前記1または2に記載の反射防止膜付透明基体。
5.前記反射防止膜のシート抵抗が10Ω/□以上である、前記1または2に記載の反射防止膜付透明基体。
6.D65光源下の透過色のbが5以下である、前記1または2に記載の反射防止膜付透明基体。
7.前記反射防止膜は、互いに屈折率が異なる誘電体層を少なくとも2層積層させた積層構造であり、前記誘電体層のうち少なくとも1層が、主として、Siの酸化物で構成されており、前記積層構造の層のうち別の少なくとも1層が、主として、MoおよびWからなるA群から選択される少なくとも1つの酸化物と、Si、Nb、Ti、Zr、Ta、Al、SnおよびInからなるB群から選択される少なくとも1つの酸化物との混合酸化物で構成され、該混合酸化物に含まれるA群の元素と該混合酸化物に含まれるB群の元素との合計に対する、該混合酸化物に含まれるB群の元素の含有率が65質量%以下である前記1または2に記載の反射防止膜付透明基体。
8.前記反射防止膜上に防汚膜をさらに有する、前記1または2に記載の反射防止膜付透明基体。
9.前記透明基体がガラスを含む、前記1または2に記載の反射防止膜付透明基体。
10.前記透明基体がポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、アクリル、シリコーン及びトリアセチルセルロースから選択される少なくとも1つの樹脂を含む、前記1または2に記載の反射防止膜付透明基体。
11.前記透明基体が、ガラスと、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、アクリル、シリコーン及びトリアセチルセルロースから選択される少なくとも1つの樹脂との積層体である、前記1または2に記載の反射防止膜付透明基体。
12.前記ガラスが化学強化されている、前記11に記載の反射防止膜付透明基体。
13.前記1または2に記載の反射防止膜付透明基体を備える画像表示装置。
 本発明の一態様によれば、タイリングした際も色偏差が目立ちにくい反射防止膜付透明基体及びこれを備える画像表示装置を提供できる。タイリングした際に色偏差が目立ちにくいことで、反射防止膜付透明基体及びこれを備える画像表示装置の品位や美観を向上できる。
図1は、本発明の一態様の反射防止膜付透明基体の一構成例を模式的に示す断面図である。 図2は、各角度における拡散反射光のa及びbの測定方法を例示する模式図である。 図3は、各例における、各角度における拡散反射光のa及びbの測定結果を示す図である。
 以下、本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、任意に変形して実施できる。また、数値範囲を示す「~」とは、その前後に記載された数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
 なお、本明細書において、透明基体等の基体の主面上や、拡散層等の層上や反射防止膜等の膜上に別の層や膜等を有するとは、当該別の層や膜等が上記主面、層、または膜に接して設けられる態様に限定されるものではなく、その上部方向に層や膜等が設けられる態様であればよい。例えば、透明基体の主面上に拡散層を有するとは、透明基体の主面に接するように拡散層が設けられていてもよく、透明基体と拡散層との間に他の任意の層や膜等が設けられていてもよい。
 本発明の一態様の反射防止膜付透明基体は、二つの主面を有する透明基体及び該透明基体の一方の主面上に、前記透明基体側から拡散層と反射防止膜をこの順で有する反射防止膜付透明基体であって、前記透明基体の他方の主面における反射を除去し、前記一方の主面側に入射角45°で光源を入射させた際の、正反射光に対して-15°、15°、25°、45°、75°及び110°の各角度における拡散反射光のD65光源でのa及びbが下記式(1)~(4)を満たす。
 (1)-6≦a≦2
 (2)-1≦b≦12
 (3)b≦-2a+4
 (4)b≧-2a-5
 (反射防止膜付透明基体)
 図1は、本発明の一態様の反射防止膜付透明基体の一構成例を模式的に示す断面図である。図1に例示される反射防止膜付透明基体1は、透明基体10、拡散層31及び反射防止膜30を備える。図1において、透明基体10の一方の主面上に拡散層31が形成され、拡散層31の上に反射防止膜30が形成されている。反射防止膜は、例えば互いに屈折率が異なる誘電体層を少なくとも2層積層させた積層構造を有する多層膜である。図1において、反射防止膜30は第1誘電体層32と第2誘電体層34とが積層された多層膜である。なお、図1では透明基体10上にさらに拡散層31が形成された構成を例示するが、後述するように、透明基体に対し表面処理を行う方法等によって、透明基体そのものの表層に拡散層が形成されていてもよい。
 本発明の一態様の反射防止膜付透明基体は、透明基体の一方の主面上に、透明基体側から拡散層と反射防止膜をこの順で有する。これにより、外光の映り込みを抑制できるとともに、拡散反射光による白みが抑制された、黒みを帯びた質感に優れた反射防止膜付透明基体が得られる。
 本発明の一態様の反射防止膜付透明基体において、透明基体の他方の主面における反射を除去し、一方の主面側に入射角45°で光源を入射させた際の、正反射光に対して-15°、15°、25°、45°、75°及び110°の各角度における拡散反射光のD65光源でのa及びbが下記式(1)~(4)を満たす。
 (1)-6≦a≦2
 (2)-1≦b≦12
 (3)b≦-2a+4
 (4)b≧-2a-5
 本明細書において、上記方法で得られる「-15°、15°、25°、45°、75°及び110°の各角度における拡散反射光」のことを「各角度における拡散反射光」という場合がある。また、「-15°における拡散反射光」という場合、「各角度における拡散反射光」のうちの-15°における拡散反射光を意味し、角度が異なる場合についても同様である。また、特に断りがない限り、a、b及びLはD65光源でのa、b及びLをそれぞれ意味する。
 図2は、各角度における拡散反射光のa及びbの測定方法を例示する模式図である。図2に示す反射防止膜付透明基体1において、透明基体10は、一方の主面11と他方の主面12を備える。一方の主面11上には拡散層31及び反射防止膜30が形成されている。図2に例示される測定方法では、反射防止膜付透明基体1は、他方の主面12に黒テープ20が貼合されることで、他方の主面における反射が除去されている。かかる反射防止膜付透明基体1の一方の主面11側に、光源50から、入射角45°で光を入射させる。入射させる光源としては、可視光全域に発光があるものを使用する。かかる光源としては例えば、高演色性白色LEDなどの白色光源が好適に用いられる。この入射光60の正反射光61を基準(0°)として、拡散反射光71、72、73、74、75及び76はそれぞれ、-15°、15°、25°、45°、75°及び110°における拡散反射光である。なお、ここでは正反射光61を0°として、入射光60がある側に角度が大きくなる方向を+方向、入射光60とは反対側に角度が大きくなる方向を-方向としている。これらの各角度における拡散反射光について、可視光波長の反射率を測定し、D65光源でのL、a及びbを算出する。かかる測定は、例えばコニカミノルタ社製CM-M6を用いて行える。他方の主面における反射を除去する方法としては、図2に例示される通り、例えば他方の主面に黒テープを貼合する方法が挙げられる。他方の主面における反射を除去するのに用いられる黒テープとしては、例えば巴川製紙所社製「くっきりミエール」が挙げられ、黒テープ自体の拡散反射率が低く、透明基体の反射防止膜を備える面の拡散反射率測定への影響が少ないものを用いる。
