JP2011110560A - レーザー加工装置及びレーザー加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】各加工点に照射されるレーザービームのエネルギー密度を制御することにより、加工幅や深度の異なる複数の穴を、基板上に一括で形成することが可能なレーザー加工装置及びレーザー加工方法を提供する。
【解決手段】被加工物Wの被加工領域内で複数の被加工部分を一括で加工するレーザー加工装置において、レーザー装置と、レーザー装置から出射されるレーザービームの集光手段と、被加工物の配置手段と、を備えたレーザー加工装置であって、集光手段は、被加工部分の加工深度及び加工幅のうち、少なくとも何れか一方が異なる被加工部分に対応した異なるマイクロレンズの集合体からなり、マイクロレンズは、厚み方向に階段状の段差を備えた段差部が同心円上で対称に形成され、段差部の段差数、又は段差部の高さが被加工部分の加工幅及び加工深度に対応して形成されてなることを特徴とする。
【選択図】図4

Description

本発明は、レーザー加工装置及びレーザー加工方法に係り、特に、レーザービームを照射し、被加工物に穴径や深度の異なる複数の穴を一括で形成するレーザー加工装置及びレーザー加工方法に関する。
近年、ナノテクノロジーやバイオテクノロジーの進展、また、半導体デバイスの微細化に伴い、部品微細化、多様化が進んでいる。特に半導体デバイス、磁気記録媒体の高密度化、大容量化は急速に進んでおり、それに伴い、微細パターン化が進んでいる。
上述のように微細化されたパターンを有する半導体デバイス、磁気記録媒体を扱う分野においては、レーザービームを用いて加工を行う技術の重要性が特に高まっており、レーザービームを照射して被加工物に微小な多数点加工を行う技術が提案されている。
そのような技術の一つとして、レーザービームを反射させるガルバノミラーの角度を調整することにより、レーザービームを被加工物上の任意の点に集光して加工するシステム、すなわち、ガルバノスキャナを用いたシステムが挙げられる。しかし、このガルバノスキャナを用いたシステムは、複数の点を加工する際、ミラー角度の調整が必要であるため、加工点数に比例して、加工時間が必要となる。したがって、多数の穴を加工する際、その加工速度が遅くなるという問題点がある。また、レーザービームによって加工する穴の位置は、ガルバノミラーの角度に依存するため、ガルバノミラーの角度調整が加工穴の位置精度に関係し、加工位置精度が悪いという問題点もあった。
また、レーザービームを用いて微細加工を行う技術において、マスク投影方式が挙げられる。マスク投影方式とは、パターンマスクを被加工面上に配設し、レーザービームを照射して被加工物の表面に投影することにより、ビーム透過部分のパターンを加工するシステムである。このシステムにおいては、複数の加工点の位置をパターンマスクによって一括で制御できるため、加工における位置精度は高い。
しかしながら、パターンマスクによって、被加工部以外のレーザービームが遮光されるため、その分のレーザービームが加工時に使用されず、エネルギーの利用効率が低い。そのため、多数点を一括で加工することが可能であるが、一括で加工できる範囲が狭いため、加工速度が遅いという問題点がある。
これらの加工方法に対し、微細なレンズを多数集積させたマイクロレンズアレイを被加工面上に配設し、レーザービームを照射してその光を多数に分岐させ、被加工面上に集光することにより、被加工物に多数の加工を行う多数点一括加工する技術、すなわち、マイクロレンズ方式が提案されている。
マイクロレンズアレイはフォトリソグラフィー工程で製作可能なため、その製作時、加工精度が高く、したがって、そのマイクロレンズアレイを用いて加工した被加工物の加工精度(位置精度)もまた高いものである。また、マイクロレンズアレイによってレーザービームを集めて加工に利用しているため、エネルギーの利用効率が高く、同一エネルギーを用いた場合、マスク投影方式に比べて一括で加工できる範囲が広いため、加工速度も向上する。
特許文献1には、複数の加工幅を有する穴を加工する場合、レンズ径の異なるレンズを備えたマイクロレンズアレイを用いて加工する技術が提案されている。
このとき、レンズ径が大きいレンズは小さいレンズ径のものと比較して透過する光量が多い。したがって、大きいレンズ径に相当する部分は、レーザービームのエネルギー密度が高く、小さいレンズ径の部分と比較して加工速度が大きくなるため、レンズ径が大きい部分において、光量を下げるために、入射するレーザービームをNDフィルタ等で減光する技術が開示されている。
また、強度分布変換光学部品によって、大きいレンズ径を透過する部分のレーザービームは、部分的にエネルギー密度を小さくしたレーザー光を照射することにより、異なるレンズ径に相当する部分であっても、均一に加工可能であることが開示されている。
一方、半導体デバイスの加工時等、微小な多数点加工においては、加工点毎に所望の深さの穴を形成する必要がある。特許文献2では、ガルバノスキャナを用いたシステムにおいて、レーザービームを分岐させ、分岐した各レーザービームの断面積又はレーザービームの強度分布を変化させることにより、穴の深さを調整して加工する技術が開示されている。
特開2001−269789号公報 特開2005−205469号公報
特許文献1の技術では、NDフィルタもしくは強度分布変換光学部品を用いて、大きいレンズ径の部分に入射するレーザー光のエネルギー密度を下げることにより、異なるレンズ径を備えたマイクロレンズを用いた場合であっても、均一の深さに加工する技術が開示されている。
一般に、マイクロレンズ方式では、理想平面波に近いレーザービームを用いることにより、一般的な球面レンズ設計のマイクロレンズの焦点径は以下の式1で近似される。
w=k×λ×f/D・・・(式1)
(ここで、w:焦点径、k:定数、λ:レーザービーム波長、f:レンズ焦点距離、D:レンズ径)
異なるレンズ設計(レンズ径)のマイクロレンズをパターン内に混在させ、レーザービームを照射することにより一括加工を行う場合、レーザービーム波長(λ)とレンズ焦点距離(f)は全てのマイクロレンズにおいて同一とする必要がある。したがって、上述の式1において、レーザービーム波長(λ)とレンズ焦点距離(f)は一定となるため、焦点径(w)とレンズ径(D)は、反比例の関係にある。
その際に、回折型マイクロレンズを用いる場合、マイクロレンズへの入射エネルギー密度に対する焦点におけるエネルギー密度の比率を焦点への集光倍率(c)、入射光に対して集光に寄与する回折次数の比率を回折効率(e)とすると、通常のマイクロレンズ設計では以下の式2に近似することができる。
c=e×(D/w)・・・(式2)
したがって式1より、焦点径(w)を小さく設計する場合はレンズ径(D)を大きくする必要があり、その場合、式2より、焦点におけるエネルギー密度(cに依存)が大きくなる。つまり、レンズ設計において、焦点径(w)と焦点におけるエネルギー密度を独立に設定することができないことを示している。
そして、実際の加工プロセスにおいて、加工幅は焦点径(w)に大きく依存しており、
