JP2006302954A - 半導体受光素子および該半導体受光素子の製造方法 - Google Patents

半導体受光素子および該半導体受光素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 微弱な光を検出する際に、高い検出効率と低い暗計数率を有する半導体受光素子および該半導体受光素子の製造方法を提供する。
【解決手段】 半導体受光素子10は、第1導電型増倍領域13と、第2導電型領域12とを備える。第1導電型増倍領域13と接するように第2導電型増倍領域12は形成されている。第1導電型増倍領域13は、不純物濃度が1×1014cm-3以上5×1015cm-3以下である。第2導電型増倍領域12は、不純物濃度が第1導電型増倍領域13の不純物濃度よりも高く、かつ厚みが0.2μm以上3.0μm以下である。第2導電型領域12の不純物濃度は、好ましくは5×1015cm-3以上8×1017cm-3以下である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体受光素子および該半導体受光素子の製造方法に関し、より特定的には、微弱な光を受信し、高い検出効率と低い暗計数率を有する半導体受光素子および該半導体受光素子の製造方法に関する。
従来、光子検出装置においてAPD(avalanche photodiode、アバランシェフォトダイオード)が知られている(たとえば、非特許文献1参照)。
非特許文献1には、APDを用いた単一光子検出装置の動作方式として、ガイガーモードにより単一光子を検出することが開示されている。
Gauri Karve,et al., "Geiger Mode Operation of an In0.53Ga0.47As-In0.52Al0.48As Avalanche Photodiode",App. IEEE JOURNAL OF QUANTUM ELECTRONICS, Vol. 39, No. 10, OCTOBER 2003 pp.1281-1286
しかしながら、上記文献に開示されたようにガイガーモードでAPDを動作させる場合、検出効率と暗計数率には比例関係がある。そのため、検出効率を増加させると、暗計数率が増大してしまうという問題点があった。また、ガイガーモードを課したAPDを用いた光子検出装置に関しては、上記文献に示されるような増倍領域の材料を改良する方法以外は、まだ研究が進んでいない。
それゆえ本発明の目的は、微弱な光を検出する際に、高い検出効率と低い暗計数率を有する半導体受光素子および該半導体受光素子の製造方法を提供することである。
この発明に従った半導体受光素子は、第1導電型増倍領域と、第2導電型領域とを備える。第1導電型増倍領域と接するように第2導電型増倍領域は形成されている。第1導電型増倍領域は、不純物濃度が1×1014cm-3以上5×1015cm-3以下である。第2導電型増倍領域は、不純物濃度が前記第1導電型増倍領域の不純物濃度よりも高く、かつ厚みが0.2μm以上3.0μm以下である。
このように、本発明によれば、微弱な光を検出する際に、高い検出効率を維持すると共に、暗計数率を低減することができる。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰り返さない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1による半導体受光素子を示す断面図である。図1を参照して、実施の形態1による半導体受光素子を説明する。実施の形態1による半導体受光素子10は、たとえば、基板11と、第2導電型領域12と、第1導電型増倍領域13と、第1導電型電界緩和層14と、第1導電型遷移層15と、第1導電型吸収層16と、第1導電型窓層17と、表面電極101と、表面保護膜102と、裏面電極103とを備えている。
基板11は、p型のInPからなる。第2導電型領域12は、基板11の主表面上に形成されている。第2導電型領域12は、厚みW12が1μmで、不純物濃度が5×1015cm-3〜8×1017cm-3で、p型のInPからなる。第1導電型増倍領域13は、第2導電型領域12の表面上に形成される。第1導電型増倍領域13は、厚みW13が0.5μm〜5.0μmであり、不純物濃度が1×1014cm-3〜5×1015cm-3で、n型のInPからなる。第1導電型電界緩和層14は、第1導電型増倍領域13の表面上に形成される。第1導電型電界緩和層14は、厚みW14が0.02μm〜0.40μmであり、不純物濃度が1×1016cm-3〜1×1017cm-3で、n型のInPからなる。第1導電型遷移層15は、第1導電型電界緩和層14の表面上に形成される。第1導電型遷移層15は、厚みW15が0.12μmであり、不純物濃度が1×1014cm-3〜5×1015cm-3で、n型のGaInAsPからなる。第1導電型吸収層16は、第1導電型遷移層15の表面上に形成される。第1導電型吸収層16は、厚みW16が1.0μm〜5.0μmであり、不純物濃度が1×1014cm-3〜5×1015cm-3で、n型のGaInAsからなる。第1導電型窓層17は、第1導電型吸収層16の表面上に形成される。第1導電型窓層17は、厚みW17が0.50μmであり、不純物濃度が1×1018cm-3〜1×1021cm-3で、n型のInPからなる。
