JP2002295781A - フランジ継手 - Google Patents

フランジ継手

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JP2002295781A
JP2002295781A JP2001104847A JP2001104847A JP2002295781A JP 2002295781 A JP2002295781 A JP 2002295781A JP 2001104847 A JP2001104847 A JP 2001104847A JP 2001104847 A JP2001104847 A JP 2001104847A JP 2002295781 A JP2002295781 A JP 2002295781A
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flange
pipe
composite pipe
resin sheet
short pipe
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Application number
JP2001104847A
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English (en)
Inventor
Kenji Mizukawa
賢司 水川
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】内耐圧性に優れている複合管用のフランジ継手
を提供する。 【解決手段】延伸ポリオレフィン系樹脂シートを用いた
複合管の短管1と、単一の合成樹脂で成形されたフラン
ジアダプタ22及びフランジ本体(ルーズフランジ)2
1を有するフランジ2とからなり、複合管の短管1の先
端にフランジアダプタ22を突き合わせ融着にて接合し
ているとともに、その突き合わせ融着部Jに補強部材
(金属リング3)を装着している。また、突き合わせ融
着部Jにおける複合管の短管1の肉厚とフランジアダプ
タ22の肉厚とが等しくなるように、アダプタ22の内
面にテーパを加工している

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種物質を流動さ
せて搬送するのに使用される複合管に接続するフランジ
継手に関する。
【0002】
【従来の技術】液体、気体等の各種物質を流動させて搬
送する際に使用されるパイプ、ホース等の管体は、内部
を流動する物質の圧力によって破損しないような耐圧性
が要求される。特に、耐油配管・給水管等のように、高
圧流体を搬送する場合には、高耐圧性が必要になる。耐
圧性を有する管体として、例えば特開平8−11250
号公報に、合成樹脂等の可撓性材料にて管状に成形され
た内層と外層との間に繊維補強層及びワイヤー補強層を
設けることで、耐圧性を高めた複合管が提案されてい
る。
【0003】また、他の複合管として、管状に成形され
た合成樹脂製の内層と、この内層の外周面に延伸ポリオ
レフィン系樹脂シートを螺旋状に巻回することにより形
成された補強層と、この補強層に積層された合成樹脂製
の外層とを有する複合管も提案されている。このような
延伸ポリオレフィン系樹脂シートを用いた複合管は、内
耐圧性に優れているので、単一材料で構成される樹脂管
に対して肉厚を薄くすることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】単一材料で成形された
合成樹脂製の管同士または管と機器類等との接続に使用
されるものにフランジ継手がある。フランジ継手として
は、例えば図8に示すように、ポリオレフィン系樹脂等
の熱可塑性樹脂で成形されたフランジアダプタ122に
ルーズフランジ121を嵌め込んだ状態で、フランジア
ダプタ122を樹脂管の短管101の先端に突き合わせ
融着する構造のものがある。なお、フランジと短管とを
一体成形したフランジ継手もあるが、この場合、成形時
の射出容量が大きて製品コストが高くなるという問題が
あるので、樹脂管においては図8の構造のものが一般に
使用されている。
【0005】ところで、図8に示すような構造におい
て、短管として前記した複合管(延伸ポリオレフィン系
樹脂シート補強)を適用した場合、次のような問題が生
じる。
【0006】すなわち、延伸ポリオレフィン系樹脂シー
