JP2013221914A - 導波路分光解析方法および装置 - Google Patents

導波路分光解析方法および装置 Download PDF

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Abstract

【課題】固体物質試料を、非破壊状態で表面近傍のナノメートルオーダーの配向状態を簡易に解析する手法を提供する。
【解決手段】固体被測定物を導波路基板に密着させ、波長200〜880nmの光を、導波路基板と固体被測定物との界面で複数回全反射させ、固体被測定物の分子の配向を解析する導波路分光解析方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、導波路分光解析方法およびその装置に関し、固体被測定物の表面の配向を光導波路分光法を用いて解析する方法および装置に関するものである。
近年、高分子薄膜の高機能化や液晶の支持体等の用途により、界面近傍の情報を得るべく研究が進められている。しかし、これまで簡便で且つ非破壊で表面近傍、界面近傍における光吸収スペクトルを測定できる方法がなかった。
固体物質のナノメートルオーダーの表面近傍の配向状態を、光を使って簡便に解析する手法はこれまでなかった。NEXAFなどX線を使ったかなり専門的な装置では可能であったが、高価であり、測定技術が必要であるので生産現場で簡便に用いることができない。
特許文献1には、エバネッセント波を利用した光吸収分光顕微鏡で、測定用のプリズム内で1回の全反射により生じるエバネッセント波を利用して、表面近傍又は界面近傍における光吸収スペクトルの二次元情報を得ることができる光吸収分光顕微鏡が記載されている。また、特許文献2には、プリズムからなる光導波路に被測定物質である固体表面を接触させ、エバネッセント波を利用して接触界面の面積を評価する方法が記載されている。
測定装置として、測定用の光導波路基板(プリズム等の吸光度測定のための光を通す基板)に、試料を直接蒸着、若しくは塗布して測定感度を上げ、エバネッセント波(全反射の際の染み出し光)により固体物質の最表面のみを測定する例は知られている。感度を上げるために基板に固体物質を蒸着または塗布して最表面を観察する場合は、実際の観察したい固体物質の系は測定できる表面とは異なっている。
特開2004−157031号公報 特開2006−266839号公報
特許文献1の方法では1回の吸収であり、被測定物によっては充分な感度を得ることができないという問題がある。
特許文献2の方法は、主として赤外線を用いる方法であり、被測定物質の固体表面の深さ方向の分解能はμmオーダーであり、nmオーダーでの配向状態を解析することはできなかった。このように、従来赤外領域の全反射で導波路分光法による表面特性の測定は、知られていたが、可視光域において多重に全反射を繰り返す光導波路分光法による被測定物質の固体表面のナノメートルオーダーの配向状態を解析することはできなかった。
そこで、本発明は、このような問題を解決する方法で、最適な光導波路の条件と光導波路基板を見出し、従来測定が困難であった固体物質試料でも、非破壊状態で表面近傍のナノメートルオーダーの配向状態を簡易に解析する方法を構築することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明は、固体被測定物を導波路基板に密着させ、波長200〜880nmの光を、導波路基板と固体被測定物との界面で複数回全反射させ、固体被測定物の分子の配向を解析する導波路分光解析方法および装置を提供する。
すなわち、本発明は以下の発明を提供する。
(1)固体被測定物を導波路基板に密着させ、波長200〜880nmの光を、前記導波路基板と固体被測定物との界面で複数回全反射させ、前記固体被測定物の分子の配向を解析する導波路分光解析方法。
(2)導波路基板が、ダイヤモンドまたはサファイヤである(1)に記載の導波路分光解析方法。
(3)複数回の全反射が、15回以上である(1)または(2)に記載の導波路分光解析方法。
