JP5672671B2 - リチウムイオン二次電池用負極およびこれを用いたリチウムイオン二次電池 - Google Patents

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Description

本発明はリチウムイオン二次電池用負極およびこれを用いたリチウムイオン二次電池に関する。
近年、地球温暖化に対処するため、二酸化炭素量の低減が切に望まれている。自動車業界では、電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV)の導入による二酸化炭素排出量の低減に期待が集まっており、これらの実用化の鍵を握るモータ駆動用二次電池の開発が盛んに行われている。
モータ駆動用二次電池としては、携帯電話やノートパソコン等に使用される民生用リチウムイオン二次電池と比較して極めて高い出力特性、及び高いエネルギーを有することが求められている。従って、全ての電池の中で比較的高い理論エネルギーを有するリチウムイオン二次電池が注目を集めており、現在急速に開発が進められている。
リチウムイオン二次電池は、一般に、バインダーを用いて正極活物質等を正極集電体の両面に塗布した正極と、バインダーを用いて負極活物質等を負極集電体の両面に塗布した負極とが、電解質層を介して接続され、電池ケースに収納される構成を有している。
従来、リチウムイオン二次電池の負極には充放電サイクルの寿命やコスト面で有利な炭素、特に黒鉛系材料が用いられてきた。また、最近では、高容量の負極活物質として、リチウムと合金化しうる材料などが研究されている。例えば、Si材料は、充放電において1molあたり4.4molのリチウムイオンを吸蔵放出し、Li22Siにおいては4200mAh/g程度もの理論容量を有する。このようにリチウムと合金化しうる材料は電極のエネルギー密度を増加させることができるため、車両用途における負極材料として期待されている。
しかしながら、このような大容量を有する炭素材料やリチウムと合金化する材料を負極活物質として用いたリチウムイオン二次電池の多くは、初期充放電時の不可逆容量が大きい。このため、充填された正極の容量利用率が低下し、電池のエネルギー密度が低下するという問題がある。ここで、不可逆容量とは、リチウムイオン二次電池において、初期充電容量と初期放電容量の差を意味する。この不可逆容量の問題は、高容量が要求される車両用途への実用化において大きな開発課題となっており、不可逆容量を抑制する試みが盛んに行われている。
このような不可逆容量に相当するリチウムを補填する技術として、予め所定量のリチウム粉末を表面に付着させた炭素材料を負極活物質として用いる方法が提案されている(特許文献1を参照)。この開示によれば、負極に初回充放電容量差に相当する量のリチウムを予備吸蔵(プレドープ)させることにより、初充電時に充放電容量差を解消でき高容量で安全な電池が得られる、としている。
特開平5−234621号公報
しかしながら、リチウムを予備吸蔵させた負極では、リチウムイオンのドープ時にリチウムと負極活物質との間で発熱反応が生じる。特に、特許文献1に記載の技術のように負極の表面にリチウムを付着させる場合には、リチウムと負極活物質との接触面積が大きいために、ごく短時間に大電流が流れることとなる。この大電流により発熱量も大きくなり、その結果、負極活物質層に含まれるバインダー、セパレータなどの電極構成材料が劣化して、これにより電極の内部抵抗が上昇するおそれがあるという問題があった。
そこで本発明は、リチウムイオンのドープ時の瞬間的な大電流の発生およびこれに伴う発熱を防止して、電極の内部抵抗の上昇を抑制しうる手段を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究を行った。その結果、負極層中に、負極活物質層に加えて、多孔質体の空孔内にリチウム金属またはリチウム合金が担持された多孔質体層を形成することで上記課題が解決されうることを見出した。
すなわち、本発明のリチウムイオン二次電池用負極は、集電体と、前記集電体の表面に形成された、負極活物質を含む1以上の負極活物質層および多孔質体の空孔内にリチウム金属またはリチウム合金が担持された1以上の多孔質体層を有する負極層と、を有する。
本発明によれば、多孔質体層の存在により、リチウムイオンのドープ時におけるリチウムの移動が抑制されるので、上述した瞬間的な大電流の発生およびこれに伴う発熱が防止されうる。その結果、電極構成材料の劣化が抑制され、電極の内部抵抗の上昇が防止されうる。
本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池用負極を示す模式断面図である。 本発明の他の実施形態に係るリチウムイオン二次電池用負極を示す模式断面図である。 本発明の他の実施形態に係るリチウムイオン二次電池用負極を示す模式断面図である。 本発明の他の実施形態に係るリチウムイオン二次電池用負極を示す模式断面図である。 本発明の他の実施形態に係るリチウムイオン二次電池用負極を示す模式断面図である。 本発明の代表的な一実施形態である双極型リチウムイオン二次電池の概要を模式的に表した断面概略図である。 双極型でない積層型のリチウムイオン二次電池の全体構造を模式的に表した断面概略図である。 本発明の一実施形態に係る組電池の外観図であって、図8Aは組電池の平面図であり、図8Bは組電池の正面図であり、図8Cは組電池の側面図である。 図8に示す実施形態の組電池を搭載した車両の概念図である。 実施例1で作製した負極の概略断面図である。 参考例2で作製した負極の概略断面図である。 実施例3で作製した負極の概略断面図である。 実施例4で作製した負極の概略断面図である。 実施例5で作製した負極の概略断面図である。
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
[負極]
図1は、本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池用負極を示す模式断面図である。以下、図1に示すリチウムイオン二次電池用負極を例に挙げて説明するが、本発明の技術的範囲はかような形態のみに制限されない。
図1に示す負極1は、集電体2と、負極層5とが順に積層された構造を有する。負極層5は、負極活物質層3と、多孔質体層4とを有する。ここで、多孔質体層4は、多孔質体の空孔内に、リチウム金属またはリチウム合金を担持した構造を有する。図1に示す形態では、多孔質体層4は、負極活物質層3の、集電体2が積層された表面と反対側の表面に形成されている。
以下、本実施形態の負極1を構成する部材について説明するが、下記の形態のみに制限されることはなく、従来公知の形態が同様に採用されうる。
[集電体]
集電体2は導電性材料から構成される。集電体2を構成する材料は、導電性を有するものであれば特に制限されず、例えば、金属や導電性高分子が採用されうる。具体的には、鉄、クロム、ニッケル、マンガン、チタン、モリブデン、バナジウム、ニオブ、アルミニウム、銅、銀、金、白金またはカーボンが挙げられる。集電体2の厚さは、特に限定されないが、通常は1〜100μm程度である。
