JP2006292111A - 合成樹脂管の接続工法 - Google Patents

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【課題】合成樹脂管の接続部分の保護が簡単確実に行え、接続部分の保護及びロケーティング機能に損傷を生じさせることのない合成樹脂管の接続工法を提供する。
【解決手段】外周面に外傷保護層3のある合成樹脂管1を用い、接続せんとする合成樹脂管1の外傷保護層3を剥離しない状態で、互いの端部を突き合わせてバット融着によって接続し、この接続部分に発生した外周のビード部11を全周カットする。
【選択図】図1

Description

この発明は、外周面に外傷保護層やロケーティング機能を有する合成樹脂管の接続において、外傷保護層やロケーティング機能の性能を損なうことなく接続することができる合成樹脂管の接続工法に関する。
近年、地中に埋設したガス管や水道管の構築に用いられている管は、従来の鋼管等の金属管に代えて合成樹脂管が採用されるようになり、このような合成樹脂管は、金属管に比べて耐久性に優れ、敷設時の可撓性が折損等の事故を有効に防止することができるという利点がある。
ところで、上記のような合成樹脂管は、ポリエチレンを用いた管本体の外周面を合成樹脂の外傷保護層で保護した構造を有し、必要に応じて外傷保護層の外側にロケーティングワイヤを沿わせ、地上から合成樹脂管の存在を電気的に確認することができるようにするためのロケーティング機能を付加するようになっている。
従来、上記のような合成樹脂管の接続工法は、互に接続せんとする合成樹脂管の端部において、外傷保護層を所定長さにわたって剥離し、管本体を露出させた状態で端部を当接させ、この当接部分を軸方向に加圧すると共に加熱するバット融着によって接続し、この後接続部分の外周をテープ状の保護材で覆うようにしている。
上記のような従来の工法は、接続部分の外周を覆う保護材にコストがかかり、巻付け作業に手間と時間がかかるという問題がある。
また、合成樹脂管を非開削工法によって地中や既設管内に引き込んだ場合、土圧や接触抵抗によって保護材が剥離するという問題がある。
更に、合成樹脂管の外面にロケーティングワイヤを沿わせる方法は、粘着テープ等によりロケーティングワイヤを固定するための作業に手間と時間がかかるだけでなく、合成樹脂管を非開削工法によって地中や既設管内に引き込んだ場合、土圧や接触抵抗によってロケーティングワイヤが断線する恐れがあり、しかも、土中においてロケーティングワイヤが腐食することになる。
そこで、この発明が解決しようとする課題は、合成樹脂管の接続部分の保護が簡単確実に行え、非開削工法によって地中や既設管内に引き込んだ場合も、接続部分の保護及びロケーティング機能に損傷を生じさせることのない合成樹脂管の接続工法を提供することである。
上記の課題を解決するために、請求項1の発明は、外周面に外傷保護層のある合成樹脂管を互いに接続するための接続工法であり、接続せんとする合成樹脂管の外傷保護層を剥離しない状態で、互いの端部をバット融着によって接続し、この接続部分に発生した外周のビード部を全周カットする構成を採用したものである。
請求項2の発明は、外周面に外傷保護層とロケーティング機能のある合成樹脂管を互いに接続するための接続工法であり、接続せんとする合成樹脂管のロケーティング機能と外傷保護層を剥離しない状態で、互いの端部をバット融着によって接続し、この接続部分に発生した外周のビード部を全周カットした後ロケーティング機能をコネクタによって接続し、更に、このコネクタを保護層によって覆う構成を採用したものである。
ここで、合成樹脂管は、ポリエチレンを用いた管本体の外周面を、耐摩耗性に優れた合成樹脂の外傷保護層で被覆し、この管本体と外傷保護層の間にロケーティングテープを管本体の全長に渡って介在させた構造を有している。
ロケーティング機能を接続するコネクタは、一対の金属板を細い線状の接続部で連結し、金属板の周囲複数箇所に先鋭状の爪を下向きに突設して形成され、合成樹脂管の接続部分を接続部が跨ぐようにして、両金属板を接続した両側合成樹脂管の外面に臨ませ、外傷保護層の上からロケーティングテープに向けて爪を打ち込むことにより、ロケーティングテープを電気的に接続することになり、このコネクタの外面を耐摩耗性に優れた保護樹脂板の融着によって覆うようにする。
