JP2006325489A - 害虫防除方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 エアゾール薬剤の無駄を減らすことができると共に、害虫防除効率を向上することができる害虫防除方法を提供する。
【解決手段】 予め設定された定量を勢いよく噴霧できる機能を有するエアゾール製品の内容物の噴霧状態下で、害虫を防除する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、害虫防除用のエアゾール製品を用いた害虫防除方法に関する。
害虫防除用の薬剤を空間に噴射させるものとして、エアゾール製品が挙げられる。エアゾール製品は簡単に使用できるため広く知られており、その機能を高める手段について検討がなされている。例えば、エアゾール製品を使用して、内容物を大量噴射すること等が行われている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
特開平10−287504号公報 特開平2−173084号公報
ところで、エアゾール製品の効果は、常に使用者の満足できるものとは限らず、生活環境の変化、さらには法律上の規制等によって変化している。その為に、従来よりも優れたエアゾール製品の開発が強く要望されている。
しかしながら、従来の害虫防除用のエアゾール製品を使用して、内容物をゴキブリ等の害虫に噴射したとしても、害虫は素早く移動してしまうため、多くの使用者は、害虫をノックダウンするまで内容物を無駄に噴射し続けることとなる。このことは、従来のエアゾール製品では、噴射ボタンを押す時間により内容物の噴射量が左右されるためと考えられる。このように、従来のエアゾール製品を使用すると、大量の内容物を無駄に使用することになる。
本発明は、このような不都合を解消するためになされたものであり、その目的は、内容物の無駄を減らすことができると共に、害虫防除効率を向上することができる害虫防除方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記構成によって達成される。
(1) 予め設定された定量を勢いよく噴霧できる機能を有するエアゾール製品の内容物の噴霧状態下で、害虫を防除することを特徴とする害虫防除方法。
(2) エアゾール製品は、1回の噴霧操作で定量の前記内容物を勢いよく噴霧することを特徴とする(1)に記載の害虫防除方法。
(3) 内容物は、殺虫剤を含むことを特徴とする(1)又は(2)に記載の害虫防除方法。
本発明の害虫防除方法によれば、予め設定された定量を勢いよく噴霧できる機能を有する内容物(以下、エアゾール薬剤という。)の噴霧状態下で、害虫を防除するため、エアゾール薬剤の無駄を減らすことができると共に、害虫防除効率を向上することができる。
また、本発明の害虫防除方法によれば、予め設定された定量のエアゾール薬剤を勢いよく噴霧できるため、害虫にエアゾール薬剤を噴霧する際に手ぶれなどで狙いを外したり、害虫が狙いをつけた位置から逃げ始めたりした場合でも、害虫を追ったり、害虫の周囲を狙ったりしながらエアゾール薬剤を連続噴霧する必要がなく、適量のエアゾール薬剤で害虫を素早く防除することができる。これにより、エアゾール薬剤の無駄を減らすことができると共に、害虫防除効率を向上することができる。
以下、本発明に係る害虫防除方法の一実施形態を詳細に説明する。
本発明に係る害虫防除方法に使用するエアゾール製品は、予め設定された定量を勢いよく噴霧できる機能を有するエアゾール剤容器に、主に原液と噴射剤とからなるエアゾール薬剤を充填したものである。なお、本発明において「勢いよく」とは、噴射力を目安とするものである。
エアゾール剤容器は、予め設定された一定量のエアゾール薬剤を所望の空域に勢いよく噴霧するための定量噴霧機能(バルブ、操作ボタン等)を有している。この定量噴霧機能としては、本実施形態では、バルブ内に定量室を設け、ステムを押し下げると定量室と内容液とが遮断され、さらにステムを押し下げると定量室とステム孔とが開通する定量バルブを採用する。また、定量噴霧機能には、アチュエータ内に定量室を設けたアクチュエータ付きバルブ等を採用してもよい。なお、定量噴霧機能は、一回の操作で定量のエアゾール薬剤を勢いよく噴霧できる機能であれば、その方式は特に限定されない。また、定量噴霧機能の操作は、従来の上から押し込むタイプの操作ボタンでもよいが、操作性の観点から、トリガータイプの方が好ましい。
