JP2006290424A - ファスナー付き包装袋 - Google Patents

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▼静▲子 水田
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Abstract

【課題】 ファスナーを容易に開くことができ、安価に製造することができるファスナー付きの包装袋を提供することを目的とする。
【解決手段】 シート部材21,22からなる包装袋と、その開口部6の近傍に設けられたファスナー3とを備えている。ファスナー3は、上記包装袋の内面に固着され、互いに嵌合される凸側テープ4及び凹側テープ5からなり、それぞれが、その長手方向の一部において開口部6側へ突出させた突出部43,53を有している。このため、開口部6付近のシート部21,22材間に突出部43,53が挟まれ、開口部に隙間を形成しやすくなる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、ファスナー付き包装袋に係り、更に詳しくは、プラスチックファスナーのように凸条部及び凹条部を嵌合させるファスナーが、シート部材からなる包装袋の開口部の近傍に設けられたファスナー付き包装袋の改良に関する。
密閉構造の包装袋は、内容物を湿気から守り、内容物の蒸散を防止し、あるいは、内容物の衛生状態を確保することができるため、ペットフード、食料品、薬品などの包装袋として広く使用されている。また、このような包装袋の開口部にプラスチックファスナーが取り付けられ、開封後も密閉することができるファスナー付き包装袋が広く使用されている。例えば、一度に使い切らずに数回に分けて使用される内容物の包装袋には、この様なファスナー付き包装袋が適している。
一般に、ファスナー付き包装袋は、シート部材を貼り合わせた包装袋の内側にプラスチックファスナーが取り付けられている。包装袋を構成するシート部材は、開口部を除く周縁部が溶着により閉塞され、開口部近傍のシート部材の内面にプラスチックファスナーが溶着されている。このため、開閉自在のプラスチックファスナーを閉じて、開口部を閉鎖すれば、包装袋を密閉することができる。また、ファスナー付き包装袋には、シート部材の全ての周縁部が溶着され、使用者が周縁部の一部を切り取ることによって、上記開口部が形成されるものも少なくない。この様なファスナー付き包装袋の場合、開封前は、気密性の高い密閉状態を確保することができ、開封後は、プラスチックファスナーを利用して、気密性は低いが、開閉自在の密閉状態を確保することができる。
プラスチックファスナーは、凸条部を有する凸側テープと、凹条部を有する凹側テープとにより構成され、使用者が凸側テープ及び凹側テープを互いに押し付けて、対向する凸条部及び凹条部を嵌合させれば、ファスナーを閉じることができる。一方、使用者が凸側テープ及び凹側テープを引き離し、凸条部を凹条部から離脱させれば、ファスナーを開くことができる。ただし、プラスチックファスナーは、シート部材の内面に取り付けられているため、使用者はファスナーを直接つかむことができない。このため、ファスナーを開く際には、ファスナーよりも開口部側のシート部材をつかみ、対向する2枚のシート部材を反対方向へ引っ張ることによって、凸側テープ及び凹側テープを引き離さなければならない。
ところが、開口部付近の対向するシート部材を1枚ずつ指でつまみ、それぞれを反対方向に引っ張ることが容易でない場合が少なくない。例えば、静電気によって開口部のシート部材が密着しているような場合や、粘着性の内容物が付着しているような場合に、2枚のシート部材を1枚ずつ指でつまむことは容易ではない。また、シート部材の一部を使用者が切り取る包装袋の場合、切り取り時にできたシート部材のクセによって、シート部材がつまみにくくなっている場合もある。特に、幼児や高齢者のように指先が器用ではない使用者にとって、開口部のシート部材を1枚ずつつかむことは容易ではない場合があった。
このため、ファスナー付き包装袋の開口部をつまみ易くするための改良について、従来から様々な提案がなされている(例えば、特許文献1〜5)。
特許文献1に開示されているファスナー付き包装袋は、シート部材を切り取るための切取線(ミシン目)を蛇行させることによって、シート部材は、その一部が突出部として残されるように切り取られる。このため、切り取り後の開口部には、シート部材からなる面積の広い突出部が形成される。
