JP2006321951A - 樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 加工性の低下を抑制しつつ耐熱性、吸水性を改善させ得るポリアミド樹脂組成物を提供することにある。
【解決手段】 芳香族ポリアミド樹脂と分子内にエポキシ基を有するエポキシ基含有フェノキシ樹脂からなり、前記エポキシ基含有フェノキシ樹脂が30〜50質量%含有されていることを特徴とするポリアミド樹脂組成物を提供する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリアミドをベースとした樹脂組成物に関し、より詳しくは、芳香族ポリアミドをベースとした樹脂組成物に関する。
ポリアミド樹脂は、主鎖のアミド基において水素結合を形成し易く、該水素結合により分子間力が高く、結晶性を示しやすいことが知られている。このポリアミド樹脂は、このように結晶性を示しやすいことから、他の樹脂に比べ耐熱性、耐加水分解性などにおいて優れ、高い力学的強度を有している。
また、ポリアミド樹脂は、一般的には、ε−カプロラクタムの開環重合や、ジアミンとジカルボン酸との縮合重合などにより生成され、用いるジアミンや、ジカルボン酸などの種類を変えることで、生成されるポリアミド樹脂の特性を異ならせることができる。
そのため、ポリアミド樹脂は、その種類に応じた使い分けが可能で、例えば、ジアミン、ジカルボン酸の何れか一方あるいは両方に芳香族化合物が用いられた芳香族ポリアミドは、主鎖に剛直な芳香環を有するため、脂肪族化合物が用いられた脂肪族ポリアミドに比べて高い耐熱性を有するものとなり、高耐熱性が要求される用途に用いられている。
また、芳香族ポリアミドは、吸水性が低く吸水後の電気特性も脂肪族ポリアミドに比べて良好で、電気絶縁用途などにも広く用いられ、特許文献1には、芳香族ポリアミドにフェノキシ樹脂を加えることにより吸水性をさらに低下させることが記載されている。
ところで、樹脂を押し出し機により押し出し加工する場合には、適度な流れ性が求められる。例えば、流れ性が高すぎる場合には、吐出量変動、気泡巻き込み、偏肉などの問題を生じることとなることから、通常、このような樹脂組成物としては、MFR30以下のものが用いられる。
芳香族ポリアミド樹脂は、前述のごとく主鎖に剛直な芳香環を有しているため、脂肪族系の樹脂に比べて溶融状態における分子同士の絡み合いが少なくなる。したがって、樹脂組成物の、耐熱性、吸水性を改良すべく芳香族ポリアミド樹脂を用いた場合には、ポリアミド樹脂組成物の溶融状態における流れ性が高くなりすぎて前述のような加工に適さないものとなるおそれを有している。
このことに対し、ポリアミド樹脂組成物の加工温度をポリアミド樹脂の融点近傍まで低下させることにより流れ性を低下させることも考えられ、特許文献2には、脂肪族ポリアミドであるナイロン46にフェノキシ樹脂を加えて溶融温度を低下させ、該溶融温度近傍で射出成形を行うことが記載されている。
しかし、ポリアミド樹脂は、前述のごとく結晶性を示しやすいため融点近傍における相変化が他の樹脂に比べて急峻で、しかも芳香族ポリアミド樹脂の場合には、前述のような理由からナイロン46のような脂肪族ポリアミドに比べて溶融状態における流れ性が高くなる。したがって、芳香族ポリアミド樹脂の場合には、融点近傍での僅かな温度変化により流れ性が大きく変化することとなり、融点近傍まで加工温度を下げて流れ性を低下させることは、精密な樹脂温度管理が必要となるため、実質困難である。
即ち、従来は、加工性が低下することを抑制しつつ耐熱性、吸水性を改善させたポリアミド樹脂組成物を得ることが困難であるという問題を有している。
特開平3−237160号公報 特開昭63−202655号公報
本発明の課題は、加工性の低下を抑制しつつ耐熱性、吸水性を改善させ得るポリアミド樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、フェノキシ樹脂、中でも、分子内にエポキシ基を有するエポキシ基含有フェノキシ樹脂が、ポリアミド樹脂組成物の溶融状態での流れ性を改善し得ることを見出し本発明の完成に到ったのである。