定量を勢いよく噴霧する時の一回の噴霧量、即ち、定量バルブの定量室の容積は、1.0〜15.0mlが好ましく、3.0〜10.0mlがより好ましい。また、噴霧距離100cmにおける平均粒子径(D50)は、用途が空間用・塗布用により違いがあるが、50〜100μmが好ましい。なお、上記数値範囲は、本発明を達成できるものであれば任意であり、特に限定されない。
また、定量を勢いよく噴霧する時の噴霧速度は、3.0ml/s以上が好ましい。なお、上記数値範囲は、本発明を達成できるものであれば任意であり、特に限定されない。
さらに、定量を勢いよく噴霧する時の噴射力は、噴霧距離5cmにおいて、0.25〜1.40Nが好ましく、0.50〜1.30Nがより好ましい。このため、定量バルブのステム孔は口径0.3〜3.5mm×2が好ましく、1.2〜3.5mm×2がより好ましい。また、定量バルブのハウジングのアンダータップ径は、1.5〜6.5mmが好ましく、2.2〜6.5mmがより好ましい。さらに、定量バルブの噴口径は、1.0〜5.0mmが好ましく、1.5〜3.5mmがより好ましい。なお、上記バルブの数値範囲は、本発明を達成できるものであれば任意であり、特に限定されない。また、本実施形態では、定量バルブの機構により噴霧速度及び噴射力を上記数値範囲に調節するが、これに限定されず、エアゾール剤容器の内圧により調節してもよい。
エアゾール薬剤は、主に殺虫剤と溶剤とからなる原液と、原液を噴射する噴射剤と、を含有する。そして、原液と噴射剤との容量比は、5:95〜70:30が好ましく、5:95〜50:50がより好ましい。また、エアゾール薬剤を充填した後のエアゾール剤容器の内圧は、20°Cにおいて、0.20〜0.80MPaが好ましく、0.25〜0.55MPaがより好ましい。なお、上記数値範囲は、本発明を達成できるものであれば任意であり、特に限定されない。また、上記にステム孔、アンダータップ径、噴口径、容積比、内圧の数値範囲を挙げたが、本発明を達成できるものであれば、その組み合わせは任意であり、特に限定されない。
原液の殺虫剤としては、例えば、ピレスロイド系殺虫剤、有機リン系殺虫剤、カーバメイト系殺虫剤等が挙げられる。
ピレスロイド系殺虫剤としては、例えば、除虫菊エキス、ピレトリン、フラメトリン、シフェノトリン、フェノトリン、ペルメトリン、レスメトリン、アレスリン、フタルスリン、エムペントリン、テフルスリン、プラレトリン、イミプロトリン、メトフルスリン、トランスフルスリン(ベンフルスリン)、これらの異性体、誘導体等が挙げられる。
有機リン系殺虫剤としては、例えば、フェニトロチオン、クロルピリホス、マラソン、ジクロルボス、ピリダフェンチオン、トリクロルホン等が挙げられる。
カーバメイト系殺虫剤としては、例えば、カルバリル、ベンフラカルブ、プロポクスル等が挙げられる。
また、ピレスロイド系殺虫剤の殺虫効力を増強する化合物(共力剤)としては、例えば、ピペロニルブトキサイド、オクタクロロジプロピルエーテル、N−(2−エチルヘキシル)−1−イソプロピル−4−メチルビシクロ〔2,2,2〕オクト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、イソボルニルチオシアノアセテートおよびN−(2−エチニル)−ビシクロ〔2,2,1〕−ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド等が挙げられる。
その他、殺虫剤としては、ヒノキ、スギ及びヒバの精油、メントール、キハダ類の抽出物、柑橘類の果皮及び種子からの抽出物、メトキサジアゾン、スタークル、シラフルオフェン、芳香族スルフォンアミド誘導体、水酸化トリシクロヘキシル錫、4,4’−ジブロムベンジル酸イソプロピル、2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチル−7−ベンゾ〔b〕フラニルニ−N−ジブチルアミノチオ−N−メチルカーバメイト、シラン化合物、ケイ皮酸誘導体、酢酸シンナミル、ブフロフェジン、イソプロチオラン、パラオキシ安息香酸エステル、ヨウ素化ホルマール、フェノール類、フタル酸エステル、3−ブロモ−2,3−ヨード−2−プロペニル−エチルカルボナート、モノテルペン系ケトン類、モノテルペン系アルデヒド類、モノテルペン系エポキサイド類、サリチル酸ベンジル、サリチル酸フェニル等が挙げられる。また、メトプレン等の昆虫幼若ホルモン剤、プレコセン等の抗幼若ホルモン剤、エクダイソン等の脱皮ホルモン剤等の、害虫のホルモン剤、あるいは抗ホルモン剤も挙げられる。