請求項1の発明によると、合成樹脂管の外傷保護層を剥離しない状態で互いの端部をバット融着によって接続し、この接続部分に発生した外周のビード部を全周カットするようにしたので、接続部分に外傷保護層が残り、接続部分の保護がそのまま得られることになり、接続部分の処理が簡単になると共に、ビード部を全周カットすることにより外周への突出部分の発生がなく、非開削工法によって地中や既設管内に引き込んだ場合も、接続部分に損傷を生じさせることがない。
請求項2の発明によると、接続部分に外傷保護層が残り、接続部分の保護がそのまま得られることになり、接続部分の処理が簡単になると共に、ビード部を全周カットすることにより外周への突出部分の発生がなく、非開削工法によって地中や既設管内に引き込んだ場合も、接続部分に損傷を生じさせることがないと共に、ロケーティング機能をコネクタによって接続し、このコネクタを保護層又は保護用粘着テープ等によって覆うようにしたので、ロケーティングテープを電気的に接続でき、非開削工法によって地中や既設管内に引き込んだ場合、ロケーティング機能とコネクタの損傷や腐食の発生を防ぐことができる。
以下、この発明にかかる合成樹脂管とその接続部分の構造を添付図面に基づいて説明する。
図2は、接続せんとする合成樹脂管1を示し、ポリエチレンを用いた管本体2の外周面を、耐摩耗性に優れた合成樹脂の外傷保護層3で被覆し、この管本体2と外傷保護層3の間にロケーティングテープ4を管本体2の全長に渡って介在させた構造を有し、前記外傷保護層3は透明もしくは半透明からなり、ロケーティングテープ4が外部から目視確認できるようになっている。
上記外傷保護層3は、管本体2の屈曲に追従するように、柔軟性に富み、かつ、強度を有する熱可塑性樹脂、例えば、ポリオレフィンまたはポリオレフィンと他のポリマーの共重合体等を用い、管本体2とロケーティングテープ4の外面を覆うように押出成形によって形成されている。
この外傷保護層3を形成するポリオレフィンとしては、ポリエチレンを例示でき、また、ポリオレフィンと他のポリマーの共重合体としては、エチレン−メタクリル酸共重合体を用いるのが好ましい。
また、ポリオレフィンと他のポリマーの共重合体であるエチレン−メタクリル酸共重合体の分子間を金属イオンで架橋したアイオノマー樹脂を使用できる。
このような外傷保護層3を形成する樹脂材料は、管本体2よりも耐摩耗性に優れ、削孔への樹脂管の引き込み時に管本体2が損傷するのを防ぐことができることになると共に、強度と耐摩耗性に優れているので厚みを1.5mm以下と薄くすることができ、管本体2の柔軟性を損なうことがなく、合成樹脂管1全体の外径が大きくならないので、削孔の小径化が図れる。
上記ロケーティングテープ4は、粘着剤層を設けた合成樹脂のテープ本体5と、このテープ本体5に設けた金属ネット6とで形成され、上記ロケーティングテープ4をテープ本体5の粘着剤層で管本体2に貼付けることによって配設されている。
更に、前記ロケーティングテープ4の金属ネット6は、厚み0.5mm以下で平なテープ状に形成され、このようにロケーティングテープ4を薄くすることで、合成樹脂管1全体の外径が大きくならないので、削孔の小径化が図れると共に、既設ガス管内への引き込みも有利となる。
また、金属ネット6は幅があるので、金属探査機による地上からの埋設位置の確認が正確に行えることになる。
図3乃至図5は、接続した合成樹脂管1のロケーティングテープ4における金属ネット6を電気的に接続するためのコネクタ7を示し、一対の矩形状金属板8、8を細い線状の接続部9で連結し、金属板8、8の周囲複数箇所に先鋭状の爪10を下向きに突設して形成されている。
このコネクタ7は、薄い金属板を用い、両金属板8、8と接続部9及び爪10をプレス成形によって一体に打ち抜き形成し、爪10を下向きに折り曲げて製作され、接続部9は両端部が相反する方向に屈曲して両金属板8、8の対角位置にあるコーナをつなぐような形状に形成され、合成樹脂管1の伸縮を接続部9の可撓性で吸収し、爪10は管本体2の厚みを貫通しない程度の長さに設定されている。
次に、合成樹脂管の接続方法を説明する。