すなわち、本発明は、前記課題を解決すべく、芳香族ポリアミド樹脂と分子内にエポキシ基を有するエポキシ基含有フェノキシ樹脂とからなり、前記エポキシ基含有フェノキシ樹脂が30〜50質量%含有されていることを特徴とするポリアミド樹脂組成物を提供する。
本発明によれば、ポリアミド樹脂組成物に芳香族ポリアミド樹脂が用いられているためポリアミド樹脂組成物の耐熱性、吸水性を改善させ得る。また、ポリアミド樹脂組成物には、エポキシ基含有フェノキシ樹脂が所定量配合されているため、ポリアミド樹脂組成物の流れ性が高くなりすぎることを抑制でき加工性が低下することを抑制し得る。
以下に、本発明の好ましい実施の形態について説明する。
本実施形態におけるポリアミド樹脂組成物は、芳香族ポリアミド樹脂にエポキシ基含有フェノキシ樹脂が配合されている。
前記芳香族ポリアミド樹脂としては、例えば、ジアミンとジカルボン酸との脱水縮合により重合され、且つジアミン、ジカルボン酸の何れかに芳香族系のものが用いられた芳香族ポリアミドを用いることができる。
前記ジアミンとしては、脂肪族ジアミン、脂環族ジアミン、芳香族ジアミンなどを用いることができ、脂肪族ジアミンあるいは脂環族ジアミンとしては、下記一般式(1)で表されるものを使用できる。なお、下記式中のR1は、Cn2n(n=6〜12)であらわされる脂肪族または脂環族のアルキルを表している。
2N−R1−NH2・・・(1)
このジアミンとしては、高温においても優れた特性を発揮させ得る点においてヘキサメチレンジアミン及び2−メチルペンタメチレンジアミンを混合して使用することが特に好ましい。
また、芳香族ジアミンとしては、キシリレンジアミンなどを用いることができる。
前記ジカルボン酸としては、脂肪族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸などを用いることができ、脂肪族ジカルボン酸あるいは脂環族ジカルボン酸としては、下記一般式(2)で表されるものを使用できる。なお、下記式中のR2は、Cn2n(n=4〜25)であらわされる脂肪族または脂環族のアルキルを表している。
HOOC−R2−COOH・・・(2)
また、芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、メチルテレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などを用いることができる。
この芳香族ジカルボン酸としては、高温においても優れた特性を発揮させ得る点においてテレフタル酸とイソフタル酸を混合して使用することが特に好ましい。
前記芳香族ポリアミド樹脂には、これらの、ジアミンとジカルボン酸とを、それぞれ単独の種類のものが用いられていてもよく、それぞれ、複数の種類のものを組み合わせて用いられていてもよい。さらに、要すれば、ジアミンとジカルボン酸以外の成分が含まれていてもよい。
前記エポキシ基含有フェノキシ樹脂としては、下記一般式(3)で表されるものなどを使用することができる。なお、式(3)の例示におけるR3、R4の少なくとも一方には、エポキシ基が導入されている。
Figure 2006321951
なお、このエポキシ基含有フェノキシ樹脂としては、通常、重量平均分子量(Mw)が40000〜80000のものを用いることができ、該重量平均分子量(Mw)は、GPC法により、例えば、下記条件にて測定される。
標準試薬:TSK標準ポリスチレン(A−500、A−2500、F−1、F−4、
F−20、F−128;東ソー社製)
溶媒 :THF
カラム :GF−1G7B+GF−7MHQ(昭和電工社製)
また、芳香族ポリアミド樹脂との良好なる相溶性を示し分散が容易となる点ならびにポリアミド樹脂組成物の流れ性をより効果的に抑制し得る点からにおいて重量平均分子量(Mw)は50000〜60000であることが好ましい。重量平均分子量が50000未満の場合は射出、押出し−Tダイ成形などにおける気泡の巻き込みが多くなり、良好な製品が得られないおそれを有し、60000を超える場合は、流れ性が不足して成形性が低下するおそれを有するためである。