原液の殺虫剤の添加量としては、殺虫剤の種類により異なるが、原液に対して0.1〜40.0w/v%(重量/容量%)が挙げられる。
原液の溶剤としては、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、アルコール類、エーテル類、エステル類等が挙げられる。
脂肪族炭化水素類の溶剤としては、例えば、ヘキサン、ケロシン(灯油)、n−ペンタン、iso−ペンタン、シクロペンタン等が挙げられる。
芳香族炭化水素類の溶剤としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。
ハロゲン化炭化水素類の溶剤としては、例えば、ジクロロメタン、四塩化炭素等が挙げられる。
アルコール類の溶剤としては、例えば、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、ブチルジグリコール等が挙げられる。
エーテル類の溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルエーテル等が挙げられる。
エステル類の溶剤としては、例えば、酢酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル等が挙げられる。
その他、溶剤としては、アセトニトリル等のニトリル類、ジメチルホルムアミド等のアミド類、大豆油、綿実油等の植物油及び水等を使用することができる。また、上記した溶剤の複数を混合した混合溶剤を使用してもよい。そして、本発明に使用する溶剤としては、有機溶剤、例えば、アルコール類、芳香族炭化水素類、脂肪族炭化水素類が好ましく、炭素数10〜16個の脂肪族炭化水素類が特に好ましい。なお、溶剤の含有量は、上記した原液と噴射剤との容量比を満たす量であればよく、特には限定されない。
その他、原液の配合成分として、例えば、界面活性剤であるソルビタンモノオレート、ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、デカグリセリンモノオレート等が挙げられる。
界面活性剤としては、主に溶剤に殺虫剤を乳化、分散もしくは可溶化するために使用することができるが、本発明の殺虫効果を高める場合もありうる。原液の界面活性剤の添加量としては、目的とする効果が得られる量を適宜加えればよく、殺虫剤と溶剤との親和性に影響されるが、例えば、原液中0.5〜15.0w/v%程度を加えればよいが、これに限定されない。
エアゾール薬剤の噴射剤としては、例えば、液化石油ガス(LPG)、プロパン、イソブタン、n−ブタン、イソペンタン、n−ペンタン、シクロペンタン、ジメチルエーテル(DME)、窒素ガス、液化炭酸ガス、塩素を含まないフロンガス(代替フロンと呼ばれているガス、例えばHFC−125、HFC−134a、HFC−143a、HFC−152a、HFC−32等)、及びこれらの混合物等が挙げられる。なお、噴射剤の含有量は、上記した原液と噴射剤との容量比を満たす量であればよく、特には限定されない。
以下に、ハエ・蚊用、ゴキブリ用、不快害虫用の原液処方例を示す。
表1及び表2はハエ・蚊用の原液処方例、表3はゴキブリ用の原液処方例、表4は不快害虫用の原液処方例を示す。なお、不快害虫用の原液処方例(表4)において、ピペロニルブトキシドは、効力増強剤として、ラウリン酸メタクリルは、ピレトリン臭気のマスキング剤として使用している。
Figure 2006325489
Figure 2006325489
Figure 2006325489
Figure 2006325489
本発明の害虫防除方法が防除対象とする害虫としては、屋内外に生息する害虫および屋内塵性ダニ類など全般に亘る。屋内外に生息する害虫としては衛生害虫及び生活害虫等が挙げられる。衛生害虫としては、例えば、ゴキブリ類(チャバネゴキブリ、クロゴキブリ、ワモンゴキブリ等)、ハエ類(イエバエ、クロバエ、ニクバエ等)、カ類(イエカ、ヤブカ、シマカ等)、シラミ類、ノミ類等が挙げられる。生活害虫としては、シロアリ(羽アリ)、クロアリ、クモ、ハチ、ケムシ、ムカデ、ゲジゲジ、ヤスデ、シバンムシ、アリガタバチ、ユスリカ、チョウバエ、カメムシ、キクイムシ、ダンゴムシ、ワラジムシ、シミ、イガ、コイガ、カツオブシムシ及びヌカカ等が挙げられる。