次に、半導体受光素子10の動作方法について説明する。表面電極101に相対的に正の電圧を印加し、裏面電極103に相対的に負の電圧を印加して、半導体受光素子10に逆バイアス電圧を加える。このとき、ブレークダウン電圧(降伏電圧)以上の電圧を印加し、ガイガーモードを動作させる。この状態で、検出したい微弱な光を入射すると、第1導電型吸収層16で光子を吸収し、電子・正孔対(キャリア)を生成する。生成したキャリアのうちいずれか一方が、第1導電型増倍領域13に流入する。第1導電型増倍領域13において、流入したキャリアはイオン化して新たなキャリアを生成する。新たに生成されたキャリアは、さらにイオン化を引き起こし、キャリアが雪崩的に増倍するアバランシェ増倍現象により、多数のキャリアを生成する。よって、微弱な光が検出される。
この際、第2導電型領域12は、第1導電型増倍領域13とpn接合を形成している。そのため、第1導電型増倍領域13に高電界を印加する作用を有する。よって、アバランシェ増倍現象を促進する。
ブレークダウン電圧とは、実効的に無限大の出力DC電流を与える時のDC電圧を意味する。一般的に、ブレークダウン電圧以上の電圧を長時間印加すると、半導体受光素子10は破壊される。しかし、ブレークダウン電圧より高い電圧を与えるパルス時間が10ns程度に短時間であれば、暗計数に伴う電流が流れるのは、確率的に流れる場合のみである。ガイガーモードを半導体受光素子10に課すことにより、増倍率を10000程度またはそれ以上に増加し、光吸収に伴う電圧変化を増幅することができる。そのため、ガイガーモードを課した半導体受光素子10は、単一光子程度の微弱な光を検出することが可能になる。なお、光通信用の増倍率は10以下である。
また、半導体受光素子10にブレークダウン電圧以上の逆バイアス電圧を印加すると、第1導電型遷移層15を挿入することにより、狭い禁制帯を有する第1導電型吸収層16と広い禁制帯を有する第1導電型電界緩和層14のバンドオフセット量が低減できる。よって、キャリアが第1導電型吸収層16から第1導電型電界緩和層14に停滞せずに移動することが可能になる。
次に、半導体受光素子10の製造方法について説明する。まず、p型のInPからなる基板11の主表面上に、MOCVD法(metalorganic chemical vapor deposition、有機金属気相成長法)により、順次、各半導体層を積層する。実施の形態1では、半導体受光素子10を以下の工程で製造した。基板11の主表面上に第2導電型領域12を形成し、第2導電型領域12の表面上に第1導電型増倍領域13を形成し、第1導電型増倍領域13の表面上に第1導電型電界緩和層14を形成し、第1導電型電界緩和層14の表面上に第1導電型遷移層15を形成し、第1導電型遷移層15の表面上に第1導電型吸収層16を形成し、第1導電型吸収層16の表面上に第1導電型窓層17を順次成長させた。
なお、実施の形態1では、MOCVD法により各層を成長させたが、特にこれに限定されない。たとえば、MBE法(molecular beam epitaxy、分子線エピタキシー法)により成長させることもできる。
次に、写真製版技術により内径10〜100μmの環状開口部を有するフォトレジストを形成した。その後、Br系の薬液等を用いたウエットエッチングまたはRIE方式等のドライエッチングを用いて、フォトレジスト開口部の下の半導体領域を除去する。次いで、フォトレジストを除去する。これにより、受光領域メサ104を形成した。
次に、SiNからなる表面保護膜102をプラズマCVD法などにより、半導体受光素子の表面に堆積する。ここで、表面保護膜102として、SiO膜またはポリイミド膜をSiN膜の代わりに用いてもよい。その後、写真製版技術により表面電極101の領域が開口したパターンを有するフォトレジストを表面保護膜102上に形成し、HF系の薬液等を用いたウエットエッチングまたはRIE方式等のドライエッチングを用いて開口部の表面保護膜102を除去する。次いで、フォトレジストを除去する。
次に、写真製版技術により表面電極101の領域が開口したパターンを有するフォトレジストを形成し、電子ビーム蒸着法などにより、厚み50nmのAuGe合金および厚み500nmのAuを順次蒸着する。その後、リフトオフ法により表面電極101の領域以外のAuGe合金、Au積層膜、およびフォトレジストを除去する。これにより、表面電極101を形成する。
そして、基板11の裏面に、厚み50nmのTi、厚み500nmのAuを順次蒸着する。これにより、裏面電極103を形成する。
最後に、水素雰囲気中で410〜450℃の熱処理を行う。これにより、表面電極101と第1導電型窓層17との間、裏面電極103と基板11との間で、オーミックコンタクトを形成する。オーミックコンタクトは、コンタクト抵抗を低減する。
次に、半導体受光素子10の第1導電型増倍領域13と暗計数率との関係について説明する。光子検出における重要かつ基本的な性能は、検出効率と暗計数率である。検出効率は、単一光子を検出する確率を意味する。暗計数率は、光を入射しないにもかかわらず、光子を検出したと誤動作する確率を意味する。検出効率および暗計数率は確率であるため、これらの最小値は0であり、最大値は1である。光子検出は、微弱な光の検出をするため、高検出効率および低暗計数率を兼ね備えたものが必要である。
図2は、検出効率が0.5になるように電圧を印加した場合における暗計数率と第1導電型増倍領域13の不純物濃度とが有する関係の一例を示す。図2において、縦軸は暗計数率(単位:なし)を示し、横軸は第1導電型増倍領域13の不純物濃度(単位:cm-3)を示す。
