JP2006323347A - 光部品の調心装置、光部品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】光部品を上下方向の基準軸線に沿って直線移動させる上部ステージ4と、上部ステージ4の光部品に固定する別の光部品を、直線移動2軸、回転移動3軸の計5軸の自由度で移動させる下部ステージ3とを備え、下部ステージ3の回転移動3軸の内の2つが、前記基準軸線に対して垂直かつ互いに垂直の軸線を以て光部品を回転させる角度調整用、残る回転移動1軸が、角度調整用の2軸に対して垂直の軸線を以て光部品を回転させる回転調心用である光部品の調心装置及びそれを用いた光部品の製造方法を提供する。
【選択図】図1
Description
この横型の調心装置は、一般的には、光部品を把持する固定台と、その両側に設置され、それぞれ、6軸(例えば特許文献1のX、Y、Z、θx、θy、θzを参照。両側で合計12軸)の可動軸を有する可動ステージ装置とからなる。可動ステージ装置は、固定台に取り付けられた光部品に対して調心して固定する光部品を支持する。可動ステージ装置に支持された光部品は、可動ステージ装置の自由度によって、固定台に取り付けられた光部品に対して調心される。
可動ステージ装置に支持される光部品は、該光部品に取り付けられている光ファイバが横向き(水平方向)となる向きで、可動ステージ装置に取り付けられる。
各光部品は、最適位置に調心後、紫外線硬化型接着剤(以下、UV接着剤)などで接着固定される。
また、コリメータのように、円筒形のものについて調心を行う際に、光部品同士の接続光軸に沿った方向の軸線(特許文献1のθz軸参照)回りの回転幅が小さい(±10°程度)。このため、例えば2心コリメータ等、方向性のある光部品を調心する際には、予め大まかな方向性を確認してから可動ステージ装置に取り付ける必要がある、といった問題があった。
本発明では、光部品同士の光軸合わせのための調心作業に用いられる光部品の調心装置において、光部品が着脱可能に固定される固定台を、直線移動1軸の自由度で、上下方向に延在する基準軸線に沿って移動させる移動ステージである第1ステージと、この第1ステージに支持された光部品に固定される別の光部品を支持する第2ステージとを具備し、前記第2ステージは、光部品が着脱可能に固定される固定台と、この固定台を、前記基準軸線に対する垂直方向の直線移動2軸、及び、回転移動3軸の計5軸の自由度で移動させる各軸毎の移動ステージとを備え、前記第2ステージの回転移動3軸の移動ステージの内の2つが、前記基準軸線に対して垂直かつ互いに垂直の軸線を中心に前記固定台を回転させる角度調整用、残る回転移動1軸の移動ステージが、角度調整用の2軸に対して垂直の軸線を中心に前記固定台を回転させる回転調心用であることを特徴とする光部品の調心装置を提供する。
また、本発明は、第2ステージは、計5軸の移動ステージを前記基準軸線に沿って配列配置した構成であり、計5軸の移動ステージの内、第1ステージに最も近い側に配置された回転調心用の移動ステージに固定台が設けられていることを特徴とする請求項1記載の光部品の調心装置を提供する。
また、本発明は、第2ステージの各移動ステージが、手動操作ステージであることを特徴とする請求項1又は2記載の光部品の調心装置を提供する。
また、本発明は、第1ステージの固定台及び第2ステージの固定台の一方又は両方に、円筒状あるいは円柱状の光部品を位置決めするための位置決め溝を有する位置決め部が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光部品の調心装置を提供する。
また、本発明は、紫外線硬化型接着剤を用いて光部品を接着固定するための光ファイババンドルを具備することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光部品の調心装置を提供する。
また、本発明は、前記光ファイババンドルからの紫外線の照射角度が、前記基準軸線に対して可変であることを特徴とする請求項5に記載の光部品の調心装置を提供する。
