JP2006306597A - 給紙装置の分離装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 重送及び不送りを防止し、分離ローラより送出された用紙を傾斜部材の傾斜部の斜面に突き当てながら分離し、摩擦力を小さくすることで、用紙とのスティッキングスリップに起因する振動を抑えることで異常音を防止する画像成形装置に使用する給紙装置の分離装置を提供する。
【解決手段】 用紙を積載する給紙カセット本体10から用紙を1枚毎に分離・搬送する画像成形装置に使用する給紙装置の分離装置において、最上位の用紙Sに圧接して用紙を送り出す分離ローラ12と、さらにこの分離ローラ12に圧接して用紙進入経路方向に対し、用紙先端へ抵抗を与える傾斜部11aを備えた傾斜部材11を設ける。
【選択図】 図1
【解決手段】 用紙を積載する給紙カセット本体10から用紙を1枚毎に分離・搬送する画像成形装置に使用する給紙装置の分離装置において、最上位の用紙Sに圧接して用紙を送り出す分離ローラ12と、さらにこの分離ローラ12に圧接して用紙進入経路方向に対し、用紙先端へ抵抗を与える傾斜部11aを備えた傾斜部材11を設ける。
【選択図】 図1
Description
本発明は、ファクシミリ、プリンタ、複写機等の画像成形装置において、積載された原稿または記録紙を1枚毎に分離搬送する給紙装置の分離装置に関するものである。
画像成形装置に装備される給紙装置には、積載手段上に積載された原稿または記録紙を給紙する際に一枚ずつに分離して重送及び不送りを防止するための重送及び不送り防止機構が装備される(例えば、特許文献1乃至4参照)。
このような重送及び不送り防止機構としては、特許文献1及び2に見られるように、フリクションパッドと分離ローラとのニップ部を通紙させることで複数枚の用紙を1枚に分離して搬送させる機構が一般的に採用されている。
特許文献2に見られるように、フリクションパッドと分離ローラはフリクションパッド受け台に設けられ、かつ、用紙積載カセットの用紙出口の延長線上にレイアウトされることから、分離ローラの外径が大きくなり、給紙装置自体が大きくなってしまう欠点がある。
図9は従来のフリクションパッド分離部を示す斜視図である。図9では、受け台1にフリクションパッド2が貼付されている。このフリクションパッド2はスプリング3によって分離ローラ4に押し付けられ、それらの間にニップ部5を形成している。
この分離方式は摩擦係数の高いフリクションパッド2と分離ローラ4にて直接加圧し、分離ローラ4の回転とともにスティッキングスリップによる振動が発生し、異常音が発生する機構として知られている。フリクションパッド2の摩擦係数を小さくすることで異常音は解決されるが、副作用として重送が発生してしまう。
このような分離装置では、用紙を確実に分離させるためにフリクションパッドと分離ローラ間の摩擦係数を比較的大きく取る方法と、加圧させてニップ圧を大きく取る方法を用いて、用紙の重送を防止している。
しかし、このような方法で摩擦係数またはニップ圧を大きくすると、ニップ部において振動によるビビリが発生し紙鳴りによる異常音が発生してしまう。なお、この異常音を防止させるために摩擦係数またはニップ圧を小さくすると、副作用として不送り(不給紙)が発生してしまう。
また、重送と不送りは摩擦係数とニップ圧の関係以外に用紙のコシ(比重、表面性等)の影響も重なり、分離装置によっては、使用できる用紙を制限させている場合もある。
また、特許文献1においては、材質の異なった2種類の分離パッドを採用していることから、2種類の分離パッドの貼付隙間に用紙先端が引っ掛かり、不給紙が発生してしまう。
特開平9−315607号公報
特開平10−167501号公報
特開2002−347965公報
特開平9−267936号公報
このような重送及び不送り防止機構としては、特許文献1及び2に見られるように、フリクションパッドと分離ローラとのニップ部を通紙させることで複数枚の用紙を1枚に分離して搬送させる機構が一般的に採用されている。
特許文献2に見られるように、フリクションパッドと分離ローラはフリクションパッド受け台に設けられ、かつ、用紙積載カセットの用紙出口の延長線上にレイアウトされることから、分離ローラの外径が大きくなり、給紙装置自体が大きくなってしまう欠点がある。
図9は従来のフリクションパッド分離部を示す斜視図である。図9では、受け台1にフリクションパッド2が貼付されている。このフリクションパッド2はスプリング3によって分離ローラ4に押し付けられ、それらの間にニップ部5を形成している。
