JP2006312680A - 高分子−無機ハイブリッド光学材料 - Google Patents
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Abstract
【課題】 高分子系光導波路材料の耐熱性、透明性を維持したまま屈折率と熱光学係数を制御することのできる光学材料を提供すること。
【解決手段】 本発明の高分子−無機ハイブリッド光学材料は、金属酸化物が、高分子マトリクス中に分散されてなる。本発明の高分子−無機ハイブリッド光学材料は、透明性を維持しつつ、屈折率及び熱光学係数を制御することのできるものであり、光学素子、光学デバイス、光導波路等を製造するための材料として好適である。
【選択図】 なし
【解決手段】 本発明の高分子−無機ハイブリッド光学材料は、金属酸化物が、高分子マトリクス中に分散されてなる。本発明の高分子−無機ハイブリッド光学材料は、透明性を維持しつつ、屈折率及び熱光学係数を制御することのできるものであり、光学素子、光学デバイス、光導波路等を製造するための材料として好適である。
【選択図】 なし
Description
本発明は、高分子−無機ハイブリッド光学材料に関するものである。特には、耐熱性及び透明性に優れると共に、屈折率及び屈折率の温度変化である熱光学係数を制御することのできる、高分子−無機ハイブリッド光学材料に関する。
近年においては、光通信システムの急速な普及に伴い、種々の光通信用部品の開発が望まれている。またこれら光学部品を高密度に実装する光配線技術、特に光導波路技術の確立が望まれている。
単一基板上に作製される導波型光デバイスは、それ自体が一つの部品として用いられるにとどまらず、他の光導波回路や電気回路と共に同一基板上に組み合わされ、「光電子混載実装配線板」として用いられる。このような光電子混載実装配線板の作製工程にはハンダで光デバイスを取り付ける必要がある。従って、使用される材料は、短時間ではあるが260℃以上の温度に曝されるため、260℃以上の耐熱性が要求される。
従来より、光通信用部品として、石英に代表される無機系ガラスの光導波路材料が多く検討され実際に用いられている。石英は、極めて透明性が高く低損失であるという特性を有しており、耐熱性にも優れている。しかし、光導波回路を生成するための石英薄膜を形成するには特殊な技術が必要であり、また、薄膜の製作プロセスにおいて1000℃前後の加熱処理を必要とすることから作製は容易でないという問題がある。
一方、光導波路をプラスチック材料により製造することも提案されており、このようなプラスチック材料で作製された光導波路は安価であり、またスピンコートやブレードナイフによって容易に薄膜を作製することができるという利点を有する。さらに、プラスチック材料を用いることにより、無機材料では困難な大面積化も容易に行うことができる。
ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネートなどのプラスチックは透明性が高いため、光導波路等の光学用途に多用されている。しかし、これらのプラスチックで形成された光導波路では、その構成材料の耐熱性が100℃前後であるため、使用環境が限定されると共に、電子回路と組み合わせての実装回路に用いるには、ハンダ工程において電気回路基板との融合性が悪くなるという問題があった。
ポリイミドはプラスチックの中でも耐熱性に優れた材料であり、誘電率が低いことから光導波路に用いる検討がなされている。一般的なポリイミドはハンダ特性に必要な260℃以上の耐熱性を有するが、可視から近赤外域にかけての透明性が悪く、光学用途に適するものではなかった。しかし、フッ素化ポリイミドを用いることにより、透明性を向上できることが報告されており(非特許文献1及び非特許文献2)、しかもこれらの材料は十分な耐熱性を有するものである。しかし、フッ素化ポリイミドは一般に有機溶剤に可溶であり、耐薬品性が低いことが光導波路への適用において問題となる場合がある。
上記問題を解決するため、種々の検討がなされ、例えば、特許文献1には、分子鎖に硫黄原子やフッ素原子を含む全芳香族ポリイミドを利用した光導波路が開示されている。該特許文献に開示された光導波路は、非含フッ素原子ポリイミド中で光通信分野において必要とされる透明性が十分に満たされるポリイミドを用いており、このポリイミドは光学的な等方性、ハンダ使用時に必要とされる耐熱性を兼ね備えたものである。該特許文献に開示された光導波路に用いられるポリイミドに、含フッ素ポリイミド、あるいはフッ素を含まない他のポリイミドを混合することにより、屈折率を制御することができる。光導波路は、コアと呼ばれる光信号を透過させる部分と、クラッドと呼ばれるコアを取り囲んで光信号を閉じこめる部分とで屈折率が異なっている必要があり、屈折率を制御することは導波路技術の開発において特に重要である。しかし、これらのポリイミドは光透過性、光学的な等方性、耐熱性において劣るため、混合できる割合は、最大でも20%程度、好ましくは5%以下である。そのため、屈折率の制御可能範囲が制限されてしまうという問題を有している。
高分子材料は一般に、屈折率の温度依存性(以後、熱光学係数と呼ぶ)が石英系材料に比べて10倍以上も大きく、そのため、Y分岐光スイッチやアレイ導波路格子など温度変化を利用した導波路技術への応用が期待されている。その反面、静的な光波回路など温度による屈折率変化が好ましくない用途もある。また、導波回路の動作中における温度による屈折率変化は伝送損失の増大の要因となり得るため、極力抑える必要がある。
以上のことから既存の光学材料の特長を保持しつつ、高分子系光導波路材料として必要とされる物性(耐熱性、加工性、透明性)を改善する方法が望まれている。またその導波路材料は、屈折率の高い制御性と低い熱光学係数(温度変化に対しての不敏感さ)を合わせ持つことが期待されている。
上述したように、これまで認知されている光導波路には、石英光導波路とプラスチック光導波路がある。石英光導波路は成形性及び経済性に解決すべき問題があり、また屈折率や熱光学係数の広範囲の制御が困難である。一方、プラスチック光導波路では透明性、耐熱性に優れた含フッ素ポリイミドなどが報告されているが、屈折率の制御と耐熱性・透明性の維持を同時に実現することは難しく、これまでそのような材料は知られていない。そこで本発明では、これら高分子系光導波路材料の耐熱性、透明性を維持したまま屈折率と熱光学係数を制御することのできる光学材料を提供することを目的としている。
本発明者らは、上記目的を達成するため、鋭意検討を重ねた結果、高分子マトリクス中に金属酸化物を分散させることにより、上記目的を達成し得るという知見を得、本発明を完成するに至った。
本発明は、上記知見に基づいてなされたものであり、金属酸化物が、高分子マトリクス中に分散されてなる、高分子−無機ハイブリッド光学材料を提供するものである。
上記高分子マトリクスを形成する高分子は、260℃以上の耐熱性を有するものであることが好ましい。上記高分子としては、ポリイミドなどが用いられる。
上記金属酸化物は、化学的もしくは物理的に高分子と結合していることが好ましい。
上記高分子−無機ハイブリッド光学材料は、上記金属酸化物の前駆体を、高分子マトリクスを形成する高分子材料中に混合することにより得ることができる。
上記高分子−無機ハイブリッド光学材料は、上記高分子及び上記金属酸化物の相溶性を向上させる有機金属化合物を含有していてもよい。
上記高分子−無機ハイブリッド光学材料は、ゾル−ゲル法により得られる前駆体を用いて製造することができる。
本発明は、上記知見に基づいてなされたものであり、金属酸化物が、高分子マトリクス中に分散されてなる、高分子−無機ハイブリッド光学材料を提供するものである。
