JP2006296211A - 植栽装置と給・排水基盤。 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】装置底部に設けられる防水層と、植物の毛根等の装置外への侵出を防止するために前記防水層上に固着張設されるル−トガ−ドと、この上に設けられ、上方から浸透する雨水あるいはその他の手段による潅水等を保持・排水し、保持した水分を植物の根部に供給するとともに積層される土壌を把持するための給・排水基盤と、 給・排水基盤上に設置され表面に防風ネットを有する客土層とを具え、前記給・排水基盤は、一体に形成される保水部と排水部とを複数有るとともに前記防風ネットの係止手段を有し、この係止手段は給・排水基盤の底部に形成した開口部とこの開口部に嵌合する中空体とそのブラケット部により構成するとともに前記中空体は基部とこれに着脱可能な頂部を具えて、基部の着脱により中空体の高さ調整を自在になし得る植栽装置を提供して上記課題を解決する。
【選択図】 図5
Description
このような時、多くの場合は、建造物等のスラブ面の防水層上に押えのコンクリート層を形成し、この上に、植栽層として、砂、砂利等からなる砂利層と、客土層を順次積層して植物を植栽するようにしている。
そこで、本出願人は、先に保水性、排水性に優れた軽量の植栽装置を開示している(例えば特許2531542号公報参照)。
このため、排水を考慮して設けられていたコンクリート層が不要となり、保水性の向上によって植栽層も草木の根毛の長さなどを考慮した必要最小限の厚さ、例えば50mm程度に設定することが可能となっている。
なお、本願発明に関する文献としてつぎのようなものが存在する。
すなわち、まず風に対する対策が施されていない点である。この種の装置は、建造物の屋上等、高所に設けられることが多いが、このような高所では常に方向不規則な風が発生しており、このため客土層の土壌が飛散しやすい。
また、客土層は建造物等に対する荷重の点から出来うる限り薄く構築することが望ましいが、これをあまり薄くすると植栽した植物の根が張れず、僅かの風にも倒壊してしまう。このことは、特に植木を植栽した場合には顕著であって、ある程度の高さに成育する植木に場合には、無風時でさえ正立させることが困難である。
さらにまた、現在では、屋上等の水平な面だけでなく、勾配屋根等のような傾斜した面にも植栽を施したいとするユーザーの要請もあり、このような要請に応じて上記装置を適用した場合には、設置状態は不安定になり、特に客土層の土壌の保持が困難になる。
このような点を解決しようとする技術が、特許第2717632号公報に開示されている。しかしながら、この技術においては、装置の固定が煩雑で、施工コストが嵩むうえ、施工に時間が掛かるという問題がある。
本願発明者等はさらに新たな植栽装置の研究開発に勤め、植栽装置に関して、特許第3280912号、特許第3286753号、特許第3328583号として登録されている。 ところが、これらの植栽装置では、ドレイン板(保水給排水手段)と固定手段である円錐台形状の中空体とが一体に形成され全体として形状が複雑大型化している。したがって、樹脂材でドレイン板を成形する場合、金型の製作が容易でなく費用も増大する。 さらに、製品の保管、搬送も手数がかかる。
このため、ドレイン板と中空体を別部材で構成し、まず、中空体を設置固定し次いで、ドレイン板の開口部に中空体を通してドレイン板を設置する試みがなされているが、双方の位置合わせが難しく作業効率があがらないという不都合が生じている。
さらには、前記従来の中空体は高さが一定であるため、、植栽装置の設置状況に応じて土床厚を変化させる必要性に対応しきれない問題を有している。
前記給・排水基盤は、一体に形成される保水部と排水部とを複数有るとともに前記防風ネットの係止手段を有し、この係止手段は給・排水基盤の底部に形成した開口部とこの開口部に嵌合する中空体とそのブラケット部により構成するとともに前記中空体は基部とこれに着脱可能な頂部を具えて、基部の着脱により中空体の高さ調整を自在になし得るように構成して上記従来の課題を解決しようとするものである。
図1は、当該実施形態に係る植栽装置の一部断面図である。図において、Aは建造物の屋上のコンクリートスラブ面に貼着される防水層であり、この防水層Aの上面には、植物の毛根等の防水層への進出を防止するための樹脂製のルートガードBが張設されている。
また、図3は給・排水基盤C上に適宜間隔で形成される前記係止手段3の構成を示す一部断面側面図である。 この係止手段3は、前述のように、給・排水基盤Cの底部に形成した開口部5とこの開口部5にそのブラケット部6が嵌合する中空体4とにより構成されている。すなわち、樹脂材またはアルミ材で形成される中空体4は円錐台形状をなしていて下端の周縁にはブラケット部6が一体に形成されている。 ブラケット部6は方形に形成されている。 一方、開口部5は、一辺が前記ブラケット部5よりやや大きく形成された方形を有しており、方形の各辺の周縁上方には傾斜面を有する立壁7が形成されている。 したがって、中空体4を開口部5の上方から投入することにより、中空体4のブラケット部6の端縁部は前記立壁7の傾斜面を滑落して開口部5において、ブラケット部6は容易に開口部5に嵌合するから作業効率は格段に向上する。
