JP2006324085A - 線心識別付き電力ケーブル - Google Patents

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Abstract

【課題】 ケーブル施工時に導体を容易に識別し、導体の配線間違いを予防することができる線心識別付きケーブルを提供する。
【解決手段】 導体1とその導体1の上に絶縁体2を被覆してなる絶縁線心3の絶縁体2の上に剥離性を有するストライプ4を絶縁体2の長手方向に1本又は2本以上形成し、そのストライプ4を形成した絶縁線心3を複数本撚り合せ、その複数本撚り合せた絶縁線心3の上にシース5を被覆する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、線心識別付きケーブルに係り、特にケーブル施工時に導体を容易に識別し、導体の配線間違いを予防することができる線心識別付きケーブルに関する。
一般に、配電用などの電力ケーブルは、導体の外側を絶縁体で被覆した絶縁線心が撚り合わされており、導体は絶縁体を剥ぎ取らなければ直接視認できないような構造になっている。そのため、電力ケーブルの配線作業時において、多数の導体を配線するため、これらの導体を直接視認できない場合には、誤配線を招くことがあった。また、導体を直接視認して導体の誤配線を防止する場合には、絶縁体を剥ぎ取り、導体を露出する作業が必要とされ、この作業が大きな負担になっていた。
そこで、絶縁体を剥ぎ取ることなく、導体を容易に識別することができる方法として、絶縁体を着色する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平6−60750号公報(第1〜2頁 第1図)
特許文献1に記載された方法によれば、絶縁線心の絶縁体を着色しているため、絶縁体を剥ぎ取る必要がなく、導体を容易に識別することができるため、誤配線を招かず、配線作業が軽減されるようになった。
しかしながら、特許文献1に記載された方法によって絶縁線心の絶縁体が着色されていても、図6の(a)に示すように、架橋ポリエチレンケーブル30(以下、ケーブル30という)を電力メータ40に接続する場合には、図6の(c)に示すように、絶縁体32の上に耐候性用テープ35が予め巻かれるため、導体31を容易に識別することができないことがある。この場合、絶縁体32の上にテープ35を巻くのは、1つには図6の(b)に示すように、ケーブル30からシース34が皮むきされ、露出された絶縁体32に用いられる架橋ポリエチレンは、耐候性が良くないので、絶縁体32の劣化を防止するためである。また、もう1つには、ケーブル30を電力メータ40に接続した後では絶縁体32の上にテープ35を巻くのは作業スペースが狭いため、配線作業者はテープ35を巻く作業に手間がかかり、面倒になるので、電力メータ40への接続前にテープ35を予め巻く必要があるからである。そのため、この接続前に予めテープ35が巻かれた絶縁体32は、テープ35によって着色された部分が接続作業の際に隠れてしまうので、配線作業者は導体31を容易に識別することができなくなり、電力メータ30に導体31を間違えて接続してしまうという問題がある。
本発明の目的は、ケーブル施工時に導体を容易に識別し、導体の配線間違いを予防することができる線心識別付きケーブルを提供することにある。
請求項1に記載の線心識別付き電力ケーブルは、導体とその導体の上に絶縁体を被覆してなる絶縁線心の前記絶縁体の上に剥離性を有するストライプを前記絶縁体の長手方向に一本又は二本以上形成し、前記ストライプを形成した前記絶縁線心を複数本撚り合せ、該複数本撚り合せた絶縁線心の上にシースを被覆したことを特徴とする。
請求項2に記載の線心識別付き電力ケーブルは、請求項1に記載のストライプが、前記絶縁体の成形温度と異なる温度で成形されることを特徴とする。ここで、ストライプを絶縁体の成形温度と異なる温度で成形するのは、ストライプと絶縁体との密着強度を低下させ、絶縁体からストライプを容易に剥離するためである。
請求項3に記載の線心識別付き電力ケーブルは、請求項1又は2に記載のストライプが、一層又は二層以上の構造を有し、剥離性を有する樹脂層が前記絶縁体の上に直接付けらていることを特徴とする。ここで、剥離性を有する樹脂層とは、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂や架橋ポリエチレン樹脂に低分子量ポリエチレン、シリコーン、フッ素系樹脂などの剥離性を有する材料を配合した樹脂又は剥離性を有する生分解性樹脂(たとえば、エコフレックス)からなる層をいう。