[負極活物質層]
負極活物質層3は負極活物質を含み、必要に応じて電気伝導性を高めるための導電剤、バインダー、電解質(ポリマーマトリックス、イオン伝導性ポリマー、電解液など)、イオン伝導性を高めるための電解質支持塩(リチウム塩)などをさらに含みうる。
負極活物質層3中に含まれる成分の配合比は特に限定されず、リチウムイオン二次電池についての公知の知見を適宜参照することにより、調整されうる。また、活物質層の厚さについても特に制限はなく、リチウムイオン二次電池についての従来公知の知見が適宜参照されうる。一例を挙げると、活物質層の厚さは、2〜100μm程度である。
(負極活物質)
負極活物質はリチウムを可逆的に吸蔵および放出できるものであれば特に制限されないが、リチウムと合金化しうる元素を含むことが好ましい。リチウムと合金化しうる元素を含む形態としては、リチウムと合金化しうる元素の単体、これらの元素を含む酸化物および炭化物等が挙げられる。
リチウムと合金化しうる元素を用いることにより、従来の炭素材料に比べて高いエネルギー密度を有する高容量の電池を得ることが可能となる。また、リチウムと合金化しうる元素を含む材料はリチウムのドープ時に特に急激な発熱反応を起こし、炭素材料などの他の負極活物質に比べて発熱量を増加させる。上述したように、本実施形態では、多孔質体層が存在することによりリチウムと負極活物質との過剰な反応が抑制される点に特徴を有する。よって、リチウムとの反応による発熱量が大きいこれらの活物質を用いた場合に本発明の作用効果がより顕著に発揮される。
リチウムと合金化しうる元素としては、以下に制限されることはないが、具体的には、Si、Ge、Sn、Pb、Al、In、Zn、H、Ca、Sr、Ba、Ru、Rh、Ir、Pd、Pt、Ag、Au、Cd、Hg、Ga、Tl、C、N、Sb、Bi、O、S、Se、Te、Cl等が挙げられる。これらの中でも、容量およびエネルギー密度に優れた電池を構成できる観点から、負極活物質は、Si、Ge、Sn、Pb、Al、In、およびZnからなる群より選択される少なくとも1種の元素を含むことが好ましく、SiまたはSnの元素を含むことがより好ましく、Siを含むことが特に好ましい。酸化物としては、一酸化ケイ素(SiO)、二酸化スズ(SnO)、一酸化スズ(SnO)などを用いることができる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
この他、グラファイト、ソフトカーボン、ハードカーボン等の炭素材料、リチウム金属等の金属材料、リチウム−チタン複合酸化物(チタン酸リチウム:LiTi12)等のリチウム−遷移金属複合酸化物、およびその他の従来公知の負極活物質が使用可能である。場合によっては、これらの負極活物質が2種以上併用されてもよい。
ただし、容量を向上させるためには、リチウムと合金化しうる元素を含む負極活物質を多く活物質中に含むことが好ましい。より好ましい形態において、具体的には、負極活物質中、リチウムと合金化しうる元素を含む活物質が60質量%以上、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上、特に好ましくは100質量%含まれる。
(導電剤)
導電剤とは、導電性を向上させるために配合される添加物をいう。本実施形態において用いられうる導電剤は特に制限されず、従来公知の形態が適宜参照されうる。例えば、アセチレンブラック等のカーボンブラック、グラファイト、炭素繊維などの炭素材料が挙げられる。導電剤を含むと、活物質層の内部における電子ネットワークが効果的に形成され、電池の出力特性の向上に寄与しうる。
(バインダー)
バインダーとしては、以下に制限されることはないが、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリ酢酸ビニル、ポリイミド、およびアクリル樹脂などの熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、およびユリア樹脂などの熱硬化性樹脂、ならびにスチレン−ブタジエンゴム(SBR)などのゴム系材料が挙げられる。
(電解質・支持塩)
電解質としては、例えば、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、それらの共重合体などのリチウム塩を含むイオン伝導性ポリマー(固体高分子電解質)などが挙げられるが、これらに制限されることはない。
支持塩(リチウム塩)としては、以下に制限されないが、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiTaF、LiAlCl、Li10Cl10等の無機酸陰イオン塩;LiCFSO、Li(CFSON、Li(CSON等の有機酸陰イオン塩が挙げられる。これらの支持塩は、単独で使用されてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
[多孔質体層]
多孔質体層4は、本実施形態の負極が用いられるリチウムイオン二次電池の初回充放電において生じる電極の不可逆容量を補償するためのリチウム(イオン)の予備吸蔵層として機能する。多孔質体層4は、多孔質体の空孔内にリチウム金属またはリチウム合金が担持された構造を有する。多孔質体層4を用いることにより、リチウムの移動が抑えられ、発熱反応を抑制することが可能となる。その結果、当該発熱反応に起因する負極の内部抵抗の増大が防止されうる。
(多孔質体)
本発明において、多孔質体は、その内部にリチウム金属またはリチウム合金が担持できる多数の孔を有する固体であれば特に制限されない。前記多孔質体は、連通孔を有することが好ましい。多孔質体の材質としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミドなどの樹脂、またはステンレス鋼、銅、ニッケルなどの金属が用いられうる。好ましくは、前記多孔質体は、金属などの導電性材料を含む。前記多孔質体が導電性材料を含むことで、電極の抵抗を低減できる。また、多孔質体層において良好な導電ネットワークが形成され、その結果、負極活物質層3の表面電位が等電位化され、リチウムイオンが負極活物質にドープされる際の電子移動抵抗に起因するジュール熱の発生もまた、抑制されうる。
また、前記多孔質体を、集電体と導通させるようにすると、集電体に加えて前記多孔質体からも負極の電位を取り出すことができるようになる。
前記多孔質体は、特に制限されないが、例えば織布、不織布、メッシュ、発泡金属などの形態で用いられうる。このような形態であれば、空隙率の調節やシート状への加工が容易である。なお、前記多孔質体は、1種類のみを用いてもよく、複数の多孔質体を組み合わせて用いてもよい。
