JPH11166889A - Atr結晶支持構造 - Google Patents

Atr結晶支持構造

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JPH11166889A
JPH11166889A JP33413497A JP33413497A JPH11166889A JP H11166889 A JPH11166889 A JP H11166889A JP 33413497 A JP33413497 A JP 33413497A JP 33413497 A JP33413497 A JP 33413497A JP H11166889 A JPH11166889 A JP H11166889A
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JP
Japan
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atr crystal
atr
light
crystal
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JP33413497A
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English (en)
Inventor
Koji Masutani
浩二 増谷
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ST JAPAN KK
ST Japan Inc
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ST JAPAN KK
ST Japan Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 顕微ATR測定において、面分析を可能にす
ること。 【解決手段】 試料Sの表面に沿った方向にスライド移
動可能な試料台2と、試料Sの表面に接触する下面およ
び前記下面に平行な上面を有し且つ前記試料台2に支持
された平板状の下側ATR結晶27と、前記平板状の下
側ATR結晶27の上面とスライド移動可能に接触する
下面と球面または円筒面に形成された上面とを有し、前
記試料S表面に対する照明光および赤外光の入射光およ
び反射光の光路に配置された上側ATR結晶23と、前
記下側ATR結晶27の上面および上側ATR結晶23
の下面が接触した状態で、前記試料台2に保持された下
側ATR結晶27がスライド移動した際に前記上側AT
R結晶23を移動不能に支持する上側ATR結晶支持部
材3aとをそなえたATR結晶支持構造。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、顕微ATR光学系
で使用されるATR結晶支持構造に関し、特に、試料の
面測定(マッピング測定)が可能なATR結晶支持構造
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、前記顕微ATR光学系として次の
技術(J01)が知られている。 (J01)図3に示す技術 図3は従来の顕微ATR光学系の説明図である。図3に
おいて、顕微ATR光学系Uは、中央部に光通過孔01
aが形成された凹面鏡01と、前記凹面鏡01に対向し
て配置され、前記光通過孔01aを通過した光束である
孔通過光束Lの通路に配置された凸面鏡02を有してい
る。前記凸面鏡02は、凸面に形成されたガラス上面の
中央部02aを除いたリング状の周辺部に形成されたア
ルミ蒸着膜の反射凸面02bを有している。前記凸面鏡
02の前記中央部02aの下方には凸レンズ03が配置
されている。前記凸レンズ03下方にはATR結晶04
が配置されており、ATR結晶04はATR結晶支持部
材05により支持されている。前記ATR結晶下面は試
料Sの表面に密着している。
【0003】前記符号01〜04により顕微ATR光学
系Uが構成されている。前記従来の顕微ATR光学系U
では、前記赤外光の孔通過光束Lのうち、前記凸面鏡0