また、同じ配合量でポリアミド樹脂組成物の流れ性をより効果的に抑制し得る点、ならびに芳香族ポリアミドに混合されてポリアミド樹脂組成物の機械的特性を向上させ得る点から、エポキシ基含有フェノキシ樹脂としては、エポキシ当量が10000g/eq以上であることが好ましい。エポキシ当量が10000未満の場合は射出、押出し−Tダイ成形における気泡の巻き込みが多くなり、良好な製品が得られないおそれ、ならびに、引張強度に代表される機械的特性の向上が見込めないおそれを有するためである。
なお、前記エポキシ当量とはJIS K 7236により求められる値を意図している。
本実施形態のポリアミド樹脂組成物としては、このような芳香族ポリアミド樹脂とエポキシ基含有フェノキシ樹脂からなり、エポキシ基含有フェノキシ樹脂30〜50質量%配合されている。エポキシ基含有フェノキシ樹脂の配合量がこのような範囲とされるのは、30質量%未満の場合には、ポリアミド樹脂組成物の流れ性を抑制する効果が得られず、50質量%を超えて配合した場合には、芳香族ポリアミド樹脂の優れた耐熱性、吸湿性などの特性が損なわれ、これらの改善効果を有するポリアミド樹脂組成物とすることができないためである。また、このような点に加え高吐出押出し用ポリアミド樹脂組成物の伸びや引張り強さなどの物理特性を高め得るにおいて、エポキシ基含有フェノキシ樹脂の配合部数は35質量%を超え45質量%以下であることが、さらに好ましい。
また、ポリアミド樹脂組成物には、本発明の効果を損ねない範囲において、芳香族ポリアミド樹脂、エポキシ基含有フェノキシ樹脂以外の樹脂を配合してもよい。
また、樹脂以外の成分として種々の添加剤が配合されていても良い。例えば、アルキルフェノール樹脂、アルキルフェノール−アセチレン樹脂、キシレン樹脂、石油樹脂、クマロン−インデン樹脂、テルペン樹脂、ロジンなどの粘着付与剤、ポリブロモジフェニルオキサイド、テトラブロモビスフェノールAなどの臭素化合物、塩素化パラフィン、パークロロシクロデカンなどのハロゲン系難燃剤、リン酸エステル、含ハロゲンリン酸エステルなどのリン系難燃剤、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの水和金属化合物、または三酸化アンチモン、ホウ素化合物などの難燃剤、フェノール系、リン系、硫黄系の酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、顔料、架橋剤、架橋助剤、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤などの一般的なプラスチック用配合薬品や、シリカ、クレー、炭酸カルシウム、酸化アルミ、酸化マグネシウム、窒化硼素、窒化珪素、窒化アルミニウムといった無機フィラーなどが挙げられる。また、特にナノメーターレベル粒径のモンモリロナイトもしくは0.6mmのケブラーを、ポリアミド樹脂組成物100重量部に対して0.1〜5重量部入れることにより樹脂強度を、例えば、3倍以上に向上させることもできる。
さらに、トリアリルイソシアネート、テトラ−n−ブトキシチタン、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアネートの何れかをポリアミド樹脂組成物100重量部に対して0.1〜5重量部入れることにより樹脂強度を、例えば、3倍以上に向上させることもできる。なお、このトリアリルイソシアネートとしては、日本化成社から「TAIC」の商品名で市販のもの、テトラ−n−ブトキシチタンとしては、日本曹達社から「B−1」の商品名で市販のもの、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアネートとしては、日産化学社から商品名「TEPIC−G」で市販のものなどを例示できる。