また、本発明は、前記光ファイババンドルからの紫外線の照射角度が、前記基準軸線に対して0〜180°の範囲の角度であることを特徴とする請求項5又は6に記載の光部品の調心装置を提供する。
また、本発明は、前記光ファイババンドルからの紫外線の照射角度が、前記基準軸線に対して略垂直であることを特徴とする請求項5又は6に記載の光部品の調心装置を提供する。
また、本発明は、第1ステージの固定台に光軸を複数本有する光部品を固定し、第2ステージの固定台に光軸を1本のみ有する光部品を固定して、前記粗調心工程と前記高精度調心工程と前記固定組立工程とを行うことで、光軸を複数本有する光部品と、光軸を1本のみ有する光部品とを固定してなる複合光部品を組み立てることを特徴とする請求項9記載の光部品の製造方法を提供する。
また、第1、第2ステージにそれぞれ支持した光部品同士の調心作業において、第2ステージに支持した光部品を、第2ステージの回転調心用の1軸によって回転させることで、調心作業の手間を軽減することが可能である。第2ステージに支持した光部品を、第2ステージの回転調心用の1軸での回転で、第1ステージに支持された光部品に対して光軸の粗調心を行った後、第2ステージの直線移動2軸及び回転移動3軸の自由度で、粗調心よりも高精度の調心を行えば、調心作業の手間を大幅に軽減できる。
また、本発明に係る調心装置では、第2ステージの回転調心用の1軸による光部品の回転の可動範囲(角度範囲)を、広く確保することが容易である。360度回転自在とすることができる。この結果、第2ステージの回転調心用の1軸による光部品の回転によって、円筒形や円柱形の光部品の調心を容易に行えるようになるといった利点もある。
図1は、本発明に係る光部品の調心装置1(以下、単に、調心装置とも言う)を示す斜視図、図2は、図1の調心装置1の第2ステージ3の移動ステージ32〜36の構成を模式的に示す拡大斜視図(モデル図)、図3は、図1の調心装置1の第1、第2ステージ3、4の固定台31、421を示す拡大斜視図である。
なお、図1、図2、図3において、上側を上、下側を下として説明する。
また、図1下側に、矢印で示したX、Y、Zは、それぞれ、以下文中の、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向を示す。
また、図1中、符号5は、紫外線照射装置である。図1に例示した実施形態の調心装置1は、この紫外線照射装置を含む。すなわち、本形態例の調心装置1は、紫外線硬化型接着剤を用いて光部品を接着固定するための光ファイババンドル51(詳しくは後述する。)を具備するものである。
下部ステージ3は、本発明に係る第2ステージとして機能するものである。
上部ステージ4は、本発明に係る第1ステージとして機能するものである。
下部ステージ3は、光部品6が着脱可能に固定される固定台31(以下、下部固定台とも言う)と、水平2方向の直線移動2軸、及び、回転移動3軸の計5軸の自由度で前記下部固定台31を移動させる各軸毎の移動ステージ32〜36とを備えて構成されている。
各移動ステージ32〜36はプレート状である。これら移動ステージ32〜36は、装置フレーム2のベース21上に積み重ねるようにして設けられている。
図3に示すように、この下部固定台31には、光部品6の位置決め用の位置決め溝312(図4参照)が形成されている光部品保持台311を収納する保持台装着溝31aが形成されている。保持台装着溝31a内に収納された光部品保持台311(位置決め部)は、図示しない取付部材によって、下部固定台31に対して着脱可能に取り付けられる。
また、この下部固定台31には、保持台装着溝31a内の前記光部品保持台311の位置決め溝312に収納して位置決めした光部品6をスプリング(図示略)の付勢力によって押さえ込んで、光部品保持台311との間にクランプ保持する押さえ片31bが、軸31cを介して回転自在に取り付けられている。押さえ片31bを、スプリングの付勢力に抗して、光部品保持台311から離隔させるように回転させれば、下部固定台31に対する光部品6の着脱作業を行える。なお、図3中、符号31dは、押さえ片31bに突設された当接突起31dである。押さえ片31bは、具体的には、光部品保持台311の位置決め溝312に収納した光部品6を、当接突起31dで光部品保持台311に押さえ込む。