2で反射しさらに前記凹面鏡01で反射した赤外光は前
記ATR結晶04下面に収束し、可視光の孔通過光束L
のうち、前記中央部02aおよび前記凸レンズ03を通
過した可視光は前記ATR結晶下面よりも下方に収束す
るようになっている。前記従来の顕微ATR光学系Uに
より顕微ATR測定を行う場合、最初に可視光を使用す
る観察モードにより、前記ATR結晶04下面から試料
Sを離した状態で試料Sの測定位置を定めてから、試料
SとATR結晶04下面とを密着させてATR顕微赤外
分光法により分析を行う。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】(J01)の問題点 前記ATR顕微赤外分析では、ATR結晶下面に測定用
の試料表面を密着させ、その密着部分での赤外光の全反
射を利用している。このため、ATR結晶下面と試料と
の密着は正確なデータを測定するために非常に重要にな
る。近年、この赤外光の全反射を利用するATR顕微赤
外分析において、試料表面の各部を測定する面測定(マ
ッピング測定)を行う要求がでてきた。しかし、前記A
TR結晶下面と試料表面とが密着しているため、ATR
結晶を移動させずに試料のみを移動させることが困難で
あるため、前記面測定を実現することは困難であった。
【0005】本発明は、前述の事情に鑑み、下記の記載
内容(O01)を課題とする。 (O01)顕微ATR測定において、面測定を可能にする
こと。
【0006】
【課題を解決するための手段】次に、前記課題を解決す
るために案出した本発明の構成を説明するが、本発明の
構成要素には、後述の実施例の構成要素との対応を容易
にするため、実施例の構成要素の符号をカッコで囲んだ
ものを付記している。なお、本発明を後述の実施例の符
号と対応させて説明する理由は、本発明の理解を容易に
するためであり、本発明の範囲を実施例に限定するため
ではない。
【0007】(本発明)前記課題を解決するために、本
発明のATR結晶支持構造は、下記の要件を備えたこと
を特徴とする。 (A01)目視による試料観察のための可視光である照明
光および赤外分光分析用の赤外光の収束位置に試料
(S)を保持するとともに試料(S)の表面に沿った方
向にスライド移動可能な試料台(2)、(A02)前記試
料(S)の表面に接触する下面および前記下面に平行な
上面を有し且つ前記試料台(2)に支持された平板状の
下側ATR結晶(27)、(A03)前記平板状の下側A
TR結晶(27)の上面とスライド移動可能に接触する
下面と球面に形成された上面とを有し、前記試料(S)
表面に対する前記照明光および赤外光の入射光および反
射光の光路に配置された上側ATR結晶(23)、(A
04)前記下側ATR結晶(27)の上面および上側AT
R結晶(23)の下面が接触した状態で、前記試料台
(2)に保持された下側ATR結晶(27)がスライド
移動した際に前記上側ATR結晶(23)を移動不能に
支持する上側ATR結晶支持部材(3a)。
【0008】(本発明の作用)前記構成を備えた本発明
のATR結晶支持構造では、試料台(2)は、目視によ
る試料観察のための可視光である照明光や赤外分光分析
用の赤外光の収束位置に試料(S)を保持する。前記試
料(S)の表面には、前記試料台(2)に支持された平
板状の下側ATR結晶(27)の下面が接触する。前記
下側ATR(27)の上面には、上側ATR結晶(2
3)の下面がスライド移動可能に接触する。前記上側A
TR結晶(23)の上面は、球面に形成されており、前
記上側ATR結晶(23)および下側ATR結晶(2
7)によりATR結晶が構成される。上側ATR結晶支
持部材(3a)は、前記下側ATR結晶(27)の上面
および上側ATR結晶(23)の下面が接触した状態
で、前記試料台(2)に保持された下側ATR結晶(2
7)がスライド移動した際に前記上側ATR結晶(2
3)を移動不能に支持する。
【0009】前記上側ATR結晶(23)は、前記試料
(S)表面に対する前記照明光および赤外光の入射光お
よび反射光の光路に配置される。したがって、前記照明
