JP2993015B2 - 水中モータ用巻線 - Google Patents
水中モータ用巻線Info
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- JP2993015B2 JP2993015B2 JP22770889A JP22770889A JP2993015B2 JP 2993015 B2 JP2993015 B2 JP 2993015B2 JP 22770889 A JP22770889 A JP 22770889A JP 22770889 A JP22770889 A JP 22770889A JP 2993015 B2 JP2993015 B2 JP 2993015B2
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Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、高電圧,高温水中で使用される水中モータ
用巻線に関するものである。
用巻線に関するものである。
従来の技術 従来から、この種の水中モータには、その使用される
環境により、高い絶縁性能をもち更には高温度の水中に
さらされて使用されるため、長期にわたって耐熱性,耐
水性を維持することのできる巻線を使用することが必須
とされている。以下に、水中モータに用いられる従来の
巻線について説明する。第2図は従来の水中モータ用巻
線断面の一例を示すものである。第2図において1は銅
導体、2はポリエチレンで構成された絶縁層、3は絶縁
層2を銅害から保護するために銅導体1と絶縁層2との
間に設けられたポリエステル,ホルマールなどで構成さ
れた導体遮蔽層、4はポリアミドで構成されたシースで
ある。
環境により、高い絶縁性能をもち更には高温度の水中に
さらされて使用されるため、長期にわたって耐熱性,耐
水性を維持することのできる巻線を使用することが必須
とされている。以下に、水中モータに用いられる従来の
巻線について説明する。第2図は従来の水中モータ用巻
線断面の一例を示すものである。第2図において1は銅
導体、2はポリエチレンで構成された絶縁層、3は絶縁
層2を銅害から保護するために銅導体1と絶縁層2との
間に設けられたポリエステル,ホルマールなどで構成さ
れた導体遮蔽層、4はポリアミドで構成されたシースで
ある。
以上のように構成された水中モータ用巻線について、
更に各構成部分について詳しく説明する。絶縁層2は、
ポリエチレンの他、架橋ポリエチレン,結晶性ポリプロ
ピレン等が用いられているものがある。その膜厚は200V
用水中モータ用捲線としては0.2〜2.0mmが一般である。
この絶縁層2がポリオレフィン系の樹脂の場合、銅によ
って劣化が促進されることが知られている。これを防止
するために、導体遮蔽層3を設けている。その構成材料
は主としてポリエステル樹脂,ホルマール樹脂等が用い
られ、これらを導体表面にエナメルコーティングしてい
る。その厚さは、0.01mm〜0.05mm程度が普通である。つ
ぎにコイル形成時の損傷防止シース4に用いられる材料
としてはすべり性の良いポリアミド樹脂が一般的であ
り、膜厚は0.2mm〜2.0mmが適当である。
更に各構成部分について詳しく説明する。絶縁層2は、
ポリエチレンの他、架橋ポリエチレン,結晶性ポリプロ
ピレン等が用いられているものがある。その膜厚は200V
用水中モータ用捲線としては0.2〜2.0mmが一般である。
この絶縁層2がポリオレフィン系の樹脂の場合、銅によ
って劣化が促進されることが知られている。これを防止
するために、導体遮蔽層3を設けている。その構成材料
は主としてポリエステル樹脂,ホルマール樹脂等が用い
られ、これらを導体表面にエナメルコーティングしてい
る。その厚さは、0.01mm〜0.05mm程度が普通である。つ
ぎにコイル形成時の損傷防止シース4に用いられる材料
としてはすべり性の良いポリアミド樹脂が一般的であ
り、膜厚は0.2mm〜2.0mmが適当である。
発明が解決しようとする課題 しかしながら、上記のような構成ではシース4,絶縁層
2,導体遮蔽層3で絶縁性能を確保するためには最低0.4m
m〜0.5mmの膜厚が必要となる。ところが、損傷防止シー
ス4にポリアミド樹脂のように吸水性の樹脂を用いる
と、絶縁物としての機能は果たさない。さらに、使用温
度が高くなるとシース4が劣化し、これが絶縁層2の課
電状態に影響を与え、絶縁層2を破壊し、巻線寿命が短
くなるという問題があった。
2,導体遮蔽層3で絶縁性能を確保するためには最低0.4m
m〜0.5mmの膜厚が必要となる。ところが、損傷防止シー
ス4にポリアミド樹脂のように吸水性の樹脂を用いる
と、絶縁物としての機能は果たさない。さらに、使用温
度が高くなるとシース4が劣化し、これが絶縁層2の課
電状態に影響を与え、絶縁層2を破壊し、巻線寿命が短
くなるという問題があった。
次に、絶縁層2の構成材料において、ポリエチレンや
架橋ポリエチレンでは耐熱的には70℃程度が限界であ
り、90℃での長期の使用には耐えないという問題があっ
た。また、結晶性ポリプロピレンでもそのポリマー状
態,変性状態,添加剤によって90℃高温水中での使用の
