JP2006302616A - バイポーラ電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 非イオン伝導性で、かつ、電子伝導性を有する層を負極側にのみコーティングしたアルミニウム箔を集電体に用いる。この層としては電解質をはじく非イオン伝導性ポリマーと電子伝導性粒子を含むもの、或いは金属めっき層等が用いられる。非イオン伝導性ポリマーとしてはフッ素樹脂、オレフィン樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アラミド樹脂、エポキシ樹脂、及びウレタン樹脂等が好ましい。電子伝導性粒子としては炭素系材料、金属、及び導電性セラミック等が好ましい。
【選択図】 図1
Description
本発明のバイポーラ電池では、図2に示すように、集電体2として、非イオン伝導性で、かつ、電子伝導性を有する層(本明細書中では、単に導電性コーティング層ともいう)2aを負極側にのみコーティングしたアルミニウム(Al)箔2bを用いることを特徴とするものである。
負極活物質層には、負極活物質を含む。この他にも、電子伝導性を高めるための導電助剤、イオン伝導性を高めるためのリチウム塩、バインダ、高分子ゲル電解質(ポリマーマトリックス、電解液など)などが含まれ得る。
正極活物質層には、正極活物質を含む。この他にも、電子伝導性を高めるための導電助剤、イオン伝導性を高めるためのリチウム塩、バインダ、高分子ゲル電解質などが含まれ得る。
電解質層としては、特に制限されるものではなく、従来公知の材料、例えば、(a)高分子ゲル電解質、(b)高分子固体電解質または(c)これら電解質を含浸させたセパレータ(不織布セパレータを含む)(d)液体電解質を用いることができる。
ゲル電解質とは、ポリマーマトリックス中に電解液を保持させたものをいう。上記ポリマーマトリックスとしては、PEO、PPO、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリふっ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン(PVdF−HFP)、PVdF、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)およびそれらの共重合体が望ましく、中でもPEO、PPOおよびそれらの共重合体、あるいは、PVdF−HFPを用いることが望ましい。電解液とは、電解質塩を溶媒に溶かしたものであり、電解質としては、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiAsF6、LiTaF6、LiAlCl4、Li2B10Cl10等の無機酸陰イオン塩、LiCF3SO3、Li(CF3SO2)2N、Li(C2F5SO2)2N等の有機酸陰イオン塩の中から選ばれる、少なくとも1種が、溶媒としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、γ−ブチロラクトン(GBL)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)およびそれらの混合物が望ましい。
全固体高分子電解質としては、例えば、PEO、PPO、これらの共重合体などの公知の固体高分子電解質が挙げられる。固体高分子電解質中には、イオン伝導性を確保するためにリチウム塩が含まれる。リチウム塩としては、LiBF4、LiPF6、LiN(SO2CF3)2、LiN(SO2C2F5)2、またはこれらの混合物などが使用できる。
セパレータに含浸させることのできる電解質としては、既に説明した(a)および(b)と同様のものを用いることができる。
電解液とは、電解質塩を溶媒に溶かしたものが挙げられる。ここで、電解質としては、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiAsF6、LiTaF6、LiAlCl4、Li2B10Cl10等の無機酸陰イオン塩、LiCF3SO3、Li(CF3SO2)2N、Li(C2F5SO2)2N等の有機酸陰イオン塩の中から選ばれる、少なくとも1種が、溶媒としては、EC、PC、GBL、DMC、DECおよびそれらの混合物が望ましい。
電池外装材としては、従来公知のケースを用いることができ、アルミニウムを含むラミネートフィルムを用いた素電池を覆うことができる袋状のケースを挙げることができる。ラミネートフィルムは、例えば、PP、アルミニウム、ナイロンをこの順に積層してなる3層構造のラミネートフィルムである。
絶縁層は、電池内で隣り合う集電体同士が接触したり、積層電極の端部の僅かな不ぞろいなどによる短絡が起こったりするのを防止する目的で、各電極の周囲に形成される。必要に応じて、電極の周囲に絶縁層を設ける。該絶縁層としては、例えば、PE、PPなどのポリオレフィン樹脂、エポキシ樹脂、ゴム、ポリイミドなどが使用でき、耐蝕性、耐薬品性、製膜性、経済性などの観点からは、ポリオレフィン樹脂が好ましい。
正極および負極端子板は、必要に応じて使用する。例えば、最外部の集電体から電極端子を直接取り出す場合には、正極および負極端子板は用いない。
正極および負極リードに関しては、公知のリチウムイオン電池で用いられるリードを用いることができる。なお、電池外装材から取り出された部分は、周辺機器や配線などに接触して漏電したりして製品(例えば、自動車部品、特に電子機器等)に影響を与えないように、耐熱絶縁性の熱収縮チューブなどにより被覆するのが好ましい。
本発明では、上記バイポーラ電池を複数個、並列接続または直列接続または並列−直列接続または直列−並列接続の少なくとも一つを用いて組電池(車両用サブモジュール)とすることができる。
図7は、電気自動車の車体中央部の座席下に複合組電池または電池が搭載された一例を示す図面である。電気自動車80の座席下に複合組電池70を搭載すれば、車内空間およびトランクルームを広く取ることができる。なお、かかる電池を搭載する場所は、座席下に限らず、車両の床下、シートバック裏、後部トランクルームの下部または、車両前方のエンジンルームでもよい。
○正極
以下の材料を括弧内に示した質量比で混合して正極スラリーを作製した。
○負極
以下の材料を括弧内に示した質量比で混合して負極スラリーを作製した。