光および赤外光は前記上側ATR結晶(23)および下
側ATR結晶(27)を通って、前記試料(S)表面に
入射し、試料(S)表面からの反射光は前記下側ATR
結晶(27)および上側ATR結晶(23)を通って出
て行く。この反射光のうち、可視光である照明光の反射
光により目視による観察を行うことができ、また、赤外
光の反射光によりATR分析を行うことができる。ま
た、前記試料台(2)は、前記試料(S)の表面に沿っ
た方向にスライド移動可能である。前記試料台(2)を
前記試料(S)の表面に沿った方向にスライド移動させ
たとき、前記上側ATR結晶(23)は移動しないが、
前記下側ATR結晶(27)および試料(S)は試料
(S)の表面に沿った方向に移動する。このため、AT
R分析法による、試料(S)の面測定(マッピング測
定)を行うことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】(本発明の実施の形態1)本発明
のATR結晶支持構造の実施の形態1は、前記本発明の
ATR結晶支持構造において、下記の要件を備えたこと
を特徴とする、(A05)前記下側ATR結晶(27)お
よび上側ATR結晶(23)の接触面に配置され、前記
下側および上側ATR結晶(23)とほぼ同様の光屈折
率を有する液体状潤滑剤。
【0011】(本発明の実施の形態1の作用)本発明の
ATR結晶支持構造の実施の形態1では、前記下側AT
R結晶(27)および上側ATR結晶(23)の接触面
には、前記下側および上側ATR結晶(23)とほぼ同
様の光屈折率を有する液体状潤滑剤が配置される。した
がって、試料台(2)をXY平面内でスムースに移動さ
せることができる。前記試料台(2)を移動させること
により試料(S)を移動させて、試料(S)への赤外光
(L2)の入射位置を変えながら顕微ATR測定を行う
ことができる。また、前記液体潤滑剤により、前記下側
ATR結晶(27)および上側ATR結晶(23)の接
触面での光の反射を減少させて、試料(S)からの反射
光中に前記接触面からの反射光が多く入らないようにす
ることができる。このため、試料(S)からの反射する
可視光(L1)の観察および赤外光(L2)による顕微分
析を容易に且つ正確に行うことができる。
【0012】(本発明の実施の形態2)本発明のATR
結晶支持構造の実施の形態2は、前記本発明または本発
明の実施の形態1のATR結晶支持構造において、下記
の要件を備えたことを特徴とする、(A06)前記下側A
TR結晶(27)の上面および前記上側ATR結晶(2
3)の下面をスライド移動可能に接触させるATR接触
用弾性部材、前記本発明の実施の形態2において、前記
ATR接触用弾性部材は、下側ATR結晶(27)を持
ち上げて前記上側ATR結晶(23)に弾性的に押圧す
るATR接触用弾性部材(24)により構成したり、逆
に上側ATR結晶(23)を下方に押圧して下側ATR
結晶(27)に弾性的に押圧する部材により構成するこ
とが可能である。
【0013】(本発明の実施の形態2の作用)本発明の
ATR結晶支持構造の実施の形態2では、ATR接触用
弾性部材(24)は、前記下側ATR結晶(27)の上
面および前記上側ATR結晶(23)の下面をスライド
移動可能に接触させる。前記ATR接触用弾性部材(2
4)の弾性力を適当に設定しておくことにより、前記ス
ライド移動を滑らかに行わせることができる。
【0014】(本発明の実施の形態3)本発明のATR
結晶支持構造の実施の形態3は、前記本発明の実施の形
態2のATR結晶支持構造において、下記の要件を備え
たことを特徴とする、(B07)試料(S)の下部を支持
する試料下部支持部材(26)と、前記上側ATR結晶
(23)の下面に対向する上面および試料(S)の上面
に接触する下面を有し且つ前記試料下部支持部材(2
6)に支持された平板状の前記下側ATR結晶(27)
とを有し、前記試料台(2)に着脱可能に支持された試
料ホルダ(H)、(B08)前記試料下部支持部材(2
6)を上方に持ち上げて、前記下側ATR結晶(27)
の上面を前記上側ATR結晶(23)の下面に接触させ
るATR接触用弾性部材(24)。