これらの配合物を用いてポリアミド樹脂組成物を得るには、ニーダー、加圧ニーダー、混練ロール、バンバリーミキサー、二軸押し出し機など一般的な混合攪拌手段を用いることができ、要すれば、ドライブレンドによりポリアミド樹脂組成物を用いた製品を製造する際に押し出し機のシリンダー内などで混合攪拌を行う方法を採用することもできる。
なお、このようなポリアミド樹脂組成物を射出成形用途として用いた場合には、エアーの巻き込みなどのおそれを抑制できる点において好適なものとなる。
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
ポリアミド樹脂組成物として、ヘキサメチレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、テレフタル酸の3元重合された芳香族ポリアミド樹脂(デュポン社製「ザイテルHTN501」)と、重量平均分子量約52,000の末端エポキシ化されたフェノキシ樹脂(エポキシ基含有フェノキシ樹脂)とをこのエポキシ基含有フェノキシ樹脂が35質量%となるよう配合し、融点以上、分解温度以下の設定の2軸押し出し機にて溶融混合しつつ、ストランド押し出しして、水冷してペレタイザーによりペレット加工を行ないポリアミド樹脂組成物を製造した。
(実施例2)
エポキシ基含有フェノキシ樹脂の配合量を40質量%とした以外は、配合例1と同様にポリアミド樹脂組成物を製造した。
(実施例3)
エポキシ基含有フェノキシ樹脂の配合量を45質量%とした以外は、配合例1と同様にポリアミド樹脂組成物を製造した。
(比較例1)
エポキシ基含有フェノキシ樹脂に代えて、重量平均分子量約52000の通常のフェノキシ樹脂を用い配合量を30質量%としたこと以外は、実施例1と同様にポリアミド樹脂組成物を製造した。
(比較例2)
配合量を40質量%としたこと以外は、比較例1と同様にポリアミド樹脂組成物を製造した。
(比較例3)
配合量を50質量%としたこと以外は、比較例1と同様にポリアミド樹脂組成物を製造した。
(比較例4)
エポキシ基含有フェノキシ樹脂に代えて、エポキシ当量約2400のビスフェノールAタイプエポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、商品名「エピコート1009」)を配合した以外は実施例2と同様にポリアミド樹脂組成物を製造した。
(比較例5)
何も加えずに、芳香族ポリアミド樹脂単体を、比較例5とした。
評価
(融点)
流れ性の評価に先立ち、流れ性の評価を行う温度を決定すべく芳香族ポリアミドの融点をDSC法(使用機器:PERKIN ELMER社製「Pyris」)により測定した。より詳しくは、約5mgの試料と、リファレンスとして約5mgのアルミナとを窒素ガス雰囲気下で10℃/minの昇温速度で加熱しつつ吸熱量を観察し、相変化が生じる温度近傍での吸熱量が最大となる点を融点として測定した。その結果、実施例および比較例に用いた芳香族ポリアミド樹脂の融点は約300℃であることがわかった。
(流れ性)
実施例2、比較例2、4、5について流れ性の値が大きく変わらない領域として、融点測定により観測された融点より10℃以上高温で流れ性を測定した。より具体的には310、320の各温度でJIS K 7210によりメルトフローレート(MFR)の測定を行った。測定に際しては直径0.5mm、長さ8mmのオリフィスを直径9.5mmのシリンダーに取付け、前述の温度で20Nの荷重で測定を行った。
なお、参考として、樹脂分解のおそれがある330℃の温度でも同様にMFRの測定を行った。
判定は、フィルム成形など加熱溶融状態での樹脂加工において比較的流れ性の高い樹脂が要求される分野において一般に用いられる樹脂のMFR20以下を「◎」、20を超え30以下を「○」、30を大きく超える場合、及び極端に流れない場合を「×」として判定した。結果を表1に示す。
Figure 2006321951