厚さ20μmの不織布をセパレータとして用いた。上記セパレータに、ポリマーとして重量平均分子量約50万のPVdF−HFP(ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン)ポリマーを10wt%、電解液としてEC+PC(体積比で1:1)に1.0MのLiPF6を溶解させたものを90wt%、および希釈溶媒としてDMC(適量)からなるプレゲル溶液を含浸させた後、溶媒を除去することによりゲル電解質を作成した。
集電体基材であるAl箔(厚さ20μm)の片面に、導電性塗料をコーティングして厚さ2μmの導電性コーティング層を形成した。導電性塗料は、ポリプロピレン(70wt%)に平均粒子径0.1μmのカーボンブラック(30wt%)を十分に分散させたものを用いた。上記Al集電箔のコーティング面に、上記負極スラリーを塗布し乾燥・プレスにより、厚さ15μmの負極を形成した。負極を塗布した上記Al集電箔の反対面に、上記正極スラリーを塗布し乾燥・プレスにより、厚さ15μmの正極を形成した。以上のように、Al集電箔の両面に正極と負極を有するバイポーラ電極を形成した。
集電体基材であるAl箔(厚さ20μm)の片面に、ニッケルめっき(厚さ2μm)を施した。実施例1と同様にして、ニッケルめっきAl集電箔の両面に正極と負極を有するバイポーラ電極を形成した。
集電体としてAl箔(厚さ20μm)をそのまま用いた。実施例1と同様にして、Al集電箔の両面に正極と負極を有するバイポーラ電極を形成した。
集電体としてSUS箔(厚さ20μm)をそのまま用いた。実施例1と同様にして、SUS集電箔の両面に正極と負極を有するバイポーラ電極を形成した。
それぞれの電池において、サイクル試験(1C 定電流(CC)充放電)を行った。実施例1、実施例2の電池は、初回充放電においては全く問題がなく、良好な電池特性を示した。一方、比較例1の電池は、初回充放電において、容量・クーロン効率の電池特性が著しく悪化した。50サイクルを超えると、比較例1の電池のサイクル特性は著しく低下した。電池を分解してみると、負極側でのAlとLiの合金化が見られた。一方、実施例1、実施例2の電池は、50サイクルを超えても良好なサイクル特性を示した。電池を分解してみても、負極側での合金化等は見られなかった。また、比較例2の電池は、初回充放電においては全く問題がなく、良好な電池特性を示したが、100サイクル、200サイクルとサイクル数が増すにつれ、容量低下が見られ、500サイクルではそれが顕著に表れた。電池を分解してみると、正極側でのSUSの腐食が見られた。一方、実施例1、実施例2の電池は、500サイクルを超えても初期と同等な容量を維持し、良好なサイクル特性を示した。電池を分解してみても、正極側での腐食は見られなかった。
それぞれの電池において、満充電保存試験を行った。10日後、比較例1の電池は電池電圧が著しく低下していた。電池を分解してみると、負極側での合金化が見られた。一方、実施例1、実施例2の電池は、10日、更には30日を超えても電池電圧を維持し、良好な電圧維持率を示した。電池を分解してみても、負極側での合金化や正極側での腐食等は見られなかった。一方、比較例2の電池では、30日後、電池電圧が著しく低下していた。電池を分解してみると、正極側でのSUSの腐食が見られた。
それぞれの電池において、電池抵抗を測定した。比較例2の電池抵抗を100%とすると、実施例1の電池抵抗は92%、実施例2の電池抵抗は90%を示した。
2 集電体、
2a アルミニウム集電箔、
2b 導電性コーティング層、
3 正極活物質層(正極)、
4 負極活物質層(負極)、
5 バイポーラ電極、
5a 最上層の電極、
5b 最下層の電極、
6 電解質層、
7 電極積層体(バイポーラ電池本体)、
8 単電池層(ないし単セル)、
9 絶縁層、
11 正極端子板、
12 負極端子板、
13 正極リード、
14 負極リード、
15 電池外装材(外装ケース)、
39、40 電極タブ、
41 バイポーラ電池、
48、49 電極タブ、
51、51’ 組電池、
52 外部弾性体、
53 検知線、
54 検知タブ端子、
55 組電池ケース、
56、58 バスバー、
59 端子リード、
60 電圧検知タブ、
62 正極端子、
64 負極端子、
70 複合組電池、
72 組電池正極端子連結板、
74 組電池負極端子連結板、
76 連結板、
77 固定ネジ、
80 電気自動車。
Claims (9)
- 非イオン伝導性で、かつ、電子伝導性を有する層を負極側にのみコーティングしたアルミニウム箔を集電体に用いることを特徴とするバイポーラ電池。
- 前記層は、電解質をはじく非イオン伝導性ポリマーと電子伝導性粒子とを含むことを特徴とする請求項1に記載のバイポーラ電池。
- 前記層は、金属めっき層であることを特徴とする請求項1または2に記載のバイポーラ電池。
- 前記非イオン伝導性ポリマーは、フッ素樹脂、オレフィン樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アラミド樹脂、エポキシ樹脂およびウレタン樹脂よりなる群から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項2または3に記載のバイポーラ電池。
- 前記電子伝導性粒子は、炭素系材料、金属および導電性セラミックよりなる群から選ばれてなる少なくとも1種の材料からなる粒子であることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載のバイポーラ電池。
- 正極活物質としてリチウム−遷移金属複合酸化物を用い、負極活物質としてカーボンまたはリチウム−遷移金属複合酸化物を用いてなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のバイポーラ電池。
- 電解質としてゲル電解質材料を用いてなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のバイポーラ電池。
- 請求項1〜7に記載のバイポーラ電池を複数個接続して構成してなることを特徴とする組電池。
- 請求項1〜7に記載のバイポーラ電池および/または請求項8に記載の組電池を駆動用電源として搭載してなることを特徴とする車両。
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