JP2006303131A - ダイヤモンド半導体の製造方法及びダイヤモンド半導体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ダイヤモンド基板上にガス中の窒素濃度/炭素濃度を0.1%以上5.0%以下の窒素添加条件で0.1μm以上の膜厚のダイヤモンド成長を行ったあと、続けて、燐添加条件でのダイヤモンド成長を行うことを特徴とするダイヤモンド半導体の製造方法及びそれによって得られたダイヤモンド半導体である。
【選択図】なし
Description
(1)キャリア移動度が大きく、高速動作が期待できる。
(2)ワイドバンドギャップ(5eV以上)であり、500℃以上の温度でも破壊されず動作することが期待される。
(3)熱伝導率が銅の5倍と大きく、発生した熱を素早く逃がすことができる。
(4)耐放射線性が高く、超LSIで問題となるα線によるソフトエラーが少なくなることが予想される。
(5)単元素材料であり、化合物半導体に特有な構造欠陥の問題が避けられる。
等の優れた特性を有し、従来の半導体では対応出来ない高速デバイスや、厳しい使用環境での使用が期待されている。
(a)単結晶化技術、
(b)n型のドーピング
(c)回路形成技術
等が今後解決すべき主な課題である。
本発明は、このような問題点に鑑みて、創案されたものであり、Pドープのn型ダイヤモンドを{100}基板上に成長させる安価な方法を提供するものである。
(1)ダイヤモンド基板上にガス中の窒素濃度/炭素濃度を0.1%以上5.0%以下の窒素添加条件で0.1μm以上の膜厚のダイヤモンド成長を行ったあと、続けて、燐添加条件でのダイヤモンド成長を行うことを特徴とするダイヤモンド半導体の製造方法。
(2){100}から10度以下傾斜したダイヤモンド基板上でダイヤモンド成長を行うことを特徴とする、前記(1)記載のダイヤモンド半導体の製造方法。
(3){100}から<110>±10度以内の方向へ、10度以下傾斜したダイヤモンド基板上でダイヤモンド成長を行うことを特徴とする前記(1)記載のダイヤモンド半導体の製造方法。
(5)平均周期0.5μm以下の周期的層状に燐がドープされた領域を含むn型ダイヤモンドであることを特徴とするダイヤモンド半導体。
(6)層状に燐がドープされた領域を含むダイヤモンドエピタキシャル膜であって、ドープされた領域が基板主面に対して1度以上60度以下傾斜した層であることを特徴とする、前記(5)に記載のダイヤモンド半導体。
なお、基板のオフ方位は、1度以上10度以下が好ましいが、より好ましくはオフ方位は<110>方位でオフ角2度以上5度以下であることが好ましい。
窒素添加条件ではステップバンチングによる大きなステップが形成される。(図1、高さ方向は拡大している)このステップの高さや間隔は、基板の方位ずれや成膜条件により異なる。大きなステップの斜面は一般的には低指数面では表せなく凸凹の大きな面となっている(図1下)が、ここでの成長では成長様式が{100}とは異なるためPが膜中に取り込まれる。その結果、図2(ここでも高さ方向は拡大している)に示したように、断面が平行な縞状となり、結果的に平行な層状のPがドープされた領域を含むn型のダイヤモンドエピタキシャル膜を得ることができる。このような縞状領域はステップ斜面での成長とテラスでの成長の競合により形成されるが、基板主面に対しての傾きが大きくなると、層の上下間隔が大きくなり層間の導通が悪くなるため、60度以下であることが望ましい。
実施例1
基板としては、{100}から<110>方向(±2度以内)に3±1度傾いた3mm×3mmの基板を使用した。これに加茂らによる、いわゆる無機材研型のマイクロ波プラズマCVD法により、まず窒素添加条件でダイヤモンドエピタキシャル膜の成長を行った。導入ガスは CH4、H2、N2(H2中に1%希釈)で、それぞれ2.5sccm、500sccm、2.5sccm、成膜中のガス圧力は60Torrである。基板温度は870度で、10分の成膜を行った。成膜した膜厚は0.15μmと推定した。
この後、同じマイクロ波プラズマCVD装置を用いて、Pドープの成長を行った。導入ガスはCH4(H2中に10%希釈)、H2、PH3 (H2中に1%希釈)で、それぞれ5sccm、500sccm、1sccm、成膜中のガス圧力は100Torrとし、膜厚約2.5μm成膜した。
試料の4隅にTi/Pt/Au電極を形成しvan der Pauw法によるAC磁場ホール測定を実施した。抵抗率は、均質な膜と仮定した数値として、室温において6×103Ωcm、100℃において4×102Ωcmであり、後者の測定においてはn型の判定を得た。