トを用いた複合管は、前記したように肉厚が薄く成形さ
れており、単一材料で成形されたフランジアダプタの肉
厚とは異なることから、両者を突き合わせ融着すると、
融着部に段差ができてしまい、十分な融着強度を得るこ
とができない。しかも、突き合わせ融着部には、延伸ポ
リオレフィン系樹脂シートが存在しなくなるので、内水
圧に対する強度を確保することができない。
【0007】ここで、延伸ポリオレフィン系樹脂シート
を用いた複合管に接続するフランジ継手として、図9に
示すように、フランジスリーブ221の内面に多数の突
起が形成されたフランジ202と、複合管の短管201
の内部に挿入されるスティフナー223を備え、フラン
ジスリーブ221とスティフナー223との間に複合管
の短管201をはさみ込む方式(トランジションタイ
プ)のフランジがあるが、この図9に示す構造のフラン
ジ継手は非常に高価である。
【0008】本発明はそのような実情に鑑みてなされた
もので、延伸ポリオレフィン系樹脂シートを用いた複合
管の短管に単一の合成樹脂製のフランジアダプタを突き
合わせ融着した構造で、その突き合わせ融着部の強度が
高くて、内耐圧性に優れた安価なフランジ継手の提供を
目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のフランジ継手
は、管状に成形された合成樹脂製の内層と、この内層の
外周面に延伸ポリオレフィン系樹脂シートを螺旋状に巻
回することにより形成された補強層と、この補強層に積
層された合成樹脂製の外層とを有する複合管の短管と、
単一の合成樹脂で成形された管状の部材で肉厚が複合管
の短管よりも厚く成形されたフランジアダプタを有する
フランジとからなり、前記複合管の短管の先端に、フラ
ンジアダプタが突き合わせ融着されているとともに、そ
の突き合わせ融着部の外周面に補強部材が装着されてい
ることによって特徴づけられる。
【0010】本発明のフランジ継手において、突き合わ
せ融着部での複合管の短管の肉厚とフランジアダプタの
肉厚とが等しくなるように、フランジアダプタの内面に
テーパを加工しておくことが好ましい。
【0011】ここで、本発明のフランジ継手において、
フランジ本体とフランジアダプタとが別体で構成されて
いてもよいし、フランジ本体とフランジアダプタとが一
体形成されていてもよい。
【0012】本発明のフランジ継手の具体的な構成を説
明する。
【0013】本発明のフランジ継手において、突き合わ
せ融着部を補強する手段として、半割り構造の金属リン
グを用い、その金属リングを複合管の短管及びフランジ
アダプタの各端部を締め付けた状態で装着するという方
法が挙げられる。金属リングの内面には、突き合わせ融
着部を挟んだ両側に突起が形成されていることが好まし
い。
【0014】他の補強手段として、延伸ポリオレフィン
系樹脂シートを突き合わせ融着部の外周部に巻回した状
態で加熱することにより、延伸ポリオレフィン系樹脂シ
ートを複合管の短管及びフランジアダプタの各端部の外
周面に融着するという方法が挙げられる。
【0015】また、予め内径側に収縮する残留応力が与
えられた延伸ポリオレフィン系樹脂シート製のスリーブ
を、突き合わせ融着部の外周部に配置した状態で加熱す
ることにより、スリーブを複合管の短管及びフランジア
ダプタの各端部の外周面に融着するという方法も挙げる
ことができる。この場合の融着法として、スリーブを突
き合わせ融着部の外周部に配置した状態で、スリーブを
管軸を中心として回転させることにより発生する摩擦熱
によって、スリーブを融着するという方法を採用するこ
とが好ましい。
【0016】このように樹脂シートにて補強を行なう場
合、突き合わせ融着部の外側のビードを除去しておく
と、樹脂シートが、樹脂管の短管とフランジアダプタの
各端部及び突き合わせ融着部の外周面にしっかりと密着
するので融着部の強度が向上する。
【0017】次に、本発明に適用する複合管を詳細に説
明する。
【0018】まず、複合管の補強層を構成する延伸ポリ
オレフィン系樹脂シートについて説明する。
【0019】延伸ポリオレフィン系樹脂シートとは、少
なくとも長手方向に延伸されたポリオレフィン系樹脂を
主成分とする材料から構成されるシートを指す。
【0020】ポリオレフィン系樹脂は、特に限定される
ものではないが、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状
