JP2012207445A - 透明ロールスクリーン - Google Patents

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Masato Hirate
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Abstract

【課題】必要に応じて日射調整することが可能であり、採光性を確保しつつ日射遮蔽性に優れる透明ロールスクリーンを提供する。
【解決手段】透明高分子フィルムよりなるスクリーン基材14と、スクリーン基材14の少なくとも一方面に接着された透明積層フィルム12と、を備え、透明積層フィルム12が、透明高分子フィルムよりなるフィルム基材16の少なくとも一方面に日射遮蔽性を有する積層構造部18を備えた構成であり、可視光透過率65%以上、日射遮蔽係数0.69以下、可視光反射率10%以下、ヘイズ2.0以下に設定されたシート材10を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、ビル・住宅などの建築物の窓ガラスや自動車等の車両の窓ガラスに対して好適に用いられる透明ロールスクリーンに関するものである。
従来、ビル・住宅などの建築物や自動車等の車両における居住性を高める目的で、日射による暑さを軽減する対策が検討されている。このような対策の1つとしては、窓ガラスにカーテンやブラインドを用いることにより室内を遮光する方法が挙げられる。また、日射調整機能を持つ窓ガラスを用いる方法、日射調整機能を持つフィルムを窓ガラスに施工する方法などが挙げられる(特許文献1)。日射調整機能を持つ窓ガラスとしては、熱線反射・吸収ガラス(特許文献2)や、Low−E複層ガラスなどが知られている。
特許第3470891号公報 特開2000−229380号公報
しかしながら、日射調整機能を持つ窓ガラスを用いる方法や日射調整機能を持つフィルムを窓ガラスに施工する方法では、必要なときにのみ、採光性を損なわずに日射による暑さを軽減する対策をすることが困難である。例えば、夏の暑い時期には、これらの方法は暑さ対策として有効である反面、冬の寒い時期には、暖かい日射を室内に取り込むことが妨げられるため、冬の暖房費が高くなるおそれがある。すなわち、日射によって室内が暑くなるときにのみ日射調整をすることができない。
そして、カーテンやブラインドは、遮光を目的とするものである。そのため、これらを用いる場合には、採光性に劣る。また、そもそも、カーテンやブラインドは、日射を遮蔽する機能が低い。
本発明が解決しようとする課題は、必要に応じて日射調整することが可能であり、採光性を確保しつつ日射遮蔽性に優れる透明ロールスクリーンを提供することにある。
上記課題を解決するため本発明に係る透明ロールスクリーンは、透明高分子フィルムよりなるスクリーン基材と、前記スクリーン基材の少なくとも一方面に接着された透明積層フィルムと、を備え、前記透明積層フィルムが、透明高分子フィルムよりなるフィルム基材の少なくとも一方面に日射遮蔽性を有する積層構造部を備えた構成であり、可視光透過率65%以上、日射遮蔽係数0.69以下、可視光反射率10%以下、ヘイズ2.0以下に設定されていることを要旨とするものである。
また、本発明に係る他の透明ロールスクリーンは、透明高分子フィルムよりなるスクリーン基材と、前記スクリーン基材の少なくとも一方面に接着された透明積層フィルムと、を備え、前記透明積層フィルムが、透明高分子フィルムよりなるフィルム基材の少なくとも一方面に日射遮蔽性および断熱性を有する積層構造部を備えた構成であり、可視光透過率65%以上、日射遮蔽係数0.69以下、熱貫流率5.0W/m・K以下、可視光反射率10%以下、ヘイズ2.0以下に設定されていることを要旨とするものである。
ここで、前記透明積層フィルムのフィルム基材が積層構造部よりも前記スクリーン基材側に配置されていることが望ましい。
また、前記スクリーン基材の厚みが75〜125μmの範囲内に設定されているとともに、両外側にハードコート層が1〜3μmの範囲内の厚みで形成されていることが望ましい。
また、前記スクリーン基材がポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂から選択される1種を主材料として含む樹脂組成物により形成されていることが望ましい。
そして、前記積層構造部が有機分を含有する金属酸化物層と金属層とが積層されたもので構成されていることが好ましい。また、前記金属層の少なくとも一方面に金属酸化物より主に構成されるバリア層を有することが好ましい。また、前記金属酸化物層がチタン酸化物層であることが好ましい。また、前記金属層が銀層または銀合金層であることが好ましい。また、前記バリア層がチタン酸化物より主に構成されることが好ましい。
本発明に係る透明ロールスクリーンによれば、窓ガラスに直接貼り付けるものではなく、窓ガラスの室内側に、室内側のガラス面から離して、室内側のガラス面に沿って配置することから、スクリーンを昇降させることにより、必要に応じて日射調整することができる。そして、可視光透過率65%以上、日射遮蔽係数0.69以下、可視光反射率10%以下、ヘイズ2.0以下に設定されているため、採光性を確保しつつ日射遮蔽性に優れる。
また、本発明に係る他の透明ロールスクリーンによれば、上記本発明に係る透明ロールスクリーンに対し、さらに、熱貫流率5.0W/m・K以下に設定されていることから、さらに断熱性にも優れる。これにより、暑さ対策だけでなく、冬などの寒さ対策に室内で暖房機器を用いたときに、暖房効率を良くできる。
ここで、透明積層フィルムのフィルム基材が積層構造部よりもスクリーン基材側に配置されていると、積層構造部側を室内側に配置し、スクリーン基材およびフィルム基材側を窓側に配置することにより、暖房熱がスクリーン基材やフィルム基材に吸収される前に積層構造部によって断熱効果が発揮されるため、暖房効率をさらに良くできる。
また、スクリーン基材の厚みが75〜125μmの範囲内に設定されているとともに、両外側にハードコート層が1〜3μmの範囲内の厚みで形成されていると、採光性を確保しつつ、本ロールスクリーンの操作時などにおいて十分な耐久性や剛性が得られる。
また、スクリーン基材がポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂から選択される1種を主材料として含む樹脂組成物により形成されていると、採光性を確保することができる。このうち、スクリーン基材が塩化ビニル樹脂やポリフェニレンサルファイド樹脂を含む樹脂組成物により形成されていると、さらに難燃性にも優れる。
そして、上記積層構造部が有機分を含有する金属酸化物層と金属層とが積層されたもので構成されていると、積層構造部は柔軟性に優れるため、透明ロールスクリーンの柔軟性に優れる。このため、透明ロールスクリーンの巻き取り性に優れる。
そして、上記金属層の少なくとも一方面に、金属酸化物より主に構成されるバリア層が形成されている場合には、各金属層を構成する金属元素の日射による拡散を抑制することができる。そのため、上記可視光透過性、日射遮蔽性を長期にわたって維持しやすくなり、耐久性、信頼性の向上に寄与できる。
また、上記金属酸化物層がチタン酸化物層である場合には、比較的高い屈折率が得やすくなるため、可視光透過性を向上させやすくなる。また、上記金属層が銀層または銀合金層である場合には、可視光透過性、日射遮蔽性のバランスに優れる。また、上記バリア層がチタン酸化物より主に構成される場合には、銀等の金属層の構成元素の日射や熱による拡散を抑制しやすい。
本発明に係る透明ロールスクリーンのシート材の一実施形態を示した断面図である。 本発明に係る透明ロールスクリーンのシート材の他の実施形態を示した断面図である。 透明ロールスクリーンのシート材の適用例を示した断面図である。 実施例において断熱性を評価するための装置を示した模式図である。
以下に、本発明に係る透明ロールスクリーン(以下、本ロールスクリーンということがある。)について詳細に説明する。