上記高分子マトリクスを形成する高分子は、260℃以上の耐熱性を有するものであることが好ましい。上記高分子としては、ポリイミドなどが用いられる。
上記金属酸化物は、化学的もしくは物理的に高分子と結合していることが好ましい。
上記高分子−無機ハイブリッド光学材料は、上記金属酸化物の前駆体を、高分子マトリクスを形成する高分子材料中に混合することにより得ることができる。
上記高分子−無機ハイブリッド光学材料は、上記高分子及び上記金属酸化物の相溶性を向上させる有機金属化合物を含有していてもよい。
上記高分子−無機ハイブリッド光学材料は、ゾル−ゲル法により得られる前駆体を用いて製造することができる。
また、本発明は、上記高分子−無機ハイブリッド光学材料を用いて製造された光学素子、光学デバイス及び光導波路を提供する。
また、本発明は、上記光導波路が基板上に形成された光波回路を提供する。
また、本発明は、上記光導波路が基板上に形成された光波回路を提供する。
本発明の高分子−無機ハイブリッド光学材料は、耐熱性及び透明性に優れると共に、屈折率及び熱光学係数を制御することのできるものである。このため、本発明の高分子−無機ハイブリッド光学材料は、光学素子、光学デバイス、光導波路等の材料として好適である。
また、本発明の高分子−無機ハイブリッド材料は、高分子の特徴である加工性を保持しているため、加工性に優れており、そのため低価格で製造することができる。本発明の高分子−無機ハイブリッド材料は、可視域における透明性においては高分子単体よりも優れており、耐熱性についても高分子単体と同程度かやや優れている。また、無機成分として二酸化ケイ素(シリカ)を用いた場合には、屈折率・熱光学係数ともに高分子単体に比べて顕著に低下し、これらの効果は金属酸化物の添加量によって制御することができる。さらに、金属酸化物の導入により高分子の熱膨張率が低下するため、基板との熱膨張率差によって生じるクラックや剥離の発生を抑制することができる。
また、本発明の高分子−無機ハイブリッド材料は、高分子の特徴である加工性を保持しているため、加工性に優れており、そのため低価格で製造することができる。本発明の高分子−無機ハイブリッド材料は、可視域における透明性においては高分子単体よりも優れており、耐熱性についても高分子単体と同程度かやや優れている。また、無機成分として二酸化ケイ素(シリカ)を用いた場合には、屈折率・熱光学係数ともに高分子単体に比べて顕著に低下し、これらの効果は金属酸化物の添加量によって制御することができる。さらに、金属酸化物の導入により高分子の熱膨張率が低下するため、基板との熱膨張率差によって生じるクラックや剥離の発生を抑制することができる。
以下、まず、本発明の高分子−無機ハイブリッド光学材料について詳細に説明する。
本発明の高分子−無機ハイブリッド光学材料は、金属酸化物が、高分子マトリクス中に分散されてなる。
本発明の高分子−無機ハイブリッド光学材料は、金属酸化物が、高分子マトリックスを形成する高分子の末端と化学的もしくは物理的に結合していることが好ましい。このように、高分子マトリックスを形成する高分子鎖と化学的又は物理的に金属酸化物を結合することにより、高分子中に、光波回路に用いられる光信号の波長(0.85〜1.6μm)よりも十分小さな凝集体として均一に分散している。
本発明の高分子−無機ハイブリッド光学材料は、金属酸化物が、高分子マトリクス中に分散されてなる。
本発明の高分子−無機ハイブリッド光学材料は、金属酸化物が、高分子マトリックスを形成する高分子の末端と化学的もしくは物理的に結合していることが好ましい。このように、高分子マトリックスを形成する高分子鎖と化学的又は物理的に金属酸化物を結合することにより、高分子中に、光波回路に用いられる光信号の波長(0.85〜1.6μm)よりも十分小さな凝集体として均一に分散している。
上記高分子としては、高分子マトリクスを形成し得るものであれば、特に制限なく用いることができるが、本発明の高分子−無機ハイブリッド光学材料を用いて製造される光デバイス等を取り付け等する際にハンダ付けを行うので、ハンダ耐熱性の目安となる260℃以上の耐熱性を有する有機系高分子又はその前駆体であることが好ましい。このような高分子としては、例えば、芳香族系ポリイミド、芳香族系ポリアミド、芳香族系ポリベンゾオキサゾール、芳香族系ポリベンゾイミダゾール、芳香族系ポリベンゾチアゾール、芳香族系ポリカーボネート、及びこれらの前駆体高分子が挙げられる。本発明の高分子−無機ハイブリッドは通信用途に用いることを考慮すると、分子構造内に多数のフッ素を含有する含フッ素ポリイミドを用いると、可視・近赤外域で優れた光学特性を示すので好ましい。
本発明において好ましく用いられる高分子としては、例えば、ポリイミドやその前駆体高分子であるポリアミド酸等が挙げられ、基本的に全てのポリアミド酸が使用可能であるが、上述した特性を有するものが好ましく用いられる。用いられる高分子としては、例えば、以下に示すテトラカルボン酸又はその誘導体とジアミンとから製造されるポリアミド酸、ポリアミド酸塩、ポリアミド酸エステル化物、ポリイミド等が挙げられる。テトラカルボン酸並びにその誘導体としての酸二無水物、酸塩化物、エステル化物等としては、以下のものが挙げられる。本発明の高分子−無機ハイブリッド光学材料においては、分子構造内にフッ素を含有する含フッ素ポリイミドまたは分子構造内に硫黄原子を含有する含硫黄ポリイミドが好ましい。以下に含フッ素ポリイミド、及び含硫黄ポリイミドについて説明する。また、フッ素及び硫黄を含まないポリイミドを製造する際には、ポリイミドを製造するのに通常に用いられるテトラカルボン酸又はその誘導体、ジアミンが用いられる。
分子構造内にフッ素を含有する含フッ素ポリイミドを得るためのテトラカルボン酸としては、例えば、(トリフルオロメチル)ピロメリット酸、ジ(トリフルオロメチル)ピロメリット酸、ジ(ヘプタフルオロプロピル)ピロメリット酸、ペンタフルオロエチルピロメリット酸、ビス{3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェノキシ}ピロメリット酸、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、5,5’−ビス(トリフルオロメチル)−3,3’,4,4’−テトラカルボキシビフェニル、2,2’,5,5’−テトラキス(トリフルオロメチル)−3,3’,4,4’−テトラカルボキシビフェニル、5,5’−ビス(トリフルオロメチル)−3,3’,4,4’−テトラカルボキシジフェニルエーテル、5,5’−ビス(トリフルオロメチル)−3,3’,4,4’−テトラカルボキシベンゾフェノン、ビス{(トリフルオロメチル)ジカルボキシフェノキシ}ベンゼン、ビス{(トリフルオロメチル)ジカルボキシフェノキシ}(トリフルオロメチル)ベンゼン、ビス(ジカルボキシフェノキシ)(トリフルオロメチル)ベンゼン、ビス(ジカルボキシフェノキシ)ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、ビス(ジカルボキシフェノキシ)テトラキス(トリフルオロメチル)ベンゼン、2,2−ビス{4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル}ヘキサフルオロプロパン、ビス{(トリフルオロメチル)ジカルボキシフェノキシ}ビフェニル、ビス{(トリフルオロメチル)ジカルボキシフェノキシ}ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、ビス{(トリフルオロメチル)ジカルボキシフェノキシ}ジフェニルエーテル、ビス(ジカルボキシフェノキシ)ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