JP2012161925A - 透明積層フィルムおよび複層ガラス - Google Patents

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宏樹 稲垣
Tetsuya Takeuchi
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Masataka Inuzuka
正隆 犬塚
Osamu Goto
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Abstract

【課題】高断熱性を維持したままで日射透過性を向上できる透明積層フィルムと、これを用いた複層ガラスを提供する。
【解決手段】透明高分子フィルム12の少なくとも一方面に、金属酸化物薄膜と金属薄膜とが交互に積層されてなる透明積層部14を有する透明積層フィルム10において、透明積層部14の最外膜は高屈折率の金属酸化物薄膜であり、この最外膜に接して低屈折率層16が設けられている。また、この透明積層フィルム10を2枚のガラス板間に配置した複層ガラスとする。
【選択図】図1

Description

本発明は、透明積層フィルムおよび複層ガラスに関し、さらに詳しくは、ビルや住宅等の複層の窓ガラスに対して好適に用いられる透明積層フィルムおよびこれを用いた複層ガラスに関するものである。
従来、フィルム面に各種の光学機能性薄膜を積層した光学機能性フィルムが知られている。このような光学機能性フィルムは、それぞれの目的に応じて用いられる。
例えば冬場においては、暖房費を節減するなどの目的で、ビル・一般住宅などの建築物や自動車・鉄道などの車両の窓ガラスに断熱性フィルムが用いられることがある。この場合、窓ガラスに用いられることから、断熱性フィルムには透明性が求められる。このため、この種の断熱性フィルムとしては、フィルム面に、金属酸化物薄膜と金属薄膜とが交互に積層された構成を有するものが知られている。
例えば特許文献1には、主に酸化チタンを含む金属酸化物薄膜と、主に銀を含む金属薄膜とが交互に積層された構成の断熱性フィルムが開示されている。
また、窓ガラスに断熱性フィルムを用いるだけでなく、窓ガラス自体にも断熱性を持たせることが行われている。このような断熱性の窓に用いられるものとしては、複層ガラス(ペアガラス)が知られている。複層ガラスは、例えばガラス間の中空層の厚みにより断熱性を向上させることができる。
そして、このような複層ガラスに断熱性フィルムを用いることで、窓ガラスの断熱性をさらに向上させることができる。このように複層ガラスに断熱性フィルムを用いて窓ガラスの断熱性を向上させることは、特許文献2に開示されている。
特公昭62−25096号公報 特公昭62−53674号公報
しかしながら、従来の断熱性フィルムにおいて、金属薄膜は、遠赤外反射性を有する一方で近赤外反射性も有するため、日射反射性が高い。このため、断熱性を付与できる一方で冬場の日中の太陽光エネルギーをも反射してしまい、日射による日中の室内の温度上昇を抑制してしまうという問題があった。冬場、特に寒冷地においては、日射熱を取り込むことが暖房費の節減につながることから、日射透過性を向上させることが求められる。
本発明が解決しようとする課題は、高断熱性を維持したままで日射透過性を向上できる透明積層フィルムと、これを用いた複層ガラスを提供することにある。
上記課題を解決するため本発明に係る透明積層フィルムは、透明高分子フィルムの少なくとも一方面に、金属酸化物薄膜と金属薄膜とが交互に積層されてなる透明積層部を有する透明積層フィルムにおいて、前記透明積層部の最外膜は、高屈折率の金属酸化物薄膜であり、前記最外膜に接して低屈折率層が設けられていることを要旨とするものである。
ここで、上記低屈折率層の屈折率は、1.45以下であることが好ましい。また、上記低屈折率層の厚みは、30〜100nmの範囲内であることが好ましい。また、上記低屈折率層は、中空構造を有する微粒子がバインダに配合された材料により形成されていることが好ましい。この際、上記低屈折率層のバインダは、アクリル樹脂であることが好ましい。また、上記低屈折率層は、フッ素樹脂またはフッ化マグネシウムを含む材料により形成されていても良い。また、上記透明積層部および該透明積層部の最外膜に接する低屈折率層は、上記透明高分子フィルムの両面に設けられていることが好ましい。
そして、本発明に係る複層ガラスは、上記の透明積層フィルムをガラス間に配置してなることを要旨とするものである。
本発明に係る透明積層フィルムによれば、高屈折率の金属酸化物薄膜よりなる透明積層部の最外膜に接して低屈折率層が設けられていることから、透明積層部の最外膜の高屈折率層とこれに接する低屈折率層との間の屈折率の差を利用して、近赤外の反射成分を打ち消し合うことができる。これにより、日射反射性を低減し、日射透過性を向上できる。この際、金属薄膜の厚みを維持したまま日射透過性を向上できるため、高断熱性を維持したまま日射透過性を向上できる。
ここで、上記低屈折率層の屈折率が1.45以下であると、確実に上記効果を奏する。そして、上記低屈折率層の厚みが30〜100nmの範囲内であると、日射透過率を高める効果に特に優れる。そして、上記低屈折率層が中空構造を有する微粒子がバインダに配合された材料により形成されていると、低屈折率にしやすい。また、上記低屈折率層は、フッ素樹脂またはフッ化マグネシウムを含む材料により形成されていても、低屈折率にしやすい。そして、上記低屈折率層のバインダがアクリル樹脂であると、さらに耐擦傷性を高めることができる。また、上記透明積層部および該透明積層部の最外膜に接する低屈折率層が上記透明高分子フィルムの両面に設けられていると、より一層、日射透過性を向上できる。
そして、本発明に係る複層ガラスによれば、上記の透明積層フィルムをガラス間に配置してなることから、断熱性と日射透過性に優れる。
本実施形態に係る透明積層フィルムを模式的に示した図である。 本実施形態に係る他の透明積層フィルムを模式的に示した図である。 本実施形態に係る複層ガラスを模式的に示した図である。 実施例の透明積層フィルムと比較例の透明積層フィルムの透過率および反射率を示したグラフである。
本実施形態に係る透明積層フィルム(以下、「本積層フィルム」ということがある。)について詳細に説明する。
1.本積層フィルム
図1は、本積層フィルムを模式的に示したものである。図1に示すように、本積層フィルム10は、透明高分子フィルム12の両面に、透明積層部14と、低屈折率層16とがこの順で積層されたもので構成されている。