より急傾斜に設定され基部4aにきつく嵌合して容易には抜けないようになっている。客土層の種々の厚さに対応するため、高さの異なる頂部8を複数用意しておき、施工現場で頂部8の数を調整することにより客土層の厚さに適正に対応した係止手段3を簡単に設置することができる。なお、基部4a、頂部8それぞれの重ね合わせに際して、接着剤を塗布すればそれぞれは風の負圧に耐える強度を維持できるようになる。
まず、図1において、防水層A表面に、構築しようとする植栽装置の形状面積に見合ったルートガードBを張設する。
次いで、前記ルートガードBの全面に両面接着テープTを貼り、表面の剥離シールをはがした上で、給・排水基盤Cを敷設してルートガードBに固定する。このとき、給・排水基盤Cのにおける開口部5には前記両面接着テープTの粘着面が露出している、この状態で中空体4のブラケット部6の各辺を開口部5の各辺におおよそ対応させて中空体4を開口部5に押し込む。
すると、図3、図4に示すようにブラケット部6の端縁は開口部5の周縁に形成された立壁7の斜面を滑落するから、ブラケット部6は、図4に示すように開口部5に正確容易に合致した状態で接着テープTの粘着面に固定される。
客土層が図4の中空体4の高さより厚い場合には図5に示すように基部4aに適宜高さの頂部8を選択して基部4aに装着固定して係止手段3の高さ調整をなすことになる。
B.......ル−トガ−ド
C.......給・排水基盤(保水給排水手段)
D.......客土層
1.......保水部
2.......排水部
2a......通直管
h.......通直管相互の交差部
3.......係止手段
4.......中空体
4a......基部
5.......開口部
6.......中空体のブラケット部
7.......開口部周縁における斜面を有する立壁
8.......頂部
Claims (7)
- 建造物の屋上、屋根等に設置される植物の植栽装置であって、装置底部に設けられる防水層と、 植物の毛根等の装置外への侵出を防止するために前記防水層上に固着張設されるル−トガ−ドと、ル−トガ−ド上に設けられ、上方から浸透する雨水あるいはその他の手段による潅水等を保持・排水し、保持した水分を植物の根部に供給するとともに積層される土壌を把持するための給・排水基盤と、 給・排水基盤上に設置され表面に防風ネットを有する客土層と、を具え、
前記給・排水基盤は、一体に形成される保水部と排水部とを複数有るとともに前記防風ネットの係止手段を有し、この係止手段は給・排水基盤の底部に形成した開口部とこの開口部に嵌合する中空体とそのブラケット部により構成するとともに前記中空体は基部とこれに着脱可能な頂部を具えて、基部の着脱により中空体の高さ調整を自在になし得るようにしことを特徴とする植栽装置。 - 請求項1において、給・排水基盤の前記排水部は、縦横に交叉連通して形成される通直管により構成され、前記保水部は各通直管により囲繞されて形成される凹部空間により構成するとともに、中空体のブラケット部が嵌合する給・排水基盤底部における開口部の周縁には傾斜面を形成して中空体の開口部への投入時に中空体のブラケット部は前記傾斜面を滑落して開口部に嵌合するようにしたことを特徴とする植栽装置。
- 請求項1または2の植栽装置において、客土層に大気を循環させるための通気機構を設け、この通気機構を中空体の頂部に形成した透孔と、排水部に形成した貫通小孔とで構成し、大気が前記中空体、前記排水部客土層を介して循環可能にしたこと特徴とする植栽装置。
- 請求項1ないし3いずれか記載の植栽装置において、中空体の基部および基部に嵌合する頂部は外郭を円錐台形状に構成したことを特徴とする植栽装置。
- 植物の毛根等の装置外への侵出を防止するため防水層上に形成されるル−トガ−ド上に設けられ、上方から浸透する雨水あるいはその他の手段による潅水等を保持・排水し、保持した水分を植物の根部に供給するとともに積層される土壌を把持するための給・排水基盤であって、一体に形成される保水部と排水部とを複数有るとともに前記土壌表面における防風ネットの係止手段を有し、この係止手段は給・排水基盤の底部に形成した開口部とこの開口部に嵌合する中空体とそのブラケット部により構成するとともに、前記中空体は基部とこれに着脱可能な頂部を具えて、基部の着脱により中空体の高さ調整を自在になし得るようにしたことを特徴とする給・排水基盤。
- 請求項5において、給・排水基盤の前記排水部は、縦横に交叉連通して形成される通直管により構成され、前記保水部は各通直管により囲繞されて形成される凹部空間により構成するとともに、中空体のブラケット部が嵌合する給・排水基盤底部における開口部の周縁には傾斜面を形成して中空体の開口部への投入時に中空体の基部は前記傾斜面を滑落して開口部に嵌合するようにしたことを特徴とする給・排水基盤。
- 請求項5又は6いずれか記載の給・排水基盤において、中空体の基部および基部に嵌合する頂部は外郭を円錐台形状に構成したことを特徴とする給・排水基盤。
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