図2に示すように、第1導電型増倍領域13の不純物濃度が5×1016cm-3以上である場合、暗計数率は1になる。その場合には、半導体受光素子は必ず誤動作するため、実用に耐えない。一方、第1導電型増倍領域13中の不純物濃度を低減すると、暗計数率は低減する。第1導電型増倍領域13中の不純物濃度が5×1015cm-3以下の場合は、暗計数率の低減が緩やかになり、1×1014cm-3より低い場合は、暗計数率は低い値でほぼ一定になる。実施の形態1において第1導電型増倍領域13の不純物濃度は1×1014cm-3〜5×1015cm-3としている。よって、半導体受光素子10は、微弱な光を検出する際に、高い検出効率を維持すると共に、暗計数率を低減することができる。
次に、半導体受光素子10の電界について説明する。図3は、半導体受光素子10に印加される電界の層厚方向に関する分布を示す図である。図3において、縦軸は電界(単位:V/m)を示し、横軸は層厚方向位置(単位:μm)を示す。なお、横軸の12〜16は、半導体層の各層の名称を意味する。また、高濃度および低濃度は、第1導電型増倍領域13の不純物濃度であり、高濃度はたとえば2×1016cm-3とし、低濃度はたとえば1×1015cm-3として電界を測定した。
図3に示すように、第2導電型領域12と第1導電型増倍領域13との界面で電界(電界強度)はもっとも高く、この界面から離れるに従い電界は低下する。また、第1導電型増倍領域13の不純物濃度を低減することにより、電界の低下率を抑制することができる。従って、第1導電型増倍領域13の不純物濃度を低減することにより、同じ検出効率を実現するのに必要な最大電界を低減することができる。また、最大電界を低減すると、暗電流キャリアの発生が抑制されるため、暗計数率が低減する。従って、第1導電型増倍領域13の不純物濃度を低減することにより、高い検出効率を維持すると共に、暗計数率を低減することができる。
実施の形態1において第1導電型増倍領域13の不純物濃度は1×1014cm-3〜5×1015cm-3としている。そのため、図3における高濃度の範囲を含まない。よって、半導体受光素子10は、微弱な光を検出する際に、高い検出効率を維持すると共に、暗計数率を低減することができる。
次に、半導体受光素子10の第2導電型領域12と暗計数率との関係について説明する。
図4は、検出効率が0.5になるように電圧を印加した場合における暗計数率と第2導電型領域12の不純物濃度とが有する関係の一例を示す。図4において、縦軸は暗計数率(単位:なし)を示し、横軸は第2導電型領域12の不純物濃度(単位:cm-3)を示す。
図4に示すように、第2導電型領域12の不純物濃度が8×1017cm-3を超えると、暗計数率はほぼ一定となる。一方、第2導電型領域12の不純物濃度が8×1017cm-3以下である場合、暗計数率が大きく低減する。これは、第2導電型領域12中の不純物濃度を低減することにより、第2導電型領域12中の空乏層が広がり、キャリアの走行距離が長くなるため、より低い電界で高い検出効率を実現できるからである。
一方、受光領域メサ104で増倍するためには、第2導電型領域12の不純物濃度は、第1導電型増倍領域13の不純物濃度より高い必要がある。
また、上記のように暗計数率が大きく低減する効果を得るためには、第2導電型領域12の層の厚みW12が0.2μm以上である必要がある。0.2μmよりも薄いと、キャリアの走行距離が短く、高い電圧を印加する必要があるからである。また、0.2μmよりも薄いと、第2導電型領域12の不純物濃度を8×1017cm-3以下としても、図4に示す暗計数率の低減効果が得られないからである。
実施の形態1において第2導電型領域12中の不純物濃度は5×1015cm-3〜8×1017cm-3で、厚みW12は1μmとしている。そのため、半導体受光素子10は、第2導電型領域12中の不純物濃度が8×1017cm-3以下の範囲内であり、第2導電型領域12の層の厚みW12が0.2μm以上の範囲内にある。よって、半導体受光素子10は、微弱な光を検出する際に、高い検出効率を維持すると共に、暗計数率を低減することができる。
なお、実施の形態1では、信号光子は半導体受光素子表面から受光領域105に向かって入射する方式として示した。しかし、特にこれに限定されず、たとえば基板11の裏面や側面から光子を入射してもよい。
また、図1に示すように、表面保護膜102を受光領域105上に反射防止膜として形成したほうが好ましい。これにより、受光領域105に入射された光子が半導体表面で反射することを抑制し、検出効率をより向上できる。
さらに、実施の形態1では、第1導電型および第2導電型はそれぞれn型、p型である例を示したが、特にこれに限定されない。たとえば、第1導電型および第2導電型はそれぞれp型、n型であってもよい。
さらには、コンタクト抵抗を低減するために、表面電極101と第1導電型窓層17の間にコンタクト層を挿入してもよい。また、表面電極101と重なるようにコンタクト層のパターン形成を行ってもよい。
また、実施の形態1では、InP/GaInAs系半導体受光素子を例として半導体受光素子10を説明したが、これに特に限定されない。たとえば、AlInAs、GaInAsP、GaAs、Si系半導体受光素子についても、半導体受光素子10は適用可能である。
以上説明したように、実施の形態1の半導体受光素子10によれば、微弱な光を検出する半導体受光素子とし、第1導電型増倍領域13と、第1導電型増倍領域13と接するように形成された第2導電型領域12とを備え、第1導電型増倍領域13は不純物濃度が1×1014cm-3以上5×1015cm-3以下であり、第2導電型領域12は、不純物濃度が第1導電型増倍領域13の不純物濃度よりも高く、かつ厚みが0.2μm以上3.0μm以下としている。そのため、単一光などの微弱な光を検出する場合、検出効率を高く維持すると共に、暗計数率を低くすることができる。