【0015】(本発明の実施の形態3の作用)本発明の
ATR結晶支持構造の実施の形態3では、前記試料台
(2)に着脱可能に支持された試料ホルダ(H)の試料
下部支持部材(26)は試料(S)の下部を支持し、前
記試料下部支持部材(26)に支持された平板状の下側
ATR結晶(27)は、その下面が試料(S)の上面に
接触し且つ上面が前記上側ATR結晶(23)の下面に
スライド移動可能に接触して配置される。ATR接触用
弾性部材(24)は、前記試料下部支持部材(26)を
上方に持ち上げて、前記下側ATR結晶(27)の上面
を前記上側ATR結晶(23)の下面に接触させる。
【0016】(本発明の実施の形態4)本発明のATR
結晶支持構造の実施の形態4は、前記本発明または本発
明の実施の形態1ないし3のいずれかのATR結晶支持
構造において、下記の要件を備えたことを特徴とする、
(A09)前記下側ATR結晶(27)の上面および前記
上側ATR結晶(23)の下面が接触した状態では前記
上側ATR結晶(23)の上面の球面の中心位置が前記
下側ATR結晶(27)の下面に配置されるように形成
された前記下側ATR結晶(27)および上側ATR結
晶(23)。
【0017】(本発明の実施の形態4の作用)本発明の
ATR結晶支持構造の実施の形態4では、前記下側AT
R結晶(27)および上側ATR結晶(23)は、前記
下側ATR結晶(27)の上面および前記上側ATR結
晶(23)の下面が接触した状態では前記上側ATR結
晶(23)の上面の球面の中心位置が前記下側ATR結
晶(27)の下面に配置されるように形成される。この
ため、前記上側ATR結晶(23)の上面の球面の中心
位置において、前記下側ATR結晶(27)下面に接触
する試料(S)の表面のATR分析を高精度で行うこと
ができる。
【0018】
【実施例】次に図面を参照しながら、本発明のATR結
晶支持構造の実施例(実施の形態の具体例)を説明する
が、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。 (実施例1)図1は本発明のATR結晶支持構造の一実
施例の説明図である。図2は前記図1の要部拡大図で、
図2Aは要部説明図、図2Bは前記図2Aの要部拡大図
である。図1、図2において、顕微ATR測定装置1
は、試料台2を有している。試料台2は水平なXY平面
内で移動可能なXYステージにより構成されている。試
料台2には試料ホルダHが着脱自在に装着されるように
なっている。試料ホルダHには試料Sが保持されてい
る。
【0019】前記試料台2の下方には第1カセグレン型
光学系4が配置されている。第1カセグレン型光学系4
の下方には透過測定用ミラー5が配置されている。前記
透過測定用ミラー5は、透過測定を行う場合に、側方か
ら入射する測定用赤外光L(図1の点線参照)を上方に
反射する部材である。
【0020】前記試料台2の上方には外筒部材3に支持
された第2カセグレン型光学系6が配置されている。図
2において、第2カセグレン型光学系は、中央部に光通
過孔7aが形成された凹面鏡7と、前記凹面鏡7に対向
する凸面8aを有し、前記光通過孔7aを通過した光束L
(すなわち、孔通過光束L)の通路に配置された凸レン
ズ8を有している。前記凸レンズ8の凸面8aには、可
視光L1を透過させるが赤外光L2を反射する赤外光反射
膜9が形成されている。
【0021】前記凹面鏡7は、前記孔通過光束Lのう
ち、前記赤外光反射膜9で反射した赤外光L2を反射し
て、前記凸レンズ8の前記凸面8aとは反対側(すなわ
ち、試料S側)で且つ前記孔通過光束の中心線(光軸)
上の赤外光収束位置(試料Sが配置されている位置、す
なわち試料位置)に収束させる。前記凸レンズ8の凸面
8aの外周縁は円周P1により形成されており、前記凸面
8a上の円周P2で反射して次に前記凹面鏡7で反射した
赤外光L2は、前記円周P1の外側を通って試料Sに入射
している。前記凸レンズ8は、前記孔通過光束Lのうち
前記凸レンズ8を透過した可視光L1が収束する可視光
収束位置が前記赤外光収束位置(試料Sが配置されてい
る位置、すなわち試料位置)と同一位置となるように形
