JP2002172692A - 曲がり管製造用の中芯及び曲がり管の製造方法 - Google Patents

曲がり管製造用の中芯及び曲がり管の製造方法

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JP2002172692A
JP2002172692A JP2000373040A JP2000373040A JP2002172692A JP 2002172692 A JP2002172692 A JP 2002172692A JP 2000373040 A JP2000373040 A JP 2000373040A JP 2000373040 A JP2000373040 A JP 2000373040A JP 2002172692 A JP2002172692 A JP 2002172692A
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Takehiro Yamada
雄大 山田
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐圧性に優れた複合管の曲がり管を、簡単かつ
生産性良く製造する。 【解決手段】伸縮性を有する材料にて中空状に成形さ
れ、内部に加圧媒体を導入することにより、所定の中芯
形状に膨張する中芯20を用い、管状に成形された合成
樹脂製の内層11と、この内層11の外周面に延伸ポリ
オレフィン系樹脂シートを螺旋状に巻回することにより
形成された補強層12と、この補強層12に積層された
合成樹脂製の外層13とを有する複合管10を原管と
し、その複合管10を加熱した後、複合管10内に前記
中芯20を挿入し、次いで、中芯20の内部に加圧媒体
を導入して複合管10の外径を1.05〜1.1倍に拡
径した状態で、複合管10を所定の曲げ角度に曲げ加工
する

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種物質を流動さ
せて搬送するのに用いられる複合管の曲がり管の製造方
法と、複合管の曲がり管を製造する際に使用する中芯に
関する。
【0002】
【従来の技術】液体、気体等の各種物質を流動させて搬
送する際に使用されるパイプ、ホース等の管体は、内部
を流動する物質の圧力によって破損しないような耐圧性
が要求される。特に、耐油配管・給水管等のように、高
圧流体を搬送する場合には、高耐圧性が必要になる。耐
圧性を有する管体として、例えば特開昭62−1096
25号公報に、合成樹脂等の可撓性材料にて管状に成形
された内層と外層との間に繊維補強層及びワイヤー補強
層を設けることで、耐圧性を高めた複合管が提案されて
いる。
【0003】このような複合管の曲がり管を製造する場
合、内層と繊維補強層との弾性率差が大きいため、原管
を製造した後に、2次加工にて曲げ加工を行うという方
法は採ることができない。そのため、例えば特開平3−
277532号公報に開示されているように、屈曲性を
有する中空中芯に熱硬化樹脂を含浸させた強化繊維を螺
旋状に巻回した後、中芯と強化繊維複合管との間に加圧
流体を供給することにより、強化繊維複合管を膨張さ
せ、加熱硬化させることにより曲がり管を製造するとい
う方法が採られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記した複
合管の曲がり管では、内層と外層との間に設ける繊維補
強層が、適当な太さを有する繊維を編組するか、あるい
はスパイラル状に巻回して配置されているため、繊維補
強層自体が厚くなるという問題がある。また、繊維を束
ねた状態で構成される繊維補強層は、各繊維の長手方向
に沿った軸方向強度が、周方向の強度に比べて大きくな
るという問題がある。しかも、繊維補強層にワイヤー補
強層を積層しているため、全体の肉厚が厚くなり、全体
重量が重くなってしまうので、取り扱いが難しくなり、
また経済性も悪くなるという問題がある。
【0005】また、曲がり管の製造時において、中空状