可否が決定されるがその選択が困難である。
架橋ポリエチレンでは耐熱的には70℃程度が限界であ
り、90℃での長期の使用には耐えないという問題があっ
た。また、結晶性ポリプロピレンでもそのポリマー状
態,変性状態,添加剤によって90℃高温水中での使用の
可否が決定されるがその選択が困難である。
第3点目として、導体遮蔽層3は、大気中では高温
(105℃〜200℃)で使用されるが、水中で使用される場
合はその使用と違い、通常の耐熱温度を参考にすること
はできない。また、高温水中(90℃)という環境では絶
縁層2が介在していても水の影響を無視することはでき
ず、ポリエステル樹脂は耐加水分解をおこし導体遮蔽層
としての働きがなくなる。またホルマール樹脂は大気中
での使用以上に劣化が促進されるという問題がある。
(105℃〜200℃)で使用されるが、水中で使用される場
合はその使用と違い、通常の耐熱温度を参考にすること
はできない。また、高温水中(90℃)という環境では絶
縁層2が介在していても水の影響を無視することはでき
ず、ポリエステル樹脂は耐加水分解をおこし導体遮蔽層
としての働きがなくなる。またホルマール樹脂は大気中
での使用以上に劣化が促進されるという問題がある。
さらに、コイル末端の接続部はポリアミド樹脂のシー
ス4のみを除去し接続を行い更にその部分を完全に密閉
状態にする必要がある。このシース4を除去する工程は
個人の技能に依るところが大きく、小さな傷でもそれが
致命傷になるため多くの工数、例えば工程1…カッター
によるシース4のみの剥離、工程2…先端部の絶縁層2
及び導体遮蔽部3の剥離、工程3…結線、工程4…結線
部のみのシール、工程5…シース4を含めた巻線とリー
ド線のシール、を要している。
ス4のみを除去し接続を行い更にその部分を完全に密閉
状態にする必要がある。このシース4を除去する工程は
個人の技能に依るところが大きく、小さな傷でもそれが
致命傷になるため多くの工数、例えば工程1…カッター
によるシース4のみの剥離、工程2…先端部の絶縁層2
及び導体遮蔽部3の剥離、工程3…結線、工程4…結線
部のみのシール、工程5…シース4を含めた巻線とリー
ド線のシール、を要している。
本発明の目的は上記問題点に鑑み、高温水中(90℃)
での長寿命化を計り、巻線とリード線の結線部での工程
を容易ならしめる巻線を提供するものである。
での長寿命化を計り、巻線とリード線の結線部での工程
を容易ならしめる巻線を提供するものである。
課題を解決するための手段 前記問題点を解決するために本発明は、銅導体表面に
ポリアミドイミド樹脂を主成分とした樹脂でコーティン
グ処理して導体遮蔽層を形成し、その表面にゴム変性し
たポリプロピレン樹脂、或いはゴム成分を混合させたポ
リプロピレン樹脂の絶縁層を形成するものである。
ポリアミドイミド樹脂を主成分とした樹脂でコーティン
グ処理して導体遮蔽層を形成し、その表面にゴム変性し
たポリプロピレン樹脂、或いはゴム成分を混合させたポ
リプロピレン樹脂の絶縁層を形成するものである。
作用 本発明は上記したように、銅導体表面にポリアミドイ
ミド樹脂を主成分としたエナメルコーティング処理を行
い、その表面に、ゴム変性したポリプロピレン樹脂或い
はゴム成分を混合させたポリプロピレン樹脂の絶縁層の
みを有している構成であり、ポリアミドイミド樹脂は耐
加水分解性が良く、高温水中(90℃)でも劣化が少ない
ので長期間導体遮蔽層としての作用をする。ゴム変性し
たポリプロピレン樹脂、或いはゴム成分を混合させたポ
リプロピレン樹脂は、表面の可とう性,すべり性がよく
損傷防止シースとしての作用を有する。更に、高温水中
(90℃)で長期間での高い絶縁性が保証される。その結
果、損傷防止シースを排除することができ、薄膜化が実
現し、占積率を低下ならしめることができる。また、結
線部における損傷防止シースの剥離作業が省略されるた
め、工程の簡素化に貢献できるものである。
ミド樹脂を主成分としたエナメルコーティング処理を行
い、その表面に、ゴム変性したポリプロピレン樹脂或い
はゴム成分を混合させたポリプロピレン樹脂の絶縁層の
みを有している構成であり、ポリアミドイミド樹脂は耐
加水分解性が良く、高温水中(90℃)でも劣化が少ない
ので長期間導体遮蔽層としての作用をする。ゴム変性し
たポリプロピレン樹脂、或いはゴム成分を混合させたポ
リプロピレン樹脂は、表面の可とう性,すべり性がよく
損傷防止シースとしての作用を有する。更に、高温水中
(90℃)で長期間での高い絶縁性が保証される。その結
果、損傷防止シースを排除することができ、薄膜化が実
現し、占積率を低下ならしめることができる。また、結
線部における損傷防止シースの剥離作業が省略されるた
め、工程の簡素化に貢献できるものである。
実施例 本発明における一実施例について以下に図面を用いて
説明する。
説明する。
第1図は本発明の水中モータ用巻線の断面図である。
銅導体1の表面にポリアミドイミド樹脂を主成分とし
た樹脂によりコーティング処理をおこなった導体遮蔽層
3aを形成し、この導体遮蔽層3aの上にゴム変性したポリ
プロピレン樹脂、或いはゴム成分を混合させたポリプロ