透明高分子フィルムの材料としては、具体的には、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン、ポリイミド、ポリアミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、トリアセチルセルロース、ポリウレタン、シクロオレフィンポリマー等の高分子材料を例示することができる。これらは1種または2種以上含まれていても良い。また、2種以上の透明高分子を積層して用いることもできる。これらのうち、とりわけ、透明性、耐久性、加工性等に優れるなどの観点から、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、シクロオレフィンポリマー等を好適なものとして例示することができる。
透明高分子フィルムの厚みの下限値は、加工時にしわが入り難い、破断し難いなどの観点から、好ましくは、15μm以上、より好ましくは、25μm以上であると良い。一方、透明高分子フィルムの厚みの上限値は、巻回容易性、経済性などの観点から、好ましくは、500μm以下、より好ましくは、250μm以下であると良い。
透明積層部は、金属酸化物薄膜(以下、「MO」と略表記することがある。)と金属薄膜(以下、「M」と略表記することがある。)とを少なくとも含んでいる。金属薄膜(M)の何れか一方面または両面には、さらに、バリア薄膜(以下、「B」と略表記することがある。)が形成されていても良い。金属薄膜(M)を構成する元素が金属酸化物薄膜(MO)中に拡散するのを抑制しやすく、耐久性の向上に寄与できるからである。
透明積層部の基本構造は、金属酸化物薄膜(MO)と金属薄膜(M)とが交互に積層された積層構造である。本積層フィルムでは、透明積層部の最外膜を、高屈折率の金属酸化物薄膜(MO)にしている。この場合、金属酸化物薄膜中に含まれることがある水酸基等の官能基と、後述する低屈折率層のバインダ(例えばアクリル樹脂など)とが反応すると、透明積層部と低屈折率層との密着性が高まり、密着性向上に有利となる。
透明積層部は、可視光透過性、遠赤外線反射性、低コスト性などの観点から、3層積層構造が好ましい。具体的には、MO(1層目)│B/M/B(2層目)│MO(3層目)、MO(1層目)│B/M(2層目)│MO(3層目)、MO(1層目)│M/B(2層目)│MO(3層目)、MO(1層目)│M(2層目)│MO(3層目)、M(1層目)│MO(2層目)│M(3層目)、B/M/B(1層目)│MO(2層目)│B/M/B(3層目)、M/B(1層目)│MO(2層目)│B/M/B(3層目)、B/M/B(1層目)│MO(2層目)│B/M(3層目)、M/B(1層目)│MO(2層目)│B/M(3層目)、B/M/B(1層目)│MO(2層目)│M(3層目)、M(1層目)│MO(2層目)│B/M/B(3層目)、M/B(1層目)│MO(2層目)│M(3層目)、M(1層目)│MO(2層目)│B/M(3層目)等の3層積層構造を好適な構造として例示することができる。
なお、透明積層部の積層数は、透明積層部を支持する透明高分子フィルム側から数える。バリア薄膜(B)は金属薄膜(M)に付随する薄膜であるためバリア薄膜(B)を含めた金属薄膜(M)を1層、金属酸化物薄膜(MO)を1層として数える。「│」は層の区切りを意味し、「/」は金属薄膜(M)にバリア薄膜(B)が付随していることを意味する。2以上の金属酸化物薄膜(MO)、バリア薄膜(B)を有する場合、膜質、膜厚等は同じであっても異なっていても良い。
低屈折率層は、高屈折率の金属酸化物薄膜よりなる透明積層部の最外膜に接して設けられている。低屈折率層は、可視光領域において優れた光透過性を有し、透明性を有する。低屈折率層は、633nmの光に対する屈折率が1.45以下であることが好ましい。
低屈折率層の厚みは、例えば20〜100nmの範囲内で選択できる。好ましくは、30〜70nmの範囲内である。この範囲内であると、日射透過率を高める効果に特に優れる。低屈折率層の厚みが30nm未満あるいは100nm超では、日射透過率が低下しやすい。
低屈折率層は、低屈折率の材料により形成される。このような材料としては、低屈折率のフィラーがバインダに配合された材料や、低屈折率のフッ素系材料などを挙げることができる。フッ素系材料としては、フッ素樹脂、フッ化マグネシウムを挙げることができる。
低屈折率のフィラーとしては、中空構造を有する微粒子を挙げることができる。微粒子の材質としては、特に限定されるものではないが、材質面からも低屈折率にできる、透明性に優れるなどの点で、シリカ(SiO)を挙げることができる。
低屈折率のフィラーとともに用いるバインダとしては、特に限定されるものではないが、耐擦傷性に優れる、耐候性に優れるなどの点で、アクリル樹脂が好ましい。アクリル樹脂としては、アクリル・ウレタン樹脂、シリコンアクリル樹脂、アクリル・メラミン樹脂などを例示することができる。また、アクリル樹脂は、耐擦傷性に優れるなどの点で、硬化物とすることが好ましい。
低屈折率層は、例えば、材料を適当な溶剤に希釈し、塗工法を用いて透明積層部の上に層状にコーティングした後、必要に応じて、熱や光、水など、材料に応じた適当な硬化手段により硬化させることにより形成することができる。
以下、本積層フィルムの透明積層部を構成する金属酸化物薄膜(MO)、金属薄膜(M)、バリア薄膜(B)について詳細に説明する。
<金属酸化物薄膜>
本積層フィルムにおいて、金属酸化物薄膜は、可視光領域において透明性を有し、主として高屈折率層として機能しうるものである。ここで、高屈折率とは、633nmの光に対する屈折率が1.7以上ある場合をいう。
上記金属酸化物としては、具体的には、例えば、チタンの酸化物、亜鉛の酸化物、インジウムの酸化物、スズの酸化物、インジウムとスズとの酸化物、マグネシウムの酸化物、アルミニウムの酸化物、ジルコニウムの酸化物、ニオブの酸化物、セリウムの酸化物などを例示することができる。これらは1種または2種以上含まれていても良い。また、これら金属酸化物は、2種以上の金属酸化物が複合した複酸化物であっても良い。
上記金属酸化物としては、とりわけ、可視光に対する屈折率が比較的大きいなどの観点から、酸化チタン(TiO)、ITO、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)などを好適なものとして例示することができる。これらは1種または2種以上含まれていても良い。
ここで、金属酸化物薄膜は、主として上述した金属酸化物より構成されているが、金属酸化物以外にも、有機分を含有していても良い。有機分を含有することで、本積層フィルムの柔軟性をより向上させることができるためである。この種の有機分としては、具体的には、例えば、ゾル−ゲル法の出発原料に由来する成分等、金属酸化物薄膜の形成材料に由来する成分などを例示することができる。
上記有機分としては、より具体的には、例えば、上述した金属酸化物を構成する金属の金属アルコキシド、金属アシレート、金属キレートなどといった有機金属化合物(その分解物なども含む)や、上記有機金属化合物と反応して紫外線吸収性のキレートを形成する有機化合物(後述する)等の各種添加剤などを例示することができる。これらは1種または2種以上含まれていても良い。
