JP2006291160A - 膜形成用組成物、それを用いた絶縁膜および電子デバイス - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 カゴ型構造を有する化合物を含む膜形成用組成物であって、組成物中の各金属の含量がそれぞれ300ppb以下であることを特徴とする膜形成用組成物、それを用いた絶縁膜および電子デバイス。
【選択図】 なし
Description
また、有機ポリマーは概して有機溶剤への溶解性の不十分なものが多く、塗布液中での析出、絶縁膜中でのブツ発生の抑制が重要な課題となっているが、溶解性を向上させるためにポリマー主鎖を折れ曲がり構造にするとガラス転移点の低下、耐熱性の低下が弊害となりこれらを両立することは容易ではない。
また、ポリアリーレンエーテルを基本主鎖とする高耐熱性樹脂が知られており(特許文献1)、誘電率は2.6〜2.7の範囲である。しかし、高速デバイスを実現するためには更なる低誘電率化が望まれて、多孔化せずにバルクでの誘電率を好ましくは2.6以下、より好ましくは2.5以下にすることが望まれている。
<1>
カゴ型構造を有する化合物を含む膜形成用組成物であって、組成物中の各金属の含量がそれぞれ300ppb以下であることを特徴とする膜形成用組成物。
<2>
組成物中の各遷移金属の含量がそれぞれ100ppb以下であることを特徴とする<1>に記載の膜形成用組成物。
<3>
イオン交換樹脂との接触処理を行って得られることを特徴とする<1>
または<2>に記載の膜形成用組成物。
<4>
イオン交換樹脂がポリアミン構造を有することを特徴とする<3>に記載の膜形成用組成物。
<5>
カゴ型構造が飽和炭化水素構造であることを特徴とする<1>〜<4>いずれかに記載の膜形成用組成物。
<6>
膜形成用組成物に含まれる全固形分中の総炭素数に占めるカゴ型構造の総炭素数の比率が30%以上であることを特徴とする<1>〜<5>に記載の膜形成用組成物。
<7>
カゴ型構造がアダマンタン構造であることを特徴とする<1>〜<6>のいずれかに記載の膜形成用組成物。
<8>
カゴ型構造がジアマンタン構造であることを特徴とする<1>〜<6>のいずれかに記載の膜形成用組成物。
<9>
カゴ型構造を有する化合物が下記式(I)で表される少なくとも一つの化合物の重合体である<8>に記載の膜形成用組成物。
式(I)中、
Rは複数ある場合は各々独立に水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のアルキニル基、炭素数6〜20のアリール基、または炭素数0〜20のシリル基を表す。
mは1〜14の整数を表す。
Xは複数ある場合は各々独立にハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数6〜20のアリール基、または炭素数0〜20のシリル基を表す。
nは0〜13の整数を表す。
<10>
カゴ型構造を有する化合物が窒素原子を除く構成元素よりなる化合物であることを特徴とする<1>〜<9>のいずれかに記載の膜形成用組成物。
<11>
有機溶剤を含むことを特徴とする<1>〜<10>のいずれかに記載の膜形成用組成物。
<12>
<1>〜<10>のいずれかに記載の膜形成用組成物を用いて形成された絶縁膜。
<13>
<12>に記載の絶縁膜を有する電子デバイス。
本発明で述べる「カゴ型構造」とは、共有結合した原子で形成された複数の環によって容積が定まり、容積内に位置する点は環を通過せずには容積から離れることができないような分子を指す。例えば、アダマンタン構造はカゴ型構造と考えられる。対照的にノルボルナン(ビシクロ[2,2,1]ヘプタン)などの単一架橋を有する環状構造は、単一架橋した環状化合物の環が容積を定めないことから、カゴ型構造とは考えられない。
金属量を低下させる処理の方法としては、多段蒸留や昇華精製、再結晶、イオン交換樹脂やそのフィルターによる処理を繰り返し行うこと、および、通常の有機合成よりも外部からの異物混入に対して特に注意深く操作を行うことのほか、キレート樹脂やそのフィルターによる金属の含量を低下させる方法などが挙げられる。キレート樹脂は、特定の化学種(配位子)と配位結合による相互作用を起こし、錯体を形成する作用を利用して特定のイオン種を選択的に吸着捕集できるように設計されたものであり、ダイアイオンCR20(多孔性の架橋ポリスチレン基体にポリアミン基を結合させたキレート樹脂:三菱化学社)エポラスMX-8,MX-8C(イミノプロピオン酸型キレート樹脂:モリテックス社)、アンバーライトIRC748(スチレン-ジビニルベンゼン共重合体にイミノ二酢酸を有する着レート樹脂:オルガノ社)、スミキレートMC700(イミノ二酢酸型樹脂:住友化学社)、アクリーンZ(旭硝子社)、ケレックス-100 (BIO-RAD社)、ダイヤイオンCR-10(三菱化学)、アンバーリスト15DRY(ローム アンド ハース社)、アンバーリスト15WET(ローム アンド ハース社)、アンバーリスト15JWET(ローム アンド ハース社)、アンバーリスト16WET(ローム アンド ハース社)、アンバーリスト31WET(ローム アンド ハース社)、アンバーリストA21(ローム アンド ハース社)などが挙げられる。