JP2007081156A - 膜 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 脂環式炭化水素構造を有する化合物を含む膜形成用組成物を塗布し、乾燥して形成される膜であって、形成過程においてマイクロウエーブを照射して形成されることを特徴とする膜。
【選択図】 なし
Description
また、有機ポリマーは概して有機溶剤への溶解性の不十分なものが多く、塗布液中での析出、絶縁膜中でのブツ発生の抑制が重要な課題となっているが、溶解性を向上させるためにポリマー主鎖を折れ曲がり構造にするとガラス転移点の低下、耐熱性の低下が弊害となりこれらを両立することは容易ではない。
また、ポリアリーレンエーテルを基本主鎖とする高耐熱性樹脂が知られており(特許文献1)、誘電率は2.6〜2.7の範囲である。しかし、高速デバイスを実現するためには更なる低誘電率化が望まれて、誘電率を好ましくは2.6以下、より好ましくは2.5以下にすることが望まれている。
第1の例は、シリコンレジン及び有機溶媒を含む溶液により形成された薄膜を焼成することによってポーラス膜を形成するものである。これによると、薄膜の焼成時に有機溶媒が気化して消滅した跡に連続孔がランダムに形成される。この場合、有機溶媒は溶剤としての働きと空孔を形成するための働きとの両方を担っている。尚、一般に、溶液を基板上に塗布して薄膜を形成するためにはスピン塗布法が用いられ、また薄膜の焼成にはホットプレート及びファーネス(電気炉)が用いられる。
また、引用文献3に、微粒子を用いた多孔性絶縁膜が紹介されているが、比誘電率や機械強度の更なる改善が望まれていた。
(1)
脂環式炭化水素構造を有する化合物を含む膜形成用組成物を塗布しマイクロウエーブを照射して形成されることを特徴とする膜。
(2)
脂環式炭化水素構造がカゴ型構造であることを特徴する(1)に記載の膜。
(3)
カゴ型構造が飽和炭化水素構造であることを特徴とする(2)に記載の膜。
(4)
膜形成用組成物に含まれる全固形分中の総炭素数に占めるカゴ型構造の総炭素数の比率が30%以上であることを特徴とする(2)または(3)のいずれかに記載の膜。
(5)
カゴ型構造がアダマンタン構造であることを特徴とする(2)〜(4)のいずれかに記載の膜。
(6)
カゴ型構造がジアマンタン構造であることを特徴とする(2)〜(4)のいずれかに記載の膜。
(7)
カゴ型構造を有する化合物が下記式(I)で表される少なくとも一種の化合物の重合体であることを特徴とする(5)に記載の膜。
Rは複数ある場合は各々独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、またはシリル基を表す。
mは1〜14の整数を表す。
Xは複数ある場合は各々独立にハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、またはシリル基を表す。
nは0〜13の整数を表す。
(8)
脂環式炭化水素構造を有する化合物が窒素原子を含まないことを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載の膜。
(9)
脂環式炭化水素構造を有する化合物を含む膜形成用組成物を塗布する工程、塗布した膜形成用組成物を乾燥する工程、マイクロウエーブを照射する工程により形成されることを特徴とする膜。
(10)
さらに有機溶剤を含む組成物より形成されることを特徴とする(1)〜(9)のいずれかに記載の膜。
(11)
脂環式炭化水素構造を有する化合物を含む膜形成用組成物を塗布し塗膜を形成する工程、塗膜にマイクロウエーブを照射する工程を含むことを特徴とする膜形成方法。
(12)
(10)に記載の膜を有する電子デバイス。
本発明の膜形成用組成物は、脂環式炭化水素構造を有する化合物を含有する。脂環式炭化水素構造を有する化合物は、吸湿性が低く、耐熱性も比較的良好である。
脂環式炭化水素構造としては、単環式でも、多環式でもよく、脂環中にヘテロ原子を有していてもよい。具体的には、炭素数5以上のモノシクロ、ビシクロ、トリシクロ、テトラシクロ構造等を有する基を挙げることができる。その炭素数は6〜30個が好ましく、特に炭素数7〜25個が好ましい。これらの脂環式炭化水素基は置換基を有していてもよい。
以下に、脂環式炭化水素基のうち、脂環式部分の構造例を示す。
アルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等の低級アルキル基が好ましく、更に好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基よりなる群から選択された置換基を表す。上記アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4個のものを挙げることができる。