この分離方式は摩擦係数の高いフリクションパッド2と分離ローラ4にて直接加圧し、分離ローラ4の回転とともにスティッキングスリップによる振動が発生し、異常音が発生する機構として知られている。フリクションパッド2の摩擦係数を小さくすることで異常音は解決されるが、副作用として重送が発生してしまう。
このような分離装置では、用紙を確実に分離させるためにフリクションパッドと分離ローラ間の摩擦係数を比較的大きく取る方法と、加圧させてニップ圧を大きく取る方法を用いて、用紙の重送を防止している。
しかし、このような方法で摩擦係数またはニップ圧を大きくすると、ニップ部において振動によるビビリが発生し紙鳴りによる異常音が発生してしまう。なお、この異常音を防止させるために摩擦係数またはニップ圧を小さくすると、副作用として不送り(不給紙)が発生してしまう。
また、重送と不送りは摩擦係数とニップ圧の関係以外に用紙のコシ(比重、表面性等)の影響も重なり、分離装置によっては、使用できる用紙を制限させている場合もある。
また、特許文献1においては、材質の異なった2種類の分離パッドを採用していることから、2種類の分離パッドの貼付隙間に用紙先端が引っ掛かり、不給紙が発生してしまう。
したがって、異常音、重送及び不送りを解決させるために、特許文献3のようにフリクションパッド受け台の中央部分を切り欠いて摩擦面を削減しながら中央部分と両端部のエッジ効果にて分離させる方式が考えられているが、エッジ効果の副作用として用紙先端部へエッジ傷を発生させてしまう欠点がある。
なお、中央部を除く両端部にフリクションパッドを貼付するため、2枚のフリクションパッドが必要となり、部品コスト及び作業工数が増加してしまう欠点がある。
また、特許文献4のように、フリクションパッドの材質を用紙給紙上流側と下流側で異なった材質を採用する方法も考えられているが、やはりフリクションパッドの部品コストが増大してしまう。
そこで、本発明の目的は、重送及び不送りを防止し、分離ローラより送出された用紙を傾斜部材の傾斜部の斜面に突き当てながら分離し、摩擦力を小さくすることで、用紙とのスティッキングスリップに起因する振動を抑えることで異常音を防止する画像成形装置に使用する給紙装置の分離装置を提供することにある。
なお、中央部を除く両端部にフリクションパッドを貼付するため、2枚のフリクションパッドが必要となり、部品コスト及び作業工数が増加してしまう欠点がある。
また、特許文献4のように、フリクションパッドの材質を用紙給紙上流側と下流側で異なった材質を採用する方法も考えられているが、やはりフリクションパッドの部品コストが増大してしまう。
そこで、本発明の目的は、重送及び不送りを防止し、分離ローラより送出された用紙を傾斜部材の傾斜部の斜面に突き当てながら分離し、摩擦力を小さくすることで、用紙とのスティッキングスリップに起因する振動を抑えることで異常音を防止する画像成形装置に使用する給紙装置の分離装置を提供することにある。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、用紙を積載する給紙カセット本体から用紙を1枚毎に分離・搬送する画像成形装置に使用する給紙装置の分離装置において、最上位の用紙に圧接して用紙を送り出す分離ローラと、さらにこの分離ローラに圧接して用紙進入経路方向に対し、用紙先端へ抵抗を与える傾斜部を備えた傾斜部材を設ける給紙装置の分離装置を特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、前記傾斜部材が、一定の折り曲げ角度を有する形状である請求項1記載の給紙装置の分離装置を特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、前記傾斜部材が、用紙カセットの用紙出口のほぼ延長線上に設ける請求項1記載の給紙装置の分離装置を特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、前記傾斜部材の形状を用紙が前記分離ローラと前記傾斜部を通過するさいに用紙と前記傾斜部材のエッジ部分との接触部が用紙の進行と加圧力に伴って変化する請求項1記載の給紙装置の分離装置を特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、前記傾斜部材の形状が底辺両端から等角度で頂点に至る台形形状に形成されている請求項1記載の給紙装置の分離装置を特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