成されている。
【0022】また前記凸レンズ8は、前記凸面8aの円
周P1よりも内側に入射し前記凸レンズ8を透過して前
記可視光収束位置(すなわち、試料位置)に収束する可
視光L1の断面円形の光束の外周縁を形成する可視光L1
と前記凸面8aの前記円周P2の外側で反射しさらに前記
凹面鏡7で反射して前記赤外光収束位置(すなわち、試
料位置)に収束する赤外光L2の断面リング状の光束の
内周縁を形成する赤外光L2とは前記凸面8aへの入射位
置が同一で且つ同一の収束位置に同一の入射角度で入射
するように形成されている。この場合、前記図2から分
かるように、前記凸レンズ8の側面は前記赤外光L2の
断面リング状の光束の内周面と同一形状を有しており、
且つ黒色の塗料により無反射面に形成されている。そし
て、前記凸面8aの同一位置(円周P2)に入射した可視
光L1および赤外光L2の、前記試料Sへの入射位置およ
び入射角が同一となっている。このように形成された凸
レンズ8を透過する可視光L1を使用して前記試料Sを
観察する場合の倍率と、前記凸面8aおよび凹面鏡7を
反射する赤外光L2を使用して試料Sを測定する場合の
倍率とは、同一となる。
【0023】図1において、前記第2カセグレン光学系
6の上方には可変スリット11が配置され、その上方に
は光路中および光路から外れた位置の間で位置調節可能
な移動ミラー12が配置されている。移動ミラー12の
右方にはミラー13が配置され、ミラー13の上方には
第3カセグレン光学系14、MCT検知器15が配置さ
れている。前記可変スリット11の下方には光路中およ
び光路から外れた位置の間で移動可能なハーフミラー1
6が配置され、ハーフミラー16の右方には分析したい
前記試料ホルダーH上の付着試料Sの位置を目視によっ
て決めるための照明用光源17が配置されている。
【0024】前記ハーフミラー16の下方には光路中お
よび光路から外れた位置の間で移動可能なハーフミラー
18が配置され、ハーフミラー18の右方には分光され
た赤外光を出射する分光赤外光光源19が配置されてい
る。前記分光赤外光源19はマイケルソン干渉計を用い
て構成されている。前記移動ミラー12の上方には、光
路中および光路から外れた位置の間で位置調節可能な移
動ミラー21が配置されている。移動ミラー21は、光
路中に移動したときには下方からの可視光を接眼レンズ
22に向けて反射するミラーである。なお、移動ミラー
21の上方には、可視光L1の撮影用のカメラ(図示せ
ず)が配置されており、前記カメラで撮影する場合には
前記移動ミラー21は光路から外れた位置に移動させら
れる。
【0025】図2において、外筒部材3の下端部に設け
た上側ATR結晶支持部材3aにより上側ATR結晶2
3が支持されている。前記上側ATR結晶23は半球状
のATR結晶の平面部分をある厚さだけ切り落とした形
状である。前記水平なXY平面内で移動可能なXYステ
ージにより構成された試料台2には、試料Sを保持する
試料ホルダHが板バネ(ATR接触用弾性部材)24に
より持上げられている。試料ホルダHは試料下部支持部
材26と、前記試料下部支持部材26上面に支持された
試料Sの上面に密着する下側ATR結晶27と、下側A
TR結晶27を支持する下側ATR支持部材28と、前
記下側ATR支持部材28を前記試料下部支持部材26
に固定する固定部材29により構成されている。
【0026】前記下側ATR結晶27は、前記上側AT
R結晶23の前記切り落した部分の厚さを有する平板状
の部材である。したがって、下側ATR結晶27の上面
と上側ATR結晶23の下面とが接触した状態では、前
記上側ATR結晶23の球面部分を延長して前記下側A
TR結晶27の下面と交わる線は円形であり、且つ前記
上側ATR結晶23と、その球面部分を延長した面によ
り切り取られる前記下側ATR結晶27の切り取られた
部分とを合わせたものは半球体となる。前記下側ATR
結晶27は前記下側ATR支持部材28に、接着されて
いる。
【0027】前記板バネ24により、試料ホルダHが持
上げられているため、前記下側ATR結晶27の上面は
