JP2010254792A - ポリイミドおよび光導波路用ポリイミド - Google Patents

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洋介 湯川
Kazunori Kinami
万紀 木南
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聰 今橋
Takeshi Matsuoka
豪 松岡
Hiroko Yabuki
寛子 矢吹
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Abstract

【課題】 溶剤可溶性であって、複屈折と面配向性が共に低値のポリイミドを提供する。
【解決手段】 溶剤可溶性ポリイミドであって、633nm波長における複屈折の値(X)とIR測定から算出される面配向の値(Y)が、式(1) Y≦−1.49X+0.55かつ0≦X≦0.30を満足するものであるポリイミド。
【選択図】なし

Description

本発明は寸法安定性に優れた複屈折の値(X)とIR測定から算出される面配向の値(Y)が特定範囲にある光導波路素子、光ファイバー、レンズ,光ディスク用基板などに使用可能なポリイミドに関し、特に光電子集積回路(OEIC)や光電子混載実装配線板における光導波路の光学材料として使用可能なポリイミドに関する。
従来、透明な光学材料としては、ガラスが広く利用されてきた。しかし、近年の成形加工性、軽量性、耐衝撃特性などの優れた特徴を生かして光学レンズ、プリズム、ミラー、光ディスク、液晶ディスプレー用のシート・フィルム、液晶表示装置の導光板等の光学部品に透明樹脂材料が利用されるようになった。ポリメタアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂などはその代表例である。
近年、光ファイバー(導波路)についても、樹脂材料を用いて作製しようという試みがなされている。
従来、シリコンやガラス基板上に石英などを用いて導波路を作成した無機光導波路が広く知られている。無機導波路は、光損失が低く、信頼性が高いなどの優れた性質を有する反面、導波路作成時に高温の加熱を必要とするため、製造に特殊な装置を必要とし、製造コストが高いばかりか、電子部品との混載の場合などでは、製造プロセスの自由度が限定されるという問題があった。
ポリマー材料を用いるポリマー系光導波路が、最近、数多く提案されている。透明性、耐熱性、低吸湿性等の性質を備えていることから、含フッ素ポリイミド樹脂が光導波路用ポリマー材料として数多く提案されている(特許文献1〜4、参照)。
フッ素化ポリイミド以外のポリマー材料を用いたポリマー光導波路としては、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネートなどを用いた光導波路が提案されている。ポリメチルメタクリレートのポリマー材料は、低価格であり、しかも、加工も容易であるが、ポリメチルメタクリレートは、ガラス転移温度(Tg)が100℃程度と低いので、加工中に熱によって軟化してしまうおそれがあり、屈折率を制御できないという問題も有している。
フッ素化ポリイミドは、通信波長帯(1.3μm、1.55μm)においては、透明性にすぐれるものの、その線膨張係数が高いので、シリコンウエハや合成石英基板上に導波層を形成すれば、基板を歪ませたり基板から剥がれたりすることが多発する。
一方、ユーピレックスに代表される、剛直な骨格を持ったポリイミドは、低熱膨張で寸法安定性に優れ、また、高い耐熱性を有しているため、プリント配線版などに利用されている。しかしながら、その透明性は低く、また、複屈折は高いため、光導波路に適用することは困難である。
また、基板にカール(弯曲)を起こさない、多層化に際してポリイミド層にソルベント・クラックの生じないポリイミドからなるコア層とクラッド層とを備えたポリマー光導波路を提供するために、基板上にポリイミドからなるコア層が2,2’−ジクロロ−4,4’,5,5’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンとを重縮合して得られる第1のポリイミドとクラッド層が2,2’−ジクロロ−4,4’,5,5’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を含む芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンとを重縮合して得られる第2のポリイミドとを設けたポリマー光導波路が提案されている(特許文献5、参照)が細密な導体回路と光導波路が混載された複合配線板などにおいて塩素は解離や分解によって構成ポリイミドから発生し、導体回路の絶縁性不良に多大の影響を及ぼす場合が多い。
特開平 09−021920号公報 特開平 11−147955号公報 特開平 06−208033号公報 特開平 04−009807号公報 特開2005−350562号公報
本発明は、かかる従来技術の課題を背景になされたものであり、イミド化に伴う高温処理を要せず、しかも高耐熱性で複屈折の値(X)と面配向の値(Y)がともに小さく、線膨張係数の小さいポリイミドを提供せんとするものである。