本ロールスクリーンは、シート材と、シート材を巻き取るための巻き取り部材とにより構成される。巻き取り部材には、ロールスクリーンにおいて従来より知られる公知の巻き取り部材を用いることができる。本ロールスクリーンのシート材は、スクリーン基材と、スクリーン基材に接着された透明積層フィルムと、を備えたものから構成されている。透明積層フィルムは、フィルム基材と、フィルム基材上に積層された積層構造部と、を備えたものから構成されている。
フィルム基材は、積層構造部を形成するためのベースとなる基材である。積層構造部が日射を遮蔽する機能を有する。積層構造部は、フィルム基材の片面のみに形成されていても良いし、両面に形成されていても良い。また、この積層構造部は、日射遮蔽性に加え、断熱性を有する構成とすることができる。
このような基本構成を有する本ロールスクリーンは、可視光透過率65%以上、日射遮蔽係数0.69以下、可視光反射率10%以下、ヘイズ2.0以下に設定されている。また、これらに加え、熱貫流率5.0W/m・K以下に設定することもできる。以下、このような物性値を満たすロールスクリーンとするために好適な構成について説明する。
本ロールスクリーンでは、透明性を確保するため、スクリーン基材および透明積層フィルムのフィルム基材に透明高分子フィルムを用いている。また、透明積層フィルムの積層構造部により日射遮蔽機能を得ている。
スクリーン基材を構成する透明高分子フィルムは、採光性を確保するため、優れた可視光透過性を有するものである。スクリーン基材を構成する透明高分子フィルムは、このような高分子材料として、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂から選択される1種を主材料として含む樹脂組成物により形成されていることが好ましい。なお、スクリーン基材が塩化ビニル樹脂やポリフェニレンサルファイド樹脂を含む樹脂組成物により形成されていると、さらに難燃性にも優れる。
スクリーン基材の厚みとしては、本ロールスクリーンの操作時などにおいて十分な耐久性や剛性が得られる、柔軟性に優れるなどの観点から、10〜200μm程度であることが好ましい。より好ましくは50〜150μm、さらに好ましくは75〜125μmである。スクリーン基材の厚みを75〜125μmの範囲内に設定すると、特に採光性を高くすることができる。
透明積層フィルムのフィルム基材を構成する透明高分子フィルムは、優れた可視光透過性を有し、その表面に薄膜を支障なく形成できるものであれば、何れのものでも用いることができる。スクリーン基材と透明積層フィルムのフィルム基材には、同種の高分子材料を用いても良いし、異種の高分子材料を用いても良い。
フィルム基材を構成する透明高分子フィルムの高分子材料としては、具体的には、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン、ポリイミド、ポリアミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、トリアセチルセルロース、ポリウレタン、シクロオレフィンポリマー等の高分子材料を例示することができる。これらは1種または2種以上含まれていても良い。また、2種以上の透明高分子を積層して用いることもできる。
これらのうち、とりわけ、透明性、耐久性、加工性等に優れるなどの観点から、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、シクロオレフィンポリマー等を好適なものとして例示することができる。
フィルム基材の厚みは、用途、材料の種類、光学特性、耐久性などを考慮して種々調節することができる。フィルム基材の厚みの下限値は、加工時にしわが入り難い、破断し難いなどの観点から、好ましくは、25μm以上、より好ましくは、50μm以上であると良い。一方、フィルム基材の厚みの上限値は、巻回容易性、経済性などの観点から、好ましくは、500μm以下、より好ましくは、250μm以下であると良い。
透明積層フィルムの積層構造部は、有機分を含有する金属酸化物層(以下、「MO層」と略表記することがある。)と金属層(以下、「M層」と略表記することがある。)とを少なくとも含んでいる。積層構造部の基本構造としては、有機分を含有する金属酸化物層(MO層)と金属層(M層)とが交互に積層された積層構造部等を例示することができる。金属層(M層)の何れか一方面または両面には、さらに、バリア層(以下、「B層」と略表記することがある。)が形成されていても良い。
透明積層フィルムにおいて、有機分を含有する金属酸化物層は、金属層とともに積層されることで透明性を高める(可視光領域で透過性に優れる)などの機能を発揮するものであり、主として高屈折率層として機能しうるものである。ここで高屈折率とは、633nmの光に対する屈折率が1.7以上ある場合をいう。また、透明積層フィルムにおいて、金属層は、主として日射遮蔽層として機能しうる。透明積層フィルムは、このような積層構造部を有するため、良好な可視光透明性、日射遮蔽性を有する。また、熱貫流率を低くすることができる。
積層構造部は、透明積層フィルムのフィルム基材の少なくとも一方面に、有機分を含有する金属酸化物層と金属層とを積層する積層工程により形成することができる。積層工程は、上述した積層構造部の構成に応じて異なるが、基本的には、各層の形成に最適な方法にて、各層を順次積み上げていくことにより形成することができる。
透明積層フィルムは、積層構造部を外傷などから保護するなどの理由で、積層構造部の上に保護層を備えていることが好ましい。保護層を構成する材料としては、例えば、アクリル系樹脂などを挙げることができる。保護層の厚みは、保護機能と、密着性、透明性、コスト等のバランスの観点から、1〜2μmの範囲内であることが好ましい。赤外線の吸収が抑えられるなどの観点から、より好ましくは1〜1.5μmの範囲内、さらに好ましくは1〜1.2μmの範囲内である。
保護層は、単層で構成されていても良いし、複数の層で構成されていても良い。保護層が複数の層で構成される場合には、複数の層は、異なる種類の樹脂を含む材料により形成されていても良いし、同種の樹脂を含む材料により形成されていても良い。保護層は、例えば、材料を適当な溶剤に希釈し、塗工法を用いて透明積層部の上に層状にコーティングした後、必要に応じて、熱や光、水など、材料に応じた適当な硬化手段により硬化させることにより形成することができる。
本ロールスクリーンのシート材は、ロールスクリーンとして用いる性質上、両外側に触れることが多い。このため、本ロールスクリーンのシート材は、シート材の最外層として両外側にハードコート層を備えることが好ましい。ハードコート層の厚みとしては、採光性を確保しつつ本ロールスクリーンの操作時などにおいて十分な耐久性や剛性が得られやすいなどの観点から、1〜3μmの範囲内であることが好ましい。ハードコート層は、例えばウレタン系材料などにより形成することができる。ハードコート層は、例えばウレタン系材料を含む塗工液を透明高分子フィルム上などにコーティングすることにより形成することができる。
本ロールスクリーンのシート材の可視光透過率の好ましい範囲としては70%以上を挙げることができる。シート材の日射遮蔽係数の好ましい範囲としては0.60以下、0.50以下を挙げることができる。シート材の可視光反射率の好ましい範囲としては9.5%以下、9.0%以下を挙げることができる。シート材のヘイズの好ましい範囲としては1.5以下、1.0以下を挙げることができる。
以上の構成よりなる本ロールスクリーンのシート材についての好適な積層形態について説明する。図1、図2は、本ロールスクリーンのシート材の一実施形態を示した断面図である。
図1に示すように、第1実施形態のシート材10は、透明積層フィルム12の保護層20側で、接着層22を介して透明積層フィルム12がスクリーン基材14に接着されている。このため、第1実施形態のシート材10では、スクリーン基材14とフィルム基材16が積層構造部18の外側に配置され、これらにより積層構造部18が挟まれている構造になっている。スクリーン基材14の外側およびフィルム基材16の外側には、保護膜としてのハードコート層24a,24bが形成されている。