 本発明者らは鋭意検討の結果、各角度における拡散反射光のa及びbが上述の式(1)~(4)を満たすことで、タイリングした際も色偏差が目立ちにくい反射防止膜付透明基体が得られることを実験的に見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、各角度における反射光のa及びbが互いに異なることは、そのような反射防止膜付透明基体を見る角度によって、色味が変化することを意味する。このように、見る角度によって色味が変化することは、一般的には、タイリングした際に色偏差が目立ちやすい原因となり得る。しかしながら、本発明は、各角度における拡散反射光のa及びbが上述の式(1)~(4)を満たす場合、角度を変えた時の色味の変化が目立ちにくいことを見出したものである。この理由は次のように推測される。すなわち、各角度における拡散反射光のa及びbが上述の式(1)~(4)を満たす場合、見る角度によって、色味は概ね無色~黄緑色の間で変化することとなる。これらの色味の範囲であれば、角度によってa及びbが変化したとしても、その差を感じにくく、色偏差が目立ちにくいものと推測される。また、a及びbが変化し得る領域を限定的な範囲とすることで、角度による色味の変化の大きさが比較的小さくなるため、色偏差が目立ちにくくなると考えられる。さらに、上述の式(1)~(4)を満たすことでタイリングされた際に隣り合う2面の反射防止膜付透明基体の色差が限定的となり、複数の基体のつなぎ目を目立ちにくくする効果も期待できる。
 各角度における拡散反射光のaは、-6≦a≦2である。aは、ディスプレイ消灯時の黒色感を向上する観点から-6以上であり、-5以上が好ましく、-4以上がより好ましい。一方で、aは、反射色を無色~黄緑色に保つ観点から2以下であり、1.5以下が好ましく、1.0以下がより好ましい。
 各角度における拡散反射光のbは、-1≦b≦12である。bは、反射色を無色~黄緑色に保つ観点から-1以上であり、-0.9以上が好ましく、-0.8以上がより好ましい。一方で、bは、反射色の黄緑色が目立ちやすくなるのを抑制する観点から12以下であり、11以下が好ましく、10以下がより好ましい。
 各角度における拡散反射光のa及びbは、b≦-2a+4を満たす。これにより、反射色から赤色成分を低減できるため好ましい。a及びbは、b≦-2a+3.5を満たすことが好ましく、b≦-2a+3を満たすことがより好ましい。
 各角度における拡散反射光のa及びbは、b≧-2a-5を満たす。これにより、反射色から青色成分を低減できるため好ましい。a及びbは、b≧-2a-4.5を満たすことが好ましく、b≧-2a-4を満たすことがより好ましい。
 各角度における拡散反射光のなかでも、入射光の正反射光に近い角度の拡散反射光、例えば-15°、15°及び25°における拡散反射光は、45°、75°及び110°における拡散反射光に比べて明度(L)が大きい傾向がある。そして、明度が大きい拡散反射光の色は、そうでない拡散反射光の色に比べてより強く感じられやすい。かかる観点から、-15°、15°及び25°における拡散反射光のa及びbがゼロに近い値であるか、よりLが小さい値であることが好ましい。これにより、拡散反射光のなかでも、より強く感じやすい角度の光の色味が適切に制御されるので、色偏差をより目立ちにくくできる。
 -15°における拡散反射光のD65光源でのLは、30~60が好ましく、40~55がより好ましい。-15°における拡散反射光のD65光源でのLは30以上が好ましく、70以上がより好ましい。-15°における拡散反射光のD65光源でのLは60以下が好ましく、55以下がより好ましい。-15°の拡散反射光のLがこの範囲にあることで、反射防止膜付透明基体が適度な光拡散性(防眩性)又は低反射性を有し、外光の映り込みを好適に抑制できる。
 15°における拡散反射光のD65光源でのLは、15~35が好ましく、20~30がより好ましい。15°における拡散反射光のD65光源でのLは15以上が好ましく、20以上がより好ましい。また、15°における拡散反射光のD65光源でのLは35以下が好ましく、30以下がより好ましい。15°の拡散反射光のLがこの範囲にあることで、反射防止膜付透明基体が適度な光拡散性(防眩性)又は低反射性を有し、外光の映り込みを好適に抑制できる。
 25°における拡散反射光のD65光源でのLは、5~20が好ましく、7~15がより好ましい。25°における拡散反射光のD65光源でのLは5以上が好ましく、7以上がより好ましい。25°における拡散反射光のD65光源でのLは20以下が好ましく、15以下がより好ましい。25°の拡散反射光のLがこの範囲にあることで、反射防止膜付透明基体が適度な光拡散性(防眩性)又は低反射性を有し、外光の映り込みを好適に抑制できる。
 また、-15°における拡散反射光のD65光源でのLが30~60であり、前記15°における拡散反射光のLが15~35であり、かつ、前記25°における拡散反射光のLが5~20であることが好ましい。これにより、反射防止膜付透明基体がより好適な光拡散性(防眩性)又は低反射性を有し、外光の映り込みを好適に抑制できる。各角度における拡散反射光のLは、a及びbと同様の方法により、例えばコニカミノルタ社製CM-M6を用いて測定及び算出される。
 本発明の一態様の反射防止膜付透明基体において、映り込みを好適に防止する観点から、ヘーズ値は30%以上が好ましく、40%以上がより好ましく、50%以上がさらに好ましい。ヘーズ値は、画像表示装置に用いた際の画像の鮮明さを向上する観点からは、例えば90%以下であることが好ましい。ヘーズ値は30%~90%であってもよい。
 上記のような比較的高いヘーズ値を有する反射防止膜付透明基体は、大型のμ-LEDディスプレイ用途に好適に用いられる。その理由は、第1には、ディスプレイが大型である場合、照明や外光の映り込みがより生じやすいため、映り込みをより好適に防止することが求められるためである。そして、第2には、大型のμ-LEDディスプレイでは画素のピッチが比較的大きいため、ヘーズ値を比較的高くしても、高精細なディスプレイとなりやすいためである。しかしながら、このように比較的ヘーズ値が高い反射防止膜付透明基体においては、拡散反射する成分がより多くなるため、拡散反射光の角度による色味の変化が特に顕著なものとなりやすい。これに対し、本発明によれば、ヘーズ値が比較的高い場合であっても、タイリングした際の色偏差を好適に抑制できる。
 なお、LCDディスプレイ等の用途では、例えばヘーズ値が0~30%程度の反射防止膜付透明基体が好適に用いられる。本発明の効果が得られる範囲であれば、用途等に応じて、ヘーズ値が例えば30%以下、または30%未満であることをなんら妨げるものではない。
 ヘーズ値は、例えば拡散層の表面形状によって調整できる。ヘーズ値は、JIS K 7136:2000によりヘーズメーター(スガ試験機社製 HZ-V3)等を使用して測定される。
 (視感透過率:Y)
 本態様の反射防止膜付透明基体は、視感透過率(Y)が20~90%であるのが好ましい。視感透過率(Y)が上記範囲であれば、適度な光吸収能を有するため、画像表示装置のカバーガラスとして使用した場合に、光の反射を抑制できる。これにより画像表示装置の明所コントラストが向上する。上記視感透過率(Y)は50~90%がより好ましく、60~90%がさらに好ましい。すなわち、視感透過率(Y)は20%以上が好ましく、50%以上がより好ましく、60%以上がさらに好ましい。視感透過率(Y)は90%以下が好ましい。
 なお、視感透過率(Y)は後述の実施例に記載のように、JIS Z 8701(1999年)に規定の手法で測定できる。
 本態様の反射防止膜付透明基体において、視感透過率(Y)を20~90%にするには、例えば反射防止膜の第1誘電体層として、主として、MoおよびWからなるA群から選択される少なくとも1つの酸化物と、Si、Nb、Ti、Zr、Ta、Al、SnおよびInからなるB群から選択される少なくとも1つの酸化物との混合酸化物を用い、膜の酸化量を調整することが好ましい。