すなわち、本発明は、以下の構成からなる。
1. 溶剤可溶性ポリイミドであって、該ポリイミドをフィルム状物とした際の633nm波長における複屈折の値(X)とIR測定から算出される面配向の値(Y)が、下記式(1)を満足するものであることを特徴とするポリイミド。
Figure 2010254792

2.ポリイミドのガラス転移温度が300℃以上である1.のポリイミド。
3.該ポリイミドをフィルム状物とした際の熱膨張係数が50ppm / ℃以下である1.または2.のポリイミド。
4.1.〜3.いずれかの光導波路用ポリイミド。
本発明の、溶剤可溶性ポリイミドであって、633nm波長における複屈折の値(X)とIR測定から算出される面配向の値(Y)が、式(1) Y≦−1.49X+0.55を満足するものであることを特徴とするポリイミドは、溶剤を乾燥除去するだけで、容易に面配向する特徴を有しており、導体回路と光導波路が混載された複合配線板などにおいて導体回路の絶縁性不良をも発生し難く、Au−Sn半田における300℃以上においてポリイミドが軟化するなどによって変形し機能不全を招くことがなく、また、複屈折が小さいため、光学部品としての機能性を損なうことがないといった特性を兼ね備えた光学等方性、寸法安定性と低線膨張係数を兼ね備えたポリイミドであり、またガラス基板やケイ素基板の線膨張係数との差が小さいので、これらの基板上にそのようなポリイミドからなるクラック層やコア層を形成した場合も、基板にカールが生じず基板と光導波路との剥離が生じ難く、光学材料特に光導波路として有用である。
本発明のポリイミド作成は、ジアミン類(ジアミン、アミド形成性誘導体などを含む)または、イソシアネートとテトラカルボン酸類(酸、無水物、アミド形成性誘導体などを含む)とを反応させて直接イミド化する方法が採用される。この反応に用いられるジアミン類(ジアミン及びアミド結合性誘導体を含む)(骨格としてはイソシアネートであっても同様であり、以下ジアミンをもって述べる)として好ましく使用できるのは、具体的には、化1〜化11の化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2010254792
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本発明は、下記に例示されるジアミン類を一種又は二種以上、併用してもよい。好ましくは全ジアミン類の50モル%未満、もしくは30モル%未満、さらには20モル%未満が好ましい。
使用できるジアミン類としては、例えば、5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンゾオキサゾール、6−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンゾオキサゾール、5−アミノー2−(m−アミノフェニル)ベンゾオキサゾール、6−アミノ−2−(m−アミノフェニル)ベンゾオキサゾール、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−アミノベンジルアミン、p−アミノベンジルアミン、2,6−ジアミノナフタレン、1,4−ジアミノナフタレン、1,8−ジアミノナフタレン、2,7−ジアミノナフタレン、
3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホキシド、3,4’−ジアミノジフェニルスルホキシド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホキシド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、
1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノシ)フェニル]ブタン、2,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−2−[4−(4−アミノフェノキシ)−3−メチルフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−3−メチルフェニル]プロパン、2−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−2−[4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、
1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、4,4’−ビス[(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,1−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、