低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ホモポリプ
ロピレン、プロピレンランダム共重合体、プロピレンブ
ロック共重合体、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)等
が挙げられる。これらのポリオレフィン系樹脂のうち、
延伸後の弾性率が高い、ポリエチレン、特に結晶性の高
い高密度ポリエチレンが好ましい。
【0021】ポリオレフィン系樹脂には、必要に応じ
て、結晶核剤、架橋剤、架橋助剤、滑剤、充填剤、顔
料、異種のポリオレフィン系樹脂、低分子量ポリオレフ
ィンワックス等が配合されてもよい。
【0022】結晶核剤は、結晶化度を向上させる目的で
添加されるものであって、例えば、炭酸カルシウム、酸
化チタン等が挙げられる。
【0023】架橋剤、架橋助剤は、上記ポリオレフィン
系樹脂の分子鎖を部分的に架橋し、延伸ポリオレフィン
系樹脂シートの耐熱性やクリープ性能等を向上させる目
的で添加されるものであって、架橋剤としては、例え
ば、ベンゾフェノン、チオキサントン、アセトフェノン
等の光重合開始剤が挙げられる。架橋助剤としては、例
えば、トリアリルシアヌレート、トリメチロールプロパ
ントリアクリレート、ジアリルフタレート等の多官能性
モノマーが挙げられる。
【0024】上記架橋剤の使用に替えて、電子線照射や
紫外線照射による架橋手段を採用してもよい。
【0025】電子線照射や紫外線照射による架橋手段に
は、ポリオレフィン系樹脂に上記架橋剤や架橋助剤等を
添加し、好ましくは1〜20Mrad、より好ましくは
3〜10Mradの電子線を照射するか、あるいは、好
ましくは50〜800mW/cm2 、より好ましくは1
00〜500mW/cm2 の紫外線を照射するという方
法が挙げられる。このような架橋工程は、後述する延伸
工程と同時に、あるいは延伸工程に引き続いて行えばよ
い。
【0026】上記方法によって架橋を行うことにより、
延伸ポリオレフィン系樹脂シートのクリープ性能が向上
し、複合管を使用する際の内圧に対するクリープ性能が
向上するので、特に、内層を構成する樹脂にクリープ性
能の低いポリオレフィン系樹脂を使用する場合には、延
伸ポリオレフィン系樹脂シートは架橋されていることが
好ましい。
【0027】延伸ポリオレフィン系樹脂シートは、シー
ト状に加工されたポリオレフィン系樹脂シートを延伸し
て得られる。このポリオレフィン系樹脂シートの作製手
段は、特に限定されるものではないが、例えば、Tダイ
法による押出成形、カレンダー法によるロール成形等が
挙げられる。
【0028】また、ポリオレフィン系樹脂シートを連続
的に延伸する手段は、特に限定されるものではないが、
例えば、加熱されたポリオレフィン系樹脂シートを、速
度の異なるロール間で延伸する方法、互いに異なる方向
に回転するロール間に加熱されたポリオレフィン系樹脂
シートを挟み込み、厚さを減少させながら管の長手方向
に伸長させる、いわゆる圧延方法等が挙げられる。
【0029】これらの方法は、1つの方法の単一回のみ
で実施されてもよいが、2回以上段階的に繰り返して実
施されてもよい。また、上記延伸工程を2回以上実施す
る場合、複数の延伸方法の組合せで実施されてもよい。
特に、比較的厚いポリオレフィン系樹脂シートを延伸す
る場合には、一旦、上記圧延を行った後、延伸を行うこ
とが好ましい。
【0030】延伸前のポリオレフィン系樹脂シート(延
伸原反)の厚さは、得られる複合管の用途や延伸倍率等
によって決定されるものであって、特に限定されるもの
ではないが、0.5mm〜15mm程度が好ましい。シ
ートの厚さが0.5mm未満であると、延伸ポリオレフ
ィン系樹脂シートの厚さが薄くなり過ぎるため、次工程
の積層作業などにおける取扱性が低下して作業が行い難
くなる。シートの厚さが15mmを超えると、延伸負荷
が大きくなり過ぎるため、延伸装置が不必要に大きくな
るだけでなく、延伸作業が難しくなるおそれがある。
【0031】このような延伸原反から得られる延伸ポリ
オレフィン系樹脂シートの厚さは、50〜1000μm
程度となる。
【0032】延伸ポリオレフィン系樹脂シートからなる
補強層の幅は、複合管の口径、シートの巻回角度、後述
する巻回方法によって適宜選択されるものであって、特
に限定されるものではない。比較的幅の狭い補強層を用
いる場合は、幅広のシートを所要幅にスリットして用い
ればよい。
【0033】延伸ポリオレフィン系樹脂シートの延伸倍