また、無機系の吸着剤による吸着も利用できる。珪藻白土、ペントライトなど鉱物系吸着剤や活性炭などのグラファイト系吸着剤などを例としてあげることができる。また、市販のPd除去剤も利用することができる。金属スカベンジャーSI-Amine(シグマアルドリッチ)、金属スカベンジャーSI-Diamine(シグマアルドリッチ)、金属スカベンジャーSI-Triamine(シグマアルドリッチ)、金属スカベンジャーSI-Thiol(シグマアルドリッチ)、金属スカベンジャーSI-EDAB(シグマアルドリッチ)、金属スカベンジャーSI-TAAcOH(シグマアルドリッチ)、金属スカベンジャーSI-TAAcONa(シグマアルドリッチ)、金属スカベンジャーSI-TBD(シグマアルドリッチ)、金属スカベンジャーSI-Thiourea(シグマアルドリッチ)、金属スカベンジャー Ethylenediaminetriacetic acid acetamide, polymer-bound(シグマアルドリッチ)、金属スカベンジャー N,N,N'-Trimethylethylenediamine, polymer-bound(シグマアルドリッチ)、金属スカベンジャー 6-Thionicotinamide, polymer-bound(シグマアルドリッチ)、金属スカベンジャー Bis-[(diphenylphosphanyl)-methyl]amine, polymer-bound(シグマアルドリッチ)、金属スカベンジャー 2-Mercaptoethylamine, polymer-bound(シグマアルドリッチ)、金属スカベンジャー Bipyridine, polymer-bound(シグマアルドリッチ)等が例として挙げられる。
ここでいう炭素原子にはカゴ型構造に置換した連結基や置換基の炭素原子を含めない。例えば、1−メチルアダマンタンは10個の炭素原子で構成され、1−エチルジアマンタンは14個の炭素原子で構成されるものとする。
この中でより好ましい連結基は、−C(R11)(R12)−、−CH=CH−、−C≡C−、アリーレン基、−O−、−Si(R16)(R17)−、またはこれらを組み合わせた基であり、特に好ましいものは、−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−Si(R16)(R17)−またはこれらの組み合わせである。
以下に本発明の「カゴ型構造を有する化合物」の具体例を示すが、もちろん本発明はこれらに限定されない。
Rは複数ある場合は各々独立に水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のアルキニル基、炭素数6〜20のアリール基または炭素数0〜20のシリル基を表し、Rが水素原子以外の場合、Rはさらに別の置換基で置換されていてもよい。さらなる置換基としては例えばハロゲン原子(フッ素原子、クロル原子、臭素原子、または沃素原子)、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アシル基、アリールオキシ基、アリールスルホニル基、ニトロ基、シアノ基、シリル基等が挙げられる。Rは好ましくは水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基または炭素数0〜20のシリル基であり、より好ましくは水素原子または炭素数0〜10のシリル基である。
mは1〜14の整数を表し、好ましくは1〜4の整数であり、より好ましくは1〜3の整数であり、特に好ましくは2または3である。
Xは複数ある場合は各々独立にハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数0〜20のシリル基を表し、Xはさらに別の置換基で置換されていても良く、さらなる置換基の例として前述のものがあげられる。Xは好ましくは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数0〜20のシリル基であり、より好ましくは臭素原子、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数0〜10シリル基である。
nは0〜13の整数を表し、好ましくは0〜3の整数であり、より好ましくは0〜2の整数であり、特に好ましくは0または1である。
重合したポリマーの重量平均分子量の好ましい範囲は1000〜500000、より好ましくは5000〜300000、特に好ましくは10000〜200000である。
本発明に用いることの出来る好適な溶剤の例としては、特に限定はされないが、例えば1−メトキシ−2−プロパノール、1−ブタノール、2−エトキシメタノール、3−メトキシプロパノール等のアルコール系溶剤;アセチルアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸ペンチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸イソブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン等のエステル系溶剤;ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、エチルプロピルエーテル、アニソール、フェネトール、ベラトロール等のエーテル系溶剤;メシチレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、プロピルベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤、などが挙げられ、これらは単独でも2種以上を混合して用いてもよい。
ラジカル発生剤としては、例えば、t−ブチルパーオキシド、ペンチルパーオキシド、ヘキシルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブチロニトリル等が挙げられる。非イオン界面活性剤としては、例えば、オクチルポリエチレンオキシド、デシルポリエチレンオキシド、ドデシルポリエチレンオキシド、オクチルポリプロピレンオキシド、デシルポリプロピレンオキシド、ドデシルポリプロピレンオキシド等が挙げられる。フッ素系非イオン界面活性剤としては、例えば、パーフルオルオクチルポリエチレンオキシド、パーフルオルデシルポリエチレンオキシド、パーフルオルドデシルポリエチレンオキシド等が挙げられる。シランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ア
リルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、ジビニルジエトキシシラン、トリビニルエトキシシラン、これらの加水分解物あるいはこのものの脱水縮合物等が挙げられ
る。
これらの添加剤の添加量は、添加剤の用途または塗布液の固形分濃度によって適当な範囲が存在するが、一般的に、塗布液中の質量%で好ましくは0.001%〜10%、より好ましくは0.01%〜5%、特に好ましくは0.05%〜2%である。
また、上記加熱処理のあと、膜を加熱により熟成する工程等を行っても良い。この工程を焼成工程(もしくは加熱熟成工程)とする。なお、300℃以上の加熱を含む工程を焼成とするが、加熱乾燥工程と焼成工程を一貫して行うこともでき、一貫して加熱を実施した場合は本願の加熱乾燥工程に含むこととする。加熱処理の方法は、特に限定されないが、一般的に使用されているホットプレート加熱、ファーネス炉を使用した方法、RTP(Rapid Thermal Processor)等によるキセノンランプを使用した光照射加熱等を適用することができる。
発泡剤の添加量は、塗布液の固形分濃度によって適当な範囲が存在するが、一般的に、塗布液中の質量%で好ましくは0.01%〜20%、より好ましくは0.1%〜10%、特に好ましくは0.5%〜5%である。
Macromolecules.,24,5266(1991)に記載の方法により4,9−ジブロモジアマンタンを合成した。500mlフラスコに市販のp−ジビニルベンゼン1.30g、4,9−ジブロモジアマンタン3.46g、ジクロロエタン200ml、および昇華精製を注意深く10回繰り返すことによりFe含量を1ppb以下とした塩化アルミニウム2.66gを仕込み、内温70℃で24時間攪拌した。その後、200mlの水を加え、有機層を分液した。無水硫酸ナトリウムを加えた後、固形分を濾過で除去し、ジクロロエタンを半分量になるまで減圧下で濃縮し、この溶液にメタノールを300ml加え、析出した沈殿を濾過した。重量平均分子量が約10000のポリマー(A−4)を2.8g得た。
同様にフリーデルクラフツ反応によって、重量平均分子量が約10000のポリマー(A−12)を合成した。
上記のポリマー(A−4)1.0gをシクロヘキサノン5.0mlおよびアニソール5.0mlの混合溶剤に加熱溶解し、塗布液を調製した。得られた溶液をイオン交換樹脂(CR-20 、三菱化学製)に10回通した。樹脂はあらかじめアセトンおよびPGME(プロピレングリコールモノメチルエーテル)で洗浄した。カラムサイズは1.5cm×10cm(エコノカラム、BIO-RAD 製)で、樹脂の量は7.5mlとした。得られた溶液の金属濃度をフレームレス原子吸光法およびICP-MS法により測定したところ,Feは1ppb以下、Alは290ppbであった。この溶液を0.1ミクロンのテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過した後、シリコンウェハー上にスピンコートし、この塗膜を窒素気流下ホットプレート上で150℃で60秒間加熱し、更に400℃のホットプレート上で30分加熱した。得られた膜厚0.5ミクロンの絶縁膜の比誘電率をフォーディメンジョンズ製水銀プローバおよび横川ヒューレットパッカード製のHP4285ALCRメーターを用いて1MHzにおける容量値から算出したところ、2.49であった。また、MTS社ナノインデンターSA2を使用してヤング率を測定したところ、7.3GPaであった。
このウエーハーを窒素雰囲気化、400℃1時間加熱処理を実施した後、膜厚を測定したところ0.5ミクロンであり、処理前と同じ膜厚であった(残膜率100%)。
ジアマンタンを原料に用いて、Macromolecules.,5262,5266(1991)に記載の合成法に従って、4,9−ジエチニルジアマンタンを合成した。次に、4,9−ジエチニルジアマンタン10gと1,3,5−トリイソプロピルベンゼン50mlと予め超純水で洗浄したPS担時型Pd(PPh3)4をPd(PPh3)4換算で120mg相当分加え、窒素気流下で内温190℃で12時間攪拌した。反応液を室温にした後、イソプロピルアルコール300mlを添加した。析出した固体を濾過して、メタノールで洗浄した。重量平均分子量20000のポリマー(A)を3.0g得た。
合成例2で合成したポリマー(A)1.0gをシクロヘキサノン10.0mlに溶解し、塗布液を調製した。得られた溶液の金属濃度をフレームレス原子吸光法およびICP-MS法により測定したところ、Pd、Alを含めすべて1ppb以下であった。この溶液を0.2ミクロンのテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過した後、シリコンウェハー上にスピンコートし、この塗膜を窒素気流下ホットプレート上で110℃で90秒間加熱した後250℃で60秒間加熱して、更に窒素置換した400℃のオーブン中で60分加熱した。得られた膜厚0.50ミクロンの絶縁膜の比誘電率は2.40であった。また、ヤング率は7.1GPaであった。
このウエーハーを窒素雰囲気下、400℃1時間加熱処理を実施した後、膜厚を測定したところ0.5ミクロンであり、処理前と同じ膜厚であった。
ジアマンタンを原料に用いて、Macromolecules.,5262,5266(1991)に記載の合成法に従って、4,9−ジエチニルジアマンタンを合成した。次に、4,9−ジエチニルジアマンタン10gと1,3,5−トリイソプロピルベンゼン50mlとPd(PPh3)4を120mg加え,窒素気流下で内温190℃で12時間攪拌した。反応液を室温にした後、イソプロピルアルコール300mlを添加した。析出した固体を濾過して、メタノールで洗浄した。重量平均分子量20000のポリマー(A)を3.0g得た。
合成例3で合成したポリマー(A)1.0gをシクロヘキサノン10.0mlに溶解し、塗布液を調製した。得られた溶液をイオン交換樹脂(CR-20 、三菱化学製)に10回通した。樹脂はあらかじめアセトンおよびPGMEで洗浄した。カラムサイズは1.5cm×10cm(エコノカラム、BIO-RAD 製)で、樹脂の量は7.5 mL とした。得られた溶液の金属濃度をフレームレス原子吸光法およびICP-MS法により測定したところ、Pd、Alを含めすべて1ppb以下であった。この溶液を0.2ミクロンのテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過した後、シリコンウェハー上にスピンコートし、この塗膜を窒素気流下ホットプレート上で110℃で90秒間加熱した後250℃で60秒間加熱して、更に窒素置換した400℃のオーブン中で60分加熱した。得られた膜厚0.50ミクロンの絶縁膜の比誘電率は2.40であった。また、ヤング率は7.1GPaであった。
このウエーハーを窒素雰囲気化,400℃1時間加熱処理を実施した後,膜厚を測定したところ0.5ミクロンであり,処理前と同じ膜厚であった。
塩化アルミニウムの昇華精製およびイオン交換樹脂処理を実施しなかったこと以外は、実施例1と同様の操作を行って溶液を調製した。得られた溶液の遷移金属濃度をフレームレス原子吸光法およびICP-MS法により測定したところ,Feが150ppb、Alが600ppb検出された。この溶液を0.1ミクロンのテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過した後、シリコンウェハー上にスピンコートし、この塗膜を窒素気流下ホットプレート上で150℃で60秒間加熱し、更に400℃のホットプレート上で30分加熱した。得られた膜厚0.5ミクロンの絶縁膜の比誘電率をフォーディメンジョンズ製水銀プローバおよび横川ヒューレットパッカード製のHP4285ALCRメーターを用いて1MHzにおける容量値から算出したところ、2.54であった。また、MTS社ナノインデンターSA2を使用してヤング率を測定したところ、7.0GPaであった。
このウエーハーを窒素雰囲気下、400℃1時間加熱処理を実施した後、膜厚を測定したところ0.4ミクロンであり、処理前の80%の膜厚であった。
イオン交換樹脂処理を実施しなかったこと以外は、実施例1と同様の操作を行って溶液を調製した。得られた溶液の遷移金属濃度をフレームレス原子吸光法およびICP-MS法により測定したところ、Alが600ppb検出された。この溶液を0.1ミクロンのテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過した後、シリコンウェハー上にスピンコートし、この塗膜を窒素気流下ホットプレート上で150℃で60秒間加熱し、更に400℃のホットプレート上で30分加熱した。得られた膜厚0.5ミクロンの絶縁膜の比誘電率をフォーディメンジョンズ製水銀プローバおよび横川ヒューレットパッカード製のHP4285ALCRメーターを用いて1MHzにおける容量値から算出したところ、2.54であった。また、MTS社ナノインデンターSA2を使用してヤング率を測定したところ、7.0GPaであった。
このウエーハーを窒素雰囲気下、400℃1時間加熱処理を実施した後、膜厚を測定したところ0.43ミクロンであり、処理前の85%の膜厚であった。
比較例1と同様の操作をして溶液を調製した後,キレート樹脂(Chelex-100、ドライメッシュ100−200、交換容量0.4meq/mL、BIO-RAD 製)を10回通した。樹脂はあらかじめ定沸点塩酸と水で洗浄した。カラムサイズは1.5cm×10cm(エコノカラム、BIO-RAD 製)で、樹脂の量は7.5mLとした。得られた溶液の金属濃度をフレームレス原子吸光法およびICP-MS法により測定したところ、Feが15ppb、Alが30ppb検出された。この溶液を0.1ミクロンのテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過した後、シリコンウェハー上にスピンコートし、この塗膜を窒素気流下ホットプレート上で150℃で60秒間加熱し、更に400℃のホットプレート上で30分加熱した。得られた膜厚0.5ミクロンの絶縁膜の比誘電率をフォーディメンジョンズ製水銀プローバおよび横川ヒューレットパッカード製のHP4285ALCRメーターを用いて1MHzにおける容量値から算出したところ、2.52であった。また、MTS社ナノインデンターSA2を使用してヤング率を測定したところ、7.1GPaであった。
このウエーハーを窒素雰囲気下、400℃1時間加熱処理を実施した後、膜厚を測定したところ0.495ミクロンであり、処理前の99%の膜厚であった。
(B)のポリマー(シグマ−アルドリッチより入手)1.0gをシクロヘキサノン10.0mlに溶解し、塗布液を調製した。得られた溶液の金属濃度をフレームレス原子吸光法およびICP-MS法により測定したところ,Niが150ppb検出された。この溶液をB1液とする。次にこの溶液をキレート樹脂(Chelex-100、ドライメッシュ100−200、交換容量0.4meq/mL、BIO-RAD 製)を10回通した。樹脂はあらかじめ定沸点塩酸と水で洗浄した。カラムサイズは1.5cm×10cm(エコノカラム、BIO-RAD 製)で、樹脂の量は7.5mLとした。得られた溶液からNiが15ppb検出された。この溶液をB2液とする。B1液とB2液のそれぞれを、0.2ミクロンのテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過した後、シリコンウェハー上にスピンコートし、この塗膜を窒素気流下ホットプレート上で110℃で90秒間加熱した後250℃で60秒間加熱して、更に窒素置換した400℃のオーブン中で60分加熱した。得られた膜厚0.50ミクロンの絶縁膜の比誘電率はそれぞれ2.70であった。また、ヤング率はそれぞれ3.5GPaであった。
B1液から形成したウエーハーを窒素雰囲気下、400℃1時間加熱処理を実施した後、膜厚を測定したところ0.45ミクロンであり、処理前の90%の膜厚であった。
B2液から形成したウエーハーを窒素雰囲気下、400℃1時間加熱処理を実施した後、膜厚を測定したところ0.45ミクロンであり、処理前の90%の膜厚であった。
Claims (13)
- カゴ型構造を有する化合物を含む膜形成用組成物であって、組成物中の各金属の含量がそれぞれ300ppb以下であることを特徴とする膜形成用組成物。
- 組成物中の各遷移金属の含量がそれぞれ100ppb以下であることを特徴とする請求項1に記載の膜形成用組成物。
- イオン交換樹脂との接触処理を行って得られることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の膜形成用組成物。
- イオン交換樹脂がポリアミン構造を有することを特徴とする請求項3に記載の膜形成用組成物。
- カゴ型構造が飽和炭化水素構造であることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の膜形成用組成物。
- 膜形成用組成物に含まれる全固形分中の総炭素数に占めるカゴ型構造の総炭素数の比率が30%以上であることを特徴とする請求項1〜5に記載の膜形成用組成物。
- カゴ型構造がアダマンタン構造であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の膜形成用組成物。
- カゴ型構造がジアマンタン構造であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の膜形成用組成物。
- カゴ型構造を有する化合物が窒素原子を除く構成元素よりなる化合物であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の膜形成用組成物。
- 有機溶剤を含むことを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の膜形成用組成物。
- 請求項1〜10のいずれかに記載の膜形成用組成物を用いて形成された絶縁膜。
- 請求項12に記載の絶縁膜を有する電子デバイス。
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