基板としては、{100}から<110>方向(±2度以内)に5±1度傾いた3mm×3mmの基板を使用した。これに加茂らによる、いわゆる無機材研型のマイクロ波プラズマCVD法により、まず窒素添加条件でダイヤモンドエピタキシャル膜の成長を行った。導入ガスは CH4、H2、N2(H2中に1%希釈)で、それぞれ1sccm、500sccm、1sccm、成膜中のガス圧力は60Torrである。基板温度は870度で、10分の成膜を行った。成膜した膜厚は0.1μmと推定した。
窒素添加条件での成膜後に、その表面を原子間力顕微鏡で観察したところ、概ね20nm〜30nm間隔で1〜2nm高さのステップが平行に形成されていることを観察した。
マイクロプローバーを用いて、4探針法により抵抗率を測定し、均質な膜として抵抗率の推定を行った。
4探針をオフ方向(ステップに垂直)に並べた場合は、室温で、3×102Ωcm、100℃において2×102Ωcmであった。一方、オフに垂直方向(ステップに平行)に並べた場合は、室温で、2×102Ωcm、100℃において1×102Ωcmであった。
基板としては、{100}から<100>方向(±3度以内)に2±1度傾いた4mm×4mmの基板を使用した。無機材研型のマイクロ波プラズマCVD法により、まず窒素添加条件でダイヤモンドエピタキシャル膜の成長を行った。導入ガスは CH4、H2、N2(H2中に1%希釈)で、それぞれ2.5sccm、500sccm、1sccm、成膜中のガス圧力は60Torrである。基板温度は870度で、20分の成膜を行った。成膜した膜厚は0.2μmと推定した。
試料の4隅にTi/Pt/Au電極を形成しvan der Pauw法によるAC磁場ホール測定を実施した。抵抗率は、均質な膜と仮定した数値として、室温において1.5×104Ωcm、100℃において7×102Ωcmであり、後者の測定においてはn型の判定を得た。
実施例1のPドープ条件と同じ条件で、{100}からの傾斜が0.3度以内である基板に成膜した。ただし、窒素添加条件での予備成膜は実施せず、マイクロ波プラズマCVD装置を用いて、導入ガスはCH4(H2中に10%希釈)、H2、PH3 (H2中に1%希釈)で、それぞれ5sccm、500sccm、1sccm、成膜中のガス圧力は100Torrとし、膜厚約5μm成膜した。
試料の4隅にTi/Pt/Au電極を形成しvan der Pauw法によるAC磁場ホール測定を実施したが抵抗率が高く測定できなかった。
基板としては、{100}から<100>方向(±3度以内)に4±1度傾いた基板を使用した。これに無機材研型のマイクロ波プラズマCVD法により、まず窒素添加条件でダイヤモンドエピタキシャル膜の成長を行った。導入ガスは CH4、H2、N2(H2中に1%希釈)で、それぞれ2.5sccm、500sccm、2.5sccm、成膜中のガス圧力は60Torrである。基板温度は870度で、4時間の成膜を行った。成膜した膜厚は5μmと推定した。
この後、同じマイクロ波プラズマCVD装置を用いて、Pドープの成長を行った。導入ガスはCH4(H2中に10%希釈)、H2、PH3 (H2中に1%希釈)で、それぞれ5sccm、500sccm、1sccm、成膜中のガス圧力は100Torrとし、膜厚約5μm成膜した。試料の4隅にTi/Pt/Au電極を形成したが、抵抗率が高く測定できなかった。
マイクロプローバーで、2端子測定を行ったところ、導通性を示す領域と絶縁性を示す領域が細かく分布していることがわかった。
Claims (6)
- ダイヤモンド基板上にガス中の窒素濃度/炭素濃度を0.1%以上5.0%以下の窒素添加条件で0.1μm以上の膜厚のダイヤモンド成長を行ったあと、続けて、燐添加条件でのダイヤモンド成長を行うことを特徴とするダイヤモンド半導体の製造方法。
- {100}から10度以下傾斜したダイヤモンド基板上でダイヤモンド成長を行うことを特徴とする請求項1記載のダイヤモンド半導体の製造方法。
- {100}から<110>±10度以内の方向へ、10度以下傾斜したダイヤモンド基板上でダイヤモンド成長を行うことを特徴とする請求項1記載のダイヤモンド半導体の製造方法。
- ダイヤモンド基板上に窒素添加条件で0.1μm以上の膜厚のダイヤモンド成長を行い高さ1nm以上10nm以下のステップバンチを形成させた後に続けて、燐添加条件でのダイヤモンド成長を行うことを特徴とするダイヤモンド半導体の製造方法。
- 平均周期0.5μm以下の周期的層状に燐がドープされた領域を含むn型ダイヤモンドであることを特徴とするダイヤモンド半導体。
- 層状に燐がドープされた領域を含むダイヤモンドエピタキシャル膜であって、ドープされた領域が基板主面に対して1度以上60度以下傾斜した層であることを特徴とする、請求項5に記載のダイヤモンド半導体。
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