前記上側ATR結晶23下面に接触(光学的接触、オプ
ティカルコンタクト)している。前記下側ATR結晶2
7の上面にはATR結晶とほぼ同じ屈折率の潤滑用液体
(図示せず)が塗布されており、前記互いに接触する下
側ATR結晶27の上面および前記上側ATR結晶23
下面には前記潤滑用液体が充填されている。前記潤滑用
液体により前記下側ATR結晶27上面と前記上側AT
R結晶23下面との摩擦係数が低い値に保持されるの
で、前記試料台2をXY平面内で移動させたとき、前記
下側ATR結晶27は、前記上側ATR結晶23下面に
接触した状態で滑らかに移動することができる。前記A
TR結晶の材料としては、ダイヤモンド以外に、ZnSe
(ジンクセレノイド)、ZnS(ジンクサルファ)等が
使用される。また、前記ATR結晶の材料として可視光
を透過させず赤外光のみを透過させる材料、例えばゲル
マニウムまたはシリコンなども使用可能である。また、
前記潤滑用液体としては、ハイドロカーボン(液体炭化
水素)等のシリコーンオイル、液体フッ素化合物、加熱
された液体状のイオウ等を使用することが可能である。
【0028】(実施例1の作用)試料Sの赤外光L2に
よる顕微ATR測定および可視光L1による観察を行う
際、試料Sを保持した試料ホルダHを前記試料台2に装
着する。赤外光L2による試料Sの顕微ATR測定を行
う前に、まず、可視光L1による観察を行う。その際、
前記図1に示す赤外光反射用の移動ミラー12および移
動可能なハーフミラー18は光路(光軸)から外れた位
置に移動させる。その状態で、照明用光源17からの可
視光L1を、第2カセグレン光学系6の前記孔通過光束
7a上方から下方に通過させ、前記凸面8aに入射させ
る。
【0029】図1、図2において、前記凸面8a上の前
記P2を通る円周よりも内側に入射した可視光L1は凸レ
ンズ8内部を透過し、さらに、前記上側ATR結晶23
および下側ATR結晶27を通って試料Sに入射する。
この場合、可視光L1は、小さな入射角で前記上側AT
R結晶23へ入射するので、全反射することはない。前
記試料Sに入射した可視光L1は試料Sで反射し、次に
再び、前記下側ATR結晶27および上側ATR結晶2
3を通り、さらに前記凸レンズ8を通って前記光束通過
孔7aを下方から上方に通過する。この可視光L1は前記
図1に示すハーフミラー16、可変スリット11、移動
ミラー21、および接眼レンズ22を通って観察者Nの
目に入射する。したがって観察者Nは、凸レンズ8の前
記円周P2の内側を通る可視光L1により、試料Sの表面
を観察することができるので、比較的明るく歪みの少な
い試料像を観察することができる。
【0030】次に赤外光L2による試料Sの顕微ATR
測定を行う際には前記移動可能な赤外光反射用のハーフ
ミラー18および移動ミラー12は光路中に配置され、
可視光反射用のハーフミラー16は光路から外れた位置
に移動される。この状態で赤外光光源19からの赤外光
(測定光)L2をハーフミラー18で反射させて、第2
カセグレン光学系6の前記孔通過光束7a上方から下方
に通過させ、前記凸面8aに入射させる。図2におい
て、前記凸面8aの円周P2の外側で且つ円周P1の内側
のリング状部分で反射した赤外光L2は次に凹面鏡7で
反射し、さらに、前記上側ATR結晶23および下側A
TR結晶27を通って試料Sに入射する。前記試料Sに
入射した赤外光L2は試料Sに大きな入射角で入射する
ので、全反射する。
【0031】この試料Sで全反射した赤外光L2は試料
の成分に応じた波長の光が吸収される。前記試料Sで全
反射した赤外光L2は、次に再び前記下側ATR結晶2
7および上側ATR結晶23を通って凹レンズ7、凸面
8aで反射されて前記光束通過孔7aを下方から上方に通
過する。この赤外光L1は前記ハーフミラー18、可変
スリット11を通り、移動ミラー12で反射して、ミラ
ー13で反射し、第3カセグレン光学系14を通って、
MCT検知器15に入射する。前記MCT検知器15に
入射した赤外光L2の赤外光の波長スペクトルまたは波
数スペクトルを検出することにより前記試料Sの顕微A
TR測定を行うことがてきる。