前記多孔質体の空隙率は、特に制限されないが、好ましくは20〜90%である。前記多孔質体の空隙率が20%以上であれば、リチウム金属またはリチウム合金を担持する領域が確保され、リチウムのプレドープの効果が高い。前記多孔質体の空隙率が90%以下であれば、大電流集中によるジュール熱発生およびこれに伴う熱劣化を抑制する効果が高い。また、断面の空隙率が積層方向に変化する多孔質体を用いてもよく、異なる空隙率を有する複数の多孔質体を組み合わせて用いてもよい。なお、多孔質体の空隙率は、例えば、多孔質体の一定容量の重量測定と原材料の本来の密度を比較する方法、または多孔質体の断面を電子顕微鏡観察する方法により測定されうる。
多孔質体の有する空孔の形状は特に限定されるものではなく、球状、略球状、楕円球状、角体状などの様々な形状であってよい。空孔のサイズや分散形態も特に限定されない。
前記多孔質体の平均空孔径は、特に制限されないが、好ましくは、5〜200μmである。前記多孔質体の平均空孔径が5μm以上であれば、リチウム金属またはリチウム合金を多孔質体層内に容易に導入できる。前記多孔質体の平均空孔径が200μm以下であれば、多孔質体層内の壁面にリチウム金属またはリチウム合金を担持する表面積が確保できる。ここで、空孔径は、空孔の輪郭線上の任意の2点間の距離のうち、最大の距離である。平均空孔径は多孔質体の断面を電子顕微鏡観察する方法により測定されうる。
多孔質体層4の厚さについて特に制限はないが、好ましくは、10〜100μm程度である。10μm以上であれば、電極の不可逆容量を補償するために必要なリチウムを保持できる。また、100μm以下であれば、高エネルギー密度化の観点から有利である。
(リチウム金属またはリチウム合金)
多孔質体層4がリチウム金属またはリチウム合金、好ましくはリチウム金属を含むことで、リチウムイオン二次電池の初回充放電時にリチウムイオンが負極活物質中にドープされうる。その結果、リチウムイオン二次電池における不可逆容量の補償が可能となる。この際、リチウム金属またはリチウム合金が多孔質体の空孔内に含まれることで、リチウムイオンのドープ時におけるリチウムと負極活物質との接触が抑えられ、発熱反応の発生が抑制されうる。その結果、負極の内部抵抗の上昇を抑制しつつ、不可逆容量を補償することが可能となる。
リチウム金属またはリチウム合金としては、リチウム金属またはリチウム合金が微細に粉砕されたリチウムまたはその合金の粉末を用いることができる。リチウム合金としては、例えば、Si、Ge、Sn、Pb、Al、In、Zn、H、Ca、Sr、Ba、Ru、Rh、Ir、Pd、Pt、Ag、Au、Cd、Hg、Ga、Tl、C、N、Sb、Bi、O、S、Se、Te、Cl等の合金が挙げられる。リチウム金属またはリチウム合金は、初回充放電時において生じる電極の不可逆容量を補償する機能を有する。
多孔質体層4の空孔におけるリチウム金属またはリチウム合金の充填率は特に制限されないが、空孔の全体積を基準として、好ましくは50〜90体積%である。リチウム金属またはリチウム合金の充填率が50体積%以上であれば、上述した初回充放電時における不可逆容量の補償効果が十分に発揮されうる。また、プレドープ後の多孔質体層内に電解液が浸透する十分な空孔が得られるため、高出力電池を作製しうる。一方、リチウム金属またはリチウム合金の充填率が90体積%以下であれば、多孔質体層4に導電性材料が含まれる場合、前記導電性材料による上述した効果が併せて発揮されうる。
なお、多孔質体層4におけるリチウムの充填量(担持量)は、負極活物質層に含まれる負極活物質の不可逆容量相当量以上であることが好ましく、不可逆容量相当量の1.0倍〜2.0倍の範囲であることがより好ましい。かような範囲のリチウムが含まれれば、初回充放電において生じる電極の不可逆容量を補償することができ、かつ不要なリチウム量を最小限にできるため好ましい。ここで、負極活物質層に含まれる負極活物質の不可逆容量は、予め使用する負極を用いた電池を別途作製して充放電を行い、充電前後における放電容量の差分から算出することができる。なお、前記多孔質体に担持されるリチウムの分布は、多孔質体層の全体にわたって一定であってもよく、リチウムの担持量が多孔質体層の積層方向に変化してもよい。リチウムの充填量(担持量)は、リチウム金属またはリチウム合金を充填する前の多孔質体の風体の質量をあらかじめ測定しておき、その後リチウム金属またはリチウム合金を担持させた後の多孔質体の質量を測定することによって、これらの差として求めることができる。他の方法としては、リチウム金属またはリチウム合金を充填した後の多孔質体をFIB加工によって断面を露出させ、該断面を電子顕微鏡で観察することによって多孔質体、空孔、リチウム金属またはリチウム合金の面積比を求め、各構成成分の比重から質量比を算出することができる。なお、リチウム合金を用いた場合、リチウム量に換算した充填量が上記範囲に含まれることが好ましい。
[負極の製造方法]
本実施形態のリチウムイオン二次電池用負極の製造方法としては、特に制限されるものではなく、従来公知の方法を適用して作製することができる。以下、図1に示す形態の負極を製造する場合を例に挙げて、本実施形態の負極の製造方法を説明する。
すなわち、本発明の他の一形態によれば、多孔質体にリチウム金属またはリチウム合金を担持させて多孔質体層を作製する段階と、集電体の表面に負極活物質層および前記多孔質体層を積層して負極層を形成する段階と、を含む、リチウムイオン二次電池用負極の製造方法が提供される。かような方法を用いることにより、リチウムと負極活物質との間の過度の反応とこれに伴う反応熱の発生を抑制し、内部抵抗の上昇を防止しうるリチウムイオン二次電池用負極を容易に得ることができる。
(1)多孔質体層形成工程
はじめに、多孔質体層を形成する。具体的には、多孔質体を準備し、その空孔内にリチウム金属またはリチウム合金を担持させる。リチウム金属またはリチウム合金を担持させる方法は、特に制限されない。例えば、蒸着、スパッタ、CVD(化学気相蒸着)、PVD(物理気相蒸着)、ガスデポジション、ディップコートなどの方法が用いられうる。具体的な条件は特に制限されず、従来公知の知見が適宜採用されうる。
(2)積層工程
まず、負極活物質、導電剤およびバインダーなどの電極材料を、適当なスラリー粘度調整溶媒に分散させて、負極活物質スラリーを調製する。
スラリー粘度調整溶媒としては、特に制限されないが、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)などが挙げられる。スラリーはホモジナイザーまたは混練装置などを用いて溶媒および固形分よりインク化される。
次いで、集電体の表面に上記で調製した負極活物質スラリーを塗布する。スラリーを集電体に塗布するための塗布手段は特に限定されないが、例えば、自走型コーター、ドクターブレード法、スプレー法などの一般に用いられる手段が採用されうる。
続いて、集電体の表面に形成された塗膜を乾燥させる。これにより、塗膜中の溶媒が除去される。塗膜を乾燥させるための乾燥手段も特に制限されず、電極製造について従来公知の知見が適宜参照されうる。例えば、加熱処理が例示される。乾燥条件(乾燥時間、乾燥温度など)は、スラリーの塗布量やスラリー粘度調製溶媒の揮発速度に応じて適宜設定されうる。得られた乾燥物はプレスすることによって電極の密度、空孔率や厚みが調整される。なお、このプレス処理は乾燥前に行なわれてもよい。これにより、集電体の表面に負極活物質層が形成される。