請求項4に記載の線心識別付き電力ケーブルは、請求項1,2又は3に記載のストライプが、前記絶縁線心の外径の10〜20%に相当する長さの幅を有していることを特徴とする。ここで、ストライプの幅を絶縁線心の外径の10〜20%に相当する長さとしたのは、ストライプの幅が絶縁線心の外径の10%を下回ると、ストライプの幅が細くなるため、ストライプが見えにくくなったり、絶縁体からストライプを剥すのに手間がかかってしまうからである。一方、ストライプの幅が絶縁線心の外径の20%を上回ると、ストライプの幅が太くなりすぎるため、ストライプの幅がストライプを識別するに必要な幅以上の太さになってしまうからである。
請求項5に記載の線心識別付き電力ケーブルは、請求項1,2,3又は4に記載のストライプが、0.5〜2mmの厚さを有していることを特徴とする。ここで、ストライプの厚さを0.5〜2mmとしたのは、ストライプの厚さが0.5mmを下回ると、厚さが薄くなりすぎるため、絶縁体からストライプを容易に剥がせないからである。一方、ストライプの厚さが2mmを上回ると、絶縁線心を三本撚り合わせる場合に、ストライプの厚さが厚くなりすぎるため、ストライプが絶縁体から剥がれ、脱落してしまうことがあるからである。
請求項1に記載の発明によれば、絶縁体の上に剥離が容易なストライプを形成しているため、ケーブル施工時に導体を容易に識別し、導体の配線間違いを予防することができる。
請求項2に記載の発明によれば、絶縁体とストライプとの密着強度が低下するため、絶縁体の上からストライプを容易に剥がすことができるので、ケーブル施工時に導体を容易に識別し、導体の配線間違いを予防することができる。
さらに、請求項3に記載の発明によれば、ストライプを構成している剥離性を有する樹脂層が絶縁体の上に直接付されているため、絶縁体の上からストライプを容易に剥がすことができるので、ケーブル施工時に導体を容易に識別し、導体の配線間違いを予防することができる。
また、請求項4に記載の発明によれば、絶縁体の上に形成されるストライプの幅が容易に識別できる幅であるため、ケーブル施工時に導体を容易に識別し、導体の配線間違いを予防することができる。
請求項5に記載の発明によれば、ストライプを絶縁体の上から容易に剥せるため、ケーブル施工時に導体を容易に識別し、導体の配線間違いを予防することができる。
本発明は、導体とその導体の上に絶縁体を被覆してなる絶縁線心の絶縁体の上に剥離性を有するストライプを絶縁体の長手方向に一本又は二本以上形成し、前記ストライプを形成した絶縁線心を複数本撚り合せ、その複数本撚り合せた絶縁線心の上にシースを被覆したことによって実現される。
以下、本発明に係る線心識別付き電力ケーブルの一実施例について、図1に基づいて詳しく説明する。
図1には、本発明に係る線心識別付き電力ケーブルの構成が、斜視図にて示されている。
図1において、10はトリプレックス型の線心識別付き電力ケーブル(以下、「ケーブル10」という)を示しており、このケーブル10は、導体1と導体1の上に被覆された絶縁体2とからなる絶縁線心3を三本撚り合せ、この撚り合せた絶縁線心3を被覆するシース5とから構成されている。そして、各絶縁線心3の絶縁体2の上には、剥離性を有する線心識別用ストライプ4(以下、「ストライプ4」という)が、各絶縁体2の長手方向に連続的に直線状に一本形成されている。
ケーブル10の導体1は、軟銅、銅などの導電材料が用いられる。導体1を被覆する絶縁体2は、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂や架橋ポリエチレン樹脂が用いられ、導体1の上に押出し成形されて、絶縁線心3を形成する。絶縁線心3を被覆するシース5は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニルなどの熱可塑性樹脂や架橋ポリエチレン樹脂が用いられ、絶縁線心3を後述する方法にて三本撚り合せ、撚り合せた絶縁線心3の上に押出し成形される。そして、この絶縁線心3の各絶縁体2の上には、ストライプ4が、絶縁体2の長手方向に連続的に直線状に一本押出し成形される。このストライプ4は、ケーブル10の導体1を識別するため、各絶縁体2の上に所定の色(たとえば、低圧ケーブルでは黒、白、赤の各色)で個別に着色される。