なお、微弱な光とは、光強度が1×10-16W以内の範囲内にあるものを意味する。たとえば、波長が1550nmで、光強度が1×10-16Wである場合には、1秒間に入射される光子数は約1000個である。また、本発明では、微弱な光のうち、特に単一光子の検出に有効である。
第1導電型増倍領域13の不純物濃度は、1×1014cm-3以上5×1015cm-3以下である。不純物濃度が1×1014cm-3よりも低いと、MOCVD法やMBE法による半導体膜の成長において、欠陥に起因した残留濃度を低減するのに限界があり、たとえばInP中においての限界値を超えるからである。この限界値よりも低い濃度にすると、製造した素子のばらつきを大きくしてしまう。一方、不純物濃度が5×1015cm-3よりも高いと、暗計数率が急激に増加するからである。
第2導電型領域12は、不純物濃度が第1導電型増倍領域13の不純物濃度よりも高くしている。受光領域メサ104で増倍するためである。好ましくは、第2導電型領域12の不純物濃度は、5×1015cm-3以上8×1017cm-3以下である。不純物濃度が5×1015cm-3よりも低いと、第1導電型増倍領域13の不純物濃度よりも低くなる場合があるためである。一方、8×1017cm-3よりも高いと、暗計数率が高い値でほぼ一定となるためである。
第2導電型領域12は、厚みW12が0.2μm以上3.0μm以下である。厚みW12が0.2μmよりも薄いと、キャリアの走行距離が短く、高い電圧を印加しなければいけないと共に、暗計数率の低減効果を得ることができないからである。一方、3.0μmよりも厚いと、第2導電型領域12が部分的にしか空乏化せず、空乏化しない領域の距離が長くなり、キャリアが流れにくくなり、検出効率が低下するためである。好ましくは、厚みW12が0.8μm以上3.0μm以下である。厚みW12が0.8μm以上とすると、表面電極101を構成する金属原子のpn接合近傍での濃度を低減できるため、および結晶の品質を向上できるため、暗計数率をさらに低減できるからである。
また、実施の形態1の半導体受光素子10によれば、第1導電型の基板11の主表面上にCVD法により第1導電型増倍領域13を形成する工程と、第1導電型増倍領域13の表面上にCVD法により第2導電型領域12を形成する工程とを備えている。よって、微弱な光を検出する際に、高い検出効率を維持すると共に、暗計数率を低減することができる半導体受光素子10を製造することができる。
さらに、実施の形態1の半導体受光素子10によれば、第1導電型増倍領域13の厚みW13を0.5μm〜5.0μm、第1導電型電界緩和層14の不純物濃度を7.5×1016cm-3、厚みW14を0.02μm〜0.40μmとしている。電界緩和量は、不純物濃度と厚みとの積で求められる。そのため、電界緩和量は、1.5×1011cm-2〜3.0×1012cm-2となる。よって、第1導電型増倍領域13と第1導電型吸収層16での暗電流キャリアの発生が抑制され、暗計数率がより低減する。
(実施の形態2)
図5は、実施の形態2における半導体受光素子を示す図である。図5を参照して、実施の形態2による半導体受光素子を説明する。図5を参照して、実施の形態2による半導体受光素子20の構成は、基本的には図1に示した本発明の実施の形態1による半導体受光素子10と同様であるが、第1導電型電界緩和層14を備えていない点において異なる。
また、半導体受光素子20の動作方法については、半導体受光素子10と同様であるため、その説明は繰り返さない。
次に、半導体受光素子の製造方法について説明する。まず、p型のInPからなる基板21の主表面上に、厚みW22が1μm、不純物濃度が5×1015cm-3〜8×1017cm-3のp型のInPからなる第2導電型領域22、厚みW23が5.0μm〜10.0μm、不純物濃度が5×1015cm-3以下のn型のInPからなる第1導電型増倍領域23、厚みW25が0.12μmのn型のGaInAsPからなる第1導電型遷移層25、厚みW26が1.0μm〜5.0μmのn型のGaInAsからなる第1導電型吸収層26、厚みW27が0.50μmのn型のInPからなる第1導電型窓層27を順次、MOCVD法により成長させて積層した。
これ以降の製造方法は、実施の形態1による半導体受光素子10における製造方法と同じであるので、その説明は繰り返さない。以上の工程により、本発明の実施の形態2による半導体受光素子20が製造される。
なお、実施の形態1と同様に、半導体受光素子20は、任意の信号光子の入射方式に効果を有している。また、反射防止膜の形成、コンタクト層の挿入を行なっても良い。また、AlInAs、GaInAsP、GaAs、Si系半導体受光素子に半導体受光素子20が適用可能であることについても実施の形態1と同様である。
以上説明したように、実施の形態2の半導体受光素子20によれば、第1導電型増倍領域23と、第1導電型増倍領域23と接するように形成された第2導電型領域22とを備え、第1導電型増倍領域23は不純物濃度が1×1014cm-3以上5×1015cm-3以下であり、第2導電型領域22は、不純物濃度が第1導電型増倍領域23の不純物濃度よりも高く、かつ厚みW22を0.2μm以上3.0μm以下としている。そのため、微弱な光を検出する場合、検出効率を高く、暗計数率を低くすることができる。