金属酸化物薄膜中に含まれる有機分の含有量の下限値は、柔軟性を付与しやすいなどの観点から、好ましくは、3質量%以上、より好ましくは、5質量%以上、さらに好ましくは、7質量%以上であると良い。一方、金属酸化物薄膜中に含まれる有機分の含有量の上限値は、高屈折率を確保しやすくなる、耐溶剤性を確保しやすくなるなどの観点から、好ましくは、30質量%以下、より好ましくは、25質量%以下、さらに好ましくは、20質量%以下であると良い。
なお、上記有機分の含有量は、X線光電子分光法(XPS)などを用いて調べることができる。また、上記有機分の種類は、赤外分光法(IR)(赤外吸収分析)などを用いて調べることができる。
金属酸化物薄膜の膜厚の下限値は、可視光透過性、反射色などの観点から、好ましくは、5nm以上、より好ましくは、10nm以上、さらに好ましくは、20nm以上であると良い。一方、金属酸化物薄膜の膜厚の上限値は、可視光透過性、反射色、膜の密着性などの観点から、好ましくは、80nm以下、より好ましくは、75nm以下、さらに好ましくは、70nm以下であると良い。
以上のような構成を有する金属酸化物薄膜は、気相法、液相法の何れでも形成することができる。液相法は、気相法と比較して、真空引きしたり、大電力を使用したりする必要がない。そのため、その分、コスト的に有利であり、生産性にも優れているので好適である。
上記液相法としては、有機分を残存させやすいなどの観点から、ゾル−ゲル法を好適に利用することができる。
上記ゾル−ゲル法としては、より具体的には、例えば、金属酸化物を構成する金属の有機金属化合物を含有するコーティング液を薄膜状にコーティングし、これを必要に応じて乾燥させ、金属酸化物薄膜の前駆体薄膜を形成した後、この前駆体薄膜中の有機金属化合物を加水分解・縮合反応させ、有機金属化合物を構成する金属の酸化物を合成するなどの方法を例示することができる。これによれば、金属酸化物を主成分として含み、有機分を含有する金属酸化物薄膜を形成することができる。以下、上記方法について詳細に説明する。
上記コーティング液は、上記有機金属化合物を適当な溶媒に溶解して調製することができる。この際、有機金属化合物としては、具体的には、例えば、チタン、亜鉛、インジウム、スズ、マグネシウム、アルミニウム、ジルコニウム、ニオブ、セリウム、シリコン、ハフニウム、鉛などの金属の有機化合物などを例示することができる。これらは1種または2種以上含まれていても良い。
上記有機金属化合物としては、具体的には、例えば、上記金属の金属アルコキシド、金属アシレート、金属キレートなどを例示することができる。好ましくは、空気中での安定性などの観点から、金属キレートであると良い。
上記有機金属化合物としては、とりわけ、高屈折率を有する金属酸化物になり得る金属の有機化合物を好適に用いることができる。このような有機金属化合物としては、例えば、有機チタン化合物などを例示することができる。
上記有機チタン化合物としては、具体的には、例えば、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラ−i−プロポキシチタン、テトラメトキシチタンなどのM−O−R結合(Rはアルキル基を示し、Mはチタン原子を示す)を有するチタンのアルコキシドや、イソプロポキシチタンステアレートなどのM−O−CO−R結合(Rはアルキル基を示し、Mはチタン原子を示す)を有するチタンのアシレートや、ジイソプロポキシチタンビスアセチルアセトナート、ジヒドロキシビスラクタトチタン、ジイソプロポキシビストリエタノールアミナトチタン、ジイソプロポキシビスエチルアセトアセタトチタンなどのチタンのキレートなどを例示することができる。これらは1種または2種以上混合されていても良い。また、これらは単量体、多量体の何れであっても良い。
上記コーティング液中に占める有機金属化合物の含有量は、塗膜の膜厚均一性や一回に塗工できる膜厚などの観点から、好ましくは、1〜20質量%、より好ましくは、3〜15質量%、さらに好ましくは、5〜10質量%の範囲内にあると良い。
また、上記有機金属化合物を溶解させる溶媒としては、具体的には、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘプタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、酢酸エチルなどの有機酸エステル、アセトニトリル、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのシクロエーテル類、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミドなどの酸アミド類、ヘキサンなどの炭化水素類、トルエンなどの芳香族類などを例示することができる。これらは1種または2種以上混合されていても良い。
この際、上記溶媒量は、上記有機金属化合物の固形分重量に対して、塗膜の膜厚均一性や一回に塗工できる膜厚などの観点から、好ましくは、5〜100倍量、より好ましくは、7〜30倍量、さらに好ましくは、10〜20倍量の範囲内であると良い。
上記溶媒量が100倍量より多くなると、一回のコーティングで形成できる膜厚が薄くなり、所望の膜厚を得るために多数回のコーティングが必要となる傾向が見られる。一方、5倍量より少なくなると、膜厚が厚くなり過ぎ、有機金属化合物の加水分解・縮合反応が十分に進行し難くなる傾向が見られる。したがって、上記溶媒量は、これらを考慮して選択すると良い。
上記コーティング液の調製は、例えば、所定割合となるように秤量した有機金属化合物と、適当な量の溶媒と、必要に応じて添加される他の成分とを、攪拌機などの撹拌手段により所定時間撹拌・混合するなどの方法により調製することができる。この場合、各成分の混合は、1度に混合しても良いし、複数回に分けて混合しても良い。
また、上記コーティング液のコーティング法としては、均一なコーティングが行いやすいなどの観点から、マイクログラビア法、グラビア法、リバースロールコート法、ダイコート法、ナイフコート法、ディップコート法、スピンコート法、バーコート法など、各種のウェットコーティング法を好適なものとして例示することができる。これらは適宜選択して用いることができ、1種または2種以上併用しても良い。
また、コーティングされたコーティング液を乾燥する場合、公知の乾燥装置などを用いて乾燥させれば良く、この際、乾燥条件としては、具体的には、例えば、80℃〜120℃の温度範囲、0.5分〜5分の乾燥時間などを例示することができる。
また、前駆体薄膜中の有機金属化合物を加水分解・縮合反応させる手段としては、具体的には、例えば、紫外線、電子線、X線等の光エネルギーの照射、加熱など、各種の手段を例示することができる。これらは1種または2種以上組み合わせて用いても良い。これらのうち、好ましくは、光エネルギーの照射、とりわけ、紫外線照射を好適に用いることができる。他の手段と比較した場合、低温、短時間で金属酸化物を生成できるし、熱劣化など、熱による負荷を透明高分子フィルムに与え難いからである(とりわけ、紫外線照射の場合は、比較的簡易な設備で済む利点がある。)。また、有機分として、有機金属化合物(その分解物なども含む)などを残存させやすい利点もあるからである。