また、図2に示すように、第2実施形態のシート材30は、透明積層フィルム12のフィルム基材16側で、接着層22を介して透明積層フィルム12がスクリーン基材14に接着されている。このため、第2実施形態のシート材30では、積層構造部18に対してスクリーン基材14とフィルム基材16が同じ面側に配置されている。第2実施形態のシート材30では、スクリーン基材14と保護層20の外側にそれぞれ保護膜としてのハードコート層24a,24bが形成されている。
そして、このような本ロールスクリーンのシート材10,30の窓ガラスへの適用例について説明する。図3(a)(b)は、本ロールスクリーンのシート材の窓ガラスへの適用例を示した断面図である。窓ガラスを構成するガラスとしては、通常のフロートガラス、半強化ガラス、強化ガラスを挙げることができる。ガラスの厚みは、用途等に応じて適宜定めれば良い。
図3(a)(b)に示すように、シート材10,30の窓ガラスへの適用例としては、シート材10,30を、窓ガラス40に対し、室内側のガラス面から離して、室内側のガラス面に沿って室内側に配置する例を挙げることができる。この場合、窓ガラス40と本ロールスクリーンのシート材10,30との間の隙間は空気層となるため、これによっても断熱性を高めることができる。
また、図3(a)(b)に示すように、図1、2のいずれの構成においても、スクリーン基材14よりも室内側に積層構造部18を配置することができる。スクリーン基材14は高分子材料により形成されており、赤外線を吸収する場合がある。特に、PETなどは赤外線を吸収しやすい。積層構造部18は、日射遮蔽性(近赤外線反射性)を有するとともに遠赤外線反射性も有する。そうすると、スクリーン基材14よりも室内側に積層構造部18を配置することによって、室内の暖房熱がスクリーン基材14に吸収される前に積層構造部18によって断熱効果が発揮されるため、暖房効率をより良くできる。
また、図2の構成では、さらに、透明積層フィルム12のフィルム基材16が積層構造部18よりもスクリーン基材14側に配置されている。このため、図3(b)に示すように、積層構造部18はフィルム基材16よりも室内側に配置される。これにより、高分子材料により形成されているフィルム基材16により暖房熱が吸収される前に積層構造部18によって断熱効果が発揮されるため、暖房効率をさらに良くできる。そして、図2の構成であれば、本ロールスクリーンのシート材30の熱貫流率を上記する特定の範囲に設定しやすい。なお、図2の構成においては、図3(b)に示すように、保護層20が積層構造部18よりも室内側に配置される。このため、保護層18での暖房熱の吸収を低く抑えるなどの観点から、保護層18の厚みを例えば1〜1.5μmの範囲内で薄くすることが好ましい。より好ましくは1〜1.2μmの範囲内である。
そして、上記積層構造部が有機分を含有する金属酸化物層と金属層とが積層されたもので構成されていると、積層構造部は柔軟性に優れるため、透明ロールスクリーンの柔軟性に優れる。このため、透明ロールスクリーンの巻き取り性に優れる。
透明積層フィルムの積層構造部の基本単位としては、具体的には、例えば、透明高分子フィルム側から、MO層│B層/M層/B層、MO層│M層/B層、MO層│B層/M層といった第1基本単位、または、透明高分子フィルム側から、B層/M層/B層│MO層、M層/B層│MO層、B層/M層│MO層といった第2基本単位などを例示することができる。なお、「│」が層の区切りを意味する。また、「/」はM層にB層が付随していることを意味する。
積層構造部は、第1基本単位から選択される1または2以上の基本単位が単数または複数繰り返し積層されていても良いし、第2基本単位から選択される1または2以上の基本単位が単数または複数繰り返し積層されていても良い。
これらのうち、M層を構成する元素がMO層中に拡散するのを抑制しやすいなどの観点から、第1基本単位であれば、MO層│B層/M層/B層の単位を、第2基本単位であれば、B層/M層/B層│MO層の単位を好適に選択することができる。
積層構造部を構成する薄膜層のうち、透明高分子フィルムに接して配置される薄膜層は、有機分を含有する金属酸化物層(MO層)であると良い。高可視光透過、低可視光反射等の光学特性に優れる等の利点がある。また、積層構造部を構成する薄膜層のうち、最外層に配置される薄膜層は、有機分を含有する金属酸化物層(MO層)であると良い。
積層構造部の積層数は、可視光透過性、日射遮蔽性等の光学特性、各薄膜層の材料や膜厚、製造コストなどを考慮して異ならせることができる。上記積層数としては、2〜10層などが好ましく、3層、5層、7層、9層などの奇数層がより好ましい。さらに好ましくは、製造コストなどの観点から、3層、5層、7層であると良い。
積層構造部は、より具体的には、透明性と日射遮蔽性とのバランスを取りやすい、製造コストの抑制などの観点から、透明高分子フィルム側から、MO層(1層目)│B層/M層/B層(2層目)│MO層(3層目)、MO層(1層目)│B層/M層(2層目)│MO層(3層目)、MO層(1層目)│M層/B層(2層目)│MO層(3層目)、MO層(1層目)│M層(2層目)│MO層(3層目)などの3層積層構造部、MO層(1層目)│B層/M層/B層(2層目)│MO層(3層目)│B層/M層/B層(4層目)│MO層(5層目)、MO層(1層目)│B層/M層(2層目)│MO層(3層目)│B層/M層(4層目)│MO層(5層目)、MO層(1層目)│M層/B層(2層目)│MO層(3層目)│M層/B層(4層目)│MO層(5層目)、MO層(1層目)│M層(2層目)│MO層(3層目)│M層(4層目)│MO層(5層目)などの5層積層構造部、MO層(1層目)│B層/M層/B層(2層目)│MO層(3層目)│B層/M層/B層(4層目)│MO層(5層目)│B層/M層/B層(6層目)│MO層(7層目)、MO層(1層目)│B層/M層(2層目)│MO層(3層目)│B層/M層(4層目)│MO層(5層目)│B層/M層(6層目)│MO層(7層目)、MO層(1層目)│M層/B層(2層目)│MO層(3層目)│M層/B層(4層目)│MO層(5層目)│M層/B層(6層目)│MO層(7層目)、MO層(1層目)│M層(2層目)│MO層(3層目)│M層(4層目)│MO層(5層目)│M層(6層目)│MO層(7層目)などの7層積層構造部を好適な構造として例示することができる。
なお、本願における積層数は、B層がM層に付随する薄膜層であるため、B層を含めたM層を1層、MO層を1層として数えている。
本フィルムにおいて、各薄膜層は、一度に形成されたものであっても良いし、分割形成されたものであっても良い。また、積層構造部中に含まれる各薄膜層のうち、一部または全部が分割形成されていても良い。各薄膜層が、複数の分割層よりなる場合、その分割数は、各薄膜層ごとに同じであっても良いし、異なっていても良い。なお、分割層は積層数として数えず、複数の分割層が集合して形成された1つの薄膜層を1層として数える。
本フィルムにおいて、各薄膜層の組成または材料は、それぞれ同一の組成または材料から形成されていても良いし、異なる組成または材料から形成されていても良い。なお、この点は、各薄膜層が複数の分割層よりなる場合も同様である。また、各薄膜層の膜厚は、ほぼ同一であっても良いし、各膜ごとに異なっていても良い。
以下、本フィルムの積層構造部を構成する金属酸化物層(MO層)および金属層(M層)、本フィルムの積層構造部を任意に構成することがあるバリア層(B層)についてより詳細に説明する。
<金属酸化物層>
上記金属酸化物としては、具体的には、例えば、チタンの酸化物、亜鉛の酸化物、インジウムの酸化物、スズの酸化物、インジウムとスズとの酸化物、マグネシウムの酸化物、アルミニウムの酸化物、ジルコニウムの酸化物、ニオブの酸化物、セリウムの酸化物などを例示することができる。これらは1種または2種以上含まれていても良い。また、これら金属酸化物は、2種以上の金属酸化物が複合した複酸化物であっても良い。