 本態様の反射防止膜付透明基体における視感透過率(Y)は、例えば、上述した反射防止膜における、高屈折率層である第1誘電体層の成膜時に酸化源の照射時間、照射出力、基板との距離、酸化ガス量をコントロールすることで、調整可能である。
 (シート抵抗)
 本態様の反射防止膜付透明基体は、反射防止膜のシート抵抗が10Ω/□以上が好ましい。反射防止膜のシート抵抗が上記範囲において、反射防止膜が絶縁性であるため、画像表示装置のカバーガラスとして使用した場合に、タッチパネルを付与しても、静電容量式タッチセンサに必要な指の接触による静電容量の変化が維持され、タッチパネルを機能させられる。上記シート抵抗は10Ω/□以上がより好ましく、10Ω/□以上がさらに好ましい。
 なお、シート抵抗は後述の実施例に記載のように、JIS K 6911(2006年)に規定の手法で測定できる。
 本態様の反射防止膜付透明基体において、反射防止膜のシート抵抗を10Ω/□以上にするには、例えば、反射防止膜中の金属含有量を調整する。
 (D65光源下の透過色でのb値)
 本態様の反射防止膜付透明基体は、D65光源下の透過色でのb値が、5以下が好ましい。上記b値が上記範囲において、透過光が黄色みを帯びていないため、画像表示装置のカバーガラスとしての使用に好適である。上記b値は3以下がより好ましく、2以下がさらに好ましい。また、上記b値の下限値は-6以上が好ましく、-4以上がより好ましい。b値が上記の範囲において、透過光が無色となり、透過光の光を阻害しないため好ましい。D65光源下の透過色でのb値は-6~5であってもよい。
 なお、D65光源下の透過色でのb値は、JIS Z 8729(2004年)に規定の手法で測定できる。
 (透明基体)
 本態様における、二つの主面を有する透明基体(以下、単に透明基体ともいう)は、屈折率が1.4以上1.7以下であるのが好ましい。透明基体の屈折率が上記範囲であれば、ディスプレイやタッチパネルなどを光学的に接着する場合、接着面における反射を十分に抑制できる。屈折率は、より好ましくは1.45以上、さらに好ましくは1.47以上であり、また、より好ましくは1.65以下、さらに好ましくは1.6以下である。
 透明基体は、ガラス及び樹脂の少なくとも一方を含むのが好ましい。より好ましくは、透明基体はガラス及び樹脂の両方を含む。透明基体がガラスを含むことで、反射防止膜付透明基体の強度、平坦性、および耐久性を優れたものにできる。また、後述する樹脂基体-アンチグレア層で形成される積層体をガラス基体上に貼合することで、拡散層を形成しやすい。この方法で拡散層が形成された反射防止膜付透明基体において、透明基体はガラス及び樹脂の両方を含むこととなる。
 透明基体がガラスを含む場合、ガラスの種類は特に制限されず、種々の組成を有するガラスを使用できる。なかでも、上記ガラスはナトリウムを含むのが好ましく、また、成形、化学強化処理による強化が可能な組成が好ましい。かかるガラスとして、具体的には例えば、アルミノシリケートガラス、ソーダライムガラス、ホウ珪酸ガラス、鉛ガラス、アルカリバリウムガラス、アルミノホウ珪酸ガラス等が挙げられる。
 なお、本明細書において、透明基体がガラスを含む場合、当該透明基体はガラス基体ともいう。
 ガラス基体の厚みは、特に制限はないが、ガラスに化学強化処理を行う場合は、化学強化を効果的に行うために、例えば5mm以下が好ましく、3mm以下がより好ましく、1.5mm以下がさらに好ましい。また、厚みは例えば0.2mm以上である。ガラス基体の厚みは0.2mm~5mmであってもよい。
 ガラス基体は、化学強化された化学強化ガラスが好ましい。これにより、反射防止膜付透明基体としての強度が高まる。なお、ガラス基体に後述する防眩処理を施す場合は、化学強化は防眩処理の後、反射防止膜(多層膜)を形成する前に行うことが好ましい。
 透明基体が樹脂を含む場合、樹脂の種類は特に制限されず、種々の組成を有する樹脂を使用できる。なかでも、上記樹脂は、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂が好ましく、例えば、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース系樹脂、アクリル樹脂、AS(アクリロニトリル-スチレン)樹脂、ABS(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン)樹脂、フッ素系樹脂、熱可塑性エラストマー、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリ乳酸系樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂等が挙げられる。これらのなかでもセルロース系樹脂が好ましく、トリアセチルセルロース樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
 上記樹脂は、可視光透明性に優れる点や入手しやすさの観点から、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、アクリル、シリコーン及びトリアセチルセルロースから選択される少なくとも1つの樹脂を含むのが特に好ましい。
 なお、本明細書において、透明基体が樹脂を含む場合、当該透明基体は樹脂基体ともいう。
 樹脂基体の形状はフィルム状が好ましい。樹脂基体がフィルム状の場合、すなわち樹脂フィルムである場合、その厚みは特に制限されないが、20~300μmが好ましく、30~130μmがより好ましい。
 透明基体がガラスおよび樹脂の両方を含む場合とは、例えばガラス基体と樹脂基体とを積層した複合基体である場合が挙げられる。より具体的には、透明基体は例えば上記ガラス基体上に上記樹脂基体を備える態様であってもよい。
 (拡散層)
 本態様における拡散層は、透明基体の一方の主面上に設けられる。拡散層とは、正反射光を拡散させ、眩しさや映り込みを低減させる機能を有する層を意味し、ハードコート層に正反射光を拡散させる機能(防眩性)が付与されたアンチグレア層等が挙げられる。
 アンチグレア層は、その片面が凹凸形状を有することで、外部散乱もしくは内部散乱によって、ヘーズ値を高くし、防眩性を付与する。アンチグレア層は、少なくともそれ自身が防眩性を有する粒子状の物質を、バインダーとしての高分子樹脂を溶解した溶液中に分散させてなる、アンチグレア層組成物から形成される。アンチグレア層は、上記アンチグレア層組成物を、例えば透明基体の一方の主面に塗布することで形成できる。
 前記防眩性を有する粒子状の物質としては、例えば、シリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、珪酸アルミニウム、酸化チタン、合成ゼオライト、アルミナ、スメクタイトなどの無機微粒子の他、スチレン樹脂、ウレタン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂等を含む有機微粒子が挙げられる。
 また、前記ハードコート層あるいは前記アンチグレア層のバインダーとしての高分子樹脂には、例えば、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルウレタン系樹脂、ポリエステルアクリレート系樹脂、ポリウレタンアクリレート系樹脂、エポキシアクリレート系樹脂、ウレタン系樹脂等を含む高分子樹脂を使用できる。
 本態様において、拡散層が透明基体上に直接形成されてもよいし、予め樹脂基体-アンチグレア層で構成される積層体を用意し、これをガラス基体等に貼合することで、ガラス基体と樹脂基体との複合基体上に拡散層を備える構成を得てもよい。かかる積層体は、好ましくはフィルム状の樹脂基体上に拡散層が形成されたものである。この方法によれば、より簡便に拡散層を形成しやすい。