(4)導波路基板の2つの主平面に対して、2つの固体被測定物を密着させる(1)〜(3)のいずれか1つに記載の導波路分光解析方法。
(5)固体被測定物の分子の配向の解析が、固体被測定物の表面から20〜30nmの深さまでの配向の解析である(1)〜(4)のいずれか1つに記載の導波路分光解析方法。
(6)密着させる方法が、ネジ機構による加圧密着である(1)〜(5)のいずれか1つに記載の導波路分光解析方法。
(7)上記(1)〜(6)のいずれか1つに記載の分子の配向を解析する方法が、フイルム製品の表面を検査する方法である(1)〜(6)のいずれか1つに記載の導波路分光解析方法。
(8)導波路基板と、固体被測定物を導波路基板に密着させる保持器と、
偏光子と、波長200〜880nmの光を、前記偏光子を介して前記導波路基板と固体被測定物との界面で複数回全反射させる光源と、前記複数回全反射させられた光を検出する手段と、を備える固体被測定物の分子の配向を解析する導波路分光解析装置。
(9)保持器が、上側保持具と下側保持具とその間を加圧密着させるネジ機構を備える(8)に記載の導波路分光解析装置。
本発明の方法または装置によれば、固体被測定物の表面近傍のナノメートルオーダーの配向状態を非破壊で、測定したいそのままの状態で簡易に解析することができる。
本発明の導波路分光解析方法を説明する模式図である。 本発明の導波路分光解析装置における、試料と保持具と導波路基板とを説明する模式図である。 図3(A)は、実施例1の測定結果を示すグラフである。図3(B)は実施例1の偏光方向と電場の振動の向きを示す図である。 ペンタセンの配向と分子軸とを示す図である。 実施例2および実施例3のS偏光S波の測定結果を示すグラフである。
本発明に係る導波路分光解析方法の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の固体被測定物の導波路分光解析装置の好適な一例を示す。本発明方法の実施はこれらの装置に限定されるものではない。
図1に示す装置は、光源30から200nm〜880nmの光を発光する。必要な場合はレンズ系を通しさらに偏光子32で偏光され、入射光3として導波路基板5へ入射する。固体被測定物である試料1は、好ましくは図1に示すように同じ表面状態を示す方向に切りだされた同一材試料1,11を導波路基板5の両面に接触し、両面で表面状態を評価すると測定精度をより高めることができる。導波路基板5に入射された入射光3は、固体被測定物と導波路基板5との界面で全反射を複数回繰り返す。全反射の際にエバネッセント波が固体被測定物に吸収される。検出器35で検出される出射光13の強度を、入射光3の強度と比較すると吸光度を求めることができる。
また、好ましくは検出器35で検出された測定値を演算し、解析し、表示できるコンピュータである解析装置37を備えるのが好ましい。
エバネッセント波は、全反射の際に発生し、その全反射角に応じてその染み込み深さを数十ナノメータから数百ナノメータまで変えることのできる光である。即ち、エバネッセント波は全反射した界面の反対側に染みだした光であって、その到達距離は凡そ波長オーダーで、その強度は界面から離れるに従って指数関数的に減少する。しかし波長の性質、波面の方向は保存されるため、界面近傍の物質の光吸収のスペクトル情報を得ることができるものである。このようなことから、エバネッセント波は超薄膜の内部状態から、積層された薄膜の界面情報、構造の欠陥、吸着物、機能等を光吸収の分光特性として表すことが可能となる。
光源は白色光等の一定の波長幅を持つ光又は特定の波長の光を用いることができる。波長は200〜880nmである、好ましくは210〜800nm、さらに好ましくは240〜800nmである。この範囲内であると固体被測定物のナノメートルオーダーの表面特性が解析できる。
光源装置としては、レーザー光源、キセノンランプ、ハロゲンランプ、水銀ランプ、パルスレーザーなどが好適に用いられる。