上記金属酸化物としては、とりわけ、可視光に対する屈折率が比較的大きいなどの観点から、酸化チタン(TiO)、ITO、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)などを好適なものとして例示することができる。これらは1種または2種以上含まれていても良い。
ここで、金属酸化物層は、主として上述した金属酸化物より構成されているが、金属酸化物以外にも、有機分を含有していても良い。有機分を含有することで、本フィルムの柔軟性をより向上させることができるためである。この種の有機分としては、具体的には、例えば、ゾル−ゲル法の出発原料に由来する成分等、金属酸化物層の形成材料に由来する成分などを例示することができる。
上記有機分としては、より具体的には、例えば、上述した金属酸化物を構成する金属の金属アルコキシド、金属アシレート、金属キレートなどといった有機金属化合物(その分解物なども含む)や、上記有機金属化合物と反応して紫外線吸収性のキレートを形成する有機化合物(後述する)等の各種添加剤などを例示することができる。これらは1種または2種以上含まれていても良い。
金属酸化物層中に含まれる有機分の含有量の下限値は、柔軟性を付与しやすいなどの観点から、好ましくは、3質量%以上、より好ましくは、5質量%以上、さらに好ましくは、7質量%以上であると良い。一方、金属酸化物層中に含まれる有機分の含有量の上限値は、高屈折率を確保しやくなる、耐溶剤性を確保しやすくなるなどの観点から、好ましくは、30質量%以下、より好ましくは、25質量%以下、さらに好ましくは、20質量%以下であると良い。
なお、上記有機分の含有量は、X線光電子分光法(XPS)などを用いて調べることができる。また、上記有機分の種類は、赤外分光法(IR)(赤外吸収分析)などを用いて調べることができる。
金属酸化物層の膜厚は、日射遮蔽性、視認性、反射色などを考慮して調節することができる。
金属酸化物層の膜厚の下限値は、反射色の赤色や黄色の着色を抑制しやすくなる、高透明性が得られやすくなるなどの観点から、好ましくは、10nm以上、より好ましくは、15nm以上、さらに好ましくは、20nm以上であると良い。一方、金属酸化物層の膜厚の上限値は、反射色の緑色の着色を抑制しやすくなる、高透明性が得られやすくなるなどの観点から、好ましくは、90nm以下、より好ましくは、85nm以下、さらに好ましくは、80nm以下であると良い。
以上のような構成を有する金属酸化物層は、気相法、液相法の何れでも形成することができる。液相法は、気相法と比較して、真空引きしたり、大電力を使用したりする必要がない。そのため、その分、コスト的に有利であり、生産性にも優れているので好適である。
上記液相法としては、有機分を残存させやすいなどの観点から、ゾル−ゲル法を好適に利用することができる。
上記ゾル−ゲル法としては、より具体的には、例えば、金属酸化物を構成する金属の有機金属化合物を含有するコーティング液を薄膜状にコーティングし、これを必要に応じて乾燥させ、金属酸化物層の前駆体層を形成した後、この前駆体層中の有機金属化合物を加水分解・縮合反応させ、有機金属化合物を構成する金属の酸化物を合成するなどの方法を例示することができる。これによれば、金属酸化物を主成分として含み、有機分を含有する金属酸化物層を形成することができる。以下、上記方法について詳細に説明する。
上記コーティング液は、上記有機金属化合物を適当な溶媒に溶解して調製することができる。この際、有機金属化合物としては、具体的には、例えば、チタン、亜鉛、インジウム、スズ、マグネシウム、アルミニウム、ジルコニウム、ニオブ、セリウム、シリコン、ハフニウム、鉛などの金属の有機化合物などを例示することができる。これらは1種または2種以上含まれていても良い。
上記有機金属化合物としては、具体的には、例えば、上記金属の金属アルコキシド、金属アシレート、金属キレートなどを例示することができる。好ましくは、空気中での安定性などの観点から、金属キレートであると良い。
上記有機金属化合物としては、とりわけ、高屈折率を有する金属酸化物になり得る金属の有機化合物を好適に用いることができる。このような有機金属化合物としては、例えば、有機チタン化合物などを例示することができる。
上記有機チタン化合物としては、具体的には、例えば、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラ−i−プロポキシチタン、テトラメトキシチタンなどのM−O−R結合(Rはアルキル基を示し、Mはチタン原子を示す)を有するチタンのアルコキシドや、イソプロポキシチタンステアレートなどのM−O−CO−R結合(Rはアルキル基を示し、Mはチタン原子を示す)を有するチタンのアシレートや、ジイソプロポキシチタンビスアセチルアセトナート、ジヒドロキシビスラクタトチタン、ジイソプロポキシビストリエタノールアミナトチタン、ジイソプロポキシビスエチルアセトアセタトチタンなどのチタンのキレートなどを例示することができる。これらは1種または2種以上混合されていても良い。また、これらは単量体、多量体の何れであっても良い。
上記コーティング液中に占める有機金属化合物の含有量は、塗膜の膜厚均一性や一回に塗工できる膜厚などの観点から、好ましくは、1〜20質量%、より好ましくは、3〜15質量%、さらに好ましくは、5〜10質量%の範囲内にあると良い。
また、上記有機金属化合物を溶解させる溶媒としては、具体的には、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘプタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、酢酸エチルなどの有機酸エステル、アセトニトリル、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのシクロエーテル類、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミドなどの酸アミド類、ヘキサンなどの炭化水素類、トルエンなどの芳香族類などを例示することができる。これらは1種または2種以上混合されていても良い。
この際、上記溶媒量は、上記有機金属化合物の固形分重量に対して、塗膜の膜厚均一性や一回に塗工できる膜厚などの観点から、好ましくは、5〜100倍量、より好ましくは、7〜30倍量、さらに好ましくは、10〜20倍量の範囲内であると良い。
上記溶媒量が100倍量より多くなると、一回のコーティングで形成できる膜厚が薄くなり、所望の膜厚を得るために多数回のコーティングが必要となる傾向が見られる。一方、5倍量より少なくなると、膜厚が厚くなり過ぎ、有機金属化合物の加水分解・縮合反応が十分に進行し難くなる傾向が見られる。したがって、上記溶媒量は、これらを考慮して選択すると良い。
また、上記コーティング液中には、ゾル−ゲル法による加水分解が促進され、高屈折率化が図りやすくなるなどの観点から、必要に応じて水が含まれていても良い。
上記コーティング液の調製は、例えば、所定割合となるように秤量した有機金属化合物と、適当な量の溶媒と、必要に応じて添加される他の成分とを、攪拌機などの撹拌手段により所定時間撹拌・混合するなどの方法により調製することができる。この場合、各成分の混合は、1度に混合しても良いし、複数回に分けて混合しても良い。
また、上記コーティング液のコーティング法としては、均一なコーティングが行いやすいなどの観点から、マイクログラビア法、グラビア法、リバースロールコート法、ダイコート法、ナイフコート法、ディップコート法、スピンコート法、バーコート法など、各種のウェットコーティング法を好適なものとして例示することができる。これらは適宜選択して用いることができ、1種または2種以上併用しても良い。
また、コーティングされたコーティング液を乾燥する場合、公知の乾燥装置などを用いて乾燥させれば良く、この際、乾燥条件としては、具体的には、例えば、80℃〜120℃の温度範囲、0.5分〜5分の乾燥時間などを例示することができる。