位置決め溝312としては、例えば、コリメータ等の円柱状(あるいは円筒状)の光部品の位置決め及び保持に適した形状のものであり、V溝に限定されず、例えば、角溝、その他、様々な形状のものを採用できる。下部固定台31に取り付ける光部品保持台311は、光部品6の位置決め及び保持に適した位置決め溝312を有するものを選択使用する。
これら移動ステージ32〜36は、Y軸ステージ32、X軸ステージ33、θx軸ステージ34、θy軸ステージ35、θz軸ステージ36の順で、下から上に積み重ねられている。
また、「θx軸回転移動」は、X軸方向に延びる軸線を中心とする回転移動、「θy軸回転移動」は、Y軸方向に延びる軸線を中心とする回転移動を指す。
「θz軸回転移動」は、X軸方向及びY軸方向に垂直の方向に延びる軸線(θz軸。図2参照)を中心とする回転移動を指す。但し、θz軸は必ずしも鉛直ではなく、θx軸ステージ34及び/又はθy軸ステージ35の操作によって、鉛直軸線に対して傾斜させることができる。
前述したように回転ブロック362は柱状の部材であり、スライドベース361上に立設されている。
また、回転ブロック362の側部には、該回転ブロック362の回転操作用の操作ハンドル363が突設されている。この操作ハンドル363を使って回転ブロック362を回転させることで、回転ブロック362の上端部の下部固定台31及び該下部固定台31に固定した光部品6を、θz軸を中心として回転させることができる。
図1に示すように、上部ステージ4は、装置フレーム2の縦フレーム22の上端部に固定されたスライドベース41と、このスライドベース41にガイドされて、所定の基準軸線Bに沿って移動する可動ブロック42と、この可動ブロック42を前記基準軸線B(ここでは、鉛直軸線)に沿って移動するための操作ダイヤル(粗動ダイヤル43及び微動ダイヤル44)とを具備して構成されている。
また、基準軸線Bは、より詳しくは、上部ステージ4の可動ブロック42に設けられた固定台421(後述の上部固定台)に固定される光部品6の突き合わせ端面(例えば、図7に示す2心コリメータ62の突き合わせ端面62aを参照)を通る鉛直軸線である。
調心装置1を用いて、光部品同士の光軸合わせのための調心作業を行う場合は、上下のステージ3、4に支持した各光部品6の突き合わせ端面が基準軸線Bと交差する位置となるように、下部ステージ3の移動ステージの操作によって下部ステージ3による光部品の支持位置を調整する。
可動ブロック42の下端部は、光部品6を固定するための固定台421(以下、上部固定台とも言う)として機能する。上部ステージ4は、上部固定台421を基準軸線Bに沿って(ここでは上下方向)に移動するための移動ステージとして機能する。
保持台装着溝42a内に収納された光部品保持台45(位置決め部)は、図示しない取付部材によって、上部固定台421に対して着脱可能に取り付けられる。この上部固定台421でも、下部ステージ3の下部固定台31と同様に、光部品6の固定に適した位置決め溝451を有する光部品保持台45が選択使用される。
また、微動ダイヤル44の回転操作量に対する上部固定台421の移動量は、粗動ダイヤル43の回転操作量に対する上部固定台421の移動よりも小さい。
但し、本発明に係る下部ステージ3及び上部ステージ4としては、手動操作ステージに限定されず、電動モータで駆動されるものを排除しない。本発明に係る調心装置によれば、下部ステージ3が5軸で済み、従来の調心装置の6軸に比べて1軸少ないため、構成を単純化でき、小型化、低コスト化を容易に実現できる。また、下部ステージ3は、回転調心用のθz軸ステージ36を具備していることから、調心のための操作が単純で済むといった利点もある。