入射側レンズ系と導波路基板との間にロール回転可能な偏光子を配置してもよい。
導波路基板の材料は、測定される試料である固体被測定物の屈折率よりも高い屈折率の透明材料であれば限定されない。重フリントガラス、石英ガラス、サファイア、ダイヤモンド等を例示することができる。固体被測定物の屈折率が1.7以上である場合は単結晶ダイヤモンドが好ましい。また、液晶フィルムの分子などは、紫外領域(250‐300nm)に吸収を持つため、液晶フィルムの配向を解析するためには紫外領域が測定できる単結晶ダイヤモンドを用いるのが好ましい。
[好ましい単結晶ダイヤモンド導波路基板の特徴]
単結晶ダイヤモンド基板は、市販品を利用してもよい。導波路基板の形状に加工して用いる。材料として、例えばエレメントシックス(株)製の単結晶CVDダイヤモンドで低複屈折グレードのもの(ULB =Ultra Low Birefringence)を使用できる。以下に好適な条件を具体的に記載する。
1)好ましい導波路基板は、表面粗さがRa<10nmが好ましく、Ra<5nmがより好ましく、Ra<2nmが最も好ましい。さらに、平面だけでなく、斜めにカットした端面2ヶ所も研磨することが好ましい。表面粗さがこの範囲であると複数回の反射効率が高く測定感度が高い。特に後に説明する導波路基板の2つの主平面に対して、それぞれ2つの固体被測定物表面を密着させる方法では表面粗さがこの範囲以下であることが測定感度を大きく向上させる。
ダイヤモンド材料中の窒素含有量の好ましい範囲は10ppm以下が好ましく、1ppm以下がより好ましく、100ppb以下が最も好ましい。窒素含有量が大きいと、基板が少し赤色に見えてくる。これは、窒素によって紫外〜可視光が散乱され、長波である赤色の光は散乱されずに基板を透過するため、赤く見えると考えられる。窒素含有量が大きいと紫外領域に吸収を持つ液晶フィルムなどの測定ができなくなるため、窒素含有量はできる限り小さい方が好ましい。
2)単結晶ダイヤモンドの結晶方位は、導波路基板中を進行する光に対する複屈折を最小限にするため、平板面に対して垂直に切断したときの断面が[110]面であることが好ましい。
3)導波路基板の基板厚さは1mm以下が好ましく、0.4mm以下がより好ましく、0.2mm以下が最も好ましい。導波路基板が薄いと、全反射回数が増えるため、試料における吸収回数が増えて測定感度が向上する。
4)導波路基板の基板長さは5 mm以上が好ましく、7mm以上がより好ましく、9mm以上が最も好ましい。導波路基板が長い方が全反射回数が増えるため、試料の吸収回数が増えて測定感度が向上する。
5)導波路基板の幅は3mm以上が好ましく、4mm以上がより好ましく、5mm以上が最も好ましい。導波路基板の幅が大きいと、導波路基板の下半分を固定したときの残りの上半分が広くなり、測定できる領域に余裕ができるからである。
導波路基板は複数回の全反射が好ましくは10回以上、より好ましくは15回以上、さらに好ましくは20回以上となるように、入射光の波長に応じて導波路基板の長さを決定する。
本発明の方法では、導波路基板の入射光に波長200nm〜880nmの光を用いるので、測定したい固体被測定物表面をそのまま導波路基板に加圧密着させて表面近傍の好ましくは10〜100nm、より好ましくは20〜100nm、さらに好ましくは30〜100nmの深さ範囲の吸光に関連する情報を得ることができる。
検出器としては、測定精度が保障され、目的に合っていれば特に限定されるものではなく、光電子倍増管やCCDカメラが好適に用いられる。また、必要に応じて、レンズ系、分光器、干渉計、フィルターなどを用いてもよい。
本発明の方法では、導波路基板5の2つの主平面に対して、2つの固体被測定物である上側試料1と下側試料11とを密着させる方法が好ましい。同一出射光に対して同一配向を有する2つの表面近傍を同一測定回で測定できれば、測定精度をより高めることができ、高い感度を得ることができる。固体被測定物と導波路基板との間は密着させて測定される。例えば、図1に示される矢印方向に加圧力が働くようにする。