また、実施の形態2の半導体受光素子20は、第1導電型電界緩和層を有していない。第1導電型電界緩和層は半導体受光素子中の電界分布を調整する作用を有するが、光子の検出や暗計数には本質的ではなく省略可能である。従って、実施の形態2の半導体受光素子20は、実施の形態1の半導体受光素子10と同様に、検出効率が高く、暗計数率が低いという利点を有している。さらに、第1導電型電界緩和層を積層してないので、工程が削減できるので、コストの低減を図ることもできる。
(実施の形態3)
図6は、実施の形態3における半導体受光素子を示す図である。図6を参照して、実施の形態3による半導体受光素子を説明する。図6を参照して、実施の形態3による半導体受光素子30の構成は、基本的には図1に示した本発明の実施の形態1による半導体受光素子10と同様であるが、実施の形態1による半導体受光素子10はメサ型であるのに対し、実施の形態3による半導体受光素子30はプレーナ型である点において異なる。
具体的には、基板31は、n型のInPからなる。第1導電型バッファー層37は、基板31の主表面上に形成されている。第1導電型バッファー層37は、厚みW37が1μmで、不純物濃度が1×1018cm-3〜1×1019cm-3で、n型のInPからなる。第1導電型吸収層36は、第1導電型バッファー層37の表面上に形成される。第1導電型吸収層36は、厚みW36が1.0μm〜5.0μmであり、不純物濃度が1×1014cm-3〜5×1015cm-3で、n型のGaInAsからなる。第1導電型遷移層35は、第1導電型吸収層36の表面上に形成される。第1導電型遷移層35は、厚みW35が0.12μmであり、不純物濃度が1×1014cm-3〜5×1015cm-3で、n型のGaInAsPからなる。第1導電型電界緩和層34は、第1導電型遷移層35の表面上に形成される。第1導電型電界緩和層34は、厚みW34が0.02μm〜0.04μmであり、不純物濃度が1×1016cm-3〜1×1017cm-3で、n型のInPからなる。第1導電型半導体層311は、第1導電型電界緩和層34の表面上に形成される。第1導電型半導体層311は、厚みW311が1.0〜6.0μmであり、不純物濃度が5×1015cm-3以下で、n型のInPからなる。第2導電型領域32は、第1導電型半導体層311の表面に形成される。なお、第1導電型半導体層311のうち、第2導電型領域32と接する領域を、第1導電型増倍領域33としている。第2導電型領域32は、厚みW32が0.2〜3.0μmであり、不純物濃度が5×1015cm-3〜8×1017cm-3で、p型のInPからなる。低濃度第2導電型領域312は、第2導電型領域32の端部と接するように形成されている。低濃度第2導電型領域312は、p型のInPからなる。
また、半導体受光素子30の動作方法については、半導体受光素子10と同様であるため、その説明を繰り返さない。
次に、半導体受光素子30の製造方法について説明する。まず、n型のInPからなる基板31の主表面上に、MOCVD法により、順次、各半導体層を積層する。実施の形態3では、半導体受光素子30を以下の工程で製造した。基板31の主表面上に第1導電型バッファー層37を形成し、第1導電型バッファー層37の表面上に第1導電型吸収層36を形成し、第1導電型吸収層36の表面上に第1導電型遷移層35を形成し、第1導電型遷移層35の表面上に第1導電型電界緩和層34を形成し、第1導電型電界緩和層34の表面上に第1導電型半導体層311を順次成長させた。
なお、実施の形態1では、MOCVD法により各層を成長させたが、特にこれに限定されない。たとえば、MEB法により成長させることもできる。
次に、写真製版技術により環状の開口パターンを有するフォトレジストを形成した。その後、50〜150keVの加速エネルギーと、1×1013cm-2〜1×1014cm-2のドース量で、Beイオンをイオン注入した。その後、フォトレジストを除去し、500℃〜700℃、10分〜60分間の熱処理を行なった。これにより、低濃度のBeを含有する環状の低濃度第2導電型領域312を形成した。なお、低濃度第2導電型領域312は、ガードリングの作用を有する。
次に、第1導電型半導体層311の表面に円形の開口パターンを有するフォトレジストを形成した。次いで、20〜100keVの加速エネルギーと、1×1013cm-2〜1×1015cm-2のドース量で、Beイオンをイオン注入した。その後、フォトレジストを除去し、500〜700℃、10〜60分間の熱処理を行なった。これにより、0.2μm以上の厚みW32を有し、5×1015cm-3〜8×1017cm-3のBeを含有する第2導電型領域32を形成した。
なお、厚みW311を有する第1導電型半導体層311の中で第2導電型領域32と隣接する領域を、第1導電型増倍領域33として形成する。第1導電型増倍領域33の厚みW33は、第1導電型半導体層311の厚みW311と第2導電型領域32の厚みW32の差により決まる。
次に、SiNからなる表面保護膜302をプラズマCVD法などにより、第1導電型半導体層311、低濃度第2導電型領域312、および第2導電型領域32の表面を覆うように堆積する。ここで、表面保護膜302として、SiO膜またはポリイミド膜をSiN膜の代わりに用いてもよい。その後、写真製版技術により表面電極301の領域が開口したパターンを有するフォトレジストを形成し、HF系の薬液等を用いたウエットエッチングまたはRIE方式等のドライエッチングを用いて、表面電極301領域の表面保護膜302を除去する。