、ジフルオロピロメリット酸、1,4−ビス(3,4−ジカルボキシトリフルオロフェノキシ)テトラフルオロベンゼン、1,4−ビス(3,4−ジカルボキシトリフルオロフェノキシ)オクタフルオロビフェニル、ピロメリット酸、3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、2,3,2’,3’−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−テトラカルボキシジフェニルエーテル、2,3’,3,4’−テトラカルボキシジフェニルエーテル、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、2,3,6,7−テトラカルボキシナフタレン、1,4,5,7−テトラカルボキシナフタレン、1,4,5,6−テトラカルボキシナフタレン、3,3’,4,4’−テトラカルボキシジフェニルメタン、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、3,4,9,10−テトラカルボキシペリレン、2,2−ビス{4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル}プロパン、ブタンテトラカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸、ビス(3、4−ジカルボキシフェニル)ジメチルシラン、1、3−ビス(3、4−ジカルボキシフェニル)テトラメチルジシロキサン、4,4’−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフタル酸二無水物等が挙げられる。
ジアミンとしては、例えば、4−(1H,1H,11H−エイコサフルオロウンデカノキシ)−1,3−ジアミノベンゼン、4−(1H,1H−パーフルオロ−1−ブタノキシ)−1,3−ジアミノベンゼン、4−(1H,1H−パーフルオロ−1−ヘプタノキシ)−1,3−ジアミノベンゼン、4−(1H,1H−パーフルオロ−1−オクタノキシ)−1,3−ジアミノベンゼン、4−ペンタフルオロフェノキシ−1,3−ジアミノベンゼン、4−(2,3,5,6−テトラフルオロフェノキシ)−1,3−ジアミノベンゼン、4−(4−フルオロフェノキシ)−1,3−ジアミノベンゼン、4−(1H,1H,2H,2H,−パーフルオロ−1−ヘキサノキシ)−1,3−ジアミノベンゼン、4−(1H,1H,2H,2H−パーフルオロ−1−ドデカノキシ)−1,3−ジアミノベンゼン、2,5−ジアミノベンゾトリフルオライド、ビス(トリフルオロメチル)フェニレンジアミン、ジアミノテトラ(トリフルオロメチル)ベンゼン、ジアミノ(ペンタフルオロエチル)ベンゼン、2,5−ジアミノ(パーフルオロヘキシル)ベンゼン、2,5−ジアミノ(パーフルオロブチル)ベンゼン、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル、オクタフルオロベンジジン、3,3’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2−ビス(p−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(アニリノ)ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(アニリノ)オクタフルオロブタン、1,5−ビス(アニリノ)デカフルオロペンタン、1,7−ビス(アニリノ)テトラデカフルオロヘプタン、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル 、3,3’,5,5’−テトラキス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、p−ビス(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)ベンゼン、ビス(アミノフェノキシ)ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、ビス(アミノフェノキシ)テトラキス(トリフルオロメチル)ベンゼン、2,2−ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス{4−(3−アミノフェノキシ)フェニル}ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス{4−(2−アミノフェノキシ)フェニル}ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス{4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル}ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス{4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジトリフルオロメチルフェニル}ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ビス(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(4−アミノ−3−トリフルオロメチルフェノキシ)ビフェニル、2,2−ビス{4−(4−アミノ−3−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル}ヘキサフルオロプロパン、ビス{(トリフルオロメチル)アミノフェノキシ}ビフェニル、ビス[{(トリフルオロメチル)アミノフェノキシ}フェニル]ヘキサフルオロプロパン、ビス[{2−(アミノフェノキシ)フェニル}ヘキサフルオロイソプロピル]ベンゼン、ビス(2,3,5,6)−テトラフルオロ−4−アミノフェニル)エーテル、1,3−ジアミノテトラフルオロベンゼン、1,4−ジアミノテトラフルオロベンゼン、4,4’−ビス(テトラフルオロアミノフェノキシ)オクタフルオロビフェニル、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノトルエン、2,4−ジアミノキシレン、2,4−ジアミノデュレン、2,5−ジアミノトルエン、2,3,5,6−テトラメチル−p−フェニレンジアミン、ベンジジン、2,2’−ジメチルベンジジン、3,3’−ジメチルベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、2,2’−ジメトキシベンジジン、3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン、3,3’−ジアセチルベンジジン、4,4’−オキシジアニリン、3,4’−オキシジアニリン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ビス(p−アミノフェニル)プロパン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,2−ビス(アニリノ)エタン、4,4’’−ジアミノ−p−テルフェニル、1,4−ビス(p−アミノフェニル)ベンゼン、4,4’’’−ジアミノ−p−クオーターフェニル、4,4’−ビス(p−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2−ビス{4−(p−アミノフェノキシ)フェニル}プロパン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシフェニル)ジフェニルスルホン、ジアミノアントラキノン、1,5−ジアミノナフタレン、2,6−ジアミノナフタレン、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、1,4−ビス(3−アミノプロピルジメチルシリル)ベンゼン、ビス(4−アミノフェニル)ジエチルシラン等が挙げられる。