多数点加工パターンの中に加工幅やビーム照射強度を変える必要がある加工点が複数混在する場合、一括加工を行うことが困難となる。ここで、ビーム照射強度を変える必要があるプロセスとして、加工穴深さが異なるパターンや、アニール温度が異なるパターンなどが挙げられる。
しかし、特許文献1の技術において、上述のように、加工穴深さが異なるパターン等を形成する場合、微小な領域で選択的にエネルギーを調整することは困難である。また、レンズ設計(レンズ径)の異なるレンズのパターンが距離的に離れていない場合は適用できない。したがって、加工幅が異なる領域において、その深さを任意に精度良く加工することは難しい。
また、特許文献2の技術においては、レーザービームを分岐させて、レーザービームの強度及び断面積を調整し、再度集光することにより、深さが異なる穴を形成する技術が開示されている。しかし、レーザービームを分岐させる光学系の装置が複雑になるという問題点がある。また、ガルバノスキャナを用いて加工する技術であるため、上述のように、多数点加工には長時間を要し、さらに位置精度が良くないという問題点があった。
本発明の目的は、各加工点に照射されるレーザービームのエネルギー密度を制御することにより、加工幅や深度の異なる複数の穴を、基板上に一括で形成することが可能なレーザー加工装置及びレーザー加工方法を提供することにある。また、本発明の他の目的は、再現性よく、精度の高い多点加工が可能なレーザー加工装置及びレーザー加工方法を提供することにある。
前記課題は、請求項1のレーザー加工装置によれば、被加工物の被加工領域内で複数の被加工部分を一括で加工するレーザー加工装置において、レーザー装置と、該レーザー装置から出射されるレーザービームの集光手段と、前記被加工物の配置手段と、を備えたレーザー加工装置であって、前記集光手段は、前記被加工部分の加工深度及び加工幅のうち、少なくとも何れか一方が異なる前記被加工部分に対応した異なるマイクロレンズの集合体からなり、前記マイクロレンズは、前記レーザービームが透過する材質で形成された回折型レンズであり、該回折型レンズの厚み方向に階段状の段差を備えた段差部が同心円上で対称に形成され、前記段差部の段差数、又は前記段差部の高さが前記被加工部分の加工幅及び加工深度に対応して形成されてなること、により解決される。
このように、本発明のレーザー加工装置では、レーザービームの集光手段として、同心円上で、厚み方向に階段状の段差部が形成され、その段差数または段差部の高さが異なる複数のマイクロレンズを用いることにより、各マイクロレンズにおいて回折効率を調整する。ここで回折効率とは、入射光に対し、集光に寄与する回折次数(通常は+1次光)に回折される光の比率とする。このように、回折効率が異なるマイクロレンズを備えたマイクロレンズアレイによって、被加工物上に集光されるレーザービームのエネルギー密度を制御することにより、被加工物に所望の加工深度、加工幅を備えた加工を施すことができる。また、レンズ部と非レンズ部の位相段差を調整することにより、干渉の影響によって焦点におけるエネルギー密度を調整することもできる。
一般に、レンズの回折効率、焦点距離が同一である時、直径が大きいマイクロレンズに対応する被加工部分は焦点径が小さく、且つ、エネルギー密度が大きく、また、加工速度が速い。一方、直径が小さいマイクロレンズに対応する被加工部分は焦点径が大きく、且つ、エネルギー密度が小さく、また、加工速度が遅いため、直径が異なるマイクロレンズを用いて同じ加工時間で加工すると、加工幅とともに加工深度において差が生じる。
したがって、マイクロレンズアレイに一括でレーザービームを照射し、直径が異なるマイクロレンズを用いた場合は、直径が大きいレンズに対応する部分の加工深度が大きくなり、所望の加工深度を得ることが難しい。
さらに、同一直径のマイクロレンズを用いた場合は、その加工深度を独立に制御することが難しい。
同一の被加工領域に対し、レーザービームを一括で照射した場合、被加工物上に集光されるレーザービームのエネルギー密度は、それぞれのマイクロレンズのレンズ径(焦点径)に加えて、回折効率に依存する。したがって、回折効率、すなわち段差数や段差の高さが互いに異なるマイクロレンズを複数備えたマイクロレンズアレイを集光手段として用いた場合、個々のマイクロレンズによって集光された被加工部分のエネルギー密度を、レンズ径(焦点径)によらず、調整することが可能となる。エネルギー密度が異なる点において加工される被加工部分は、その加工深度が異なるため、レーザービームを照射することにより、上記構成の集光手段を備えたレーザー加工装置は、異なる加工深度、加工幅を備えた複数の被加工部分を一括で形成することができる。
本発明によれば、マイクロレンズの回折効率を制御することにより、一つの被加工物上において、各被加工部分ごとに、所望のエネルギー密度で加工を行うことができるため、一括で異なる加工深度、加工幅の加工を施すことが可能である。
また、本発明のレーザー加工装置で使用されるマイクロレンズは、その厚み方向に階段状の段差部が形成されているため、曲面で形成されるレンズとは異なり、製作精度が高く、再現性のよい加工を行うことができる。
このとき、請求項2のように、前記マイクロレンズの集合体は、直径が互いに等しく形成された前記マイクロレンズを備えていてもよい。
このような構成の集光手段、すなわち直径が互いに等しく、且つ回折効率が異なるマイクロレンズを備えたマイクロレンズアレイを用いることにより、被加工部分において、レーザービームのエネルギー密度が互いに異なるように設計することができる。その結果、一括でレーザービームを照射しても、互いに異なる加工深度の加工を施すことができる。
また、請求項3のように、前記マイクロレンズの集合体は、直径が互いに異なって形成された前記マイクロレンズを備え、直径が大きく形成された前記マイクロレンズは、直径が小さく形成された前記マイクロレンズと比較して、前記段差部の段差数が少なく形成されていてもよい。
このような構成の集光手段、すなわち直径が互いに異なり、且つ直径が大きく形成されたマイクロレンズの回折効率を小さくしたマイクロレンズアレイを用いることにより、被加工部分において、レーザービームのエネルギー密度を均一に制御することが可能となる。その結果、一括でレーザービームを照射しても、互いに異なる加工幅で同一の加工深度の加工を施すことができる。
前記課題は、請求項4のレーザー加工方法によれば、請求項1に記載のレーザー加工装置の配置手段に被加工物を固定して、被加工部分の加工深度及び加工幅のうち、少なくとも何れか一方が異なる前記被加工部分を一括で加工するレーザー加工方法であって、集光手段として、厚み方向に階段状の段差を備えた段差部が同心円上で対称に形成され、前記段差部の段差数、又は前記段差部の高さが異なるマイクロレンズの集合体を前記被加工物と対向する位置に配設する第1の工程と、前記被加工物の前記被加工部分上に、それぞれ異なる前記マイクロレンズの焦点位置を固定する第2の工程と、被加工領域内及び領域外で、前記集光手段に対して前記レーザービームの照射を行う第3の工程と、前記集光手段として配設された前記マイクロレンズの集合体によって、複数の前記被加工部分に集光される前記レーザービームのエネルギー密度を制御する第4の工程とを有すること、により解決される。