図示例の紫外線照射装置5は、具体的には、UV光源に接続された光ファイババンドル51と、この光ファイババンドル51を支持する支持台52とで構成されている。
なお、光部品6同士を固定する紫外線硬化型接着剤を硬化させるための紫外線照射手段としては、図示例のような紫外線照射装置に限定されず、様々な構造のものを採用できる。
次に、調心装置1を利用して、光部品同士の調心及び接着固定を行い、複数の光部品からなる複合光部品を組み立てる方法(製造方法)の一例を説明する。
図6に例示した複合光部品7は、波長分割多重機能を持つ光部品であるWDMフィルタ(WDM:Wavelength Division Multiplexing)である。
この複合光部品7(以下、WDMフィルタ7とも言う)は、誘電体多層膜フィルタ素子61(以下、フィルタ素子とも言う)と、該フィルタ素子61の入射側に、フィルタ素子61の入射及び反射ポートとして取り付けた2心コリメータ62と、フィルタ素子61の出射側(入射側と反対の側)に、フィルタ素子61の透過ポートとして取り付けた単心コリメータ63とで構成されている。つまり、この複合光部品7は、3つの光部品6(フィルタ素子61と、2心コリメータ62と、単心コリメータ63)を一体化した構成になっている。2心コリメータ62と単心コリメータ63とは、接着剤で、フィルタ素子61に接着固定される。
単心コリメータ63は、円柱状のコリメートレンズ63bに1本の光ファイバ83を融着接続したものである。
符号81の光ファイバは入射ポート用光ファイバ、82の光ファイバは反射ポート用光ファイバ、83の光ファイバは透過ポート用光ファイバである。
各光ファイバ81、82、83は、コリメートレンズ62b、63bの軸方向両端の内、軸方向の一端面である突き合わせ端面62a、63aとは反対の側の端部に融着接続されている。また、以下、コリメートレンズ62b、63bの突き合わせ端面62a、63aを、コリメータ62、63の突き合わせ端面として説明する場合がある。
なお、2心コリメータ62に接続する光ファイバは、光ファイバ素線等の単心光ファイバであるが、例えば、1本の2心光ファイバテープ心線であっても良い。2心光ファイバテープ心線の場合は、光ファイバテープ心線内の各光ファイバ(裸光ファイバ)が、それぞれ単独の光ファイバとして機能する。
第1工程では、調心装置1を利用して、フィルタ素子61に対する2心コリメータ62の光軸の調心作業を行う。第2工程では、調心装置1を利用して、フィルタ素子61に対する単心コリメータ63の光軸の調心作業を行う。
以下、第1工程、第2工程を詳しく説明する。
ここで説明する複合光部品7の製造方法(組み立て方法)では、まず、フィルタ素子61と、2心コリメータ62とを、下部ステージ3の下部固定台31と上部ステージ4の上部固定台421とにセット(固定)する。
図7に示すように、2心コリメータ62(光部品6)は、上部ステージ4の上部固定台421にセット(固定)し、フィルタ素子61(光部品6)は、下部ステージ3の下部固定台31にセット(固定)する。
2心コリメータ62に接続されている2本の光ファイバ81、82は、2心コリメータ62から上方に延出されるようにする。また、2心コリメータ62から延出されている2本の光ファイバ81、82の内、入射ポート用光ファイバ81(図6中、Cポート)を光源(図示略)に接続し、反射ポート用光ファイバ82(図6中、Rポート)を光パワーメータ(図示略)に接続する。
この調心作業は、入射ポート用光ファイバ81に1.55μm帯の光を送入し、この送入光の、フィルタ素子61の誘電体多層膜から反射ポート用光ファイバ82への反射光強度を光パワーメータでモニタしながら、下部ステージ3の全5軸の移動ステージ32〜36の内の1又は複数を操作して、最も伝送特性が良好な位置(最適位置)を探る。最適位置で調心がなされたものとする。
下部ステージ3の操作による調心作業に入る前に、フィルタ素子61が、2心コリメータ62の下側に、2心コリメータ62から僅かなクリアランスを介して配置されるようにする。