ここで、ストライプ4は、図2に示すように、絶縁体2の内部まで食い込んでおらず、絶縁体2の上に形成される。そのため、剥離性を有するストライプ4は絶縁体2から容易に剥すことができる。また、絶縁体2の機能も損われない。なお、図2に図示のストライプ4は、絶縁体2の上に一本形成されている。この図2に図示のストライプ4は、絶縁線心3の撚り合せ状態によっては、ストライプ4を容易に識別すること又は絶縁体2の上から容易に剥離することができない場合がある。そのような場合には、ケーブル10の導体1を識別するために、絶縁体2の上に形成されるストライプ4は一本に限定されることなく、絶縁線心3の撚り合せ状態に応じて二本以上であってもよい。
このストライプ4は、絶縁体2を皮むきすることなく、導体1を容易に識別するために、絶縁体2の上から容易に剥離することができる樹脂が用いられる。ここで、ストライプ4に絶縁体2から容易に剥離することができる樹脂を用いるのは、後述するように、ケーブル10の配線施工時にストライプ4を絶縁体2から剥して導体1を識別し易くし、導体1の誤配線を防止するためである。ストライプ4には、絶縁体2と同様に、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂や架橋ポリエチレン樹脂が構成材料として用いられる。ストライプ4を絶縁体2から容易に剥離する方法には、絶縁体2と絶縁体2の上に形成されるストライプ4との密着強度を低下させる方法と、ストライプ4に剥離性を有する樹脂を用いる方法とがあり、これらの方法を以下に説明する。
先ず、絶縁体2と絶縁体2の上に形成されるストライプ4との密着強度を低下させる方法は、たとえば絶縁線心3の押出し成形温度とストライプ4の押出し成形温度とを異なる温度に設定し、この設定された温度に基づいて絶縁線心3とストライプ4を押出し成形する方法である。ここで、ストライプ4には、前述した絶縁体2の樹脂と同じポリエチレン、ポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂や架橋ポリエチレン樹脂が用いられる。そして、ストライプ4に用いられる樹脂と絶縁体2に用いられる樹脂との組合せは、同じ樹脂の場合又は異なる樹脂の場合がある。絶縁体2とストライプ4との密着強度の関係では、ストライプ4と絶縁体2の組合せは異なる樹脂になる場合の方が、密着強度を低下することができるのでより好ましい。
次に、ストライプ4に剥離性を有する樹脂を用いる方法は、ストライプ4に剥離性を有する樹脂からなる層を形成し、この剥離性を有する樹脂からなる層を絶縁体2の上に直接被覆する方法であり、図3の(a)、(b)に具体的に示されている。図3の(a)には、剥離性を有する樹脂からなる層のみから構成される一層構造のストライプ4が示されている。また、図3の(b)には、後述するベース層4aと剥離性を有する樹脂からなる層4b(以下、「剥離性樹脂層4b」という)とから構成される二層構造のストライプ4が示されている。
図3の(a)に示されているストライプ4は、たとえば絶縁体2に用いられるポリエチレン、ポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂、又は架橋ポリエチレン樹脂が用いられ、これらの樹脂に剥離性を有する低分子量ポリエチレン、シリコーン、フッ素系樹脂などの材料が配合される。そして、剥離性材料が配合された樹脂は、絶縁体2の上に直接被覆されるように(直接付くように)押出し成形され、一層構造のストライプ4として形成される。この形成されたストライプ4は、剥離性を有するため、絶縁体2の上から容易に剥すことができる。
また、図3の(b)に示されているストライプ4は、図3の(b)を拡大した図3の(C)に示すように、ベース層4aと剥離性を有する樹脂からなる層4b(以下、「剥離性樹脂層4b」という)とから構成される二層構造を有し、この剥離性樹脂層4bが絶縁体2の上に直接被覆されたものである。ストライプ4のベース層4aには、絶縁体2に用いられるポリエチレン、ポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂、又は架橋ポリエチレン樹脂が用いられる。また、ストライプ4の剥離性樹脂層4bには、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂や架橋ポリエチレン樹脂に低分子量ポリエチレン、シリコーン、フッ素系樹脂などの剥離性を有する材料を配合した樹脂、又は剥離性を有する生分解性樹脂(たとえば、エコフレックス)のフイルムやシートが用いられる。この剥離性樹脂層4bは、たとえば絶縁線心3の上にベース層4aの樹脂とともに絶縁体2の上に直接被覆されるように押出し成形され、絶縁体2の上に二層構造のストライプ4として形成される。この形成されたストライプ4は、絶縁体2の上に直接付けられた剥離性樹脂層4bが剥離性を有するため、絶縁体2の上から容易に剥すことができる。