特許文献2に開示されているファスナー付き包装袋は、開口部においてシート部材の1枚のみを切り抜いた切り抜き部が、各シート部材について位置をずらして形成されている。また、特許文献3に開示されているファスナー付き包装袋は、シート部材を切り取るための切取線(切り込み溝)がシート部材の表裏で不揃いに形成され、開口部を構成するシート部材の端部が重ならないようにしている。つまり、特許文献2及び3では、開口部において対向する2枚のシート部材の端部形状を異ならせることによって、シート部材をつまみ易くしている。
特許文献4及び5に開示されているファスナー付き包装袋は、ファスナーを構成する凸側テープ及び凹側テープのテープ幅を異ならせ、シート部材をこれらのテープに沿って切り取らせることにより、開口部をつまみ易くしている。
特開平2000−229619号公報 実登3075233号公報 実登3097492号公報 特開平2000−272638号公報 特開平2002−225881号公報
上記特許文献1では、開口部にシート部材からなる突出部を設けることによって、シート部材をつかみやすくしている。しかしながら、シート部材が密着していれば、シート部材を1枚ずつつまむことはやはり容易ではない。また、蛇行する切取線に沿ってうまく切り取ることができなかった場合には、全く効果が得られない。さらに、切取線としてミシン目が形成されているため、シート部材の周縁部を溶着したとしても、開封前に十分な気密性を確保することができないという問題もあった。
また、上記特許文献2〜5では、開口部において対向する2枚のシート部材の端部形状を異ならせることによってシート部材をつまみ易くしている。しかしながら、特許文献3〜5では、一方のシート部材をつまむのは容易であっても、シート部材が密着しているような場合に他方のシート部材をつまむのは容易ではない。また、使用者がうまく切り取ることができなかった場合には、全く効果が得られない。一方、特許文献2では、両方のシート部材を容易につまむことができるが、シート部材の端部の形状が複雑であるため、製造コストがかかり、また、シート部材を切り取るタイプの包装袋には適していない。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、ファスナーを容易に開くことができ、安価に製造することができるファスナー付きの包装袋を提供することを目的とする。特に、開口部に指を挿入しやすいファスナー付き包装袋を提供することを目的とする。さらに、シート部材を切り取りやすいファスナー付き包装袋を提供することを目的とする。
本発明による第1のファスナー付き包装袋は、シート部材からなる包装袋と、包装袋の開口部の近傍に設けられたファスナーとを備え、上記ファスナーは、テープ基材及び凸条部からなる凸側テープと、テープ基材及び凹条部からなる凹側テープとにより構成され、凸条部及び凹条部を嵌合可能に対向させて凸側テープ及び凹側テープが上記包装袋の内面に固着され、上記凸側テープ及び上記凹側テープの少なくとも一方は、その長手方向の一部分についてテープ基材を上記開口部側へ突出させた突出部を有している。
この様な構成により、嵌合する凸側テープ及び凹側テープよりも開口部側において、ファスナーの突出部がシート部材間に挟まれた状態となり、開口部付近のシート部材間に隙間を形成することができ、あるいは、開口部付近でシート部材が密着しにくくなる。従って、ファスナーを開けようとする使用者は、開口部のシート部材間に指を入れやすくなり、ファスナーを簡単に開けることができる。また、上記突出部は、ファスナーの一部であって、ファスナーとともにシート部材に取り付けられることから、新たな部品を必要とせず、新たな製造工程も必要ない。このため、製造コストの上昇を抑制しつつ、ファスナー付き包装袋を開け易くすることができる。
本発明による第2のファスナー付き包装袋は、上記構成に加えて、上記凸側テープは、そのテープ基材の上記開口部側の端辺を伸延させた第1の突出部を有し、上記凹側テープは、そのテープ基材の上記開口部側の端辺を伸延させた第2の突出部を有する。この様にして、凸側テープ及び凹側テープに突出部をそれぞれ設けることによって、より簡単に開口部に指を入れることが可能になる。
本発明による第3のファスナー付き包装袋は、上記構成に加えて、上記第1及び第2の突出部が、上記凸条部及び上記凹条部を嵌合させた状態において互いに重なる部分を有している。この様にして、第1及び第2の突出部の少なくとも一部を重ならせることによって、開口部付近において、対向するシート部材間の距離をより大きくすることができるので、より簡単に開口部に指を入れることが可能になる。