次に、写真製版技術により表面電極301の領域が開口したパターンを有するフォトレジストを形成し、電子ビーム蒸着法などにより、厚み50nmのTi、厚み500nmのAuを順次蒸着する。その後、リフトオフ法により表面電極301の領域以外のTi・Au積層膜を除去する。これにより、表面電極301を形成する。
そして、基板31の裏面に、厚み50nmのAuGe合金、厚み500nmのAuを順次蒸着する。これにより、裏面電極303を形成する。
最後に、水素雰囲気中で410℃〜450℃の熱処理を行なう。これにより、表面電極301と第2導電型領域32との間、および裏面電極303と基板31との間で、オーミックコンタクトを形成する。そして、オーミックコンタクトは、コンタクト抵抗を低減する。
なお、実施の形態1と同様に、任意の信号光子の入射方式に効果を有し、反射防止膜の形成、コンタクト層の挿入を行っても良い。また、AlInAs、GaInAsP、GaAs、Si系半導体受光素子に適用可能であることについても実施の形態1と同様である。
以上説明したように、実施の形態3の半導体受光素子30によれば、第1導電型増倍領域33と接するように形成された第2導電型領域32を備え、第1導電型増倍領域33は不純物濃度が1×1014cm-3以上5×1015cm-3以下であり、第2導電型領域32は、不純物濃度が第1導電型増倍領域33の不純物濃度よりも高く、かつ厚みが0.2μm以上3.0μm以下としている。そのため、微弱な光を検出する場合、検出効率を高く、暗計数率を低くすることができる。
また、実施の形態3の半導体受光素子30は、熱拡散条件を選択して第2導電型領域32の深さW32を調節することにより、第1導電型増倍領域33の厚みW33を0.5μm〜5.0μmに設定できる。そのため、第1導電型電界緩和層34の電界緩和量を1.5×1011cm-2〜3.0×1012cm-2に設定できる。よって、実施の形態3の半導体受光素子30は、検出効率が高く、暗計数率が低くできる。
(実施の形態4)
図7は、実施の形態4における半導体受光素子を示す図である。図7を参照して、実施の形態4による半導体受光素子を説明する。図7を参照して、実施の形態4による半導体受光素子60の構成は、基本的には図6に示した本発明の実施の形態3による半導体受光素子30と同様であるが、第1導電型遷移層を備えていない点と、高濃度第2導電型領域を備えている点において異なる。
具体的には、基板61は、n型のInPからなる。第1導電型バッファー層67は、基板61の主表面上に形成されている。第1導電型バッファー層67は、厚みW67が1μmで、不純物濃度が1×1018cm-3〜1×1019cm-3で、n型のInPからなる。第1導電型吸収層66は、第1導電型バッファー層67の表面上に形成される。第1導電型吸収層66は、厚みW66が1.0μm〜5.0μmであり、不純物濃度が1×1014cm-3〜5×1015cm-3で、n型のGaInAsからなる。第1導電型電界緩和層64は、第1導電型吸収層66の表面上に形成される。第1導電型電界緩和層64は、厚みW64が0.02μm〜0.04μmであり、不純物濃度が1×1016cm-3〜1×1017cm-3で、n型のInPからなる。第1導電型半導体層611は、第1導電型電界緩和層64の表面上に形成される。第1導電型半導体層611は、厚みW611が1.0μm〜6.0μmであり、不純物濃度が5×1015cm-3以下で、n型のInPからなる。第2導電型領域62は、第1導電型半導体層611の表面から所定の深さの領域に形成される。なお、第1導電型半導体層611のうち、第2導電型領域62と接する領域を、第1導電型増倍領域63としている。第2導電型領域62は、厚みW62が0.2μm〜3.0μmであり、不純物濃度が5×1015cm-3〜8×1017cm-3で、p型のInPからなる。高濃度第2導電型領域613は、第1導電型半導体層611において第2導電型領域62上に形成される。高濃度第2導電型領域613は、厚みW613が0.2μm〜3.0μmであり、不純物濃度が5×1018cm-3〜1×1021cm-3以下である。低濃度第2導電型領域612は、第2導電型領域62の端部と接するように形成されている。低濃度第2導電型領域612は、p型のInPからなる。
また、半導体受光素子60の動作方法については、半導体受光素子10と同様であるため、その説明は繰り返さない。
次に、半導体受光素子60の製造方法について説明する。まず、実施の形態3に係る半導体受光素子30の製造方法と同様に、基板61の主表面上に、MOCVD法により、順次、各半導体層を積層する。実施の形態4では、半導体受光素子60を以下の工程で製造した。基板61の主表面上に第1導電型バッファー層67を形成し、第1導電型バッファー層67の表面上に第1導電型吸収層66を形成し、第1導電型吸収層66の表面上に第1導電型電界緩和層64を形成し、第1導電型電界緩和層64の表面上に第1導電型半導体層611を順次成長させた。
その後、実施の形態3による半導体受光素子30の製造方法と同様に、低濃度第2導電型領域612を形成した。
次に、第1導電型半導体層611の表面に円形の開口パターンを有するフォトレジストを形成した。次いで、20keV〜100keVの加速エネルギーと、1×1013cm-2〜1×1015cm-2のドース量で、Beイオンをイオン注入した。その後、フォトレジストを除去した。続いて、Znを堆積し、500℃〜700℃、10分〜60分間の熱処理を行なった。これにより、不純物濃度が5×1018cm-3以上のZnを含有する高濃度第2導電型領域613と不純物濃度5×1015cm-3〜1×1018cm-3のBeを含有する厚みW62が0.2μm以上3.0μm以下の第2導電型領域62を形成した。第1導電型半導体層611中で第2導電型領域62と隣接する領域が、第1導電型増倍領域63として形成された。