 樹脂基体-アンチグレア層で構成される積層体として、具体的には、例えば、アンチグレアPETフィルムやアンチグレアTACフィルムが挙げられる。アンチグレアPETフィルムとしては、東山フィルム株式会社製、商品名:BHC-IIIやEHC-30a、株式会社麗光製のもの等が挙げられる。また、アンチグレアTACフィルムとしては、アンチグレアTACフィルム(トッパンTOMOEGAWAオプティカルフィルム社製、商品名VZ50)、アンチグレアTACフィルム(トッパンTOMOEGAWAオプティカルフィルム社製、商品名VH66H)等が用いられる。
 また、透明基体に表面処理を施すことによって、透明基体そのものの表層に拡散層を形成してもよい。
 例えば、ガラス基体を用いる場合、ガラス主面に対し表面処理を施し、所望の凹凸を形成する方法を利用できる。
 具体的には、ガラス基体の主面に化学的処理を行う方法、例えばフロスト処理を施す方法が挙げられる。フロスト処理は、例えば、フッ化水素とフッ化アンモニウムの混合溶液に、被処理体であるガラス基体を浸漬し、浸漬面を化学的に表面処理できる。
 また、フロスト処理のような化学的処理による方法以外にも、例えば、結晶質二酸化ケイ素粉、炭化ケイ素粉等を加圧空気でガラス基体の表面に吹きつけるいわゆるサンドブラスト処理や、結晶質二酸化ケイ素粉、炭化ケイ素粉等を付着させたブラシを水で湿らせたもので磨く等の物理的処理による方法も利用できる。
 このような拡散層を備える反射防止膜付透明基体は、拡散層が有する凹凸形状に由来して、表面に凹凸形状を有することとなる。反射防止膜付透明基体のSa(算術平均表面粗さ)は0.05~0.6μmが好ましく、0.05~0.55μmがより好ましい。Saがこの範囲であることにより、反射像の映り込みが抑制されやすくなるため好ましい。Saは、ISO25178に規定されており、例えば、キーエンス社製のレーザー顕微鏡VK-X3000を用いて測定できる。
 反射防止膜付透明基体は、キーエンス社製のレーザー顕微鏡VK-X3000等を用いた測定により得られる表面積から算出される、展開面積比Sdr(以下、単に「Sdr」ともいう)が、0.001~0.4が好ましく、0.0025~0.2がより好ましい。Sdrがこの範囲であることにより、反射像の映り込みが抑制されやすくなるため好ましい。
 Sdrは、ISO25178に規定されており、下記式で表される。
  展開面積比Sdr={(A-B)/B}
   A:測定領域における実際の凹凸が反映された表面積(展開面積)
   B:測定領域における凹凸のない平面の面積
 反射防止膜付透明基体のSdq(二重平均平方根傾斜)は、0.03~0.50が好ましく、0.07~0.49がより好ましい。Sdqがこの範囲であることにより、反射像の映り込みが抑制されやすくなるため好ましい。Sdqは、ISO25178に規定されており、例えばキーエンス社製のレーザー顕微鏡VK-X3000で測定できる。
 反射防止膜付透明基体のSpc(表面の山頂点の主曲率の平均)は、150~6000(1/mm)が好ましい。Spcがこの範囲であることにより、反射像の映り込みが抑制されやすくなるため好ましい。Spcは、ISO25178に規定されており、例えば、キーエンス社製レーザー顕微鏡VK-X3000を用いて測定できる。
 なお、上記のSa、Sdr、Sdq及びSpcは、反射防止膜付透明基体の、拡散層及び反射防止膜を備える側の主面について測定される値をいう。
 (バリア層)
 樹脂基体-アンチグレア層で構成される積層体をガラス基体等に貼合する方法で拡散層を形成する場合など、透明基体が樹脂基体を含む場合、拡散層と反射防止膜との間にバリア層を備えることが好ましい。バリア層を樹脂透明基体と反射防止膜の間に設けることで、樹脂基体から反射防止膜に侵入しようとする水分や酸素の影響を抑制でき、光学特性が変化しにくくなるなどの利点があるため好ましい。バリア層としては、例えば金属窒化膜や金属酸化膜等が挙げられ、具体的にはSiN膜、SiO膜等が挙げられるが、光学特性の変化をより効果的に抑制する観点からはSiN膜がより好ましい。バリア層の厚みは、反射防止膜への水分等の侵入を抑制する観点から2nm以上が好ましく、4nm以上がさらに好ましく、8nm以上が特に好ましい。一方で、反射防止膜付透明基体の反射率の上昇を抑制する観点から、厚みは50nm以下が好ましい。バリア層は例えば、スパッタリング法、真空蒸着法や塗布法などの公知の成膜方法を用いて形成できる。
 (反射防止膜)
 本態様における反射防止膜は、光の反射を抑制する機能を有するものであり、例えば互いに屈折率が異なる誘電体層を少なくとも2層積層させた積層構造を有する。
 図1に示す反射防止膜(多層膜)30は、互いに屈折率が異なる第1誘電体層32、第2誘電体層34を2層積層させた積層構造である。互いに屈折率が異なる第1誘電体層32、第2誘電体層34を積層させることにより、光の反射を抑制する。例えば、図1において第1誘電体層32が高屈折率層であり、第2誘電体層34が低屈折率層である。
 反射防止膜は、互いに屈折率が異なる誘電体層を少なくとも2層積層させた積層構造であり、前記誘電体層のうち少なくとも1層が、主として、Siの酸化物で構成されており、前記積層構造の層のうち別の少なくとも1層が、主として、MoおよびWからなるA群から選択される少なくとも1つの酸化物と、Si、Nb、Ti、Zr、Ta、Al、SnおよびInからなるB群から選択される少なくとも1つの酸化物との混合酸化物で構成され、該混合酸化物に含まれるA群の元素と該混合酸化物に含まれるB群の元素との合計に対する、該混合酸化物に含まれるB群の元素の含有率が65質量%以下であることが好ましい。また主としてSiの酸化物で構成される層は、反射率に影響がない範囲でNb、Ti、Zr、Ta、Al、Sn、W、MoおよびInから選択される少なくとも1つの酸化物を含有していてもよい。反射防止膜が上記構成を有することで、可視光で均一な光吸収能を有し、絶縁性である反射防止膜が得られる。反射防止膜が光吸収能を有することで、例えば拡散層上に反射防止膜が形成された構成において、拡散層の表面(すなわち、反射防止膜よりも透明基体側)で反射される光をある程度吸収できる。これにより、拡散層での拡散反射による白みをより効果的に抑制できるため、画像表示装置に用いた際の画面消灯時の黒みを帯びた質感をより一層高めることができる。また、反射防止膜が絶縁性であることで、反射防止膜付透明基体をタッチパネル等の用途にも好適に使用できる。また、誘電体層の含有成分を適切な範囲に設定することで、例えば温度が80℃や95℃などの高温環境や、温度及び湿度が65℃95%や85℃85%などの高温高湿環境、強いUV光が照射される環境や雨が当たる環境などの過酷な環境においても、光学特性や外観に変化が少ない反射防止膜を得ることができる。
 図1に示す反射防止膜(多層膜)30において、第1誘電体層32(高屈折率層)は、主として、MoおよびWからなるA群から選択される少なくとも1つの酸化物と、Si、Nb、Ti、Zr、Ta、Al、SnおよびInからなるB群から選択される少なくとも1つの酸化物との混合酸化物で構成されることが好ましい。そして、該混合酸化物は、該混合酸化物に含まれるA群の元素と該混合酸化物に含まれるB群の元素との合計に対する、該混合酸化物に含まれるB群の元素の含有率(以下、B群含有率と記載する。)が65質量%以下であることが好ましい。ここで「主として」とは、第1誘電体層32の中で最も含有量(質量基準)の多い成分を意味し、例えば該当する成分を70質量%以上含んで構成されることを意味する。