本発明による第4のファスナー付き包装袋は、上記構成に加えて、上記第1及び第2の突出部の少なくとも一方が、上記凸条部及び上記凹条部を嵌合させた状態において他方と重ならない部分を有している。この様な構成により、開口部に指を入れた使用者は、各突出部を持って反対側に引っ張り、ファスナーを開けることができる。このため、シート部材をもって、ファスナーを開ける場合に比べて、ファスナーを簡単に開けることができる。
本発明による第5のファスナー付き包装袋は、上記構成に加えて、上記突出部が、テープ基材よりも厚い部分を有する。この様な構成により、開口部付近において、対向するシート部材間の距離をより大きくすることができるので、より簡単に開口部に指を入れることが可能になる。
本発明による第6のファスナー付き包装袋は、上記構成に加えて、上記包装袋が、その周縁が閉塞されたシート部材からなり、上記開口部は、包装袋の周縁の一部を切り取ることによって形成される。つまり、上記開口部は、ファスナー付き包装袋に予め形成されている場合だけでなく、使用者がシート部材を切り取って形成されるものであってもよい。
本発明による第7のファスナー付き包装袋は、上記構成に加えて、上記開口部を形成するための切取予定線が、上記ファスナーの突出部と交差している。この様な構成により、切取予定線に沿ってシート部材を切り取れば、突出部の一部が開口部外に突き出した状態となる。従って、使用者は、開口部から突き出してた突出部をつまめば、ファスナー付き包装袋を簡単に開けることができる。
本発明による第8のファスナー付き包装袋は、上記構成に加えて、上記突出部が、上記切取線と傾きをもって交差し、切取方向を凸側テープ及び凹側テープとは反対側に誘導する縁部を有している。この様な構成により、シート部材を切り取る際、突出部の縁部において、うまく切り取りができなくなるのを防止することができる。
本発明によれば、ファスナーを容易に開くことができ、安価に製造することができるファスナー付きの包装袋を提供することができる。特に、開口部に指を挿入しやすいファスナー付き包装袋を提供することができる。さらに、シート部材を切り取りやすいファスナー付き包装袋を提供することができる。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1によるファスナー付き包装袋の一例を示した外観図であり、開封前のファスナー付き包装袋10が示されている。図2は、図1のファスナー付き包装袋10の製造時における様子を示した分解斜視図である。図3は、図1のファスナー付き包装袋10についてA−A切断面を示した断面図である。このファスナー付き包装袋10は、矩形形状からなる2枚のシート部材21,22間にプラスチックファスナー3を挟み込んで構成されている。
シート部材21,22は、互いに重ね合わせた状態で周縁部が溶着され、その全周が溶着部23によって閉塞されている。2つの切取開始点24は、包装袋10を開封するためのシート部材21,22の切り取り作業の開始点となる切り込み部である。これらの切取開始点24は、溶着部23内に形成されているため、開封前の包装袋10の内部は、気密性の高い密閉状態に保持されている。切取予定線25は、切取開始点24からシート部材21,22を切り取った場合に、切り口になると見込まれる位置である。
使用者が、切取開始点24を挟んでシート部材21,22の2箇所を掴み、互いに逆方向に引っ張れば、切取予定線25に沿って、シート部材21,22が裂け、シート部材21,22の切り口からなる開口部が形成される。なお、切取予定線25は、直線形状からなり、シート部材21,22の他の部分よりも裂け易く加工され、かつ、使用者が容易に視認できるように加工されていることが望ましい。ただし、このような加工が行われていない場合であれば、切取開始点24を通るプラスチックファスナー3に平行な線、あるいは、2つの切取開始点24を結ぶ線が切取予定線25となる。
シート部材21,22は、水や空気を通さない素材を薄いシート形状に加工した柔軟性を有する素材からなる。例えば、紙、ポリエチレンやポリプロピレンなどのプラスティックフィルム、アルミニウム箔などを使用することができる。また、これらを貼り合わせた複合素材を用いることもできる。なお、本実施の形態では、シート部材21,22がプラスティックフィルムからなるものとして説明する。
また、プラスチックファスナー3は、凸側テープ4及び凹側テープ5からなり、ともに開口部付近のシート部材21,22の内面にそれぞれ溶着されている。当該プラスチックファスナー3は、プラスチック材料の押出成形又は射出成形によって製造され、シート部材21,22と比較すれば、より厚くて撓みにくい素材からなる。プラスチック材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂を使用することができる。