さらには、ゾルゲル硬化時に光エネルギーを用いるゾル−ゲル法を採用した場合には、スパッタ等により形成した金属酸化物薄膜に比べ、粗な金属酸化物薄膜とすることができる。
この際、用いる紫外線照射機としては、具体的には、例えば、水銀ランプ、キセノンランプ、重水素ランプ、エキシマランプ、メタルハライドランプなどを例示することができる。これらは1種または2種以上組み合わせて用いても良い。
また、照射する光エネルギーの光量は、前駆体薄膜を主に形成している有機金属化合物の種類、前駆体薄膜の厚みなどを考慮して種々調節することができる。もっとも、照射する光エネルギーの光量が過度に小さすぎると、金属酸化物薄膜の高屈折率化を図り難くなる。一方、照射する光エネルギーの光量が過度に大きすぎると、光エネルギーの照射の際に生じる熱により透明高分子フィルムが変形することがある。したがって、これらに留意すると良い。
照射する光エネルギーが紫外線である場合、その光量は、金属酸化物薄膜の屈折率、透明高分子フィルムが受けるダメージなどの観点から、測定波長300〜390nmのとき、好ましくは、300〜8000mJ/cm、より好ましくは、500〜5000mJ/cmの範囲内であると良い。
なお、前駆体薄膜中の有機金属化合物を加水分解・縮合反応させる手段として、光エネルギーの照射を用いる場合、上述したコーティング液中に、有機金属化合物と反応して光吸収性(例えば、紫外線吸収性)のキレートを形成する有機化合物等の添加剤を添加しておくと良い。出発溶液であるコーティング液中に上記添加剤が添加されている場合には、予め光吸収性キレートが形成されたところに光エネルギーの照射がなされるので、比較的低温下において金属酸化物薄膜の高屈折率化を図り得やすくなるからである。
上記添加剤としては、具体的には、例えば、βジケトン類、アルコキシアルコール類、アルカノールアミン類などの添加剤を例示することができる。より具体的には、上記βジケトン類としては、例えば、アセチルアセトン、ベンゾイルアセトン、アセト酢酸エチル、アセト酢酸メチル、マロン酸ジエチルなどを例示することができる。上記アルコキシアルコール類としては、例えば、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−メトキシ−2−プロパノールなどを例示することができる。上記アルカノールアミン類としては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどを例示することができる。これらは1種または2種以上混合されていても良い。
これらのうち、とりわけ、βジケトン類が好ましく、中でもアセチルアセトンを最も好適に用いることができる。
また、上記添加剤の配合割合としては、屈折率の上がりやすさ、塗膜状態での安定性などの観点から、上記有機金属化合物における金属原子1モルに対して、好ましくは、0.1〜2倍モル、より好ましくは、0.5〜1.5倍モルの範囲内にあると良い。
<金属薄膜>
本積層フィルムにおいて、金属薄膜は、遠赤外線を反射する金属(合金含む)より形成されている。
上記金属としては、具体的には、例えば、銀、金、白金、銅、アルミニウム、クロム、チタン、亜鉛、スズ、ニッケル、コバルト、ニオブ、タンタル、タングステン、ジルコニウム、鉛、パラジウム、インジウムなどの金属や、これら金属の合金などを例示することができる。これらは1種または2種以上含まれていても良い。
上記金属としては、積層時の可視光透過性、遠赤外線反射性等に優れるなどの観点から、銀または銀合金が好ましい。より好ましくは、熱、光、水蒸気などの環境に対する耐久性が向上するなどの観点から、銀を主成分とし、銅、ビスマス、金、パラジウム、白金、チタンなどの金属元素を少なくとも1種以上含んだ銀合金であると良い。さらに好ましくは、銅を含む銀合金(Ag−Cu系合金)、ビスマスを含む銀合金(Ag−Bi系合金)、チタンを含む銀合金(Ag−Ti系合金)等であると良い。銀の拡散抑制効果が大きい、コスト的に有利であるなどの利点があるからである。
銅を含む銀合金を用いる場合、銀、銅以外にも、例えば、銀の凝集・拡散抑制効果に悪影響を与えない範囲内であれば、他の元素、不可避不純物を含有していても良い。
上記他の元素としては、具体的には、例えば、Mg、Pd、Pt、Au、Zn、Al、Ga、In、Sn、Sb、Li、Cd、Hg、AsなどのAgに固溶可能な元素;Be、Ru、Rh、Os、Ir、Bi、Ge、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Si、Tl、Pbなど、Ag−Cu系合金中に単相として析出可能な元素;Y、La、Ce、Nd、Sm、Gd、Tb、Dy、Ti、Zr、Hf、Na、Ca、Sr、Ba、Sc、Pr、Eu、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、S、Se、TeなどのAgとの金属間化合物を析出可能な元素などを例示することができる。これらは1種または2種以上含有されていても良い。
銅を含む銀合金を用いる場合、銅の含有量の下限値は、添加効果を得る観点から、好ましくは、1原子%以上、より好ましくは、2原子%以上、さらに好ましくは、3原子%以上であると良い。一方、銅の含有量の上限値は、高透明性を確保しやすくなる、スパッタターゲットが作製しやすい等の製造性などの観点から、好ましくは、20原子%以下、より好ましくは、10原子%以下、さらに好ましくは、5原子%以下であると良い。
また、ビスマスを含む銀合金を用いる場合、銀、ビスマス以外にも、例えば、銀の凝集・拡散抑制効果に悪影響を与えない範囲内であれば、他の元素、不可避不純物を含有していても良い。
上記他の元素としては、具体的には、例えば、Mg、Pd、Pt、Au、Zn、Al、Ga、In、Sn、Sb、Li、Cd、Hg、AsなどのAgに固溶可能な元素;Be、Ru、Rh、Os、Ir、Cu、Ge、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Si、Tl、Pbなど、Ag−Bi系合金中に単相として析出可能な元素;Y、La、Ce、Nd、Sm、Gd、Tb、Dy、Ti、Zr、Hf、Na、Ca、Sr、Ba、Sc、Pr、Eu、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、S、Se、TeなどのAgとの金属間化合物を析出可能な元素などを例示することができる。これらは1種または2種以上含有されていても良い。
ビスマスを含む銀合金を用いる場合、ビスマスの含有量の下限値は、添加効果を得る観点から、好ましくは、0.01原子%以上、より好ましくは、0.05原子%以上、さらに好ましくは、0.1原子%以上であると良い。一方、ビスマスの含有量の上限値は、スパッタターゲットが作製しやすい等の製造性などの観点から、好ましくは、5原子%以下、より好ましくは、2原子%以下、さらに好ましくは、1原子%以下であると良い。