これ以降の製造方法は、実施の形態3による半導体受光素子30の製造方法と同じであるため、その説明は繰り返さない。以上の工程により、本発明の実施の形態4による半導体受光素子60が製造される。
なお、実施の形態1と同様に、任意の信号光子の入射方式に効果を有し、反射防止膜の形成、コンタクト層の挿入を行っても良い。また、AlInAs、GaInAsP、GaAs、Si系半導体受光素子に適用可能であることについても実施の形態1と同様である。
以上説明したように、実施の形態4の半導体受光素子60によれば、表面と反対面の裏面を有する基板61と、基板61の主表面上に形成された第1導電型バッファー層67と、第1導電型バッファー層67の表面上に形成された第1導電型吸収層66と、第1導電型吸収層66の表面上に形成された第1導電型電界緩和層64と、第1導電型電界緩和層64の表面上に形成された第1導電型増倍領域63と、第1導電型増倍領域63と接するように形成された第2導電型領域62と、第2導電型領域62の表面上に形成された第2導電型領域62の不純物濃度より高い不純物濃度を有する高濃度第2導電型領域613とを備え、高濃度第2導電型領域613は、不純物濃度が5×1018cm-3以上1×1021cm-3以下としている。そのため、微弱な光を検出する場合、検出効率を高く、暗計数率を低くすることができる。
高濃度第2導電型領域613は、表面電極601とオーミックコンタクトを形成し、高濃度第2導電型領域613の不純物濃度を5×1018cm-3〜1×1021cm-3としている。そのため、高濃度第2導電型領域613は、金属電極と良質のコンタクトを形成する作用を有する。よって、低いコンタクト抵抗を実現できる。
なお、上記高濃度第2導電型領域613の不純物濃度の数値範囲の下限および上限の決定理由は以下のようなものである。すなわち、高濃度第2導電型領域613の不純物濃度が5×1018cm-3よりも低いと、低いコンタクト抵抗を実現できないからである。一方、1×1021cm-3よりも高いと、基板に固溶することが困難であり、金属電極との良質のコンタクトが形成し難いからである。
また、実施の形態4の半導体受光素子60は、基板61の裏面および高濃度第2導電型領域613の表面上にそれぞれ形成された裏面電極603、表面電極601と、第2導電型領域62と高濃度第2導電型領域613の端部と接するように形成された、第2導電型領域62の不純物濃度より低い不純物濃度を有する低濃度第2導電型領域612とを備えている。よって、低濃度第2導電型領域612は第2導電型領域62での電界を中央部よりも低くするガードリングの作用を有する。
さらに、第1導電型増倍領域63の厚みW63を0.5μm〜5.0μm、不純物濃度を1×1014cm-3〜5×1015cm-3に設定できる。そのため、第1導電型電界緩和層64の電界緩和量を1.5×1011cm-2〜3.0×1012cm-2に設定できる。よって、実施の形態4の半導体受光素子60は、暗計数率をより低減することが可能となる。
さらには、実施の形態4の半導体受光素子60の製造方法は、第1導電型の基板61の主表面上にCVD法により第1導電型バッファー層67を形成する工程と、第1導電型バッファー層67の表面上にCVD法により第1導電型吸収層66を形成する工程と、第1導電型吸収層66の表面上にCVD法により第1導電型電界緩和層64を形成する工程と、第1導電型電界緩和層64の表面上にCVD法により第1導電型増倍領域63を形成する工程と、第1導電型増倍領域63の表面上に開口パターンを有するフォトレジスト膜を形成する工程と、開口パターンを有するフォトレジスト膜をマスクとして用いて、第1導電型増倍領域63にイオン注入することにより第2導電型領域62と高濃度第2導電型領域613とを形成する工程とを備えている。これにより、半導体受光素子60を製造することができる。
(実施の形態5)
図8は、実施の形態5における半導体受光素子を示す図である。図8を参照して、実施の形態5による半導体受光素子を説明する。図8を参照して、実施の形態5による半導体受光素子70の構成は、基本的には図7に示した本発明の実施の形態4による半導体受光素子60と同様であるが、第1導電型遷移層75を備えている点において異なる。
具体的には、第1導電型吸収層76の表面上に第1導電型遷移層75が形成されている。すなわち、第1導電型吸収層76と第1導電型電界緩和層74との間に第1導電型遷移層75が形成されている。第1導電型遷移層75は、たとえば厚みW75が0.12μmで、不純物濃度が1×1014cm-3〜5×1015cm-3で、n型のGaInAsPからなる。
また、半導体受光素子70の動作方法については、半導体受光素子10と同様であるため、その説明は繰り返さない。
また、半導体受光素子70の製造方法については、基本的には半導体受光素子60と同様である。MOCVD法により、第1導電型吸収層76の表面上に第1導電型遷移層75を形成し、第1導電型遷移層75の表面上に第1導電型電界緩和層74を形成している工程が追加される点において異なる。その他は、半導体受光素子60の製造方法と同様であるため、その説明は繰り返さない。