、前記傾斜部材はその上面から下面に到る複数の貫通穴を備えている請求項1記載の給紙装置の分離装置を特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、前記傾斜部材が、一定の折り曲げ角度を有する形状である請求項1記載の給紙装置の分離装置を特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、前記傾斜部材が、用紙カセットの用紙出口のほぼ延長線上に設ける請求項1記載の給紙装置の分離装置を特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、前記傾斜部材の形状を用紙が前記分離ローラと前記傾斜部を通過するさいに用紙と前記傾斜部材のエッジ部分との接触部が用紙の進行と加圧力に伴って変化する請求項1記載の給紙装置の分離装置を特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、前記傾斜部材の形状が底辺両端から等角度で頂点に至る台形形状に形成されている請求項1記載の給紙装置の分離装置を特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、前記傾斜部材はその上面から下面に到る複数の貫通穴を備えている請求項1記載の給紙装置の分離装置を特徴とする。
本発明によれば、重送及び不送りを防止し、分離ローラより送り出された用紙は傾斜部材の傾斜部の斜面に突き当たりながら分離されるため、摩擦力を小さくすることができ、したがって、用紙とのスティッキングスリップに起因する振動を抑えることで異常音の防止ができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は画像形成装置の給紙に使用する本発明による給紙装置の分離装置を示す概略斜視図である。図1の実施の形態では、給紙カセット本体10の給紙方向先導側適所に一定の折り曲げ角度を設けた傾斜部材11を、ねじ、接着等の適宜の方法で取り付けている。給紙カセット本体10はスプリング14によって上向きに付勢された底板15を備え、底板15上に図示しない用紙束を積載する。また、給紙カセット本体10が分離ローラ12と対向する部分は上向きに突出した突出部10aとなっており、この突出部10aに所定角度に屈曲した略へ字状の弾性板材から成る傾斜部材11が添設されている。
なお、分離ローラ12の上流側には図示しないピックアップコロを設け、このピックアップコロが用紙束の上面に接して回転することにより最上部の用紙を分離部に送り出すようにしてもよいし、図示の例のように分離ローラ12自体が用紙をピックアップするように構成してもよい。
一定の折り曲げ角度を設けた傾斜部材11は、ニップ部13を通過する用紙を、その弾性力にて分離ローラ12へ圧接させることが可能となるので、部品点数を削減することが可能となる。
この傾斜部材11は分離ローラ12に当接してこれを加圧し、それらの間にニップ部13を形成する構成となっている。給紙カセット本体10内のスプリング14は底板15上に積載された用紙に上昇圧力を付与する。
なお、分離ローラ12の上流側には図示しないピックアップコロを設け、このピックアップコロが用紙束の上面に接して回転することにより最上部の用紙を分離部に送り出すようにしてもよいし、図示の例のように分離ローラ12自体が用紙をピックアップするように構成してもよい。
一定の折り曲げ角度を設けた傾斜部材11は、ニップ部13を通過する用紙を、その弾性力にて分離ローラ12へ圧接させることが可能となるので、部品点数を削減することが可能となる。
この傾斜部材11は分離ローラ12に当接してこれを加圧し、それらの間にニップ部13を形成する構成となっている。給紙カセット本体10内のスプリング14は底板15上に積載された用紙に上昇圧力を付与する。
図2は図1の分離装置の用紙分離部の動作を説明する概略図である。図1及び図2において、給紙カセット本体10の底板15上に積載された用紙Sは、スプリング14の加圧力と回転する分離ローラ12の搬送力によって最上位の用紙または複数枚の用紙Sが傾斜部材11まで搬送される。
傾斜部材11に突き当たった複数枚の用紙の先端は、スプリング14の加圧力と回転する分離ローラ12の搬送力によって、傾斜部材11の傾斜部11aに用紙先端が当接しながら傾斜部材11と分離ローラ12の間に形成されたニップ部13へ向かって傾斜部材11の傾斜部11aを登って行く。