2,2−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、4,4’−ビス[3−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾフェノン、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ジフェニルスルホン、ビス[4−{4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ}フェニル]スルホン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−トリフルオロメチルフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−フルオロフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−メチルフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−シアノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、
3,3’−ジアミノ−4,4’−ジフェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5,5’−ジフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4,5’−ジフェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4−フェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5−フェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4−フェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−5’−フェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジビフェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5,5’−ジビフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4,5’−ジビフェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4−ビフェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5−ビフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4−ビフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−5’−ビフェノキシベンゾフェノン、1,3−ビス(3−アミノ−4−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−4−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−5−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−5−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−4−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−4−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−5−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−5−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、2,6−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾニトリル及び上記芳香族ジアミンにおける芳香環上の水素原子の一部もしくは全てがフッ素原子、炭素数1〜3のアルキル基又はアルコキシル基、シアノ基、又はアルキル基又はアルコキシル基の水素原子の一部もしくは全部がフッ素原子で置換された炭素数1〜3のフッ素化アルキル基又はアルコキシル基で置換された芳香族ジアミン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
テトラカルボン酸二無水物としては、具体的には、化12〜化20の化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2010254792
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Figure 2010254792
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下記に例示されるテトラカルボン酸二無水物を一種又は二種以上、併用してもよい。好ましくは全テトラカルボン酸二無水物の50モル%未満、もしくは30モル%未満、さらには20モル%未満が好ましい。