 MoおよびWからなるA群から選択される少なくとも1つの酸化物と、Si、Nb、Ti、Zr、Ta、Al、SnおよびInからなるB群から選択される少なくとも1つの酸化物の混合酸化物で構成される、第1誘電体層(A-B-O)32におけるB群含有率が65質量%以下であると、透過光が黄色みを帯びるのを抑制できる。
 A群から選択される少なくとも1つの酸化物としてはMo、又はMo及びWが好ましく、B群から選択される少なくとも1つの酸化物としては、Nbが好ましい。すなわち、第1誘電体層は、Mo及びNbの混合酸化物又はMo、W及びNbの混合酸化物であることが好ましく、Mo、W及びNbの混合酸化物であることがより好ましい。
 後述する通り、第2誘電体層は例えば酸素欠損している酸化ケイ素層であってもよい。ここで、従来酸素欠損している酸化ケイ素層は可視光において黄色を帯びるが、第1誘電体層がMo及びNbの混合酸化物又はMo、W及びNbの混合酸化物であると、酸化ケイ素層が黄色を帯びるのを抑制できるため好ましい。また、酸化ケイ素層は信頼性を向上させる目的でNb、Ti、Zr、Ta、Al、Sn、W、MoおよびInから選択される少なくとも1つの酸化物を含有していてもよく、それぞれの酸化物が酸素欠損していてもよい。さらに、上述したような比較的高いヘーズを有する、すなわち表面凹凸が比較的大きい拡散層上に第2誘電体層を成膜する場合、成膜時に高い酸化安定性が求められる。第1誘電体層がMo、W及びNbの混合酸化物であると、成膜時の酸化安定性に優れやすく、より好ましい。
 上記第1誘電体層32の波長550nmにおける屈折率は、透明基体との透過率の観点から、1.8~2.3が好ましい。
 上記第1誘電体層32の消衰係数は0.005~3が好ましく、0.04~0.38がより好ましい。消衰係数が0.005以上であれば、所望の吸収率を適切な層数で実現できる。また消衰係数が3以下であれば、反射色味と透過率との両立が比較的実現しやすい。
 第2誘電体層34(低屈折率層)は、主として、Siの酸化物(SiO)で構成されることが好ましい。ここで「主として」とは、第2誘電体層34の中で最も含有量(質量基準)の多い成分を意味し、例えば該当する成分を70質量%以上含んで構成されることを意味する。第2誘電体層34(低屈折率層)が主としてSiの酸化物(SiO)で構成されることで、低屈折率となり、反射率低減効果が高くなるため好ましい。なお、SiOは、完全酸化された酸化ケイ素(SiO)であってもよいが、光学信頼性や耐擦傷性を高める観点からは、酸素が欠損した酸化ケイ素であることが好ましい。また、酸化ケイ素層は信頼性を向上させる目的でNb、Ti、Zr、Ta、Al、Sn、W、MoおよびInから選択される少なくとも1つの酸化物を含有していてもよく、それぞれの酸化物が酸素欠損していてもよい。
 図1に示す反射防止膜(多層膜)30は、第1誘電体層32と、第2誘電体層34とを積層させた、計2層の積層構造であるが、本態様における反射防止膜(多層膜)はこれに限定されず、互いに屈折率が異なる誘電体層を3層以上積層させた積層構造であってもよい。この場合、全ての誘電体層の屈折率が異なる必要はない。すなわち、積層構造は、隣り合う層の屈折率が異なるように誘電体層を2層以上積層させた積層構造であってもよく、積層数は3層以上であってもよい。例えば、3層積層構造の場合、低屈折率層、高屈折率層、低屈折率層の3層積層構造や、高屈折率層、低屈折率層、高屈折率層の3層積層構造とできる。前者の場合は2層存在する低屈折率層同士、後者の場合は2層存在する高屈折率層同士がそれぞれ同一の屈折率であってもよい。4層積層構造の場合、低屈折率層、高屈折率層、低屈折率層、高屈折率層の4層積層構造や、高屈折率層、低屈折率層、高屈折率層、低屈折率層の4層積層構造とできる。この場合、それぞれ2層存在する低屈折率層同士および高屈折率層同士の少なくとも一方が同一の屈折率であってもよい。
 互いに屈折率が異なる層を3層以上積層させた積層構造の場合、第1誘電体層(A-B-O)32および第2誘電体層(SiO)34以外の誘電体層を含んでいてもよい。この場合、第1誘電体層(A-B-O)32および第2誘電体層(SiO)34を含めて低屈折率層、高屈折率層、低屈折率層の3層積層構造、若しくは、高屈折率層、低屈折率層、高屈折率層の3層積層構造、あるいは、低屈折率層、高屈折率層、低屈折率層、高屈折率層の4層積層構造、若しくは、高屈折率層、低屈折率層、高屈折率層、低屈折率層の4層積層構造となるように各層を選択する。
 ただし、最表面の層は第2誘電体層(SiO)34であることが好ましい。低反射性を得るためには最表面の層が第2誘電体層(SiO)であれば比較的容易に作製できる。また、反射率は多少上昇する場合があるが、第2誘電体層は信頼性を向上させる目的でNb、Ti、Zr、Ta、Al、Sn、W、MoおよびInから選択される少なくとも1つの酸化物を含有していてもよい。反射率上昇を抑制するために、Si以外の金属の含有率は酸素を除いて30at%以下が望ましく、20at%以下がより好ましく、15at%以下がさらに好ましい。また、反射防止膜30に、後述する防汚膜を形成する場合、防汚膜の耐久性に関わる結合性の観点から、防汚膜は第2誘電体層(SiO)上に形成することが好ましい。
 第1誘電体層(A-B-O)32はアモルファスであることが好ましい。アモルファスであれば、比較的低温で作成でき、透明基体が樹脂を含む場合などに、樹脂が熱でダメージを受けることがなく、好適に適用できる。
 なお、光吸収能を有し、かつ、絶縁性の光透過膜としては、半導体製造分野で用いられるハーフトーンマスクが知られている。ハーフトーンマスクとしては、Moを少量含むMo-SiO膜のような酸素欠損膜が用いられる。また、光吸収能を有し、かつ、絶縁性の光透過膜としては、半導体製造分野で用いられる狭バンドギャップ膜が知られている。
 しかしながら、これらの光透過膜は可視光線のうち、短波長側の光線吸収能が高いため、透過光が黄色みを帯びる。そのため、画像表示装置のカバーガラスには不適であった。
 本発明の好ましい態様においては、MoやWの含有率を高めた第1誘電体層32と、SiO等で構成される第2誘電体層34とを有することで、光線吸収能を有し、絶縁性であり、かつ、密着性および強度に優れた反射防止膜付透明基体が得られる。
 本態様における反射防止膜30は、スパッタリング法、真空蒸着法や塗布法などの公知の成膜方法を用いて、透明基体の主面上に形成できる。すなわち、反射防止膜30を構成する誘電体層を、その積層順に応じて、拡散層31の主面上にスパッタリング法、真空蒸着法や塗布法などの公知の成膜方法を用いて形成する。
 スパッタリング法としては、マグネトロンスパッタ、パルススパッタ、ACスパッタ、デジタルスパッタ等の方法が挙げられる。
 例えば、マグネトロンスパッタ法は、母体となる誘電体材料の裏面に磁石を設置して磁界を発生させ、ガスイオン原子が前記誘電体材料表面に衝突し、叩き出されることにより数nmの厚さでスパッタ成膜する方法であり、誘電体材料の酸化物または窒化物である誘電体の連続膜を形成できる。
 また、例えば、デジタルスパッタ法は、通常のマグネトロンスパッタリング法とは異なり、まずスパッタリングによって金属の極薄膜を形成してから、酸素プラズマあるいは酸素イオンあるいは酸素ラジカルを照射することによって酸化する、という工程を同一チャンバ内で繰り返して金属酸化物の薄膜を形成する方法である。この場合、成膜分子が基体に着膜した時は金属であるので、金属酸化物で着膜する場合に比べて延性があると推察される。したがって同じエネルギーでも成膜分子の再配置は起こりやすくなり、結果的に密で平滑な膜ができると考えられる。