図1(a)のように、互に接続せんとする合成樹脂管1の端部を、合成樹脂管1の外傷保護層3を剥離しない状態で臨ませ、端部を互に突き合わせた状態でこの突合せ部分の外側に周知のバット融着機をセットし、合成樹脂管1の突合せ部分に軸方向の力を加えながら、突合せ部分を加熱することによって融着する。
このような融着により、接続部分は管本体2と共に外傷保護層3が溶融し、図1(b)のように融着部分の外側にビード部11が盛り上がることになる。
上記融着完了後にバット融着機を取外し、これに代えて周知のビードカッターを接続部分にセットし、図1(c)のように、ビード部11の外周を切削除去することにより、接続部分の外径を合成樹脂管の外径に合うように仕上げる。
次に、図3のように、コネクタ7を合成樹脂管1におけるロケーティングテープ4の突合せ接続部分に、その接続部9が接続部分を跨いで両金属板8、8が接続した両側合成樹脂管1の外面に位置するように臨ませ、外傷保護層3の上からロケーティングテープ4に向けて両金属板8、8の爪10を打ち込むようにする。
コネクタ7は、図4のように、両金属板8、8の爪10が外傷保護層3とロケーティングテープ4の金属ネット6を貫通することにより、接続した両側合成樹脂管1の金属ネット6を電気的に接続することになる。
この後、図1(d)及び図4のように、コネクタ7の外面にこのコネクタ7よりも大き目の耐摩耗性に優れた保護樹脂板12を重ね、その外側に樹脂板融着機をセットし、保護樹脂板12を所定時間だけ加熱した後冷却することによって合成樹脂管1の外面に保護樹脂板12を融着すれば、コネクタ7に対する保護処理が完了する。
また、保護性能は多少落ちるが作業時間の短い保護テープの巻着によってコネクタ7の保護処理をしてもよい。
なお、上記保護樹脂板12は、外傷保護層3と同様耐摩耗性と接着性のある材料を用い、また、コネクタ7を目視確認できるように透明が好ましい。
上記のようにして接続した合成樹脂管1の接続部分は、図4のように、管本体2の端面の厚みが互に溶融して融着するので、充分な接続強度が得られると共に、接続部分に外傷保護層3が残り、接続部分の保護がそのまま得られることになり、接続部分の処理が簡単になると共に、ロケーティングテープ4の金属ネット6をコネクタ7によって電気的に接続することができ、しかも、コネクタ7の外面を保護樹脂板12や保護テープで覆っているので、非開削工法によって合成樹脂管1を地中や既設管内に引き込んだ場合、ロケーティング機能とコネクタ7の損傷や腐食の発生を防ぐことができる。
なお、合成樹脂管1は、図示の場合ロケーティングテープ4を設けたものを例示したが、ロケーティングテープ4を省いた合成樹脂管1の接続も同様に行うことができ、また、接続部分のビード部11をカットした部分は保護テープの巻着によって仕上げるようにしてもよい。
ここで、地中に埋設する合成樹脂管1は、ガス用管路や水道用管路の構築に用いられることになる。
(a)乃至(d)のそれぞれは合成樹脂管の接続工法の工程を順番に示す斜視図 合成樹脂管の要部を拡大した縦断面図 合成樹脂管の接続部分を拡大して示す一部切り欠き平面図 合成樹脂管の接続部分を拡大して示す縦断正面図 ロケーティングテープの接続に使用するコネクタの斜視図
符号の説明
1 合成樹脂管
2 管本体
3 外傷保護層
4 ロケーティングテープ
5 テープ本体
6 金属ネット
7 コネクタ
8 金属板
9 接続部
10 爪
11 ビード部
12 保護樹脂板

Claims (2)

  1. 外周面に外傷保護層のある合成樹脂管を互いに接続するための接続工法であり、接続せんとする合成樹脂管の外傷保護層を剥離しない状態で、互いの端部をバット融着によって接続し、この接続部分に発生した外周のビード部を全周カットすることを特徴とする合成樹脂管の接続工法。
  2. 外周面に外傷保護層とロケーティング機能のある合成樹脂管を互いに接続するための接続工法であり、接続せんとする合成樹脂管のロケーティング機能と外傷保護層を剥離しない状態で、互いの端部をバット融着によって接続し、この接続部分に発生した外周のビード部を全周カットした後ロケーティング機能をコネクタによって接続し、更に、このコネクタを保護層によって覆うことを特徴とする合成樹脂管の接続工法。
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