またさらに、このように形成されたストライプ4は、ストライプ4の幅が所定の長さに調整されると、ストライプ4の視認性および剥離性の効果が一層増すことになる。すなわち、ストライプ4の幅を絶縁線心3の外径の10〜20%に相当する長さにすると、ストライプ4は視認性および剥離性がさらによくなる。ここで、ストライプ4の幅を絶縁線心3の外径の10〜20%に相当する長さとしたのは、ストライプ4の幅が絶縁線心3の外径の10%を下回ると、ストライプ4の幅が細くなるため、ストライプ4が見えにくくなったり、絶縁体2からストライプ4を剥すのに手間がかかってしまうからである。一方、ストライプ4の幅が絶縁線心3の外径の20%を上回ると、ストライプ4の幅が太くなりすぎるため、ストライプ4の幅がストライプ4を識別するに必要な幅以上の太さになってしまうからである。
また、ストライプ4の剥離性は、ストライプ4の厚さも関係する。すなわち、ストライプ4の厚さを0.5〜2mmに調整すると、ストライプ4の剥離性や取扱い性が一層増すことになる。ここで、ストライプ4の厚さを0.5〜2mmとしたのは、ストライプ4の厚さが0.5mmを下回ると、厚さが薄くなりすぎるため、絶縁体2からストライプ4を容易に剥がせないからである。一方、ストライプ4の厚さが2mmを上回ると、後述する絶縁線心3を三本撚り合わせる場合に、ストライプ4の厚さが厚くなりすぎるため、絶縁体2からストライプ4が剥がれ、脱落してしまうので、取扱いにくいからである。
ところで、本実施例に係るケーブル10は、図1に示すように絶縁体2の上にストライプ4を形成した絶縁線心3を三本撚り合わせているので、絶縁線心3を撚り合わせる工程でストライプ4が捩れて絶縁体2から剥がれるおそれがある。そのため、本実施例に係るケーブル10は、図4に示す方法によって、この絶縁線心3を三本撚り合わせている。
図4において、線心ドラム60と、線心撚り機70と、巻取りドラム80とが示されている。三本の絶縁線心3は、押出し成形時にはストライプ4が擦れないように線心ドラム60,60,60にそれぞれ整列巻きされる。そして、整列巻きされた三本の絶縁線心3は、図4に図示された矢印Aの方向に送られ、線心撚り機70で撚り合わされ、巻取りドラム80に巻き取られる。巻取りドラム80に巻き取られた絶縁線心3の撚り線は、撚り合せにおける捩れを解消するためにより戻しが行われる。より戻しは、線心ドラム60,60,60の回転方向(図4に図示された矢印Bの方向、反時計回り)と巻取りドラム80の回転方向(図4に図示された矢印Cの方向、時計回り)がそれぞれ反対方向になるように線心ドラム60と巻取りドラム80を回して行われる。このより戻しによって、絶縁線心3の上に形成されたストライプ4は、絶縁線心3の撚り合わせ工程において、絶縁線心3の撚り線の捩れが解消されるため、絶縁体2から容易に剥がれ落ちることがなくなる。
このようにして得られた本実施例に係る線心識別付き電力ケーブル10(ケーブル10)は、絶縁体3の上に剥離性を有するストライプ4が形成されている。そのため、ストライプ4は、ケーブル施工時に絶縁体3の上から容易に剥がせるので、配線作業者は導体1を容易に識別し、導体1の配線間違いを予防することができる。この導体1の配線間違いの予防について、ケーブル10を電力メータに接続する場合を例にして、図5に基づいて具体的に説明する。
図5の(a)は、本実施例に係る線心識別付き電力ケーブル10(ケーブル10)を電力メータに接続する場合の概念図である。図5の(b)は、絶縁体2からストライプ4を剥離する状態を示している図である。また、図5の(c)は、絶縁体2にテープ6を巻いた後にシース5の部分に必要な長さのストライプ4が残されている状態を示している図である。