このように、本発明のレーザー加工方法では、厚み方向に段差状の段差部が形成され、段差数、又は段差部の段差の高さが異なるマイクロレンズを使用する。したがって、各マイクロレンズにおいてレーザービームに対する回折効率がそれぞれ相違している。その結果、被加工物におけるレーザービームのエネルギー密度を適宜制御することができ、複数の異なる加工深度、加工幅の加工を一括のレーザービームの照射により施すことが可能となる。
このとき、請求項5のように、前記第1の工程において、前記集光手段として、直径が互いに等しく形成された前記マイクロレンズの集合体を配設し、前記第2の工程において、加工深度が深く設計された前記被加工部分に、前記段差部の段差数が多く形成された前記マイクロレンズの焦点位置を固定し、加工深度が浅く設計された前記被加工部分に、前記段差部の段差数が少ない前記マイクロレンズの焦点位置を固定して加工してもよい。
このように、直径が等しく、且つ回折効率が異なるマイクロレンズを備えたマイクロレンズアレイを用いることにより、互いに異なる加工深度の加工を、一括のレーザービームの照射で行うことができる。より詳細には、マイクロレンズの回折効率が高くなるように設計された被加工部分は、レーザービームのエネルギー密度を高くすることができるので、加工速度が速く、一方、回折効率が低いマイクロレンズに対応する被加工部分は、エネルギー密度を低くすることができるので、加工速度が遅くなる。したがって、加工時間が等しい場合、加工速度が速い部分、すなわちマイクロレンズの回折効率が高い部分では加工深度は大きくなり、一方、加工速度が遅い部分、すなわちマイクロレンズの回折効率が低い部分では加工深度は小さくなる。
また、請求項6のように、前記第1の工程において、前記集光手段として、直径が互いに異なって形成された前記マイクロレンズの集合体であって、直径が大きく形成された前記マイクロレンズが、直径が小さく形成された前記マイクロレンズと比較して、前記段差部の段差数が少なく形成された前記マイクロレンズの集合体を配設し、前記第2の工程において、加工幅が大きく設計された前記被加工部分に、前記段差部の段差数が少なく形成された前記マイクロレンズの焦点位置を固定し、加工幅が小さく設計された前記被加工部分に、前記段差部の段差数が多い前記マイクロレンズの焦点位置を固定して加工してもよい。
このように、直径が異なるマイクロレンズを用い、直径が小さいマイクロレンズと比較して、直径が大きいマイクロレンズの段差数を少なく形成した場合、直径が大きいマイクロレンズは回折効率が小さくなる。一般に、回折効率が等しいマイクロレンズにおいて、その直径が大きいものは、小さいものと比較して、焦点(被加工部分)におけるエネルギー密度が高くなる。その結果、直径が異なるマイクロレンズを用い、同一時間で加工を行った場合は、異なる加工深度の加工が施される。
これに対し、請求項6のように、異なる回折効率のマイクロレンズを用いることにより、異なる加工幅で、且つ均一な加工深度の加工を施すことが可能となる。
請求項1の発明によれば、回折効率の異なるマイクロレンズを組み合わせることにより、一括で加工深度、加工幅の異なる加工を施すことが可能なレーザー加工装置を提供することができる。また、同心円上で、厚み方向に階段状の段差部が形成されたマイクロレンズは、製作時の精度が高いので、再現性の良いレーザー加工を施すことが可能である。
請求項2の発明によれば、直径が等しく、且つ異なる加工深度を有する加工部分を一括で加工可能なレーザー加工装置を提供することができる。
請求項3の発明によれば、直径が異なる場合であっても、均一な加工深さを備えた加工部分を一括で加工可能なレーザー加工装置を提供することができる。
請求項4の発明によれば、レーザービームを照射することで加工深度、加工幅の異なる加工を一括で施すことができる。
請求項5の発明によれば、直径が等しい被加工部分を形成する際、その加工深度が互いに異なる被加工部分を形成することができる。
請求項6の発明によれば、直径が異なる被加工部分を形成する際、その加工深度が均一な被加工部分を形成することができる。
本発明の第1実施例に係るレーザー加工装置の構成を示す説明図である。 エキスパンダ機構を示す説明図である。 エキスパンダ機構の他の例を示す説明図である。 レーザー加工工程を示す流れ図である。 被加工物に対するビーム領域とレンズ領域との関係の説明図である。 被加工物に対するビーム領域とレンズ領域との関係の説明図である。 被加工物に対するビーム領域とレンズ領域との関係の説明図である。 回折型レンズの断面図である。 実施例1の変形例を示すもので、マイクロレンズと被加工領域との関係を示す説明図である。 実施例1の変形例を示すもので、ワーク調整手段の説明図である。 実施例1の変形例を示すもので、狭ピッチ加工の例を示す説明図である。 被加工物とマイクロレンズアレイとの相対移動加工を示すもので、線状加工の例の説明図である。 被加工物とマイクロレンズアレイとの相対移動加工を示すもので、円形加工の例の説明図である。 図13の円形加工の例の説明図である。 被加工物とマイクロレンズアレイとの相対移動加工を示すもので、ザグリ加工の例の説明図である。 被加工物とマイクロレンズアレイとの相対移動加工を示すもので、テーパ加工の例の説明図である。 加工深度が異なる場合におけるマイクロレンズの組み合わせの説明図である。 半導体集積回路の断面図である。 半導体集積回路及びそれに対応するマイクロチップアレイの概略図である。 加工幅が異なる場合におけるマイクロレンズの組み合わせの説明図である。 本発明の第2実施例に係るレーザー加工装置の構成を示す説明図である。 第2実施例における走査パターンを示す説明図である。 本発明の第3実施例に係るレーザー加工装置の構成を示す説明図である。 第3実施例のミラースキャンユニットの構成を示す説明図である。
以下、本発明の一実施形態について、図を参照して説明する。なお、以下に説明する部材、配置等は、本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨に沿って各種改変することができることは勿論である。
図1乃至図8は、本発明に係る一実施形態を示すものであり、図1は本発明の第1実施例に係るレーザー加工装置の構成を示す説明図、図2及び図3はエキスパンダ機構を示す説明図、図4は加工工程を示す流れ図、図5乃至図7は被加工物に対するビーム領域とレンズ領域との関係の説明図、図8は回折型レンズの断面図である。
本実施形態のレーザー加工装置は、加工幅均一化機構を有する多点一括レーザー加工を行うように構成されている。本明細書において「加工」とは、穿孔加工が主であるが、アニール、エッチング、ドーピング、成膜なども含む意味で用いている。また、「加工深度」とはレーザービームを照射することによって穿孔される孔の深さを示し、「加工幅」とは、レーザービームを照射することによって穿孔される孔の、被加工物表面における直径を示すもの、または孔を連続的に形成して線状加工した場合はその幅を示すものである。
<実施例1>
本実施形態のレーザー加工装置10は、図1に示すように、レーザー装置と、集光手段としてのマイクロレンズアレイ30(マイクロレンズ31の集合体)と、被加工物Wの配置手段であるワーク調整手段40等を備えて構成されている。そして、ワーク調整手段40上に配置されたマイクロレンズアレイ30と、被加工物WからユニットUが構成される。