また、前駆体層中の有機金属化合物を加水分解・縮合反応させる手段としては、具体的には、例えば、紫外線、電子線、X線等の光エネルギーの照射、加熱など、各種の手段を例示することができる。これらは1種または2種以上組み合わせて用いても良い。これらのうち、好ましくは、光エネルギーの照射、とりわけ、紫外線照射を好適に用いることができる。他の手段と比較した場合、低温、短時間で金属酸化物を生成できるし、熱劣化など、熱による負荷を透明高分子フィルムに与え難いからである(とりわけ、紫外線照射の場合は、比較的簡易な設備で済む利点がある。)。また、有機分として、有機金属化合物(その分解物なども含む)などを残存させやすい利点もあるからである。
この際、用いる紫外線照射機としては、具体的には、例えば、水銀ランプ、キセノンランプ、重水素ランプ、エキシマランプ、メタルハライドランプなどを例示することができる。これらは1種または2種以上組み合わせて用いても良い。
また、照射する光エネルギーの光量は、前駆体層を主に形成している有機金属化合物の種類、コーティング層の厚みなどを考慮して種々調節することができる。もっとも、照射する光エネルギーの光量が過度に小さすぎると、金属酸化物層の高屈折率化を図り難くなる。一方、照射する光エネルギーの光量が過度に大きすぎると、光エネルギーの照射の際に生じる熱により透明高分子フィルムが変形することがある。したがって、これらに留意すると良い。
照射する光エネルギーが紫外線である場合、その光量は、金属酸化物層の屈折率、透明高分子フィルムが受けるダメージなどの観点から、測定波長300〜390nmのとき、好ましくは、300〜8000mJ/cm、より好ましくは、500〜5000mJ/cmの範囲内であると良い。
なお、前駆体層中の有機金属化合物を加水分解・縮合反応させる手段として、光エネルギーの照射を用いる場合、上述したコーティング液中に、有機金属化合物と反応して光吸収性(例えば、紫外線吸収性)のキレートを形成する有機化合物等の添加剤を添加しておくと良い。出発溶液であるコーティング液中に上記添加剤が添加されている場合には、予め光吸収性キレートが形成されたところに光エネルギーの照射がなされるので、比較的低温下において金属酸化物層の高屈折率化を図り得やすくなるからである。
上記添加剤としては、具体的には、例えば、βジケトン類、アルコキシアルコール類、アルカノールアミン類などの添加剤を例示することができる。より具体的には、上記βジケトン類としては、例えば、アセチルアセトン、ベンゾイルアセトン、アセト酢酸エチル、アセト酢酸メチル、マロン酸ジエチルなどを例示することができる。上記アルコキシアルコール類としては、例えば、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−メトキシ−2−プロパノールなどを例示することができる。上記アルカノールアミン類としては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどを例示することができる。これらは1種または2種以上混合されていても良い。
これらのうち、とりわけ、βジケトン類が好ましく、中でもアセチルアセトンを最も好適に用いることができる。
また、上記添加剤の配合割合としては、屈折率の上がりやすさ、塗膜状態での安定性などの観点から、上記有機金属化合物における金属原子1モルに対して、好ましくは、0.1〜2倍モル、より好ましくは、0.5〜1.5倍モルの範囲内にあると良い。
<金属層>
金属層の金属としては、具体的には、例えば、銀、金、白金、銅、アルミニウム、クロム、チタン、亜鉛、スズ、ニッケル、コバルト、ニオブ、タンタル、タングステン、ジルコニウム、鉛、パラジウム、インジウムなどの金属や、これら金属の合金などを例示することができる。これらは1種または2種以上含まれていても良い。
上記金属としては、積層時の可視光透過性、熱線反射性、導電性などに優れるなどの観点から、銀または銀合金が好ましい。より好ましくは、熱、光、水蒸気などの環境に対する耐久性が向上するなどの観点から、銀を主成分とし、銅、ビスマス、金、パラジウム、白金、チタンなどの金属元素を少なくとも1種以上含んだ銀合金であると良い。さらに好ましくは、銅を含む銀合金(Ag−Cu系合金)、ビスマスを含む銀合金(Ag−Bi系合金)、チタンを含む銀合金(Ag−Ti系合金)等であると良い。銀の拡散抑制効果が大きい、コスト的に有利であるなどの利点があるからである。
銅を含む銀合金を用いる場合、銀、銅以外にも、例えば、銀の凝集・拡散抑制効果に悪影響を与えない範囲内であれば、他の元素、不可避不純物を含有していても良い。
上記他の元素としては、具体的には、例えば、Mg、Pd、Pt、Au、Zn、Al、Ga、In、Sn、Sb、Li、Cd、Hg、AsなどのAgに固溶可能な元素;Be、Ru、Rh、Os、Ir、Bi、Ge、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Si、Tl、Pbなど、Ag−Cu系合金中に単相として析出可能な元素;Y、La、Ce、Nd、Sm、Gd、Tb、Dy、Ti、Zr、Hf、Na、Ca、Sr、Ba、Sc、Pr、Eu、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、S、Se、TeなどのAgとの金属間化合物を析出可能な元素などを例示することができる。これらは1種または2種以上含有されていても良い。
銅を含む銀合金を用いる場合、銅の含有量の下限値は、添加効果を得る観点から、好ましくは、1原子%以上、より好ましくは、2原子%以上、さらに好ましくは、3原子%以上であると良い。一方、銅の含有量の上限値は、高透明性を確保しやすくなる、スパッタターゲットが作製しやすい等の製造性などの観点から、好ましくは、20原子%以下、より好ましくは、10原子%以下、さらに好ましくは、5原子%以下であると良い。
また、ビスマスを含む銀合金を用いる場合、銀、ビスマス以外にも、例えば、銀の凝集・拡散抑制効果に悪影響を与えない範囲内であれば、他の元素、不可避不純物を含有していても良い。
上記他の元素としては、具体的には、例えば、Mg、Pd、Pt、Au、Zn、Al、Ga、In、Sn、Sb、Li、Cd、Hg、AsなどのAgに固溶可能な元素;Be、Ru、Rh、Os、Ir、Cu、Ge、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Si、Tl、Pbなど、Ag−Bi系合金中に単相として析出可能な元素;Y、La、Ce、Nd、Sm、Gd、Tb、Dy、Ti、Zr、Hf、Na、Ca、Sr、Ba、Sc、Pr、Eu、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、S、Se、TeなどのAgとの金属間化合物を析出可能な元素などを例示することができる。これらは1種または2種以上含有されていても良い。
ビスマスを含む銀合金を用いる場合、ビスマスの含有量の下限値は、添加効果を得る観点から、好ましくは、0.01原子%以上、より好ましくは、0.05原子%以上、さらに好ましくは、0.1原子%以上であると良い。一方、ビスマスの含有量の上限値は、スパッタターゲットが作製しやすい等の製造性などの観点から、好ましくは、5原子%以下、より好ましくは、2原子%以下、さらに好ましくは、1原子%以下であると良い。
また、チタンを含む銀合金を用いる場合、銀、チタン以外にも、例えば、銀の凝集・拡散抑制効果に悪影響を与えない範囲内であれば、他の元素、不可避不純物を含有していても良い。
上記他の元素としては、具体的には、例えば、Mg、Pd、Pt、Au、Zn、Al、Ga、In、Sn、Sb、Li、Cd、Hg、AsなどのAgに固溶可能な元素;Be、Ru、Rh、Os、Ir、Cu、Ge、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Si、Tl、Pb、Biなど、Ag−Ti系合金中に単相として析出可能な元素;Y、La、Ce、Nd、Sm、Gd、Tb、Dy、Zr、Hf、Na、Ca、Sr、Ba、Sc、Pr、Eu、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、S、Se、TeなどのAgとの金属間化合物を析出可能な元素などを例示することができる。これらは1種または2種以上含有されていても良い。