また、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基は、更に置換基を有していてもよく、このような置換基としては、例えば、炭素数1〜4のアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等)、ヒドロキシ基、オキソ基、アルキルカルボニル基(好ましくは炭素数2〜5)、アルキルカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜5)、アルキルオキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜5)、ハロゲン原子(塩素原子、臭素原子、フッ素原子等)等を挙げることができる。
脂環式炭化水素構造としては、カゴ型構造が好ましい。
ここでいう炭素原子にはカゴ型構造に置換した連結基や置換基の炭素原子を含めない。例えば、1−メチルアダマンタンは10個の炭素原子で構成され、1−エチルジアマンタンは14個の炭素原子で構成されるものとする。
この中でより好ましい連結基は、−C(R11)(R12)−、−CH=CH−、−C≡C−、アリーレン基、−O−、−Si(R16)(R17)−またはこれらを組み合わせた基であり、特に好ましいものは、−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−Si(R16)(R17)−またはこれらの組み合わせである。
Rは複数ある場合は各々独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、またはシリル基を表す。
mは1〜14の整数を表す。
Xは複数ある場合は各々独立にハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、またはシリル基を表す。
nは0〜13の整数を表す。
Rは好ましくは炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のアルキニル基、炭素数6〜20のアリール基、または炭素数0〜20のシリル基を表し、Rはさらに別の置換基で置換されていてもよい。置換基としては例えばハロゲン原子(フッ素原子、クロル原子、臭素原子、または沃素原子)、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アシル基、アリールオキシ基、アリールスルホニル基、ニトロ基、シアノ基、シリル基等が挙げられる。Rはさらに好ましくは水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基または炭素数0〜20のシリル基を表し、より好ましくは水素原子または炭素数0〜10のシリル基を表す。
mは好ましくは1〜4の整数であり、より好ましくは1〜3の整数であり、特に好ましくは2または3である。
Xは好ましくはハロゲン原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜10)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜10)、アリール基(好ましくは炭素数6〜20)、シリル基(好ましくは炭素数0〜20)を表し、Xはさらに別の置換基で置換されていても良く、置換基の例として前述のものが挙げられる。Xはさらに好ましくは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数0〜20のシリル基を表し、より好ましくは臭素原子、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数0〜10シリル基を表す。
nは0〜13の整数を表し、好ましくは0〜3の整数であり、より好ましくは0〜2の整数であり、特に好ましくは0または1である。
重合したポリマーの重量平均分子量の好ましい範囲は1000〜500000、より好ましくは5000〜300000、特に好ましくは10000〜200000である。
フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤(フッ素系界面活性剤及びシリコン系界面活性剤、フッ素原子と珪素原子の両方を含有する界面活性剤)として、例えば特開昭62−36663号公報、特開昭61−226746号公報、特開昭61−226745号公報、特開昭62−170950号公報、特開昭63−34540号公報、特開平7−230165号公報、特開平8−62834号公報、特開平9−54432号公報、特開平9−5988号公報、特開2002−277862号公報、米国特許第5405720号明細書、同5360692号明細書、同5529881号明細書、同5296330号明細書、同5436098号明細書、同5576143号明細書、同5294511号明細書、同5824451号明細書記載の界面活性剤を挙げることができ、下記市販の界面活性剤をそのまま用いることもできる。
シランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、ジビニルジエトキシシラン、トリビニルエトキシシラン、これらの加水分解物あるいはこのものの脱水縮合物等が挙げられる。