本発明の方法ではエバネッセント波のしみ出し長が数十 nmと短く、試料の密着条件が悪いと信号が得られないことがある。試料を両面から押さえつけると、片面に比べて吸収回数が増えるため、信号が増加することが予想されるが、一方で密着条件が変わるため、信号強度が増加するかどうかは不明であった。
導波路基板の2つの主平面に対して、それぞれ2つの固体被測定物表面を密着させる方法は、実際には、信号強度は上がるとしても試料を導波路基板に直接蒸着、若しくは塗布して測定感度を上げる場合に比較して密着させることによるノイズが本来大きい方法で、さらにノイズが増大することが予想されるので有効か否か不明であった。しかし、測定した結果、驚くべきことに非常に大きな信号強度を得ることができた。
次に図2に示す固体被測定物である試料の保持工程1および保持工程2を説明する。
固体被測定物である上側試料1は、例えば石英板等の上側試料用基板2上に接着し、保持工程1で図示する配置で積層する。すなわち導波路基板5の一方の主面に上側試料1と上側試料用基板2との積層体を密着させ、その上から上側ホルダ7をシリコンゴム板等の可とう性部材8を介して導波路基板5と密着させる。同様に導波路基板5の他方の面に下側試料11を密着させるために、下側試料11と例えば石英板等の下側試料用基板12をシリコンゴム板等の可とう性部材8を介して下側ホルダ9を積層し密着させる。
具体的には、図2の工程2に示すように、図示しない導波路基板ホルダを用いて導波路基板の下半分のみを固定する。試料の密着は導波路基板の上半分を用いるのが好ましい。
密着させる手段(保持器)は、図2の保持工程1、2に示す上側ネジ14と、下側ネジ孔15等の組合せで例示されるネジ機構を用いて加圧密着させるのが好ましい。
密着させる順序は、始めに、下側ホルダ9と可とう性部材8からなる下側保持具20と導波路基板5とを下側試料用基板12と下側試料11とを介してネジ機構により加圧密着させる。次に、上側ホルダ7と可とう性部材8からなる上側保持具10と導波路基板5とを上側試料用基板2と上側試料1とを介して別のネジ機構により加圧密着させる方法が、試料と導波路基板との密着性が高くなるので好ましい。
保持工程2に示すようにネジ機構を用いて密着させると矢印22で示す方向に加圧され、試料1の表面と導波路基板とが密着され固体被測定物を破壊することなく接触させるだけで試料表面、例えばフイルム液晶層の表面の数十ナノメートルに存在する微量な分子の配向の解析が可能である。図2の工程2ではそのような試料表面を点線で表示している。
S偏光またはP偏光と偏光を変えて測定を行う場合は、導波路基板に複屈折があると偏光が解消されて偏光に依存した測定ができないのでそのような測定をする場合は、例えば単結晶ダイヤモンド等の複屈折率10−6以下の材料の導波路基板を用いるのが好ましい。
また、入射光および出射光の角度を変えたり、両面の試料を90度回転させて測定を行う場合は、固体被測定物である試料を接触させた導波路基板5を、入射光に対して3次元のX−Y−Z方向に回転、移動させることができるマウント上に搭載して回転・移動可能に構成することが好ましい。
(実施例1)
面積7mm2、厚さ0.7mmの石英基板2枚に真空蒸着法により、ペンタセンを膜厚約80nmでそれぞれ蒸着し、試料とした。導波路基板は、以下の単結晶ダイヤモンドを用いた。
平板面および端面を研磨、Ra<2nmとした。
ダイヤモンドの窒素含有量は100ppbである。
平板面に対して垂直に切断したときの断面が[110]面であり、導波路基板長さ×基板厚さ×基板幅は、9mm×0.2mm×5mmとした。
1) 図1に示す測定装置を用いて、始めにレファレンス(Ref)を測定する。図2の工程1に示す、試料を導波路基板5に密着させない状態で光吸収スペクトルを測定して後に試料を密着させた状態での測定値を補正する。一方の端面から入射光3を入射させ、入射光3を導波路基板5中で、全反射角60度で全反射させながら導波させ、全反射回数約20回で、導波路基板の他方の端部から出射光13を出射し、検出器35である分光器で光強度スペクトルを検出してRef強度とする。
