JP2006293092A - 光学装置、光照射装置及び光照射方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 光学装置1を、互いに略平行な第1主面5及び第2主面6を有し、かつ屈折率が1より大きい材料からなる光学部材2と、この光学部材2に対する揺動手段3からなる支持部材4とを有し、支持部材4により揺動がなされる光学部材2の第1主面5及び第2主面6を、指向性光源からの光の光路に対して傾斜させることが可能とされた構成とする。
【選択図】 図1
Description
例えば、ビーム内部での平面的な、すなわち光路に直交する面内におけるエネルギー強度のバラツキが大きいと、これが原因となって加工対象となるレーザー光の被照射体の加工面内での加工ムラ(加工レートのバラツキ)が生じる。
しかし、これらの方法では、スリットを用いて遮断したビーム部分のエネルギーがロスになるとか、ビーム幅を広げて照射に用いるレーザー光のエネルギー密度が下がるなど、エネルギー損失が大きくなってしまう。
したがって、特に生産現場で用いられる光照射装置の光学系は、可能な限りシンプルな構造にすることが望まれている。
従って、生産現場で発生する装置トラブルに対する対処すなわちトラブルシュートの時間短縮を図ることができ、量産においても生産性の向上が可能とされるなど、本発明によれば、重要かつ多くの効果をもたらすことができるものである。
まず、本発明に係る光学装置の実施の形態を説明する。
図1Aに示すように、本実施形態に係る光学装置1は、例えばガラスよりなる光学部材2と、少なくともこの光学部材2に対する揺動手段3からなる支持部材4とを有する。
光学部材2は、後述するレーザーなどの指向性光源(図示せず)からの光の入射面及び出射面となる、本実施形態では互いに略平行な第1主面5及び第2主面6を有し、かつ屈折率が1より大きい材料からなり、更に、支持部材4によって、揺動手段3を介して、第1及び第2の主面5及び6を上述した指向性光源からの光の光軸に対して傾斜して支持される。
ここで、光学部材2の入射光L1に対する角度を、少なくとも光軸に直交する面を挟んで±に(例えば−45°〜+45°程度に)揺動させることにより、出射光L2に相当する出射光の光軸を揺動させることが可能となる。出射光の光軸の振幅すなわちズレ幅は、光学部材2の厚み、材料、振れ角度等によって調整することができ、レーザーのプロファイルバラツキが細かく乱れている場合には、振れ角を小さくし、荒く乱れている場合には大きな振れ角とすれば良い。
この重複領域cを、例えば光学装置1とは別に設けられる、出射光L2の位置及び断面形状の少なくとも一方を規定するスリットなどの選定手段(図示せず)によって選択的に取り出すことにより、光学特性の低下やエネルギーのロスを抑制しながらも、プロファイルの平均化が図られたレーザー光L3を得ることができる。すなわち、このレーザー光L3に対応する重複領域cとの兼ね合いによっても、上述の振れ角や、光学部材の角度、厚さ、材料等を選定することが可能となる。
また、例えば揺動手段3及び支持部材4のいずれかを、揺動すなわち回転とは別に屈曲させることも可能な構成としておくことにより、所望の指向性光例えばレーザー光L3を得た後には、光学部材2を入射光L1の光路の外に移動させることが可能とされ、本実施形態に係る光学装置1を介しない光照射、例えばレーザー光のプロファイルにおけるエネルギーのバラツキが問題とならない用途における光照射に適した構成とすることができる。
例えば、図3に示すように、入射光L1の光路に対して略垂直とされた揺動軸を中心として、光学部材2が、入射光L1の光軸から外れない程度の角度範囲内で往復回転動作する構成とすることによっても、第1主面5及び第2主面6の揺動がなされ、レーザー光の、互いに異なるプロファイルを有する部分が重複する重複領域を得ることができ、レーザー光のエネルギー分布のバラツキを、上述の揺動に伴う平均化で低減することができる。
次に、上述した光学装置1を有する、本発明に係る光照射装置の実施の形態を説明する。
図4に示すように、本実施形態に係る光照射装置11は、少なくとも、上述した光学部材2(図示せず)を有する光学装置1と、この光学装置1の光学部材2を屈折透過する指向性光を発生させる指向性光源例えばレーザー光源12とを有する。
更に、本実施形態においては、被照射体19に対するレーザー照射ならびに被照射体19における照射状態を観察するための観察手段20及び観察用照明21が、ミラー22とともに設けられる。
すなわちこの場合、光源12から指向性光が発せられて入射光L1として光学装置1に入射すると、光学装置1内を屈折透過してL2として出射し、更に選定手段13を経ることにより、平均化によりエネルギー強度分布すなわちプロファイルのバラツキ抑制が図られたレーザー光L3となって、光学素子により被照射体19に照射される。
次に、上述した実施の形態で説明した、図5に示す光照射装置11を用いる場合を例として、本発明に係る光照射方法の実施の形態を説明する。