屋内塵性ダニ類としては、室内で繁殖増殖するダニ類及び室内に迷入してくるダニ類等が挙げられる。例えば、コナヒョウヒダニ、ヤケヒョウヒダニ等のヒョウヒダニ類、ケナガコナダニ、ムギコナダニ等のコナダニ類、チリニクダニ、イエニクダニ等のニクダニ類、フトツメダニ、ミナミツメダニ等のツメダニ類、ホコリダニ類、ササラダニ類、イエダニ、トリサシダニ、ワクモ、マダニ類等の動物寄生性ダニ類等が挙げられる。
本発明の害虫防除方法は、飛翔性害虫はもちろんのこと、俊敏性の高い徘徊行動をとる害虫に対して特に有効である。
従って、本実施形態の害虫防除方法によれば、予め設定された定量を勢いよく噴霧できる機能を有するエアゾール製品のエアゾール薬剤の噴霧状態下で、害虫を防除するため、エアゾール薬剤の無駄を減らすことができると共に、害虫防除効率を向上することができる。
また、本発明の害虫防除方法によれば、予め設定された定量のエアゾール薬剤を勢いよく噴霧できるため、害虫にエアゾール薬剤を噴霧する際に手ぶれなどで狙いを外したり、害虫が狙いをつけた位置から逃げ始めたりした場合でも、害虫を追ったり、害虫の周囲を狙ったりしながらエアゾール薬剤を連続噴霧する必要がなく、適量のエアゾール薬剤で害虫を素早く防除することができる。これにより、エアゾール薬剤の無駄を減らすことができると共に、害虫防除効率を向上することができる。
以下に、本発明の害虫防除方法の作用効果を確認するために行った試験について説明する。
各試験で使用するエアゾール製品(試験検体)には、予め設定された一定量のエアゾール薬剤を勢いよく噴霧するための定量噴霧機能を有するエアゾール剤容器にエアゾール薬剤を充填した本発明例1及び本発明例2と、市販のエアゾール剤容器にエアゾール薬剤を充填した比較例1及び比較例2と、を使用する。
本発明例に使用するエアゾール剤容器には、定量室の容積5ml、ステム孔は口径3.5mm×2、アンダータップ径6.5mm、噴口径2.5mmの定量噴霧機能を達成する定量バルブが備えられている。
以下に、各試験に使用する本発明例1、本発明例2、比較例1及び比較例2を説明する。
本発明例1:イミプロトリン0.48w/v%を含む原液70mlと、噴射剤230mlと、からなるエアゾール薬剤を、上記した定量噴霧機能を備えるエアゾール剤容器に充填したエアゾール製品。
本発明例2:フタルスリン0.465w/v%、レスメトリン0.062w/v%を含む原液60mlと、噴射剤240mlと、からなるエアゾール薬剤を、上記した定量噴霧機能を備えるエアゾール剤容器に充填したエアゾール製品。
比較例1:本発明例1と同様のエアゾール薬剤を、噴霧量25ml/10秒の市販のエアゾール剤容器に充填したエアゾール製品。
比較例2:本発明例2と同様のエアゾール薬剤を、噴霧量20ml/10秒の市販のエアゾール剤容器に充填したエアゾール製品。
[付着率の測定試験]
本試験では、本発明例1と比較例1とを各1個ずつ用意し、それぞれを一定距離で濾紙に噴霧させて、その濾紙への付着率を測定する。
本試験は、次の(1)〜(5)の手順で行う。
(1)60cm四方の濾紙の中心に向けて、試験検体をそれぞれ50cm、100cmの距離から噴霧する。
(2)濾紙を9等分(20cm四方)し、各濾紙を細断して100mlのサンプル瓶に入れる。
(3)サンプル瓶内に内部標準物質として2−ナフチルフェニルケトン(β−ナフチルフェニルケトン)を5ml入れ、ヘキサンを濾紙が完全に浸るまで入れる。
(4)超音波槽(卓上式超音波洗浄機UT−205(シャープ(株)製))内に1時間放置する。
(5)ガスクロマトグラフィー法にて、充填剤(SP−2340 Chromosorb WAW DMCS)を充填したカラムを用いて分析する。
試験結果を表5に示す。
Figure 2006325489
表5から明らかなように、付着率の測定試験の結果、噴霧距離50cmにおいて、本発明例1の付着率が21.29%であるのに対して、比較例1の付着率は15.04%であることから、本発明例1の方が比較例1よりも付着率が6.25%高いことがわかった。また、噴霧距離100cmにおいて、本発明例1の付着率が7.57%であるのに対して、引用例1の付着率は測定不能であることから、本発明例1の方が、比較例1よりも付着率が非常に高いことがわかった。
[粒子径の測定試験]
本試験では、本発明例1、比較例1、本発明例2及び比較例2を各1個ずつ用意し、それぞれを一定距離で噴霧させて、その粒子径を測定する。
本試験は、次の(1)、(2)の手順で行う。
(1)試験検体を25°Cの恒温水槽に1時間浸す。
(2)レーザー粒度分布測定装置LDSA−1400A(東日コンピュータアプリケーションズ(株)製)を用いて、50cm及び100cmの位置における試験検体の粒子径を測定する。なお、測定方法は、オート・スタート平均(平均化回数3回、間隔0.60ms)とする。