の中芯に熱硬化性樹脂を含浸した強化繊維を巻回した後
に加熱硬化させるので、中芯に耐熱性が要求され、金属
製のものを使用する必要がある。このため、中芯が重く
なって生産性が低下してしまう。しかも、中芯の隙間
(穴状の隙間)に、樹脂が付着しやすく、製造の都度、
中芯を清掃する必要があるといった問題がある。
【0006】本発明はそのような実情に鑑みてなされた
もので、耐圧性に優れた複合管の曲がり管を、簡単かつ
生産性良く製造することが可能な曲がり管の製造方法
と、そのような製造方法に適した曲がり管製造用の中芯
の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の中芯は、管状に
成形された合成樹脂製の内層と、この内層の外周面に延
伸ポリオレフィン系樹脂シートを螺旋状に巻回すること
により形成された補強層と、この補強層に積層された合
成樹脂製の外層とを有する複合管の曲がり管を製造する
際に使用する中芯であって、伸縮性を有する材料にて中
空状に成形され、内部に加圧媒体を導入することによ
り、所定の中芯形状に膨張するように構成されているこ
とによって特徴づけられる。
【0008】本発明の中芯を構成する材料は、主成分が
耐熱性を有するゴムであることが好ましい。
【0009】本発明の製造方法は、管状に成形された合
成樹脂製の内層と、この内層の外周面に延伸ポリオレフ
ィン系樹脂シートを螺旋状に巻回することにより形成さ
れた補強層と、この補強層に積層された合成樹脂製の外
層とを有する複合管の曲がり管を製造する方法であっ
て、上記複合管の直管を加熱した後、その複合管内に前
記した中芯を挿入し、次いで、中芯の内部に加圧媒体を
導入して複合管の外径を1.05〜1.1倍に拡径した
状態で、複合管を所定の曲げ角度に曲げ加工することに
よって特徴づけられる。
【0010】次に、本発明に使用する複合管を詳細に説
明する。
【0011】まず、複合管の補強層を構成する延伸ポリ
オレフィン系樹脂シートについて説明する。
【0012】延伸ポリオレフィン系樹脂シートとは、少
なくとも長手方向に延伸されたポリオレフィン系樹脂を
主成分とする材料から構成されるシートを指す。
【0013】ポリオレフィン系樹脂は、特に限定される
ものではないが、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状
低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ホモポリプ
ロピレン、プロピレンランダム共重合体、プロピレンブ
ロック共重合体、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)等
が挙げられる。これらのポリオレフィン系樹脂のうち、
延伸後の弾性率が高い、ポリエチレン、特に結晶性の高
い高密度ポリエチレンが好ましい。
【0014】ポリオレフィン系樹脂には、必要に応じ
て、結晶核剤、架橋剤、架橋助剤、滑剤、充填剤、顔
料、異種のポリオレフィン系樹脂、低分子量ポリオレフ
ィンワックス等が配合されてもよい。
【0015】結晶核剤は、結晶化度を向上させる目的で
添加されるものであって、例えば、炭酸カルシウム、酸
化チタン等が挙げられる。
【0016】架橋剤、架橋助剤は、上記ポリオレフィン
系樹脂の分子鎖を部分的に架橋し、延伸ポリオレフィン
系樹脂シートの耐熱性やクリープ性能等を向上させる目
的で添加されるものであって、架橋剤としては、例え
ば、ベンゾフェノン、チオキサントン、アセトフェノン
等の光重合開始剤が挙げられる。架橋助剤としては、例
えば、トリアリルシアヌレート、トリメチロールプロパ
ントリアクリレート、ジアリルフタレート等の多官能性
モノマーが挙げられる。
【0017】上記架橋剤の使用に替えて、電子線照射や
紫外線照射による架橋手段を採用してもよい。
【0018】電子線照射や紫外線照射による架橋手段に
は、ポリオレフィン系樹脂に上記架橋剤や架橋助剤等を
添加し、好ましくは1〜20Mrad、より好ましくは
3〜10Mradの電子線を照射するか、あるいは、好