 なお、上記では反射防止膜の好ましい構成の一例を挙げたが、反射防止膜の構成はこれに限定されない。例えばディスプレイの輝度を高く保ちたい際などは、光吸収能を有しないまたは、比較的高透過であり、反射防止膜付透明基体としての視感透過率が90%以上となるような反射防止膜が好適に用いられる場合がある。このような、高透過な反射防止膜を含む反射防止膜付透明基体においても、各角度における拡散反射光のa及びbが上述の範囲内にあれば、タイリングした際の色偏差を抑制する効果が得られる。高透過な反射防止膜の構成としては、例えば、低屈折率層を上述の第2誘電体層34と同様にしつつ、高屈折率層は光吸収能を有しない又は高透過な層とした構成が例示される。この場合の高屈折率層としては、例えば、主としてTiの酸化物(TiO)で構成される層や、Nbの酸化物(NbO)で構成される層、Taの酸化物(TaO)で構成される層等が挙げられ、低反射化の観点からは主としてTiの酸化物(TiO)で構成される層が好ましい。この場合も、反射防止膜を形成する各層はスパッタリング法、真空蒸着法や塗布法などの公知の成膜方法を用いて成膜できる。
 高透過な反射防止膜を備える場合の反射防止膜付透明基体の視感透過率(Y)は、例えば、90~96%であってもよく、93~96%であることが好ましい。
 (防汚膜)
 本態様の反射防止膜付透明基体は、反射防止膜の最表面を保護する観点から、上記反射防止膜上に、さらに防汚膜(「Anti Finger Print(AFP)膜」ともいう)を有してもよい。防汚膜は例えば、フッ素含有有機ケイ素化合物により構成できる。フッ素含有有機ケイ素化合物としては、防汚性、撥水性、撥油性を付与できれば特に限定されずに使用でき、例えば、ポリフルオロポリエーテル基、ポリフルオロアルキレン基及びポリフルオロアルキル基からなる群から選ばれる1つ以上の基を有するフッ素含有有機ケイ素化合物が挙げられる。なお、ポリフルオロポリエーテル基とは、ポリフルオロアルキレン基とエーテル性酸素原子とが交互に結合した構造を有する2価の基のことである。
 また、市販されているポリフルオロポリエーテル基、ポリフルオロアルキレン基及びポリフルオロアルキル基からなる群から選ばれる1つ以上の基を有するフッ素含有有機ケイ素化合物として、KP-801(商品名、信越化学工業株式会社製)、KY178(商品名、信越化学工業株式会社製)、KY-130(商品名、信越化学工業株式会社製)、KY-185(商品名、信越化学社工業株式会製)オプツール(登録商標)DSXおよびオプツールAES(いずれも商品名、ダイキン工業株式会社製)などが好ましく使用できる。
 本態様の反射防止膜付透明基体が防汚膜を有する場合、防汚膜は反射防止膜上に設けられることになる。透明基体の二つの主面両方の側に反射防止膜を設ける場合には、両方の反射防止膜上に防汚膜を成膜することもできるが、何れか一方の主面側についてのみ防汚膜を積層する構成としてもよい。これは、防汚膜は人の手等が接触する可能性がある場所について設けられていればよいためであり、その用途等に応じて選択できる。
 (反射防止膜付透明基体の製造方法)
 本態様の反射防止膜付透明基体の製造方法は特に限定されないが、例えば、透明基体上に拡散層及び反射防止膜をこの順で形成することを含む方法によって製造できる。また、必要に応じて、バリア層、防汚膜といった層を形成することをさらに含んでいてもよい。
 各層を形成する方法は上述した通りであるが、各角度における拡散反射光のa及びbが上述の式(1)~(4)を満たすためには、反射防止膜の膜構成、反射防止膜付透明基体の視感透過率(Y)といった値を適切に調整することが好ましい。また、高透過率な反射防止膜付透明基体の場合は透過率による適正化が困難なため、より厳密に反射防止膜の各層膜厚を調整することが好ましい。具体的な調整方法としては波長500nmから600nm程度の黄緑色光に対する正反射率について、複数の光入射角において波長450nmから500nmの青色光や波長600nmから650nmの赤色光よりも高反射化することが好ましい。これにより、正反射色を複数の光入射角で黒色(無色)から黄緑色に保つことができ、その結果複数の入射角での拡散反射色についても黒色(無色)から黄緑色に保つことができる傾向がある。正反射色の角度依存性については薄膜シミュレーションソフトを用いることで簡便に予測することができる。また、(1)~(4)を満たすことで、特に明度の大きい-15°から45°にかけて反射色は黄緑を維持しながら徐々に明度が変化するため、目視で確認した時に特に違和感が少ない構成とすることができる。
 例えば、高屈折率層がMo、W及びNbの混合酸化物層であり、低屈折率層がSiO層である場合、以下を満たすことで、各角度における拡散反射光のa及びbが上述の式(1)~(4)を満たす反射防止膜付透明基体を得やすい傾向がある。
 例えば、反射防止膜の総膜厚は200nm~250nmが好ましく、210nm~245nmがより好ましい。これにより、拡散反射色の角度依存性、すなわち角度による拡散反射光の色味の変化が増大するのを抑制でき、式(1)~(4)を満たしやすい傾向がある。
 また、反射防止膜の層数は、4~8層が好ましく、4~6層がより好ましい。これにより、量産性を確保しながら拡散反射色の角度依存性が増大するのを抑制でき、式(1)~(4)を満たしやすい傾向がある。
 また、各層の膜厚については、第一層目の高屈折率層の膜厚が最も重要であり、1~25nmが好ましく、2~15nmがより好ましい。これにより、拡散反射色の角度依存性、すなわち角度による拡散反射光の色味の変化が増大するのを抑制でき、式(1)~(4)を満たしやすい傾向がある。
 (用途)
 本態様の反射防止膜付透明基体は、画像表示装置のカバーガラス、特に、例えば大型のμ-LEDディスプレイなど、複数のディスプレイ(例えば、LEDパネル等)をタイリングして得られるディスプレイのカバーガラスに好適に用いられる。あるいは、本態様の反射防止膜付透明基体は、反射防止膜付透明基体に求められるヘーズが比較的高く、角度による色味の変化がより顕著となりやすい場合にも好適に用いられる。また、本態様の反射防止膜付透明基体は、この他にも液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、電子ペーパーディスプレイといった種々の画像表示装置のカバーガラスに好適に用いられる。
 (画像表示装置)
 本発明の一態様の画像表示装置は、上記反射防止膜付透明基体を備える。画像表示装置としては、タイリングして用いられる小型ディスプレイ(例えば、LEDパネル等)上に上記の反射防止膜付透明基体を備える態様や、これをタイリングして得られる大型ディスプレイ、好ましくは大型のμ-LEDディスプレイの態様が挙げられる。また、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、電子ペーパーディスプレイといった種々のディスプレイ上に上記反射防止膜付透明基体を設けた態様が挙げられる。
 以下に実施例を挙げ、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されない。例1及び例2は比較例であり、例3及び例4は実施例である。
 (評価)
 各例の反射防止膜付透明基体に対し、以下の評価を行った。
 (各角度における拡散反射光のa
 反射防止膜付透明基体の、拡散層及び反射防止膜を有しない主面(他方の主面)に黒テープ(巴川製紙所社製、くっきりミエール)を貼り付けた。これにより、他方の主面における反射を除去しながら、拡散層及び反射防止膜を有する主面(一方の主面)に入射角45°で光源を入射させた。この正反射光に対する角度が-15°、15°、25°、45°、75°及び110°の各拡散反射光について、可視光波長の反射率を測定し、D65光源でのa、b及びLを算出した(拡散反射色)。なお、測定はコニカミノルタ社製CM-M6を用いて行った。
 (ヘーズ)
 作製した反射防止膜付透明基体のヘーズ値(透過ヘーズ)はJIS K 7136:2000によりヘーズメーター(スガ試験機社製 HZ-V3)を使用して測定した。
 (視感透過率:Y)