また、チタンを含む銀合金を用いる場合、銀、チタン以外にも、例えば、銀の凝集・拡散抑制効果に悪影響を与えない範囲内であれば、他の元素、不可避不純物を含有していても良い。
上記他の元素としては、具体的には、例えば、Mg、Pd、Pt、Au、Zn、Al、Ga、In、Sn、Sb、Li、Cd、Hg、AsなどのAgに固溶可能な元素;Be、Ru、Rh、Os、Ir、Cu、Ge、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Si、Tl、Pb、Biなど、Ag−Ti系合金中に単相として析出可能な元素;Y、La、Ce、Nd、Sm、Gd、Tb、Dy、Zr、Hf、Na、Ca、Sr、Ba、Sc、Pr、Eu、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、S、Se、TeなどのAgとの金属間化合物を析出可能な元素などを例示することができる。これらは1種または2種以上含有されていても良い。
チタンを含む銀合金を用いる場合、チタンの含有量の下限値は、添加効果を得る観点から、好ましくは、0.01原子%以上、より好ましくは、0.05原子%以上、さらに好ましくは、0.1原子%以上であると良い。一方、チタンの含有量の上限値は、膜にした場合、完全な固溶体が得られやすくなるなどの観点から、好ましくは、2原子%以下、より好ましくは、1.75原子%以下、さらに好ましくは、1.5原子%以下であると良い。
なお、上記銅、ビスマス、チタン等の副元素割合は、ICP分析法を用いて測定することができる。また、上記金属薄膜を構成する金属(合金含む)は、部分的に酸化されていても良い。
金属薄膜の膜厚の下限値は、遠赤外線反射性、耐久性などの観点から、好ましくは、3nm以上、より好ましくは、5nm以上、さらに好ましくは、7nm以上であると良い。一方、金属薄膜の膜厚の上限値は、可視光透過性、経済性などの観点から、好ましくは、30nm以下、より好ましくは、20nm以下、さらに好ましくは、15nm以下であると良い。
ここで、金属薄膜を形成する方法としては、具体的には、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、MBE法、レーザーアブレーションなどといった物理的気相成長法(PVD)、熱CVD法、プラズマCVD法などといった化学的気相成長法(CVD)などの気相法などを例示することができる。金属薄膜は、これらのうち何れか1つの方法を用いて形成されていても良いし、あるいは、2つ以上の方法を用いて形成されていても良い。
これら方法のうち、緻密な膜質が得られる、膜厚制御が比較的容易であるなどの観点から、好ましくは、DCマグネトロンスパッタリング法、RFマグネトロンスパッタリング法などのスパッタリング法を好適に用いることができる。
なお、金属薄膜は、後述する後酸化等を受けて、本願における金属薄膜の機能を損なわない範囲内で酸化されていても良い。
<バリア薄膜>
本積層フィルムにおいて、バリア薄膜は、主として、金属薄膜を構成する元素が、金属酸化物薄膜中へ拡散するのを抑制するバリア的な機能を有している。また、金属酸化物薄膜と金属薄膜との間に介在することで、両者の密着性の向上にも寄与しうる。
なお、バリア薄膜は、上記拡散を抑制できれば、浮島状など、不連続な部分があっても良い。
バリア薄膜を構成する金属酸化物としては、具体的には、例えば、チタンの酸化物、亜鉛の酸化物、インジウムの酸化物、スズの酸化物、インジウムとスズとの酸化物、マグネシウムの酸化物、アルミニウムの酸化物、ジルコニウムの酸化物、ニオブの酸化物、セリウムの酸化物などを例示することができる。これらは1種または2種以上含まれていても良い。また、これら金属酸化物は、2種以上の金属酸化物が複合した複酸化物であっても良い。なお、バリア薄膜は、上記金属酸化物以外に不可避不純物などを含んでいても良い。
ここで、バリア薄膜としては、金属薄膜を構成する金属の拡散抑制効果に優れる、密着性に優れるなどの観点から、金属酸化物薄膜中に含まれる金属の酸化物より主に構成されていると良い。
より具体的には、例えば、金属酸化物薄膜としてTiO薄膜を選択した場合、バリア薄膜は、TiO薄膜中に含まれる金属であるTiの酸化物より主に構成されるチタン酸化物薄膜であると良い。
また、バリア薄膜がチタン酸化物薄膜である場合、当該バリア薄膜は、当初からチタン酸化物として形成された薄膜であっても良いし、金属Ti薄膜が後酸化されて形成された薄膜、または、部分酸化されたチタン酸化物薄膜が後酸化されて形成された薄膜等であっても良い。
バリア薄膜は、金属酸化物薄膜と同じように主に金属酸化物から構成されるが、金属酸化物薄膜よりも膜厚が薄く設定される。これは、金属薄膜を構成する金属の拡散は、原子レベルで生じるので、屈折率を十分確保するのに必要な膜厚まで厚くする必要性が低いからである。また、薄く形成することで、その分、成膜コストが安価になり、本積層フィルムの製造コストの低減にも寄与することができる。
バリア薄膜の膜厚の下限値は、バリア性を確保しやすくなるなどの観点から、好ましくは、0.5nm以上、より好ましくは、0.8nm以上、さらに好ましくは、1.0nm以上であると良い。一方、バリア薄膜の膜厚の上限値は、可視光透過性などの観点から、好ましくは、10nm以下、より好ましくは、8nm以下、さらに好ましくは、5nm以下であると良い。
バリア薄膜が主にチタン酸化物より構成される場合、チタン酸化物における酸素に対するチタンの原子モル比Ti/Oの下限値は、バリア性などの観点から、1.0/4.0以上、より好ましくは、1.0/3.8以上、さらに好ましくは、1.0/3.5以上、さらにより好ましくは、1.0/3.0以上、最も好ましくは、1.0/2.8以上であると良い。
バリア薄膜が主にチタン酸化物より構成される場合、チタン酸化物における酸素に対するチタンの原子モル比Ti/Oの上限値は、可視光透過性などの観点から、好ましくは、1.0/0.5以下、より好ましくは、1.0/0.7以下、さらに好ましくは、1.0/1.0以下、さらにより好ましくは、1.0/1.2以下、最も好ましくは、1.0/1.5以下であると良い。
上記Ti/O比は、当該薄膜の組成から算出することができる。当該薄膜の組成分析方法としては、極めて薄い薄膜の組成を比較的正確に分析することが可能な観点から、エネルギー分散型蛍光X線分析(EDX)を好適に用いることができる。
具体的な組成分析方法について説明すると、先ず、超薄切片法(ミクロトーム)などを用いて、分析対象となる当該薄膜を含む積層構造の断面方向の厚みが100nm以下の試験片を作製する。次いで、断面方向から積層構造と当該薄膜の位置を、透過型電子顕微鏡(TEM)により確認する。次いで、EDX装置の電子銃から電子線を放出させ、分析対象となる当該薄膜の膜厚中央部近傍に入射させる。試験片表面から入射した電子は、ある深さまで入り込み、各種の電子線やX線を発生させる。この際の特性X線を検出して分析することで、当該薄膜の構成元素分析を行うことができる。