ましくは50〜800mW/cm2 、より好ましくは1
00〜500mW/cm2 の紫外線を照射するという方
法が挙げられる。このような架橋工程は、後述する延伸
工程と同時に、あるいは延伸工程に引き続いて行えばよ
い。
【0019】上記方法によって架橋を行うことにより、
延伸ポリオレフィン系樹脂シートのクリープ性能が向上
し、複合管を使用する際の内圧に対するクリープ性能が
向上するので、特に、内層を構成する樹脂にクリープ性
能の低いポリオレフィン系樹脂を使用する場合には、延
伸ポリオレフィン系樹脂シートは架橋されていることが
好ましい。
【0020】延伸ポリオレフィン系樹脂シートは、シー
ト状に加工されたポリオレフィン系樹脂シートを延伸し
て得られる。このポリオレフィン系樹脂シートの作製手
段は、特に限定されるものではないが、例えば、Tダイ
法による押出成形、カレンダー法によるロール成形等が
挙げられる。
【0021】また、ポリオレフィン系樹脂シートを連続
的に延伸する手段は、特に限定されるものではないが、
例えば、加熱されたポリオレフィン系樹脂シートを、速
度の異なるロール間で延伸する方法、互いに異なる方向
に回転するロール間に加熱されたポリオレフィン系樹脂
シートを挟み込み、厚さを減少させながら管の長手方向
に伸長させる、いわゆる圧延方法等が挙げられる。
【0022】これらの方法は、1つの方法の単一回のみ
で実施されてもよいが、2回以上段階的に繰り返して実
施されてもよい。また、上記延伸工程を2回以上実施す
る場合、複数の延伸方法の組合せで実施されてもよい。
特に、比較的厚いポリオレフィン系樹脂シートを延伸す
る場合には、一旦、上記圧延を行った後、延伸を行うこ
とが好ましい。
【0023】延伸前のポリオレフィン系樹脂シート(延
伸原反)の厚さは、得られる複合管の用途や延伸倍率等
によって決定されるものであって、特に限定されるもの
ではないが、0.5mm〜15mm程度が好ましい。シ
ートの厚さが0.5mm未満であると、延伸ポリオレフ
ィン系樹脂シートの厚さが薄くなり過ぎるため、次工程
の積層作業などにおける取扱性が低下して作業が行い難
くなる。シートの厚さが15mmを超えると、延伸負荷
が大きくなり過ぎるため、延伸装置が不必要に大きくな
るだけでなく、延伸作業が難しくなるおそれがある。
【0024】このような延伸原反から得られる延伸ポリ
オレフィン系樹脂シートの厚さは、50〜1000μm
程度となる。
【0025】延伸ポリオレフィン系樹脂シートからなる
補強層の幅は、複合管の口径、シートの巻回角度、後述
する巻回方法によって適宜選択されるものであって、特
に限定されるものではない。比較的幅の狭い補強層を用
いる場合は、幅広のシートを所要幅にスリットして用い
ればよい。
【0026】延伸ポリオレフィン系樹脂シートの延伸倍
率は、用いられる結晶性ポリオレフィン系樹脂の性状に
よって必要延伸倍率が決定されるものであり、特に限定
されるものではないが、好ましくはその長手方向に10
倍以上、より好ましくは20倍以上延伸されているもの
がよい。延伸ポリオレフィン系樹脂シートの長手方向の
延伸倍率が10倍未満であると、必要強度や弾性率が得
られ難くなるおそれがある。また、幅方向の延伸を行う
と、長手方向の延伸が抑制され、長手方向に10倍以上
延伸することが難しくなるおそれがある。
【0027】延伸ポリオレフィン系樹脂シートは、必要
に応じて、その接着性を向上する目的で、物理的もしく
は化学的手段による表面処理が施されてもよい。表面処
理には、例えば、サンドブラスト等のエンボス手段や表
面部分の局所的加熱手段によって、延伸ポリオレフィン
系樹脂シート表面に微細な凹凸を形成する物理的な表面
処理法が、作業の容易性等の理由から好ましい。
【0028】また、延伸ポリオレフィン系樹脂シート表
面に、予め接着用シートをラミネートし、接着性を向上
させる方法もある。接着用シートとしては、直鎖状低密
度ポリエチレン、変性ポリエチレン、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体等がある。