次いで、作製された負極活物質層の表面に、上記で作製した多孔質体層を積層し、負極層が形成される。
本発明の負極は、負極層として、負極活物質層に加えて、負極層の少なくとも一部にリチウムまたはリチウム合金を担持した多孔質体層を有する。図1の実施形態では多孔質体層4が負極活物質層の上に積層される形態を説明したが、本発明の技術的範囲はかような形態のみには制限されない。例えば、図2に示すように、多孔質体層4が、負極活物質層3と集電体2との間に配置されていてもよい。また、負極活物質層3または多孔質層4を複数含む形態であってもよい。例えば、図3に示す形態においては、多孔質体層4が、複数の層から形成される負極活物質層の間に配置される。しかしながら、多孔質体層の空孔部分が電解液を保持し、電池の充放電過程において有利であるため、図1のような多孔質体層4が負極活物質層3の上の集電体と反対側の面(セパレータ側)に積層される形態が好ましい。なお、図2、図3に示す実施形態において、各構成要素の具体的な形態は、上述した図1に示す実施形態と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
また、図4に示す形態においては、多孔質体層は、負極活物質層3上の、集電体2が積層された表面と反対側の表面に形成される。そして、多孔質体層を形成する多孔質体4aにおいて、リチウムの担持量は、集電体の側に向かって積層方向に減少する。この場合、リチウムイオンの拡散速度および電流値も、集電体の側に向かって積層方向に減少するため、負極活物質層と接する部分での電流集中をさらに抑えることができる。このようなリチウムの担持量が、集電体の側に向かって積層方向に減少する多孔質体層の作製方法は特に制限されない。例えば、多孔質体のセパレータ側の表面付近の空孔のみにリチウムまたはリチウム合金を導入してもよい。または、空隙率が厚さ方向に変化する多孔質体を準備し、前記多孔質体の空孔内に、空隙率が高い側の表面から蒸着、スパッタ、CVD、PVD、ガスデポジション、ディップコートなどの方法でリチウムまたはリチウム合金を導入することによって作製されうる。
図5に示す形態においては、多孔質体層は、リチウムの担持量の異なる複数の多孔質体4bおよび4cから形成される。そして、前記複数の多孔質体4bおよび4cは、リチウムの担持量が、集電体の側に向かって積層方向に段階的に減少するように積層される。このような形態とすることで、リチウムイオンの拡散速度および電流値も、集電体の側に向かって積層方向に減少するため、そのため、負極活物質層と接する部分での電流集中をさらに抑えることができる。図5に示す負極の作製方法は特に制限されない。例えば、リチウムの担持量の異なる複数の多孔質体を準備して、リチウムの担持量の少ないものから負極活物質層上に積層してもよい。または、空隙率が異なる複数の多孔質体を、空隙率が段階的に変化するように積層した後、空隙率の高い側の表面から蒸着、スパッタ、CVD、PVD、ガスデポジション、ディップコートなどの方法でリチウム金属またはリチウム合金を導入する。そしてこれをリチウム金属またはリチウム合金を導入した側と反対側の表面が負極活物質層と接するように負極活物質層上に積層することによって負極を作製することができる。
なお、図2に示す形態の負極を作製する場合、多孔質体層4におけるリチウムの担持量が、集電体2側から負極活物質層3側に向かって減少する形態であれば、発熱を抑える効果が高い。また、図3に示す形態の負極を作製する場合、多孔質体層4におけるリチウムの担持量が、多孔質体層4の中央から両方の活物質層3の側に向かって減少する形態であれば、リチウムの移動がより抑制され、発熱を抑える効果が高い。
[電池]
上記実施形態に係るリチウムイオン二次電池用負極はリチウムイオン二次電池に用いられうる。すなわち、本発明の一形態は上記の実施形態に係るリチウムイオン二次電池用負極を用いて構成される、リチウムイオン二次電池である。リチウムイオン二次電池の構造および形態は、双極型電池、積層型電池など特に制限されず、従来公知のいずれの構造にも適用されうる。以下、本発明のリチウムイオン二次電池の構造について説明する。
図6は、本発明の代表的な一実施形態である双極型リチウムイオン二次電池(以下、単に「双極型二次電池」とも称する)の概要を模式的に表した断面概略図である。なお、図6および後述する図7において、多孔質体層4の図示は省略されている。
図6に示す本実施形態の双極型二次電池10は、実際に充放電反応が進行する略矩形の発電要素21が、電池外装材であるラミネートシート29の内部に封止された構造を有する。
図6に示すように、本実施形態の双極型二次電池10の発電要素21は、集電体11の一方の面に電気的に結合した正極活物質層13が形成され、前記集電体11の反対側の面に電気的に結合した負極活物質層15が形成された複数の双極型電極を有する。各双極型電極は、電解質層17を介して積層されて発電要素21を形成する。なお、電解質層17は、基材としてのセパレータの面方向中央部に電解質が保持されてなる構成を有する。この際、一の双極型電極の正極活物質層13と前記一の双極型電極に隣接する他の双極型電極の負極活物質層15とが電解質層17を介して向き合うように、各双極型電極および電解質層17が交互に積層されている。すなわち、一の双極型電極の正極活物質層13と前記一の双極型電極に隣接する他の双極型電極の負極活物質層15との間に電解質層17が挟まれて配置されている。
隣接する正極活物質層13、電解質層17、および負極活物質層15は、一つの単電池層19を構成する。したがって、双極型二次電池10は、単電池層19が積層されてなる構成を有するともいえる。また、電解質層17からの電解液の漏れによる液絡を防止する目的で、単電池層19の外周部にはシール部31が配置されている。該シール部31を設けることで、隣接する集電体11間を絶縁し、隣接する電極間の接触による短絡を防止することもできる。なお、発電要素21の最外層に位置する正極側の最外層集電体11aには、片面のみに正極活物質層13が形成されている。また、発電要素21の最外層に位置する負極側の最外層集電体11bには、片面のみに負極活物質層15が形成されている。ただし、正極側の最外層集電体11aの両面に正極活物質層13が形成されてもよい。同様に、負極側の最外層集電体11bの両面に負極活物質層13が形成されてもよい。
さらに、図6に示す双極型二次電池10では、正極側最外層集電体11aに隣接するように正極集電板25が配置され、これが延長されて電池外装材であるラミネートシート29から導出している。一方、負極側最外層集電体11bに隣接するように負極集電板27が配置され、同様にこれが延長されて電池の外装であるラミネートシート29から導出している。
以下、双極型二次電池を構成する負極以外の構成要素について、簡単に説明するが、下記の形態のみには限定されない。
[正極(正極活物質層)]