図5の(a)において、20は電力メータを示し、電力メータ20にケーブル10が接続されている。この場合、ケーブル10の絶縁体2の上には、耐候性用のテープ6(たとえば、ポリエチレン、ポリ塩化ビニルなどのテープ)が巻かれている。絶縁体2の上にテープ6が巻かれると、導体1を識別することができなくなるおそれがあるが、本実施例に係るケーブル10は絶縁体2の上に剥離が容易なストライプ4が設けられているため、ストライプ4を絶縁体2の上から剥すことによって導体1を識別することができる。すなわち、線心識別用のストライプ4は、先ず、テープ6を巻く前に絶縁体2の上から剥がされる(図5の(b))。次に、剥がされたストライプ4は、皮むきしたシース5の根元の部分(図5の(c)に示す矢印Dの部分)までそのまま剥される。なお、剥がされたストライプ4は、必要な長さを残し、不用な部分を削除してもよい。このストライプ4は、図5の(c)に示すように、絶縁体2の上にテープ6が巻かれても、テープ6が巻かれた絶縁体2には必要な長さのストライプ4が残されている。そのため、テープ6が巻かれた絶縁体2の導体1は、このストライプ4によって容易に識別される。したがって、図5の(a)に示すように、電力メータ20にケーブル10を接続する際には、配線作業者は導体1を容易に識別し、導体1の配線間違いを予防することができる。
このように、本実施例に係る線心識別付き電力ケーブルは、絶縁体の上に剥離性を有するストライプを備えているため、配線作業者はケーブル施工時に導体を容易に識別し、導体の配線間違いを予防することができる。
なお、本実施例は、絶縁体の上に剥離が容易なストライプを備えたトリプレックス型の線心識別付き電力ケーブルについて説明したが、このケーブルに限定されることなく他の電力ケーブルにも本発明を適用することができる。また、本発明を適用することができるケーブルには、電力用又は制御用に用いられる架橋ポリエチレンビニールシースケーブル、架橋ポリエチレン絶縁耐燃性ポリエチレンケーブル、ポリエチレン絶縁ビニールシースケーブル、ポリエチレン絶縁耐燃性ポリエチレンケーブルが挙げられる。
本発明に係る線心識別付き電力ケーブルの一実施例を斜視図にて示した図である。 図1に示した絶縁線心とストライプの端面図である。 図1に示した絶縁線心を撚り合わせる工程の説明図である。 本発明に係る線心識別付き電力ケーブルを電力メータに接続した状態を示す図であり、(a)はその概念図、(b)はストライプを絶縁体から剥した状態を示す図、(c)はケーブルを電力メータに接続する前に絶縁体にテープを巻いた状態を示す図である。 図1に示したストライプを絶縁体の上に形成した状態を示す図であり、(a)は一層構造のストライプを示す図、(b)は二層構造のストライプを示す図、(c)は(b)を拡大した図である。 従来の識別付き電力ケーブルを電力メータに接続した状態を示す図であり、(a)はその概念図、(b)は絶縁体にテープを巻いていない状態を示す図、(c)はケーブルを電力メータに接続する前に絶縁体にテープを巻いている状態を示す図である。
符号の説明
1………導体
2………絶縁体
3………絶縁線心
4………ストライプ
4a……ベース層
4b……剥離性樹脂層
5………シース
6………テープ
10……線心識別付き電力ケーブル
20……電力メータ

Claims (5)

  1. 導体とその導体の上に絶縁体を被覆してなる絶縁線心の前記絶縁体の上に剥離性を有するストライプを前記絶縁体の長手方向に1本又は2本以上形成し、前記ストライプを形成した前記絶縁線心を複数本撚り合せ、該複数本撚り合せた絶縁線心の上にシースを被覆したことを特徴とする線心識別付き電力ケーブル。
  2. 前記ストライプは、前記絶縁体の成形温度と異なる温度で成形されることを特徴とする請求項1に記載の線心識別付き電力ケーブル。
  3. 前記ストライプは、1層又は2層以上の構造を有し、剥離性を有する樹脂層が前記絶縁体の上に直接付けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の線心識別付き電力ケーブル。
  4. 前記ストライプは、前記絶縁線心の外径の10〜20%に相当する長さの幅を有していることを特徴とする請求項1,2又は3に記載の線心識別付き電力ケーブル。
  5. 前記ストライプは、0.5〜2mmの厚さを有していることを特徴とする請求項1,2,3又は4に記載の線心識別付き電力ケーブル。
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