【0029】次に、複合管の内層と外層について説明す
る。
【0030】本発明に使用する複合管の内層は、輸送媒
体を通過させるためのものである。従って、内層に用い
られる合成樹脂の種類は、輸送媒体の種類によって適宜
選択される。具体的には、延伸ポリオレフィン系樹脂シ
ートに用いられるものと同様のポリオレフィン系樹脂、
ポリ塩化ビニル、ポリアミド、各種ゴム、ポリオレフィ
ン系エラストマーなどが挙げられるが、特に制限される
ものではない。
【0031】また、内層の肉厚は、輸送媒体の種類や、
使用内圧もしくは用途によって適宜選択される。なお、
製造時に発生する複合管の破片や、使用済み複合管のリ
サイクルを考慮すると、内層を構成する合成樹脂はポリ
オレフィン系樹脂であることが好ましい。
【0032】本発明に使用する複合管の外層は、管表面
の保護や耐候性向上等を目的として形成されるものであ
る。外層を構成する樹脂には、上記した内層と同様の合
成樹脂が使用可能であり、さらにポリアミド、アクリル
樹脂、ポリエステル樹脂等も使用可能である。外層に用
いられる合成樹脂は、用途・使用状況などによって適宜
選択される。
【0033】また、外層の肉厚は、内層と同様に、輸送
媒体の種類や、使用内圧もしくは用途によって適宜選択
される。なお、製造時に発生する複合管の破片や、使用
済み複合管のリサイクルを考慮すると、外層を構成する
合成樹脂はポリオレフィン系樹脂であることが好まし
い。
【0034】次に、本発明の曲がり管製造用の中芯の詳
細に説明する。
【0035】本発明において中芯に導入する加圧媒体
は、中芯を抜く際の省力化を達成するために、加熱され
た圧縮空気や水(湯)などの加熱・加圧流体を用いるこ
とが好ましい。なお、鋼管等を曲げ加工する際に用いら
れる砂等の粒状のものを加圧媒体としてもよいが、砂等
の粒状のものを用いると、曲げ加工後に中芯から排出す
る作業が必要となり、省力化を達成できない。また、本
発明を適用する複合管は内層が合成樹脂であるため、砂
等粒状のものを用いると、内面に凹凸が生じ、流体の圧
力損失につながる恐れがある。
【0036】中芯を構成する材料は、耐熱性を有するゴ
ムが最も好ましいが、他のものとして、補強層が延伸ポ
リオレフィン系樹脂シートであり、加熱温度が130℃
以下であること、及び、中芯の耐久性を考慮すると、フ
ッ素、シリコン、クロロプレン(商品名ネオプレン:タ
イガースポリマー社製)等を挙げることができる。
【0037】<作用>本発明の曲がり管製造用の中芯
は、伸縮性を有する材料にて中空状に成形された部材
で、内部に加圧媒体(加圧流体等)を導入することによ
り、所定の中芯形状に膨張し、加圧媒体を抜く(減圧)
と収縮する。従って、曲げ加工を行う複合管内に配置す
るときには、中芯を収縮状態で挿入することができ、そ
の挿入作業を簡単に行うことができる。また、複合管の
曲げ加工が完了した後、中芯を除去する際には、加圧媒
体を抜いて収縮させることにより、曲がり管から簡単に
抜き取ることができる。
【0038】しかも、本発明に使用する複合管は、補強
層が延伸ポリオレフィン系樹脂シートであり、曲げ加工
の際の加熱温度が130℃以下であることから、中芯を
金属製とする必要がなく、中芯の軽量化をはかることが
できる。従って、複合管への挿入や曲がり管からの抜き
取りを最少人数で行うことができ、生産性の向上・製造
コストの低減化をはかることができる。
【0039】本発明の曲がり管の製造方法によれば、複
合管(直管)の外径を1.05〜1.1倍に拡径した
後、複合管を所定の曲げ角度に曲げ加工するので、曲が
り部の真円度を確保することができる。
【0040】
【実施例】まず、本発明の曲がり管の製造方法に用いる
複合管の一例を、図1を参照しながら説明する。
【0041】図1の複合管10は、管状に成形されたポ
リエチレン樹脂製の内層11と、内層11の外周面上
に、延伸ポリオレフィン系樹脂シートである延伸ポリエ
チレン樹脂シート12aを螺旋状に巻回することにより
形成された補強層12と、補強層12上に積層されたポ