これらの添加剤の添加量は、添加剤の用途または塗布液の固形分濃度によって適当な範囲が存在するが、一般的に、塗布液中の質量%で好ましくは0.001%〜10%、より好ましくは0.01%〜5%、特に好ましくは0.05%〜2%である。
マイクロウエーブは1GHz程度の周波数帯の電磁波である。特に好ましい周波数は限定しないが、電波法に基づき、ISMバンドを用いることが好ましい。電波法において、通信、放送、レーダ、電波天文などへ影響を与えず、工業用、科学用、医事用、家庭用など限られた場所での優先的な利用のために、「ISMバンド」と呼ばれる下記に示す周波数帯が割当てられている。ここで、ISMとはIndustrial、Scientific、Medicalの略である。周波数としては、日本においては、433.920 ±0.87MHz、2,450±50MHz、5,800±75MHz、24.125GHz±125MHz帯が指定されている。さらに、米国では915±25MHz帯が、英国では896±10MHzが、また東欧やロシアでは2,450MHz帯において2,375±50MHzが指定されている。また、装置のコストの観点では、動作電圧が低い、発振効率が高いなどの点からマグネトロン発振による、2.45GHz程度の周波数が望ましい。
発泡剤の添加量は、塗布液の固形分濃度によって適当な範囲が存在するが、一般的に、塗布液中の質量%で好ましくは0.01%〜20%、より好ましくは0.1%〜10%、特に好ましくは0.5%〜5%である。
Macromolecules 1991,24,5266に記載の方法により4,9−ジブロモジアマンタンを合成した。500mlフラスコに市販のp−ジビニルベンゼン1.30g、4,9−ジブロモジアマンタン3.46g、ジクロロエタン200ml、および塩化アルミニウム2.66gを仕込み、内温70℃で24時間攪拌した。その後、200mlの水を加え、有機層を分液した。無水硫酸ナトリウムを加えた後、固形分を濾過で除去し、ジクロロエタンを半分量になるまで減圧下で濃縮し、この溶液にメタノールを300ml加え、析出した沈殿を濾過した。重量平均分子量が約10000のポリマー(A−4)を2.8g得た。
同様にフリーデルクラフツ反応によって、質量平均分子量が約10000のポリマー(A−12)を合成した。
上記のポリマー(A−4)1.0gをシクロヘキサノン5.0mlおよびアニソール5.0mlの混合溶剤に加熱溶解し、塗布液を調製した。この溶液を0.1ミクロンのテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過した後、シリコンウェハー上にスピンコートし、この塗膜を窒素気流下ホットプレート上で150℃で60秒間加熱乾燥した。次に、市販の電子レンジ(東芝製:1.8kW)で15分間マイクロウエーブを照射した。マイクロウェーブを用いることで、従来の加熱方法による場合よりも加熱時間を短縮することができた。このときの得られた膜厚0.5ミクロンの絶縁膜の比誘電率をフォーディメンジョンズ製水銀プローバおよび横川ヒューレットパッカード製のHP4285ALCRメーターを用いて1MHzにおける容量値から算出したところ、2.55であった。また、MTS社ナノインデンターSA2を使用してヤング率を測定したところ、7.0GPaであった。
このウエーハーを23℃、40%RHの雰囲気に放置し,1週間後に比誘電率を上記の方法で測定したところ,2.56であった。
上記のポリマー(A−12)1.0gをガンマブチロラクトン5.0mlおよびアニソール5.0mlの混合溶剤に加熱溶解し、塗布液を調製した。この溶液を0.1ミクロンのテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過した後、シリコンウェハー上にスピンコートし、この塗膜を窒素気流下ホットプレート上で180℃で60秒間加熱乾燥した。次に,市販の電子レンジ(東芝製:1.8kW)で15分間マイクロウエーブを照射した。得られた膜厚0.5ミクロンの絶縁膜の比誘電率は2.55であった。また、ヤング率は6.0GPaであった。
このウエーハーを23℃、40%RHの雰囲気に放置し,1週間後に比誘電率を上記の方法で測定したところ,2.57であった。
ジアマンタンを原料に用いて、Macromolecules.,5262,5266(1991)に記載の合成法に従って、4,9−ジエチニルジアマンタンを合成した。次に、4,9−ジエチニルジアマンタン10gと1,3,5−トリイソプロピルベンゼン50mlとPd(PPh3)4 120mgを窒素気流下で内温190℃で12時間攪拌した。反応液を室温にした後、イソプロピルアルコール300mlを添加した。析出した固体を濾過して、メタノールで洗浄した。重量平均分子量20000のポリマー(A)を3.0g得た。
合成例2で合成したポリマー(A)1.0gをシクロヘキサノン10.0mlに溶解し、塗布液を調製した。この溶液を0.2ミクロンのテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過した後、シリコンウェハー上にスピンコートし、この塗膜を次に,市販の電子レンジ(東芝製:1.8kW)で15分間マイクロウエーブを照射した後,300℃のオーブン中で15分加熱熟成した。得られた膜厚0.50ミクロンの絶縁膜の比誘電率は2.40であった。また、ヤング率は7.0GPaであった。
このウエーハーを23℃、40%RHの雰囲気に放置し,1週間後に比誘電率を上記の方法で測定したところ,2.40であった。
実施例3と同様に溶液を調製した。この溶液を0.2ミクロンのテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過した後、シリコンウェハー上にスピンコートし、この塗膜を窒素気流下ホットプレート上で110℃で90秒間加熱乾燥した後、250℃で60秒間加熱乾燥した。更に窒素置換した400℃のオーブン中で60分加熱熟成した。得られた膜厚0.50ミクロンの絶縁膜の比誘電率は2.49であった。また、ヤング率は7.0GPaであった。
このウエーハーを23℃、40%RHの雰囲気に放置し,1週間後に比誘電率を上記の方法で測定したところ,2.65であった。
実施例3と同様に溶液を調製した。この溶液を0.2ミクロンのテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過した後、シリコンウェハー上にスピンコートし、この塗膜を室温で乾燥した後,次に,市販の電子レンジ(東芝製:1.8kW)で15分間マイクロウエーブを照射した。得られた膜厚0.50ミクロンの絶縁膜の比誘電率は2.49であった。また、ヤング率は6.9GPaであった。
このウエーハーを23℃、40%RHの雰囲気に放置し,1週間後に比誘電率を上記の方法で測定したところ,2.52であった。
(B)のポリマー(シグマ−アルドリッチより入手)1.0gをシクロヘキサノン10.0mlに溶解し、塗布液を調製した。この溶液を0.2ミクロンのテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過した後、シリコンウェハー上にスピンコートし、この塗膜を室温で乾燥し,次に,市販の電子レンジ(東芝製:1.8kW)で15分間マイクロウエーブを照射した。得られた膜厚0.50ミクロンの絶縁膜の比誘電率は2.70であった。また、ヤング率は3.5GPaであった。
このウエーハーを23℃、40%RHの雰囲気に放置し,1週間後に比誘電率を上記の方法で測定したところ,2.90であった。
Claims (11)
- 脂環式炭化水素構造を有する化合物を含む膜形成用組成物を塗布しマイクロウエーブを照射して形成されることを特徴とする膜。
- 脂環式炭化水素構造がカゴ型構造であることを特徴する請求項1に記載の膜。
- カゴ型構造が飽和炭化水素構造であることを特徴とする請求項2に記載の膜。
- 膜形成用組成物に含まれる全固形分中の総炭素数に占めるカゴ型構造の総炭素数の比率が30%以上であることを特徴とする請求項2または3のいずれかに記載の膜。
- カゴ型構造がアダマンタン構造であることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の膜。
- カゴ型構造がジアマンタン構造であることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の膜。
- 脂環式炭化水素構造を有する化合物が窒素原子を含まないことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の膜。
- さらに有機溶剤を含む組成物より形成されることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の膜。
- 脂環式炭化水素構造を有する化合物を含む膜形成用組成物を塗布し塗膜を形成する工程、塗膜にマイクロウエーブを照射する工程を含むことを特徴とする膜形成方法。
- 請求項9に記載の膜を有する電子デバイス。
Priority Applications (1)
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JP2005267405A JP2007081156A (ja) | 2005-09-14 | 2005-09-14 | 膜 |
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Cited By (3)
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JP2009212260A (ja) * | 2008-03-04 | 2009-09-17 | Fujifilm Corp | 膜 |
JP5458884B2 (ja) * | 2007-07-30 | 2014-04-02 | 住友ベークライト株式会社 | 絶縁膜形成用重合体、絶縁膜形成用組成物、絶縁膜及びそれを有する電子デバイス |
-
2005
- 2005-09-14 JP JP2005267405A patent/JP2007081156A/ja active Pending
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