凸側テープ4は、一体成形されたテープ基材41、凸条部42及び突出部43からなる。テープ基材41は、幅及び厚さが概ね一定のままで一方向に延びる薄い形状(以下、テープ形状と呼ぶ)からなり、一方の面上に凸条部42が形成され、他方の面はシート部材21に溶着されている。凸条部42は、テープ基材41の長手方向に延びる凸部であり、その断面は先端部を膨らませた形状からなる。突出部43は、テープ基材41の長手方向の一部についてテープ基材41を開口部側へ突出させて形成される。より具体的には、テープ基材41の端部を開口部へ向けて延伸させ、テープ基材41の端部を部分的に突き出させたタブ状の突出部である。
凹側テープ5は、一体成形されたテープ基材51、凹条部52及び突出部53からなる。テープ基材51は、テープ形状からなり、一方の面上に凹条部52が形成され、他方の面はシート部材22に溶着されている。凹条部52は、テープ基材51の長手方向に延びる凹部であり、その断面は入口よりも内部空間が広くなった形状からなる。突出部53は、テープ基材51の長手方向の一部についてテープ基材51を開口部側へ突出させて形成される。より具体的には、テープ基材51の端部を開口部へ向けて延伸させ、テープ基材51の端部を部分的に突き出させたタブ状の突出部である。
凸側テープ4及び凹側テープ5は、凸条部42及び凹条部52を対向させるように、シート部材21,22の内面に溶着されている。このため、使用者がシート部材21,22を外側から指で押さえ、両テープ4,5を互いに押し付ければ、凸条部42及び凹条部52を嵌合させることができ、ファスナー3によって開口部を閉鎖することができる。一方、使用者が開口部付近のシート部材21,22を1枚ずつつまんで反対方向に引っ張れば、凸条部42及び凹条部52の嵌合を解くことができる。この様にして、プラスチックファスナー3は開閉自在であり、当該ファスナー3を閉じれば、包装袋10の内部を気密状態にすることができる。
図4は、図1のファスナー付き包装袋10について開封後の様子の一例を示した図である。図中の(a)には、(b)のファスナー付き包装袋10を開口部6側から見た様子が示されている。一般にプラスチックファスナー3は開口部6の近傍に設けられており、当該ファスナー3の突出部43,53は、凸条部42及び凹条部52よりも開口部6側に設けられていることから、これらの突出部43,53は、開口部6の近傍に配置されていることになる。
開口部6の近傍において、シート部材21,22間に突出部43,53が挟み込まれている場合、開口部6付近のシート部材21,22間に隙間ができ、また、シート部材21,22が密着しにくくなる。このため、使用者は、シート部材21,22を1枚ずつ指でつまんで、プラスチックファスナー3を開けようとする際、開口部6に指を入れ易くなる。特に、シート部材21,22が、静電気によって密着しやすい素材である場合や、シート部材21,22の開口部付近に内容物が付着している場合や、切取時にシート部材21,22の端部にクセが付いているような場合であっても、突出部43,53を設けることによって、開口部6に指を入れ易くなり、プラスチックファスナー3を簡単に開けることができるようになる。
また、使用者が、突出部43,53をつまんで引っ張れば、小さな力でプラスチックファスナー3を開くことができる。突出部43,53は、シート部材21,22よりも厚くて硬いことから、指でつまみやすく、力を入れやすい。また、突出部43,53は、凸側テープ4,凹側テープ5とそれぞれ一体成型されていることから、これらの突出部43,53を指でつまめば、指の力を凸側テープ4及び凹側テープ5に直接的に伝えることができる。このため、シート部材21,22だけをつまんで引っ張る場合に比べ、より小さな力でプラスチックファスナー3を開くことができる。
さらに、突出部43,53は互いに重なり合う重複部分を有している。このため、当該重複部分において、シート部材21,22をより長い距離で引き離すことができる。ここでは、テープ基材41,51の厚さの2倍の距離だけ引き離すことができるため、開口部付近において、より隙間ができやすくなり、プラスチックファスナー3をより簡単に開くことができる。
一方、突出部43は突出部53と重ならない部分を有するとともに、突出部53も突出部43と重ならない部分を有している。このため、突出部43,53をそれぞれ指で容易につまむことができるので、プラスチックファスナー3をより簡単に開くことができる。
なお、突出部43,53は、シート部材21,22に溶着されていてもよいし、溶着されていなくてもよい。
実施の形態2.