率は、用いられる結晶性ポリオレフィン系樹脂の性状に
よって必要延伸倍率が決定されるものであり、特に限定
されるものではないが、好ましくはその長手方向に10
倍以上、より好ましくは20倍以上延伸されているもの
がよい。延伸ポリオレフィン系樹脂シートの長手方向の
延伸倍率が10倍未満であると、必要強度や弾性率が得
られ難くなるおそれがある。また、幅方向の延伸を行う
と、長手方向の延伸が抑制され、長手方向に10倍以上
延伸することが難しくなるおそれがある。
【0034】延伸ポリオレフィン系樹脂シートは、必要
に応じて、その接着性を向上する目的で、物理的もしく
は化学的手段による表面処理が施されてもよい。表面処
理には、例えば、サンドブラスト等のエンボス手段や表
面部分の局所的加熱手段によって、延伸ポリオレフィン
系樹脂シート表面に微細な凹凸を形成する物理的な表面
処理法が、作業の容易性等の理由から好ましい。
【0035】また、延伸ポリオレフィン系樹脂シート表
面に、予め接着用シートをラミネートし、接着性を向上
させる方法もある。接着用シートとしては、直鎖状低密
度ポリエチレン、変性ポリエチレン、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体等がある。
【0036】次に、複合管の内層と外層について説明す
る。
【0037】本発明に適用する複合管において、内層
は、輸送媒体を通過させるためのものである。従って内
層に用いられる合成樹脂の種類は、輸送媒体の種類によ
って適宜選択される。具体的には、延伸ポリオレフィン
系樹脂シートに用いられるものと同様のポリオレフィン
系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、各種ゴム、ポリ
オレフィン系エラストマーなどが挙げられるが、特に制
限されるものではない。
【0038】また、内層の肉厚は、輸送媒体の種類や、
使用内圧もしくは用途によって適宜選択される。なお、
製造時に発生する複合管の破片や、使用済み複合管のリ
サイクルを考慮すると、内層を構成する合成樹脂はポリ
オレフィン系樹脂であることが好ましい。
【0039】本発明に適用する複合管において、外層
は、管表面の保護や耐候性向上等を目的として形成され
るものである。外層を構成する樹脂には、上記した内層
と同様の合成樹脂が使用可能であり、さらに、ポリアミ
ド、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂等も使用可能であ
る。外層に用いられる合成樹脂は、用途・使用状況など
によって適宜選択される。
【0040】また、外層の肉厚は、内層と同様に、輸送
媒体の種類や、使用内圧もしくは用途によって適宜選択
される。なお、製造時に発生する複合管の破片や、使用
済み複合管のリサイクルを考慮すると、外層を構成する
合成樹脂はポリオレフィン系樹脂であることが好まし
い。
【0041】本発明に適用する複合管において、補強層
は、内層の外周面に傾斜周方向に巻回された延伸ポリオ
レフィン系樹脂シートからなる第1補強層と、管軸方向
に対して第1補強層と対称角度となるように積層された
延伸ポリオレフィン系樹脂シートからなる第2補強層を
設けたものを挙げることができる。このように複数層か
らなる補強層を形成しておけば、合成樹脂管に比べて高
耐圧の複合管が得られる。なお、傾斜周方向とは、シー
ト巻回方向が管軸方向に対して所定角度だけ傾斜してい
ることを意味する。
【0042】補強層の枚数は、シートの厚みや延伸倍
率、複合管に要求される性能になどによって適宜選択さ
れるが、各々異なる延伸倍率や厚みの補強層を用いても
よい。
【0043】また、補強層は、隙間なく積層されている
ことが好ましい。複合管の断面形状外周と同じシート幅
にすることにより、積層を隙間なく行うことが可能であ
るが、若干の隙間がある状態で積層されていてもよい。
【0044】複合管の断面形状は、特に制限されない
が、重量に対する内圧強度、外力強度の効率がよい円形
断面や、角(コーナー部)にRを設けた略正方形断面が
好ましい。複雑な断面形状では、補強層の積層が困難と
なる。
【0045】本発明に適用する複合管の製造方法は、特
に限定されるものではないが、例えば、内層となる合成
樹脂管を前工程で製造しておき、補強層及び外層を、そ
の合成樹脂管の表面に積層する方法が挙げられる。
【0046】中空状の内層を得る方法としては、通常、