このとき、分離ローラ12と用紙最上位の1枚目との間に摩擦が発生し、用紙最上位の1枚目と2枚目の間には用紙間の摩擦が発生する。したがって、分離ローラ12の搬送力により繰り出された用紙Sは、傾斜部材11の傾斜部11aに当接したときに、最上位の1枚目だけが矢印で示す下流方向へ傾斜部11aを登りながら搬送され、2枚目以降の用紙は傾斜部11aで阻止される。
分離かつ搬送された最上位の1枚目の用紙Sは分離ローラ12と傾斜部材11との間に形成されたニップ部13へ進入する。ここで、傾斜部材11の加圧力と回転する分離ローラ12の搬送力によって、さらに下流へ搬送される。
用紙は用紙分離の条件式、
μ1>μ2>μ3
ここで、
μ1=給紙ローラ(分離ローラ)12と用紙間の摩擦係数、
μ2=用紙間の摩擦係数、
μ3=用紙間の摩擦係数の差
が成り立つように分離ローラ12の材質と傾斜部材11の角度を設定する。
図3は用紙に傾斜部の斜面より作用する力を説明する概略図である。図3において、Pは分離圧、Rは用紙を戻そうとする力、rは斜面の垂直応力、そしてθは傾斜部11aの斜面の角度を示している。
用紙が傾斜部11aの斜面に作用する力は不給紙の場合、
(μ1−μ2)×P>R
重送の場合、
μ3×P>R
である条件式が成り立つように分離圧Pと傾斜部材11の屈曲部の角度を設定する。
分離ローラ12と傾斜部11aとの圧接面は、分離ローラ12と傾斜部材11の極く狭い範囲のニップ部13にて形成されることから、傾斜部材11の平面度が達成していなければ、ニップ幅が確保できず、不給紙が発生する可能性がある。
傾斜部材11は、板金プレス部品またはプラスチック成形部品のどちらでも対応可能であるが、平面度を達成させるために高度な加工技術を必要としてしまう欠点がある。
そこで、本発明では、分離ローラ12と傾斜部材11からなるニップ部13の面積を、傾斜部材の弾性変形を利用することで充分に確保が可能となり、用紙を分離するための摩擦効果を向上させられることから、用紙の搬送品質を保証することが可能となる。
傾斜部材11は、板金プレス部品またはプラスチック成形部品を利用した長方形の厚みを持ったソリッド形状をしており、エッジ部分が鋭利に形成されている場合がある。
図4は用紙を分離するための傾斜部材を示す斜視図である。図4の本発明による傾斜部材11は傾斜部11aと、傾斜部11aから屈曲して横方向へ延びる下流側の取付け部11bと、を有し、傾斜部11aを含む傾斜部材11は例えば発泡体から作られ、その材料は合成ゴム、ポリウレタン、エチレン、ジエン、プロピレンシリコン、フロロピレン等から選ばれるどのような材質を用いても良い。
ただし、傾斜部材11は、給紙カセット本体(図2参照)への取り付けのための取付け部分11bを有し、この取付け部分11bは傾斜部11aと一体でもよく、また、前述したように、別個の板金またはプラスチック成型品であってもよく、ネジ止め、貼り付け等で給紙カセットの適所に固定される。
なお、傾斜部材11の傾斜角度θは給紙カセットのサイズ、ならびに分離ローラ(図示せず)の外径により自由に設定することができる。しかし、図3に関連して前述した用紙分離の条件式にて不給紙と重送の条件設定にて算出する。
この場合、前記傾斜部材11は、給紙カセット本体10の用紙出口10b(図2参照)のほぼ延長線上に設けられる。用紙カセット10の用紙出口10bから傾斜部材11までの距離は限りなく近くまでレイアウトすることが可能となることから、分離ローラ12を含め、給紙装置自体が小さくなり、製品本体のデザインやレイアウト条件に合わせられる。
図5はエッジ部分を有する傾斜部材全体を示す概略斜視図である。図6は傾斜部材のエッジ部分の形状を示す概略図である。図7は傾斜部材を示す断面図である。図8は傾斜部材の傾斜部の上面図である。
図5において、傾斜部材11には多数の貫通穴11c及びエッジ部分11dが示されている。図6において、傾斜部材11の形状は点線で示す底辺両端から等角度で頂点に至る台形形状に形成されている。傾斜部材11のエッジ部分11dの角度は自由に設定可能である。また、曲線形状でも可能である。
図5に示すようにエッジ部分11dに角度を付けて鋭利性をなくすと、傾斜部材11のエッジと用紙との接触圧が弱くなることから用紙に対する損傷を抑えることが可能となる。
図7に示すような傾斜部材11の上面から下面までの貫通穴11cの数量は分離する対象となる用紙の摩擦抵抗に応じて自由に設定することができる。なお、貫通穴11cの大きさは、使用する用紙から発生する紙粉の性質により設定するものとする。