実施の形態1では、切取予定線25が突出部43,53と交差しない場合について説明したが、本実施の形態では、切取予定線25が突出部43,53と交差し、開封後は、突出部43,53の一部が開口部6から突き出して露出した状態となる場合について説明する。
図5は、本発明の実施の形態2によるファスナー付き包装袋11の一例を示した外観図であり、開封後のファスナー付き包装袋11が示されている。このファスナー付き包装袋11は、切取開始点24が、突出部43,53の先端よりもファスナー側に形成され、切取予定線25が、突出部43,53と交差している。従って、切取予定線25に沿って、シート部材21,22を切り取れば、突出部43,53の先端を突出させた開口部6が形成される。
このようなファスナー付き包装袋11の場合、使用者が、開口部6からシート部材21,22間に指を入れなくても、突出部をつまむだけでプラスチックファスナー3を開くことができる。このため、迅速かつ容易にプラスチックファスナー3を開くことができる。なお、突出部43,53をつまむことにより力が入れ易くなり、かつ、指の力が直接的に伝わり、小さな力でプラスチックファスナー3を開くことができる点は、実施の形態1において突出部43,53をつまんだ場合と同様である。
また、突出部43,53は、その縁部をテーパー形状に形成して、切取予定線25と傾きをもって交差させ、切取方向を凸側テープ4及び凹側テープ5とは反対側へ容易に変更可能にしている。切取予定線25が突出部43,53と交差する場合、シート部材21,22の素材や使用者の巧拙などにより、切取予定線25に沿って上手く切り取ることができない場合が起こり得る。この様な場合であっても、突出部43,53の縁部をテーパー形状にして、切取方向を突出部43,53の更に外側へ誘導すれば、切り取りを続行することができる。
図6は、図5のファスナー付き包装袋11について、シート部材21,22の切り取り例を示した図である。図中の(a)には、切り取り中の様子が示されている。切取予定線25が、突出部43,53と交差している場合、切取予定線25が最初に交差する突出部の縁部において、切取予定線に沿った切り取りを続行できない場合がある。この様な場合に、突出部43,53の縁部が、切取方向を突出部43,53の更に外側へ誘導するテーパー形状になっていれば、突出部43,53に沿って、シート部材21,22の切り取りを続行することができる。
実施の形態3.
実施の形態1及び2では、凸側テープ4及び凸側テープ5にそれぞれ突出部が形成されている場合の例について説明したが、本実施の形態では、凸側テープ4及び凸側テープ5のいずれか一方に突出部が設けられている場合について説明する。
図7は、本発明の実施の形態3によるファスナー付き包装袋12の一例を示した分解斜視図である。このファスナー付き包装袋12は、凹側テープ5に突出部53が設けられているが、凸側テープ4には突出部が設けられていない。この場合であっても、開口部6の近傍において、シート部材21,22間に突出部53が挟み込まれ、開口部6付近のシート部材21,22間に隙間ができ、また、シート部材21,22が密着しにくくなる。このため、プラスチックファスナー3を開けようとする際、開口部6に指を入れ易くなる。
実施の形態4.
実施の形態1から3では、突出部43,53がテープ基材41,51の端部を延伸させて形成され、同じ厚みを有する場合の例について説明したが、本実施の形態では、突出部43,53が、テープ基材41,51よりも厚い場合について説明する。
図8は、本発明の実施の形態4によるファスナー付き包装袋13の一例を示した図である。この図は、図2と同様のA−A断面図であり、ファスナー3を拡大して示している。突出部43,53の厚さは、テープ基材41,51よりも厚くなっている。このため、同じ厚さである場合に比べて、開口部6付近のシート部材21,22間により大きな隙間を形成することができ、あるいは、シート部材21,22がより密着しにくくでき、ファスナー3をより簡単に開けることが可能になる。
この様にして突出部43,53を厚くするほど、開口部6付近に大きな隙間を形成することができるが、厚くしすぎた場合には、ファスナー3を閉じにくくなったり、閉じたファスナー3が勝手に開いたりすると考えられる。また、製造時における凸側テープ4及び凹側テープ5が不安定となり、シート部材21,22への溶着や、シート部材21,22間の溶着が難しくなるという問題が生ずる。
このため、突出部43,53が重複部を有する場合であれば、その厚さの合計が、嵌合している凸側テープ4及び凹側テープ5の合計厚さ(図中のL)以下であることが望ましい。また、突出部43の厚さは、凸条部42の先端における凸側テープ4の厚さ(図中のL4)以下であることが望ましい。また、突出部53の厚さは、凹条部52の先端における凹側テープ5の厚さ(図中のL5)以下であることが望ましい。ただし、突出部43,53の厚さは必ずしも均一である必要はなく、不均一である場合には、上記厚さ又は合計厚さの最大値が、上記条件を満足していることが望ましい。