パイプやホースの製造で行われている押出成形法を採用
すればよい。外層を被覆する方法としては、押出機と被
覆金型を用いて押出被覆する方法や、予めシート状もし
くはチューブ状の外層を成形しておき、延伸ポリオレフ
ィン系樹脂シートからなる補強層の外面に積層する方法
が挙げられる。
【0047】<作用>本発明のフランジ継手によれば、
延伸ポリオレフィン系樹脂を用いた複合管の短管に、単
一材料で成形されたフランジアダプタを突き合わせ融着
するとともに、その突き合わせ融着部の外周面に補強部
材を装着しているので、突き合わせ融着部の強度(耐内
圧性)を高めることができる。
【0048】本発明のフランジ継手において、突き合わ
せ融着部における複合管の短管とフランジアダプタとの
肉厚が等しくなるように、フランジアダプタの内面にテ
ーパを加工しておけば、突き合わせ融着部の融着強度を
高めることができる。
【0049】本発明のフランジ継手において、突き合わ
せ融着部を補強する部材として、複合管の短管及びフラ
ンジアダプタの各端部を締め付ける、半割り構造の金属
リングを用い、その内面に突起を設けておけば、金属リ
ングを装着した状態で、金属リング内面の各突起が複合
管の短管とフランジアダプタの各端部に食い込むので、
接続部分の軸方向強度を高めることができる。
【0050】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0051】図1は、本発明のフランジ継手の構造を示
す半断面図(A)及び背面図(B)である。
【0052】まず、この実施形態に用いる複合管の短管
1、フランジ2及び金属リング(補強部材)3の各構成
を説明する。
【0053】[複合管の短管]複合管の短管1は、図2
に示すように、管状に成形されたポリエチレン樹脂製の
内層11と、この内層11の外周面上に、延伸ポリオレ
フィン系樹脂シートである延伸ポリエチレン樹脂シート
12aを螺旋状に巻回することにより形成された補強層
12と、補強層12上に積層されたポリエチレン樹脂製
の外層13によって構成されている。
【0054】内層11に積層された補強層12は、適当
な幅寸法の帯状をした延伸ポリエチレン樹脂シート12
aを、内層11の管軸に対して30〜90°の傾斜角度
になるように螺旋状に巻回し、さらにその上に、延伸ポ
リエチレン樹脂シート12aを傾斜角度が逆向きになる
ように螺旋状に巻回した2層構造となっている。
【0055】このような構成の複合管の短管1は、ポリ
エチレン製の内層11に対して、引っ張り強度に優れた
延伸ポリエチレン樹脂シート12aを螺旋状に巻回して
なる補強層12が積層されているので、内層11が補強
層12によって補強される。従って複合管の短管1は、
耐圧性に優れており、内層11の内部に高圧の流体が流
れても、破損するおそれがない。
【0056】[フランジ]フランジ2は、図3に示すよ
うに、ステンレス(SUS304)製のルーズフランジ
(フランジ本体)21と、ポリエチレン樹脂製のフラン
ジアダプタ22によって構成されている。フランジアダ
プタ22は、図3に示す複合管の短管1と同じレベルの
内圧に耐えることが可能な肉厚で成形されている。ただ
し、フランジアダプタ22の内面にはテーパ面23が加
工されており、複合管の短管1との接続部24の肉厚が
複合管の短管1と等しい肉厚となっている。
【0057】[金属リング]金属リング3は、図4に示
すように、ステンレス鋼板(SUS304)の加工品
で、前記した複合管の短管1及びフランジアダプタ22
の各端部の外周面を覆う形状に加工された半割りのリン
グ本体31,31と、その各リング本体31の合わせ部
に一体形成された連結フランジ(外フランジ)32,3
2とからなり、半割りのリング本体31,31を合わせ
た状態で、連結フランジ32,32をボルト・ナット3
3(図1参照)にて締結することにより、半割りのリン
グ本体31,31を相互に連結できる構造となってい
る。なお、連結フランジ32には、ボルト貫通用の孔3
2aが形成されている。
【0058】以上のリング本体31,31で構成される
金属リング3の内径(ボルト・ナット33による締結状
態での寸法)は、複合管の短管1及びフランジアダプタ
22の接続部の各外径と略等しい寸法か、もしくはそれ
ら外径よりも僅かに小さい寸法に設定されている。
【0059】リング本体31の内面中央には、複合管の
短管1とフランジアダプタ22との突き合わせ融着部J