本例のレーザー加工装置10は、レーザー装置として、レーザー光源11、アッテネータ12、スリット13、部分反射ミラー14、エネルギーモニタ15、シャッター(メカニカルシャッター)16、ビームエキスパンダ17、ミラー18、ビームプロファイラ20などを備えている。
レーザー光源11は、不図示の制御部の制御に応じてレーザービームを放出し、アッテネータ12、スリット13、シャッター16を介してビームエキスパンダ17に入射するようになされている。また、スリット13を通ったレーザービームは部分反射ミラー14で部分的に反射され、エネルギーモニタ15に導かれる。本例のエネルギーモニタ15は、レーザービームのエネルギーを測定するものである。エネルギーモニタは公知のものを用いることができる。
なお、エネルギーモニタ15が制御系を備えることにより、アッテネータ12と連動してエネルギー制御のフィードバック機構を持たせることもできる。アッテネータの例として、ウエッジ基板へのビームの入射角度による透過率の変化を利用したタイプが挙げられ、ステッピングモータによりウエッジ基板角度を制御することにより、エネルギーの透過率を調整することができる。
本例のレーザー光源11としては、不安定共振器を備えたエキシマレーザーを用いているが、これに限定されず、炭酸ガスレーザー、YAGレーザー等他のレーザーを用いても良い。また、注入同期型のレーザーを用いても良い。そしてレーザー装置としては、出射光のエネルギー調整機構を備えていることが好ましい。
本例のアッテネータ12は、ビーム強度調整用フィルタであり、透過率が可変なもので、透過率の自動切換え機構があると好ましい。透過率を自動切換えにすると、エネルギーモニタと連動してエネルギー制御が可能という効果がある。
本例のスリット13は加工に必要なレーザービーム寸法を切り出すものであり、レーザービーム品質の良い部分がスリット13を通過する。
本例の部分反射ミラー14は、光路上に配置され、レーザービームの一部をエネルギーモニタ15へ導くものである。
本例のシャッター(メカニカルシャッター)16は、光路上に配置され、被加工物Wの加工時に開き、非加工時は閉じてレーザービームを遮光するものである。
本例のビームエキスパンダ17は、レーザービーム方向に対し垂直面内の直交する2軸に沿ってビーム拡大率を独立に変更し、且つレーザービームの主光線が平行光となるように構成されている。
本例では、図2に示すズーム機構17aを備えており、レーザービームの発散角(ビームダイバージェンスθとも言う)をレーザービーム方向に対し垂直面内の直交する2軸に沿って調整可能とされている。ズーム機構17aは、シリンドリカルレンズ17b,17c,17dを備え、このシリンドリカルレンズ17cと17dの間の距離は、図2(a)に示す状態から、図2(b)に示す状態へ連続的にズーム倍率の調整が可能に構成されている。ズーム倍率を変更する際、成形されるレーザービームの主光線が平行光を維持するように、シリンドリカルレンズ17cと17dの位置を連動して変化させる。ズーム機構17aは公知の技術を用いるもので、例えば、各レンズ間の距離を調節するものである。
エキシマレーザーなどのレーザーはレーザービーム方向に対し垂直面内の直交する2軸に沿ってレーザービームの発散角が異なることが多く、その場合は出射されたビームを集光しても焦点は楕円形状となる。
その補正として、本例のレーザー加工装置10は、レーザービーム方向に対し垂直面内の直交する2軸に沿ってビームサイズを独立に変更するビームエキスパンダを備え、ビーム拡大倍率を2方向で独立に変えることが可能とされている。これにより、集光手段に入射するレーザービームの発散角をレーザービーム方向に対し垂直面内の直交する2軸に沿って等しくすることにより、加工形状を真円にすることができる。
また、レーザービームの発散角が経時的に変化した場合でも、ズーム機構の調整により、集光手段に入射するレーザービームの発散角をレーザービーム方向に対し垂直面内の直交する2軸に沿って等しくすることにより、加工形状を真円にすることができる。
なお、ビームエキスパンダ17は、図3に示すように、凹型シリンドリカルレンズ17e及び凸型シリンドリカルレンズ17fを用いた構成としても良い。
また、さらに光軸の調整を可能とするために、ビームエキスパンダ17のホルダには、位置・角度調整機構を備えていると好ましい。位置・角度調整機構としては、例えば、市販されている位置・角度調整を備えたレンズホルダを用いることが可能である。
なお、強度分布を変える強度分布光学部品などを備えてもよい。
本例のミラー18は、レーザービームの方向を変えるためのものであり、光軸調整用に2個以上あることが好ましい。
マイクロレンズアレイ30は数多くのマイクロレンズ31が集積してなる(図5参照)ものであり、本発明ではマイクロレンズアレイ30として、回折型レンズを用いている。ここで回折レンズとは、複数の溝が同心円状に形成されたレンズであり、溝の間隔が回折する角度に応じて設計され、溝の深さも波長に応じて設計される。そして、各加工点において同一の焦点距離とし、異なるレンズ径、異なる回折効率のレンズを組み合わせることによりマイクロレンズアレイ30が設計される。
本発明のマイクロレンズアレイ30に用いられるマイクロレンズ31は、図8のように、板厚を階段状に変化させた位相段差d(段差部)が同心円上に設けられた透明基板、すなわち、回折型レンズによって形成されている。また、マイクロレンズ31の中央部(略凸面状の部分)と非レンズ部(マイクロレンズ31の周辺領域)との位相段差sが設けられる構成としても良いし(図8(d)、(e)参照)、さらに、マイクロレンズ31の中央部において、段差部が形成され始める高さの最も低い部分と、非レンズ部の高さ、すなわち、マイクロレンズ31と非レンズ部の位相が異なるようにマイクロレンズアレイ30を設計しても良い。さらにまた、マイクロレンズ31の中央部と外周部において、位相段差dの数が互いに異なる構成としても良い(図8(f)参照)。なお、このような回折型レンズは、レーザー波長を透過する材料基板(エキシマレーザーの場合、合成石英など)に対し、エッチング等、公知の技術によって階段状の凹凸を形成することによって作製される。
一般に回折型レンズは、同心円状の溝を適切な直径と間隔で形成することにより、回折現象を生じ、レンズと同様の効果を持たせることができる。この溝を適切な深さ(位相段差)で、複数段形成することにより、段差ごとに干渉を生じ、集光に寄与する回折次数の回折の効率を高めることができる。段差数Nに対して、最も回折効率の高い位相段差dは式3で求められる。
=λ/N(n−1)・・・(式3)
(ここで、d:位相段差、λ:レーザー波長、n:レンズ材料屈折率、N:位相段差の数)
回折型レンズは、この位相段差dの数N、及び位相段差dの高さに依存して、回折効率が決定される。より詳細には、段数(N)の数が多いほど、回折効率が高く、例えば、式3を満たす位相段差dの条件では、N=2の時(図8の(a)の時)、回折効率は40%となり、N=16の時(図8の(c)の時)、回折効率は99%となる。
また、レンズ中央部と外周部で位相段差dの数Nを変えた構造をとることにより、レンズ全体の回折効率を、任意に調整することが可能である。位相段差dと回折効率に関し、具体的な例を表1に示す。