なお、上記の各実施の形態では、溶着によって、シート部材21,22の周縁を閉塞し、プラスチックファスナー3をシート部材21,22に固着する例について説明したが、本発明はこの様な場合に限定されない。例えば、溶着に代えて、接着を行って製造される包装袋であってもよい。また、シート部材21,22は、個別のシート部材ではなく、1枚のシート部材を折り返して重ね合わせたものであってもよい。
また、上記の各実施の形態では、使用者がシート部材の一部を切り取ることによって、開口部6が形成される包装袋の例について説明したが、当初から開口部6が形成されている包装袋であってもよい。
図1は、本発明の実施の形態1によるファスナー付き包装袋の一例を示した外観図である。 図1のファスナー付き包装袋の製造時における様子を示した分解斜視図である。 図1のファスナー付き包装袋についてA−A切断面を示した断面図である。 図1のファスナー付き包装袋10について開封後の様子の一例を示した図である。 本発明の実施の形態2によるファスナー付き包装袋11の一例を示した外観図であり、開封後のファスナー付き包装袋11が示されている。 図5のファスナー付き包装袋11について、シート部材21,22の切り取り例を示した図である。 本発明の実施の形態3によるファスナー付き包装袋12の一例を示した分解斜視図である。 本発明の実施の形態4によるファスナー付き包装袋13の一例を示した図である。
符号の説明
3 ファスナー
4 凸側テープ
5 凹側テープ
6 開口部
10〜13 ファスナー付き包装袋
21,22 シート部材
23 溶着部
24 切取開始点
25 切取予定線
41 テープ基材
42 凸条部
43 突出部
51 テープ基材
52 凹条部
53 突出部
L 嵌合している凸側テープ4及び凹側テープ5の合計厚さ
L4 凸条部42の先端における凸側テープ4の厚さ
L5 凹条部52の先端における凹側テープ5の厚さ

Claims (8)

  1. シート部材からなる包装袋と、包装袋の開口部の近傍に設けられたファスナーとを備え、
    上記ファスナーは、テープ基材及び凸条部からなる凸側テープと、テープ基材及び凹条部からなる凹側テープとにより構成され、凸条部及び凹条部を嵌合可能に対向させて凸側テープ及び凹側テープが上記包装袋の内面に固着され、
    上記凸側テープ及び上記凹側テープの少なくとも一方は、その長手方向の一部分についてテープ基材を上記開口部側へ突出させた突出部を有することを特徴とするファスナー付き包装袋。
  2. 上記凸側テープは、そのテープ基材の上記開口部側の端辺を伸延させた第1の突出部を有し、
    上記凹側テープは、そのテープ基材の上記開口部側の端辺を伸延させた第2の突出部を有することを特徴とする請求項1に記載のファスナー付き包装袋。
  3. 上記第1及び第2の突出部は、上記凸条部及び上記凹条部を嵌合させた状態において互いに重なる部分を有することを特徴とする請求項2に記載のファスナー付き包装袋。
  4. 上記第1及び第2の突出部の少なくとも一方は、上記凸条部及び上記凹条部を嵌合させた状態において他方と重ならない部分を有することを特徴とする請求項2に記載のファスナー付き包装袋。
  5. 上記突出部は、テープ基材よりも厚い部分を有することを特徴とする請求項1に記載のファスナー付き包装袋。
  6. 上記包装袋は、その周縁が閉塞されたシート部材からなり、
    上記開口部は、包装袋の周縁の一部を切り取ることによって形成されることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のファスナー付き包装袋。
  7. 上記開口部を形成するための切取予定線が、上記ファスナーの突出部と交差することを特徴とする請求項6に記載のファスナー付き包装袋。
  8. 上記突出部は、上記切取予定線と傾きをもって交差し、切取方向を凸側テープ及び凹側テープとは反対側に誘導する縁部を有することを特徴とする請求項6に記載のファスナー付き包装袋。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013052927A (ja) * 2011-08-05 2013-03-21 Akiyoshi Fujita 封入袋
WO2013069112A1 (ja) * 2011-11-09 2013-05-16 有限会社セブンバーズ チャック付袋
JP2019176994A (ja) * 2018-03-30 2019-10-17 タキロンシーアイ株式会社 嵌合具及び嵌合具付き袋体

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