ピレン樹脂よりなる絶縁層2aを形成している。導体遮蔽
層3aは絶縁層2aが銅導体1により劣化されるのを防止し
ている。
た樹脂によりコーティング処理をおこなった導体遮蔽層
3aを形成し、この導体遮蔽層3aの上にゴム変性したポリ
プロピレン樹脂、或いはゴム成分を混合させたポリプロ
ピレン樹脂よりなる絶縁層2aを形成している。導体遮蔽
層3aは絶縁層2aが銅導体1により劣化されるのを防止し
ている。
発明の効果 以上の説明から明らかなように本発明によれば下記の
効果を奏する。
効果を奏する。
1)損傷防止シースとしてのポリアミド樹脂を排除して
いるため皮膜の薄膜化が図れ、モータの小型化,高効率
化が実現出来る。
いるため皮膜の薄膜化が図れ、モータの小型化,高効率
化が実現出来る。
2)結線部におけるシースの剥離作業が省略されるた
め、工程の簡素化に貢献できる。
め、工程の簡素化に貢献できる。
3)使用するポリプロピレンはゴム変性或いはゴム成分
を混合しており、さらには耐温水に適した添加剤を使用
しているため、更に高温下での長期にわたる絶縁寿命を
保証することができる。
を混合しており、さらには耐温水に適した添加剤を使用
しているため、更に高温下での長期にわたる絶縁寿命を
保証することができる。
前記1)〜3)の結果、水中モータの品質が向上し寿
命を大幅に延ばすことができた。
命を大幅に延ばすことができた。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の実施例を示す水中モータ用巻線の断面
図、第2図は従来例の水中モータ用巻線の断面図であ
る。 1……銅導体、2a……絶縁層、3a……導体遮蔽層。
図、第2図は従来例の水中モータ用巻線の断面図であ
る。 1……銅導体、2a……絶縁層、3a……導体遮蔽層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01M 7/02 H02K 3/32 H02K 3/44 H01M 3/44
Claims (3)
- 【請求項1】銅導体表面にポリアミドイミド樹脂を主成
分とした樹脂でコーティング処理して導体遮蔽層を形成
し、その表面にゴム変性したポリプロピレン樹脂、或い
はゴム成分を混合させたポリプロピレン樹脂の絶縁層を
形成した90℃高温水中で使用する2層構造の水中モータ
巻線。 - 【請求項2】導体遮蔽層はポリアミドイミド樹脂単体層
或いは、ポリエステル樹脂、変性ポリエステル樹脂、ポ
リエステルイミド樹脂とポリアミドイミド樹脂とを組み
合せた複数層からなる請求項1記載の水中モータ用巻
線。 - 【請求項3】絶縁層はゴム変性したポリプロピレン樹
脂、或いはゴム成分を混合させてポリプロピレン樹脂で
あることを特徴とする請求項1記載の水中モータ用巻
線。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22770889A JP2993015B2 (ja) | 1989-09-01 | 1989-09-01 | 水中モータ用巻線 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22770889A JP2993015B2 (ja) | 1989-09-01 | 1989-09-01 | 水中モータ用巻線 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0389413A JPH0389413A (ja) | 1991-04-15 |
JP2993015B2 true JP2993015B2 (ja) | 1999-12-20 |
Family
ID=16865110
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22770889A Expired - Fee Related JP2993015B2 (ja) | 1989-09-01 | 1989-09-01 | 水中モータ用巻線 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2993015B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3011144B2 (ja) * | 1997-07-31 | 2000-02-21 | 日本電気株式会社 | 光スキャナとその駆動方法 |
JP5055959B2 (ja) * | 2006-11-06 | 2012-10-24 | 株式会社明電舎 | 回転機の絶縁方法、及び、水冷式回転機 |
CN103714906A (zh) * | 2014-01-03 | 2014-04-09 | 江苏中煤电缆有限公司 | 一种单芯中压风力发电用橡套软电缆 |
-
1989
- 1989-09-01 JP JP22770889A patent/JP2993015B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0389413A (ja) | 1991-04-15 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |