JP2001280542A - 複合高圧管の施工方法 - Google Patents

複合高圧管の施工方法

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JP2001280542A
JP2001280542A JP2000089137A JP2000089137A JP2001280542A JP 2001280542 A JP2001280542 A JP 2001280542A JP 2000089137 A JP2000089137 A JP 2000089137A JP 2000089137 A JP2000089137 A JP 2000089137A JP 2001280542 A JP2001280542 A JP 2001280542A
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synthetic resin
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JP2000089137A
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Takehiro Yamada
雄大 山田
Mitsuhide Nogami
光秀 野上
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高内圧強度が要求される高圧パイプに用いら
れる複合高圧管を、管端に水圧が負荷されてもウイーピ
ングによる漏水が発生せず、また安価に施工する方法を
提供する。 【解決手段】 合成樹脂からなる内層と、前記内層の外
周面の周方向に巻回された延伸ポリオレフィン系樹脂シ
ートからなる補強層と、前記補強層の外周に巻回された
合成樹脂からなる外層とから構成される複合高圧管を施
工するための方法であって、前記内層、前記補強層及び
前記外層を融着させずに積層して積層体とし、これをド
ラムに巻回する工程、並びに、前記ドラムから前記積層
体を繰り出しながら各層間を加熱融着することにより、
長尺の複合高圧管を形成させつつ配管する工程、とから
なる複合高圧管の施工方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高内圧強度が要求
される高圧パイプに用いられる複合高圧管の施工方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】水、ガス等の媒体を輸送するためのライ
ニング管には、鋼管、硬質ポリ塩化ビニル管やポリエチ
レン管等の合成樹脂管が用いられてきた。鋼管は、高内
圧強度や優れた耐クリープ性を有するが、耐震性に乏し
く、錆の発生や腐食等の欠点を有している。このため、
最近では硬質ポリ塩化ビニル管やポリエチレン管等の合
成樹脂管が用いられることが多い。しかしながら、これ
らのライニング管は4〜5mごとに接合する必要がある
ので、長尺配管施工をする場合には、施工現場へ数多く
のライニング管を輸送する必要がある。また、接合箇所
が多くなることにより、施工時間が長くなったり、施工
コストが高くなるという問題がある。
【0003】この問題を解決するために、合成樹脂の外
面に金属薄板を巻回した複合高圧管が考えられている。
特開平10−19170号公報には、内外層の合成樹脂
間に金属薄板を巻回した複合高圧管が開示されている。
しかしながら、この複合高圧管は、優れた内圧強度、耐
クリープ性を有しているものの、地震等の外力による強
制変位が働いた場合、金属薄板が布体層を突き破り内層
の合成樹脂管を傷つけてしまう危険がある。また、各層
が接着されていないため接合部において管端に水圧がか
かり層間に浸水するウイーピング等の漏水が懸念される
ため、接合部分で金属薄板を除去した後に接合をする必
要があり、高度な施工技術が必要となり施工コストが高
くなってしまう欠点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来技術の欠点を解消することにあり、媒体を通過させ
る内層と、内圧に対して優れた強度を有する補強層とか
ら構成される複合高圧管を施工する方法であって、各層
間を融着させ管端に水圧が負荷されてもウイーピングに
よる漏水が発生せず、また安価に施工することができる
方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の複合高圧管の施工方法は、合成樹脂
からなる内層と、上記内層の外周面の周方向に巻回され
た延伸ポリオレフィン系樹脂シートからなる補強層と、
上記補強層の外周に巻回された合成樹脂からなる外層と
から構成される複合高圧管を、施工するための方法であ
って、上記内層、上記補強層及び上記外層を融着させず
に積層して積層体とし、これをドラムに巻回する工程、
並びに、上記ドラムから前記積層体を繰り出しながら各
層間を加熱融着することにより、長尺の複合高圧管を形
成させつつ配管する工程、からなることを特徴とするも
のである。
【0006】請求項2記載の複合高圧管の施工方法は、
請求項1において、上記積層体が、両端が融着されたも
のであることを特徴とするものである。
【0007】請求項3の複合高圧管の施工方法は、請求
項1又は2において、上記内層を構成する合成樹脂、又
は、上記内層を構成する合成樹脂及び上記外層を構成す
る合成樹脂は、ポリオレフィン系樹脂であることを特徴
とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】まず、請求項1〜3記載の複合高
圧管の施工方法において共通する延伸ポリオレフィン系
樹脂シートからなる補強層について、説明をする。
【0009】本発明において、補強層を構成する延伸ポ
リオレフィン系樹脂シートとは、少なくとも長手方向に
延伸されたポリオレフィン系樹脂を主成分とする材料か
ら構成されるシートを指す。
【0010】上記ポリオレフィン系樹脂は、特に限定さ
れるものではないが、例えば、低密度ポリエチレン、直
鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ホモポ
リプロピレン、プロピレンランダム共重合体、プロピレ
ンブロック共重合体、ポリ(4−メチル−1−ペンテ
ン)等が挙げられる。これらのポリオレフィン系樹脂の
うち、延伸後の弾性率が高い、ポリエチレン、就中、結
晶性の高い高密度ポリエチレンが好適に用いられる。
【0011】上記ポリオレフィン系樹脂には、必要に応
じて結晶核剤、架橋剤、架橋助剤、滑剤、充填剤、顔
料、異種のポリオレフィン系樹脂、低分子量ポリオレフ
ィンワックス等が配合されてもよい。
【0012】上記結晶核剤は、結晶化度を向上させる目
的で添加されるものであって、例えば、炭酸カルシウ
ム、酸化チタン等が挙げられる。
【0013】上記架橋剤、上記架橋助剤は、上記ポリオ
レフィン系樹脂の分子鎖を部分的に架橋し、延伸ポリオ
レフィン系樹脂シートの耐熱性やクリープ性能等を向上
させる目的で添加されるものである。上記架橋剤として
は、例えば、ベンゾフェノン、チオキサントン、アセト
フェノン等の光重合開始剤が挙げられ、架橋助剤として
トリアリルシアヌレート、トリメチロールプロパントリ
アクリレート、ジアリルフタレート等の多官能性モノマ
ーが挙げられる。
【0014】上記架橋剤の使用に代えて、電子線照射や
紫外線照射による架橋手段を採用してもよい。
【0015】上記電子線照射や上記紫外線照射による架
橋手段には、ポリオレフィン系樹脂に上記架橋剤や架橋
助剤等を添加し、好ましくは1〜20Mrad、より好
ましくは3〜10Mradの電子線、又は、好ましくは
50〜800mW/cm2 、より好ましくは100〜5
00mW/cm2 の紫外線を照射する方法が挙げられ
る。このような架橋工程は、後述する延伸工程と同時
に、又は、延伸工程に引き続いて行えばよい。
【0016】上記方法によって架橋を行うことにより、
延伸ポリオレフィン系樹脂シートのクリープ性能が向上
し、複合高圧管を使用する際の内圧に対するクリープ性
能が向上するので、特に内層用合成樹脂にクリープ性能
の低いポリオレフィン系樹脂を使用する場合は、延伸ポ
リオレフィン系樹脂シートは架橋されていることが好ま
しい。
【0017】上記延伸ポリオレフィン系樹脂シートは、
シート状に加工されたポリオレフィン系樹脂シートを延
伸して得られる。このポリオレフィン系樹脂シートの作
製手段は、特に限定されるものではないが、例えば、T
ダイ法による押出成形、カレンダー法によるロール成形
等が挙げられる。
【0018】また、上記ポリオレフィン系樹脂シートを
連続的に延伸する手段としては、特に限定されるもので
はないが、例えば、加熱されたポリオレフィン系樹脂シ
ートを、速度の異なるロール間で延伸する方法、互いに
異なる方向に回転するロール間に加熱されたポリオレフ
ィン系樹脂シートを挟み込み、厚さを減少させながら管
の長手方向に伸長させる、いわゆる圧延方法等が挙げら
れる。これらの方法は、一つの方法の単一回のみで実施
してもよいが、2回以上段階的に繰り返して実施しても
よい。また、上記延伸工程を2回以上実施する場合、複
数の延伸方法を組合せて実施してもよい。特に、比較的
厚いポリオレフィン系樹脂シートを延伸する場合には、
一旦、上記圧延を行った後、延伸を行うことが好まし
い。
【0019】延伸前のポリオレフィン系樹脂シート(延
伸原反)の厚さは、得られる複合高圧管の用途や延伸倍
率等によって決定されるものであって、特に限定される
ものではないが、好ましくは0.5〜15mm程度であ
る。シートの厚さが0.5mm未満では、延伸ポリオレ
フィン系樹脂シートの厚さが薄くなり過ぎるため、次に
行う積層作業等における取扱性が低下して作業が行い難
くなり、15mmを超えると、延伸負荷が大きくなり過
ぎるため、延伸装置が不必要に大きくなるだけでなく、
延伸作業が難しくなるおそれがある。このような延伸原
反から得られる延伸ポリオレフィン系樹脂シートの厚さ
は、50〜1000μm程度となる。延伸ポリオレフィ
ン系樹脂シートからなる補強層の幅は、複合高圧管の口
径、巻回角度、後述の巻回方法によって適宜選択される
ものであって、特に限定されるものではない。比較的幅
の狭い補強層を用いる場合は、幅広のシートを所要幅に
スリットして用いればよい。
【0020】上記延伸ポリオレフィン系樹脂シートの延
伸倍率は、用いられる結晶性ポリオレフィン系樹脂の性
状によって必要延伸倍率が決定されるものであり、特に
限定されるものではないが、好ましくはその長手方向に
10倍以上、より好ましくは20倍以上延伸されている
ものがよい。延伸ポリオレフィン系樹脂シートの長手方
向の延伸倍率が10倍未満であると、必要強度や弾性率
が得られ難くなるおそれがある。また、幅方向の延伸を
行うと、長手方向の延伸が抑制され、長手方向に10倍
以上延伸することが難しくなるおそれがある。
【0021】上記延伸ポリオレフィン系樹脂シートは、
必要に応じて、その接着性を向上する目的で、物理的又
は化学的手段による表面処理が施されてもよい。上記表
面処理には、例えば、サンドブラスト等のエンボス手段
や表面部分の局所的加熱手段によって、延伸ポリオレフ
ィン系樹脂シート表面に微細な凹凸を形成する物理的な
表面処理法が、作業の容易性等の理由で好適に用いられ
る。また、上記延伸ポリオレフィン系樹脂シート表面
に、予め接着用シートをラミネートし、接着性を向上さ
せる方法もある。この接着用シートとしては、直鎖状低
密度ポリエチレン、変性ポリエチレン、エチレンー酢酸
ビニル共重合体等が挙げられる。
【0022】つぎに、請求項1〜3記載の複合高圧管の
施工方法において共通する内層について、説明をする。
【0023】本発明による複合高圧管において、内層
は、輸送媒体を通過させるためのものである。従って、
内層に用いられる合成樹脂の種類は、輸送媒体の種類に
よって適宜選択することができ、例えば、延伸ポリオレ
フィン系樹脂シートに用いられるものと同様のポリオレ
フィン系樹脂、各種ゴム、ポリオレフィン系エラストマ
ー等が挙げられるが、特に制限されるものではない。ま
た、内層の肉厚についても、輸送媒体の種類や、使用内
圧又は用途によって適宜選択される。
【0024】さらに、製造時に発生する複合高圧管の破
片や使用済み複合管のリサイクルを考慮すると、内層を
構成する合成樹脂はポリオレフィン系樹脂であることが
好ましい。
【0025】つぎに、請求項1〜3記載の複合高圧管の
施工方法において共通する外層について、説明をする。
【0026】本発明による複合高圧管には、内層及び補
強層を外力から保護するために、外層を設ける。外層に
用いられる樹脂は、用途、使用状況等によって適宜選択
され、内層と同様の合成樹脂が使用可能であるほか、ポ
リアミド、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂等も使用で
きる。外層の肉厚も、内層と同様、用途、使用状況等に
よって適宜選択される。
【0027】さらに、製造時に発生する複合高圧管の破
片や使用済み複合管のリサイクルを考慮すると、外層を
構成する合成樹脂はポリオレフィン系樹脂であることが
好ましい。
【0028】内層に用いる合成樹脂と外層に用いる合成
樹脂は同じものであってもよいし、異なるものでもよ
い。
【0029】請求項1〜3記載の複合高圧管の施工方法
において、補強層は、内層の外周面に周方向に巻回され
た延伸ポリオレフィン系樹脂シートからなる第1補強層
と、管の長さ方向に対し第1補強層と対称角度に積層さ
れた延伸ポリオレフィン系樹脂シートからなる第2補強
層とを設けたものである。ここで、周方向とは、巻回方
向が管の長手方向に対して所要角度をなすことを意味す
る。これにより、合成樹脂管に比べ高耐圧の複合高圧管
が得られる。
【0030】なお、上記補強層は、隙間なく積層されて
いることが好ましい。複合高圧管の断面形状外周と同じ
シート幅にすることにより、積層を隙間なく行うことが
可能であるが、若干の隙間がある状態で積層されていて
も良い。また、複数の補強層を用いて積層されていても
よい。
【0031】上記補強層の枚数は、シートの厚みや延伸
倍率、複合高圧管に要求される性能によって、適宜選択
されるが、各々異なる延伸倍率や厚みの補強層を用いて
も良い。
【0032】本発明の複合高圧管の施工方法において、
内層を構成する合成樹脂、又は、内層及び外層を構成す
る合成樹脂がいずれもポリオレフィン系樹脂であるもの
が好ましい。
【0033】上記複合高圧管の断面形状は、特に制限さ
れないが、重量に対する内圧強度、外力強度の効率がよ
い、円形断面や、角(コーナー部)にRを設けた略正方
形断面のものが好ましい。複雑な断面形状では、補強層
の積層が困難となる。
【0034】本発明の積層体を製造する方法としては、
特に限定されるものではないが、例えば、内層となる合
成樹脂管を前工程で製造しておき、補強層及び外層を、
その合成樹脂管の表面に積層する方法が挙げられる。ま
た、中空状の内層を得る方法としては、通常、パイプや
ホースの製造で行われる、押出成形を行えばよい。ま
た、外層を被覆する方法としては、押出機と被覆金型を
用いて押出被覆する方法や、予めシート状又はチューブ
状の外層を成形しておき、ドラムに巻回する前に積層す
る方法がある。
【0035】本発明においては、第一の工程において、
合成樹脂からなる内層と、外層と、延伸ポリオレフィン
系樹脂シートからなる補強層とが、融着されず積層され
ている。そのため、補強層である延伸ポリオレフィン系
樹脂シートを損傷することなくドラムに巻回することが
でき、かつ曲げた後も容易に元の状態に復元させること
ができる。一方、各層を融着させた場合、複合管が一体
化して曲げることが困難になり、また曲げた後に元に復
元させることが困難になる。無理に曲げた場合、延伸ポ
リオレフィン系樹脂シートを損傷し補強効果が損なわれ
るといった問題が生じる。
【0036】つぎに、本発明の複合高圧管の施工方法の
第二の工程において行われる加熱融着方法について、説
明をする。この加熱融着は、ドラムに巻回された積層体
をドラムから繰り出しながら行う。ここに、本発明の特
徴が存する。上記本発明の第二の工程は、複合高圧管を
配管する現場で行うことができる。このようにすること
により、現場での配管作業をも同時に行うことができ、
現場における施工作業を効率的に行うことができる。更
に、工場で行われた第一の工程で得られる積層体はドラ
ムに巻回されていて場所をとらないので、工場から施工
現場までの運搬作業を容易に行うことができる。
【0037】上記第二の工程における補強層及び外層を
加熱融着する方法としては、ドラムから繰り出した後、
内外層を構成する合成樹脂及びシートを内外層となる合
成樹脂の樹脂の溶融点以上に加熱して融着させることに
よって行うことができる。この加熱する方法として、遠
赤外線ヒーター又は近赤外線ヒーターを用いる方法と、
高周波装置で誘導加熱する方法があげられる。この際、
加熱すると同時に19.6N/cm2 以上の加圧をする
ことが好ましい。この加圧を行う方法として、管外面又
は内面から圧力を付与する方法と、シートの収縮を利用
する方法があげられる。管外面から加圧する方法として
は、ドラムから繰り出した後、加熱しながらロール等で
シートを内層に押しつける方法や中空状の金型を通過さ
せる際に金型内面に接触させる方法があるが、これに限
定されない。管内面から加圧する方法としては、ドラム
から定尺長さを繰り出し後、内外層樹脂の弾性範囲内
で、加熱されたエアやマンドレルで内層を拡径させる方
法がある。
【0038】上記加熱や加圧をする時間としては特に限
定されず、例えば、内外層に用いる合成樹脂の種類や肉
厚、補強層の厚み等により適宜調製すればよい。
【0039】(作用)請求項1記載の複合高圧管の施工
方法は、叙上の如く、合成樹脂からなる内外層と、内層
に巻回された延伸ポリオレフィン系樹脂シートからなる
補強層とから構成される積層体を製造してこれをドラム
に巻回する工程と、前記ドラムから積層体を繰り出しな
がら各層間を加熱融着することにより長尺の複合高圧管
とすることにより同時に配管を終える工程とからなるの
で、第一の工程を工場において行い、第二の工程を施工
すべき現場において行うことにより、延伸ポリオレフィ
ン系樹脂シートで構成された高耐圧の複合高圧管を簡単
に施工できる。また、ドラムに巻回されることにより輸
送効率が大幅に向上する。
【0040】請求項2記載の複合高圧管の施工方法は、
合成樹脂からなる内外層と、内外層間にて内層に巻回さ
れた延伸ポリオレフィン系樹脂シートからなる補強層と
から構成された積層体が、その両端において融着されて
いるため、ドラムに巻回する際に各層間のズレを抑える
ことができる。
【0041】請求項3記載の複合高圧管の施工方法は、
内層を構成する合成樹脂だけがポリオレフィン系樹脂で
あるか、又は、内層及び外層を構成する合成樹脂がいず
れもポリオレフィン系樹脂であるため、内層と、又は、
内層及び外層とが、延伸ポリオレフィン系樹脂シートか
らなる補強層と親和性を有するので、高接着強度が得ら
れる。しかも得られる複合高圧管のリサイクルも容易と
なる。
【0042】請求項1〜3記載の複合高圧管の施工方法
により、例えば、図7に示すように、橋の横等に長尺配
管をする場合には、つり具等を使用して長尺管の接合方
法を限定されることなく施工することができ、長期にわ
たりウイーピングの発生を抑えて、しかも、輸送費を低
減することができることから、内圧強度、耐クリープ性
に優れた複合高圧管を施工コストを充分に抑制して施工
することができる。また、図8に示すように、下水管等
に光ファイバー等を通すためのさや管を敷設する場合に
も、優れた性能の複合高圧管を施工コストを充分に抑制
して施工することができる。
【0043】
【実施例】以下、本発明の非限定的な実施例を挙げるこ
とにより、本発明を具体的に説明する。 (実施例1) (1)補強層用シートの製造 ポリオレフィンとして、高密度ポリエチレン(融点13
5℃、メルトフローレートMFR=1g/10分)を用
いた。高密度ポリエチレンを同方向2軸押出機にて20
0℃で混練しつつ、架橋助剤としてトリアリルシアヌレ
ートを高密度ポリチレンに対して3重量部、光開始剤と
してベンゾフェノンを同じく3重量部供給し、高密度ポ
リエチレンに均一に練り込んだ。その後、Tダイより押
出すことにより、肉厚3mmのポリオレフィンシートを
得た。尚、実施例におけるMFRは、JIS K 72
10に準拠して測定された値である。
【0044】このポリオレフィンシートを、速度1m/
分で繰り出し、120℃の加熱炉内を通過させ、速度3
0m/分で引き取り、延伸倍率30倍、厚み0.15m
mの延伸ポリオレフィンシートを得た。繰り出しと引き
取りはピンチロールで行った。
【0045】次いで、延伸ポリオレフィンシートに高圧
水銀灯照射を10秒間行い、架橋を行った。その後、延
伸ポリオレフィンシートを、ライン速度を20m/分
で、一方を200℃、他方を50℃に温調した2対のピ
ンチロールに、両面が交互に200℃のロールに接触す
るように挟み込みながら通過させ、延伸ポリオレフィン
シート表面の粗面化を行った。この延伸ポリオレフィン
シート表面の凹凸を表面形状測定器(日本真空技術社製
Dektak−303)で測定したところ、中心線表面
粗さRaは2μmであった。
【0046】延伸ポリオレフィンシートを内層及び外層
に接着するため、接着用シートを延伸ポリオレフィンシ
ートの両面にラミネートした。接着用シートには、直鎖
状低密度ポリエチレン(融点123℃、MFR=0.8
g/10分)を、インフレーション成形で厚み0.02
5mmに製造したものを用いた。この接着用シートを連
続的に延伸ポリオレフィンシートにラミネートし、巻回
に用いる延伸複合シートを得た。
【0047】(2)複合高圧管の製造 図1に、この実施例による複合高圧管を製造するための
製造装置を示す。
【0048】図1において、11は単軸押出機、12は
その先端の押出金型、13は冷却金型、14は補強層繰
出し装置、15は後流単軸押出機、16はその先端の押
出被覆金型、17は冷却水槽、18は引取機、19はド
ラム、20は未融着の複合高圧管である。
【0049】上記構成の複合高圧管製造装置において、
ポリオレフィン系熱可塑性樹脂を単軸押出機11に供給
し、その先端の押出金型12及び冷却金型13を用い
て、同樹脂を外径60mm、肉厚3mmの内層管に賦形
した。次いで、上記補強層用シートを幅90mmにスリ
ットしてなる4本の補強層用シートを、補強層繰出し装
置14を用いて、内層管に管の長手に対して±56度と
なるように2層巻回した。次いで、このシート巻回樹脂
管の外面に後流単軸押出機15の先端に取り付けた被覆
金型16により、外層を形成した後、冷却水槽17で冷
却することにより、製造した複合高圧管を引取機18で
引き取った後ドラム19に巻回した。これにより、図4
に示す各層が未融着の複合高圧管を得た。
【0050】内層用のポリオレフィン系熱可塑性樹脂に
は、高密度ポリエチレン(融点135℃、MFR=0.
5g/10分)を用い、外層用のポリオレフィン系樹脂
には、直鎖状低密度ポリエチレン(融点125℃、MF
R=0.7g/10分)を用いた。これを押出機バレル
温度、金型温度共に200℃の条件で押出した。補強層
用シートは上述の如く延伸複合シートからなる。
【0051】図2に上記実施例の複合高圧管の内外層と
延伸ポリオレフィン系シートを融着させる装置を示す。
【0052】図2において、21は複合高圧管を巻回し
た状態のドラム、25は繰り出し機、26は熱風炉、2
7は加圧ロールであり、ドラムを支持台で支えて、地面
から浮かして回転するようにした。図6は、このドラム
を側面から見たところであり、1が巻き始めであり、2
が半周巻いた地点であり、3が1周巻いた地点であり、
4が3から半周巻いた地点であり、このように数字の順
に複合高圧管がドラムに巻回されている状態を示した。
【0053】ドラム21から繰り出し機25を介して、
上記複合高圧管を繰り出し後、長さ1m、136℃に加
熱した熱風炉26で加熱した。その後、加圧ロール27
により24.5N/cm2 の加圧を行い、内外層と補強
層との融着を行った。尚、図3に、図2における矢印a
の方向から見た加圧ロール27と複合高圧管20の位置
関係を示した。
【0054】こうして、図5に示す、内外層と延伸ポリ
オレフィン系シートが融着した、本発明による複合高圧
管が得られた。図4、5において、28は内層、29は
補強層、30は外層である。
【0055】(比較例1)実施例1で内層として賦形し
た、外径60mm、肉厚3mmの高密度ポリエチレン管
を用意し、性能評価試験に供した。
【0056】(比較例2)実施例1で内層として賦形し
た、外径60mm、肉厚3mmの高密度ポリエチレン管
の外周面に熱風炉で延伸ポリオレフィン系シート融着し
た後、外層を融着した複合管をドラムに巻回した複合高
圧管を用意し、性能評価試験に供した。
【0057】(比較例3)実施例1で賦形した複合高圧
管を加熱せず、性能評価試験に供した。
【0058】性能評価試験 実施例及び比較例で得られた複合管において、下記の項
目について試験を行い、性能を評価した。
【0059】a)水圧破壊試験 1000mmの管体を切り出し、ポンプで加圧し複合高
圧管の常温水圧破壊試験を行った。
【0060】b)内圧クリープ試験 1000mmの管体を切り出し、管体を80℃にし、ポ
ンプで147N/cm2加圧し、複合高圧管が破壊する
までの時間を測定した。
【0061】c)脈動水圧試験 1000mmの管体を切り出し、ポンプで2秒間、14
7N/cm2 加圧しその後2秒間、0N/cm2 に減圧
して、常温で複合高圧管が破壊するまでの脈動回数を測
定した。d)管端水圧試験 200mmの管端を切り出し、管端に水圧を負荷し、ウ
イーピングが発生する水圧を測定した。試験結果を表1
に示す。
【0062】
【表1】
【0063】表1から、本発明による施工方法により耐
圧に優れ、高クリープ性を有した複合高圧管を容易に施
工でき、各層が融着されていることによりウイーピング
が発生することがないことが確認された。
【0064】
【発明の効果】本発明の複合高圧管の施工方法は、簡便
な装置で長尺配管することができ、施工コストを低減で
きる。また、各層が融着されていることにより、長期に
わたりウイーピングの発生を抑えることでき、接合方法
を限定されることはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1において本発明による複合高圧管の製
造に用いられる装置の構成を示す概略図である。
【図2】実施例1において本発明による複合高圧管の内
外層と延伸ポリオレフィン系シートの各層を融着する装
置の構成を示す概略図である。
【図3】図2における矢印aの方向から見た加圧ロール
27と複合高圧管20の位置関係を示す断面図である。
【図4】内層、補強層及び外層が融着されず積層された
複合高圧管の断面図である。
【図5】実施例1で得られた複合高圧管の構成を示す斜
視図である。
【図6】実施例1で得られた複合高圧管がドラムに巻回
されている状態の断面図である。このとき、各層間は融
着はしていない。
【図7】本発明の複合高圧管の施工方法により下水管等
にさや管を敷設する状態を示す概略図である。
【図8】本発明の複合高圧管の施行方法により橋の側面
等に長尺配管を施す状態を示す概略図である。
【符号の説明】
11:単軸押出機 12:押出金型 13:冷却金型 14:補強層巻回装置 15:後流単軸押出機 16:押出被覆金型 17:冷却水槽 18:引取機 19,21:ドラム 20:複合高圧管 22:ドラムの芯 23:支持台 24:ドラムの側壁 25:繰り出し機 26:熱風炉 27:加圧ロール 28:内層 29:補強層 30:外層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂からなる内層と、前記内層の外
    周面の周方向に巻回された延伸ポリオレフィン系樹脂シ
    ートからなる補強層と、前記補強層の外周に巻回された
    合成樹脂からなる外層とから構成される複合高圧管を施
    工するための方法であって、前記内層、前記補強層及び
    前記外層を融着させずに積層して積層体とし、これをド
    ラムに巻回する工程、並びに、前記ドラムから前記積層
    体を繰り出しながら各層間を加熱融着することにより、
    長尺の複合高圧管を形成させつつ配管する工程、からな
    ることを特徴とする複合高圧管の施工方法。
  2. 【請求項2】 前記積層体は、両端が融着されたもので
    ある請求項1記載の複合高圧管の施工方法。
  3. 【請求項3】 前記内層を構成する合成樹脂、又は、前
    記内層を構成する合成樹脂及び前記外層を構成する合成
    樹脂は、ポリオレフィン系樹脂である請求項1又は2記
    載の複合高圧管の施工方法。
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