リエチレン樹脂製の外層13によって構成されている。
【0042】内層11に積層された補強層12は、適当
な幅寸法の帯状をした延伸ポリエチレン樹脂シート12
aを、内層11の管軸に対して30〜90°の傾斜角度
になるように螺旋状に巻回し、さらにその上に、延伸ポ
リエチレン樹脂シート12aを傾斜角度が逆向きになる
ように螺旋状に巻回した2層構造となっている。
【0043】このような構成の複合管10は、ポリエチ
レン製の内層11に対して、引っ張り強度に優れた延伸
ポリエチレン樹脂シート12aを螺旋状に巻回してなる
補強層12が積層されているので、内層11が補強層1
2によって補強される。従って、複合管10は耐圧性に
優れ、内層11の内部に高圧の流体が流れても、破損す
るおそれがない。
【0044】以上の構成の複合管10を原管として曲が
り管を製造する場合の実施例を比較例とともに説明す
る。
【0045】<実施例1>まず、曲げ加工に用いる中芯
の一例を図2及び図3を参照しながら説明する。
【0046】この例の中芯20は、例えばゴムなどの耐
熱性・耐圧性・伸縮性を有する材料を中空状に成形した
部材で、内部に加熱・加圧空気(加圧媒体)を導入する
ためのポンプ21が接続されている。中芯20は、加熱
・加圧空気を導入して加圧することにより、図1の複合
管10の中芯となる形状に膨張して、複合管10の外径
を1.05〜1.1倍にまで拡径することができる。ま
た、充填した加熱・加圧空気を抜いて減圧することによ
り収縮して、複合管10の内径(内層11の内径)より
も小さくなる。
【0047】次に、複合管10の曲げ加工の具体的な実
施例を、図2〜図4を参照しながら説明する。なお、こ
の例の曲げ加工には、前記した中芯20と、図4に示す
形状の曲げ加工用のプレス型31,32を用いる。
【0048】図1に示す複合管10(直管)を、熱風
炉等の加熱炉(図示せず)にて加熱する(例えば115
℃、15分間)。
【0049】加熱が完了した後、図2に示すように、
複合管10内に、収縮状態の中芯20を挿入し、次いで
中芯20の内部に加熱・加圧空気を所定圧力で導入する
ことにより、中芯20を膨張させて複合管10の外径
を、1.05倍程度に拡径する(図3)。
【0050】図4に示すように、複合管10を上下の
プレス型31、32にセットし、プレスすることによ
り、所定の曲げ角度まで曲げ加工する。
【0051】複合管10の冷却が完了した後、中芯2
0に充填した加熱・加圧空気を抜いて、中芯20を収縮
させた状態で複合管10から抜き取ることにより、図5
に示すような曲がり管1を得る。
【0052】<比較例1>実施例1のの工程におい
て、複合管10の外径が変化しないように、中芯20の
内部に加熱・加圧空気を導入したこと以外は、実施例1
と同じとして曲げ加工を行った。
【0053】<比較例2>実施例1のの工程におい
て、複合管10の外径が1.15倍になるように、中芯
20を膨張させたこと以外は、実施例1と同じとして曲
げ加工を行った。
【0054】<性能評価試験>実施例1及び比較例1,
2で得られた曲がり管について、下記の項目の試験を行
って性能を評価した。
【0055】(a)水圧破壊試験 曲がり管をポンプにて加圧し、常温水圧破壊試験を行っ
た。表1に破壊した水圧を示す。
【0056】(b)内圧クリープ試験 曲がり管を80℃にし、ポンプにて1.5MPa加圧
し、曲がり管が破壊するまでの時間を測定した。破壊し
た時間を表1に示す。
【0057】(c)脈動水圧試験 曲がり管を23℃にし、ポンプにて0MPaと1.5M
Pa加圧/減圧を繰り返し、曲がり管が破壊するまでの
回数を測定した。破壊に要した時間を表1に示す。
【0058】(d)曲がり部の外径測定 曲がり管の中央部の外径を測定し、最大外径と最小外径
の差を測定した。試験結果を表1に示す。
【0059】
【表1】
【0060】表1の結果から明らかなように、本発明方
法を実施した複合管の曲がり管は、耐圧性に優れ、高ク
リープ性・耐疲労強度を有していることが確認された。
これに対し、比較例1では、耐圧性能は有するものの、