使用できるテトラカルボン酸二無水物としては、ピロメリット酸無水物や、3,3’, 4,4’―ビフェニルテトラテトラカルボン酸二無水物、2,3’,3,4’―ビフェニルテトラテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’―ビフェニルテトラテトラカルボン酸二無水物、3,3‘−4,4’−オキシジフェニルテトラカルボン酸無水物、ベンゾフェノン−3,3’,4,4’―テトラカルボン酸二無水物、ジフェニルスルホン−3,3’,4,4’―テトラカルボン酸二無水物、4,4’−(2,2−ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二酸無水物、ジフェニルメロフェニックジアンハイドライド、2,2’−ジフェノキシ−3,3’,4,4’―ビフェニルテトラテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5,6−ピリジンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、4,4′−スルホニルジフタル酸二無水物、3,3′,4,4′−テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、メタ−ターフェニル−3,3″,4,4″−テトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン二無水物、1−(2,3−ジカルボキシフェニル)−3−(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン二無水物、(トリフルオロメチル)ピロメリット酸二無水物、ジ(トリフルオロメチル)ピロメリット酸二無水物、ジ(ヘプタフルオロプロピル)ピロメリット酸二無水物、ペンタフルオロエチルピロメリット酸二無水物、ビス{3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェノキシ}ピロメリット酸二無水物、5,5′−ビス(トリフルオロメチル)−3,3′,4,4′−テトラカルボキシビフェニル二無水物、2,2′−5,5′−テトラキス(トリフルオロメチル)−3,3′,4,4′−テトラカルボキシビフェニル二無水物、5,5′−ビス(トリフルオロメチル)−3,3′,4,4′−テトラカルボキシジフェニルエーテル二無水物、
5,5′−ビス(トリフルオロメチル)−3,3′,4,4′−テトラカルボキシベンゾフェノン二無水物、ビス{(トリフルオロメチル)ジカルボキシフェノキシ}ベンゼン二無水物、ビス{(トリフルオロメチル)ジカルボキシフェノキシ}(トリフルオロメチル)ベンゼン二無水物、ビス(ジカルボキシフェノキシ)(トリフルオロメチル)ベンゼン二無水物、ビス(ジカルボキシフェノキシ)ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン二無水物、ビス(ジカルボキシフェノキシ)テトラキス(トリフルオロメチル)ベンゼン二無水物、2,2−ビス{(4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、ビス{(トリフルオロメチル)ジカルボキシフェノキシ}ビフェニル二無水物、ビス{(トリフルオロメチル)ジカルボキシフェノキシ}ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル二無水物、ビス{(トリフルオロメチル)ジカルボキシフェノキシ}ジフェニルエーテル二無水物、ビス(ジカルボキシフェノキシ)ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル二無水物、2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン等があげられるがいずれも本発明のポリイミドにおいては全酸の30モル%未満で使用される。
非芳香族のテトラカルボン酸無水物としては、例えば、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、ペンタン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサ−1−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、3−エチルシクロヘキサ−1−エン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−メチル−3−エチルシクロヘキサン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−メチル−3−エチルシクロヘキサ−1−エン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−エチルシクロヘキサン−1−(1,2),3,4−テトラカルボン酸二無水物、1−プロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3,4−テトラカルボン酸二無水物、1,3−ジプロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3−(2,3)−テトラカルボン酸二無水物、ジシクロヘキシル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−プロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3,4−テトラカルボン酸二無水物、1,3−ジプロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3−(2,3)−テトラカルボン酸二無水物、ジシクロヘキシル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。