正極活物質層13は正極活物質を含み、必要に応じて他の添加剤を含みうる。正極活物質層13の構成要素のうち、正極活物質以外は、負極活物質層15について上述したのと同様の形態が採用されうるため、ここでは説明を省略する。正極活物質層13に含まれる成分の配合比および正極活物質層の厚さについても特に限定されず、リチウムイオン二次電池についての従来公知の知見が適宜参照されうる。
正極活物質は、特にリチウムの吸蔵放出が可能な材料であれば特に限定されず、リチウムイオン二次電池に通常用いられる正極活物質が利用されうる。具体的には、リチウム−遷移金属複合酸化物が好ましく、例えば、LiMnなどのLi−Mn系複合酸化物、LiNiOなどのLi−Ni系複合酸化物、LiNi0.5Mn0.5などのLi−Ni−Mn系複合酸化物が挙げられる。場合によっては、2種以上の正極活物質が併用されてもよい。
なお、上述した多孔質体層は、正極活物質層13と併せて用いて、正極層を構成してもよい。
[電解質層]
電解質層17は、正極活物質層と負極活物質層との間の空間的な隔壁(スペーサ)として機能する。また、これと併せて、充放電時における正負極間でのリチウムイオンの移動媒体である電解質を保持する機能をも有する。
電解質層を構成する電解質に特に制限はなく、液体電解質、ならびに高分子ゲル電解質および高分子固体電解質などのポリマー電解質が適宜用いられうる。
液体電解質は、可塑剤である有機溶媒に支持塩であるリチウム塩が溶解した形態を有する。可塑剤として用いられる有機溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート(EC)やプロピレンカーボネート(PC)などのカーボネート類が挙げられる。また、支持塩(リチウム塩)としては、LiN(SO、LiN(SOCF、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiSOCFなどの電極の活物質層に添加されうる化合物を同様に用いることができる。
一方、ポリマー電解質は、電解液を含むゲル電解質と、電解液を含まない高分子固体電解質に分類される。
ゲル電解質は、リチウムイオン伝導性を有するマトリックスポリマーに、上記の液体電解質が注入されてなる構成を有する。リチウムイオン伝導性を有するマトリックスポリマーとしては、例えば、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、およびこれらの共重合体などが挙げられる。かようなマトリックスポリマーには、リチウム塩などの電解質塩がよく溶解しうる。
なお、電解質層が液体電解質やゲル電解質から構成される場合には、電解質層にセパレータを用いてもよい。セパレータの具体的な形態としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンといったポリオレフィンやポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン(PVdF−HFP)等の炭化水素、ガラス繊維などからなる微多孔膜が挙げられる。
高分子固体電解質は、上記のマトリックスポリマーに支持塩(リチウム塩)が溶解してなる構成を有し、可塑剤である有機溶媒を含まない。したがって、電解質層が高分子固体電解質から構成される場合には電池からの液漏れの心配がなく、電池の信頼性が向上しうる。
高分子ゲル電解質や高分子固体電解質のマトリックスポリマーは、架橋構造を形成することによって、優れた機械的強度を発揮しうる。架橋構造を形成させるには、適当な重合開始剤を用いて、高分子電解質形成用の重合性ポリマー(例えば、PEOやPPO)に対して熱重合、紫外線重合、放射線重合、電子線重合などの重合処理を施せばよい。なお、上記電解質は、電極の活物質層中に含まれていてもよい。
[シール部]
シール部31は、双極型二次電池に特有の部材であり、電解質層17の漏れを防止する目的で単電池層19の外周部に配置されている。このほかにも、電池内で隣り合う集電体同士が接触したり、積層電極の端部の僅かな不ぞろいなどによる短絡が起こったりするのを防止することもできる。図6に示す形態において、シール部31は、隣接する2つの単電池層19を構成するそれぞれの集電体11で挟持され、電解質層17の基材であるセパレータの外周縁部を貫通するように、単電池層19の外周部に配置されている。シール部31の構成材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、エポキシ樹脂、ゴム、ポリイミドなどが挙げられる。なかでも、耐蝕性、耐薬品性、製膜性、経済性などの観点からは、ポリオレフィン樹脂が好ましい。
[正極集電板および負極集電板]
集電板(25、27)を構成する材料は、特に制限されず、リチウムイオン二次電池用の集電板として従来用いられている公知の高導電性材料が用いられうる。集電板の構成材料としては、例えば、アルミニウム、銅、チタン、ニッケル、ステンレス鋼(SUS)、これらの合金等の金属材料が好ましい。軽量、耐食性、高導電性の観点から、より好ましくはアルミニウム、銅であり、特に好ましくはアルミニウムである。なお、正極集電板25と負極集電板27とでは、同一の材料が用いられてもよいし、異なる材料が用いられてもよい。また、最外層集電体(11a、11b)を延長することにより集電板としてもよいし、図6に示すように別途準備したタブを最外層集電体に接続してもよい。
[正極リードおよび負極リード]
また、図示は省略するが、集電体11と集電板(25、27)との間を正極リードや負極リードを介して電気的に接続してもよい。正極および負極リードの構成材料としては、公知のリチウムイオン二次電池において用いられる材料が同様に採用されうる。なお、外装から取り出された部分は、周辺機器や配線などに接触して漏電したりして製品(例えば、自動車部品、特に電子機器等)に影響を与えないように、耐熱絶縁性の熱収縮チューブなどにより被覆することが好ましい。
[外装]
外装としては、図6に示すようなラミネートシート29が用いられうる。ラミネートシートは、例えば、ポリプロピレン、アルミニウム、ナイロンがこの順に積層されてなる3層構造として構成されうる。なお、場合によっては、従来公知の金属缶ケースもまた、外装として用いられうる。
以上、図6に示す形態の双極型二次電池10を例に挙げて、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、例えば、双極型でないリチウムイオン二次電池にも適用されうる。図7は、双極型でない積層型のリチウムイオン二次電池(積層型電池)の全体構造を模式的に表した断面概略図である。
図7に示すように、本実施形態のリチウムイオン二次電池10’は、実際に充放電反応が進行する略矩形の発電要素21が、外装であるラミネートシート29の内部に封止された構造を有する。詳しくは、高分子−金属複合ラミネートシートを電池の外装として用いて、その周辺部の全部を熱融着にて接合することにより、発電要素21を収納し密封した構成を有している。