従来の画像成形装置における給紙装置の分離装置は、分離ローラ12と傾斜部11aからなるニップを利用して用紙を搬送する機構である。したがって、長期間連続使用すると用紙の紙粉が分離ローラ12に付着し、分離ローラ表面の摩擦係数が著しく低下することは避けられない。そこで、一般ユ−ザに定期的に清掃してもらうことが必要となっている。
本発明によれば、分離ローラ12表面及び傾斜部材11a表面に付着した用紙の紙粉を貫通穴11cに落し込むことで自動的に清掃することが可能となり、一般ユーザに定期清掃をしてもらう必要が無くなる。
傾斜部材11に突き当たった複数枚の用紙の先端は、スプリング14の加圧力と回転する分離ローラ12の搬送力によって、傾斜部材11の傾斜部11aに用紙先端が当接しながら傾斜部材11と分離ローラ12の間に形成されたニップ部13へ向かって傾斜部材11の傾斜部11aを登って行く。
このとき、分離ローラ12と用紙最上位の1枚目との間に摩擦が発生し、用紙最上位の1枚目と2枚目の間には用紙間の摩擦が発生する。したがって、分離ローラ12の搬送力により繰り出された用紙Sは、傾斜部材11の傾斜部11aに当接したときに、最上位の1枚目だけが矢印で示す下流方向へ傾斜部11aを登りながら搬送され、2枚目以降の用紙は傾斜部11aで阻止される。
分離かつ搬送された最上位の1枚目の用紙Sは分離ローラ12と傾斜部材11との間に形成されたニップ部13へ進入する。ここで、傾斜部材11の加圧力と回転する分離ローラ12の搬送力によって、さらに下流へ搬送される。
用紙は用紙分離の条件式、
μ1>μ2>μ3
ここで、
μ1=給紙ローラ(分離ローラ)12と用紙間の摩擦係数、
μ2=用紙間の摩擦係数、
μ3=用紙間の摩擦係数の差
が成り立つように分離ローラ12の材質と傾斜部材11の角度を設定する。
図3は用紙に傾斜部の斜面より作用する力を説明する概略図である。図3において、Pは分離圧、Rは用紙を戻そうとする力、rは斜面の垂直応力、そしてθは傾斜部11aの斜面の角度を示している。
用紙が傾斜部11aの斜面に作用する力は不給紙の場合、
(μ1−μ2)×P>R
重送の場合、
μ3×P>R
である条件式が成り立つように分離圧Pと傾斜部材11の屈曲部の角度を設定する。
分離ローラ12と傾斜部11aとの圧接面は、分離ローラ12と傾斜部材11の極く狭い範囲のニップ部13にて形成されることから、傾斜部材11の平面度が達成していなければ、ニップ幅が確保できず、不給紙が発生する可能性がある。
傾斜部材11は、板金プレス部品またはプラスチック成形部品のどちらでも対応可能であるが、平面度を達成させるために高度な加工技術を必要としてしまう欠点がある。
そこで、本発明では、分離ローラ12と傾斜部材11からなるニップ部13の面積を、傾斜部材の弾性変形を利用することで充分に確保が可能となり、用紙を分離するための摩擦効果を向上させられることから、用紙の搬送品質を保証することが可能となる。
傾斜部材11は、板金プレス部品またはプラスチック成形部品を利用した長方形の厚みを持ったソリッド形状をしており、エッジ部分が鋭利に形成されている場合がある。
図4は用紙を分離するための傾斜部材を示す斜視図である。図4の本発明による傾斜部材11は傾斜部11aと、傾斜部11aから屈曲して横方向へ延びる下流側の取付け部11bと、を有し、傾斜部11aを含む傾斜部材11は例えば発泡体から作られ、その材料は合成ゴム、ポリウレタン、エチレン、ジエン、プロピレンシリコン、フロロピレン等から選ばれるどのような材質を用いても良い。
ただし、傾斜部材11は、給紙カセット本体(図2参照)への取り付けのための取付け部分11bを有し、この取付け部分11bは傾斜部11aと一体でもよく、また、前述したように、別個の板金またはプラスチック成型品であってもよく、ネジ止め、貼り付け等で給紙カセットの適所に固定される。
なお、傾斜部材11の傾斜角度θは給紙カセットのサイズ、ならびに分離ローラ(図示せず)の外径により自由に設定することができる。しかし、図3に関連して前述した用紙分離の条件式にて不給紙と重送の条件設定にて算出する。
この場合、前記傾斜部材11は、給紙カセット本体10の用紙出口10b(図2参照)のほぼ延長線上に設けられる。用紙カセット10の用紙出口10bから傾斜部材11までの距離は限りなく近くまでレイアウトすることが可能となることから、分離ローラ12を含め、給紙装置自体が小さくなり、製品本体のデザインやレイアウト条件に合わせられる。
図5はエッジ部分を有する傾斜部材全体を示す概略斜視図である。図6は傾斜部材のエッジ部分の形状を示す概略図である。図7は傾斜部材を示す断面図である。図8は傾斜部材の傾斜部の上面図である。