これらのテトラカルボン酸二無水物は単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
本発明における溶剤可溶性とは、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、アセトン、クロロホルム、トルエン、γ-ブチロラクトン、シクロヘキサノンのうち少なくとも1種類に3wt%以上溶解することを示す。好ましくは5wt%以上、特に8wt%以上溶解することが好ましい。
本発明のポリイミドは、溶剤可溶性ポリイミドであって、フィルム状物とした際の633nm波長における複屈折の値(X)とIR測定から算出される面配向の値(Y)が、式(1) Y≦−1.49X+0.55、かつ0≦X≦0.30を満足するポリイミドである。この関係を満たすことができないポリイミドは、ポリイミドの光学等方性と寸法安定性を両立させることが難しく、導波路として使用できない可能性が高い。
複屈折の値(X)は0以上、0.3以下であり、0.2以下が好ましく、より好ましくは0.15以下、さらに好ましくは0.1以下、特に0.07以下が好ましい。複屈折の値が0.3を超えると、平面方向と垂直方向の光の位相ずれによって、信号品質の低下が起こり、光学部品としての機能性を損なう可能性がある。
本発明における面配向度は偏光ATR測定により、下記のようにして行い、定義するものとする。

装置:VARIAN社製FTS-60A/896
1回反射ATRアタッチメント:golden gate
IRE:ダイヤモンド
入射角:45°
分解能:4cm-1
積算回数:128回
測定面:ポリイミドフィルムの空気面
光の入射方向とMD方向(塗工方向)とを一致させてフィルムをセットし、垂直偏光及び平行偏光でIRスペクトルを測定した。得られたスペクトルに対してそれぞれ(TD//E)、(TD⊥E)と表示する。次に、光の入射方向とTD方向(塗工方向に垂直な方向)とを一致させてフィルムをセットし、垂直偏光及び平行偏光でIRスペクトルを測定した。得られたスペクトルに対してそれぞれ(MD//E)、(MD⊥E)と表示する。4本のIRスペクトルにより、各方向の吸収係数(KMD,KTD,KZ)を求め、面配向を評価した。面配向度は、1780cm-1付近のイミド環の吸収係数をそれぞれA , A// ,A ,A// とし、下記式より算出される各方向の吸収係数を用い、2K/(KMD+KTD)で表した。
Figure 2010254792
Figure 2010254792
また、ポリイミドの屈折率は、下記式にて算出した。
測定対象のポリイミド樹脂層(フィルム)をガラス基板上に載せ、下記条件にてTE,TM方向の屈折率nTE, nTMを測定し、屈折率n=(2*nTE+nTM)/3により算出した。
装置名 ; メトリコン社製プリズムカプラモデル2010
測定波長 ; 633nm
モード ; Dual Film
本発明のポリイミドの面配向の値(Y)は、式(1) Y≦−1.49X+0.55かつ0≦X≦0.30を満足すれば特に限定されるものではないが、0.5以下が好ましく、より好ましくは0.45以下、さらに好ましくは0.4以下、特に0.35以下が好ましい。面配向の値が0.5を超えると、寸法安定性が悪化し、基板にカールが生じ、基板と光導波路との剥離が生じる可能性がある。
本発明のポリイミドの作成に用いる溶媒は、原料となるモノマー及び生成するポリイミドのいずれをも溶解するものであれば特に限定されないが、極性有機溶媒が好ましく、例えば、クレゾール、N−メチル−2−ピロリドン、N−アセチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリックアミド、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、スルホラン、ハロゲン化フェノール類等があげられる。これらの溶媒は、単独あるいは混合して使用することができる。溶媒の使用量は、原料となるモノマーを溶解するのに十分な量であればよく、具体的な使用量としては、モノマーを溶解した溶液に占めるモノマーの質量が、通常2〜40質量%、好ましくは3〜20質量%となるような量が挙げられる。
本発明のポリイミドのフィルム作製時の乾燥温度は、溶媒が乾燥する温度であれば特に限定されないが、低温で予備乾燥をした後に高温で乾燥することが好ましく、予備乾燥温度としては好ましくは150℃以下、より好ましくは120℃以下、さらに好ましくは100℃以下、特に80℃以下が好ましい。150℃以上の高温をかけると、溶媒の激しい蒸発により、面配向が阻害される可能性が高い。また、本乾燥は、好ましくは180℃以上500℃以下、より好ましくは200℃以上400℃以下、特に250℃以上350℃以下が好ましい。180℃以下では、溶媒が完全に除去されない可能性があり、500℃以上では、樹脂の劣化が起こる可能性がある。