この表1から、芳香族ポリアミド樹脂に対し、エポキシ基含有フェノキシ樹脂が配合されている樹脂組成物は、ポリアミド樹脂組成物として適した流れ性を有していることがわかる。
(引張試験特性)
また、実施例1乃至3および比較例1乃至3および5について、0.2〜0.5mm程度のフィルムを作成して、JIS C 2111に基づく引張試験(引張速度200mm/min、標線間100mm、チャック間100mm)を行い、引張り強さおよび、伸びを測定した値を表2に示す。
Figure 2006321951
この表2から、比較例5(芳香族ポリアミド樹脂単体)に比べて、実施例1乃至3ではエポキシ基含有フェノキシ樹脂を増量させるに従い、引張り強さが向上しており、実施例2、3ではさらに伸びの向上も見られた。特に、エポキシ基含有フェノキシ樹脂が35質量%を超え45質量%以下の配合量において優れた伸びを示すことがわかる。
それに対し、一般のフェノキシ樹脂(比較例1乃至3)では、引張り強さ、伸びの向上は、見られないこともわかる。
(透過型電子顕微鏡観察)
上記の引張試験に用いた実施例2、比較例2のフィルムから超薄切片法により80nmの試料を作成し、50℃のオスミウム酸4%水溶液に1時間浸漬させて、フェノキシ樹脂部分をオスミウム染色したものを透過型電子顕微鏡(TEM)により観察した。実施例2のTEM観察結果を図1に、比較例2のTEM観察結果を図2に示す。
図中黒く見えている部分が、オスミウムにより染色されたフェノキシ部分で、白色に見えている部分が芳香族ポリアミド部分である。また、この白色部分内に、さらに黒色部分が形成され、芳香族ポリアミド部分内にさらにフェノキシ部分が形成されていることがわかる。
また、図1は、図2に比べて小さな白色部分が多く形成されており、ポリアミド樹脂組成物内に芳香族ポリアミド部分が微細に分散されていることがわかる。また、図1は、図2に比べて白色部分内の黒色部分も細かく形成されており、ポリアミド樹脂組成物内の樹脂の分散が微細であることがわかる。
(エポキシ基導入効果)
(比較例6)
フェノキシ樹脂とエポキシ樹脂とを別々に加えて実施例2と同じ芳香族ポリアミド比率で、かつ、実施例2と同じエポキシ基含有率となるよう、比較例1に用いたフェノキシ樹脂と比較例4に用いたエポキシ樹脂を芳香族ポリアミドに配合させポリアミド樹脂組成物を製造した。すなわち、実施例2とこの比較例6とは、フェノキシ樹脂の分子内にエポキシ基が導入されているか否かという点においてのみ異なっている。
この、比較例6のポリアミド樹脂組成物を前述の方法と同様にTEM観察行ったものを図3に示す。
この図3では、図2に比べて小さな白色部分が多く形成されてはいるが図1ほど多く形成されてはいない。また、白色部分内の黒色部分は、図2と同様に大きなものとなっている。
さらに、試料約4μm四方を50000倍に拡大したTEM画像から、肉眼で観測し得る白色部分の数を計測したところ、図3では、図2に比べて約2〜2.5倍の数量が計測され、図1は、図2に比べて3倍以上の数量が計測された。このことから、分子内にエポキシ基を有するエポキシ基含有フェノキシ樹脂を用いることで、エポキシ基とフェノキシ樹脂とを別々に用いた場合に比べて樹脂の分散性に優れたポリアミド樹脂組成物が得られていることがわかる。
一実施形態のポリアミド樹脂組成物の透過型電子顕微鏡写真ならびにその部分説明図。 エポキシ基が導入されていないポリアミド樹脂組成物の透過型電子顕微鏡写真。 エポキシ基がフェノキシ樹脂とは別に導入されているポリアミド樹脂組成物の透過型電子顕微鏡写真。
符号の説明
A:芳香族ポリアミド部分、P:フェノキシ部分

Claims (2)

  1. 芳香族ポリアミド樹脂と分子内にエポキシ基を有するエポキシ基含有フェノキシ樹脂とからなり、前記エポキシ基含有フェノキシ樹脂が30〜50質量%含有されていることを特徴とするポリアミド樹脂組成物。
  2. 請求項1に記載のポリアミド樹脂組成物が用いられていることを特徴とする射出成形用ポリアミド樹脂組成物。
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