分子構造内に硫黄原子を含有する、含硫黄ポリイミドを得るためのテトラカルボン酸としては、例えば、3,3’,4,4’−テトラカルボキシジフェニルスルホン、チアスレン−2,3,7,8−テトラカルボン酸−5,5,10,10−テトラオキシド、2,2’,3,3’−テトラカルボキシジフェニルチオエーテル、2,3,3’,4’−テトラカルボキシジフェニルチオエーテル、3,3’,4,4’−テトラカルボキシジフェニルチオエーテル、ピロメリット酸、3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、2,3,2’,3’−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−テトラカルボキシジフェニルエーテル、2,3’,3,4’−テトラカルボキシジフェニルエーテル、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、2,3,6,7−テトラカルボキシナフタレン、1,4,5,7−テトラカルボキシナフタレン、1,4,5,6−テトラカルボキシナフタレン、3,3’,4,4’−テトラカルボキシジフェニルメタン、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、3,4,9,10−テトラカルボキシペリレン、2,2−ビス{4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル}プロパン、ブタンテトラカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸、ビス(3、4−ジカルボキシフェニル)ジメチルシラン、1、3−ビス(3、4−ジカルボキシフェニル)テトラメチルジシロキサン等が挙げられる。
ジアミンとしては、例えば、2,2’−ベンジジンジスルホン酸、2,2’−ジチオジアニリン、4,4’−ジチオジアニリン、4,4’−チオジアニリン、2,2’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ビス(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)ジフェニルスルホン、4,4’−ビス(3−アミノ−5−トリフルオロメチルフェノキシ)ジフェニルスルホン、ビス(2,3,5,6)−テトラフルオロ−4−アミノフェニル)スルフィド、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、2,2−ビス[4−{2−(4−アミノフェノキシ)エトキシ}フェニル]スルホン、3,3’−ジスルホン酸−ビス{4−(3−アミノフェノキシ)−フェニル}スルホン、3,3’,5,5’−テトラメチル−ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}スルホン、3,7−ジアミノ−2,8(6)−ジメチルジベンゾチオフェンスルホン、4,4’−ビス(6−アミノナフトキシ)ジフェニルスルホン、5,5’−ジメチルベンジジン−2,2’−ジスルホン酸、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル−2,2’−ジスルホン酸、4,4’−ビス(4−イソシアナートフェノキシ)ジフェニルスルホン、4,4’−ビス(3−イソシアナートフェノキシ)ジフェニルスルホン、3−(2’,4’−ジアミノフェノキシ)プロパンスルホン酸、2,2’−ビス(スルホプロポキシ)−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ビス(スルホプロポキシ)−4,4’−ジアミノビフェニル、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン−2,7−ジスルホン酸、2,5−ジアミノベンゼンスルホン酸、4,5−ジアミノ−6−ヒドロキシ−2−メルカプトピリミジン、2,2’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル−5,5’−ジスルホン酸、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル−3,3’−ジスルホン酸、2−メチル−3,5−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’,5,5’−ベンジジンテトラチオール、3,3’−ベンジジンジチオール、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノトルエン、2,4−ジアミノキシレン、2,4−ジアミノデュレン、2,5−ジアミノトルエン、2,3,5,6−テトラメチル−p−フェニレンジアミン、ベンジジン、2,2’−ジメチルベンジジン、3,3’−ジメチルベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、2,2’−ジメトキシベンジジン、3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン、3,3’−ジアセチルベンジジン、4,4’−オキシジアニリン、3,4’−オキシジアニリン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ビス(p−アミノフェニル)プロパン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,2−ビス(アニリノ)エタン、4,4’’−ジアミノ−p−テルフェニル、1,4−ビス(p−アミノフェニル)ベンゼン、4,4’’’−ジアミノ−p−クオーターフェニル、4,4’−ビス(p−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2−ビス{4−(p−アミノフェノキシ)フェニル}プロパン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシフェニル)ジフェニルスルホン、ジアミノアントラキノン、1,5−ジアミノナフタレン、2,6−ジアミノナフタレン、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、1,4−ビス(3−アミノプロピルジメチルシリル)ベンゼン、ビス(4−アミノフェニル)ジエチルシラン等が挙げられる。
テトラカルボン酸とジアミンとからポリイミドを製造する方法に特に制限はないが、例えば、上記テトラカルボン酸とジアミンとを重縮合して得られるポリアミド酸を、加熱により脱水閉環することによって製造することができる。加熱閉環する方法に特に制限はなく、従来公知の方法が用いられる。本発明の高分子−無機ハイブリッド光学材料においては、後述するような方法で、テトラカルボン酸及びジアミンを用いてポリイミドとすることができる。
上記ポリイミドの分子量は、上記特性が発揮される範囲であれば特に限定されないが、その前駆体(ポリアミド酸あるいはポリアミド酸エステル)の分子量として対数粘度換算で0.05〜5.0(dl/g)(温度30℃の有機溶媒中、濃度0.5g/dl)の範囲であることが好ましい。