本発明におけるポリイミドは、有機溶剤に可溶であって、フィルム状物とした際に式(1)で表される面配向度と複屈折の関係を満たすポリイミドであれば特に限定されるものではないが、特に好ましい具体例としては、2,2‘−ビス(ビフェニル)ベンジジンと3,6−ジフェニルピロメリット酸のような剛直かつ嵩高い構造を有するテトラカルボン酸二酸無水物とジアミンを反応させて得られるポリイミドであり、本発明においては、前記のポリイミドに他の樹脂を混合することは、本発明の面配向度や光学等方性を損なわない限りこれを排除しない。
本発明におけるポリイミドのガラス転移温度として、300℃以上が好ましく、より好ましくは320℃以上、さらに好ましくは350℃以上、特に好ましくは400℃以上である。ガラス転移温度が300℃以下のポリイミドは、ICの製造工程で高温に耐えられず、重大な問題を引き起こす可能性が高い。
本発明におけるポリイミドフィルムの熱膨張係数としては、50ppm/℃以下であれば特に限定されるものではないが、40ppm/℃以下が好ましく、より好ましくは30ppm/℃以下、さらに好ましくは20ppm/℃以下、特に10ppm/℃以下が好ましい。
本発明におけるポリイミド樹脂の用途としては、特に限定されるものではないが、好ましくは光学用途、特に光導波路用樹脂として用いられることが好ましい。
本発明のポリイミドを用いることにより、ICの製造工程で300℃の高温に耐え、線膨張係数が小さく、寸法安定性に優れ、ストレスが小さく、耐久性に優れ、物理的に安定であり、高密度の包装が可能であり、製造コストが安価な高分子系光導波路を得ることができる。
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例における物性の評価方法は以下の通りである。
1.ポリアミド酸、ポリイミドの還元粘度(ηsp/C)
ポリマー濃度が0.2g/dlとなるようにN−メチル−2−ピロリドンに溶解した溶液をウベローデ型の粘度管により25℃で測定した。
2.ポリイミドフィルムの厚さ
マイクロメーター(ファインリューフ社製、ミリトロン1254D)を用いて測定した。
3.ガラス転移点測定
測定対象のポリイミド樹脂層(フィルム)について、下記条件にてガラス転移点(Tg)を測定した。ここで言うガラス転移点は、ステップ状曲線の解析におけるInflection温度を算出した。
装置名 ; テイ―エーインスツルメント社製DSC2920
試料量 ; 10±0.5mg
昇温開始温度 ; 室温
昇温終了温度 ; 450℃
昇温速度 ; 10℃/min
雰囲気 ; アルゴン
なお、剛直な一次構造を持つポリイミドは、上記のDSC測定ではガラス転移点が検出されない場合があった。その場合、上記の平均線膨張係数測定における変曲点をガラス転移点とした。400℃まで変曲点がなければ、ガラス転移点は400℃以上と判断した。
4.熱膨張係数測定
測定対象のポリイミド樹脂(フィルム)について、下記条件にて30℃〜40℃、40℃〜50℃、…と10℃の間隔での伸縮率/温度を測定し、この測定を400℃まで行い、50℃から200℃までの全測定値の平均値を熱膨張係数(CTE)として算出した。
装置名 ; MACサイエンス社製TMA4000S
試料長さ ; 10mm
試料幅 ; 2mm
昇温開始温度 ; 25℃
昇温終了温度 ; 400℃
昇温速度 ; 5℃/min
雰囲気 ; アルゴン
(実施例1)
乾燥窒素雰囲気中で、3,6−ジフェニル−ピロメリット酸無水物(1mmol、0.3703g)と2,2’−ビス(ビフェニル)ベンジジン(1mmol、0.4886g)をm−クレゾールに溶解し、4質量%の溶液とした。これを2時間室温で撹拌した後、イソキノリンを触媒として加え、窒素気流下、200℃で30分撹拌し、このポリイミド溶液を2−プロパノール中に再沈すると、黄色の粉状ポリマーが得られた。得られたポリマーは2−プロパノールで洗浄し、乾燥した。ポリマーの還元粘度は、1.38であった。ポリマーをN−メチル−2−ピロリドンに加熱溶解し、10質量%の溶液とし、清浄なシリコン基板上に塗布し、乾燥窒素雰囲気中、120℃で15分、350℃で1時間加熱することにより厚さ6.5μmのポリイミドフィルムが得られた。このフィルムをシリコン基板からはがし、面配向の値を測定したところ、0.33であった。また、このフィルムの複屈折Δn=0.0533(nTE=1.7055、nTM=1.6522)、熱膨張係数は、3.7ppm/℃であった。このポリイミドは、式(1)を満たすことから、高い面配向により良好な寸法安定性を示し、かつ光学等方性をも両立することが分かった。なお、ガラス転移点はDSCで検出できず、TMA測定でも変曲点が見られなかったことから、ガラス転移点は400℃以上と判断した。
(実施例2)