フィルタ素子61は、下部ステージ3の全5軸の移動ステージ32〜36の内の1又は複数の操作によって、2心コリメータ62の真下に配置できる。これにより、フィルタ素子61の突き合わせ端面61aが、基準軸線Bと交差するようにする。
また、フィルタ素子61と2心コリメータ62との離隔距離の調整は、上部ステージ4の、2心コリメータ62が固定されている上部固定台421の移動によって実現できることは言うまでも無い。
フィルタ素子61が、2心コリメータ62の下側に、2心コリメータ62から僅かなクリアランスを介して配置されれば、上部固定台421に固定されている2心コリメータ62の突き合わせ端面62aと、下部固定台31に固定されているフィルタ素子61の入射側の突き合わせ端面61aとが、僅かなクリアランスを介して対面される。
フィルタ素子61が、2心コリメータ62の下側に、2心コリメータ62から僅かなクリアランスを介して配置されることで、調心作業が可能な状態となる。
調心作業は、θz軸ステージ36のみの操作によって、最も伝送特性が良好な位置を探る粗調心工程と、この粗調心工程の後、下部ステージ3の複数の移動ステージ32〜36の1又は複数を操作して、最適位置に調心する高精度調心工程とからなる。粗調心工程の後に、高精度調心工程を行う。
この粗調心工程の完了後に、高精度調心工程を行う。
2心コリメータ付きフィルタ素子71の組み立てによって第1工程が完了する。
第1工程が完了したら、2心コリメータ付きフィルタ素子71の全体を上側に移動して、フィルタ素子61を上部固定台421に固定する。これにより、2心コリメータ付きフィルタ素子71全体が上部固定台421に支持されるようにする。
この2心コリメータ付きフィルタ素子71の上方への移動に伴い、空いた下部固定台31に、単心コリメータ63を固定する。このとき、単心コリメータ63は、該単心コリメータ63自体の中心軸線回りの回転方向の位置決めを考慮する必要が無い。
また、単心コリメータ63に接続されている透過ポート用光ファイバ83(図8中、Tポート)に光パワーメータ(図示略)を接続する。
単心コリメータ63が、2心コリメータ付きフィルタ素子71のフィルタ素子61の下側(透過側)に、フィルタ素子61から僅かなクリアランスを介して配置されれば、上部固定台421に固定されているフィルタ素子61の透過側の突き合わせ端面61bと、下部固定台31に固定されている単心コリメータ63の突き合わせ端面63aとが、僅かなクリアランスを介して対面される。また、光部品71、63は、鉛直方向に延在する一本の基準軸線Bに、フィルタ素子61の突き合わせ端面61bと、単心コリメータ63の突き合わせ端面63aとが交差するように配置する。
この調心作業は、2心コリメータ付きフィルタ素子71に接続されている入射ポート用光ファイバ81の光軸と、単心コリメータ63に接続されている透過ポート用光ファイバ83の光軸とを調心するものである。
この調心作業では、入射ポート用光ファイバ81に1.33μm帯の光を送入し、フィルタ素子61を透過した光が、単心コリメータ63に導かれるようにする。そして、フィルタ素子61を透過した透過光を、透過ポート用光ファイバ83に接続しておいた光パワーメータでモニタしながら、下部ステージ3の全5軸の移動ステージ32〜36の1又は複数を操作して、最も伝送特性が良好な位置(最適位置)を探る。最適位置で調心がなされたものとする。
図8(a)〜(c)は、この粗調心工程を説明する図であり、(a)は、入射ポート用光ファイバ81の光軸と、透過ポート用光ファイバ83の光軸とがずれた状態を示す図、(b)はθz軸ステージ36の回転操作による単心コリメータ63の回転変位を示す図、(c)は、入射ポート用光ファイバ81の光軸と、透過ポート用光ファイバ83の光軸とが合った状態を示す図である。
複合光部品7の組み立てによって第2工程が完了する。
第2工程の完了後、下部固定台31及び上部固定台421から、複合光部品7を取り出す。