上記ポリイミドの分子量は、上記特性が発揮される範囲であれば特に限定されないが、その前駆体(ポリアミド酸あるいはポリアミド酸エステル)の分子量として対数粘度換算で0.05〜5.0(dl/g)(温度30℃の有機溶媒中、濃度0.5g/dl)の範囲であることが好ましい。
本発明の高分子−無機ハイブリッド光学材料は、好ましくは、金属酸化物が、化学的もしくは物理的に高分子マトリクスを形成する高分子と結合している。化学的に結合とは、共有結合によって結合することを意味するものであり、物理的に結合とは、水素結合、双極子相互作用等によって結合することを意味する。
本発明の高分子−無機ハイブリッド光学材料において、高分子マトリクス中に分散される金属酸化物としては、例えば、二酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルゴン、酸化スズ、酸化テルル、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化ホウ素、酸化ランタン、酸化サマリウム、酸化エルビウム、酸化バナジウム、酸化リン、酸化ニオビウム、酸化ストロンチウムチタン、酸化バリウムチタン、酸化鉛チタン、酸化ランタンチタン、酸化リチウムチタン、酸化アルミニウムチタン、リン酸ランタン、クロム酸イットリウム(III/IV)、硫化亜鉛、硫化鉛等が挙げられる。
上記金属酸化物は、好ましくは、ゾル−ゲル法によって金属酸化物を形成することのできる物質の前駆体を用いることによって、高分子マトリクス中に分散される。
ゾル−ゲル法によって金属酸化物を形成することのできる物質の前駆体としては、本発明の高分子−無機ハイブリッド光学材料を製造する際に、高分子溶液を溶解する溶液と容易に混合し、加熱によってイミド化と共にゲル化する化合物が挙げられる。以下、金属酸化物が二酸化ケイ素(シリカ)である場合の前駆体について説明する。なお、上記高分子溶液を溶解する溶液としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクトン等の極性有機溶媒挙げられるが、高分子を溶解することができれば、これらに制限されない。
ゾル−ゲル法によって金属酸化物を形成することのできる物質の前駆体としては、本発明の高分子−無機ハイブリッド光学材料を製造する際に、高分子溶液を溶解する溶液と容易に混合し、加熱によってイミド化と共にゲル化する化合物が挙げられる。以下、金属酸化物が二酸化ケイ素(シリカ)である場合の前駆体について説明する。なお、上記高分子溶液を溶解する溶液としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクトン等の極性有機溶媒挙げられるが、高分子を溶解することができれば、これらに制限されない。
上記前駆体としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、トリメトキシメチルシラン、トリエトキシメチルシラン、メチルトリプロポキシシラン、トリブトキシメチルシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
また、本発明の高分子−無機ハイブリッド光学材料においては、上記前駆体に、高分子と結合し得る置換基が結合した化合物を用いて製造することが好ましい。このような化合物は、金属酸化物と高分子とを繋ぐ役割をするために用いられる。そのため、上記前駆体と高分子と親和性の高い有機構造を有する化合物が好ましく用いられる。なお、高分子と結合し得る置換基としては、例えばアミノ基が挙げられる。上記前駆体に高分子と結合し得る置換基が結合した化合物としては、上述した有機溶媒(N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクトン等の極性有機溶媒)と混合し合うものが好ましい。例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)トリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)トリエトキシシラン等が挙げられる。
本発明の高分子−無機ハイブリッド光学材料においては、高分子と、上記金属酸化物との割合は、高分子1モルに対し、金属酸化物0.1〜5モル程度が好ましく、高分子1モルに対し、金属酸化物0.3〜2モル程度が更に好ましい。
次に、本発明の高分子−無機ハイブリッド光学材料を製造するための好ましい方法について説明する。
本発明の高分子−無機ハイブリッド光学材料を製造するための好ましい方法においては、従来既知の方法に準じる。以下、高分子としてポリイミド又はその前駆体であるポリアミド酸及びその誘導体を用いてマトリクスとし、金属酸化物としてシリカ(二酸化ケイ素)を用いたフィルムを製造する場合を例にして説明する。この場合、原料となる酸二無水物をジアミンより多く用いることにより、得られるポリイミドの両末端が酸無水物になるように調製を行う。次いで、上述した、高分子と結合し得る置換基が結合した化合物を溶解させる。上記高分子と結合し得る置換基が結合した化合物は、高分子の末端に対し1:1(モル比率)の割合で加え、攪拌して十分に反応させる。さらに、上記前駆体及び塩酸を加え、上記前駆体部位の加水分解を行う。このとき、高分子及びシリカの割合は上記前駆体の添加量によって任意に作製することができる。この高分子溶液(以下、混合溶液という)を基板上にキャストした後、加熱イミド化により(高分子−無機ハイブリッド光学材料である、ポリイミド/シリカハイブリッドフィルムを得る。
本発明の高分子−無機ハイブリッド光学材料を製造するための好ましい方法においては、従来既知の方法に準じる。以下、高分子としてポリイミド又はその前駆体であるポリアミド酸及びその誘導体を用いてマトリクスとし、金属酸化物としてシリカ(二酸化ケイ素)を用いたフィルムを製造する場合を例にして説明する。この場合、原料となる酸二無水物をジアミンより多く用いることにより、得られるポリイミドの両末端が酸無水物になるように調製を行う。次いで、上述した、高分子と結合し得る置換基が結合した化合物を溶解させる。上記高分子と結合し得る置換基が結合した化合物は、高分子の末端に対し1:1(モル比率)の割合で加え、攪拌して十分に反応させる。さらに、上記前駆体及び塩酸を加え、上記前駆体部位の加水分解を行う。このとき、高分子及びシリカの割合は上記前駆体の添加量によって任意に作製することができる。この高分子溶液(以下、混合溶液という)を基板上にキャストした後、加熱イミド化により(高分子−無機ハイブリッド光学材料である、ポリイミド/シリカハイブリッドフィルムを得る。
本発明の高分子−無機ハイブリッド材料の製造方法においては、ポリアミド酸溶液の合成にあたりジアミンより酸二無水物を多く用いることにより、得られるポリイミドの末端に酸無水物が生成されるように、ポリアミド酸を調製する。このポリアミド酸の末端に、上述した、高分子と結合し得る置換基が結合した化合物を導入することにより、高分子と金属酸化物とを繋ぐ役割を果たす。これによって、金属酸化物が高分子マトリクスアンカに均一に混合される。
本発明の高分子−無機ハイブリッド光学材料を製造する際には、好ましくは、上述したポリアミド酸溶液を原料として用いる。反応に際して、ポリアミド酸を溶解するのに用いられる溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクトン等の極性有機溶媒が挙げられるが、ポリイミドの前駆体高分子が十分に溶解する溶媒であれば、特に制限なく用いられる。
上記ポリアミド酸溶液にポリアミド酸末端の酸無水物に対して、化学量論的に等価に、高分子と結合し得る置換基を有する化合物を添加する。添加後、十分に反応が進行するように2〜12時間の攪拌を行い、高分子の末端に上記化合物を結合させる。