乾燥窒素雰囲気中で、3,6−ジフェノキシ−ピロメリット酸無水物(1mmol、0.4023g)と2,2‘−ビス(フェニル)ベンジジン(1mmol、0.3364g)をm−クレゾールに溶解し、4質量%の溶液とした。これを2時間室温で撹拌した後、イソキノリンを触媒として加え、窒素気流下、200℃で30分撹拌し、このポリイミド溶液を2−プロパノール中に再沈すると、黄色の粉状ポリマーが得られた。得られたポリマーは2−プロパノールで洗浄し、乾燥した。ポリマーの還元粘度は、1.38であった。ポリマーをN−メチル−2−ピロリドンに加熱溶解し、10質量%の溶液とし、清浄なシリコン基板上に塗布し、乾燥窒素雰囲気中、120℃で15分、350℃で1時間加熱することにより厚さ6.8μmのポリイミドフィルムが得られた。このフィルムをシリコン基板からはがし、面配向の値を測定したところ、0.40であった。また、このフィルムの複屈折Δn=0.0476(nTE=1.6988、nTM=1.6512)、熱膨張係数は、9.4ppm/℃であった。このポリイミドは、式(1)を満たすことから、高い面配向により良好な寸法安定性を示し、かつ光学等方性をも両立することが分かった。なお、ガラス転移点はDSCで検出できず、TMA測定でも変曲点が見られなかったことから、ガラス転移点は400℃以上と判断した。
(比較例1)
乾燥窒素雰囲気中で、ピロメリット酸無水物(2.181g)及び1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(2.923g)をm−クレゾールに溶解し、4質量%の溶液とした。これを2時間室温で撹拌した後、イソキノリンを触媒として加え、窒素気流下、200℃で加熱を行ったところ、ゲル化が起こり、あらゆる溶媒に不溶であった。
(比較例2)
乾燥窒素雰囲気中で、ピロメリット酸無水物(2.181g)及び1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(2.923g)をN−メチル−2−ピロリドンに溶解し、12質量%の溶液とした。これを窒素雰囲気下、24時間室温で撹拌すると高粘度の溶液が得られる。得られた溶液の還元粘度は、3.1であった。ポリマー溶液を、清浄なシリコン基板上に塗布し、乾燥窒素雰囲気中、120℃で15分、350℃で1時間加熱することにより厚さ12.2μmのポリイミドフィルムが得られた。このフィルムをシリコン基板からはがし、面配向の値を測定したところ、0.53であった。また、熱膨張係数を測定したところ、42.1ppm/℃、このフィルムの複屈折はΔn=0.0517(nTE=1.7098、nTM=1.6581)であった。
このポリイミドは、式(1)を満たさず、光学等方性には優れるものの、面配向の値(Y)が大きく、寸法安定性が悪化し、位置ずれ、反りなどを生じる可能性が高いことが分かった。
(比較例3)
乾燥窒素雰囲気中で、4,4’−(2,2’−ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二酸無水物(10mmol、4.442g)及び4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(10mmol、2.002g)をm−クレゾールに溶解し、10質量%の溶液とした。これを窒素雰囲気下、3時間室温で撹拌後、イソキノリンを触媒として加え、窒素気流下、200℃で3時間撹拌し、室温まで冷却すると高粘度の溶液が得られる。このポリイミド溶液を2−プロパノール中に再沈すると、白色の繊維状ポリマーが得られた。得られた溶液の還元粘度は、1.31であった。ポリマーをN−メチル−2−ピロリドンに加熱溶解し、10質量%の溶液とし、清浄なシリコン基板上に塗布し、乾燥窒素雰囲気中、120℃で15分、350℃で1時間加熱することにより厚さ36.1μmのポリイミドフィルムが得られた。このフィルムをシリコン基板からはがし、面配向の値を測定したところ、0.645であった。また、このフィルムの複屈折Δn=0.0326(nTE=1.6004、nTM=1.5678)、熱膨張係数は、50.4ppm/℃であった。このポリイミドは、式(1)を満たさず、光学等方性には優れるものの、面配向の値(Y)が大きく、寸法安定性が悪化し、位置ずれ、反りなどを生じる可能性が高いことが分かった。
(比較例4)
乾燥窒素雰囲気中で、3,3’, 4,4’―ビフェニルテトラテトラカルボン酸二無水物(2.942g)及び5−アミノ−2−(4-アミノフェニル)ベンゾオキサゾール(2.253g)をm−クレゾールに溶解し、4質量%の溶液とした。これを2時間室温で撹拌した後、イソキノリンを触媒として加え、窒素気流下、200℃で加熱を行ったところ、ゲル化が起こり、あらゆる溶媒に不溶であった。
(比較例5)
乾燥窒素雰囲気中で、3,3’, 4,4’―ビフェニルテトラテトラカルボン酸二無水物(2.942g)及び5−アミノ−2−(4-アミノフェニル)ベンゾオキサゾール(2.253g)をジメチルアセトアミドに溶解し、10質量%の溶液とした。これを窒素雰囲気下、24時間室温で撹拌すると高粘度の溶液が得られる。得られた溶液の還元粘度は、0.44であった。ポリマー溶液を、清浄なシリコン基板上に塗布し、乾燥窒素雰囲気中、120℃で15分、350℃で1時間加熱することにより厚さ13.0μmのポリイミドフィルムが得られた。このフィルムをシリコン基板からはがし、面配向の値を測定したところ、0.22であった。また、熱膨張係数を測定したところ、8.31ppm/℃、このフィルムの複屈折はΔn=0.2602(nTE=1.8765、nTM=1.6163)であった。