に溶出したビードB(図1)との干渉を避けるための凹
部3aが周方向に沿って形成されている。また、リング
本体31の内面には、図5に示すように、凹部3aを挟
んだ両側にそれぞれ2本の突起(突条)3bが形成され
ている。各突起3bは、断面直角三角形状に加工されて
おり、リング本体21の内面周方向に連続して延びてい
る。
【0060】次に、この実施形態の詳細を説明する。
【0061】まず、複合管の短管1とフランジアダプタ
22とを融着機等(図示せず)に装着し、それら複合管
の短管1とフランジアダプタ22の各端部を加熱プレー
ト(図示せず)にて加熱する。
【0062】複合管の短管1とフランジアダプタ22の
各端部が溶融状態に加熱された時点で、加熱プレートを
除去し、複合管の短管1とフランジアダプタ22の端面
同士を、同心状態で突き合わせて相互に押し付ける。こ
の突き合せにより、複合管の短管1とフランジアダプタ
22の各端部がそれぞれ順次外側・内側に向かって押し
広げられ、外側・内側に向かってカールした状態になっ
て相互に圧接される。これにより、複合管の短管1とフ
ランジアダプタ22との端部同士が相互に融着される。
なお、ルーズフランジ21は、突き合わせ融着を行なう
前にフランジアダプタ22側に配置しておく。
【0063】以上の突き合わせ融着が完了した後、図1
に示すように、金属リング3の一対のリング本体31,
31を、それぞれ複合管の短管1とフランジアダプタ2
2との接続部分の上方と下方に配置し、各リング本体3
1内面の凹部3aを突き合わせ融着部JのビードBに合
わせ、複合管の短管1とフランジアダプタ22との接続
部分に一対のリング本体31,31を被せた状態で、上
下の連結フランジ32,32をボルトナット33にて締
結して一対のリング本体31,31を相互に連結するこ
とにより、図1に示す構造のフランジ継手を得ることが
できる。
【0064】以上のようにして金属リング3を装着する
と、内圧により複合管の短管1とフランジアダプタ22
との接続部分が膨張しようとしても、これを金属リング
3の剛性で抑えることができるので、突き合わせ融着部
Jの耐圧性が高くなる。また、金属リング3内面の各突
起3bが複合管の短管1とフランジアダプタ22の各端
部に食い込むので、接続部分の軸方向強度も高くなる。
【0065】本発明の他の実施形態を図6を参照しなが
ら説明する。
【0066】この実施形態では、図4に示した金属リン
グ3に替えて、スリーブ4を補強部材として用いる。
【0067】スリーブ4は、延伸ポリエチレン系樹脂を
筒状に成形した部材で、内径が複合管の短管1及びフラ
ンジアダプタ22の外径と略等しい寸法に加工されてい
る。スリーブ4には、予め内径側に収縮する残留応力が
与えられている。
【0068】この実施形態では、前記した同じ要領で、
複合管の短管1とフランジアダプタ22との突き合わせ
融着を行なった後、図6に示すように、突き合わせ融着
部Jの外側のビードを除去し、次に、スリーブ4を複合
管の短管1の後端から差し込んで突き合わせ融着部Jに
配置する。この状態で、回転機構(図示せず)にてスリ
ーブ4を管軸を中心として回転させ、この回転時に発生
する摩擦熱により、スリーブ4を加熱する。この加熱に
より、スリーブ4の残留応力が開放され、スリーブ4が
縮径する結果、スリーブ4の内面が複合管の短管1とフ
ランジアダプタ22の各端部及び突き合わせ融着部Jの
外周面にしっかりと密着するので、突き合わせ融着部J
の強度(耐圧性)が向上する。以上の加工によって、図
6に示す構造のフランジ継手を得ることができる。
【0069】なお、この実施形態では、補強部材として
スリーブ4を用いているが、これに替えて、図7に示す
ように、突き合わせ融着部Jの外側のビードBを除去し
た後、複合管の短管1とフランジアダプタ22との接続
部分の外周面に延伸ポリオレフィン系樹脂シート5を巻
回し、その延伸ポリオレフィン系樹脂シート5を加熱し
て複合管の短管1とフランジアダプタ22の各端部及び
突き合わせ融着部Jに融着するという補強方法を採用し
てもよい。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のフランジ
継手によれば、延伸ポリオレフィン系樹脂シートを用い
た複合管の短管と、単一の合成樹脂で成形されたフラン
ジアダプタを有するフランジとからなり、複合管の短管
にフランジアダプタを突き合わせ融着にて接合している
とともに、その突き合わせ融着部に補強部材を装着して