チタンを含む銀合金を用いる場合、チタンの含有量の下限値は、添加効果を得る観点から、好ましくは、0.01原子%以上、より好ましくは、0.05原子%以上、さらに好ましくは、0.1原子%以上であると良い。一方、チタンの含有量の上限値は、膜にした場合、完全な固溶体が得られやすくなるなどの観点から、好ましくは、2原子%以下、より好ましくは、1.75原子%以下、さらに好ましくは、1.5原子%以下であると良い。
なお、上記銅、ビスマス、チタン等の副元素割合は、ICP分析法を用いて測定することができる。また、上記金属層を構成する金属(合金含む)は、部分的に酸化されていても良い。
金属層の膜厚の下限値は、安定性、熱線反射性などの観点から、好ましくは、3nm以上、より好ましくは、5nm以上、さらに好ましくは、7nm以上であると良い。一方、金属層の膜厚の上限値は、可視光の透明性、経済性などの観点から、好ましくは、30nm以下、より好ましくは、20nm以下、さらに好ましくは、15nm以下であると良い。
ここで、金属層を形成する方法としては、具体的には、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、MBE法、レーザーアブレーションなどといった物理的気相成長法(PVD)、熱CVD法、プラズマCVD法などといった化学的気相成長法(CVD)などの気相法などを例示することができる。金属層は、これらのうち何れか1つの方法を用いて形成されていても良いし、あるいは、2つ以上の方法を用いて形成されていても良い。
これら方法のうち、緻密な膜質が得られる、膜厚制御が比較的容易であるなどの観点から、好ましくは、DCマグネトロンスパッタリング法、RFマグネトロンスパッタリング法などのスパッタリング法を好適に用いることができる。
なお、金属層は、後述する後酸化等を受けて、金属層の機能を損なわない範囲内で酸化されていても良い。
<バリア層>
本フィルムにおいて、バリア層は、主として、金属層を構成する元素が、金属酸化物層中へ拡散するのを抑制するバリア的な機能を有している。また、金属酸化物層と金属層との間に介在することで、両者の密着性の向上にも寄与しうる。
なお、バリア層は、上記拡散を抑制できれば、浮島状など、不連続な部分があっても良い。
バリア層を構成する金属酸化物としては、具体的には、例えば、チタンの酸化物、亜鉛の酸化物、インジウムの酸化物、スズの酸化物、インジウムとスズとの酸化物、マグネシウムの酸化物、アルミニウムの酸化物、ジルコニウムの酸化物、ニオブの酸化物、セリウムの酸化物などを例示することができる。これらは1種または2種以上含まれていても良い。また、これら金属酸化物は、2種以上の金属酸化物が複合した複酸化物であっても良い。なお、バリア層は、上記金属酸化物以外に不可避不純物などを含んでいても良い。
ここで、バリア層としては、金属層を構成する金属の拡散抑制効果に優れる、密着性に優れるなどの観点から、金属酸化物層中に含まれる金属の酸化物より主に構成されていると良い。
より具体的には、例えば、金属酸化物層としてTiO層を選択した場合、バリア層は、TiO層中に含まれる金属であるTiの酸化物より主に構成されるチタン酸化物層であると良い。
また、バリア層がチタン酸化物層である場合、当該バリア層は、当初からチタン酸化物として形成された薄膜層であっても良いし、金属Ti層が後酸化されて形成された薄膜層、または、部分酸化されたチタン酸化物層が後酸化されて形成された薄膜層等であっても良い。
バリア層は、金属酸化物層と同じように主に金属酸化物から構成されるが、金属酸化物層よりも膜厚が薄く設定される。これは、金属層を構成する金属の拡散は、原子レベルで生じるので、屈折率を十分確保するのに必要な膜厚まで厚くする必要性が低いからである。また、薄く形成することで、その分、成膜コストが安価になり、本フィルムの製造コストの低減にも寄与することができる。
バリア層の膜厚の下限値は、バリア性を確保しやすくなるなどの観点から、好ましくは、1nm以上、より好ましくは、1.5nm以上、さらに好ましくは、2nm以上であると良い。一方、バリア層の膜厚の上限値は、経済性などの観点から、好ましくは、15nm以下、より好ましくは、10nm以下、さらに好ましくは、8nm以下であると良い。
バリア層が主にチタン酸化物より構成される場合、チタン酸化物における酸素に対するチタンの原子モル比Ti/Oの下限値は、バリア性などの観点から、1.0/4.0以上、より好ましくは、1.0/3.8以上、さらに好ましくは、1.0/3.5以上、さらにより好ましくは、1.0/3.0以上、最も好ましくは、1.0/2.8以上であると良い。
バリア層が主にチタン酸化物より構成される場合、チタン酸化物における酸素に対するチタンの原子モル比Ti/Oの上限値は、可視光の透明性などの観点から、好ましくは、1.0/0.5以下、より好ましくは、1.0/0.7以下、さらに好ましくは、1.0/1.0以下、さらにより好ましくは、1.0/1.2以下、最も好ましくは、1.0/1.5以下であると良い。
上記Ti/O比は、当該層の組成から算出することができる。当該層の組成分析方法としては、極めて薄い薄膜層の組成を比較的正確に分析することが可能な観点から、エネルギー分散型蛍光X線分析(EDX)を好適に用いることができる。
具体的な組成分析方法について説明すると、先ず、超薄切片法(ミクロトーム)などを用いて、分析対象となる当該層を含む積層構造部の断面方向の厚みが100nm以下の試験片を作製する。次いで、断面方向から積層構造部と当該層の位置を、透過型電子顕微鏡(TEM)により確認する。次いで、EDX装置の電子銃から電子線を放出させ、分析対象となる当該層の膜厚中央部近傍に入射させる。試験片表面から入射した電子は、ある深さまで入り込み、各種の電子線やX線を発生させる。この際の特性X線を検出して分析することで、当該層の構成元素分析を行うことができる。
本フィルムにおいて、バリア層は、緻密な膜を形成できる、数nm〜数十nm程度の薄膜層を均一な膜厚で形成できるなどの観点から、気相法を好適に利用することができる。
上記気相法としては、具体的には、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、MBE法、レーザーアブレーションなどといった物理的気相成長法(PVD)、熱CVD法、プラズマCVD法などといった化学的気相成長法(CVD)などを例示することができる。上記気相法としては、真空蒸着法などと比較して膜界面の密着性に優れる、膜厚制御が容易であるなどの観点から、DCマグネトロンスパッタリング法、RFマグネトロンスパッタリング法などのスパッタリング法を好適に用いることができる。
なお、上記積層構造部中に含まれうる各バリア層は、これら気相法のうち何れか1つの方法を利用して形成されていても良いし、あるいは、2つ以上の方法を利用して形成されていても良い。
また、上記バリア層は、上述した気相法を利用し、当初から金属酸化物層として成膜しても良いし、あるいは、一旦、金属層や部分酸化された金属酸化物層を成膜した後、これを事後的に酸化して形成することも可能である。なお、部分酸化された金属酸化物層とは、さらに酸化される余地がある金属酸化物層を指す。
当初から金属酸化物層として成膜する場合、具体的には、例えば、スパッタリングガスとしてのアルゴン、ネオンなどの不活性ガスに、さらに反応性ガスとして酸素を含むガスを混合し、金属と酸素とを反応させながら薄膜を形成すれば良い(反応性スパッタリング法)。反応性スパッタリング法を用いて、例えば、上記Ti/O比を有するチタン酸化物層を得る場合、雰囲気中の酸素濃度(不活性ガスに対する酸素を含むガスの体積割合)は、上述した膜厚範囲を考慮して最適な割合を適宜選択すれば良い。