発電要素21は、正極集電体11の両面に正極活物質層13が配置された正極と、電解質層17と、負極集電体12の両面に負極活物質層15が配置された負極とを積層した構成を有している。具体的には、1つの正極活物質層13とこれに隣接する負極活物質層15とが、電解質層17を介して対向するようにして、正極、電解質層および負極がこの順に積層されている。
これにより、隣接する正極、電解質層および負極は、1つの単電池層19を構成する。従って、本実施形態のリチウムイオン電池10’は、単電池層19が複数積層されることで、電気的に並列接続されてなる構成を有するともいえる。また、単電池層19の外周には、隣接する正極集電体11と負極集電体12との間を絶縁するためのシール部(絶縁層)(図示せず;図6の符号31を参照)が設けられていてもよい。発電要素21の両最外層に位置する最外層正極集電体には、いずれも片面のみに正極活物質層12が配置されている。なお、図7とは正極および負極の配置を逆にすることで、発電要素21の両最外層に最外層負極集電体が位置するようにし、該最外層負極集電体の片面のみに負極活物質層が配置されているようにしてもよい。
正極集電体11および負極集電体12は、各電極(正極および負極)と導通される正極集電板25および負極集電板27がそれぞれ取り付けられ、ラミネートシート29の端部に挟まれるようにしてラミネートシート29の外部に導出される構造を有している。正極集電板25および負極集電板27はそれぞれ、必要に応じて正極リードおよび負極リード(図示せず)を介して、各電極の正極集電体11および負極集電体12に超音波溶接や抵抗溶接等により取り付けられていてもよい。
本実施形態の双極型二次電池10やリチウムイオン二次電池10’は、上述した実施形態の負極を用いている。よって、これらの電池では、動作時における内部短絡の発生が効果的に抑制されうる。また、リチウムイオンのドープ時における発熱も抑制され、活物質等の電池の構成要素の劣化が防止されうる。このため、本実施形態によれば、信頼性の高い電池が提供されうる。
[組電池]
上述した実施形態の双極型二次電池10やリチウムイオン二次電池10’は、複数個接続されて組電池を構成してもよい。詳しくは、少なくとも2つの電池が、直列化あるいは並列化あるいはその両方で接続されることにより、組電池が構成されうる。この際、直列、並列化することで容量および電圧を自由に調節することが可能になる。
本実施形態の組電池を構成する二次電池の数および接続の仕方は、電池に求める出力および容量に応じて決定されうる。本実施形態によれば、信頼性の高い組電池が提供されうる。また、本実施形態の組電池を構成することにより、組電池を構成する1つの単電池層(単セル)の劣化による組電池全体への影響を低減することもできる。
図8は、本発明の一実施形態に係る組電池の外観図であって、図8Aは組電池の平面図であり、図8Bは組電池の正面図であり、図8Cは組電池の側面図である。
図8に示す形態では、上述した実施形態の電池(10、10’)が複数、直列および/または並列に接続されて装脱着可能な小型の組電池35が形成されている。そして、この装脱着可能な小型の組電池35がさらに複数、直列および/または並列に接続され、組電池37とされている。これにより、組電池37は、高体積エネルギー密度、高体積出力密度が求められる車両駆動用電源や補助電源に適した大容量、大出力を持つ組電池37とされる。作製した装脱着可能な小型の組電池35は、バスバーのような電気的な接続手段を用いて相互に接続され、この組電池35は接続治具39を用いて複数段積層される。何個の非水電解質二次電池を接続して組電池35を作成するか、また、何段の組電池35を積層して組電池37を作成するかは、搭載される車両(電気自動車)の電池容量や出力に応じて決めればよい。本実施形態の組電池は、上述した実施形態の電池を用いて構成されていることから、耐久性に優れる。
[車両]
上述した実施形態の二次電池(10、10’)や組電池37は、車両の駆動用電源として用いられうる。これらの二次電池または組電池は、例えば、自動車ならばハイブリッド車、燃料電池車、電気自動車(いずれも四輪車(乗用車、トラック、バスなどの商用車、軽自動車など)のほか、二輪車(バイク)や三輪車を含む)に用いられうる。これにより、高寿命で信頼性の高い自動車が提供されうる。ただし、用途が自動車に限定されるわけではなく、例えば、他の車両であれば、電車などの移動体の各種電源であっても適用は可能であるし、無停電電源装置などの載置用電源として利用することも可能である。
図9は、図8に示す実施形態の組電池37を搭載した車両の概念図である。
図9に示すように、組電池37を電気自動車40のような車両に搭載するには、電気自動車40の車体中央部の座席下に搭載する。座席下に搭載すれば、車内空間およびトランクルームを広く取ることができるからである。なお、組電池37を搭載する場所は、座席下に限らず、後部トランクルームの下部でもよいし、車両前方のエンジンルームに搭載してもよい。以上のような組電池37を用いた電気自動車40は優れた耐久性を有し、長期間使用しても十分な出力を提供しうる。さらに、燃費、走行性能に優れた電気自動車、ハイブリッド自動車を提供できる。
[電池の製造方法]
本実施形態のリチウムイオン二次電池の製造方法としては、特に制限されるものではなく、従来公知の方法を適用して作製することができる。
本発明の他の一形態によれば、上述した形態のリチウムイオン二次電池用負極を用いて発電要素を作製する発電要素作製工程と、前記発電要素をエージングするエージング工程とを含む、リチウムイオン二次電池の製造方法が提供される。かような手法によれば、本実施形態のリチウムイオン二次電池が簡便な手法により製造されうる。
(1)発電要素作製工程
例えば、双極型電池の場合には、まず、集電体の一方の面に正極活物質層が形成され他方の面に負極活物質層および多孔質体層を含む負極層が形成されてなる双極型電極を作製する。作製方法としては、従来公知の知見と、特に負極面側の作製方法については上述した手法が併せて参照されうる。例えば、正極面側については、負極と同様に、正極活物質、導電剤およびバインダーなどの電極材料を適当なスラリー粘度調製溶媒に分散させてスラリーとし、これを集電体の表面に塗布した後、乾燥およびプレスすることにより活物質層を形成すればよい。
次に、正極活物質層と負極層とがセパレータを介して対向するように、双極型電極とセパレータとを交互に積層する。これにより、発電要素が作製される。この際、単電池層の数が所望の数となるまでセパレータおよび電極の積層を繰り返す。かような製造方法によれば、より簡便な手法によってセパレータの形成が可能であり、かつ、セパレータと正極活物質層または負極層との密着性が高い発電要素が作製されうる。
そして、得られた発電要素の両端に必要に応じて集電板および/またはリードを接続し、集電板またはリードが導出するように、発電要素をアルミラミネートシートからなるバッグに収容する。その後、注液機により電解液を注液して、減圧下で端部をシールすることにより、双極型電池が完成する。
上記では電解質が液体電解質である場合の双極型電池を例に挙げて説明したが、ゲル電解質や真性ポリマー電解質を用いた場合の双極型電池およびここで挙げた電解質を用いた積層型電池の作製についても、公知の技術を参照して実施可能であり、ここでは省略する。