2) 次に、図2の工程1に示す下側保持具20と導波路基板5とを下側試料用基板12と下側試料11とを介して始めに密着させ、次に、上側保持具10と導波路基板5とを上側試料用基板2と上側試料1とを介して密着させた。密着はネジ機構を用いて行い試料の吸光スペクトルが鮮明に検出できる状態までネジを締めて矢印22方向に圧力をかけた。Ref強度の測定と同様に光強度スペクトルを検出して、Sig強度とする。Sig強度をRef強度で補正して試料の吸光度スペクトルとする。
3) 上記作業を、入射光の偏光状態がS偏光方向Mの場合とP偏光方向Mの場合、および両面の試料を90度回転させてS偏光方向N、P偏光方向Nと4パターンについて行った。電場の振動方向とこれらの方向M,Nとの関係を図3(B)に示す。
4) 4パターンの測定で得られた吸光度スペクトルを図3(A)に示す。
5) 以下に示す参考文献に記載される赤外ATRの3次元配向解析の式を用いて、ペンタセン蒸着膜の面内配向度 fxyおよび面外配向度 fzxを求めた。
詳細は以下の参考文献に記載される。
[1] 特開2004‐126109号公報
[2] P. A. Floumoy, and W. J. Schaffers, Spectrochimica Acta, 22, 5 (1966).
[3] Y. Hosoi, D. M. Deyra, K. Nakajima, and Y. Furukawa Mol. Cryst. Liq. Cryst., 491, 317-323 (2008).
面内配向度 fxy、面外配向度 fzxは、:
ここで、
であり、δは帰属に用いた吸収遷移モーメントの向きと、分子軸とのなす角度である。これを厳密に計算するには分子振動のモーメントの方向を調べる必要があるが、通常は分子軸に平行な振動モードと垂直なモードを選び、これをそれぞれ0°、90°として計算すれば十分配向性に関する情報が得られる。この配向係数は理論上、無配向の場合は0、観測方向に完全に配向している場合には1.0、逆に観測方向と直交している場合は−0.5となる。
試料の上記長手方向(x)、幅方向(y)、および厚み(z)方向の空間的な吸収係数、kx,ky,kzとすると、
の比が表わされる。
ここで、吸収係数 kx,ky,kzは次式で表される。
AsMは方向MでS偏光のときのピーク吸光度、AsNは方向NでS偏光のときのピーク波長における吸光度、ApMは方向MでP偏光のときのピーク吸光度、ApNは方向NでP偏光のときのピーク波長における吸光度である。
ここで、α、β、γは次式で表される。
ここで、n1は導波路基板の屈折率、n2は試料の屈折率、θは全反射の際の入射角である。
測定条件は、重水素+ハロゲンランプを用い210〜800nmの光源で、S波またはR波の偏光子を用い、単結晶ダイヤモンド導波路基板(9mm×5mm×0.2mm)を用い分光器(210〜800nm)で測定した。測定波長範囲は240〜800nm、深さ分解能は約26nmであった。
上記式に用いるパラメータとして、以下の値を用いた。
全反射角 θ=60°、n1=2.4、n2=1.8、AsMは方向MでS偏光のときの680nmにおける吸光度、AsNは方向NでS偏光のときの680nmにおける吸光度、ApMは方向MでP偏光のときのピーク波長680nmにおける吸光度、ApNは方向NでP偏光のときのピーク波長680nmにおける吸光度を用いた。
解析結果より、図4で示すように、面内配向度 fxy≒0となり、蒸着膜は面内に配向しないことと対応した。面外配向度 fzx≒0.9となり、ペンタセンは石英基板に対してほぼ垂直に配向する過去の報告と対応した(参考文献[3]参照)。
以上より、導波路分光法を用いて試料表面の分子配向を解析することができた。本発明の方法によれば、フィルムなどの試料表面数十nm深さに存在する微量な分子の配向解析が可能となる。またフィルム液晶層の表面数十nm程度深さに存在する液晶分子の配向解析が可能となる。