Figure 2011110560
また、回折型レンズのレンズ部の位相段差dの高さを、最も回折効率の高い位相段差dから変えることによってもまた、回折効率を変えることが可能である。
また、回折型レンズのレンズ部中心と非レンズ部の位相段差sを変えることにより、焦点周辺の干渉が変化し、焦点におけるエネルギー密度(ピーク強度)を変えることが可能である。
そして、このような回折効率(すなわち、位相段差dの数N及び高さ、また、位相段差sの高さ)が異なるマイクロレンズ31を用いることにより、加工点の深さ、加工幅の大きさを制御することができる。後述の実施例1−1及び実施例1−2において、加工点の深さ、加工幅の大きさを制御して加工した例を具体的に説明する。
図8のような構造の回折型レンズは、デジタル構造のため、製作精度が高く、また複雑なレンズ設計が可能である。一方、球面形状のレンズは、マイクロレンズの微細な曲面形状の製作精度が高くないことや、マイクロレンズアレイ30のパターン内において、複数の異なる設計のレンズが作製困難である。したがって、回折型レンズを用いることにより、再現性の良い多点加工が可能となる。
集光手段としてのマイクロレンズアレイ30に備えられた複数のマイクロレンズ31に、レーザー光を垂直に入射させることにより、被加工物Wに穿孔加工が施される。なお、本例のマイクロレンズアレイ30は、光学系調整が可能なように、マイクロレンズ31の高さ,あおり,角度調整用機構を備えた構成とされている。
本例のレーザー加工装置10は、さらに図示しないガスフロー機構を備えている。ガスフロー機構は、被加工物Wの加工時に、加工によって飛散する汚染物が光学系に付着しないように、ガスを流すものである。そして、ガスを流しだす機構と、反対側にガスを排気する機構を設ける。ガスを流しだす手段としては、例えば空気をファンで送風、または空気・窒素・ヘリウムなどをボンベや工場配管から供給するなどの手段を採用することができ、反対側に排出口や吸引口を設けるものである。排出口及び吸引口は、例えばガス排出ポンプ等によって構成することができる。
本例のワーク調整手段40は、被加工物Wを配置する配置手段として、加工位置変更用のXYZ方向に移動可能なステージ41からなるものであり、光学調整用の高さ調整・角度調整機構などを備えている。
被加工物Wがステージ41上に配置されると、不図示の制御部は、ステージ41を水平方向に移動させ、照射レンズ系の光軸位置に来るようにする。そして、制御部により、レーザー光源を制御し、レーザービームを照射させる。
照射パターンの面積は予め、特定されているので、制御部は、不図示のエネルギメータの出力信号の値を照射パターンの面積で除算し、エネルギー密度を計算する。そして、制御部は、このエネルギー密度が所定の値となるように、レーザー光源を制御する。
また、本例のステージ41には、被加工物Wを把持できるように、吸着ステージとしている。なおステージは加工時の貫通したビームでダメージを受けない材質、例えばステンレス、アルミなどを使用している。
ステージ41は、被加工物Wとマイクロレンズアレイ30およびその保持機構と一体とし、最低でもビーム領域とマイクロレンズアレイ30のサイズの和以上のストロークを持つものを使用する。
好ましくは、照射ビーム領域と、マイクロレンズアレイ30のサイズの倍の長さとを加算した距離以上のストロークを持つものが良い。
ステージ41は、走り精度、すなわちステージ移動時の角度ブレが小さいものを使用すると良い。
なお、本例のレーザー加工装置10では、レーザービームのプロファイルの変化に応じて、ステージ41の速度や、被加工物へのスキャン回数を制御する構成としても良い。或いは、レーザービームのプロファイルの変化に応じて、レーザービームのエネルギー強度を制御する構成としても良い。
次に、上記構成からなるレーザー加工装置によるレーザー加工工程について、図4に基づいて説明する。
先ず、不図示のスイッチを投入しスタートすると、装置全体が通電し、予め、被加工物Wに対する加工幅などのデータを制御部へ指示するが、この後で、シャッター16を閉めた状態で、レーザー光源11が発振する(ステップS1)。次に、エネルギーモニタ15でエネルギーを測定する(ステップS2)。次に、ステップS2で測定したエネルギーに基づいて、被加工物Wの加工に適切なエネルギーとなるように、アッテネータ12の透過率を調整する(ステップS3)。ここで、一定時間内でエネルギー変動が少なく、発振が安定であることを確認する。
次に、マイクロレンズアレイ30をユニットUにセットする(ステップS4)。そのセット位置は、照射ビーム領域から外れている位置とする。
そしてさらに被加工物Wをステージ41にセットする(ステップS5)。被加工物Wのセット位置もまた、照射ビーム領域から外れている位置とする。なお、ステップS4とステップS5とは、その順が入れ替わっても良い。
そして、シャッター16を開け(ステップS6)、マイクロレンズアレイ30と被加工物WからなるユニットUの走査を開始する(ステップS7)。
ステップS7では、所定の加工条件にて、ユニットUを走査し、加工を行う。ここで所定の加工条件とは、被加工物によって異なるが、ステージ速度、走査範囲などを基に決定されるものである。
このとき、ステージ41をX,Y方向に移動(揺動)させ、ユニットUを照射ビーム領域を通過させて穿孔加工を行う。
ステップS7でのステージ41の移動(揺動)について、その詳細を図5乃至図7に示す。
図5に示すように、ビーム領域Bは固定されており、このビーム領域Bを、マイクロレンズアレイ30及び被加工物WからなるユニットUが通過する。
図5では、穿孔加工の状況を明確に示すために、マイクロレンズアレイ30の構成要素であるマイクロレンズ31を図示している。
先ず、図5(a)に示すように、ビーム領域Bから外れた位置にユニットUを位置させる。次いで、図5(b)〜(e)に示すように、ステージ41を移動させ、図5の矢印方向にユニットUを移動させる。
ビーム領域BをユニットUが通過するにしたがい、被加工物Wに孔Hが形成される。
本例では、図5(e)に示すように、ビーム領域Bがマイクロレンズ31上を完全に通り過ぎるまで走査が行われる。
図6は、マイクロレンズ31のレンズ領域Rと、ビーム領域Bと、スキャン範囲SCとの関係を示す模式図である。
図6(a)に示すように、はじめは、レンズ領域Rはビーム領域Bの外側に位置している。
次いでステージ41を移動させる。これにより、図6(b)〜(e)に示すように、ビーム領域Bをレンズ領域Rが通過する。
図6に示されているように、スキャン範囲SCは、最低でもビーム領域Bとレンズ領域Rの和以上となっている。
図6に示すように、ビーム領域Bがマイクロレンズ31上を完全に通り過ぎるまで走査が行われる。
図7は、ユニットU(レンズ領域R)の走査パターンを示すものである。
ユニットUの走査は、マイクロレンズアレイ30のパターンが1次元配列でない限り、図示されているような2次元のパターンで走査が行われる。
これは、エキシマレーザーなどのビーム強度分布は、厳密な均一径加工を実施する上では、2次元的な分布があるためである。
図7に示す2次元パターンの走査を行うとき、それぞれの走査において、図5及び図6に示すように、ビーム領域Bがマイクロレンズ31上を完全に通り過ぎるまで走査する。