(2)エージング工程
上記(1)において作製した電池を所定の時間エージング(静置)する。これにより、負極の多孔質体層に存在するリチウムがイオン化して、負極活物質層および/または正極活物質層に存在する活物質にドープされる。エージング工程を実施することにより、活物質層における単位面積当たりのリチウムドープ量を均一化することができ、信頼性の向上した電池が得られる。
エージングの温度は、短時間でリチウムドープを完了するという観点からは、好ましくは20〜80℃であり、より好ましくは40〜60℃である。また、エージング時間は、エージング後の電池の電圧が所望のレベルとなるように適宜決定すればよいが、通常24〜120時間程度である。
エージング工程後の電池の電圧は、1.0V以上であることが好ましく、1.0〜3.2Vであることがより好ましく、1.2〜3.0Vであることがさらに好ましい。エージング工程後の電池の電圧がかような範囲内の値であれば、リチウムが活物質層に十分にドープされている。
なお、エージングは電池の組み立てや予備充電の後に行なってもよい。予備充電の条件は特に制限されない。例えば、20〜60℃で定電流方式(電流:0.5C)で10分間充電する方法を用いてもよい。
[ドープ後の電池]
上述したように、製造直後の電池においては、負極の多孔質体層にリチウムが存在する。言い換えれば、負極にリチウムがプレドープ(予備吸蔵)されている。このプレドープされたリチウムは、エージングおよび/または初充電の際にイオン化して、負極活物質層および/または正極活物質層内にドープされる。
その結果、多孔質体層中のリチウムが存在していた部分の全部または一部は空隙(中空領域)となりうる。
したがって、本発明によれば、負極が多孔質体層を有し、当該多孔質体層の空隙率が20〜90%である、リチウムイオン二次電池も提供される。なお、かような形態の電池において、多孔質体層の有する空隙は、上述したリチウムのドープによって生じたものである必要はない。また、多孔質体層におけるかような中空構造は、例えば、電極の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)などを用いて撮影することにより確認することができる。
上述したような多孔質体層の有する空隙は、電池の充放電過程において、電解液保持層として機能しうる。充放電時における膨張収縮が大きい活物質(例えば、合金系負極活物質)を用いた場合には、活物質層において電解液の不足が生じたり、電解液の保持が不均一となったりするおそれがある。これに対し、上述のような空隙が多孔質体層に存在すると、この空隙に電解液が保持され、均一かつ円滑な電解液の吸収・供給が可能となるのである。また、かような空隙の存在により、電池の充放電時におけるリチウムイオンの拡散抵抗も低減される。その結果、電池の出力特性の観点からも好ましい。
多孔質体層の空隙率は20〜90%であり、好ましくは30〜80%である。多孔質体層の空隙率が20%以上であれば、上述した電解液保持層としての機能が十分に発揮されうる。一方、多孔質体層の空隙率が90%以下であれば、電極の機械的強度の低下が防止されうる。
以上、本発明の好適な実施形態について示したが、本発明は、以上の実施形態に限られず、当業者によって種々の変更、省略、および追加が可能である。
以下、本発明の実施形態に係る負極およびこれを用いた二次電池の効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明するが、本発明の技術的範囲は以下の実施例に限定されるものではない。
[積層型電池]
[実施例1]
1.負極の作製
多孔質体として、目開き10μm、厚さ20μmのニッケル製のマイクロスクリーン(東京プロセスサービス株式会社製)を準備した。このマイクロスクリーンの空隙率は、30%であった。このマイクロスクリーンに、リチウム金属を蒸着し、リチウム金属を担持した多孔質体を作製した。リチウム金属の蒸着は、リチウム金属を抵抗加熱により500℃に加熱して行った。蒸着時の真空圧力は3×10−4Paであり、蒸着に要した時間は40分であった。マイクロスクリーンの空孔内部に、リチウム金属が捕捉されており、リチウム金属量は負極活物質層中の負極活物質の不可逆容量を過不足なく補填する量とした(充填量 3.2g)。
次いで、厚み10μmの銅箔をエッチング処理して、その後炭酸ガスレーザーを用いて、コンフォーカル・マスク法により穴(φ100μm、0.25mm−2)を設けて、リチウム金属を含まない多孔質体を作製した。この多孔質体の空隙率は、25%であった。
負極活物質としてSiO、導電剤としてアセチレンブラック、およびバインダーとしてポリフッ化ビニリデン(PVdF)を、80:10:10の質量比で混合し、混合物の質量の70%の質量に相当する、スラリー粘度調整溶媒であるN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を加えて十分に混練し、負極活物質スラリーを調製した。
一方、負極集電体として、銅箔を準備した。この集電体の片面に、上記で調製した負極活物質スラリーを塗布し、80℃で熱風乾燥した後にロール圧延し、シート状の負極活物質層を形成した。
図10に概略を示すように、上記で作製した負極活物質層3の表面に、同様に上記で作製したリチウム金属を含まない多孔質体(空孔7’を含むマイクロスクリーン6’)を積層した。さらに、リチウム金属を担持した多孔質体(リチウム金属を担持した空孔7を含むマイクロスクリーン6)をこの順に積層して負極を完成させた。次いで、負極活物質層が形成されていない集電体部分に集電板として銅製負極リード板をスポット溶接で取り付けた。
2.正極の作製
正極活物質としてLiNiO、導電剤としてアセチレンブラック、およびバインダーとしてPVdFを、84:10:6の質量比で混合し、これらの質量の40%の質量に相当する、スラリー粘度調整溶媒であるN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を加えて混練し、正極活物質スラリーを調製した。
一方、負極集電体として、アルミニウム箔を準備した。この集電体の片面に、上記で調製した正極活物質スラリーをドクターブレード法によって塗布し、130℃で熱風乾燥した後にロール圧延し、シート状の正極活物質層を形成した。次いで、負極活物質層が形成されていない集電体部分に集電板としてニッケル製負極リード板をスポット溶接で取り付けた。
3.試験用セルの作製
セパレータとして、ポリエチレン製微多孔質膜(厚さ=25μm)を準備した。また、電解液として、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)との等体積混合液にリチウム塩であるLiPFが1Mの濃度で溶解した溶液を準備した。
上記で作製/準備した正極、セパレータ、および負極を、両集電体が最外層に位置するようにこの順に積層した。得られた積層体を外装であるアルミラミネートシート製のバッグ中に載置し、上記で準備した電解液を注液した。両電極に接続された集電板が導出するようにアルミラミネートシート製バッグの開口部を封止し、試験用セルを完成させた。