 作製した反射防止膜付透明基体において、反射防止膜の最表面の視感透過率(Y)は、JIS Z 8701(1999年)に規定の手法で測定した。なお、本明細書においては、反射防止膜の最表面の視感透過率(Y)を反射防止膜付透明基体における視感透過率(Y)とした。具体的には、透明基体の二つの主面のうち、反射防止膜側の主面ではない、もう一方の主面に黒色テープを貼ることで、裏面反射を除去した状態で、分光光度計(島津製作所社製、商品名:SolidSpec-3700)により分光透過率を測定し、計算により視感透過率(JIS Z 8701(1999年)において規定されている刺激値Y)を求めた。
 (反射防止膜付透明基体のD65光源下の透過色(b値))
 上記の分光透過率を測定して得られた透過スペクトルから、JIS Z 8729(2004年)において規定されている色指標(b値)を求めた。光源はD65光源を用いた。
 (色偏差評価)
 各例につき、同じ条件で作製した反射防止膜付透明基体を16枚用意して試験を行った。例えば例1の場合、例1の条件および例1条件から僅かに各層の膜厚を変化させて作製した反射防止膜付透明基体を16枚用意し、拡散層及び反射防止膜を有しない主面(他方の主面)に黒テープ(巴川製紙所社製、くっきりミエール)を貼った後、これを縦4個×横4個、隙間なく並べて配置(タイリング)した。タイリング後の反射防止膜付透明基体について、色偏差を下記の基準により目視で評価した。他の例についても同様に試験を行った。評価結果を表1に示す。
 良:反射防止膜付透明基体の拡散層及び反射防止膜を有する側の主面(一方の主面)に白色LED照明を映り込ませて様々な角度から見た時、反射防止膜付透明基体に映り込んだ白色照明が無彩色から黄緑色のみに見え、各基体の色の差が目立たない結果であった。また正面視では反射防止膜付透明基体の黒色感が強く、ディスプレイの表面材としてとても良好な品位が得られた。
 不可:反射防止膜付透明基体の拡散層及び反射防止膜を有する側の主面(一方の主面)に白色LED照明を映り込ませて様々な角度から見た時、反射防止膜付透明基体に映り込んだ白色照明が無彩色、赤色、青色、緑色など様々な色に見えてしまい、各基体の色の差が目立つ結果であった。
 (例1)
 以下の方法で、透明基体の一方の主面上に拡散層と反射防止膜をこの順で形成して、反射防止膜付透明基体を作製した。なお、透明基体としては、後述するように、ガラス基体上に樹脂基体を備える態様とした。
 (拡散層の形成)
 縦50mm×横50mm×厚さ1.1mmの化学強化ガラス基板(ドラゴントレイル:登録商標、AGC株式会社製)の一方の主面上に、積層体(樹脂フィルム+アンチグレア層)として、アンチグレアPETフィルム(株式会社麗光製、Sa:0.259μm、Sdr:0.0620、Sdq:0.361、Spc:1703(1/mm)、ヘーズ値:60%)をアクリル粘着剤(透明粘着剤)により貼合することで、透明基体上に拡散層を設けた。なお、ここでのSa、Sdr、Sdq及びSpcは、拡散層の上に反射防止膜が形成されていない状態で測定された値であるが、反射防止膜を形成後の反射防止膜付透明基体におけるSa、Sdr、Sdq及びSpcも上記値からの変化は少なく、上述した好ましい範囲内にあるものと考えられる。
 (バリア層の成膜)
 次いで、拡散層上に、バリア層として表1に示す膜厚のSiN層を形成した。例えば、例1ではバリア層の膜厚は15nmである。
 バリア層はデジタルスパッタ法にてシリコンターゲットを用いて、アルゴンガスで圧力を0.2Paに保ちながら、周波数100kHz、電力密度10.0W/cm、反転パルス幅3μsecの条件でパルススパッタリングを行い、微小膜厚のシリコン膜を成膜し、その直後に窒素ガスで窒化させることを高速で繰り返すことによりシリコン窒化膜を成膜し、所定の膜厚の窒化ケイ素(SiN)からなる層を成膜した。ここで、窒素ガスで窒化させるときの窒素流量は800sccm、窒化源の投入電力は600Wであった。
 (反射防止膜の成膜)
 次いで、バリア層上に、NMWO層(高屈折率層)とSiO層(低屈折率層)を交互に成膜することにより、表1に示す膜構成を有する反射防止膜を形成した。なお、NMWO層とは、Nb、Mo及びWの混合酸化物層を意味する。例えば、表1における例1の反射防止膜の膜構成は、バリア層上にNMWO層を4nm成膜し、次いでSiO層を33nm成膜し、次いでNMWO層を110nm成膜し、次いでSiO層を81nm成膜することで、4層からなる膜構成の反射防止膜を成膜したことを意味する。SiO層及びNMWO層の成膜方法はそれぞれ次の通りである。
 (NMWO層の成膜)
 デジタルスパッタ法にて、ニオブ、モリブデン及びタングステンを重量比で45:30:25の割合で混合して焼結したターゲットを用いて、アルゴンガスで圧力を0.2Paに保ちながら、周波数100kHz、電力密度10.0W/cm、反転パルス幅3μsecの条件でパルススパッタリングを行い、微小膜厚の金属膜を成膜し、その直後に酸素ガスで酸化させることを高速で繰り返すことにより酸化膜を成膜することで、所定の膜厚のNMWO層を成膜した。なお、この方法で成膜したNMWO層について、アルゴンイオンスパッタリングを用いたX線光電子分光法(XPS)深さ方向組成分析により組成を測定したところ、酸素を除いてNbが51.9at%、Moが33.5at%、Wが14.6at%であり、B群元素含有率は45重量%であった。
 (SiO層の成膜)
 デジタルスパッタ法にてシリコンターゲットを用いて、アルゴンガスで圧力を0.2Paに保ちながら、周波数100kHz、電力密度10.0W/cm、反転パルス幅3μsecの条件でパルススパッタリングを行い、微小膜厚のシリコン膜を成膜し、その直後に酸素ガスで酸化させることを高速で繰り返すことによりシリコン酸化膜を成膜し、所定の膜厚の酸化ケイ素[シリカ(SiO)]からなる層を成膜した。ここで、酸素ガスで酸化させるときの酸素流量は500sccm、酸化源の投入電力は1000Wであった。
 (防汚膜の成膜)
 フッ素含有有機ケイ素化合物としてKY-185(商品名、信越化学工業株式会社製)を金属製のるつぼ(蒸発源)に投入し、230~350℃で加熱蒸発させた。蒸発した粒子を、基板を設置した真空状態のチャンバへと蒸発拡散させて基板表面に付着させた。水晶振動子による制御により、蒸着レートのモニタリングを行いながら、厚さ4nmの防汚膜を形成した。
 (例2)
 反射防止膜の膜構成を表1に示す通りに変更し、6層からなる膜構成の反射防止膜を成膜した点以外は例1と同様にして反射防止膜付透明基体を得た。
 (例3)
 反射防止膜の膜構成を表1に示す通りに変更し、かつ、NMWO層の成膜方法を次の通りに変更して、6層からなる膜構成の反射防止膜を成膜した点以外は例1と同様にして反射防止膜付透明基体を得た。
 (NMWO層の成膜)
 デジタルスパッタ法にてニオブ、モリブデン及びタングステンを重量比で24:30:46の割合で混合して焼結したターゲットを用いて、アルゴンガスで圧力を0.2Paに保ちながら、周波数100kHz、電力密度10.0W/cm、反転パルス幅3μsecの条件でパルススパッタリングを行い、微小膜厚の金属膜を成膜し、その直後に酸素ガスで酸化させることを高速で繰り返すことにより酸化膜を成膜することで、所定の膜厚のNMWO層を成膜した。反射防止膜の透過率はNMWO層の酸化度を調整することで調整した。なお、この方法で成膜したNMWO層について、アルゴンイオンスパッタリングを用いたX線光電子分光法(XPS)深さ方向組成分析により組成を測定したところ、酸素を除いてNbが31.5at%、Moが38.1at%、Wが30.5at%であり、B群元素含有率は24重量%であった。
 (例4)
 反射防止膜の膜構成を表1に示す通りに変更し、かつ、反射防止膜付透明基体の視感透過率Yが55%となるように高屈折率材料の酸化度を調整して、4層からなる膜構成の反射防止膜を成膜した点以外は例3と同様にして反射防止膜付透明基体を得た。