このようにして、2次元方向に重ね合わせながら被加工物Wへの走査を行うことで、被加工物W上は均一な条件で、加工点毎に異なる加工幅、又は異なる加工深度で一括穿孔される。
図4で示すように、ステップS8では、予め加工時間が設定されているため、タイマーにより所定の加工時間だけ被加工物Wに対する加工が行われる。
ステップS8での加工が終了した時点で、ユニットUは照射ビーム位置から外れている位置で停止する(ステップS9)。その後に、シャッター16を閉め(ステップS10)、被加工物Wを取り外す(ステップS11)。
最後に、レーザー光源11の発振を停止する(ステップS12)。
以上のようにして被加工物Wの加工を行う。
図9乃至図11は、実施例1の変形例を示す説明図であり、図9はマイクロレンズと被加工領域との関係を示す説明図、図10はワーク調整手段の説明図、図11は狭ピッチ加工の例を示す説明図である。
図10に示すワーク調整手段40は、被加工物Wとマイクロレンズアレイ30およびその保持機構(ワーク調整手段など)の相対位置を変更可能なステージを備える。すなわち、図10に示すように、XY方向に移動可能なステージ41の下に、さらにXYZ方向に移動可能なステージ43を備えている。
ステージ41は2軸のリニアステージなどで構成し、ステージ43は3軸のリニアステージなどで構成する。ステージ41、XYZステージ43をモーションコントローラにより制御を行い、動作パラメータの設定などは、PCによって行なう。XYZステージ43のコントローラは円弧補間機能をもつことが望ましい。モーションコントローラは、例えばDelta Tau Systems社製UMACJ−Turboなど、公知のコントローラを用いることができる。
図10に示すワーク調整手段40によれば、被加工領域加工後に前記相対位置を変更し、新たな被加工領域を加工することにより、多数の加工部分を任意の間隔で加工することが可能となる。
これにより、広範囲な被加工領域の加工や、被加工部分の狭い間隔の加工が可能となる。
つまり、図9で示すような、広範囲な被加工領域の加工方法が可能である。すなわち、図10で示すような、XY方向に移動可能なステージ41(図1の例ではステージ41はXYZ方向であるが本例の場合はXY方向である)を用いて、被加工物Wに対してマイクロレンズアレイ30(マイクロレンズ31)を相対的に移動した後、被加工物Wとマイクロレンズアレイ30の相対位置を固定する。その後、固定した被加工物Wとマイクロレンズアレイ30を、XYZ方向に移動可能なステージ43を用いてビーム領域Bの範囲を走査することにより、被加工領域1の加工を行う。
このようにして被加工領域1の加工が終了後、XY方向に移動可能なステージ41を用いて、被加工物Wに対してマイクロレンズアレイ30を被加工領域2へ移動し、被加工物Wとマイクロレンズアレイ30の相対位置を固定し、被加工領域2の加工を実施する。
以上の工程を繰り返すことにより、広範囲な被加工領域の加工を実施する。
また図11で示すように、1回目の加工を行なった後で、被加工物を移動させずに、マイクロレンズアレイ30を移動させて、2回目の加工を行ない、被加工領域が重なるようにして加工することにより、加工部分の間に加工を施すことで、狭ピッチ加工が可能となる。
図10に示すワーク調整手段40により、被加工物Wとマイクロレンズアレイ30およびその保持機構を任意の相対移動をさせながら加工を行うことにより、多数の被加工部分を任意の形状に加工することが可能となる。
図12乃至図16は、被加工物とマイクロレンズアレイとの相対移動加工を示すもので、図12は線状加工の例の説明図、図13及び図14は円形加工の例の説明図、図15はザグリ加工の例の説明図、図16はテーパ加工の例の説明図である。
図12に示すように、被加工物Wとマイクロレンズアレイ30およびその保持機構(ワーク調整手段など)を一次元的に相対移動させながら加工を行うことにより、多数の線状の被加工部分の形成が可能である。
また、図13は、被加工物Wとマイクロレンズアレイ30およびその保持機構を相対的に円形に移動させながら加工を行う例(トレパニング加工)であり、図14は、そのときのビーム焦点と加工穴の図を示している。つまり、図14で示すように、被加工物Wとマイクロレンズアレイ30およびその保持機構(ワーク調整手段40)を相対移動させながら、ビーム焦点を円形(白抜き矢印のように)に移動させるものである。
このようにトレパニング加工を行うことにより、マイクロレンズの焦点径より大きい任意の加工幅を持つ円形加工が可能となり、焦点径が異なるマイクロレンズに交換をすることなしに、加工幅の異なるパターンの加工が可能となる。
また、レーザービームの発散角の経時的な変化により、加工形状が楕円形となった場合は、被加工物Wとマイクロレンズアレイ30およびその保持機構の相対的な移動の軌道を補正することにより、加工穴を真円に調整することが可能となる。
更に、被加工物Wとマイクロレンズアレイ30およびその保持機構(ワーク調整手段40)を相対的に円形に移動させながら加工を行う際、加工時間中にその回転半径を変化させることにより、加工穴のテーパ角度や深さ方向の三次元形状を調整することが可能となる。図15は、被加工物Wとマイクロレンズアレイ30およびその保持機構(ワーク調整手段40)を相対的に円運動させながら加工する際に、加工初期に大きい回転半径r1の円運動を行い、加工幅の大きい加工穴を形成し、加工後期は小さい回転半径r2の円運動を行い、中央部に小さい加工穴を形成することにより、ザグリ形状の加工を行う例である。
図16は、被加工物Wとマイクロレンズアレイ30およびその保持機構(ワーク調整手段40)を相対的に円運動させながら加工する際に、加工初期に大きい回転半径r1の円運動を行い、徐々に回転半径を小さくすることにより(r2、r3)、加工穴のテーパ角を調整する例である。図は理解を容易とするために、段のある断面形状となっているが、回転半径を連続的に変化させることにより、断面形状は滑らかとすることができる。なお、回転半径を小さい径から大きい径に変化させることによっても同様な加工が得られる。
また、加工時間内における、被加工物Wとマイクロレンズアレイ30およびその保持機構の相対移動の条件と、ビームの照射条件を調整することにより、被加工物の加工速度を調整することが可能であり、三次元形状の細かい調整が容易となる。ここで言う相対移動の条件とは、ステージ41及びXYZステージ43の移動速度や走査パターンなどであり、ビームの照射条件とは、エネルギー密度や発振周波数などである。そして、ここでは主に円形の加工例を示したが、相対移動の形状に制限はなく、楕円形、多角形、自由曲線などの任意形状の加工に適用が可能である。
<実施例1−1>
実施例1−1では、回折効率の異なるマイクロレンズ31(回折型レンズ)を用いて複数の加工点の深さを制御する技術について、図17乃至図19に基づき説明する。図17は加工深度が異なる場合におけるマイクロレンズの組み合わせの説明図、図18は半導体集積回路の断面図、図19は半導体集積回路及びそれに対応するマイクロチップアレイの概略図である。なお、本発明において、マイクロレンズ31は、図8のように凹凸が形成されているものを用いるが、他の図においては省略して曲面状のレンズを記載している。また、マイクロレンズアレイ30には、二つ以上のマイクロレンズ31が設けられることは勿論である。