参考例2]
図11に示すように、リチウム金属を担持した多孔質体(マイクロスクリーン)6の上に、さらに上記で作製したリチウム金属を含まない多孔質体(マイクロスクリーン)6'をさらに積層したことを除いては、上述した実施例1と同様の手法により試験用セルを作製した。
[実施例3]
多孔質体である厚さ方向に対する断面における空隙率が傾斜的に変化するNi製の発泡金属(三菱マテリアル株式会社製)に対して、空隙率の大きい側の表面からリチウム金属を蒸着し、リチウム金属を担持した多孔質体を作製した。リチウム金属の蒸着は、リチウム金属を抵抗加熱により520℃に加熱して行った。蒸着時の真空圧力は3×10−4Paであり、蒸着に要した時間は45分であった。多孔質体の空孔内部に、リチウム金属が捕捉されており、リチウム金属量の充填量は3.4gであった。
図12のように、上記のリチウム金属を担持した多孔質体(発泡金属8)を、実施例1と同様に作製した負極活物質層上に、多孔質体の空隙率の低い側が負極活物質層側になるように積層し、負極を作製した。他の条件は実施例1と同様にして試験用セルを作製した。
[実施例4]
多孔質体として、目開き10μm、厚さ20μmのニッケル製マイクロスクリーン1(東京プロセスサービス株式会社製)と、目開き5μm、厚さ20μmのニッケル製マイクロスクリーン2(東京プロセスサービス株式会社製)とを準備した。マイクロスクリーン1と、マイクロスクリーン2とを負極活物質層に接合して、マイクロスクリーン1に対向するようにリチウム金属を蒸着し、多孔質体層を作製した。リチウム金属の蒸着は、リチウム金属を抵抗加熱により500℃に加熱して行った。蒸着時の真空圧力は3×10−4Paであり、蒸着に要した時間は50分であった。この操作により、マイクロスクリーン1、マイクロスクリーン2、および負極活物質層は、この順に積層された一体構造となった(図13)。空孔内部に、リチウム金属が捕捉されており、リチウム金属量は負極活物質層中の負極活物質の不可逆容量を過不足なく補填する量とした。リチウム金属量の充填量は3.6gであった。他の条件は実施例1と同様にして試験用セルを作製した。
[実施例5]
図14に示すように、実施例1で作製した負極の負極集電体と、リチウムを含まない多孔質体とを銅製集電体接続板9を介して等電位になるように接続し、多孔質体からも負極電位を取り出せるようにしたことを除いては、実施例1と同様にして試験用セルを作製した。
[比較例1]
負極において、多孔質体層を設けなかったこと以外は、上述した実施例1と同様の手法により、試験用セルを作製した。
[エージング]
上記で作製した各試験用セルに対して、45℃、2日間エージング処理を施した。
[試験用セルの評価]
上記でエージング処理を施した各試験用セルについて、25℃の大気中で、定電流定電圧方式(CCCV、電流:0.5C、電圧:3.8V)で3時間充電した後、定電流(CC、電流:0.5C)で2.0Vまで放電し、放電後30分間休止させた。
続いて、定電流定電圧方式(CCCV、電流:0.5C、電圧:3.8V)で3時間充電して、充電容量を測定した。その後、定電流(CC、電流:3.0C)で20秒間放電させ、放電容量を測定した。これらの値に基づき、初期クーロン効率(%)を算出した。また、200サイクル経過後の容量維持率を測定した。結果を下記の表1に示す。
上述のように、負極にリチウム金属を担持させた多孔質体層を備えた実施例1、3〜5および参考例2の電池は、リチウムイオンのドープ時に大きな電流が流れることなく、発熱が抑制され、不可逆容量を補償する。このため、実施例1、3〜5および参考例2の電池は、充放電効率および容量維持率が改善されることが示された。これは、電極の内部抵抗上昇の抑制によるものと考えられる。
1 負極、
2 集電体、
3 負極活物質層、
4 多孔質体層、
4a リチウムの担持量が集電体側に向かって積層方向に減少する多孔質体、
4b リチウムの担持量が多い多孔質体
4c リチウムの担持量が少ない多孔質体、
5 負極層、
6、6’ マイクロスクリーン、
7 空孔(リチウム担持)、
7’ 空孔、
8 発泡金属、
9 集電体接続板、
10 双極型二次電池、
10’ リチウムイオン二次電池
11 集電体(正極集電体)、
11a 正極側最外層集電体、
11b 負極側最外層集電体、
12 負極集電体、
13 正極活物質層、
15 負極活物質層、
17 電解質層、
19 単電池層、
21 発電要素、
25 正極集電板、
27 負極集電板、
29 ラミネートシート、
31 シール部、
35 小型の組電池、
37 組電池、
39 接続冶具、
40 電気自動車。

Claims (9)

  1. 集電体と、
    前記集電体の表面に形成された、負極活物質を含む1以上の負極活物質層および多孔質体の空孔内にリチウム金属またはリチウム合金が担持された1以上の多孔質体層を有する負極層と、
    を有し、
    前記多孔質体層が、前記負極活物質層の、前記集電体が積層された表面と反対側の表面に形成され、
    前記多孔質体層におけるリチウムの担持量が、集電体の側に向かって積層方向に減少する、リチウムイオン二次電池用負極。
  2. 前記多孔質体層は、リチウムの担持量の異なる複数の多孔質体から形成され、前記複数の多孔質体は、リチウムの担持量が集電体の側に向かって積層方向に段階的に減少するように積層される、請求項に記載のリチウムイオン二次電池用負極。
  3. 前記多孔質体が、導電性材料を含む、請求項1または2に記載のリチウムイオン二次電池用負極。
  4. 多孔質体の空孔内にリチウム金属またはリチウム合金を担持させて多孔質体層を作製する段階と、
    集電体の表面に負極活物質層および前記多孔質体層を積層して負極層を形成する段階と、
    を含む、リチウムイオン二次電池用負極の製造方法。
  5. 前記多孔質体層は、空隙率が厚み方向に減少する多孔質体の空孔内に、空隙率が高い方の表面から、蒸着、スパッタ、CVD、PVD、ガスデポジション、またはディップコートによってリチウム金属またはリチウム合金を導入することによって作製される、請求項に記載のリチウムイオン二次電池用負極の製造方法。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用負極を含む、リチウムイオン二次電池。
  7. 双極型二次電池である、請求項に記載のリチウムイオン二次電池。
  8. 請求項1〜のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用負極を用いて発電要素を作製する発電要素作製工程と、
    前記発電要素をエージングするエージング工程と、
    を含む、リチウムイオン二次電池の製造方法。
  9. 前記エージング工程後のリチウムイオン二次電池の電圧が1.0〜3.2Vである、請求項に記載のリチウムイオン二次電池の製造方法。
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