【0032】前述のように、可視光L1は試料Sに垂直
な方向から入射するので、可視光の入射角は小さい。こ
のため、可視光による試料Sの観察を行うことができ
る。また、赤外光は試料Sに斜めの方向から入射するの
で赤外光の入射角は大きく試料S表面で全反射する。こ
のため、赤外光による試料Sの顕微ATR測定を行うこ
とができる。また、試料台2をXY平面内で移動させる
ことにより試料Sを移動させて、試料Sへの赤外光の入
射位置を変えながら顕微ATR測定を行うことができ
る。このため、試料Sの面測定(面分析)を行うことが
できる。
【0033】(変更例)以上、本発明の実施例を詳述し
たが、本発明は、前記実施例に限定されるものではな
く、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内
で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更
実施例を下記に例示する。 (H01)本発明のATR結晶支持構造は、従来公知の顕
微ATR光学系(例えば前記図3に示す光学系)でも使
用可能である。 (H02)前記実施例1および2において、凸レンズ8上
面の凸面8aの円周P2の外側に赤外光反射膜9を形成す
る代わりに、全波長の光を反射する光反射膜を形成する
ことが可能である。 (H03)前記実施例1および2において、凸レンズ8上
面の凸面8aの円周P2の内側赤外光反射膜9を形成する
代わりに、赤外光反射膜9を省略することが可能であ
る。 (H04)前記板ばね(ATR接触用弾性部材)24は試
料台2と試料ホルダHとの間に設けることも可能である
が、試料ホルダH内部に設けることが可能である。その
場合には前記試料下部支持部材26を支持する部材を試
料ホルダHに設け、その保持する部材と前記試料下部支
持部材26との間に前記板ばね24を設けることが可能
である。なお、前記ATR接触用弾性部材としては板バ
ネ24の代わりに他の弾性部材を使用することが可能で
ある。 (H05)上側ATR結晶23の上面の球面の中心位置
に、前記下側ATR結晶27の下面が配置されることが
好ましいが、多少ずれていてもATR分析を行うことは
可能である。
【0034】
【発明の効果】前記構成を備えた本発明は下記の効果を
奏する。 (E01)顕微ATR測定において、面測定を行えるよう
にすること。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明のATR結晶支持構造の一実施
例の説明図である。
【図2】 図2は前記図1の要部拡大図で、図2Aは要
部説明図、図2Bは前記図2Aの要部拡大図である。
【図3】 図3は従来の顕微ATR光学系の説明図であ
る。
【符号の説明】
L…孔通過光、L1…可視光、L2…赤外光、7…凹面
鏡、7a…光通過孔、8…凸面鏡、8a…凸面、9…光反
射膜、

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の要件を備えたATR結晶支持構
    造、(A01)目視による試料観察のための可視光である
    照明光および赤外分光分析用の赤外光の収束位置に試料
    を保持するとともに試料の表面に沿った方向にスライド
    移動可能な試料台、(A02)前記試料の表面に接触する
    下面および前記下面に平行な上面を有し且つ前記試料台
    に支持された平板状の下側ATR結晶、(A03)前記平
    板状の下側ATR結晶の上面とスライド移動可能に接触
    する下面と球面に形成された上面とを有し、前記試料表
    面に対する前記照明光および赤外光の入射光および反射
    光の光路に配置された上側ATR結晶、(A04)前記下
    側ATR結晶の上面および上側ATR結晶の下面が接触
    した状態で、前記試料台に保持された下側ATR結晶が
    スライド移動した際に前記上側ATR結晶を移動不能に
    支持する上側ATR結晶支持部材。
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