本積層フィルムにおいて、バリア薄膜は、緻密な膜を形成できる、数nm〜数十nm程度の薄膜を均一な膜厚で形成できるなどの観点から、気相法を好適に利用することができる。
上記気相法としては、具体的には、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、MBE法、レーザーアブレーションなどといった物理的気相成長法(PVD)、熱CVD法、プラズマCVD法などといった化学的気相成長法(CVD)などを例示することができる。上記気相法としては、真空蒸着法などと比較して膜界面の密着性に優れる、膜厚制御が容易であるなどの観点から、DCマグネトロンスパッタリング法、RFマグネトロンスパッタリング法などのスパッタリング法を好適に用いることができる。
なお、上記積層構造中に含まれうる各バリア層は、これら気相法のうち何れか1つの方法を利用して形成されていても良いし、あるいは、2つ以上の方法を利用して形成されていても良い。
また、上記バリア薄膜は、上述した気相法を利用し、当初から金属酸化物薄膜として成膜しても良いし、あるいは、一旦、金属薄膜や部分酸化された金属酸化物層を成膜した後、これを事後的に酸化して形成することも可能である。なお、部分酸化された金属酸化物薄膜とは、さらに酸化される余地がある金属酸化物薄膜を指す。
当初から金属酸化物薄膜として成膜する場合、具体的には、例えば、スパッタリングガスとしてのアルゴン、ネオンなどの不活性ガスに、さらに反応性ガスとして酸素を含むガスを混合し、金属と酸素とを反応させながら薄膜を形成すれば良い(反応性スパッタリング法)。反応性スパッタリング法を用いて、例えば、上記Ti/O比を有するチタン酸化物薄膜を得る場合、雰囲気中の酸素濃度(不活性ガスに対する酸素を含むガスの体積割合)は、上述した膜厚範囲を考慮して最適な割合を適宜選択すれば良い。
一方、金属薄膜や部分酸化された金属酸化物薄膜を成膜した後、これを事後的に後酸化する場合、具体的には、透明積層部付フィルムを形成した後、応力緩和層、保護層を形成する前または後に、透明積層部中の金属薄膜や部分酸化された金属酸化物薄膜を後酸化させる等すれば良い。なお、金属薄膜の成膜には、スパッタリング法等を、部分酸化された金属酸化物薄膜の成膜には、上述した反応性スパッタリング法等を用いれば良い。
また、後酸化手法としては、加熱処理、加圧処理、化学処理、自然酸化等を例示することができる。これら後酸化手法のうち、比較的簡単かつ確実に後酸化を行うことができるなどの観点から、加熱処理が好ましい。上記加熱処理としては、例えば、透明積層フィルムを加熱炉等の加熱雰囲気中に存在させる方法、温水中に浸漬する方法、マイクロ波加熱する方法や、透明積層部中の金属薄膜や部分酸化された金属酸化物薄膜等を通電加熱する方法などを例示することができる。これらは1または2以上組み合わせて行っても良い。
上記加熱処理時の加熱条件としては、具体的には、例えば、好ましくは、30℃〜60℃、より好ましくは、32℃〜57℃、さらに好ましくは、35℃〜55℃の加熱温度、加熱雰囲気中に存在させる場合、好ましくは、5日間以上、より好ましくは、10日間以上、さらに好ましくは、15日間以上の加熱時間から選択すると良い。上記加熱条件の範囲内であれば、後酸化効果が良好だからである。
また、上記加熱処理時の加熱雰囲気は、大気中、高酸素雰囲気中、高湿度雰囲気中など酸素や水分の存在する雰囲気が好ましい。特に好ましくは、製造性、低コスト化等の観点から、大気中であると良い。
透明積層部中に上述した後酸化薄膜を含んでいる場合には、後酸化時に、金属酸化物層中に含まれていた水分や酸素が消費されているため、太陽光が当たっても金属酸化物薄膜が化学反応し難くなる。具体的には、例えば、金属酸化物薄膜がゾル−ゲル法により形成されている場合、後酸化時に、金属酸化物薄膜中に含まれていた水分や酸素が消費されているため、金属酸化物薄膜中に残存していたゾル−ゲル法による出発原料(金属アルコキシド等)と水分(吸着水等)・酸素等とが、太陽光によってゾルゲル硬化反応し難くなる。そのため、透明積層部の形成時における硬化収縮等の体積変化によって生じる内部応力を緩和することが可能となり、透明積層部と透明高分子フィルムとの間の界面剥離等を抑制しやすくなる等、太陽光に対する耐久性を向上させやすくなる。
本積層フィルムは、透明高分子フィルムの両面のうちの一方面に、透明積層部が設けられたものであっても良い。図2は、このような他の実施形態の本積層フィルムを模式的に示したものである。図2に示すように、本積層フィルム20は、透明高分子フィルム12の両面のうちの一方面に、透明積層部14と、低屈折率層16とがこの順で積層されたもので構成されている。
以上の構成の本積層フィルムによれば、高屈折率の金属酸化物薄膜よりなる透明積層部の最外膜に接して低屈折率層が設けられていることから、透明積層部の最外膜の高屈折率層とこれに接する低屈折率層との間の屈折率の差を利用して、近赤外の反射成分を打ち消し合うことができる。これにより、日射反射性を低減し、日射透過性を向上できる。
この際、金属薄膜の厚みを薄くすれば、金属薄膜での日射反射性を低下させてフィルム全体の日射反射性も低下できるが、この場合には、遠赤外の反射性も低下し、断熱性も低下する。このため、本積層フィルムでは、断熱性を維持するため、金属薄膜の厚みを維持する。そして、本積層フィルムによれば、金属薄膜の厚みを維持したままでも日射透過性を向上できるため、高断熱性を維持したまま日射透過性を向上できる。
また、図1に示す本積層フィルム10のように、上記透明積層部および該透明積層部の最外膜に接する低屈折率層が上記透明高分子フィルムの両面に設けられている場合には、より一層、日射透過性を向上できる。
2.本積層フィルムの製造方法
本積層フィルムは、例えば、以下のようにして製造することができる。透明高分子フィルムの一方面上に、所定の積層構造となるように各薄膜を上述した薄膜形成手法によって順次積み上げて透明積層部を形成する。その後、必要に応じて、後酸化等の熱処理を行う。その後、透明積層部の表面に、所定の塗工膜を形成するとともに、必要に応じて、形成した塗工膜に対して硬化処理を行い、低屈折率層を形成する。
透明高分子フィルムの片面のみに透明積層部および低屈折率層を設ける場合には、基本的には、以上により本積層フィルムを得ることができる。一方、透明高分子フィルムの両面に透明積層部および低屈折率層を設ける場合には、透明高分子フィルムの他方面上にも、透明高分子フィルムの一方面上に行った処理と同様の処理を行う。これにより、本積層フィルムを得ることができる。
3.本複層ガラス
上記本積層フィルムは、透明・断熱性フィルムとして、ビル・一般住宅などの建築物や自動車・鉄道などの車両の窓ガラスに適用できる。特に、複層ガラス(ペアガラス)を用いた窓ガラスに好適である。