次いで、末端に、上記化合物が結合した、高分子の溶液に、金属酸化物の前駆体(シリカ前駆体化合物)を添加し、均一になるまで15分程度攪拌した後、触媒効果を有する塩酸を加えて6時間〜26時間程度攪拌して加水分解反応を行なう。この反応に際して、塩酸濃度、攪拌時間がシリカ前駆体部位の加水分解、凝集状態に影響を及ぼすため、シリカ前駆体の添加量だけでなく、これらの処理過程・処理条件によっても屈折率・熱光学係数が変化する。
塩酸を加えた後の攪拌時間が不十分だと加水分解反応が十分に進行せず、添加したシリカ前駆体がイミド化時に気化してフィルム中に残らないことがある。また、攪拌が長すぎるとシリカ同士の凝集が進みすぎて散乱の原因となったり、一部が架橋するなどにより試料の均一性が失われてしまう。
塩酸を加えた後の攪拌時間が不十分だと加水分解反応が十分に進行せず、添加したシリカ前駆体がイミド化時に気化してフィルム中に残らないことがある。また、攪拌が長すぎるとシリカ同士の凝集が進みすぎて散乱の原因となったり、一部が架橋するなどにより試料の均一性が失われてしまう。
上述のようにして得られた混合溶液は、上述した有機溶媒を含有するが、その有機溶媒の含有量は、混合溶液中、70〜95質量%であることが好ましい。有機溶媒の含有量が上記の範囲未満であると、高分子および金属酸化物の含有量が高すぎるため、溶液の粘度が高くなり、撹拌が困難になる場合があり、一方、上記範囲を超えると、溶液の粘度が低すぎるためフィルム成型が困難になる場合がある。
次いで、上述のようにして得られた混合溶液を用いて、製膜してフィルムとする。
製膜してフィルムを形成する方法に特に制限はないが、例えば、上記混合溶液を用いて、スピンコート法又はキャスト法により行うことができる。スピンコート法又はキャスト法により、溶液から薄膜化して製膜してフィルムを形成することができる。スピンコート法及びキャスト法は、従来公知の方法によって実施可能である。製膜に際しては加熱を行ってもよく、加熱を行う場合、その温度は室温(25℃)〜70℃程度でよい。
製膜してフィルムを形成する方法に特に制限はないが、例えば、上記混合溶液を用いて、スピンコート法又はキャスト法により行うことができる。スピンコート法又はキャスト法により、溶液から薄膜化して製膜してフィルムを形成することができる。スピンコート法及びキャスト法は、従来公知の方法によって実施可能である。製膜に際しては加熱を行ってもよく、加熱を行う場合、その温度は室温(25℃)〜70℃程度でよい。
上記混合溶液を基板上に塗布し製膜してフィルムとした後、熱イミド化によりポリイミド−シリカ混合フィルムを作製する。イミド化と同時に加水分解されたシリカ前駆体が架橋構造を作る。この架橋構造により、昇温時においてもポリイミドの熱膨張が抑えられ、結果としてポリイミドの熱光学係数の絶対値の低下(屈折率の温度変化の減少)を引き起こす。
本発明の高分子−無機ハイブリッド光学材料の製造方法について、一例を図1に示す。図1は、本発明の高分子−無機ハイブリッド光学材料の製造方法の一例を示すチャートである。図1に示すように、本発明の高分子−無機ハイブリッド光学材料を製造するためには、まず、分子鎖末端が酸無水物となるように調製されたポリアミド酸と、3−アミノプロピルトリエトキシシラン(APrTEOS)(高分子と結合し得る置換基を有する化合物カップリング試薬)とを反応させ、ポリアミド酸の末端に、APrTEOSを結合させる。次いで、テトラエトキシシラン(TEOS)、塩酸及び水を加えて攪拌し、塩酸を触媒する加水分解反応により、ポリアミド酸/シリカ(加水分解物)として製膜・乾燥を行い、それに続く加熱イミド化と同時にシリカへの転化反応を起こさせることにより、金属酸化物であるシリカが、高分子であるポリイミドの末端に結合し、高分子の架橋構造(ポリイミド/シリカハイブリッド)が形成される。
次に、本発明の光学素子、光学デバイス及び光導波路について説明する。本発明の光学素子、光学デバイス及び光導波路は、上述した本発明の高分子−無機ハイブリッド光学材料を用いて製造されたものである。
本発明の高分子−無機ハイブリッド光材料を用いて、光導波路を製造することができ、この光導波路を基板中に設けることにより、光デバイス(光アイソレータ)を得ることができる。また、本発明の高分子−無機ハイブリッド光材料を用いて光学素子を製造することができ、この光学素子を、例えば複数個接合させることにより光デバイスを得ることができる。
更に、本発明の光波回路は、上述した本発明の光導波路を基板上に形成することにより得ることができる。すなわち、上述した光導波路と電気配線とから、光波回路を形成することができる。
本発明の高分子−無機ハイブリッド光材料を用いて、光導波路を製造することができ、この光導波路を基板中に設けることにより、光デバイス(光アイソレータ)を得ることができる。また、本発明の高分子−無機ハイブリッド光材料を用いて光学素子を製造することができ、この光学素子を、例えば複数個接合させることにより光デバイスを得ることができる。
更に、本発明の光波回路は、上述した本発明の光導波路を基板上に形成することにより得ることができる。すなわち、上述した光導波路と電気配線とから、光波回路を形成することができる。
以下に、実施例を示して本発明を具体的に説明するが、これらにより本発明は何ら制限を受けるものではない。
本実施例では、以下の方法で高分子−無機ハイブリッド光学材料としてのフィルムの評価を行った。
(1)屈折率
プリズムカプラー(Metricon, PC−2000)を用いて、1.32μmでのフィルム面内方向の屈折率nTE、膜厚方向の屈折率nTMの測定を行った。平均の屈折率navは以下の式より求めた。
本実施例では、以下の方法で高分子−無機ハイブリッド光学材料としてのフィルムの評価を行った。
(1)屈折率
プリズムカプラー(Metricon, PC−2000)を用いて、1.32μmでのフィルム面内方向の屈折率nTE、膜厚方向の屈折率nTMの測定を行った。平均の屈折率navは以下の式より求めた。
(2)熱光学係数
(1)で用いたプリズムカプラーに加熱装置を組み合わせ、窒素流気下(湿度17〜18%)において37〜83℃の間で温度を変化させて屈折率の測定を行いその傾きから熱光学係数を求めた。
(3)光透過性
光透過性の測定は、自記分光光度計(日立ハイテクノロジー、U3500)で試料の吸光度を測定することにより行った。基板として用いられる石英基板の吸光度は、測定波長範囲内で無視できるほど小さいものである。
(1)で用いたプリズムカプラーに加熱装置を組み合わせ、窒素流気下(湿度17〜18%)において37〜83℃の間で温度を変化させて屈折率の測定を行いその傾きから熱光学係数を求めた。
(3)光透過性
光透過性の測定は、自記分光光度計(日立ハイテクノロジー、U3500)で試料の吸光度を測定することにより行った。基板として用いられる石英基板の吸光度は、測定波長範囲内で無視できるほど小さいものである。
実施例1
4,4’−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフタル酸二無水物(6FDA)、及び4,4’−ジアミノジフェニルエステル(ODA)をモル比5:4の割合でN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)に溶解し、固形分濃度が30質量%となるようにポリアミド酸溶液を調製した。調製したポリアミド酸溶液に、3−アミノプロピルトリエトキシシラン(APrTEOS)をODAに対しモル比が2:1となるような割合で加え、6時間以上攪拌した。その後テトラエトキシシラン(TEOS)をAPrTEOSに対しモル比で3倍加え15分間攪拌を行った後、塩酸(濃度、加えた量)を加えて26時間攪拌した。撹拌終了後、上記溶液を、一辺の長さが3インチ(7.62cm)のシリコン基板(0.38mm厚)上に塗布し、真空下70℃で1時間乾燥後、昇温速度5℃/分で350℃まで昇温し熱イミド化を行い、高分子−無機ハイブリッド光学材料としてのフィルム(6FDA−ODA/シリカハイブリッド)を得た。この方法で得られた6FDA−ODA/シリカハイブリッドの屈折率は1.5372であり、熱光学係数は−53ppm/Kであった。