以下、本発明に適用可能な光部品の別態様(別態様1、2)を説明する。
図9(a)、(b)に示す複合光部品72も、前述した複合光部品7と同様に、WDMフィルタとして機能するものである。
この複合光部品72は、フィルタ素子61の入射側及び出射側にそれぞれコリメートレンズ721a、721bを固定してなるフィルタ保持部722(光部品)と、このフィルタ保持部722の入射側に接続される2本の光ファイバ81、82(入射ポート用、反射ポート用の光ファイバ)の先端をキャピラリ(例えばガラス製のもの)に挿入して固定したものである2心キャピラリ723a(光部品)と、フィルタ保持部722の出射側に接続される1本の光ファイバ83(透過ポート用光ファイバ)の先端が挿入して固定されたキャピラリである単心キャピラリ723b(光部品)とを具備し、フィルタ保持部722の両側にキャピラリ723a、723b(光部品)を接着剤で固定して組み立てられるようになっている。
2心キャピラリ723aは、光ファイバ81、82を、フィルタ保持部722の入射側のコリメートレンズ721aに光軸合わせして、コリメートレンズ721aに接着剤で固定される。
単心キャピラリ723bは、光ファイバ83を、フィルタ保持部722の出射側のコリメートレンズ721bに光軸合わせして、コリメートレンズ721bに接着剤で固定される。
なお、キャピラリ723a、723bの材質は、ガラス以外、例えばジルコニアセラミック等であっても良い。
また、コリメートレンズ721a、721b及びキャピラリ723a、723bは、互いに対面される突き合わせ端面721c、721d、723c、723dが斜め研磨されている。この斜め研磨は、突き合わせ端面での光の反射を抑えるためであり、光部品の光軸に垂直の面に対して約8度の傾斜とする。
但し、突き合わせ端面は、必ずしも斜め研磨する必要は無い。
例えば、調心装置1の下部固定台31に固定したフィルタ保持部722と、上部固定台421に固定した2心キャピラリ723aとを調心し、接着固定した後、2心キャピラリ723aが固定されたフィルタ保持部722を上部固定台421に固定し、単心キャピラリ723bを下部固定台31に固定して、フィルタ保持部722と単心キャピラリ723bとの調心及び接着固定を行い、複合光部品72を組み立てる。
図10(a)、(b)に示す複合光部品73は、フィルタ素子61及び該フィルタ素子61の入射側及び出射側に光軸を合わせて配置したコリメートレンズ731a、731bをハウジング732に組み込んだ構造のフィルタ保持部733(光部品)と、このフィルタ保持部733の入射側に接続される2本の光ファイバ81、82(入射ポート用、反射ポート用の光ファイバ)の先端をキャピラリ(例えばガラス製のもの)に挿入して固定したものである2心キャピラリ734a(光部品)と、フィルタ保持部733の出射側に接続される1本の光ファイバ83(透過ポート用光ファイバ)の先端をキャピラリ(例えばガラス製のもの)に挿入して固定したものである単心キャピラリ734b(光部品)とを具備し、キャピラリ734a、734bを、コリメートレンズ731a、731bに光軸合わせして、フィルタ保持部733の両側に固定して組み立てられるようになっている。
なお、キャピラリ723a、723bの材質は、ガラス以外、例えばジルコニアセラミック等であっても良い。
この複合光部品73は、キャピラリ734a、734bとコリメートレンズ731a、731bとを、接着剤で直接的に接着固定するのではなく、キャピラリ734a、734bの外側に固定した固定用部材736をフィルタ保持部733のハウジング732に接着剤で固定することで、キャピラリ734a、734bとコリメートレンズ731a、731bとの相対的な位置を固定する構造になっている。
このフィルタ保持部733では、コリメートレンズ731a、731bとフィルタ素子61とは、ハウジング732あるいはハウジング732内の部材に固定して、互いの光軸が合った位置関係で配置するのであり、コリメートレンズ731a、731bとフィルタ素子61とを、直接、接着剤で固定する訳ではない。これにより、コリメートレンズ731a、731bとフィルタ素子61との間の光路に、接着剤が存在しないようにしてある。