本発明に係る複層ガラス(本複層ガラス)は、上記本積層フィルムを用いたものである。図3は、本複層ガラスを模式的に示したものであり、図3(a)は、本積層フィルム10を適用した例であり、図3(b)は、本積層フィルム20を適用した例である。
図3(a)に示す本複層ガラス30は、中空層32が形成されるように間隔をあけて並べられた2枚のガラス板34,34と、この中空層32が密封されるように2枚のガラス板34,34の周縁部をシールするシール材36と、2枚のガラス板34,34の間にガラス板34,34から離れてガラス板34,34と平行に配置された本積層フィルム10と、本積層フィルム10の周縁部に配置されて本積層フィルム10を両面から挟さみ支持するスペーサ38とを備えている。
図3(a)に示す本複層ガラス30は、基本的に中空層32を有することで断熱性が高められている。本複層ガラス30においては、さらに2枚のガラス板34,34の間に本積層フィルム10を有するため、断熱性がさらに高められている。そして、本積層フィルム10を用いたことで、本複層ガラス30は、熱貫流率が1.0W/mK以下の高断熱性、日射熱取得率が56%以上の高日射透過性を有する。なお、中空層32は、アルゴンガスや空気などのガスが充填されていても良いし、真空状態にされていても良い。
図3(b)に示す本複層ガラス40は、本積層フィルム10に代えて本積層フィルム20を用いた点が異なる。これ以外の構成については図3(a)に示す本複層ガラス30と同様の構成であるため、説明を省略する。
本複層ガラスにおいては、透明性を表す指標となる可視光透過率は、60%以上であることが好ましい。より好ましくは65%以上である。また、日射熱取得率は、56%以上であることが好ましい。より好ましくは58%以上である。また、断熱性を表す指標となる熱貫流率は、1.5W/mK以下であることが好ましい。より好ましくは1.0W/mK以下である。
以下、実施例および比較例を用いて本発明を詳細に説明する。
1.透明積層フィルムの作製
<実施例1>
透明高分子フィルムの両面に、概略以下の3層積層構造からなる透明積層部と、この透明積層部に接する低屈折率層と、が積層された構成の実施例1の透明積層フィルムを作製した。
(透明積層部の構成)
透明積層部は、ゾル−ゲル法及びUV照射によるTiO薄膜(1層目)│チタン酸化物薄膜/Ag−Cu合金薄膜/チタン酸化物薄膜(2層目)│ゾル−ゲル法及びUV照射によるTiO薄膜(3層目)が順に積層されてなる構成である。なお、チタン酸化物薄膜は、金属Ti薄膜が熱酸化されて形成されたものであり、これがバリア薄膜に該当する。このチタン酸化物薄膜は、Ag−Cu合金薄膜に付随する薄膜として、Ag−Cu合金薄膜に含めて積層数を数えている。
以下、具体的な作製手順を示す。
(コーティング液の調製)
先ず、ゾル−ゲル法によるTiO薄膜の形成に使用するコーティング液を調製した。すなわち、チタンアルコキシドとして、テトラ−n−ブトキシチタン4量体(日本曹達(株)製、「B4」)と、紫外線吸収性のキレートを形成する添加剤として、アセチルアセトンとを、n−ブタノールとイソプロピルアルコールとの混合溶媒に配合し、これを攪拌機を用いて10分間混合することにより、コーティング液を調製した。この際、テトラ−n−ブトキシチタン4量体/アセチルアセトン/n−ブタノール/イソプロピルアルコールの配合は、それぞれ6.75質量%/3.38質量%/59.87質量%/30.00質量%とした。
(透明積層部の形成)
透明高分子フィルムとして、易接着層が両面に形成された厚み50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績(株)製、「コスモシャイン(登録商標)A4300」)(以下、「PETフィルム」という。)を用い、このPETフィルムの一方面に、1層目として、TiO薄膜を以下の手順により成膜した。
すなわち、PETフィルムのPET面側に、マイクログラビアコーターを用いて、所定の溝容積のグラビアロールで上記コーティング液を連続的に塗工した。次いで、インラインの乾燥炉を用いて、塗工膜を100℃で80秒間乾燥させ、TiO薄膜の前駆体膜を形成した。次いで、インラインの紫外線照射機〔高圧水銀ランプ(160W/cm)〕を用いて、上記塗工時と同線速で、上記前駆体膜に対して連続的に紫外線を1.5秒間照射した。これによりPETフィルム上に、ゾルゲル硬化時に紫外線エネルギーを用いるゾル−ゲル法(以下、「(ゾルゲル+UV)」と省略することがある。)によるTiO薄膜(1層目)を成膜した。
次に、1層目の上に、2層目を構成する各薄膜を成膜した。すなわち、DCマグネトロンスパッタ装置を用い、1層目のTiO薄膜上に、下側の金属Ti薄膜をスパッタリングにより成膜した。次いで、この下側の金属Ti薄膜上に、Ag−Cu合金薄膜をスパッタリングにより成膜した。次いで、このAg−Cu合金薄膜上に、上側の金属Ti薄膜をスパッタリングにより成膜した。
この際、上側および下側の金属Ti薄膜の成膜条件は、Tiターゲット(純度4N)、真空到達圧:5×10−6(Torr)、不活性ガス:Ar、ガス圧:2.5×10−3(Torr)、投入電力:1.5(kW)、成膜時間:1.1秒とした。
また、Ag−Cu合金薄膜の成膜条件は、Ag−Cu合金ターゲット(Cu含有量:4原子%)、真空到達圧:5×10−6(Torr)、不活性ガス:Ar、ガス圧:2.5×10−3(Torr)、投入電力:1.5(kW)、成膜時間:1.1秒とした。
次に、3層目として、2層目の上に、(ゾルゲル+UV)によるTiO薄膜を成膜した。ここでは、1層目に準じた成膜手順を1回行うことにより、所定の膜厚とした。
次に、得られた透明積層部付きフィルムを、加熱炉内にて、大気中、40℃で300時間加熱処理することにより、積層構造中に含まれる金属Ti薄膜を熱酸化させ、チタン酸化物薄膜とした。
(低屈折率層の形成)
中空構造を有するシリカ粒子(以下、中空シリカという)がアクリル樹脂に配合されてなる低屈折率の材料(日揮触媒化成社製、「ELCOM TQ−1012SIC」)を濃度1.5%となるようにイソプロピルアルコール/メチルイソブチルケトン/イソプロピルグリコール=85/7.5/7.5(質量比)の混合溶媒で希釈し、塗液を調製した。次に、上記透明積層部付きフィルムの透明積層部の表面に、調製した塗液を塗工し、100℃で2分間乾燥し、さらに400mJ/cmの紫外線を照射した。これにより、透明積層部の表面に、中空シリカとアクリル樹脂(硬化物)よりなる低屈折率層を形成した。
PETフィルムの他方面についても同様に、透明積層部および低屈折率層を形成した。
実施例1に係る透明積層フィルムの透明高分子フィルムと透明積層部の詳細な層構成を表1に示す。
Figure 2012161925
透明積層部のTiO薄膜の屈折率(測定波長は633nm)を、FilmTek3000(Scientific Computing International社製)により測定した。
また、透明積層部の各薄膜の膜厚を、上記電界放出型電子顕微鏡(HRTEM)(日本電子(株)製、「JEM2001F」)による試験片の断面観察から測定した。