4,4’−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフタル酸二無水物(6FDA)、及び4,4’−ジアミノジフェニルエステル(ODA)をモル比5:4の割合でN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)に溶解し、固形分濃度が30質量%となるようにポリアミド酸溶液を調製した。調製したポリアミド酸溶液に、3−アミノプロピルトリエトキシシラン(APrTEOS)をODAに対しモル比が2:1となるような割合で加え、6時間以上攪拌した。その後テトラエトキシシラン(TEOS)をAPrTEOSに対しモル比で3倍加え15分間攪拌を行った後、塩酸(濃度、加えた量)を加えて26時間攪拌した。撹拌終了後、上記溶液を、一辺の長さが3インチ(7.62cm)のシリコン基板(0.38mm厚)上に塗布し、真空下70℃で1時間乾燥後、昇温速度5℃/分で350℃まで昇温し熱イミド化を行い、高分子−無機ハイブリッド光学材料としてのフィルム(6FDA−ODA/シリカハイブリッド)を得た。この方法で得られた6FDA−ODA/シリカハイブリッドの屈折率は1.5372であり、熱光学係数は−53ppm/Kであった。
上述のようにして得られたフィルムについて透過型電子顕微鏡を用いて1万倍〜50万倍に拡大して観察を行ったところ、サイズが10nm以上の構造体の存在は確認できなかった。また、有機元素分析を用いて元素分析を行ったところ、Si元素のフィルム中の含有量は、フィルムの全質量の1.4質量%であり、得られたフィルムは、高分子マトリクス中に金属酸化物である二酸化ケイ素が分散したものである。また、Si元素のすべてがSiO2の形を取っているとすれば、フィルムは2.8質量%のシリカを含有していることになる。
比較例1
6FDA及びODAの使用量を等モルとし、APrTEOS及びTEOSを用いない以外は、実施例1と同様に操作を行い、シリカを含まないフィルムを得た。得られたフィルムの屈折率及び熱光学係数を測定したところ、屈折率は1.5604であり、熱光学係数は−70ppm/Kであった。この値は、実施例1で得られたフィルムと比べて、屈折率は約2%大きく、熱光学係数は32%大きかった。このことは、比較例1で得られたフィルムが、実施例1で得られたフィルムに比べ、屈折率の温度依存性がより顕著であることを示す。
6FDA及びODAの使用量を等モルとし、APrTEOS及びTEOSを用いない以外は、実施例1と同様に操作を行い、シリカを含まないフィルムを得た。得られたフィルムの屈折率及び熱光学係数を測定したところ、屈折率は1.5604であり、熱光学係数は−70ppm/Kであった。この値は、実施例1で得られたフィルムと比べて、屈折率は約2%大きく、熱光学係数は32%大きかった。このことは、比較例1で得られたフィルムが、実施例1で得られたフィルムに比べ、屈折率の温度依存性がより顕著であることを示す。
実施例2
実施例1におけるポリイミドを3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)及びp−フェニルジアミン(PDA)から合成されるポリイミドに代えて、実施例1と同様にフィルムを作製した。なお、ポリアミド酸の固形分濃度は25質量%とした。この方法で調製されたBPDA−PDA/シリカハイブリッドフィルムの屈折率は1.6269であり、熱光学係数は−58ppm/Kであった。
実施例1におけるポリイミドを3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)及びp−フェニルジアミン(PDA)から合成されるポリイミドに代えて、実施例1と同様にフィルムを作製した。なお、ポリアミド酸の固形分濃度は25質量%とした。この方法で調製されたBPDA−PDA/シリカハイブリッドフィルムの屈折率は1.6269であり、熱光学係数は−58ppm/Kであった。
比較例2
BPDA及びPDAの使用量を等モルとし、APrTEOS及びTEOSを用いない以外は、実施例2と同様に操作を行い、シリカを含まないフィルムを得た。得られたフィルムの屈折率及び熱光学係数を測定したところ、屈折率は1.7191であり、熱光学係数は−87ppm/Kであった。この値は、実施例2で得られたフィルムと比べて、屈折率は約6%大きく、熱光学係数は50%大きかった。このことは、比較例2で得られたフィルムが、実施例2で得られたフィルムに比べ、屈折率の温度依存性がより顕著であることを示す。
BPDA及びPDAの使用量を等モルとし、APrTEOS及びTEOSを用いない以外は、実施例2と同様に操作を行い、シリカを含まないフィルムを得た。得られたフィルムの屈折率及び熱光学係数を測定したところ、屈折率は1.7191であり、熱光学係数は−87ppm/Kであった。この値は、実施例2で得られたフィルムと比べて、屈折率は約6%大きく、熱光学係数は50%大きかった。このことは、比較例2で得られたフィルムが、実施例2で得られたフィルムに比べ、屈折率の温度依存性がより顕著であることを示す。
実施例3
実施例1においてODAのかわりに、ODA及び2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル(TFDB)の7:3(モル比)の混合物を用いて調製された6FDA−(ODA/TFDB)シリカハイブリッド材料を導波路のクラッド層として用い、実施例1で得られた6FDA−ODA/シリカハイブリッド材料をコア層に用いて、シリコン基板上に高分子アレイ導波路格子型光デバイス(AWG)を作製した。作製したAWGは入力導波路、スラブ導波路、アレイ導波路格子および出力導波路の構成部からなり、製造の方法は特開平10−332959に示されている方法に従った。波長1.3μm、1.55μmの時、コアとクラッドの間の屈折率差ΔがTE偏光、TM偏光の時ともに約1.0%と同じ値となることから、挿入損失はTEおよびTM偏光共に5dB以下であった。従って、得られたAWGは優れた光学特性を有することを示す。このAWGは、ペルチエ素子を用いた外部からの温度制御により100℃の加熱を行った際に、中心波長のシフト量が7nmとなった。さらに、このAWGは、高温における劣化の評価として、100℃熱処理、および水中、高温高湿(85℃/85%RH)雰囲気中やエタノール中への浸漬を行った後でも、挿入損失および100℃加熱時の中心波長のシフト量は熱処理前および浸透前と変わらず、耐環境性、長期安定性に優れたものであった。この結果、本発明の高分子−無機ハイブリッド材料を導波路のコアおよびクラッドとして用いることによりAWGの温度依存性が低減され、波長制御性、耐環境性、経済性、汎用性が向上することがわかった。