一方、金属層や部分酸化された金属酸化物層を成膜した後、これを事後的に後酸化する場合、具体的には、透明高分子フィルム上に上述した積層構造部を形成した後、積層構造部中の金属層や部分酸化された金属酸化物層を後酸化させる等すれば良い。なお、金属層の成膜には、スパッタリング法等を、部分酸化された金属酸化物層の成膜には、上述した反応性スパッタリング法等を用いれば良い。
また、後酸化手法としては、加熱処理、加圧処理、化学処理、自然酸化等を例示することができる。これら後酸化手法のうち、比較的簡単かつ確実に後酸化を行うことができるなどの観点から、加熱処理が好ましい。上記加熱処理としては、例えば、上述した積層構造部を有する透明高分子フィルムを加熱炉等の加熱雰囲気中に存在させる方法、温水中に浸漬する方法、マイクロ波加熱する方法や、積層構造部中の金属層や部分酸化された金属酸化物層等を通電加熱する方法などを例示することができる。これらは1または2以上組み合わせて行っても良い。
上記加熱処理時の加熱条件としては、具体的には、例えば、好ましくは、30℃〜60℃、より好ましくは、32℃〜57℃、さらに好ましくは、35℃〜55℃の加熱温度、加熱雰囲気中に存在させる場合、好ましくは、5日間以上、より好ましくは、10日間以上、さらに好ましくは、15日間以上の加熱時間から選択すると良い。上記加熱条件の範囲内であれば、後酸化効果、透明高分子フィルムの熱変形・融着抑制等が良好だからである。
また、上記加熱処理時の加熱雰囲気は、大気中、高酸素雰囲気中、高湿度雰囲気中など酸素や水分の存在する雰囲気が好ましい。特に好ましくは、製造性、低コスト化等の観点から、大気中であると良い。
積層構造部中に上述した後酸化薄膜を含んでいる場合には、後酸化時に、金属酸化物層中に含まれていた水分や酸素が消費されているため、太陽光が当たっても金属酸化物層が化学反応し難くなる。具体的には、例えば、金属酸化物層がゾル−ゲル法により形成されている場合、後酸化時に、金属酸化物層中に含まれていた水分や酸素が消費されているため、金属酸化物層中に残存していたゾル−ゲル法による出発原料(金属アルコキシド等)と水分(吸着水等)・酸素等とが、太陽光によってゾルゲル硬化反応し難くなる。そのため、硬化収縮等の体積変化によって生じる内部応力を緩和することが可能となり、積層構造部の界面剥離等を抑制しやすくなる等、太陽光に対する耐久性を向上させやすくなる。
以上の構成の本ロールスクリーンによれば、夏季の日射により暑いときにはスクリーンを降ろして日射調整をすることができる。また、冬季においては、日中にスクリーンを上げておき、室内に日射を取り入れ、夜間など日射が入らない場合にはスクリーンを降ろして断熱することができる。
以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明する。
<透明積層フィルム(1)の作製>
(コーティング液の調製)
ゾル−ゲル法によるTiO層の形成に使用するコーティング液を調製した。すなわち、チタンアルコキシドとして、テトラ−n−ブトキシチタン4量体(日本曹達(株)製、「B4」)と、紫外線吸収性のキレートを形成する添加剤として、アセチルアセトンとを、n−ブタノールとイソプロピルアルコールとの混合溶媒に配合し、これを攪拌機を用いて10分間混合することにより、コーティング液を調製した。この際、テトラ−n−ブトキシチタン4量体/アセチルアセトン/n−ブタノール/イソプロピルアルコールの配合は、それぞれ6.75質量%/3.38質量%/59.87質量%/30.00質量%とした。
(各層の積層)
厚み50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績(株)製、「コスモシャイン(登録商標)A4100」)の一方面上に、1層目として、TiO層を以下の手順により成膜した。
すなわち、PETフィルムのPET面側に、マイクログラビアコーターを用いて、それぞれ所定の溝容積のグラビアロールで上記コーティング液を連続的に塗工した。次いで、インラインの乾燥炉を用いて、塗工膜を100℃で80秒間乾燥させ、TiO層の前駆体層を形成した。次いで、インラインの紫外線照射機〔高圧水銀ランプ(160W/cm)〕を用いて、上記塗工時と同線速で、上記前駆体層に対して連続的に紫外線を1.5秒間照射した。これによりPETフィルム上に、ゾルゲル硬化時に紫外線エネルギーを用いるゾル−ゲル法(以下「(ゾルゲル+UV)」と省略することがある。)によるTiO層(1層目)を成膜した。
次に、1層目の上に、2層目を構成する各薄膜を成膜した。すなわち、DCマグネトロンスパッタ装置を用い、1層目のTiO層上に、下側の金属Ti層をスパッタリングにより成膜した。次いで、この下側の金属Ti層上に、Ag−Cu合金層をスパッタリングにより成膜した。次いで、このAg−Cu合金層上に、上側の金属Ti層をスパッタリングにより成膜した。
この際、上側および下側の金属Ti層の成膜条件は、Tiターゲット(純度4N)、真空到達圧:5×10−6(Torr)、不活性ガス:Ar、ガス圧:2.5×10−3(Torr)、投入電力:1.5(kW)、成膜時間:1.1秒とした。
また、Ag−Cu合金薄膜の成膜条件は、Ag−Cu合金ターゲット(Cu含有量:4原子%)、真空到達圧:5×10−6(Torr)、不活性ガス:Ar、ガス圧:2.5×10−3(Torr)、投入電力:1.5(kW)、成膜時間:1.1秒とした。
次に、3層目として、2層目の上に、(ゾルゲル+UV)によるTiO層を成膜した。ここでは、1層目に準じた成膜手順を2回行うことにより、所定の膜厚とした。
次に、4層目として、3層目の上に、4層目を構成する各薄膜を成膜した。ここでは、2層目に準じた成膜手順を行った。
但し、Ag−Cu合金薄膜の成膜時に、上述した成膜条件を、Ag−Cu合金ターゲット(Cu含有量:4原子%)、真空到達圧:5×10−6(Torr)、不活性ガス:Ar、ガス圧:2.5×10−3(Torr)、投入電力:1.8(kW)、成膜時間:1.1秒と変更することで、膜厚を変化させた。
次に、5層目として、4層目の上に、3層目と同じ構成の(ゾルゲル+UV)によるTiO層を成膜した。
次に、6層目として、5層目の上に、2層目と同じ構成の各薄膜を成膜した。
次に、7層目として、6層目の上に、(ゾルゲル+UV)によるTiO層を成膜した。ここでは、1層目に準じた成膜手順を1回行うことにより、所定の膜厚とした。
その後、上記積層工程を経て得られた透明積層フィルムを、加熱炉内にて、40℃で300時間加熱処理することにより、積層構造部中に含まれる金属Ti層/Ag−Cu合金層/金属Ti層(2、4、6層目)を後酸化させた。
(保護層の形成)
紫外線硬化性のアクリル樹脂(DICグラフィックス社製、「UCシーラーTE014」)を濃度20%となるようにMEKで希釈し、塗液を調製した。次に、上記により作製した積層構造部付きフィルムの積層構造部の表面に、調製した塗液を塗工し、100℃で2分間乾燥し、さらに400mJ/cmの紫外線を照射した。これにより、透明積層部の表面に、アクリル樹脂(硬化物)よりなる保護層を形成した。
以上により、7層積層構造部を有する透明積層フィルム(1)を作製した。
<透明積層フィルム(2)の作製>
保護層の厚みを変更した以外は透明積層フィルム(1)と同様にして、7層積層構造部を有する透明積層フィルム(2)を作製した。
<透明積層フィルム(3)の作製>
透明積層フィルム(1)の各層の積層手順と同じ手順で3層目まで成膜した以外は透明積層フィルム(2)と同様にして、3層積層構造部を有する透明積層フィルム(3)を作製した。
<ロールスクリーン用シート材(1)の作製>
厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績(株)製、「コスモシャイン(登録商標)A4100」)に対し、接着剤を用いて透明積層フィルム(1)の保護層側を接着した(接着層の厚み22μm)。次いで、UV硬化型ハードコート剤(東洋インキ社製、「LCH」)を両外側面に塗工し、乾燥・硬化させることにより、ハードコート層を形成した。以上により、ロールスクリーン用シート材(1)を作製した。