試験結果を表6及び表7に示す。
Figure 2006325489
Figure 2006325489
表6及び表7から明らかなように、粒子径の測定試験の結果、いずれの距離においても、本発明例1及び本発明例2の粒子径の方が、比較例1及び比較例2よりも大きいことがわかった。
[噴射力の測定試験]
本試験では、本発明例1、比較例1、本発明例2及び比較例2を各1個ずつ用意し、それぞれを一定距離で噴射させて、その噴射力を測定する。
本試験は、次の(1)〜(3)の手順で行う。
(1)試験検体を25°Cの恒温水槽に1時間浸す。
(2)デジタルフォースゲージのセンサーの先端に5cm×5cmのプラスチック板を固定する。
(3)プラスチック板から5cmの距離より試験検体を噴射し、計測された数値を読み取る。なお、比較例1,2の噴射時間は、本発明例1,2に合わせて、それぞれ2.0秒、2.5秒とする。
試験結果を表8に示す。
Figure 2006325489
表8から明らかなように、噴射力の測定試験の結果、本発明例1及び本発明例2の噴射力の方が、比較例1及び比較例2よりも大きいことがわかった。このことから、本発明例の方が、比較品よりも勢いよく噴霧されたことが明白である。
[クロゴキブリに対する効力試験]
本試験では、本発明例1及び比較例1を各1個ずつ用意し、それぞれをクロゴキブリに噴霧させて、その効力を確認する。
本試験は、次の(1)〜(3)の手順で行う。
(1)供試虫(クロゴキブリ)を入れたプラスチックカップを2個(カップ1,2)用意し、傾斜角45°の台に、カップ1を試験検体の噴射線上に取り付け、カップ2をカップ1から15cm平行に離れた位置に並べて取り付ける。
(2)カップ1から70cmの距離で、カップ1の中心に向けて試験検体を噴霧する。なお、比較例1の噴射時間は、本発明例1に合わせて、2.0秒間である。
(3)噴霧直後より1時間毎のノックダウン数を計測すると共に、24時間及び48時間後の致死率を計算する。なお、ノックダウン数とは、行動不能になった供試虫の数のことである。
試験結果を表9に示す。
Figure 2006325489
表9から明らかなように、クロゴキブリに対する効力試験の結果、カップ1において、本発明例1の方が比較例1よりKT50及びKT90の秒数が小さいことから、本発明例1の方が比較例1よりも速効性があることがわかった。また、カップ2において、比較例1の供試虫が死亡していないのに対して、本発明例1の供試虫が死亡していることから、本発明例1の方が比較例1よりも害虫防除効果(致死効果)が高いことがわかった。なお、表中のKT50(90)とは、プラスチックカップ内に入れた供試虫の50(90)%がノックダウンするまでにかかった時間(秒)である。
[イエバエに対する効力試験]
本試験では、本発明例2及び比較例2を各1個ずつ用意し、それぞれをイエバエに噴霧させて、その効力を確認する。
本試験は、次の(1)〜(3)の手順で行う。
(1)供試虫(イエバエ)を入れた金属ケージを2個(ケージ1,2)用意し、ケージ1を試験検体の噴射線上に吊るし、ケージ2をケージ1から15cm平行に離れた位置に吊るす。
(2)ケージ1から100cmの距離で、ケージ1の中心に向けて試験検体を噴霧する。なお、比較例2の噴射時間は、本発明例2に合わせて、2.5秒間である。
(3)噴霧直後より1時間毎のノックダウン数を計測すると共に、24時間及び48時間後の致死率を計算する。
試験結果を表10に示す。
Figure 2006325489
表10から明らかなように、イエバエに対する効力試験の結果、カップ1及びカップ2のいずれの場合においても、本発明例2の方が比較例2よりKT50及びKT90の秒数が小さいことから、本発明例2の方が比較例2よりも速効性があり、害虫防除効果(致死効果)が高いことがわかった。

Claims (3)

  1. 予め設定された定量を勢いよく噴霧できる機能を有するエアゾール製品の内容物の噴霧状態下で、害虫を防除することを特徴とする害虫防除方法。
  2. 前記エアゾール製品は、1回の噴霧操作で定量の前記内容物を勢いよく噴霧することを特徴とする請求項1記載の害虫防除方法。
  3. 前記内容物は、殺虫剤を含むことを特徴とする請求項1又は2記載の害虫防除方法。
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