上記実施例の測定においては、面外配向が試料深さ方向にあり面内配向が0である薄膜試料を用いているので、上側試料と下側試料とを同一薄膜から調整して測定することができる。しかし、面内配向がある試料を測定するときは上側試料と下側試料との配向が増強し合うように互いの試料の測定面を切り出す必要がある。この場合は、予め導波路基板に一方の試料だけを密着させて配向を解析し、そのデータを用いて他方の試料を切り出すことができる。
また、面外配向が試料深さ方向にあり面内配向が0であることがわかっている樹脂フイルム製品等を用いて本発明の方法で、樹脂フイルムの分子のナノメートルオーダーの配向を解析して、その値から、液晶、有機EL、蒸着膜、表面処理膜、等の微量添加物、界面近傍の物質の配向情報、構造の欠損、吸着物、汚損等の情報を光吸収の分光特性として表すことが可能となる。簡易な手段で樹脂フイルムの製品表面近傍の検査、または評価をすることができる。
(実施例2)
上記実施例1と同様にPETフィルム上にペンタセン蒸着膜を作成し、ただし膜厚200nmとした試料を用いて、実施例1と同じ測定条件で、導波路基板の1つの面だけに試料を密着させて測定した。
(実施例3)
上記実施例2の試料を導波路基板の2つの面に2つの試料を密着させて測定し実施例3の測定結果を得た。
実施例2および実施例3のS波の測定結果を図5に示す。
導波路基板の2つの主平面に対して、それぞれ2つの固体被測定物表面を密着させる方法は、実際には、信号強度は上がるとしても試料を導波路基板に直接蒸着、若しくは塗布して測定感度を上げる場合に比較しても密着させることによるノイズが本来大きい方法で、さらにノイズが増大することが予想されるので有効か否か不明であった。しかし、測定した結果、驚くべきことに非常に大きな信号強度を得ることができた。
1 試料(上側試料)
11 試料(下側試料)
2 上側試料用基板
12 下側試料用基板
3 入射光
13 出射光
5 導波路基板
10 上側保持具
7 上側ホルダ
8 可とう性部材(シリコンゴム板)
9 下側ホルダ
20 下側保持具
14 上側ネジ
15 下側ネジ孔
22 圧力の方向
30 光源
32 偏光子
35 検出器
37 解析装置

Claims (9)

  1. 固体被測定物を導波路基板に密着させ、
    波長200〜880nmの光を、前記導波路基板と固体被測定物との界面で複数回全反射させ、前記固体被測定物の分子の配向を解析することを特徴とする導波路分光解析方法。
  2. 前記導波路基板が、ダイヤモンドまたはサファイヤである請求項1に記載の導波路分光解析方法。
  3. 前記複数回の全反射が、15回以上である請求項1または2に記載の導波路分光解析方法。
  4. 前記導波路基板の2つの主平面に対して、2つの前記固体被測定物を密着させる請求項1〜3のいずれか1項に記載の導波路分光解析方法。
  5. 前記固体被測定物の分子の配向の解析が、前記固体被測定物の表面から20〜30nmの深さまでの配向の解析である請求項1〜4のいずれか1項に記載の導波路分光解析方法。
  6. 前記密着させる方法が、ネジ機構による加圧密着である請求項1〜5のいずれか1項に記載の導波路分光解析方法。
  7. 前記請求項1〜6のいずれか1項に記載の分子の配向を解析する方法が、フイルム製品の表面を検査する方法である請求項1〜6のいずれか1項に記載の導波路分光解析方法。
  8. 導波路基板と、
    固体被測定物を導波路基板に密着させる保持器と、
    偏光子と、
    波長200〜880nmの光を、前記偏光子を介して前記導波路基板と固体被測定物との界面で複数回全反射させる光源と、
    前記複数回全反射した光を検出する手段と、を備える固体被測定物の分子の配向を解析する導波路分光解析装置。
  9. 前記保持器が、上側保持具と下側保持具とその間を加圧密着させるネジ機構を備える請求項8に記載の導波路分光解析装置。
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