<ロールスクリーン用シート材(2)の作製>
ポリエチレンテレフタレートフィルムに対し、接着剤を用いて透明積層フィルム(1)のPETフィルム側を接着した以外はロールスクリーン用シート材(1)と同様にしてロールスクリーン用シート材(2)を作製した。
<ロールスクリーン用シート材(3)の作製>
7層積層構造部を有する透明積層フィルム(1)に代えて3層積層構造部を有する透明積層フィルム(2)を用いた以外はロールスクリーン用シート材(2)の作製と同様にして、ロールスクリーン用シート材(3)を作製した。
表1に、透明積層フィルム(1)〜(3)の詳細な層構成を示す。また、表2に、シート材(1)〜(3)の詳細な層構成を示す。併せて、表2に、シート材(1)〜(3)の物性データをまとめて示す。測定方法は以下の通りである。
Figure 2012207445
Figure 2012207445
<可視光透過率>
JIS A5759に準拠し、分光光度計(島津製作所(株)製「UV3100」)を用いて、波長300〜1000nmの透過スペクトルを測定し、可視光透過率を計算する事により求めた。
<日射遮蔽係数>
JIS R3106に準拠し、ガラス面及びフィルム面の垂直放射率を求め、JIS A5759に準拠して遮蔽係数を求めた。
<可視光反射率>
JIS A5759に準拠し、分光光度計(島津製作所(株)製「UV3100」を用いて、波長300〜1000nmの反射スペクトルを測定し、可視光反射率を計算する事により求めた。
<ヘイズ>
JIS K7105に準拠し、ヘイズメーター(スガ試験機(株)製HGM−2DP)を用いて、ヘイズ値を求めた。
<熱貫流率>
JIS R3106に準拠し、ガラス面およびフィルム面の垂直放射率を求め、JIS A5759に準拠して熱貫流率を求めた。
シート材(1)によれば、可視光透過率65%以上、日射遮蔽係数0.69以下、可視光反射率10%以下、ヘイズ2.0以下を満たす。このため、高透明で日射遮蔽性に優れることが分かる。シート材(2)によれば、可視光透過率65%以上、日射遮蔽係数0.69以下、熱貫流率5.0W/m・K以下、可視光反射率10%以下、ヘイズ2.0以下を満たす。このため、高透明で日射遮蔽性に優れるとともに断熱性にも優れることが分かる。シート材(3)によれば、可視光透過率65%以上、熱貫流率5.0W/m・K以下、ヘイズ2.0以下を満たす。このため、高透明で断熱性に優れることが分かる。
したがって、これらのシート材を用いることにより、採光性を確保しつつ、日射による暑さの軽減や、冬季の寒さの軽減あるいは暖房効率の向上などを図ることができる。
次に、シート材(1)(2)を用い、以下の方法にしたがって、断熱効果について検証した。断熱効果の評価を行う装置を図4に示す。
図4に示す装置には、前面に窓ガラス2(190×290mm、厚み3mm)を備えた発泡スチロール製の箱1(470×270×250mm)を用いた。発泡スチロール製の箱1内には、作製したシート材3、遠赤外線ヒータ4(マルカン社製、「HD−20C」、20W)、アメニティメーター5(京都電子社製、「AM101」)、熱電対6b〜6d(3箇所)を配置した。また、箱外のガラス面に熱電対6a(1箇所)を配置した。実験条件は以下の通りである。
外気温:6.1℃
ヒータ設定温度:40℃
遠赤外線ヒータ−窓ガラス間距離:130mm
遠赤外線ヒータ−シート材間距離:130mm
遠赤外線ヒータ−アメニティメーター間距離:60mm
遠赤外線ヒータ−熱電対b間水平距離:150mm、鉛直距離:140mm
遠赤外線ヒータ−熱電対c間水平距離:120mm、鉛直距離:140mm
遠赤外線ヒータ−熱電対d間水平距離:80mm、鉛直距離:140mm
シート材を用いない場合と、シート材(1)(2)を用いた場合の3点について、遠赤外線ヒータをONにしたときの各位置での最高温度を測定し、シート材(1)を用いた場合におけるガラス表面の温度(熱電対aの温度)を基準にし、この温度との温度差(上昇温度)で表した。これらの結果を表3に示す。
Figure 2012207445
表3から、シート材を用いていない比較例1に比べ、シート材を用いた実施例1、2では、屋内の測定点b、c、dおよびアメニティメータの測定結果のいずれにおいても温度が高く、断熱効果があることが確認できた。特に、シート材(2)を用いると、断熱効果により優れることが確認できた。
以上、本発明の実施形態・実施例について説明したが、本発明は上記実施形態・実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能である。
10,30 ロールスクリーン用シート材
12 透明積層フィルム
14 スクリーン基材
16 シート基材
18 積層構造部

Claims (10)

  1. 透明高分子フィルムよりなるスクリーン基材と、前記スクリーン基材の少なくとも一方面に接着された透明積層フィルムと、を備え、
    前記透明積層フィルムが、透明高分子フィルムよりなるフィルム基材の少なくとも一方面に日射遮蔽性を有する積層構造部を備えた構成であり、
    可視光透過率65%以上、日射遮蔽係数0.69以下、可視光反射率10%以下、ヘイズ2.0以下に設定されていることを特徴とする透明ロールスクリーン。
  2. 透明高分子フィルムよりなるスクリーン基材と、前記スクリーン基材の少なくとも一方面に接着された透明積層フィルムと、を備え、
    前記透明積層フィルムが、透明高分子フィルムよりなるフィルム基材の少なくとも一方面に日射遮蔽性および断熱性を有する積層構造部を備えた構成であり、
    可視光透過率65%以上、日射遮蔽係数0.69以下、熱貫流率5.0W/m・K以下、可視光反射率10%以下、ヘイズ2.0以下に設定されていることを特徴とする透明ロールスクリーン。
  3. 前記透明積層フィルムのフィルム基材が積層構造部よりも前記スクリーン基材側に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の透明ロールスクリーン。
  4. 前記スクリーン基材の厚みが75〜125μmの範囲内に設定されているとともに、両外側にハードコート層が1〜3μmの範囲内の厚みで形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の透明ロールスクリーン。
  5. 前記スクリーン基材がポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂から選択される1種を主材料として含む樹脂組成物により形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の透明ロールスクリーン。
  6. 前記積層構造部が有機分を含有する金属酸化物層と金属層とが積層されたもので構成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の透明ロールスクリーン。
  7. 前記金属層の少なくとも一方面に金属酸化物より主に構成されるバリア層を有することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の透明ロールスクリーン。
  8. 前記金属酸化物層がチタン酸化物層であることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の透明ロールスクリーン。
  9. 前記金属層が銀層または銀合金層であることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の透明ロールスクリーン。
  10. 前記バリア層がチタン酸化物より主に構成されることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の透明ロールスクリーン。
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