図17において、レンズ径Dが等しいマイクロレンズ31a及び31bは、それぞれ回折効率が異なるレンズである。マイクロレンズ31aは、位相段差dの数Nが多く、回折効率が高い。一方、マイクロレンズ31bは、位相段差dの数Nが少なく、回折効率が低い。
その結果、照射されるレーザービームのエネルギー密度は、マイクロレンズ31aを透過した方が高く、マイクロレンズ31bを透過した方が低くなる。その結果、各レンズの焦点部分に形成される孔Ha及びHbの加工幅は互いに等しく、深度が異なる。したがって本発明は、回折効率を適宜設計することにより、等しい加工幅で異なる深度を有する多点加工を行うことができるものである。
上記設計に関し、以下、図18に基づき、さらに具体的に説明する。
半導体チップの高密度三次元実装技術において、チップ70を積載したウェハ71上に塗布された絶縁樹脂膜72に、チップ電極73までの浅いビア75aと、チップ外の電極(外部電極74)までの深いビア75bを形成する必要がある。このように、パターン内に深さの異なる加工を行う必要がある場合、従来技術によれば、浅いビア75aと深いビア75bを同じ加工条件で加工すると、浅いビア75aの部分の加工が過剰になり、レーザービームが入射することにより、チップ電極73やチップ70が損傷することが問題となっていた。
このように、同一加工幅で、深さの異なる穴加工を行う場合、以下のようなレンズ設計を行う。焦点距離f、レンズ径D、焦点径wは同一とした回折型レンズで、深いビア75bを形成するための回折レンズには位相段差dの数Nが8のレンズを用い、浅いビ75aを形成するための回折レンズにはN=4のレンズを用いる。それぞれのレンズの位相段差dの高さが式3を満たす場合、レンズの回折効率がN=8の時、95%であるのに対し、N=4の時は81%であり、約2割の焦点エネルギー密度の差が生じる。これにより、絶縁樹脂膜72において、ビア75a、75bの加工速度(加工深度)が調整可能となる。
上記構成のように、レンズ径D、焦点径wを等しくして位相段差dの数Nをそれぞれ8及び4とし、エポキシ樹脂に対し、多点の一括加工を行った場合、下記の結果が得られた。なお、詳細な実験条件は以下に示す通りである。
レーザーの種類:不安定共振器型KrFエキシマレーザー
レーザー波長λ:248nm
焦点径w:φ35μm
トレパニング径:φ50μm−φ35μm−φ20μm
照射パルス数:1000パルス−1000パルス−1000パルス
焦点エネルギー密度(理想値):400mJ/cm
材料:エポキシ樹脂
下地電極:外部電極 銅、内部電極 アルミ
浅いビア75aは深さ50μm、絶縁樹脂膜72の表面付近の直径(トップ径)が75μm、チップ電極73の表面付近直径(ボトム径)が55μmであった。一方、深いビア75bは深さ100μm、絶縁樹脂膜72の表面付近の直径(トップ径)が75μm、チップ電極73の表面付近直径(ボトム径)が45μmであり、回折レンズの設計を調整することにより、一括で異なる深度の加工を行うことができた。なお、この時、加工点付近を光学顕微鏡及びSEMにより観察したところ、加工点のトップ付近の周囲に絶縁樹脂が盛り上がることはなく、良好な切断面が形成されていた。また、各加工点のボトム部は、加工時の絶縁樹脂膜72の残渣がなく、且つ、電極へのダメージがない、電気的接合に良好な加工状態が得られていた。
このように、加工深度が異なる点を複数加工する技術は、図19のような、半導体集積回路を製造する際に好適に用いられる。図19(a)のように、中央側にチップ電極73、周縁側に外部電極74を備えた半導体集積回路では、その表面に絶縁樹脂膜72が形成されており、この絶縁樹脂膜72には、外部回路に接続するため、中央側のチップ電極73に対応したビア75a(図18参照)、周縁側の外部電極74に対応したビア75bが形成されている。そしてこれらのビア75a及びビア75bの加工深度は互いに異なるものである。
このような半導体集積回路に対応して、絶縁樹脂膜72にビア75a、ビア75bを形成するため、マイクロレンズアレイ30は、図19(b)のように、チップ電極73に対応した位置にマイクロレンズ31c、外部電極74に対応した位置にマイクロレンズ31dが形成されている。そして、これらマイクロレンズ31c、31dの回折効率は互いに異なり、浅い加工深度が必要なビア75aに対応するマイクロレンズ31cの回折効率は、深い加工深度が必要なビア75bに対応するマイクロレンズ31dよりも低く設計されている。
<実施例1−2>
実施例1−2では、レンズ径D及び回折効率が異なるマイクロレンズ31(回折型レンズ)を用いて複数の加工点の直径を制御する技術について、図20に基づき説明する。なお、本発明において、マイクロレンズ31は、図8のように凹凸が形成されているものを用いるが、他の図においては省略して曲面状のレンズを記載している。また、マイクロレンズアレイ30には、二つ以上のマイクロレンズ31が設けられることは勿論である。
図20において、レンズ径Dが異なるマイクロレンズ31e及び31fは、それぞれ回折効率が異なるレンズである。マイクロレンズ31eは、レンズ径Daがマイクロレンズ31fのレンズ径Dbよりも大きく設計されている。つまり、マイクロレンズ31eの焦点径は、マイクロレンズ31fの焦点径よりも小さい設計となる。また、マイクロレンズ31eは、位相段差dの数Nが少なく、回折効率が低い。一方、マイクロレンズ31fは、Nが多く、回折効率が高い。
一般に、回折効率が等しいレンズであれば、レンズ径Dが大きいほど、焦点への集光倍率cは大きくなる。その結果、レンズ径Dが大きいレンズを用いてレーザービームによる加工を行うと、焦点におけるエネルギー密度が高く、加工速度が速く(加工深度が深く)なる。したがって、レンズ径D、すなわち焦点径wの異なるマイクロレンズ31eと31fは、回折効率が等しい場合、その加工深度を等しくすることが難しい。
しかし、本発明によれば、回折効率が異なるマイクロレンズ31eと31fを用いることにより、照射されるレーザービームの集光する光の効率は、マイクロレンズ31eを透過した方が低く、マイクロレンズ31fを透過した方が高い。そしてさらに、マイクロレンズ31eと31fの焦点におけるエネルギー密度を等しく調整することができる。その結果、各レンズの焦点部分に形成される孔Hc及びHdの加工幅は互いに異なり、深度は等しくなる。したがって本発明は、回折効率を適宜設計することにより、均一な加工深度で、所望の加工幅を得ることができるものである。
上記設計に関し、以下、樹脂シートに加工幅の異なる穿孔加工を行う場合についてさらに具体的に説明する。
レーザービームを用いた加工を行う場合、安定に加工を行うためには、マイクロレンズ31の焦点におけるエネルギー密度は均一であることが好ましい。
一般に、マイクロレンズ31eとマイクロレンズ31fの目標焦点径wをw1、w2とした場合、それぞれのレンズ径Da、Dbは以下の式4で表される。
w1・Da=w2・Db・・・(式4)
回折効率が等しいレンズを用いる場合、エネルギー密度の比は、以下の式5の関係で表される。
1:(Db・w1/(Da・w2))=1:(w1/w2)・・・(式5)