図5において、傾斜部材11には多数の貫通穴11c及びエッジ部分11dが示されている。図6において、傾斜部材11の形状は点線で示す底辺両端から等角度で頂点に至る台形形状に形成されている。傾斜部材11のエッジ部分11dの角度は自由に設定可能である。また、曲線形状でも可能である。
図5に示すようにエッジ部分11dに角度を付けて鋭利性をなくすと、傾斜部材11のエッジと用紙との接触圧が弱くなることから用紙に対する損傷を抑えることが可能となる。
図7に示すような傾斜部材11の上面から下面までの貫通穴11cの数量は分離する対象となる用紙の摩擦抵抗に応じて自由に設定することができる。なお、貫通穴11cの大きさは、使用する用紙から発生する紙粉の性質により設定するものとする。
従来の画像成形装置における給紙装置の分離装置は、分離ローラ12と傾斜部11aからなるニップを利用して用紙を搬送する機構である。したがって、長期間連続使用すると用紙の紙粉が分離ローラ12に付着し、分離ローラ表面の摩擦係数が著しく低下することは避けられない。そこで、一般ユ−ザに定期的に清掃してもらうことが必要となっている。
本発明によれば、分離ローラ12表面及び傾斜部材11a表面に付着した用紙の紙粉を貫通穴11cに落し込むことで自動的に清掃することが可能となり、一般ユーザに定期清掃をしてもらう必要が無くなる。
11 傾斜部材、11a 傾斜部、11b 取り付け部分、11d エッジ部分、11c 貫通穴、10 給紙カセット本体、12 分離ローラ、13 ニップ部、S 用紙
Claims (6)
- 給紙カセット本体に積載された用紙束から送り出された用紙を1枚毎に分離する分離装置において、最上位の用紙に圧接して用紙を送り出す分離ローラと、さらにこの分離ローラに圧接して用紙進入経路方向に対し、用紙先端へ抵抗を与える傾斜部を備えた傾斜部材と、を備えたことを特徴とする給紙装置の分離装置。
- 前記傾斜部材は、板材を略へ字状に屈曲させた形状であることを特徴とする請求項1記載の給紙装置の分離装置。
- 前記傾斜部材は、前記用紙カセット本体の用紙出口のほぼ延長線上に設けたことを特徴とする請求項1記載の給紙装置の分離装置。
- 前記傾斜部材の形状を、用紙が前記分離ローラと前記傾斜部とのニップ部を通過する際に、用紙と前記傾斜部材のエッジ部分との接触部が用紙の進行と加圧力に伴って変化するように構成したことを特徴とする請求項1記載の給紙装置の分離装置。
- 前記傾斜部材の形状は底面両端から等角度で上面に至る台形形状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の給紙装置の分離装置。
- 前記傾斜部材はその上面から下面に貫通する複数の貫通穴を備えていることを特徴とする請求項1記載の給紙装置の分離装置。
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---|---|---|---|
JP2005133262A JP2006306597A (ja) | 2005-04-28 | 2005-04-28 | 給紙装置の分離装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010001122A (ja) * | 2008-06-19 | 2010-01-07 | Ricoh Co Ltd | 給紙装置、画像形成装置、及び給紙方法 |
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2005
- 2005-04-28 JP JP2005133262A patent/JP2006306597A/ja active Pending
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JP2010001122A (ja) * | 2008-06-19 | 2010-01-07 | Ricoh Co Ltd | 給紙装置、画像形成装置、及び給紙方法 |
US7992860B2 (en) | 2008-06-19 | 2011-08-09 | Ricoh Company, Ltd. | Sheet feeding device, image forming apparatus, and sheet feeding method |
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