 各例で得られた反射防止膜付透明基体について、上述の評価を行った結果を表1に示す。また、各拡散反射光について測定したa及びbを図3に示す。図3において、(a)~(d)は例1~例4の各角度における拡散反射光のa及びbをそれぞれ示す図である。各図において、点線で示した領域内にプロットが位置すれば、式(1)~(4)を全て満たすことを意味する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 表1の結果から、実施例である例3、例4では、各拡散反射光について測定したa及びbが式(1)~(4)を全て満たすことで、タイリングした際の色のばらつきを抑制できることが確認された。
 以上説明したように、本明細書には次の事項が開示されている。
1.二つの主面を有する透明基体及び該透明基体の一方の主面上に、前記透明基体側から拡散層と反射防止膜をこの順で有する反射防止膜付透明基体であって、
 前記透明基体の他方の主面における反射を除去し、前記一方の主面側に入射角45°で光源を入射させた際の、正反射光に対して-15°、15°、25°、45°、75°及び110°の各角度における拡散反射光のD65光源でのa及びbが下記式(1)~(4)を満たす、反射防止膜付透明基体。
 (1)-6≦a≦2
 (2)-1≦b≦12
 (3)b≦-2a+4
 (4)b≧-2a-5
2.ヘーズ値が30%以上である、前記1に記載の反射防止膜付透明基体。
3.前記-15°における拡散反射光のD65光源でのLが30~60であり、前記15°における拡散反射光のLが15~35であり、かつ、前記25°における拡散反射光のLが5~20である、前記1または2に記載の反射防止膜付透明基体。
4.視感透過率(Y)が20~90%である、前記1~3のいずれか1に記載の反射防止膜付透明基体。
5.前記反射防止膜のシート抵抗が10Ω/□以上である、前記1~4のいずれか1に記載の反射防止膜付透明基体。
6.D65光源下の透過色のbが5以下である、前記1~5のいずれか1に記載の反射防止膜付透明基体。
7.前記反射防止膜は、互いに屈折率が異なる誘電体層を少なくとも2層積層させた積層構造であり、前記誘電体層のうち少なくとも1層が、主として、Siの酸化物で構成されており、前記積層構造の層のうち別の少なくとも1層が、主として、MoおよびWからなるA群から選択される少なくとも1つの酸化物と、Si、Nb、Ti、Zr、Ta、Al、SnおよびInからなるB群から選択される少なくとも1つの酸化物との混合酸化物で構成され、該混合酸化物に含まれるA群の元素と該混合酸化物に含まれるB群の元素との合計に対する、該混合酸化物に含まれるB群の元素の含有率が65質量%以下である前記1~6のいずれか1に記載の反射防止膜付透明基体。
8.前記反射防止膜上に防汚膜をさらに有する、前記1~7のいずれか1に記載の反射防止膜付透明基体。
9.前記透明基体がガラスを含む、前記1~8のいずれか1に記載の反射防止膜付透明基体。
10.前記透明基体がポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、アクリル、シリコーン及びトリアセチルセルロースから選択される少なくとも1つの樹脂を含む、前記1~9のいずれか1に記載の反射防止膜付透明基体。
11.前記透明基体が、ガラスと、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、アクリル、シリコーン及びトリアセチルセルロースから選択される少なくとも1つの樹脂との積層体である、前記1~10のいずれか1に記載の反射防止膜付透明基体。
12.前記ガラスが化学強化されている、前記9または11に記載の反射防止膜付透明基体。
13.前記1~12のいずれか1に記載の反射防止膜付透明基体を備える画像表示装置。
 本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。本出願は、2022年4月8日出願の日本特許出願(特願2022-064752)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
1  反射防止膜付透明基体
10 透明基体
11 一方の主面
12 他方の主面
20 黒テープ
30 反射防止膜
31 拡散層
32 第1誘電体層
34 第2誘電体層
50 光源
60 入射光
61 正反射光
71、72、73、74、75、76 拡散反射光

Claims (13)

  1.  二つの主面を有する透明基体及び該透明基体の一方の主面上に、前記透明基体側から拡散層と反射防止膜をこの順で有する反射防止膜付透明基体であって、
     前記透明基体の他方の主面における反射を除去し、前記一方の主面側に入射角45°で光源を入射させた際の、正反射光に対して-15°、15°、25°、45°、75°及び110°の各角度における拡散反射光のD65光源でのa及びbが下記式(1)~(4)を満たす、反射防止膜付透明基体。
     (1)-6≦a≦2
     (2)-1≦b≦12
     (3)b≦-2a+4
     (4)b≧-2a-5
  2.  ヘーズ値が30%以上である、請求項1に記載の反射防止膜付透明基体。
  3.  前記-15°における拡散反射光のD65光源でのLが30~60であり、前記15°における拡散反射光のLが15~35であり、かつ、前記25°における拡散反射光のLが5~20である、請求項1または2に記載の反射防止膜付透明基体。
  4.  視感透過率(Y)が20~90%である、請求項1または2に記載の反射防止膜付透明基体。
  5.  前記反射防止膜のシート抵抗が10Ω/□以上である、請求項1または2に記載の反射防止膜付透明基体。
  6.  D65光源下の透過色のbが5以下である、請求項1または2に記載の反射防止膜付透明基体。
  7.  前記反射防止膜は、互いに屈折率が異なる誘電体層を少なくとも2層積層させた積層構造であり、前記誘電体層のうち少なくとも1層が、主として、Siの酸化物で構成されており、前記積層構造の層のうち別の少なくとも1層が、主として、MoおよびWからなるA群から選択される少なくとも1つの酸化物と、Si、Nb、Ti、Zr、Ta、Al、SnおよびInからなるB群から選択される少なくとも1つの酸化物との混合酸化物で構成され、該混合酸化物に含まれるA群の元素と該混合酸化物に含まれるB群の元素との合計に対する、該混合酸化物に含まれるB群の元素の含有率が65質量%以下である請求項1または2に記載の反射防止膜付透明基体。
  8.  前記反射防止膜上に防汚膜をさらに有する、請求項1または2に記載の反射防止膜付透明基体。
  9.  前記透明基体がガラスを含む、請求項1または2に記載の反射防止膜付透明基体。
  10.  前記透明基体がポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、アクリル、シリコーン及びトリアセチルセルロースから選択される少なくとも1つの樹脂を含む、請求項1または2に記載の反射防止膜付透明基体。
  11.  前記透明基体が、ガラスと、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、アクリル、シリコーン及びトリアセチルセルロースから選択される少なくとも1つの樹脂との積層体である、請求項1または2に記載の反射防止膜付透明基体。
  12.  前記ガラスが化学強化されている、請求項11に記載の反射防止膜付透明基体。
  13.  請求項1または2に記載の反射防止膜付透明基体を備える画像表示装置。
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