なお、各キャピラリ734a、734bでは、光ファイバ81、82、83の先端(先端面)の位置を、該キャピラリ734a、734bの、コリメートレンズ731a、731bに対面される端面(突き合わせ端面734c、734d)に揃えてある。
また、コリメートレンズ731a、731b及びキャピラリ734a、734bは、互いに対面される突き合わせ端面731c、731d、734c、734dが斜め研磨されている。この斜め研磨は、突き合わせ端面での光の反射を抑えるためであり、光部品の光軸に垂直の面に対して約8度の傾斜とする。
但し、突き合わせ端面は、必ずしも斜め研磨する必要は無い。
なお、キャピラリ734a、734bは、調心装置1によって、光ファイバ81、82、83の光軸を、フィルタ保持部733のコリメートレンズ731a、731bの光軸に合わせた状態で、フィルタ保持部733のハウジング732に固定用部材736を、接着剤で接着固定して、フィルタ保持部733に一体化する。
このため、この複合光部品73は、例えば、入射ポート用光ファイバ81からの送入光が、ワットクラスのハイパワー光であっても、接着剤が高温に加熱されることに起因する光特性の劣化や、接着剤の焦損等の不都合を回避できる利点がある。
本発明において、光ファイババンドルからの紫外線の照射角度は、基準軸線に対して可変とすることも、又は基準軸線に対して一定の角度とすることも可能である。
前記光ファイババンドルからの紫外線の照射角度は、特に限定されるものではなく、上下方向に延在する基準軸線に対して0〜180°の範囲の角度とすることができる。
ここで、鉛直軸線である基準軸線に対する紫外線の照射角度について、紫外線の照射方向が上から下への方向である場合の照射角度を0°、水平方向である場合の照射角度を90°、下から上への方向である場合の照射角度を180°と規定する。
図1に示す例では、光ファイババンドル51からの紫外線の照射角度は、基準軸線に対して略垂直(約90°)である。
なお、図11に示す例ではθz軸ステージ36の操作を操作ダイヤル363Aにより行うが、調心の手順は、図1に示す操作ハンドル363による場合と同様である。
光部品の寸法等に応じて最適な紫外線照射角度を選択可能にするため、固定部52Aは、光ファイババンドル51による紫外線の照射角度を可変とする構造とすることも可能である。
例えばフィルタ保持部の両側に2心コリメータと単心コリメータを接着固定して複合光部品を組み立てる場合、下部固定台31はフィルタ保持部の固定に適するものを採用するとともに、上部固定台421はコリメータの固定に適するものを採用することにより、例えば、調心装置1Aの下部固定台31に固定したフィルタ保持部と、上部固定台421に固定した2心コリメータとを調心し、接着固定した後、2心コリメータが固定されたフィルタ保持部の向きを前後逆転させて下部固定台31に取り付け直し、単心コリメータを上部固定台421に固定して、フィルタ保持部と単心コリメータとの調心及び接着固定を行う、という手順を採用することも可能である。この場合、フィルタ保持部を下部ステージ3から上部ステージ4に入れ替える必要がなく、ステージに対する光部品の取り付け作業を簡略化することができる。
また、応用例として、水平方向に延在する基準軸線Bを基準に組み立てた調心装置、すなわち、光部品が固定される固定台を基準軸線Bに沿って水平方向に移動できる第1ステージと、5軸の自由度で固定台を移動できる第2ステージとを、水平方向に横並びに配置した構成の、横型の調心装置も考えられる。しかしながら、この横型の調心装置の場合は、鉛直方向の基準軸線Bを基準として構成された調心装置(縦型の調心装置)に比べて、第2ステージの複数の移動ステージの重量バランスが悪くなり、調心精度の安定確保が難しくなる。このため、調心装置としては、横型よりも縦型の方が好ましい。