実施例1においてODAのかわりに、ODA及び2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル(TFDB)の7:3(モル比)の混合物を用いて調製された6FDA−(ODA/TFDB)シリカハイブリッド材料を導波路のクラッド層として用い、実施例1で得られた6FDA−ODA/シリカハイブリッド材料をコア層に用いて、シリコン基板上に高分子アレイ導波路格子型光デバイス(AWG)を作製した。作製したAWGは入力導波路、スラブ導波路、アレイ導波路格子および出力導波路の構成部からなり、製造の方法は特開平10−332959に示されている方法に従った。波長1.3μm、1.55μmの時、コアとクラッドの間の屈折率差ΔがTE偏光、TM偏光の時ともに約1.0%と同じ値となることから、挿入損失はTEおよびTM偏光共に5dB以下であった。従って、得られたAWGは優れた光学特性を有することを示す。このAWGは、ペルチエ素子を用いた外部からの温度制御により100℃の加熱を行った際に、中心波長のシフト量が7nmとなった。さらに、このAWGは、高温における劣化の評価として、100℃熱処理、および水中、高温高湿(85℃/85%RH)雰囲気中やエタノール中への浸漬を行った後でも、挿入損失および100℃加熱時の中心波長のシフト量は熱処理前および浸透前と変わらず、耐環境性、長期安定性に優れたものであった。この結果、本発明の高分子−無機ハイブリッド材料を導波路のコアおよびクラッドとして用いることによりAWGの温度依存性が低減され、波長制御性、耐環境性、経済性、汎用性が向上することがわかった。
比較例3
導波路のコア層として金属酸化物を含まない6FDA/ODAポリイミド、クラッド層として同じく金属酸化物を含まない6FDA−(ODA/TFDB)共重合体(ODA:TFDB=3:7)を用いて、実施例3と同様の方法によりAWGを作製した。このAWGは、ペルチエ素子を用いた外部からの温度制御により100℃の加熱を行った際に、中心波長のシフト量が12nmとなり、実施例3と比較した場合に比べて顕著に大きな値となった。さらに、高温における劣化の評価として100℃熱処理を行った場合には、挿入損失および100℃加熱時の中心波長のシフト量に変化が無かったが、水中、高温高湿(85℃/85%RH)雰囲気中やエタノール中への浸漬を行った後の100℃加熱による中心波長のシフト量は浸透前よりも5%程度増加し、導波路材料がシリカを含まない場合、AWGの回路特性が相対的に環境の影響を受けやすいことが明らかとなった
導波路のコア層として金属酸化物を含まない6FDA/ODAポリイミド、クラッド層として同じく金属酸化物を含まない6FDA−(ODA/TFDB)共重合体(ODA:TFDB=3:7)を用いて、実施例3と同様の方法によりAWGを作製した。このAWGは、ペルチエ素子を用いた外部からの温度制御により100℃の加熱を行った際に、中心波長のシフト量が12nmとなり、実施例3と比較した場合に比べて顕著に大きな値となった。さらに、高温における劣化の評価として100℃熱処理を行った場合には、挿入損失および100℃加熱時の中心波長のシフト量に変化が無かったが、水中、高温高湿(85℃/85%RH)雰囲気中やエタノール中への浸漬を行った後の100℃加熱による中心波長のシフト量は浸透前よりも5%程度増加し、導波路材料がシリカを含まない場合、AWGの回路特性が相対的に環境の影響を受けやすいことが明らかとなった
実施例4
シリコン基板に代え、石英基板(3mm厚)を用いた以外は、実施例1及び比較例1と同様に操作を行い、フィルム(6FDA/ODAシリカハイブリッド)、及びフィルム(6FDA/ODAポリイミド)を得た。得られたフィルムの膜厚は、それぞれ11μm、及び8μmであった。
得られたフィルムについて光透過性を測定した。測定結果を図2に示す。図2は、得られたフィルムの光透過性の測定結果を示すグラフであり、横軸は波長を表わし、縦軸は吸光度を表す。図2に示すように、6FDA/ODAシリカハイブリッドフィルムの方が膜厚が厚いにもかかわらず、紫外長波長域から400nm付近の吸収端領域にかけて吸光度が低いことが観察された。すなわち、6FDA/ODAシリカハイブリッドの方が高い光透過性を示した。なお、図示はしないが、他の化学構造を有するポリイミドとシリカとのハイブリッド材料においても、同様の傾向が観察された。
シリコン基板に代え、石英基板(3mm厚)を用いた以外は、実施例1及び比較例1と同様に操作を行い、フィルム(6FDA/ODAシリカハイブリッド)、及びフィルム(6FDA/ODAポリイミド)を得た。得られたフィルムの膜厚は、それぞれ11μm、及び8μmであった。
得られたフィルムについて光透過性を測定した。測定結果を図2に示す。図2は、得られたフィルムの光透過性の測定結果を示すグラフであり、横軸は波長を表わし、縦軸は吸光度を表す。図2に示すように、6FDA/ODAシリカハイブリッドフィルムの方が膜厚が厚いにもかかわらず、紫外長波長域から400nm付近の吸収端領域にかけて吸光度が低いことが観察された。すなわち、6FDA/ODAシリカハイブリッドの方が高い光透過性を示した。なお、図示はしないが、他の化学構造を有するポリイミドとシリカとのハイブリッド材料においても、同様の傾向が観察された。
Claims (11)
- 金属酸化物が、高分子マトリクス中に分散されてなる、高分子−無機ハイブリッド光学材料。
- 上記高分子マトリクスを形成する高分子が、260℃以上の耐熱性を有する、請求項1に記載の高分子−無機ハイブリッド光学材料。
- 上記高分子がポリイミドである、請求項1又は2に記載の高分子−無機ハイブリッド光学材料。
- 上記金属酸化物が、化学的もしくは物理的に高分子と結合している、請求項1〜3いずれか1項に記載の高分子−無機ハイブリッド光学材料。
- 上記金属酸化物の前駆体を、高分子マトリクスを形成する高分子材料中に混合することにより、金属酸化物が高分子マトリクス中に分散された、請求項1〜4のいずれか1項に記載の高分子−無機ハイブリッド光学材料。
- 上記高分子及び上記金属酸化物の相溶性を向上させる有機金属化合物を含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の高分子−無機ハイブリッド光学材料。
- ゾル−ゲル法により得られる前駆体を用いて製造される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の高分子−無機ハイブリッド光学材料。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の高分子−無機ハイブリッド光学材料を用いて製造された光学素子。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の高分子−無機ハイブリッド光学材料を用いて製造された光学デバイス。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の高分子−無機ハイブリッド光学材料を用いて製造された光導波路。
- 請求項10に記載の光導波路が基板上に形成された光波回路。
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JP2005135927A JP2006312680A (ja) | 2005-05-09 | 2005-05-09 | 高分子−無機ハイブリッド光学材料 |
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---|---|---|---|---|
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KR20190116568A (ko) | 2012-04-27 | 2019-10-14 | 우베 고산 가부시키가이샤 | 폴리아믹산 용액 조성물, 및 폴리이미드 |
-
2005
- 2005-05-09 JP JP2005135927A patent/JP2006312680A/ja active Pending
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