JP2009142203A - 植栽装置とその構築方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】下地に設けられる防水層と、防根層と、この防根層の上に形成される保水・保護シートと、保水・保護シート上に設置され保持した水分を植物の根部に供給するとともに積層される土壌を把持するための給・排水基盤と、この給・排水基盤の下地へ固定をなすとともに土壌層の土壌の揺動防止、防風ネット等の係止、植物の根張り促進等のために防根層に固定される多機能突起体とを具えてなり、保水・保護シートおよび給・排水基盤と多機能突起体との係合は保水・保護シートに形成したスリット、給・排水基盤の底面に形成した孔部を介してなされている植栽装置。
【選択図】 図1
Description
このような時、多くの場合は、建造物等のスラブ面の防水層上に押えのコンクリート層を形成し、この上に、植栽層として、砂、砂利等からなる砂利層と、客土層を順次積層して植物を植栽するようにしている。
このため、排水を考慮して設けられていたコンクリート層が不要となり、保水性の向上によって植栽層も草木の根毛の長さなどを考慮した必要最小限の厚さ、例えば50mm程度に設定することが可能となっている。
すなわち、まず風に対する対策である。 この種の緑化装置は、建造物の屋上等、高所に設けられることが多いが、このような高所では常に方向不規則な風が発生しており、このため客土層の土壌やここに植生される苗等は容易に飛散する恐れが常にあり、その効果的な対策は非常に難しい。
をあまり薄くすると植栽した植物の根が張らず、僅かの風にも倒壊してしまう。このことは、特に植木を植栽した場合には顕著であって、ある程度の高さに成育する植木に場合には、無風時でさえ正立させることが困難である。
そして、防根層上に固着された複数の固定手段は保護層上に突出して客土層中に散在する状態となっている。 このようにして、固定手段の上端は客土層の上方に臨んで、その上端には例えば防風ネットが係止され、また、固定手段が客土層中に散在することにより客土層の土壌の動揺を防止して風による飛散を抑制するとともに植物の根張りを良好にする。 しかしながら、多数の固定手段を介して保護層を防根層表面に保護層を能率的に張設することは困難な作業であり、生産コスト増大の要因となっている。
なお、本願発明に関する文献としてつぎのようなものが存在する。
(イ)建造物の屋上、屋根等の下地の防水層又はその上に形成される防根層の上に土壌層が積層される給・排水基盤の下地への固定をなすとともに土壌層の土壌の揺動防止、防風ネット等の係止、植物の根張り促進等のための多機能突起体を固定する工程、
(ロ)スリットが形成された保水・保護シートをスリットを介して前記多機能突起体に被着して防水層又はその上に形成される防根層の上に接合する工程、
(ハ)底部に形成した孔部を介して給・排水基盤を多機能突起体に被着するとともに保水・保護シートを介して下地の防水層又はその上に形成される防根層の上に設置する工程、
(ニ)次いで、給・排水基盤の上に植物を植生する土壌層を形成する工程。
また、防根シートは通常はその上部に植物栽培層等が設置され外気、紫外線から遮蔽されるが、場合によっては一部が露出されることもあり、さらには施工現場に敷設までの一定期間集積の必要があったたり、敷設されて表面を露出した状態で一定期間放置せざるを得ないこともあるから、耐候性の付与は不可欠とも言える。 また、表面に塗料による膜面を形成することでフィルム強度が増し、施工作業も容易になる。前記膜面を形成する塗料としてはフッ素系樹脂もしくはアクリルシリコン系樹脂あるいはウレタン系樹脂を含むものが好適である。すなわち、膜面をフッ素樹脂もしくはアクリルシリコン系樹脂により耐候性が、またウレタン系樹脂により形成して接着性が付与される。
植物根の押圧力その他種々の力が作用するから、これらの部分を補強することが好ましい。このため、防根層における樹脂フィルムの重なり部あるいは樹脂はフィルム相互の突合せ部には裏面に粘着層を有して、植物の根の侵出を防止できる強度を具えた被覆テープを貼付し、重なり部あるいは樹脂はフィルム相互の突合せ部の強度を補強する。該被覆テープのとなる樹脂テープで被覆し重なり部の強度を補強する。しかし、樹脂テープの粘着層の厚さによっては、そこから植物根の先端が侵入するから、粘着層の厚さを植物根の侵出先端径より小とすること、現実には、粘着層の厚さを30ミクロン程度に設定することが必要である。この被覆テープには、植物根の樹脂フィルムの重なり部への衝突を回避させ、重なり部の上方へ指向させる意味合いもあるから、樹脂フィルムより若干薄いものが望ましく、樹脂は前記樹脂フィルムと同様のもので形成する。 なお、樹脂フィルムの粘着層の厚さが植物根の侵出先端径より小さく形成されている場合は、必ずしも前記被覆テープは必要ではないが、被覆テープの使用により植物根の侵出防止機能はより強化されることになる。