以上説明したように、実施の形態5の半導体受光素子70によれば、第1導電型吸収層76と第1導電型電界緩和層74との間に形成された第1導電型遷移層75を備えている。そのため、第1導電型吸収層76と第1導電型電界緩和層74とのヘテロ界面において、高いバンドオフセットが形成されず、キャリアがヘテロ界面でパイルアップし難くなる。よって、第1導電型遷移層75を備えることにより、第1導電型吸収層76から第1導電型電界緩和層74へキャリアが流れやすくなる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等な意味および範囲内でのすべての変更点が含まれることが意図される。
本発明の実施の形態1における半導体受光素子を示す断面図である。 半導体受光素子10における暗計数率と第1導電型増倍領域13の不純物濃度とが有する関係を示す図である。 半導体受光素子10に印加される電界の層厚方向に関する分布を示す図である。 半導体受光素子10における暗計数率と第2導電型領域12の不純物濃度とが有する関係を示す図である。 本発明の実施の形態2における半導体受光素子を示す断面図である。 本発明の実施の形態3における半導体受光素子を示す断面図である。 本発明の実施の形態4における半導体受光素子を示す断面図である。 本発明の実施の形態5における半導体受光素子を示す断面図である。
符号の説明
10 半導体受光素子、11 基板、12 第2導電型領域、13 第1導電型増倍領域、14 第1導電型電界緩和層、15 第1導電型遷移層、16 第1導電型吸収層、17 第1導電型窓層、20 半導体受光素子、21 基板、22 第2導電型領域、23 第1導電型増倍領域、25 第1導電型遷移層、26 第1導電型吸収層、27 第1導電型窓層、30 半導体受光素子、31 基板、32 第2導電型領域、33 第1導電型増倍領域、34 第1導電型電界緩和層、35 第1導電型遷移層、36 第1導電型吸収層、37 第1導電型バッファー層、60 半導体受光素子、61 基板、62 第2導電型領域、63 第1導電型増倍領域、64 第1導電型電界緩和層、66 第1導電型吸収層、67 第1導電型バッファー層、70 半導体受光素子、74 第1導電型電界緩和層、75 第1導電型遷移層、76 第1導電型吸収層、101 表面電極、102 表面保護膜、103 裏面電極、104 受光領域メサ、105 受光領域、301 表面電極、302 表面保護膜、303 裏面電極、311 第1導電型半導体層、312 低濃度第2導電型領域、601 表面電極、603 裏面電極、611 第1導電型半導体層、612 低濃度第2導電型領域、613 高濃度第2導電型領域。

Claims (7)

  1. 第1導電型増倍領域と、
    前記第1導電型増倍領域と接するように形成された第2導電型領域とを備え、
    前記第1導電型増倍領域は、不純物濃度が1×1014cm-3以上5×1015cm-3以下であり、
    前記第2導電型領域は、不純物濃度が前記第1導電型増倍領域の不純物濃度よりも高く、かつ厚みが0.2μm以上3.0μm以下である、半導体受光素子。
  2. 前記第2導電型領域の不純物濃度が、5×1015cm-3以上8×1017cm-3以下である、請求項1に記載の半導体受光素子。
  3. 主表面と反対面の裏面を有する基板と、
    前記基板の主表面上に形成された第1導電型バッファー層と、
    前記第1導電型バッファー層の表面上に形成された第1導電型吸収層と、
    前記第1導電型吸収層の表面上に形成された第1導電型電界緩和層と、
    前記第1導電型電界緩和層の表面上に形成された前記第1導電型増倍領域と、
    前記第1導電型増倍領域と接するように形成された前記第2導電型領域と、
    前記第2導電型領域の表面上に形成された、前記第2導電型領域の不純物濃度より高い不純物濃度を有する高濃度第2導電型領域とを備え、
    前記高濃度第2導電型領域は、不純物濃度が5×1018cm-3以上1×1021cm-3以下である、請求項1または2に記載の半導体受光素子。
  4. 前記第1導電型吸収層と前記第1導電型電界緩和層との間に形成された第1導電型遷移層を備えた、請求項3に記載の半導体受光素子。
  5. 前記基板の裏面および前記高濃度第2導電型領域の表面上に形成された電極と、
    前記第2導電型領域と前記高濃度第2導電型領域の端部と接するように形成された、前記第2導電型領域の不純物濃度より低い不純物濃度を有する低濃度第2導電型領域とを備えた、請求項3または4に記載の半導体受光素子。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の半導体受光素子の製造方法であって、
    第1導電型の基板の主表面上に第1導電型増倍領域を形成する工程と、
    前記第1導電型倍増領域の表面上に第2導電型領域を形成する工程とを備えた、半導体受光素子の製造方法。
  7. 請求項3〜5のいずれかに記載の半導体受光素子の製造方法であって、
    第1導電型の基板の主表面上に前記第1導電型バッファー層を形成する工程と、
    前記第1導電型バッファー層の表面上に前記第1導電型吸収層を形成する工程と、
    前記第1導電型吸収層の表面上に前記第1導電型電界緩和層を形成する工程と、
    前記第1導電型電界緩和層の表面上に前記第1導電型増倍領域を形成する工程と、
    前記第1導電型増倍領域の表面上に開口パターンを有するフォトレジスト膜を形成する工程と、
    前記開口パターンを有する前記フォトレジスト膜をマスクとして用いて、前記第1導電型増倍領域にイオン注入することにより前記第2導電型領域と前記高濃度第2導電型領域とを形成する工程とを備えた、半導体受光素子の製造方法。
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