おり、また、突き合わせ融着部における複合管の短管の
肉厚とフランジアダプタの肉厚とが等しくなるように、
フランジアダプタの内面にテーパを加工しているので、
突き合わせ融着部の融着強度が高くて、耐内圧性に優れ
たフランジ継手を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフランジ継手の実施形態の構造を示す
半断面図(A)及び背面図(B)である。
【図2】本発明の実施形態に用いる複合管の短管の斜視
図である。
【図3】本発明の実施形態に用いるフランジの半断面図
である。
【図4】図1の実施形態に用いる金属リングの正面図
(A)、側面図(B)及び平面図(C)である。
【図5】図5のD部詳細図である。
【図6】本発明のフランジ継手の他の実施形態の構造を
示す半断面図である。
【図7】本発明のフランジ継手の別の実施形態の構造を
示す半断面図である。
【図8】従来のフランジ継手の一例を示す断面図であ
る。
【図9】従来のフランジ継手の他の例を示す半断面図で
ある。
【符号の説明】
1 複合管の短管 11 内層 12 補強層 12a 延伸ポリエチレンシート(延伸ポリオレフィン
系樹脂) 13 外層 2 フランジ 21 ルーズフランジ(フランジ本体) 22 フランジアダプタ 23 テーパ面 24 接続部 3 金属リング(補強部材) 31 リング本体 3a 凹部 3b 突起 32 連結フランジ 33 ボルト・ナット 4 スリーブ(補強部材) 5 延伸ポリオレフィン系樹脂シート(補強部材) J 突き合わせ融着部 B ビード

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 管状に成形された合成樹脂製の内層と、
    この内層の外周面に延伸ポリオレフィン系樹脂シートを
    螺旋状に巻回することにより形成された補強層と、この
    補強層に積層された合成樹脂製の外層とを有する複合管
    の短管と、 単一の合成樹脂で成形された管状の部材で肉厚が前記複
    合管の短管よりも厚く成形されたフランジアダプタを有
    するフランジとからなり、 前記複合管の短管の先端に、フランジアダプタが突き合
    わせ融着されているとともに、その突き合わせ融着部の
    外周面に補強部材が装着されてなるフランジ継手。
  2. 【請求項2】 前記突き合わせ融着部において、複合管
    の短管とフランジアダプタとの肉厚が等しくなるよう
    に、フランジアダプタの内面にテーパが加工されている
    ことを特徴とする請求項1記載のフランジ継手。
  3. 【請求項3】 前記補強部材として、半割り構造の金属
    リングが複合管の短管及びフランジアダプタの各端部を
    締め付ける状態で装着されているとともに、その金属リ
    ングの内面には、突き合わせ融着部を挟んだ両側に突起
    が形成されていることを特徴とする請求項1または2記
    載のフランジ継手。
  4. 【請求項4】 前記補強部材として、延伸ポリオレフィ
    ン系樹脂シートが用いられており、その延伸ポリオレフ
    ィン系樹脂シートを、突き合わせ融着部の外周部に巻回
    した状態で加熱することにより、延伸ポリオレフィン系
    樹脂シートが複合管の短管及びフランジアダプタの各端
    部の外周面に融着されていることを特徴とする請求項1
    〜3のいずれかに記載のフランジ継手。
  5. 【請求項5】 内径側に収縮する残留応力をもつ延伸ポ
    リオレフィン系樹脂シート製のスリーブを、突き合わせ
    融着部の外周部に配置した状態で加熱することにより、
    スリーブが複合管の短管及びフランジアダプタの各端部
    の外周面に融着されていることを特徴とする請求項1〜
    3のいずれかに記載のフランジ継手。
  6. 【請求項6】 スリーブを突き合わせ融着部の外周部に
    配置した状態で、そのスリーブを管軸を中心として回転
    させることにより発生する摩擦熱によって、スリーブが
    融着されていることを特徴とする請求項5記載のフラン
    ジ継手。
  7. 【請求項7】 突き合わせ融着部の外側に溶出したビー
    ドが除去されていることを特徴とする請求項4〜6のい
    ずれかに記載のフランジ継手。
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