補強することが好ましい。このため、防根層における樹脂フィルムの重なり部は裏面に粘着層を有する樹脂テープで被覆し重なり部の強度を補強する。しかし、樹脂テープの粘着層の厚さによっては、そこから植物根の先端が侵入するから、粘着層の厚さを30ミクロン程度に設定することが必要である。この樹脂テープには、植物根の樹脂フィルムの重なり部への衝突を回避させ、重なり部の上方へ指向させる意味合いもあるから、樹脂フィルムより若干薄いものが望ましく、樹脂は前記樹脂フィルムと同様のもので形成する。
図1は、当該実施例に係る植栽装置の一部断面図である。図において、Aは建造物の屋上のコンクリートスラブ面に貼着される防水層であり、この防水層Aの上面には、植物の毛根等の防水層への進出を防止するための樹脂製の防根層Bが張設されている。 また、防根層B上には保水・保護シートPが貼付されている。
建造物の屋上、屋根等の下地上防水層の上に防根層を貼付し、この防根層上に多機能突起体を固着する。次いで、スリットが形成された保水・保護シートをスリットを介して前記多機能突起体に被着して防根層の上に接合する。 そして、この保水・保護シート上に給・排水基盤を設置することになるが、この際多機能突起体は給・排水基盤の底部に形成される孔部から突出させるようにする。
次いで、給・排水基盤に土壌層を形成するが、土壌量は多機能突起体の頭部がやや露出する程度に盛り土する。 土壌層に植物を植栽し必要に応じて防風ネットを被せて多機能突起体の頂部に係止する。
B.........防根層
C.........給・排水基盤
P.........保水・保護シート
D.........土壌層
E.........防風ネット
1.........保水部
2.........排水
3.........多機能突起体(中空体)
12.......スリット
Claims (8)
- 建造物の屋上、屋根等に形成される植栽装置であって、下地に設けられる防水層と、植物根の防水層への侵出を防止するために前記防水層上に形成される防根層と、この防根層の上に形成される保水・保護シートと、保水・保護シート上に設置され保持した水分を植物の根部に供給するとともに積層される土壌を把持するための給・排水基盤と、この給・排水基盤の下地へ固定をなすとともに土壌層の土壌の揺動防止、防風ネット等の係止、植物の根張り促進等のために防根層に固定される多機能突起体とを具えてなり、保水・保護シートと多機能突起体との係合は保水・保護シートに形成したスリットを介してなされ、給・排水基盤と保水・保護シートとの係合は給・排水基盤の底面に形成した孔部を介してなされるようにしたことを特徴とする植栽装置。
- 請求項1記載の植栽装置において、前記給・排水基盤は保水部と排水部とを有し、前記排水部は、縦横に交叉連通して形成される通直管により構成され、前記保水部は各通直管により囲繞されて形成される凹部空間により構成したことを特徴とする植栽装置。
- 請求項2記載の植栽装置において、客土層に大気を循環させるための通気機構を設け、この通気機構を前記多機能突起体の頂部に形成した透孔と、排水部に形成した貫通小孔とで構成し、大気が前記中空体、前記排水部客土層を介して循環可能にしたことを特徴とする植栽装置。
- 請求項1ないし3いずれか記載の植栽装置において、多機能突起体は上底面を有し下底面は開口する中空体により構成するとともに、前記中空体は基部とこれに着脱可能な頂部を具えて、前記頂部の着脱により中空体の高さ調整を自在になし得るようにしことを特徴とする植栽装置。
- 請求項1ないし4いずれか記載の植栽装置において、保水・保護シートに形成したスリット位置に対応するように多機能突起体を防根層上に設置するようにしたことを特徴とする植栽装置。
- 請求項5記載の植栽装置において、保水・保護シートに形成するスリットは所定点を中心に放射状に形成したことを特徴とする植栽装置。
- 請求項1ないし6いずれか記載の植栽において、給・排水基盤の底面に形成した孔部は円形、楕円形、四角形、三角形のいずれかで形成し、保水・保護シートは天然繊維、合成繊維の織布、不織布、編布又は高分子吸収材、アスファルトルーフィングのうちの1種又は数種で形成したことを特徴とする植栽装置。
- 次の工程からなる植栽装置の構築方法。
(イ) 建造物の屋上、屋根等の下地の防水層又はその上に形成される防根層の上に土壌層が積層される給・排水基盤の下地への固定をなすとともに土壌層の土壌の揺動防止、防風ネット等の係止、植物の根張り促進等のための多機能突起体を固定する工程、
(ロ) スリットが形成された保水・保護シートをスリットを介して前記多機能突起体に被着して防水層又はその上に形成される防根層の上に接合する工程、
(ハ) 底部に形成した孔部を介して給・排水基盤を多機能突起体に被着するとともに保水・保護シートを介して下地の防水層又はその上に形成される防根層の上に設置する工程、
(ニ) 次いで、給・排水基盤の上に植物を植生する土壌層を形成する工程。
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