また、TiO薄膜中に含まれる有機分の含有量を、X線光電子分光法(XPS)により測定した。
また、金属Ti薄膜を熱酸化させて形成したチタン酸化物薄膜についてEDX分析を行い、Ti/O比を次のようにして求めた。
すなわち、透明積層部付きフィルムをミクロトーム(LKB(株)製、「ウルトロームV2088」)により切り出し、分析対象となるチタン酸化物薄膜(バリア薄膜)を含む積層構造の断面方向の厚みが100nm以下の試験片を作製した。作製した試験片の断面を、電界放出型電子顕微鏡(HRTEM)(日本電子(株)製、「JEM2001F」)により確認した。そして、EDX装置(分解能133eV以下)(日本電子(株)製、「JED−2300T」)を用い、この装置の電子銃から電子線を放出させ、分析対象となるチタン酸化物薄膜(バリア薄膜)の膜厚中央部近傍に入射させ、発生した特性X線を検出して分析することにより、チタン酸化物薄膜(バリア薄膜)の構成元素分析を行った。
また、合金薄膜中の副元素(Cu)含有量を次のようにして求めた。すなわち、各成膜条件において、別途、ガラス基板上にAg−Cu合金薄膜を形成した試験片を作製し、この試験片を6%HNO溶液に浸漬し、20分間超音波による溶出を行った後、得られた試料液を用いて、ICP分析法の濃縮法により測定した。
なお、低屈折率層の厚み、屈折率は、エリプソメータ(溝尻光学工業所社製「DHA−XAZIR」)で測定した。
<実施例2〜4>
低屈折率層の厚みを表2に記載の厚みとした以外は実施例1と同様にして、実施例2〜4に係る透明積層フィルムを作製した。
<比較例1>
低屈折率層を形成しなかった以外は実施例1と同様にして、比較例1に係る透明積層フィルムを作製した。
2.透明積層フィルムおよび複層ガラスの特性
各透明積層フィルムについて、以下の方法にしたがって、可視光透過率、日射透過率、日射反射率、修正放射率を求めた。
(可視光透過率)
JIS R3106に準拠し、分光光度計(島津製作所(株)製、「UV3100」)を用いて、波長300〜1000nmの透過スペクトルを測定し、可視光透過率を計算することにより求めた。
(日射透過率、日射反射率)
JIS R3106に準拠し、分光光度計(島津製作所(株)製、「UV3100」)を用い、波長300〜2500nmの透過スペクトル、反射スペクトルを測定することにより日射透過率、日射反射率を計算した。
(修正放射率)
JIS R3106に準拠し、フィルム面の垂直放射率を測定した後、JIS R3107に記載されている係数で補正することにより、修正放射率を算出した。
次いで、各透明積層フィルムについて求めた各値をもとに、JIS R3106に基づいて、各透明積層フィルムを2枚のガラス板間に内装した複層ガラスについて、可視光透過率、日射透過率、日射反射率、日射熱取得率を算出した。また、各透明積層フィルムについて求めた各値をもとに、JIS R3107およびJIS R3106に基づいて、各透明積層フィルムをガラス板間に内装した複層ガラスについて、熱貫流率を算出した。
表2には、透明高分子フィルムの両面に透明積層部および低屈折率層を有する透明積層フィルムについて、低屈折率層の概略構成と評価結果とをまとめて示す。また、図4に、実施例1〜4の透明積層フィルムと、比較例1の透明積層フィルムの透過率および反射率を表したグラフを示す。
Figure 2012161925
図4をみれば、比較例1の透過スペクトルと比べて、実施例1〜4の透過スペクトルは、400〜800nm付近にある極大部位が広がっていることがわかる。すなわち、図4をみれば、比較例1と比べて、実施例1〜4は、日射透過率が向上していることがわかる。また、実施例同士の比較では、低屈折率層の厚みが最も厚い実施例4になると、透過スペクトルの波形が崩れる傾向にあることがわかる。すなわち、実施例4は、他の実施例1〜3よりもやや日射透過性に劣ることがわかる。
実際に、表2をみれば、比較例1と比べて、実施例1〜4は、熱貫流率を維持しつつ、日射透過率が向上していることがわかる。すなわち、実施例1〜4によれば、比較例1と比べて、高断熱性を維持したままで日射透過性を向上できることが確認できる。また、実施例4は、他の実施例1〜3よりもやや日射透過性に劣ることが確認できる。
以上、本発明の実施形態・実施例について説明したが、本発明は上記実施形態・実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能である。
10 透明積層フィルム
12 透明高分子フィルム
14 透明積層部
16 低屈折率層

Claims (8)

  1. 透明高分子フィルムの少なくとも一方面に、金属酸化物薄膜と金属薄膜とが交互に積層されてなる透明積層部を有する透明積層フィルムにおいて、
    前記透明積層部の最外膜は、高屈折率の金属酸化物薄膜であり、
    前記最外膜に接して低屈折率層が設けられていることを特徴とする透明積層フィルム。
  2. 前記低屈折率層の屈折率は、1.45以下であることを特徴とする請求項1に記載の透明積層フィルム。
  3. 前記低屈折率層の厚みは、30〜100nmの範囲内であることを特徴とする請求項1または2に記載の透明積層フィルム。
  4. 前記低屈折率層は、中空構造を有する微粒子がバインダに配合された材料により形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の透明積層フィルム。
  5. 前記低屈折率層のバインダは、アクリル樹脂であることを特徴とする請求項4に記載の透明積層フィルム。
  6. 前記低屈折率層は、フッ素樹脂またはフッ化マグネシウムを含む材料により形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の透明積層フィルム。
  7. 前記透明積層部および該透明積層部の最外膜に接する低屈折率層は、前記透明高分子フィルムの両面に設けられていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の透明積層フィルム。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載の透明積層フィルムをガラス板間に配置してなることを特徴とする複層ガラス。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103217274A (zh) * 2013-04-16 2013-07-24 北极光电(深圳)有限公司 检测和判定变形薄膜滤光片光特性合格区域的方法
US10593843B2 (en) 2017-02-28 2020-03-17 Nichia Corporation Method of manufacturing optical component

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