また、縦型の調心装置であれば、第2ステージの複数の移動ステージが上下に積み重ねるようにして配置される構成となるので、横型の調心装置に比べて、設置床に占める設置スペースを省スペース化できるといった利点もある。
Claims (10)
- 光部品同士の光軸合わせのための調心作業に用いられる光部品の調心装置において、
光部品が着脱可能に固定される固定台を、直線移動1軸の自由度で、上下方向に延在する基準軸線に沿って移動させる移動ステージである第1ステージと、この第1ステージに支持された光部品に固定される別の光部品を支持する第2ステージとを具備し、
前記第2ステージは、光部品が着脱可能に固定される固定台と、この固定台を、前記基準軸線に対する垂直方向の直線移動2軸、及び、回転移動3軸の計5軸の自由度で移動させる各軸毎の移動ステージとを備え、
前記第2ステージの回転移動3軸の移動ステージの内の2つが、前記基準軸線に対して垂直かつ互いに垂直の軸線を中心に前記固定台を回転させる角度調整用、残る回転移動1軸の移動ステージが、角度調整用の2軸に対して垂直の軸線を中心に前記固定台を回転させる回転調心用であることを特徴とする光部品の調心装置。 - 第2ステージは、計5軸の移動ステージを前記基準軸線に沿って配列配置した構成であり、計5軸の移動ステージの内、第1ステージに最も近い側に配置された回転調心用の移動ステージに固定台が設けられていることを特徴とする請求項1記載の光部品の調心装置。
- 第2ステージの各移動ステージが、手動操作ステージであることを特徴とする請求項1又は2記載の光部品の調心装置。
- 第1ステージの固定台及び第2ステージの固定台の一方又は両方に、円筒状あるいは円柱状の光部品を位置決めするための位置決め溝を有する位置決め部が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光部品の調心装置。
- 紫外線硬化型接着剤を用いて光部品を接着固定するための光ファイババンドルを具備することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光部品の調心装置。
- 前記光ファイババンドルからの紫外線の照射角度が、前記基準軸線に対して可変であることを特徴とする請求項5に記載の光部品の調心装置。
- 前記光ファイババンドルからの紫外線の照射角度が、前記基準軸線に対して0〜180°の範囲の角度であることを特徴とする請求項5又は6に記載の光部品の調心装置。
- 前記光ファイババンドルからの紫外線の照射角度が、前記基準軸線に対して略垂直であることを特徴とする請求項5又は6に記載の光部品の調心装置。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の光部品の調心装置を用いて、光部品同士の光軸を合わせて、複数の光部品を一体化してなる複合光部品を製造する方法であって、
第2ステージの固定台に固定した光部品の光軸を、前記回転調心用の移動ステージによる固定台の回転で、第1ステージの固定台に固定しておいた光部品の光軸に粗調心する粗調心工程と、
この粗調心工程の完了後、第2ステージの回転移動3軸及び直線移動2軸の内の1以上の自由度で第2ステージの固定台を移動して、第2ステージの固定台に固定した光部品の光軸を、第1ステージの固定台に固定しておいた光部品の光軸に、前記粗調心よりも高精度に調心する高精度調心工程と、
高精度調心工程の完了後、光部品同士を固定して、前記複合光部品を組み立てる固定組立工程とを具備することを特徴とする光部品の製造方法。 - 第1ステージの固定台に光軸を複数本有する光部品を固定し、第2ステージの固定台に光軸を1本のみ有する光部品を固定して、前記粗調心工程と前記高精度調心工程と前記固定組立工程とを行うことで、
光軸を複数本有する光部品と、光軸を1本のみ有する光部品とを固定してなる複合光部品を組み立てることを特徴とする請求項9記載の光部品の製造方法。
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