このポリイミドは、式(1)を満たさず、面配向の値(Y)は大きく、寸法安定性に優れるものの、光学等方性に劣り、光学部品としての機能性を損なう可能性がある。また、ポリイミドとしての溶剤溶解性が無く、低温硬化が難しい。
(比較例6)
乾燥窒素雰囲気中で、4,4’−(2,2’−ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二酸無水物(10mmol、4.442g)及び5−アミノ−2−(4-アミノフェニル)ベンゾオキサゾール(2.253g)をm−クレゾールに溶解し、10質量%の溶液とした。これを窒素雰囲気下、3時間室温で撹拌後、イソキノリンを触媒として加え、窒素気流下、200℃で3時間撹拌し、室温まで冷却すると高粘度の溶液が得られる。このポリイミド溶液を2−プロパノール中に再沈すると、白色の繊維状ポリマーが得られた。得られた溶液の還元粘度は、0.357であった。このポリマーをN−メチル−2−ピロリドンに加熱溶解、8質量%の溶液とし、清浄なシリコン基板上に塗布し、乾燥窒素雰囲気中、120℃で15分、350℃で1時間加熱することにより厚さ5.9μmのポリイミドフィルムが得られた。このフィルムをシリコン基板からはがし、面配向の値を測定したところ、0.456であった。また、熱膨張係数を測定したところ、14.1ppm/℃、このフィルムの複屈折Δn=0.0857(nTE=1.7334、nTM=1.6478)であった。このポリイミドは、式(1)を満たさず、このポリイミドは、式(1)を満たさず、面配向の値(Y)は大きく、寸法安定性に優れるものの、光学等方性に劣り、光学部品としての機能性を損なう可能性がある。
(比較例7)
乾燥窒素雰囲気中で、2,2’−ジフェニル−3,3’, 4,4’−ビフェニルテトラテトラカルボン酸二無水物(2.942g)及び2,2’−ビス(ビフェニル)ベンジジン(10mmol、4.886g)をm−クレゾールに溶解し、10質量%の溶液とした。これを窒素雰囲気下、3時間室温で撹拌後、イソキノリンを触媒として加え、窒素気流下、200℃で3時間撹拌し、室温まで冷却すると高粘度の溶液が得られる。このポリイミド溶液を2−プロパノール中に再沈すると、白色の繊維状ポリマーが得られた。得られた溶液の還元粘度は、0.357であった。このポリマーをN−メチル−2−ピロリドンに加熱溶解、10質量%の溶液とし、清浄なシリコン基板上に塗布し、乾燥窒素雰囲気中、120℃で15分、350℃で1時間加熱することにより厚さ20.9μmのポリイミドフィルムが得られた。このフィルムをシリコン基板からはがし、面配向の値を測定したところ、0.628であった。また、熱膨張係数を測定したところ、62.3ppm/℃、このフィルムの複屈折Δn=0.0059(nTE=1.6361、nTM=1.6301)であった。このポリイミドは、式(1)を満たさず、光学等方性には優れるものの、面配向の値(Y)が大きく、寸法安定性が悪化し、位置ずれ、反りなどを生じる可能性が高いことが分かった。
本発明のポリイミドは、溶剤可溶性ポリイミドであって、633nm波長における複屈折の値(X)とIR測定から算出される面配向の値(Y)が、式(1) Y≦−1.49X+0.55かつ0≦X≦0.30を満足するものであることを特徴とするポリイミドは、溶剤を乾燥除去するだけで、容易に面配向する特徴を有しており、導体回路と光導波路が混載された複合配線板などにおいて導体回路の絶縁性不良をも発生し難く、Au−Sn半田における300℃以上においてポリイミドが軟化するなどによって変形し機能不全を招くことがなく、また、複屈折が小さいため、光学部品としての機能性を損なうことがないといった特性を兼ね備えた光学等方性、寸法安定性と低線膨張係数を兼ね備えたポリイミドであり、またガラス基板やケイ素基板の線膨張係数との差が小さいので、これらの基板上にそのようなポリイミドからなるクラッド層やコア層を形成した場合も、基板にカールが生じず基板と光導波路との剥離が生じ難く、光学材料特に光導波路として有用である。
半導体の実装技術を光導波路作成にそのまま用いることができ、位置ずれ、反りなどが少ない信頼性の高い光導波路を安価に作成することが可能であり、産業界に大きく寄与することが期待される。

Claims (4)

  1. 溶剤可溶性ポリイミドであって、該ポリイミドをフィルム状物とした際の633nm波長における複屈折の値(X)とIR測定から算出される面配向の値(Y)が、下記式(1)を満足するものであることを特徴とするポリイミド。
    Figure 2010254792
  2. ポリイミドのガラス転移温度が300℃以上である請求項1記載のポリイミド。
  3. 該ポリイミドをフィルム状物とした際の熱膨張係数が50ppm / ℃以下である請求項1または2いずれかに記載のポリイミド。
  4. 請求項1〜3いずれかに記載の光導波路用ポリイミド。
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