この光照射方法によれば、光学部材2から出射したレーザー光L2を、L1と平行な光軸を保ったまま、揺らして形成することができ、加工面に対して単位時間内に与えるレーザーの照射エネルギーを、被照射体19の加工面内で均一化させることが可能となる。
本発明の実施例について説明する。
図6Aに、上述の実施の形態で説明した、本発明に係る光学装置を用いた光照射方法によって、500nm厚のアルミニウム薄膜に対して、波長390nm、パルス幅3ピコ秒、照射エネルギー0.13mJ/cm2でレーザー光照射を行って、開口を形成する加工を行った結果を示す。
この結果から、光学部材2の通過時のエネルギー損失を考慮すると、実際の照射エネルギーが0.12mJ/cm2程度になると考えられるにもかかわらず、膜残りなく目的の加工を施すことができ、また、加工に伴うダストの発生も殆どみられない。
また、本発明に係る光学装置を介することなく従来の光照射方法を用いて、同じアルミニウム薄膜に対して、波長390nm、パルス幅3ピコ秒、照射エネルギー0.15mJ/cm2でレーザー光照射を行って開口形成加工を行った場合には、膜残りはみられないものの、加工によって形成した開口の周囲に多数のダストが付着していることが確認できる。
また、例えば、光源自体が指向性のものでなくとも、光学部材に至る前に指向性を付与できれば良いし、上述した連続回転動作及び往復回転動作については、回転速度の増減も可能であり、静止した状態と組合せることも可能である。
また、上述した重複領域が必要でない場合には、例えば中央が空いたリング状に出射光の光路を形成して光照射を行うこともできる。
更に、光学部材2の形状も、揺動におけるバランスを考慮して円盤状を選定することのほか、上述した入射光の光路から外れない限り、例えば主面が正方形とされた板状を選定することもできるなど、本発明は、種々の変形及び変更をなされうる。
Claims (16)
- 指向性光源からの光の入射面及び出射面となる第1及び第2の主面を有し、かつ屈折率が1より大きい材料からなる光学部材と、
少なくとも、前記光学部材に対する揺動手段からなる支持部材とを有し、
前記支持部材により揺動がなされる前記光学部材の、前記第1及び第2の主面を、前記指向性光源からの光の光路に対して傾斜させることが可能とされた
ことを特徴とする光学装置。 - 前記第1及び第2の主面が、互いに略平行である
ことを特徴とする請求項1に記載の光学装置。 - 少なくとも前記光学部材が、前記指向性光源からの光の光路の外に、移動可能とされる
ことを特徴とする請求項1に記載の光学装置。 - 前記第1及び第2の主面の、前記光路に対する傾斜角度が、可変とされた
ことを特徴とする請求項1に記載の光学装置。 - 前記指向性光源が、レーザー光源である
ことを特徴とする請求項1に記載の光学装置。 - 前記揺動手段の揺動軸が、前記光学部材の連続回転動作の中心軸であり、かつ、前記光路に対して略平行とされ、
前記揺動手段の回転動作によって、前記第1及び第2の主面の揺動がなされる
ことを特徴とする請求項1に記載の光学装置。 - 前記揺動手段の揺動軸が、前記光学部材の往復回転動作の中心軸であり、かつ、前記光路に対して略垂直とされ、
前記揺動手段の往復動作によって、前記第1及び第2の主面の揺動がなされる
ことを特徴とする請求項1に記載の光学装置。 - 少なくとも、指向性光源と、該指向性光源からの光の光路を規定する光学装置とを有し、
前記光学装置が、
指向性光源からの光の入射面及び出射面となる第1及び第2の主面を有し、かつ屈折率が1より大きい材料からなる光学部材と、
少なくとも、前記光学部材に対する揺動手段からなる支持部材とを有し、
前記支持部材により揺動がなされる前記光学部材の、前記第1及び第2の主面を、前記指向性光源からの光の光路に対して傾斜させることが可能とされた
ことを特徴とする光照射装置。 - 前記第1及び第2の主面が、互いに略平行である
ことを特徴とする請求項8に記載の光照射装置。 - 前記光学装置が、取り外し可能とされる
ことを特徴とする請求項8に記載の光照射装置。 - 前記指向性光源からの光の、位置及び断面形状の少なくとも一方を規定する選定手段が設けられた
ことを特徴とする請求項8に記載の光照射装置。 - 前記指向性光源からの光の照射に対する観察手段が設けられた
ことを特徴とする請求項8に記載の光照射装置。 - 第1及び第2の主面を有し、かつ屈折率が1より大きい材料からなる光学部材を、前記第1及び第2の主面を指向性光源からの光の光路に対して傾斜させて配置する光学部材配置工程と、
前記指向性光源からの光の光路を、前記光学部材の揺動によって規定することにより、所定の光照射を行う光照射工程とを有する
ことを特徴とする光照射方法。 - 前記第1及び第2の主面が、互いに略平行である
ことを特徴とする請求項13に記載の光照射方法。 - 光照射後、少なくとも前記光学部材を、前記指向性光源からの光の光路外に移動させる
ことを特徴とする請求項13に記載の光照射方法。 - 前記指向性光源が、レーザー光源であり、
前記光照射によって被照射体の加工を行う
ことを特徴とする請求項13に記載の光照射方法。
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