したがって、焦点におけるレーザービームのエネルギー密度を等しくするには、マイクロレンズ31eとマイクロレンズ31fの集光効率の比を、1:(w2/w1)に設定するのが好ましい。
例えば、焦点径wをそれぞれφ50μmとφ40μmとした場合、回折効率の比は、1:0.41とすることが好ましい。
<実施例2>
次に、図21乃至図22に基づき、実施例2に係るレーザー加工装置10について説明する。各実施例において、前記実施例と同様部材・同様配置等には、同一符号を付してその説明を省略する。
図21及び図22は、第2実施例に係るレーザー加工装置10を示すものである。第2実施例に係るレーザー加工装置10は、実施例1と同様の構成において、被加工物Wのワーク調整手段40として、ステージ41に回転テーブル42を装備した構成とされている。
本例では、図21に示すように、マイクロレンズアレイ30と被加工物Wを一体としたユニットUを、照射ビームの光軸方向を軸に角度を変えて、ビーム領域Bをスキャンするものである。
エキシマレーザーなどの特性として、レーザーの経時変化によりレーザービームの発散角が変化することがある。この場合、通常は縦横で異方的に変化が生じる。それにより加工点が楕円形に変化していく傾向を持つ。
しかし、本例のように構成すると、ユニットUが回転するため、図22の右側に示すように、加工が進むに従って、真円形状の穿孔がなされていく。本例によれば、レーザービームの発散角の変化に拘らず加工点を真円形状に加工することが可能となる。
<実施例3>
さらに、図23及び図24に基づき、第3実施例に係るレーザー加工装置10について説明する。第3実施例に係るレーザー加工装置10は、実施例1の構成において、ミラー18とビームプロファイラ20以外の構成は同様であり、さらにミラースキャンユニット50を備えている。ミラースキャンユニット50の構成を図24に示す。ミラースキャンユニット50は、第1のミラー51と第2のミラー52を備えている。
第1のミラー51は、図24における上方向から下方向に向けて光を反射するものである。第2のミラー52は、図24における紙面表方向から裏方向に向けて光を反射するものである。
第1のミラー51と第2のミラー52は、それぞれ、図24における矢印方向に移動可能とされている。
それぞれを連動して駆動させることにより、マイクロレンズ31上を2次元的に走査することが可能となる。
但し、移動ミラーでは、ステージ移動時の機械的な角度変動が、ミラー反射により光学的角度変動が2倍と大きくなる。
なお、第3実施例において、ステージ41と、第1のミラー51、第2のミラー52のそれぞれを連動して駆動させても良い。
或いは、ミラーを少なくとも一つ備えた構成とし、ステージ41との組み合わせで、ユニットUへの2次元的な走査を行うようにしても良い。
10 レーザー加工装置
11 レーザー光源
12 アッテネータ
13 スリット
14 部分反射ミラー
15 エネルギーモニタ
16 シャッター
17 ビームエキスパンダ
17a ズーム機構
17b〜17f シリンドリカルレンズ
18 ミラー
20 ビームプロファイラ
30 マイクロレンズアレイ(集光手段)
31、31a〜31f マイクロレンズ
40 ワーク調整手段(配置手段)
41 ステージ
42 回転テーブル
43 XYZステージ
50 ミラースキャンユニット
51 第1のミラー
52 第2のミラー
70 チップ
71 ウェハ
72 絶縁樹脂膜
73 チップ電極
74 外部電極
75a、75b ビア
θ ダイバージェンス
B ビーム領域
Bs ビームサイズ
D、Da、Db レンズ径
H、Ha〜Hd 孔
N 位相段差の数
R レンズ領域
SC スキャン範囲
U ユニット
W 被加工物
c 集光倍率
d、s 位相段差(段差部)
f 焦点距離
w 焦点径

Claims (6)

  1. 被加工物の被加工領域内で複数の被加工部分を一括で加工するレーザー加工装置において、レーザー装置と、該レーザー装置から出射されるレーザービームの集光手段と、前記被加工物の配置手段と、を備えたレーザー加工装置であって、
    前記集光手段は、前記被加工部分の加工深度及び加工幅のうち、少なくとも何れか一方が異なる前記被加工部分に対応した異なるマイクロレンズの集合体からなり、
    前記マイクロレンズは、前記レーザービームが透過する材質で形成された回折型レンズであり、該回折型レンズの厚み方向に階段状の段差を備えた段差部が同心円上で対称に形成され、前記段差部の段差数、又は前記段差部の高さが前記被加工部分の加工幅及び加工深度に対応して形成されてなることを特徴とするレーザー加工装置。
  2. 前記マイクロレンズの集合体は、直径が互いに等しく形成された前記マイクロレンズを備えてなることを特徴とする請求項1に記載のレーザー加工装置。
  3. 前記マイクロレンズの集合体は、直径が互いに異なって形成された前記マイクロレンズを備え、
    直径が大きく形成された前記マイクロレンズは、直径が小さく形成された前記マイクロレンズと比較して、前記段差部の段差数が少なく形成されてなることを特徴とする請求項1に記載のレーザー加工装置。
  4. 請求項1に記載のレーザー加工装置の配置手段に被加工物を固定して、被加工部分の加工深度及び加工幅のうち、少なくとも何れか一方が異なる前記被加工部分を一括で加工するレーザー加工方法であって、
    集光手段として、厚み方向に階段状の段差を備えた段差部が同心円上で対称に形成され、前記段差部の段差数、又は前記段差部の高さが異なるマイクロレンズの集合体を前記被加工物と対向する位置に配設する第1の工程と、
    前記被加工物の前記被加工部分上に、それぞれ異なる前記マイクロレンズの焦点位置を固定する第2の工程と、
    被加工領域内及び領域外で、前記集光手段に対して前記レーザービームの照射を行う第3の工程と、
    前記集光手段として配設された前記マイクロレンズの集合体によって、複数の前記被加工部分に集光される前記レーザービームのエネルギー密度を制御する第4の工程とを有することを特徴とするレーザー加工方法。
  5. 前記第1の工程において、前記集光手段として、直径が互いに等しく形成された前記マイクロレンズの集合体を配設し、
    前記第2の工程において、加工深度が深く設計された前記被加工部分に、前記段差部の段差数が多く形成された前記マイクロレンズの焦点位置を固定し、加工深度が浅く設計された前記被加工部分に、前記段差部の段差数が少ない前記マイクロレンズの焦点位置を固定して加工することを特徴とする請求項4に記載のレーザー加工方法。
  6. 前記第1の工程において、前記集光手段として、直径が互いに異なって形成された前記マイクロレンズの集合体であって、直径が大きく形成された前記マイクロレンズが、直径が小さく形成された前記マイクロレンズと比較して、前記段差部の段差数が少なく形成された前記マイクロレンズの集合体を配設し、
    前記第2の工程において、加工幅が大きく設計された前記被加工部分に、前記段差部の段差数が少なく形成された前記マイクロレンズの焦点位置を固定し、加工幅が小さく設計された前記被加工部分に、前記段差部の段差数が多い前記マイクロレンズの焦点位置を固定して加工することを特徴とする請求項4に記載のレーザー加工方法。
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