真円度を確保することができず、また、比較例2では、
複合管の拡径が大き過ぎるため、曲げ加工時に補強層の
性能低下が生じて耐圧強度を確保できないことが判っ
た。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の曲がり管
製造用の中芯は、伸縮性を有する材料にて中空状に成形
された軽量の部材であり、内部に加圧媒体を導入するこ
とにより、所定の中芯形状に膨張し、加圧媒体を抜くと
収縮するので、複合管の曲げ加工を最小人数で行うこと
ができる。その結果として、曲がり管の製造コストの低
減化を達成することができる。
【0062】本発明の曲がり管の製造方法によれば、上
記した中芯を使用し、複合管(直管)の外径を1.05
〜1.1倍に拡径した状態で、複合管を所定の曲げ角度
に曲げ加工するので、曲がり部の真円度を確保すること
ができる。従って、本発明の製造方法で得られる曲がり
管は、流体を流す場合に圧力損失が生じないので、配管
としての性能が損なわれない。また、原管として、管状
に成形された合成樹脂製の内層と、この内層の外周面に
延伸ポリオレフィン系樹脂シートを螺旋状に巻回するこ
とにより形成された補強層と、この補強層に積層された
合成樹脂製の外層とを有する複合管を用いているので、
重量が軽くて取り扱いが容易な曲がり管を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法に使用する複合管の斜視図で
ある。
【図2】本発明の製造方法の実施例の説明図である。
【図3】同じく実施例の説明図である。
【図4】同じく実施例の説明図である。
【図5】本発明の製造方法の実施例で得られる曲がり管
の縦断面図である。
【符号の説明】
1 曲がり管 10 複合管 11 内層 12 補強層 13 外層 20 中芯 21 ポンプ 31,32 プレス型
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 23:00 B29L 23:00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 管状に成形された合成樹脂製の内層と、
    この内層の外周面に延伸ポリオレフィン系樹脂シートを
    螺旋状に巻回することにより形成された補強層と、この
    補強層に積層された合成樹脂製の外層とを有する複合管
    の曲がり管を製造する際に使用する中芯であって、 伸縮性を有する材料にて中空状に成形され、内部に加圧
    媒体を導入することにより、所定の中芯形状に膨張する
    ように構成されていることを特徴とする曲がり管製造用
    の中芯。
  2. 【請求項2】 伸縮性を有する材料の主成分が、耐熱性
    を有するゴムであることを特徴とする請求項1記載の曲
    がり管製造用の中芯。
  3. 【請求項3】 管状に成形された合成樹脂製の内層と、
    この内層の外周面に延伸ポリオレフィン系樹脂シートを
    螺旋状に巻回することにより形成された補強層と、この
    補強層に積層された合成樹脂製の外層とを有する複合管
    の曲がり管を製造する方法であって、 上記複合管の直管を加熱した後、その複合管内に請求項
    1または2記載の中芯を挿入し、次いで、中芯の内部に
    加圧媒体を導入して複合管の外径を1.05〜1.1倍
    に拡径した状態で、複合管を所定の曲げ角度に曲げ加工
    することを特徴とする曲がり管の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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DE102007051674A1 (de) * 2007-10-26 2009-04-30 Rehau Ag + Co. Verfahren zum Verformen von Rohren
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